説明

振動素子及びそれを含む携帯用水分供給装置

【課題】 振動素子及びそれを含む携帯用水分供給装置を提供する。
【解決手段】 振動素子10は、正面に上部電極を備えた環状の超音波振動子46と、超音波振動子46の背面に位置して中央に振動部42を一体に備えた下部電極44と、下部電極44の外周を取り囲む弾性ハウジング20とを含む。下部電極中央の振動部42は円状薄板で構成され、その外周に沿って下部電極44の背面が突出するように段差が形成され、円状薄板の中央部には多数の液放出孔hが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動素子、より詳細には、別途のフィルターなしでも液体を霧化させることができる振動素子と、それを含む携帯用水分供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、乾燥した皮膚及び空気に水分を供給する水分供給装置は、水を加熱するか、超音波振動子を使って水を微細な粒子に変化させて、乾燥した室内を加湿するようになっている。このような水分供給装置は、比較的広い場所を加湿するためのものであって、加湿容量が大きいために装置の体積が大きく、重量がある。このため、携帯しにくく、乾燥した皮膚に集中的に水分を供給しにくい。
【0003】
従来、このような問題点を解決するために、特許文献1に開示されたように、樹脂型フィルターを通じて一定量ずつ排出される液体を超音波振動子で霧化させた後、皮膚に供給する携帯用水分供給装置を開発した。
【0004】
しかし、前記のように、水分に長期間入れられていた樹脂型フィルターを使って超音波振動子に液体を供給する場合、前記樹脂型フィルターから悪臭が出るという問題点があった。それだけではなく、前記樹脂型フィルターに一定量の水分が供給し続けられて、カビのような菌類又は細菌が容易に増殖する環境を提供するものとなった。
【0005】
このため、前記のように、汚染された樹脂型フィルターを通過した水分が皮膚に供給されて、むしろ皮膚が危害要素に露出されてしまうという問題点が発生した。また、汚染された樹脂型フィルターにより、容器内に貯蔵されている液体全体にも汚染が進行する問題点が発生した。
【0006】
更に、樹脂型フィルターを使う場合、皮膚に有用な成分をフィルタリングしてしまい、皮膚改善効果を低下させるという問題点があった。また、前記樹脂型フィルターが所定の長さ以上に形成されなければならず、前記樹脂型フィルターと超音波振動子とが分離されているために、水分供給装置の小型化に限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3140444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする第1の課題は、別途のフィルターを備えなくても、供給された液体を霧化することができる振動素子を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする第2の課題は、前記振動素子を装着して構造が単純になって携帯性が向上した携帯用水分供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記第1の課題を解決するものとして、正面に上部電極を備えた環状の超音波振動子と、前記超音波振動子の背面に位置して中央に振動部を一体に備えた下部電極と、前記下部電極の外周を取り囲む弾性ハウジングとを含み、前記下部電極の中央に備えられた前記振動部は円状薄板で構成され、その外周に沿って前記下部電極の背面が突出するように段差が形成され、前記円状薄板の中央部には多数の液放出孔を備えていることを特徴とする振動素子を提供する。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記弾性ハウジングは弾性重合体からなり、前記下部電極の外周を固定するが前記振動部の振動を拘束しないようにすることが望ましい。
【0012】
本発明は、前記第2の課題を解決するものとして、前記振動素子と、前記振動素子に供給される液体が貯蔵される貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクを着脱可能に収納する貯蔵タンク収納室が上部背面に形成され、上部正面には噴霧孔が形成された外部ケースとを含み、前記振動素子の弾性ハウジングは、厚さ方向に貫通孔が形成され、前記振動部から霧化された液体が前記噴霧孔に排出されるように、前記噴霧孔と前記貯蔵タンクとの間に結合されたことを特徴とする携帯用水分供給装置を提供することができる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記振動素子の液放出孔は、前記貯蔵タンク側の直径が前記噴霧孔側の直径より大きいテーパ状に形成される。
【0014】
また、前記弾性ハウジングの背面には、前記貯蔵タンクの一側が挿入される排出部挿入管が突設されうる。
【0015】
また、前記外部ケースには、一端が前記噴霧孔に連設され他端が前記弾性ハウジングと結合する噴霧管が更に備えられる。この場合、前記噴霧管は、テーパ状に形成されるが、前記噴霧孔側にいくほど前記噴霧管の径が大きくなるように形成される。ここで、前記噴霧管は、トルマリン鉱石又はトルマリン鉱石粉末の混合物で製造可能である。
【0016】
また、前記携帯用水分供給装置は、前記噴霧孔が形成された前記外部ケースの上部を覆う蓋と、前記蓋の位置によって電源をオン/オフする制御部とを、更に含みうる。この場合、前記蓋は、前記外部ケースにヒンジ結合されるか或いは前記外部ケースに摺動結合されうる。
【0017】
また、前記噴霧孔の外周面に沿って皮膚に有益な波長の光線を照射する発光手段が更に備えられうる。
【0018】
また、前記外部ケースには、下端部の内側にバッテリーが着脱可能に装着されるバッテリー装着室が更に備えられうる。ここで、前記外部ケースには、前記バッテリー装着室に装着された充電器に電気を供給することができる充電コネクタが更に備えられうる。
【0019】
また、前記外部ケースには、前記貯蔵タンク収納室に装着された前記貯蔵タンクの背面を加圧する貯蔵タンク固定部が更に備えられうる。この場合、前記貯蔵タンク固定部は、一側の端部が前記外部ケースにヒンジ結合される貯蔵タンク加圧板、前記貯蔵タンク加圧板の正面に突設されて前記貯蔵タンクと接する加圧板突起、及び、前記外部ケースの他側の端部に位置して該外部ケースに着脱可能に結合する締結具を含むことができる。
【0020】
更に、前記弾性ハウジングと結合された貯蔵タンクの端部に磁石が備えられうる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、振動素子を装着するだけで液体を供給することができるので、フィルターの装着が不要で携帯用水分供給装置の小型化が可能であり、液体が汚染される恐れがなく、振動がハウジングに吸収されてノイズの発生を防止することができる。また、ユーザの使用目的によって液体を入れ替え、皮膚に保湿、美白などの効果を与え、営養分を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による振動素子の斜視図である。
【図2】携帯用水分供給装置の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による携帯用水分供給装置の正面側から見た斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態による携帯用水分供給装置の背面側から見た斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による携帯用水分供給装置の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示すように、本発明による振動素子10は、正面に上部電極を備えた環状の超音波振動子46と、前記環状の超音波振動子46の背面に位置して中央に振動部42を一体に備えた下部電極44と、前記下部電極44の外周を取り囲む弾性ハウジング20とを含む。
【0024】
前記下部電極44の中央に備えられた振動部42は、円状薄板で構成され、その外周に沿って下部電極44の背面が突出するように段差が形成され、前記円状薄板の中央部には多数の液放出孔hが備えられている。
【0025】
前記弾性ハウジング20は、前記環状の超音波振動子46と接しないように備えられることが振動効率を極大化するために望ましいが、前記環状の超音波振動子46の正面を覆うように備えられてもよい。この場合には、前記環状の超音波振動子46の正面側に移動する液体の漏れを効率的に遮断することができるという利点がある。なお、図1では、環状の超音波振動子46、下部電極44及び振動部42の形状を参照するため、前記弾性ハウジング20の一部形状のみ示されている。
【0026】
前記下部電極44と振動部42は、一体に形成されており、前記振動部42の厚さが前記下部電極44の厚さより薄いため、前記下部電極44の背面が前記円形の振動部42の外周に沿って突出するように段差が形成される。
【0027】
また、前記環状の超音波振動子46は、圧電セラミックスであって、前記下部電極44と一体に形成された振動部42に振動を加えることにより、前記振動部42に供給された液体を霧化する。
【0028】
ここで、正面及び背面を区分する基準として、前記環状の超音波振動子46で上部電極が位置した方向に形成された面を正面といい、この正面の逆方向に位置した面を背面という。また、実際に前記振動素子10が後述の携帯用水分供給装置100(図2)に装着される時、前記正面は、携帯用水分供給装置100の前に向ける正面方向に位置し、前記背面は、携帯用水分供給装置100の後に向ける背面方向に位置する。
【0029】
本発明による振動素子10は、下部電極44の中心部に円状薄板の振動部42が一体に形成されているため、構成が非常に簡単でありながらも、前記環状の超音波振動子から薄板状の振動部42に振動が効率的に伝達されうるという利点がある。
【0030】
すなわち、従来は、環状の超音波振動子と、振動板又は振動メンブレインとが直接的に接しないように構成されていたが、本発明による振動素子10では、下部電極44が環状の超音波振動子と直接的に接しており、前記下部電極44と振動部42とが一体に形成されているため振動効率が優れている。
【0031】
また、下部電極44の外周を弾性ハウジング20が取り囲んでいるため、下部電極は固定されながらも、前記弾性ハウジング20が保有している弾性により、前記振動部42の振動が拘束されず、振動効率が優れるという利点もある。
【0032】
以下、望ましい実施形態を掲げて本発明を更に詳細に説明する。しかし、これら実施形態は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲をこれに限定するものではない。
【0033】
前記弾性ハウジング20は、弾性重合体からなり、前記下部電極44の外周を固定するが前記振動部42の振動を拘束しないようにすることが望ましい。
【0034】
弾性重合体の例として、スチレンブロック共重合体、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、塩素化ポリエチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、フッ素系エラストマー、シリコン系エラストマーなどが挙げられる。
【0035】
但し、前記弾性ハウジング20を製造する弾性重合体の種類は、これらに限定されず、前記振動素子10を携帯用水分供給装置100に装着した時、前記弾性ハウジング20と前記携帯用水分供給装置100との結合位置から液体が漏れない程度であれば、如何なるものも使用可能である。
【0036】
図2に示すように、本発明による携帯用水分供給装置100は、前記の振動素子10と、前記振動素子10に供給される液体を貯蔵する貯蔵タンク110と、前記貯蔵タンク110を着脱可能に収納する貯蔵タンク収納室131が上部背面に形成され、上部正面には噴霧孔132が形成された外部ケース130とを含む。
【0037】
前記振動素子10の弾性ハウジング20は、厚さ方向に形成された貫通孔22を有し、霧化された液体が前記振動部42から前記噴霧孔132に排出されるように、前記噴霧孔132と前記貯蔵タンク110との間に結合される。
【0038】
ここで、前記貯蔵タンク110側に位置した前記弾性ハウジング20の背面には、前記貯蔵タンク110の一側が挿入される排出部挿入管24が突設されうる。
【0039】
前記貯蔵タンク110は、液体wが貯蔵される容器112と、前記容器112の下端に形成されて、前記液体wが排出される排出部114とを含む。従って、前記弾性ハウジング20の排出部挿入管24が、前記排出部114と結合しながら、前記貯蔵タンク110内の液体wが流失されることなく、前記振動部42に直ちに供給されうる。
【0040】
また、前記外部ケース130には、一端が前記噴霧孔132に連設され、他端が前記弾性ハウジング20と結合する噴霧管134が更に備えられうる。
【0041】
ここで、背面とは、事物の裏面を指称する。すなわち、本発明による携帯用水分供給装置100から霧化された液体wの排出方向が正面方向であり、背面は前記正面の反対側に位置した面を示す。
【0042】
一般に、水分供給装置は、水を粒子化して排出するものであり、その種類は、遠心噴霧式、超音波式、電熱式、フィルター気化式がある。遠心噴霧式は、吸い込んだ水を遠心力で飛ばして粒子化するものであり、電熱式は、ヒーターや電極棒で水を加熱して蒸気を発生させるものである。また、フィルター気化式は、フィルターの間に空気を通過させて水を蒸発させるものであり、超音波式は、電気回路で特定周波数の電気信号を発生して水中に置かれた振動子に伝達して超音波を発生させれば、推進機などの後に生じる真空現象であるキャビテーション(cavitation)が生じて細密な霧粒子を発生させるものである。
【0043】
本発明による携帯用水分供給装置100は、超音波式で液体wを粒子化するものであり、前記環状の超音波振動子46から超音波が発生して液体wが霧化される。ここで、前記環状の超音波振動子46は、圧電セラミックスである。すなわち、前記環状の超音波振動子46の共振現象によって電気的エネルギーが機械的エネルギーに変換される圧電形状が発生し、これにより超音波が発生する。
【0044】
また、一般的な超音波振動子の場合、液体を霧化させるための振動子の周波数帯域は、凡そ1.5MHzであるのに対して、本発明による環状の超音波振動子46の周波数帯域は、90kHzないし500kHzであり、振動によるノイズが一般的な超音波振動子に比べて少ない。これだけではなく、前記下部電極44の外周に前記弾性ハウジング20が結合されているため、前記下部電極44の外周面に伝達される振動が前記弾性ハウジング20で吸収され、本発明による携帯用水分供給装置100のノイズを最小化することができる。
【0045】
本発明の一実施形態における液放出孔hは、図2に示すように、両端側の直径を同一にすることができる。或いは、他の実施形態では、前記貯蔵タンク110側の直径が前記噴霧孔132側の直径より大きくなるように、前記液放出孔hをテーパ状に形成することもできる。
【0046】
振動部42には、液放出孔hが穿孔されているが、別途の力が与えられる前には前記貯蔵タンク110内の液体wが前記液放出孔hに漏れない。すなわち、液体wの表面張力及び液体wの付着力などの均衡により、前記液放出孔hに液体wが漏れないようにできる。特に、液放出孔hは、他の実施形態のようにテーパ状に形成すると、液放出孔hの端部にこぼれた液滴に液体間の引力が強く作用することが分かる。
【0047】
液体分子相互間の引力作用を説明するに先立って、幾つかの用語を定義する。すなわち、前記液放出孔hに位置した液体wの分子が層を成し、表面張力によって液体wが前記噴霧孔132側の液放出孔hの端部で液滴を成すとき、前記液滴表面に位置した液体の分子層を表面層といい、前記表面層と接し前記表面層を引き付ける液体分子層を引力層という。
【0048】
本発明の他の実施形態による前記振動部42は、引力層の液体分子個数が更に多いため、前記振動部42の引力層から表面層の液体分子を引き付ける力が更に強く作用することが分かる。
【0049】
しかし、本発明による振動部42の液放出孔hは、その形状に関係なく、別途の力が作用する時にのみ液体wを排出する。従って、前記のように液体の表面張力、付着力及び引力などが平衡を成すことにより、前記振動素子10は、前記振動部42に重力以外の別途の力が加えられる時にのみ、前記液体wを一定量ずつ排出して霧化することができる。
【0050】
前記振動素子10の駆動によって液体wが霧化される過程は、次の通りである。
【0051】
前記液体wは、表面張力によって液放出孔hに留まっているが、前記環状の超音波振動子46によって振動する前記振動部42は、その振動により前記液放出孔hにこぼれていた液体wを打つようになる。この際、前記振動部42の背面側で真空現象(cavitation)が起きて前記液体wが霧のように微粒子になり、霧化された前記液体wは、前記噴霧管134側に移動しながら皮膚に供給される。
【0052】
ここで、前記環状の超音波振動子46は一定方向に振動を生じるため、本発明による携帯用水分供給装置100に、別途ファンを備えなくても、粒子化された液体が前記環状の超音波振動子46から力を受けて前記噴霧孔132側に移動しうる。従って、ファン稼動によるノイズ及び電力消耗が減るため、バッテリーを長く使うことができるだけでなく、静かな場所でも容易に使用できる。
【0053】
また、ファンが装着されなくてもよいので、本発明による携帯用水分供給装置100を小型、軽量化することができる利点がある。更に、フィルターが不要であるから、前記振動素子10が結合される前記排出部114の長さを従来に比べて短く形成することができ、携帯用水分供給装置100の小型化が可能である。
【0054】
前記弾性ハウジング20は、前記排出部114に結合すると同時に、前記噴霧管134の両側に突設されたパッキング固定バー136とも結合することにより、前記携帯用水分供給装置100内に更に堅固に結合されうる。図2には、前記パッキング固定バー136が互いに上下方向に位置するように示されているが、その位置は上下方向に限定されず、水平方向になるように形成してもよい。
【0055】
前記のように霧化された液体wは、前記噴霧管134及び前記噴霧孔132を通じて外部に排出される。この際、前記霧化された液体粒子が再び液化されないようにするために、本発明の一実施形態による前記噴霧管134は、前記噴霧孔132側にいくほど直径が大きくなるように傾いたテーパ状に形成される。このように噴霧管134をテーパ状に形成することによって、外部に排出される霧化された液体が前記噴霧管134に衝突して液化されることを防止することができる。
【0056】
前記噴霧管134は、トルマリン鉱石又はトルマリン鉱石粉末をプラスチックのような高分子物質と混合して製造されうる。この噴霧管134を通過させることで皮膚に供給される水分を陰イオンと共に供給するか、或いは前記排出部114に磁石117を設け、前記容器112内の水を磁化水状態にして、皮膚に供給することができる。この場合、磁石117は、水が容易に磁化水になるように磁束密度が11000ガウス以上であるものを使うとよい。
【0057】
一般に、トルマリン(tourmaline)は6角柱状の結晶を有する硼珪酸塩で、六方晶系に属する天然鉱物である。前記トルマリン結晶は、電気を発生する特性を有して電気石とも呼ばれる。このようなトルマリンの結晶は、身体に適した微弱電流を発生させ続け、前記結晶に水分が触れれば、瞬間的に水が電気分解しながら、生成されるヒドロキシル陰イオン(H)によって、水を凡そpH7.4にアルカリ化する。このような作用によって、前記水分が皮膚に供給されれば、保湿効果に優れた水分が皮膚に供給されるだけではなく、細胞機能が活性化される。
【0058】
また、図2に示すように、前記磁石117を排出部114に備える場合、磁力により、水分子を構成する水素は磁石117のN極側に、酸素はS極側に移動しようとする性質が発生する。これによって水分子が迅速に回転を行う。この際、磁場内に形成された陰電荷と衝突して15個ないし20個の水分子となり、以前の水分子クラスターで水分子が細分化された後、再び結合して5個ないし6個の水分子で一つのクラスターを成す。このような水を磁化水という。
【0059】
前記のように、一つのクラスターを成す水分子の個数が減りながら、前記水分が細胞内に容易に吸収されることができる。そして、前記磁化水は蒸発が遅いため、皮膚に長く水分を維持することができる。
【0060】
本発明の一実施形態による携帯用水分供給装置100は、前記電源ボタン152を使って電源をオン/オフすることもできるが、制御部160により、前記蓋156の位置によって電源がオン/オフされるように制御することもできる。
【0061】
前記携帯用水分供給装置100は、不使用時に噴霧管134を通じて前記振動部42にホコリが入り、或いは異物が挿入されて前記振動部42が破損されることを防止するために、蓋156を備えることができる。
【0062】
また、本発明による携帯用水分供給装置100は、前記外部ケース130に摺動結合するか或いは前記外部ケース130にヒンジ結合する前記蓋156の位置を把握して、電源を前記制御部160でオン/オフ制御することができる。
【0063】
例えば、前記外部ケース130と前記蓋156とが摺動結合する場合、前記蓋156が前記噴霧孔132の一部分や全体を覆っている時、前記携帯用水分供給装置100の電源を遮断することができる。従って、この場合は、電源ボタン152を押しても、前記携帯用水分供給装置100が駆動されないようにできる。
【0064】
また、前記噴霧孔132が完全に開放されるように、前記蓋156を上部に移動した時、前記制御部160で電源を供給して前記携帯用水分供給装置100を駆動させうる。この際、前記携帯用水分供給装置100は、前記電源ボタン152を通じてもオン/オフ制御が可能ならしめる。
【0065】
すなわち、前記噴霧孔132及び噴霧管134を掃除するために前記蓋156を開くが、前記携帯用水分供給装置100の駆動が不要な場合には、前記電源ボタン152を通じて本発明による携帯用水分供給装置100の電源をオフすることもできる。また、財布やハンドバッグ内で前記携帯用水分供給器の電源ボタン152が押されても、前記蓋156が閉状態では、前記電源ボタン152が押されても、前記携帯用水分供給器が駆動されないように制御することができる。
【0066】
図3及び図4には、本発明の一実施形態による携帯用水分供給装置の斜視図が示されている。
【0067】
本発明の一実施形態による携帯用水分供給装置100においては、前記外部ケース130の正面に噴霧孔132及び電源ボタン152が位置する。この電源ボタン152を押すと、前記携帯用水分供給装置100が駆動され、前記噴霧孔132を通じて霧化された液体wが排出される。前記霧化された液体wを皮膚に供給することによって、乾燥した皮膚に水分が供給され、皮膚がしっとりした状態を維持できるように補助する。
【0068】
本発明の一実施形態による携帯用水分供給装置100には、前記噴霧孔132の外周面に沿って皮膚に有益な波長の光線を照射する多数の発光手段L、又はリング状の発光手段(図示せず)が備えられうる。
【0069】
発光手段Lは、前記粒子化された液体wと相俟って皮膚を改善させうる。前記発光手段Lは、623nm〜680nmの波長や780nm〜980nmの波長の光線を発光できるが、このような波長の光を発生する発光手段Lとしては、発光ダイオード又はレーザダイオードが適用可能である。
【0070】
前記波長の光線は、体内の自然な生体反応を起こして老化した細胞を活性化し、可溶性コラーゲンと弾力纎維とを生産して、しわと老化した皮膚の細胞再生を促進させ、老化した皮膚を改善するだけではなく弾力的にし、特に保湿力を強く増進させて、しっとりした状態にする。従って、前記発光手段Lを通じて活性化された細胞が前記液体wの吸収を助けるようになり、これによって皮膚がより一層容易に改善されうる。
【0071】
また、図4に示すように、前記外部ケース130の背面には、液体wを供給する貯蔵タンク110が挿入される貯蔵タンク収納室131、前記貯蔵タンク110を固定させる貯蔵タンク固定部170、及び前記携帯用水分供給装置100の電力源であるバッテリーを設置するバッテリー装着室Bが配置される。
【0072】
前記貯蔵タンク固定部170は、貯蔵タンク加圧板171に突設されて前記貯蔵タンク110と接する加圧板突起173、及び前記貯蔵タンク加圧板171を前記外部ケース130に着脱可能に結合させる締結具176を備えている。
【0073】
図5には、充電コネクタの一実施形態が適用された携帯用水分供給装置100の底面図が示されている。
【0074】
本発明による携帯用水分供給装置100は、電気エネルギーを通じて駆動されるが、その電気エネルギーは、前記外部ケース130の下端部の内側に備えられたバッテリー装着室Bに装着されたバッテリーから供給されうる。
【0075】
ここで、前記バッテリー装着室Bに装着されたバッテリーが充電池である場合には、別途充電器を備えなくても充電できるように、前記外部ケース130の下端の一側に前記バッテリー装着室Bと電気的に連設されている充電コネクタCが更に備えられうる。
【0076】
本発明の単純な変形又は変更は当業者によって容易に実施されることができ、そのような変形や変更は本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、振動素子及びそれを含む携帯用水分供給装置に関連する技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
10:振動素子 20:弾性ハウジング
22:貫通孔 24:排出口挿入管
42:振動部 44:下部電極
46:環状の超音波振動子 100:携帯用水分供給装置
110:貯蔵タンク 112:容器
114:排出部 117:磁石
130:外部ケース 131:貯蔵タンク収納室
132:噴霧孔 134:噴霧管
136:パッキング固定バー 152:電源ボタン
156:蓋 160:制御部
170:貯蔵タンク固定部 171:貯蔵タンク加圧板
173:加圧板突起 176:締結具
h:液放出孔 B:バッテリー装着室
C:充電コネクタ L:発光手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に上部電極を備えた環状の超音波振動子と、
前記環状の超音波振動子の背面に位置して中央に振動部を一体に備えた下部電極と、
前記下部電極の外周を取り囲む弾性ハウジングとを含み、
前記下部電極の中央に備えられた前記振動部は、円状薄板で構成され、その外周に沿って下部電極の背面が突出するように段差が形成され、
前記円状薄板の中央部に複数の液放出孔を備えていることを特徴とする振動素子。
【請求項2】
前記弾性ハウジングは、弾性重合体からなり、前記下部電極の外周を固定するが前記振動部の振動を拘束しないように弾性を有することを特徴とする請求項1に記載の振動素子。
【請求項3】
請求項1又は2記載の振動素子と、
前記振動素子に供給される液体を貯蔵する貯蔵タンクと、
前記貯蔵タンクを着脱可能に収納する貯蔵タンク収納室が上部背面に形成され、上部正面には噴霧孔が形成された外部ケースとを含み、
前記振動素子の弾性ハウジングは、厚さ方向に形成された貫通孔を有し、前記振動部から霧化された液体が前記噴霧孔に排出されるように前記噴霧孔と前記貯蔵タンクとの間に結合されていることを特徴とする携帯用水分供給装置。
【請求項4】
前記振動素子の液放出孔は、前記貯蔵タンク側の直径が前記噴霧孔側の直径よりも大きいテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項5】
前記弾性ハウジングの背面には、前記貯蔵タンクの一側が挿入される排出部挿入管が突設されていることを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項6】
前記外部ケースには、一端が前記噴霧孔に連設され他端が前記弾性ハウジングと結合する噴霧管が更に備えられたことを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項7】
前記噴霧管は、前記噴霧孔側にいくほど前記噴霧管の径が大きくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項8】
前記噴霧管は、トルマリン鉱石又はトルマリン鉱石粉末の混合物として製造されたことを特徴とする請求項6に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項9】
前記噴霧孔が形成された前記外部ケースの上部を覆う蓋と、前記蓋の位置によって電源をオン/オフする制御部とを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項10】
前記蓋は、前記外部ケースにヒンジ結合されていることを特徴とする請求項9に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項11】
前記蓋は、前記外部ケースに摺動結合されていることを特徴とする請求項9に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項12】
前記噴霧孔の外周面に沿って皮膚に有益な波長の光線を照射する発光手段が更に備えられたことを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項13】
前記外部ケースには、下端部の内側にバッテリーを着脱可能に装着するバッテリー装着室が更に備えられることを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項14】
前記外部ケースには、前記バッテリー装着室に装着された充電器に電気を供給することができる充電コネクタが更に備えられたことを特徴とする請求項13に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項15】
前記外部ケースには、前記貯蔵タンク収納室に装着された貯蔵タンクの背面を加圧する貯蔵タンク固定部が更に備えられたことを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項16】
前記貯蔵タンク固定部は、一側の端部が前記外部ケースにヒンジ結合される貯蔵タンク加圧板、前記貯蔵タンク加圧板の正面に突設されて前記貯蔵タンクと接する加圧板突起、及び前記外部ケースの他側の端部に位置して前記外部ケースに着脱可能に結合する締結具を含むことを特徴とする請求項15に記載の携帯用水分供給装置。
【請求項17】
前記弾性ハウジングと結合された貯蔵タンクの端部に磁石が備えられることを特徴とする請求項3に記載の携帯用水分供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−156528(P2011−156528A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83970(P2010−83970)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(507192552)ピーエスアイ カンパニー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】