説明

振動パイプライン診断システム及び方法

【課題】振動パイプラインの構造的劣化を診断するシステムを提供する。
【解決手段】診断システム100は、パイプラインに固定された振動生成器104と、パイプラインに固定された振動センサ107と、振動生成器104及び振動センサ107と通信する処理装置111とを備える。処理装置111は振動生成器104を用いてパイプラインの一部分を振動させ、振動センサ107から振動に対する振動応答を受け取り、振動応答をパイプライン102の1つ又は複数の以前の振動応答と比較し、振動応答がパイプライン102の1つ又は複数の以前の振動応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違している場合に故障状態を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パイプライン診断システム及び方法に関するもので、特に、振動パイプライン診断システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パイプラインは多くの種類の気体及び流体を輸送するために使用される。パイプラインは、埋設されているか地上にあるかに無関係に、こうした物質を数百マイル又は数千マイルにわたって運ぶことができる。石油及び天然ガスのパイプラインは、パイプラインの広大なネットワークを介して輸送される物質のほんの2つの例にすぎない。
【0003】
パイプラインは多年にわたって使用されるように設計されるが、永続的に存続し得るものではない。輸送されている物質が少なくとも部分的に腐食性であれば、パイプラインの壁面は時間とともに徐々に腐食される。この結果、パイプラインは弱められ、最終的には破裂してしまう。更に、輸送されている物質が砂や土壌粒子のような固体粒子を含むならば、流れる物質はパイプラインの壁面を徐々に浸食することができる。この浸食プロセスはパイプラインの壁面を薄くして弱くすることができる。
【0004】
パイプラインに対する他の損傷もあり得る。例えば、近くで動作している機械類はパイプラインに影響を与えて破損することができる。パイプラインの壁面の一部が衝撃によって変形すると、パイプラインの構造的完全性に影響がある。更に、パイプラインの使用に起因して、パイプラインがかなりの圧力レベルまで加圧されたかのように、パイプラインの壁面における先天的な割れ目が最終的には明らかとなる。
【0005】
パイプラインの状態をチェックするのに利用することができる診断装置及び方法は従来から多数存在する。パイプラインを視覚的に外部から観察することができる。しかし、この従来技術の方法は極めて長時間を要し、面倒であり、高価である。更に、こうした観察では、少なくとも問題が重大になって漏れが生じるまで、腐食や浸食のような、パイプライン内部の傷を見つけ出すことができない。
【0006】
1つの従来の点検装置はピグと呼ばれる。ピグはパイプラインの区間を通過させられる電子的観察装置である。ピグはパイプラインの内面を電子的に走査することができ、有線又は無線信号によって外部の局に信号又はデータを中継することができる。しかし、従来のピグにも欠点がある。場合よっては、従来のピグは、物質の流れを遮断して空のパイプラインをピグが移動することを要する。代わりに、物質の流れを有するパイプラインにピグを用いることができ、ピグは物質の流れによってパイプラインを通って運ばれる。しかし、挿入及び取り出しのプロセスには、或る程度の流れの停止が必要である。その結果、従来のピグは面倒で時間のかかる挿入・取り出し手順を必要とする。
【0007】
他の従来の診断装置はランダーの米国特許公開第2005/0279169号に開示されている。ランダーの特許は、間隔を置いてパイプラインに取り付けられた振動センサのアレイを備え、パイプラインでの漏れが特徴的な振動を生成させることを開示している。ランダーの開示によると、この漏れは、こうした特徴的な振動を検出することによって検知することができる。この従来の手法の欠点は、システムが完全に受動的であり、振動を生成することができないことである。更に、ランダーのシステムは、パイプラインでの脆弱性の進行を検知することができず、パイプラインの将来の傷や不具合を検知することができない。ランダーのシステムは、漏れが出現するまで不具合を検知又は決定することができない。ランダーのシステムは、パイプラインの傷や面厚の低減が重大な漏れへと進行するのを防止するようにパイプラインを維持することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
漏れを防止し、環境的な影響や影響コストを回避し、メンテナンスコストと不稼働時間を最小化するよう、腐食、浸食その他の物理的影響によって生じる構造的な劣化を検知するための診断システム及び方法に対する要求が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施の形態にしたがって、振動パイプライン診断システムが提供される。振動パイプライン診断システムは、パイプラインに固定されるようになされた少なくとも1つの振動生成器と、パイプラインに固定されるようになされた少なくとも1つの振動センサと、これら少なくとも1つの振動生成器及び振動センサと通信する処理装置とを備える。処理装置は、少なくとも1つの振動生成器を用いてパイプラインの一部分を振動させ、少なくとも1つの振動センサから振動に対する振動応答を受け取り、振動応答をパイプラインの1つ又は複数の以前の応答と比較するよう構成される。また、処理装置は、振動応答が1つ又は複数の以前の応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違しているならば故障状態を表示するよう構成される。
【0010】
本発明の実施の形態にしたがって、パイプラインのための振動診断方法が提供される。この方法は、パイプラインの一部分を振動させること、振動に対する振動応答を受け取ること、振動応答をパイプラインの1つ又は複数の以前の応答と比較すること、及び、振動応答が1つ又は複数の以前の応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違しているならば故障状態を表示することを含む。
【0011】
本発明の実施の形態にしたがって、パイプラインのための振動診断方法が提供される。この方法は、パイプラインの一部分を振動させること、振動に対する振動応答を受け取ること、及び、振動応答からパイプラインの一部分での共振周波数を決定することを含む。また、方法は、共振周波数をパイプラインの1つ又は複数の以前の共振周波数と比較すること、及び、共振周波数が1つ又は複数の以前の共振周波数から所定の周波数許容値よりも大きい値だけ相違しているならば故障状態を表示することを含む。
【0012】
態様
システムの1つの態様によれば、故障状態はパイプラインの一部分での壁面の厚さの変化と関係付けられる。システムの他の態様によれば、故障状態はパイプラインの一部分での壁面の構造的完全性の変化と関係付けられる。システムの更に他の態様によれば、処理装置は振動応答を記憶するよう構成される。システムの更に別の態様によれば、処理装置は振動応答を転送するよう構成される。システムの更に別の態様によれば、少なくとも1つの振動生成器と少なくとも1つの振動センサとが、パイプラインに取り外し可能に固定されるようになされる。
【0013】
システムの更に別の態様によれば、処理装置は、振動応答からパイプラインの一部分での共振周波数を決定し、共振周波数をパイプラインの1つ又は複数の以前の共振周波数と比較し、共振周波数と1つ又は複数の以前の共振周波数との差が所定の周波数許容値を超えるならば故障状態を表示するよう更に構成される。システムの更に別の態様によれば、システムは振動させること、受け取ること及び比較することを所定の時間間隔で反復するよう構成される。
【0014】
方法の1つの態様によれば、方法は、振動させること、受け取ること及び比較することを所定の時間間隔で反復するよう構成される。方法の他の態様によれば、故障状態はパイプラインの一部分の壁面の厚さの変化と関係付けられる。方法の更に他の態様によれば、故障状態はパイプラインの一部分での壁面の構造的完全性の変化と関係付けられる。方法の更に他の態様によれば、方法は振動応答を記憶することを更に含む。方法の更に他の態様によれば、方法は振動応答を転送することを更に含む。
【0015】
方法の更に他の態様によれば、分析は、パイプラインの一部分での共振周波数を振動応答から決定すること、振動応答をパイプラインの1つ又は複数の以前の共振周波数と比較すること、振動応答がパイプラインの1つ又は複数の以前の共振周波数から所定の周波数許容値よりも大きい値だけ相違しているならば故障状態を表示することを含む。
【0016】
方法の更に他の態様によれば、方法は、共振周波数を記憶することを更に含む。方法の更に他の態様によれば、方法は、共振周波数を転送することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る振動パイプライン診断システムを示す。
【図2】図2は、パイプラインの共振周波数を決定する1つの方法を図示する、パイプラインにおける周波数(f)対振幅(A)のグラフである。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る、パイプラインのための振動診断方法のフロー図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る、パイプラインのための振動診断方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜図4及び以下の記述は、本発明の最良の形態を作成し使用する方法を当業者に教示するための特定の例を示している。発明原理を教示するために、幾つかの従来の特徴は省略され又は単純化されている。当業者は、こうした例からの、発明の範囲内に入る変形を理解するであろう。当業者は理解するように、以下に記述される特徴を種々の方法で組み合わせて、発明の多くの変形を形成することができる。その結果、本発明は以下に記述される特定の例によってではなく、請求項とその均等物によってのみ限定されるべきである。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態に係る振動パイプライン診断システム100を示している。振動パイプライン診断システム100は少なくとも1つの振動生成器104と少なくとも1つの振動センサ107と処理装置111とを備える。処理装置111は振動生成器104及び振動センサ107と通信する。処理装置111は、図示するように、線やケーブル等の任意の手段によって振動生成器104と振動センサ107とに結合される。代わりに、処理装置111は任意の無線リンク(図示せず)によって振動生成器104と振動センサ107とに結合されてもよい。
【0020】
振動生成器104と振動センサ107とはパイプライン102に固定される。パイプライン102はパイプの一部又は一区間を構成することができる。パイプライン102は任意の直径、長さ又は形状とすることができる。振動生成器104は例えば距離Dだけ振動センサ107から離れている。代わりに、他の実施の形態(図示せず)においては、振動生成器104と振動センサ107とは近接して配置され、又は、パイプライン102の一箇所に固定される単一の構成要素を構成することさえできる。
【0021】
実施の形態によっては、振動生成器104と振動センサ107とは、パイプライン102に実質的に永久的に固定される。代わりに、振動生成器104と振動センサ107とはパイプライン102に取り外し可能に固定され得る。これらの2つの構成要素は、ファスナー、バンド、クランプ、接着剤等々の使用を含む任意の方法で取り外し可能に固定され得る。実施の形態によっては、総理装置111もパイプライン102に取り外し可能に又は永久的に固定される。
【0022】
処理装置111は、振動生成器104を用いてパイプライン102の一部分を振動させるように構成される。処理装置111は駆動信号を振動生成器104に送ることができる。振動生成器104は処理装置111から駆動信号を受け取って、駆動信号にしたがってパイプライン102に振動を生成する。例えば、駆動信号は所定の周波数と振幅を有することができる。例えば、駆動信号は所定の複数の周波数を含むことができる。
【0023】
また、処理装置111は振動に対する振動応答を受け取るように構成される。振動応答は振動センサ107によって生成され、振動センサ107から受け取られる。振動応答はパイプライン102の一部分での振動の測定値を含み、振動生成器104へ送られた駆動信号によって生成される。
【0024】
受け取られた振動応答は、パイプライン102における故障状態を決定するために使用され得る。したがって、処理装置111は、この振動応答を、パイプライン102の1つ又は複数の以前に取得された振動応答と比較するようにも構成されている。処理装置111は、振動応答が1つ又は複数の以前に取得された振動応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違している場合に故障状態を指示する。その結果、処理装置111は故障状態が生じたかどうかを決定することができる。
【0025】
1つの実施の形態においては、処理装置111は、現時点の振動応答からパイプライン102の一部分での共振周波数を決定する。パイプライン102の一部分での壁面の厚さ又は構造的完全性に変化がなければ、共振周波数は変わらないはずである。しかし、共振周波数の変化は、パイプライン102の一部分に故障があることを示すことができる。例えば、共振周波数の変化はパイプライン102の一部分の壁厚の変化と関係付けられる。パイプライン102の壁面の厚さは、パイプライン102内の流れ物質が腐食性又は浸食性である場合を含む腐食又は浸食の結果として減少し得る。更に、共振周波数の変化は、パイプライン102の一部分での壁面の構造的完全性の変化と関係付けされる。例えば、パイプライン102の一部分に何かが衝突し又は衝撃が加えられたならば、共振周波数は変化する。衝撃によってパイプライン102は凹み又は変形される。また、衝撃はパイプライン102にクラックその他の構造的な損傷を生じる。パイプライン102にクラック又は亀裂があると、共振周波数は変化する。
【0026】
処理装置111は、実施の形態によっては、更なる能力を備えることができる。処理装置111は現時点の振動応答及び/又は共振周波数を記憶することができる。振動応答及び/又は共振周波数は、将来における計算及び比較の際に履歴データとして働くよう記憶されることができる。これにより、処理装置111は所定の間隔で比較を行い、パイプライン102に生じている腐食や浸食を追跡することができる。また、処理装置111は、パイプライン102に対する構造的損傷の発生を認識するために、記憶されたデータを用いることができる。また、記憶されたデータは将来のパイプライン設計(パイプラインの材質及び壁面の厚さの選択を含む)のために使用され得、更に、例えば交換や修理に要する時間を予測するためにも使用され得る。
【0027】
また、処理装置111は、遠隔監視装置又は遠隔データ収集装置を含む他の装置へデータを送信することができる。例えば、データは振動応答、決定された共振周波数及び決定された故障を含むことができる。処理装置111はこうした情報を、その生成時に又は他の装置からの要求時に転送することができる。
【0028】
処理装置111は複数の振動生成器104及び振動センサ107と通信することができる。処理装置111は、複数のこうした局と通信して制御を行うよう設計されることができる。有利なことに、この実施の形態の処理装置111はコストと構成要素を低減することができる。更に、処理装置111は、パイプライン102内を下流方向に移動している腐食又は浸食等の、拡大する不具合を検知することができる。
【0029】
図2は、パイプライン102の共振周波数を決定するための1つの方法を図示する、パイプラインにおける周波数(f)対振幅(A)のグラフである。インパルス周波数の矢印で表されるように、所定の周波数での振動がパイプライン102に生成される。それに応答して、パイプライン102は、図示の共振周波数スパイクのように、共振周波数で振動する。理解されるとおり、振動生成器104は、パイプライン102に共振周波数応答を生成するため共振周波数で振動しなければならない訳ではない。
【0030】
所定の周波数は共振周波数と同じ又はその近くであり得る。例えば、所定の周波数は、パイプラインが浸食、腐食その他の構造的不具合のない新品であるときには、パイプラインの共振周波数で生成される。代わりに、所定の周波数は以前に決定された共振周波数(即ち、例えば以前に記憶された値)で生成されることができる。
【0031】
代わりに、振動パイプライン診断システム100は周波数掃引を生成することができる。周波数掃引は周波数の範囲を含むことができる。振動応答はパイプライン102の振動を含むことができ、振動応答は共振周波数において振幅がずっと大きくなる。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態に係る、パイプラインの振動診断方法のフロー図300である。ステップ301において、パイプラインの一部分が振動させられる。先に検討したとおり、パイプラインの一部分は共振周波数又は予測される共振周波数で、或いは或る周波数範囲にわたって振動することができる。
【0033】
ステップ302において、パイプラインの一部分からの振動応答が受け取られる。振動応答は複数の周波数及び振幅を含むことができる。ステップ303において、振動応答は1つ又は複数の以前の振動応答と比較される。1つ又は複数の以前の振動応答は、以前の診断動作から記憶されることができる。その結果、比較を用いて、パイプラインの状態が時間的に変化したかどうかを決定することができる。
【0034】
ステップ304において、その時点での振動応答が1つ又は複数の以前の振動応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違しているならば、方法はステップ305へ進む。そうでなければ、障害が表示されず、方法はステップ305を迂回する。ステップ305において、その時点での振動応答が1つ又は複数の以前の振動応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違しているので、故障状態が表示される。これは、故障状態を表す状況、フラグ又は変数を設定することを含むことができる。故障状態は記憶され及び/又は他の装置へ転送されることができる。また、故障状態は、パイプラインの一部分の至急の点検や警報等を開始させるのに用いられることができる。また、故障状態は故障の重大性を表すことができる。例えば、故障状態は、振動応答において検知された変化量を表すレベルを含むことができる。
【0035】
上記の諸ステップは反復的に実行され得るし、所定の時間間隔で実行されることもできる。例えば、ステップは、壁面の厚さ及び/又は壁面の構造的完全性の何等かの変化が検知されることを保証する間隔で実行され得る。
【0036】
図4は、本発明の実施の形態に係る、パイプラインの振動診断方法のフロー図400である。ステップ401において、先に検討したとおり、パイプラインの一部分が振動させられる。
【0037】
ステップ402において、振動応答がパイプラインから受け取られる。振動応答は複数の周波数及び振幅を含むことができる。しかし、振動応答は、周囲の周波数よりも検知可能に大きい共振周波数を含む傾向にある。
【0038】
ステップ403において、パイプラインの一部分での共振周波数が振動応答から決定される。或る実施の形態における共振周波数は、振動応答の振幅から決定される最大周波数応答(図2)であるように決定される。共振周波数はパイプラインの固有振動周波数を含み、パイプラインの構成材料やパイプラインの壁面の厚さ、形状及びサイズ等の要因に依存する。他の要因も共振周波数に影響し得る。
【0039】
ステップ404において、共振周波数は1つ又は複数の以前の共振周波数と比較される。1つ又は複数の以前の共振周波数は、以前の診断動作から記憶されることができる。その結果、比較を用いて、パイプラインの状態が時間的に変化したかどうかを決定することができる。
【0040】
ステップ405において、現時点での共振周波数が1つ又は複数の以前の共振周波数から所定の周波数許容値よりも大きい値だけ相違しているならば、方法はステップ406へ進む。そうでなければ、故障が表示されず、方法はステップ406を迂回する。
【0041】
ステップ406において、その時点での共振周波数は1つ又は複数の以前の共振周波数から所定の周波数許容値よりも大きい値だけ相違しているから、故障状態が表示される。これは、故障状態を表す状況、フラグ又は変数の設定を含むことができる。また、故障状態は故障の重大性を表すこともできる。例えば、故障状態は、共振周波数において検知された変化量を表すレベルを含むことができる。先に検討したとおり、上記の諸ステップは反復的に実行されることができる。
【0042】
所望であれば、利点がもたらされるよう、任意の実施の形態にしたがって、振動パイプライン診断システム及び方法を採用することができる。振動パイプライン診断システム及び方法は、診断プロセス期間におけるパイプラインでの流れの中断を除去する非侵入性パイプライン診断能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、パイプラインにおける物質の流れを止めることなく実施されることができる診断能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、診断装置をパイプラインに挿入し、そこから取り出す必要無しに実施されることができる振動能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、パイプラインを遠隔監視する能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、点検コストを大幅に低減し、点検頻度を増すことができる。
【0043】
振動パイプライン診断システム及び方法は、不具合や漏れを経験する可能性の高いパイプライン部分を監視するのに用いることができる能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、間隔を置いて実施されることができる振動能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、オンデマンドで及び任意の時間に実施されることができる振動能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、一層高い頻度で且つ定期的に変化を監視する能力を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、構造的完全性の不具合の検知を提供する。振動パイプライン診断システム及び方法は、壁面の厚さの低減の検知を提供する。
【0044】
振動パイプライン診断システム及び方法は、漏れを防止することができる。振動パイプライン診断システム及び方法は、漏れが生じる前に損傷を検知することができる。振動パイプライン診断システム及び方法は、環境保護的インパクト及びそれに関連するコストを回避することができる。振動パイプライン診断システム及び方法は、メンテナンスコストと不稼働時間を最小化することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動パイプライン診断システム(100)であって、
パイプラインに固定されるようになされた少なくとも1つの振動生成器(104)と、
前記パイプラインに固定されるようになされた少なくとも1つの振動センサ(107)と、
前記少なくとも1つの振動生成器(104)及び前記少なくとも1つの振動センサ(107)と通信する処理装置(111)であって、前記少なくとも1つの振動生成器(104)を用いて前記パイプラインの一部分を振動させ、前記少なくとも1つの振動センサ(107)から前記振動に対する振動応答を受け取り、前記振動応答を前記パイプラインの1つ又は複数の以前の振動応答と比較し、前記振動応答が前記1つ又は複数の以前の振動応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違しているならば故障状態を表示するよう構成された処理装置と、
を具備する振動パイプライン診断システム。
【請求項2】
パイプラインのための振動診断方法であって、
前記パイプラインの一部分を振動させるステップと、
前記振動に対する振動応答を受け取るステップと、
前記振動応答を前記パイプラインの1つ又は複数の以前の振動応答と比較するステップと、
前記振動応答が前記1つ又は複数の以前の振動応答から所定の許容値よりも大きい値だけ相違しているならば故障状態を表示するステップと、
を備える方法。
【請求項3】
パイプラインのための振動診断方法であって、
前記パイプラインを振動させるステップと、
前記振動に対する振動応答を受け取るステップと、
前記振動応答から前記パイプラインの一部分での共振周波数を決定するステップと、
前記共振周波数を前記パイプラインの1つ又は複数の以前の共振周波数と比較するステップと、
前記共振周波数が前記1つ又は複数の以前の共振周波数から所定の周波数許容値よりも大きい値だけ相違しているならば故障状態を表示するステップと、
を備える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−255799(P2012−255799A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−178392(P2012−178392)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【分割の表示】特願2009−550861(P2009−550861)の分割
【原出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(592225504)マイクロ・モーション・インコーポレーテッド (95)
【氏名又は名称原語表記】Micro Motion Incorporated
【Fターム(参考)】