説明

振動検出装置

【課題】縦揺れも確実に検出でき、接触間近の状態でも確実に接触させて検出エラーをなくす。
【解決手段】 天板1の下に弾性吊り下げ条12が垂下され、この弾性吊り下げ条12の下に剛性吊り下げ条13が連結され、この剛性吊り下げ条13の下に磁力体14が連結され、振り子15が構成される。この振り子15の周囲には、テーパ環状の接触体22が配置され、地震/振動があると、剛性吊り下げ条13が接触体22に接触して、地震/振動が検出される。弾性吊り下げ条12が弾性変形するので、縦揺れが弾性吊り下げ条12で振り子揺動に変換されて剛性吊り下げ条13に伝達され、剛性吊り下げ条13が接触体22に確実に接触できる。磁力体14が接触体22の間近に近づくと、磁力体14が接触体22に磁性吸引され、剛性吊り下げ条13が触体22に確実に接触される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震他の振動を検出する装置に関するものであり、多段の振り子を利用した振動検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震を検出する装置は種々考えられており、地震の振動を検出して、警報機を鳴らしたり、電源を遮断したり、ガスコンロやストーブなどの火もとを消火したりする。このような振動検出装置に振り子を用いるものがいくつかある。これは、地震などの振動で振り子が振動/揺動することを検出するというものである。
【0003】
【特許文献1】特開平11−232992号公報
【特許文献2】登録実用新案第3027633号公報
【特許文献3】特許第3340537号公報
【特許文献4】特開2000−329857号公報
【特許文献5】特開昭54−34874号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の振り子では、横揺れを検出できるが、縦揺れを検出するとき、十分に検出できないことがあった。これは振り子が水平に振動/揺動するためであり、垂直方向には振動/揺動しないためと考えられる。
【0005】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、横揺れだけでなく、縦揺れも確実に検出できる振動検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、弾性的に変形可能な導電性の振り子の弾性吊り下げ条と、この弾性吊り下げ条の上または下に連結される弾性変形しない導電性の上記振り子の剛性吊り下げ条とを設けた。
【発明の効果】
【0007】
これにより、弾性吊り下げ条である振り子の一部を弾性的に変形可能としたから、縦揺れに対してこの弾性吊り下げ条が縦に弾性変形し、この弾性変形が振り子の水平振動/揺動に変換され、縦揺れを検出することができる。また、横揺れに対しても振り子が水平振動/揺動するので、横揺れも検出することができる。
【0008】
また、振り子15の条を弾性変形できるようにしたので、縦揺れを振り子の振動/揺動に迅速に変換でき、縦揺れに対して即座に検出を行うことができる。このような縦揺れ検出は、振り子の条を弾性変形できるようにしたためであり、鎖のような弾性変形しないものでは達成できない。
【0009】
また、弾性変形しない剛性吊り下げ条が弾性吊り下げ条の下に垂下されていると、弱い振動でも接触体に振り子が接触してしまことがなくなり、誤動作が少なくなる。さらに、振り子の下端の磁力体と接触体とが互いに磁力で吸引されるので、地震/振動で磁力体が接触体に引き寄せられて、振り子は接触体に確実に接触でき、地震/振動を確実に検出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)振動検出装置の全体構造/振り子15の構造
図1はこの発明の一実施の形態に係る振動検出装置の全体構成を示し、図2は同振動検出装置の縦断面を示す。天板1は円形平板状で、天井、棚、机、床、梁、鴨居などの水平な下面に固定される。
【0011】
この天板1の下面には、この天板1より小さい円筒状の上筒2が接合されている。この上筒2の下面には、円形平板状の中天板3が接合され、上筒2の下面は中天板3によって密封されて、上室6が形成されている。
【0012】
この上筒2の下の中天板3の下面には、中筒4が接合されている。この中筒4の太さは上記上筒2の太さと同じであるが、中筒4の長さは上記上筒2の長さの数倍で、より長い。この中筒4の下には半球状/ドーム状の下カップ5が接合されている。
【0013】
これら中天板3、中筒4及び下カップ5によって、密封された下室7が形成されている。上記中筒4は磁性を帯びることが可能な金属製で不透明であるが、半透明または透明であってもよい。上記天板1、上筒2、中天板3、下カップ5は樹脂製で透明であるが、不透明または半透明でもよい。中筒4が鉄、ニッケル、ステンレス等の磁性を帯びることが可能なものであれば、磁力体14及び接触体22の磁力/磁気を遮蔽して、周囲の電気回路/電気機器に悪影響を与えるのを防止できる。
【0014】
上記中天板3の下面中心にはフック11が固定されている。このフック11には、弾性吊り下げ条12の上端の上フック12aが掛けられて連結され、弾性吊り下げ条12が振動/揺動可能に吊り下げられている。この弾性吊り下げ条12には、細い導電金属針金をコイル状/スプライン状に巻いたスプリング/コイルバネが用いられ、弾性吊り下げ条12は弾性的に変形可能な導電性のものである。
【0015】
この弾性吊り下げ条12の下端の下フック12bには、剛性吊り下げ条13の上端の上フック13aが掛けられて連結され、剛性吊り下げ条13が振動/揺動可能に吊り下げられている。この剛性吊り下げ条13は、導電金属製の細長い棒であり、弾性変形しない可撓性を有しない剛体である。
【0016】
この剛性吊り下げ条13の下端の下フック13bには、球状の磁力体14の上端の上フック14aが掛けられて連結され、磁力体14が振動/揺動可能に吊り下げられている。この磁力体14は、永久磁石である。
【0017】
上記弾性吊り下げ条12及び剛性吊り下げ条13によって振り子15が構成される、または弾性吊り下げ条12、剛性吊り下げ条13及び磁力体14によって振り子15が構成される。
【0018】
(2)接触体22の構造/作用
上記中天板3の下面の中心のフック11の周囲には等間隔に3つ(複数)のリングフック21…が固定されている。このリングフック21…のリング内をスプリング/コイルバネ状の接触体22の上縁が挿通されている。
【0019】
この接触体22は、太い導電金属針金をコイル状/スプライン状に巻いたスプリング/コイルバネが用いられ、弾性吊り下げ条12は弾性的に変形可能な導電性のものであり、上記磁力体14と吸着可能となっている。したがって、接触体22は、テーパ環状であり、上から下に向かって当該環状の環の太さが次第に小さくなっている。
【0020】
この接触体22の螺旋のピッチ幅は、上記磁力体14の大きさより小さい。これにより、磁力体14が振動で飛び跳ねて接触体22の螺旋の間から飛び出してしまうことがない。接触体22の下縁の開口部22aの大きさは磁力体14の大きさより大きく、この磁力体の大きさの2倍(数倍/複数倍)前後である。接触体22の上縁の径は、この下縁の開口部22aの径の3倍(数倍/複数倍)前後である。
【0021】
上記接触体22の上縁の内径及び下縁の開口部22aの内径は、振り子15全体の長さより短い。したがって、振り子15の振動/揺動があれば、振り子15は確実に接触体22に接触できる。
【0022】
上述のように接触体22が環状になっているので、振動検出装置に対してどのような方向から地震/振動が来ても、剛性吊り下げ条13または磁力体14が確実に接触体22に接触することができる。
【0023】
また、接触体22がテーパ状になっているので、地震/振動に対して、振り子15の下端の剛性吊り下げ条13または磁力体14から先に接触体22に接触することができ、弾性吊り下げ条12または弾性吊り下げ条12と剛性吊り下げ条13との連結関節部から先に接触してしまうことがなくなる。
【0024】
なお、接触体22は、縦に伸びる一本又は二本の棒状等、環状でなくてもよい。また、接触体22は、上から下まで同じ内径等、テーパ状でなくてもよい。
【0025】
このような接触体22は、多数の針金環が上下に配列され、各針金環が縦に伸びる複数の針金に連結固定されてもよいし、縦に伸びる複数の針金が環状に配列されても良いし、筒状、筒網状、筒板状などでもよい。この接触体22の全体内径または下縁内径の大きさ(環の太さ)が変更されると、振り子15と接触体22との間隔が変更され、検出される振動/地震の大きさも変更される。
【0026】
(3)振り子15の作用
上記磁力体14は、上記接触体22の下縁の開口部22aから突出しており、同接触体22の下縁から下外側に吸着可能である。この開口部22aの周縁に接触するのは、上記剛性吊り下げ条13である。
【0027】
磁力体14と接触体22とは、一方または両方が永久磁石そのものまたは永久磁石に接触しており、他方はこの永久磁石の磁力で吸着されるものであり、互いに吸着可能である。磁力体14と接触体22とは、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、アルミニウム、これらの合金である、アルニコ、ステンレスなどの磁性を帯びることが可能な材質である。
【0028】
また、磁力体14と接触体22と弾性吊り下げ条12と剛性吊り下げ条13とは、銅、鉄、アルミニウム、亜鉛、すず、ニッケル、これらの合金である、真鍮、ステンレスなど、熱収縮率の小さい材質からなっている。熱収縮率が小さければ、周囲の記憶/温度変化に対して検出精度が変化することが少なくなる。
【0029】
剛性吊り下げ条13が銅などの磁力/磁性を帯びない材質であれば、磁力体14の磁力/磁性が剛性吊り下げ条13及び弾性吊り下げ条12に伝わって、剛性吊り下げ条13及び弾性吊り下げ条12が接触体22に磁気吸引されて誤動作するのを防止できる。
【0030】
磁力体14が永久磁性を帯びるには、磁力体14そのものを永久磁石にするか、磁力体14の中に永久磁石を内蔵させる。接触体22が永久磁性を帯びるには、接触体22の上縁、接触体22の周囲に永久磁石が接触される。
【0031】
振り子15の下端の磁力体14と接触体22とが互いに磁力で吸引されるので、地震/振動で振り子15が揺れて磁力体14が接触体22の間近まで接近したとき、磁力体14が接触体22に引き寄せられ、剛性吊り下げ条13は接触体22に確実に接触でき、地震/振動を確実に検出できる。このような磁力吸引によって、振り子15の振動/揺動が促進され、早く減衰してしまうことがなくなり、振り子15が接触体22に確実に接触できる。
【0032】
また、振り子15の下端の磁力体14は接触体22の下端の開口部22aから突出しているので、縦揺れに対しても、磁力体14が接触体22の間近まで接近したとき、磁力体14が接触体22に引き寄せられ、剛性吊り下げ条13を接触体22に確実に接触させることができ、地震/振動を確実に検出できる。
【0033】
むろん、振り子15の下端の磁力体14は接触体22の下端の開口部22aから突出せず、接触体22の下縁の開口部22aより上に位置してもよい。この場合、接触体22の内径を大きくすることになる。そして、振動/地震で剛性吊り下げ条13ではなく磁力体14が接触体22の内側に接触することになる。
【0034】
なお、磁力体14は接触体22と磁力で吸着しあうので、弱い振動/地震でも磁力体14が接触体22に接触してしまうことになる。振り子15の下端の磁力体14が接触体22の下端の開口部22aから突出していれば、このような誤動作はなくなる。
【0035】
上記弾性吊り下げ条12は、スプリング/コイルバネであるため、長手方向に弾性的に伸縮可能である。したがって、縦揺れの振動/地震に対して弾性吊り下げ条12は垂直方向に伸縮するとともに、弾性吊り下げ条12全体は波状に振動変形し、水平方向にも揺れて振動し、剛性吊り下げ条13を水平方向にも揺動/振動させる。
【0036】
これにより、縦揺れに対して、弾性吊り下げ条12を接触体22に接触させることができる。また、このような縦揺れを振り子15の振動/揺動に迅速に変換でき、縦揺れに対して即座に検出を行うことができる。このような縦揺れ検出は、振り子15の条を弾性変形できるようにしたためであり、鎖のような弾性変形しないものでは達成できない。
【0037】
むろん、上記弾性吊り下げ条12は、長手方向に直交する方向に弾性的に揺動可能又は振動可能であり、横揺れ振動/地震に対して、水平方向に揺れて振動し、剛性吊り下げ条13を水平方向にも揺動/振動させる。これにより、横揺れに対して、弾性吊り下げ条12を接触体22に接触させることができる。
【0038】
地震というものは、横揺れ(横波)に対して縦揺れ(縦波)が先に来るので、地震の揺れはじめで地震/振動を確実に検出できる。むろん、横揺れも検出できるし、周期の長い揺れや、地震の最後の表面波も検出できる。
【0039】
弾性吊り下げ条12は、スプリング/コイルバネのほか、導電性ゴムのチューブ、導電性ゴムの紐、弾性を有する網筒状などでもよい。剛性吊り下げ条13は、可撓性を有してもよいし、導電金属性のほか、導電樹脂製でもよいし、スプリング/コイルバネ状、棒状、板状、ワイヤー状、筒状または鎖状であってもよい。
【0040】
この剛性吊り下げ条13は省略され、弾性吊り下げ条12が接触体22の開口部22aから露出/突出して、下フック12bに直接磁力体14が連結されてもよい。この場合、弾性吊り下げ条12の弾性を弱くして剛体に近い弾性撓みの少ないものにする。または、接触体の22の内径を太くする。そうしないと、小さい揺れでも弾性吊り下げ条12が接触体22に接触してしまうことになる。
【0041】
この弾性変形しない剛性吊り下げ条13が弾性吊り下げ条12の下に垂下されていると、弱い振動でも接触体22に接触してしまことがなくなり、誤動作が少なくなる。例えば、震度4で接触するように設定したとき、震度3で誤って接触してしまうことがほとんどなくなる。
【0042】
接触体22の内側と振り子15との間隔は、検出する震度に応じて変更される。例えば震度「4」の縦揺れを検出できるように当該間隔は設定される。そして、上述のように弾性吊り下げ条12の下に剛性吊り下げ条13が吊り下げられているので、震度3以下で誤って誤検出してしまうことがない上に、上述のように磁力体14は接触体22の下縁の開口部22aから突出しているので、やはり震度3以下で誤って誤検出してしまうことがない。
【0043】
また、接触体22の螺旋のピッチ/間隔は、剛性吊り下げ条13の長さより小さい。これにより、激しい地震/振動で振り子15が接触体22の隙間から飛び出してしまうことがない。磁力体14の太さ/径は剛性吊り下げ条13の太さ/径より大きい。これにより、剛性吊り下げ条13を磁力体14が引っ張って接触体22に接触させることができる。
【0044】
また、上記磁力体14は球状のほか、立方体、直方体、多面体であってもよい。上記天板1、弾性吊り下げ条12、剛性吊り下げ条13または/及び磁力体14の相互の連結においては、フック、上フック、下フック11、12a、12b、13a、13b、14aによって、互いに連結される物が互いに容易に折曲可能なように連結されている。
【0045】
したがって、振り子15はこれら連結されている各所で容易に折れ曲がり、縦揺れ等の振動/地震に対して非常に迅速に折れ曲がり、地震/振動の検出の即応性に優れている。このような連結箇所は振り子15の元端を除いて2カ所以上であってもよいが、連結箇所が多すぎると逆に即応性が低下する。連結箇所は1カ所乃至2カ所が望ましいといえる。
【0046】
リングフック21…、接触体22、フック11、弾性吊り下げ条12、剛性吊り下げ条13または/及び磁力体14の一部または全体は導電性であるが、磁力体14は非導電性でもよい。また、接触体22及び磁力体14の一部または全体は磁性を帯びることが可能な材質からなっているが、フック11、弾性吊り下げ条12または剛性吊り下げ条13も磁性を帯びることが可能な材質からなっていてもよい。
【0047】
(4)検出回路30/警報機33
上記振り子15に接続されたフック11には接続線31が接続され、上記接触体22に接続されたリングフック21の1つにも接続線32が接続され、これら接続線31及び32は、上室6を通って、振動検出装置の外に引き出され、警報機33に接続され、この警報機33は中筒4の外側面に固定されている。
【0048】
図3は検出回路30を示す。この検出回路30は上記警報機33に内蔵されている。上記接続線31及び32にはワンショットタイマー回路34が接続され、このワンショットタイマー回路34のワンショットスイッチ35が一瞬でも導通されると、所定時間、例えば30秒間、継続して警報ランプ36に電流を送り、警報ランプ36を継続して点灯/点滅させ、警報ブザー37にも継続して電流を送り、警報ブザー37を継続して発音/放音させる。
【0049】
上記ワンショットスイッチ35は、上記振り子15の剛性吊り下げ条13と接触体22とによって構成され、振り子15の剛性吊り下げ条13が接触体22に接触すると、導通して、当該接触が検出される。したがって、地震/振動があると、上記所定時間、警報ランプ36が点灯/点滅され、警報ブザー37が発音/放音され、地震/振動があることが、光と音と報知される。
【0050】
(5)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、接触体22に接触するのは、剛性吊り下げ条13のほか、磁力体14、弾性吊り下げ条12でもよいし、上フック、下フック12a、12b、13a、13b、14aなどの連結部であってもよい。
【0051】
振り子15と接触体22との接触の検出は、物理的な接触の検出のほか、ホール素子、磁電変換素子などの磁気検出手段による電気的接触の検出であってもよい。この場合、接触体22の下縁の開口部22aの内側にこのような磁気検出手段が配置される。
【0052】
上記検出回路30による検出の結果によって制御/実行される処理は、光または音による報知のほか、電気/ガス/水道などの供給(変電所・ガス管・給水所・ブレーカー・ガスメータ・水道メータなど)の遮断、石油/ガス/電気のストーブ/ガスコンロなどの暖房器具/台所厨房機器などの加熱器具の緊急消火、高速鉄道/電車/自動車/車両/航空機等の乗り物の運行/走行の停止、ノートパソコン/コンピュータ/OA機器/電信電話機器/交換機/通信機器の電源遮断/動作停止、工場の生産設備//発電所(原子力・火力・水力)/ガスタンクなどの各種運転機器の緊急停止などの地震/その他の振動に対しての停止/終了/遮断/切断/オフなどが実行されてもよい。この場合、上記ワンショットタイマー回路はこのような停止/終了/遮断/切断/オフを永続して行う遮断回路/切断回路/スイッチ回路に置き換えられる。
【0053】
また、上記検出回路30による検出の結果によって制御/実行される処理は、非常灯の点灯、非常通信網の確保、携帯電話/無線機への緊急メッセージ/緊急メールの発信/配信、テレビ/ケーブルテレビ/ラジオの緊急通報の開始、駅・スポーツ施設・劇場・学校・病院・役所・ホテルなどの緊急の構内/校内の放送/連絡の開始、交換機/通信機器の確保、自家発電装置/太陽電池の投入/動作開始/電源切り換え、緊急貯水処理の開始、録画/録音の開始、ノートパソコン/コンピュータ/OA機器/通信機器のデータ/情報の自動バックアップ開始、車両/電車の信号の切り換え、高速道路の表示板への緊急表示などの各種運転機器の緊急作動開始などの地震/その他の振動に対しての開始/再開/投入/接続/オンなどが実行されてもよい。この場合、上記ワンショットタイマー回路はこのような開始/再開/投入/接続/オンを永続して行う投入回路/接続回路/スイッチ回路に置き換えられる。
【0054】
警報機33は、中筒4の外側だけでなく、中筒4の外側周囲、上室6の内側または周囲、下筒5の外側、下側または内側下部、本振動検出装置から離れた箇所に設けられてもよい。
【0055】
(6)他の発明の効果
[1]弾性的に変形可能な導電性の振り子の弾性吊り下げ条と、 この弾性吊り下げ条の上または下に連結される弾性変形しない導電性の上記振り子の剛性吊り下げ条と、 これら互いに連結された弾性吊り下げ条及び剛性吊り下げ条の下端に設けられた磁性を帯びることが可能な上記振り子の磁力体と、 これら振り子の周囲に配置され、上記振り子に接触可能で、上記磁力体と吸着可能で導電性の接触体と、 これら振り子と接触体とに接続され当該振り子と接触体との接触とを検出する検出回路とを備えたことを特徴とする振動検出装置。
【0056】
これにより、弾性吊り下げ条である振り子の一部を弾性的に変形可能としたから、縦揺れに対してこの弾性吊り下げ条が縦に弾性変形し、この弾性変形が振り子の水平振動/揺動に変換され、縦揺れを検出することができる。また、磁力体と接触体とが吸着可能であるから、振り子の振動/揺動が促進され、振り子が接触体に確実に接触できる。
【0057】
[2]上記弾性吊り下げ条は、長手方向に弾性的に伸縮可能である、または/及び長手方向に直交する方向に弾性的に揺動可能又は振動可能であることを特徴とする請求項1記載の振動検出装置。これにより、縦揺れをより効率的に振り子の振動に変換できるし、縦揺れだけでなく横揺れも検出できる。
【0058】
[3]上記剛性吊り下げ条は、可撓性を有しないまたは可撓性を有し、導電金属性または導電樹脂製である請求項1または2記載の振動検出装置。これにより、縦揺れから効率的に変換された振り子の振動で振り子自身が撓むのを防止できる。
【0059】
[4]上記弾性吊り下げ条の下に上記剛性吊り下げ条が連結され、上記接触体には上記剛性吊り下げ条が接触することを特徴とする請求項1、2または3記載の振動検出装置。これにより、接触体に剛体が接触するので、接触を確実に行うことができる。
【0060】
[5]上記弾性吊り下げ条、剛性吊り下げ条または磁力体の相互の連結において、互いに連結される物が互いに折曲可能なように連結されることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の振動検出装置。これにより、振り子は連結されている各所で容易に折れ曲がり、縦揺れ等の振動/地震に対して非常に迅速に折れ曲がり、地震/振動の検出の即応性が向上する。
【0061】
[6]上記接触体は、テーパ環状であり、振り子の上から下に向かって当該環状の環の太さが次第に小さくなっていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の振動検出装置。これにより、地震/振動に対して、振り子の下端の剛性吊り下げ条または磁力体から先に接触体に接触することができ、弾性吊り下げ条と剛性吊り下げ条と磁力体との連結関節部から先に接触してしまうことがなくなる。
【0062】
[7]上記磁力体は、上記接触体の下縁から突出して、同接触体の下縁から下外側に吸着可能である請求項1、2、3、4、5または6記載の振動検出装置。これにより、縦揺れに対しても、磁力体が接触体の間近まで接近したとき、磁力体が接触体に引き寄せられ、剛性吊り下げ条が接触体に確実に接触でき、地震/振動を確実に検出できる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上詳述したように、本発明は、横揺れだけでなく縦揺れも確実に検出でき、地震/振動検出のときに接触間近の状態でも確実に接触させて検出エラーをなくす。
【0064】
天板1の下に弾性吊り下げ条12が垂下され、この弾性吊り下げ条12の下に剛性吊り下げ条13が連結され、この剛性吊り下げ条13の下に磁力体14が連結され、振り子15が構成される。この振り子15の周囲には、テーパ環状の接触体22が配置され、地震/振動があると、剛性吊り下げ条13が接触体22に接触して、地震/振動が検出される。
【0065】
弾性吊り下げ条12が弾性変形するので、縦揺れが弾性吊り下げ条12で振り子揺動に変換されて剛性吊り下げ条13に伝達され、剛性吊り下げ条13が接触体22に確実に接触できる。磁力体14が接触体22の間近に近づくと、磁力体14が接触体22に磁性吸引され、剛性吊り下げ条13が触体22に確実に接触される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明の一実施の形態に係る振動検出装置の外観斜視図を示す。
【図2】振動検出装置の縦断面図を示す。
【図3】検出回路30を示す。
【符号の説明】
【0067】
1…天板、2…上筒、3…中天板、
4…中筒、5…下カップ、
6…上室、7…下室、
11…フック、12…弾性吊り下げ条、
12a…上フック、12b…下フック、
13…剛性吊り下げ条、13a…上フック、13b…下フック、
14…磁力体、14a…上フック、15…振り子、
21…リングフック、22…接触体、22a…開口部、
30…検出回路、31、32…接続線、33…警報機、
34…ワンショットタイマー回路、35…ワンショットスイッチ、
36…警報ランプ、37…警報ブザー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性的に変形可能な導電性の振り子の弾性吊り下げ条と、
この弾性吊り下げ条の上または下に連結される弾性変形しない導電性の上記振り子の剛性吊り下げ条と、
これら互いに連結された弾性吊り下げ条及び剛性吊り下げ条の下端に設けられた磁性を帯びることが可能な上記振り子の磁力体と、
これら振り子の周囲に配置され、上記振り子に接触可能で、上記磁力体と吸着可能で導電性の接触体と、
これら振り子と接触体とに接続され当該振り子と接触体との接触とを検出する検出回路とを備えたことを特徴とする振動検出装置。
【請求項2】
上記弾性吊り下げ条は、長手方向に弾性的に伸縮可能である、または/及び長手方向に直交する方向に弾性的に揺動可能又は振動可能であることを特徴とする請求項1記載の振動検出装置。
【請求項3】
上記剛性吊り下げ条は、可撓性を有しないまたは可撓性を有し、導電金属性または導電樹脂製である請求項1または2記載の振動検出装置。
【請求項4】
上記弾性吊り下げ条の下に上記剛性吊り下げ条が連結され、上記接触体には上記剛性吊り下げ条が接触することを特徴とする請求項1、2または3記載の振動検出装置。
【請求項5】
上記弾性吊り下げ条、剛性吊り下げ条または磁力体の相互の連結において、互いに連結される物が互いに折曲可能なように連結されることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の振動検出装置。
【請求項6】
上記接触体は、テーパ環状であり、振り子の上から下に向かって当該環状の環の太さが次第に小さくなっていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の振動検出装置。
【請求項7】
上記磁力体は、上記接触体の下縁から突出して、同接触体の下縁から下外側に吸着可能である請求項1、2、3、4、5または6記載の振動検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−112925(P2006−112925A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300801(P2004−300801)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(304050738)
【Fターム(参考)】