説明

振動締固めによる水および水硬性結合剤ベースの配合剤の製造におけるレオロジー添加剤の使用、得られる配合物

本発明は、水および水硬性結合剤を含有する組成物の製造方法における、a)(メタ)アクリル酸、b)炭素原子1から25個を有する(メタ)アクリル酸アルキル、c)式Rj−(R2O)ln−R3のモノマー(式中、R1は不飽和の重合可能官能基を含有する基であり、R2Oは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基であり、mは20および33、好ましくは23および27の間の整数であり、また最も好ましくは25に等しく、R3は、炭素原子28から33個、好ましくは30から33個、また最も好ましくは32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖である。)を含有する少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液を含むことを特徴とするレオロジー添加剤の使用に関する。本発明は、こうして得られる配合物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水系配合物(water−based formulations)および少なくとも1種の水硬性結合剤の技術分野、より具体的には、振動締固め(vibrocompaction)の段階を遂行し、また前記配合物のレオロジーを調節する薬剤の使用を伴う製造方法によって得られる水系配合物の技術分野に関する。
【0002】
振動締固めの技術を用い、少なくとも1種の水硬性結合剤を有する水系成形品(part)を得る目的で、一般に:
1)少なくとも1種の水硬性結合剤、水、レオロジー添加剤および任意選択で粒状物、ならびに任意選択で他の添加剤を含有する配合物を、これらの種々の成分をブレンドすることによって製造する段階、
2)ブレンドした後、配合物を静止させる段階、
3)前記配合物を型枠中に導入する段階、
4)圧縮作用および振動作用を組み合わせて型枠上に作用させる段階、
5)段階4)に従って得られた成形品をこの型枠から取り出す段階
が遂行される。
【0003】
この技術は、特に資料「Influence of admixture on the properties of porous and draining cement concrete」(Materiaux and Constructions、第33巻、2000年12月、647−54頁)において記述されている。本出願人は、用語「粒状物(granulates)」を使用することにより、その意図する所が、フランス規格XP P 18−540によって定義されている、当業者によく知られている用語による、フィラー、細砂、砂、砂利−砂混合物、チッピング、バラストおよびこれらのブレンドを意味するものであることを示している(前記規格は、粒子の大きさもしくは粒度等級、微粉含量、粗粒率、清浄度、適用できる場合破砕指数、凍結温度への感受性、硬さなどのいくつかの特性;ここに掲げることが不可欠ではない特性、に基づいて実際上これらの材料を分類している。)。
【0004】
この方法の過程で使用されるレオロジー添加剤は、この方法を特徴付けるそれぞれの段階において、この配合物にいくつかの性状を与えるものでなければならない。
【0005】
段階1)でブレンドしている間、配合物は優れた「流動性(fluidity)」を有することが望ましい。この流動性により、ブレンド内における種々の成分の均質な分布が決まる。この流動性は、この段階の間、配合物の低粘度に結び付いている。
【0006】
ブレンドした後、すなわち段階2)の間、配合物の粘度は上昇するに違いない。
【0007】
配合物を型枠中に導入する段階3)の間、前記配合物は十分な「フロー(flow)」を有することが望ましい。このフローは、その粘度が余り大きくなり過ぎることなく、前記配合物が型枠内に連続的に注出される能力を反映するものであり、この粘度は、型枠に導入されるまでに配合物が管内を移動する障害になる恐れがあり、または代わりに、この型枠の完全な充填を妨げる恐れがあり、このことが最終的に、こうして製造された成形品の表面欠陥に結び付く。十分なフローを得る目的で、この段階の間は、配合物の粘度を大きく低下させなければならない。さらに、型枠内に配合物を導入する操作は数秒継続するに過ぎないので、この低下はできる限り急速でなければならない。
【0008】
振動締固めの段階4)の間、配合物は実質的なせん断応力(振動作用)および加圧応力(締固め作用)を受けており、優れた「流動性」が追求され、この流動性はこの段階の間、配合物の低い粘度値の形態を取っており、
−それが第一に、配合物が、導入された型枠の内部表面に完全に従うことを可能にし(そうでない場合、最終成形品の表面上の欠陥が観察される恐れがある。)、
−またそれが第二に、型枠内において優れた緻密度を有する材料が得られることを可能にし、最終成形品の機械的抵抗性状の改良に結び付く。
【0009】
本出願人は、この緻密度が、型枠内における配合物の種々の成分の均一な分布、それと共に最終成形品内の多孔度の低下、およびまた巨視的欠陥(高濃度の結合剤を有する領域、または、配合物内に粒状物が存在する場合高濃度の粒状物を有する領域など)の数の減少も直ちに反映するものであることを明記する。第二に、型枠内に導入し、振動締固めする段階は数10秒継続するに過ぎないので、配合物の粘度が、高値(静止状態)から、低値(型枠内に導入する段階および振動締固めの段階)へと急速に変化することが非常に重要である。
【0010】
最後に、型枠から取り出す操作5)に従って、下記の特性を有する最終成形品が得られることが所望される:
−「非付着性」すなわち、表面欠陥を作り出さないために、型枠の内壁に付着しない成形品、
−および「凝集性」すなわち、成形品が振動締固め段階の間に獲得している緻密度を保持する特性である。さらに、できる限り急速に最終成形品の凝集性を得る目的で、できる限り急速にこの配合物の粘度の上昇を得る努力が試みられることである。
【0011】
したがって、全てのこれらの性状は:
−応力の不存在下における配合物の高粘度(静止段階および型枠から取り出す段階)、
−高せん断応力の存在下における前記配合物の低粘度(ブレンドする段階、型枠内に配合物を導入する段階および振動締固めの段階)、
−この配合物についての、高せん断力下における低粘度から低せん断力下における高粘度への非常に急速な変化、およびその逆、
−型枠から取り出された場合、最終成形品の非付着性の外観および凝集性の外観
によって要約され、これらの性状は今後「複合技術問題(complex technical problem)」と称され、本出願において解決されるものである。
【背景技術】
【0012】
全てのこれらの性状を改良する目的でその研究を継続して、本出願人は、振動締固めによる少なくとも1種の水硬性結合剤を有する水系配合物の製造方法における、
a)(メタ)アクリル酸、
b)炭素原子1から25個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物(vinylics)の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、また好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、また非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、また非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)からなる少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であることを特徴とするレオロジー添加剤の使用を開発している。
【0013】
本出願の主題を構成する「複合技術問題」を解決する目的で、最新の技術を調査すると、当業者が利用できる資料には、本発明の主題を構成する解決策を明らかにしもしくは示唆するものが全くないことが実証される。
【0014】
当業者は資料、米国特許第6573326号明細書をよく知っており、その資料は、水硬性結合剤を含有するダイス型の製造に使用することができる、部分鹸化ビニルアルコールコポリマーをベースとする増粘剤について記述している。この資料は、セメント組成物を振動に掛けた後実現される、そのセメント組成のばらつきの目安を明らかにしている。この発明による増粘剤は、ばらつきの値が狭くなることを可能にしている。
【0015】
当業者は資料、米国特許出願第2005/011416号明細書もよく知っており、その資料は、セメント系物品の製造、特に振動締固め方法による製造における、増粘剤および疎水性添加剤からなる組合せ物の使用について記述している。この増粘剤は、カルボン酸、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、アルギネート、ポリオース(polyoses)、ポリイミン、ポリアミド、セルロース誘導体、ケイ酸の中から選択され、一方疎水性添加剤は、(ヒドロ)シラン、シロキサン、シリコン、ケイ素酸塩、フルオロケイ酸塩、脂肪酸、ワックス、エポキシド、アクリル樹脂もしくはポリウレタン樹脂、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸のエステルの中から選択される。振動締固めによりセメント成形品を製造する場合、この組合せ物を使用すると、型枠に付着しない、また十分な機械的抵抗性を有する均質な最終製品を得ることが可能になる。
【0016】
資料、FR2836141もよく知られている。前述の資料に比べて、この資料はある型のポリマーに当業者の関心を引き寄せる資料であり、これらのポリマーは、振動締固めにより製造されるセメント製品に有利な性能特性を与えることを可能にする。これらのポリマーは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル、ならびに、脂肪酸および/もしくは疎水性分子鎖を末端とする重合可能基を有する第3のモノマーからなる。このようなポリマーの作用機作には、この資料では取り組んでいない。その作用機作は、この機作の詳細な説明を提供している資料、米国特許出願第2006/054056号明細書の教示を考察する場合、詳細に説明される。
【0017】
したがって、資料、FR2836141では、水/結合剤比が0.25以下である押出し可能なもしくは加圧可能な水硬性結合剤をベースとし、またメタクリル酸、メタクリル酸アルキル(これは、好ましくは(メタ)アクリル酸エチルである。)、ならびに下記の型の重合可能な不飽和基および分子鎖:
−COO−(RO)−Rまたは−CO−N(R)−(RO)−R
(式中、
−Rは、炭素原子1から35個を有する直鎖もしくは分枝アルキル基であり、
−Rは、炭素原子1から6個を有するアルキレン基であり、
−Rは、H、または炭素原子1から8個を有するアルキル基であり、
−mは、1および50の間にある。)を含む第3のモノマーからなるレオロジー剤を含有する組成物を記述している。
【0018】
この資料の実施例および特許請求範囲は、好ましい付加モノマーがエトキシル化単位5から35個を有する分子鎖および炭素原子18から35個を有する疎水性原子団を有し、最も好ましい付加モノマーが、エトキシル化単位10から35個を有するベヘニルエーテルポリエチレングリコールメタクリレートおよびメトキシポリエチレングリコールメタクリレートであることを実証している。このようなポリマーによって得られる利点は、改良された機械的性能、改良された緻密度および表面欠陥がないことである。
【0019】
しかし、3種の上述の資料(米国特許第6573326号明細書、米国特許出願第2005/011416号明細書、FR2836141)はいずれも、本出願の主題を構成する「複合技術問題」の解決を全く追求していない。本出願人は、最先端の技術として働いている資料が、米国特許出願第2006/054056号明細書の資料であることを示している。この資料は、特に水硬性結合剤を含有する成形品の振動締固めによる製造における、特に会合型ポリマーである種々の化学添加剤の使用を教示している。
【0020】
本出願人は、HASE(疎水性アルカリ膨潤性乳濁液)型の会合型増粘剤などの会合型増粘剤の作用機作および特性は現在よく知られているが、本出願の分野からはるかに離れた分野、すなわち塗料の分野で本質的に記述されていることを示したいと思う。例えば、資料「Rheology modifiers for water−borne paints」(Surface Coatings Australia、1985、6−10頁)および「Rheological modifiers for water−based paints:the most flexible tools for your formulations」(Eurocoat 97、UATCM、第1巻、423−442頁)を参照することができる。これらの会合型増粘剤は、不溶な疎水性原子団を有する水系ポリマーである。このような分子を水中に導入すると直ちに、それらが含有する疎水性原子団がミセル凝集体の形で集合し易くなる。これらの凝集体は、ポリマーの疎水性部分によって一緒に連結される。次いで3次元網目の形成が起こり、それに起因して媒質の粘度が上昇する。応力が存在すると、3次元網目の破壊が起こり、媒質の粘度の低下が観察される。
【0021】
資料、米国特許出願第2006/0054056号明細書において示されるように、このようなポリマーはせん断力が存在すると何ら増粘性状を発現しない。したがって配合物は、振動締固め段階の間非常に流動性であり、このことによりその緻密度が向上する(多孔度の低下、巨視的欠陥の数の減少、配合物成分の均質な分布)。応力が途切れると会合性増粘機作が発現され、完全に凝集性の配合物が得られて、このためその緻密度を保持することが可能になり、向上した圧縮抵抗性が獲得される。
【0022】
したがって資料、米国特許出願第2006/0054056号明細書の目的は、型枠内における配合物の十分なフロー、振動締固めの間の前記配合物の十分な流動性、ならびに型枠から取り出す際の最終成形品の非付着性外観および凝集性外観を実際に得ることである。成形品が型枠の内壁上に貼り付くことが全く観察されず、製造された成形品の表面欠陥も観察されない。しかし、本出願の主題を構成する複合技術問題が、部分的にしか解決されない点が注目される。実際に、資料、米国特許出願第2006/0054056号明細書では、高せん断力下の低粘度、および低せん断力下の高粘度、ならびにその逆、の間における移行の急速性を向上させることを追求していない。しかし、配合物が高度の凝集性を急速に獲得する能力(型枠から成形品を取り出す場合に)を特性付け、またその能力は型枠内において急速に使用されるべきものなので(充填および振動締固めの間)、当業者にとってこのことは基本的な性質である。以下において見られるように、資料、米国特許出願第2006/0054056号明細書は、この問題の解決を追求していないだけでなく、この資料が明らかにしている特定のポリマーではこの問題を解決することは不可能である。
【0023】
この資料において使用されているポリマーは、本質的に塗料の分野で使用される、従来の、Carbopol(商標)(NOVEON(商標)社)などのアクリル増粘剤、またはAquaflow(商標)(HERCULES(商標)社)、Acrysol(商標)およびAcusol(商標)(ROHM & HAAS(商標)社)範囲に属するアクリル会合型増粘剤であり、好ましい製品、および実施例において使用されている製品はAcrysol(商標)TT935(4実施例の内3実施例)、およびより低い範囲でCarbopol(商標)Aqua30(4実施例の内1実施例)である。Acrysol(商標)TT935は、メタクリル酸、アクリル酸エチル、および重合可能な官能基(オキシエチル化単位20個を有する結合および炭素原子18個を有する脂肪酸鎖を有する)を有する付加モノマーからなる製品である。Carbopol(商標)Aqua30は、架橋型アクリル増粘剤である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】米国特許第6573326号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/011416号明細書
【特許文献3】仏国特許第2836141号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/054056号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】「Influence of admixture on the properties of porous and draining cement concrete」、Materiaux and Constructions、第33巻、2000年12月、647−54頁
【非特許文献2】フランス規格XP P 18−540
【非特許文献3】「Rheology modifiers for water−borne paints」(Surface Coatings Australia、1985、6−10頁)
【非特許文献4】「Rheological modifiers for water−based paints:the most flexible tools for your formulations」(Eurocoat 97、UATCM、第1巻、423−442頁)
【発明の概要】
【0026】
本出願人は、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物について、全ての下記の性状:
−応力の不存在下における配合物の高粘度(静止段階および型枠から取り出す段階)、
−高せん断応力の存在下における前記配合物の低粘度(ブレンドする段階、型枠中に配合物を導入する段階および振動締固めの段階)、
−高せん断力下における低粘度から低せん断力下における高粘度への非常に急速な変化、およびその逆、
−型枠から取り出された場合、最終成形品の非付着性の外観および凝集性の外観
を改良する目的でその研究を継続して、このような製造方法における、
a)(メタ)アクリル酸、
b)炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、また好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、また非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、また非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)からなる少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であることを特徴とするレオロジー添加剤の使用を開発した。
【0027】
全く驚くべきやり方で、これらのコポリマーにより、本出願の主題を構成する複合技術問題によって扱われる性状が改善されることが可能になる。
【0028】
本出願人のメリットの1つは、資料FR2836141と比較して、一方ではアルキレンオキシド鎖の長さに関して、また他方ではアルキル鎖の長さに関してモノマーc)における好ましい間隔を洗い出すことができた点である。これらの間隔を選択したことは、その一般的教示が、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法において、そのあるものが架橋型であり、その他のものが会合型であるアクリルポリマーの使用を明らかにした点にある資料、米国特許出願第2006/054056号明細書と比較しても1つの選択であると思われる。
【0029】
本出願人の他のメリットは、それが提供するこの間隔が密である点に関する。実際、架橋もしくは会合型アクリルポリマーの使用に関する資料、米国特許出願第2006/054056号明細書の一般的教示に比較して、また第3のモノマーの末端基において、オキシエチル化単位1から50個および炭素原子1から35個が指示されている資料FR2836141における広い間隔に比較して、本発明による選択は非常に小さいものであるように見える。
【0030】
最後に、本出願人の他のメリットは、これらの間隔の範囲を定める特定の値に関する。これらの非常に特定な値により1組のポリマーを定義し、これらのポリマーは、資料FR2836141および資料、米国特許出願第2006/054056号明細書中に好ましく挙げられているポリマーよりもはるかに有利な全く驚くべきやり方で、これらのポリマーが使用される水硬性結合剤系組成物のレオロジー性状を実質的に改良する。本出願の実施例は、本発明のポリマーが:
−配合物が低せん断力を受けている場合、資料FR2836141および資料、米国特許出願第2006/054056号明細書中に開示される好ましいポリマーよりも実質的にはるかに改良されている配合物の粘度の値、
−ならびにとりわけ、資料FR2836141および資料、米国特許出願第2006/054056号明細書中に開示される好ましいポリマーよりも、高せん断力下の低粘度から低せん断力下の高粘度への、およびその逆の、はるかに急速な移行
を可能にし、一方同時に、高せん断力下の低粘度をもたらして、凝集性および非付着性の成形品が得られることを可能にしていることを実証する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、ポリマーの粘性変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
したがって、本発明の第1の目的は、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法における、レオロジー添加剤の使用にあり、その場合この使用は、前記添加剤が、
a)(メタ)アクリル酸、
b)炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、また好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、また非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、また非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)からなる少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であることを特徴としている。
【0033】
本出願人は、表現「レオロジー添加剤」が、全ての下記の性状が改良されることを可能にする化合物を指すという意味において完全に定義されることを示している:
−応力の不存在下における高粘度(静止段階および型枠から取り出す段階)、
−高せん断応力の存在下における低粘度(ブレンドする段階、型枠中に配合物を導入する段階および振動締固めの段階)、
−高せん断力下における低粘度から低せん断力下における高粘度への非常に急速な変化、およびその逆、
−型枠から取り出された場合、最終成形品の非付着性の外観および凝集性の外観。
【0034】
少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であるレオロジー添加剤のこの使用は、前記コポリマーが、それぞれの成分の重量百分率(合計a+b+cは100%に等しい。)として表して、
a)25%から60%、好ましくは30%から50%の(メタ)アクリル酸、
b)40%から75%、好ましくは50%から70%の、炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)1%から20%、好ましくは5%から15%の式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、また好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、また非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、また非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)からなることも特徴としている。
【0035】
少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であるレオロジー添加剤のこの使用は、前記コポリマーが、カルシウム、マグネシウム、リチウムもしくはバリウムの水酸化物および/もしくは酸化物、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムの水酸化物、第一級、第二級もしくは第三級アミン、またはこれらのブレンドの中から選択される少なくとも1種の中和剤により完全にまたは部分的に中和されることも特徴としている。
【0036】
少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であるレオロジー添加剤のこの使用は、前記コポリマーが、触媒系および連鎖移動剤の存在下における溶液内の、直接もしくは逆乳濁液内の、溶媒中懸濁液もしくは沈澱内のラジカル重合の過程によって、またはさらに、制御されたラジカル重合の過程によって、また好ましくはニトロキシド媒介重合(NMP)によって、またはコバロキシムによって、原子移動ラジカル重合(ATRP)によって、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)もしくはキサンテートの中から選択される硫化誘導体による制御されたラジカル重合によって得られることも特徴としている。
【0037】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法における、レオロジー添加剤のこの使用は、水/水硬性結合剤(E/L)比が厳密に0.25、好ましくは0.30、非常に好ましくは0.35を超えることも特徴としている。
【0038】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法における、レオロジー添加剤のこの使用は、前記配合物が、水硬性結合剤の乾燥重量に対して、0.05乾燥重量%から3乾燥重量%、好ましくは0.1乾燥重量%から2乾燥重量%、非常に好ましくは0.1乾燥重量%から1.5乾燥重量%の前記レオロジー添加剤を含有することも特徴としている。
【0039】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法における、レオロジー添加剤のこの使用は、前記配合物が、粒状物も含有することも特徴としている。
【0040】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法における、レオロジー添加剤のこの使用は、前記配合物が、流動化剤、高性能減水剤(superplasticiser)、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される他の添加剤も含有することも特徴としている。
【0041】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法における、レオロジー添加剤のこの使用は、前記方法が:
1)少なくとも1種の水硬性結合剤、水、ことによると粒状物、およびことによると、流動化剤、高性能減水剤、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される他の添加剤を含有する配合物を、これらの種々の成分をブレンドすることによって製造する段階、
2)ブレンドした後、配合物を静止させる段階、
3)前記配合物を型枠中に導入する段階、
4)圧縮作用および振動作用を組み合わせて型枠上に作用させる段階、
5)段階4)に従って得られた成形品をこの型枠から取り出す段階
を含むことも特徴としている。
【0042】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法における、レオロジー添加剤のこの使用は、前記水硬性結合剤が、石灰、セメント、プラスター、フライアッシュ、高炉スラグ、可溶性ケイ酸塩、白土、ゼオライト(zeolithes)、およびこれらの混合物の中から選択されることも特徴としている。
【0043】
本発明の他の目的は、
a)(メタ)アクリル酸、
b)炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)からなる少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であることを特徴とするレオロジー添加剤と一緒に、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物である。
【0044】
この配合物は、前記非架橋コポリマーが、それぞれの成分の重量百分率(合計a+b+cは100%に等しい。)として表して、
a)25%から60%、好ましくは30%から50%の(メタ)アクリル酸、
b)40%から75%、好ましくは50%から70%の、炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)1%から20%、好ましくは5%から15%の式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)からなることも特徴としている。
【0045】
この配合物は、前記非架橋コポリマーが、カルシウム、マグネシウム、リチウムもしくはバリウムの水酸化物および/もしくは酸化物、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムの水酸化物、第一級、第二級もしくは第三級アミン、またはこれらのブレンドの中から選択される少なくとも1種の中和剤により完全にまたは部分的に中和されることも特徴としている。
【0046】
この配合物は、前記非架橋コポリマーが、触媒系および連鎖移動剤の存在下における溶液内の、直接もしくは逆乳濁液内の、溶媒中懸濁液もしくは沈澱内のラジカル重合の過程によって、またはさらに、制御されたラジカル重合の過程によって、また好ましくはニトロキシド媒介重合(NMP)によって、またはコバロキシムによって、原子移動ラジカル重合(ATRP)によって、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)もしくはキサンテートの中から選択される硫化誘導体による制御されたラジカル重合によって得られることも特徴としている。
【0047】
レオロジー添加剤と一緒に、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有するこの配合物は、水/水硬性結合剤(E/L)比が厳密に0.25、好ましくは0.30、非常に好ましくは0.35を超えることも特徴としている。
【0048】
レオロジー添加剤と一緒に、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有するこの配合物は、それが水硬性結合剤の乾燥重量に対して、0.05乾燥重量%から3乾燥重量%、好ましくは0.1乾燥重量%から2乾燥重量%、非常に好ましくは0.1乾燥重量%から1.5乾燥重量%の前記レオロジー添加剤を含有することも特徴としている。
【0049】
レオロジー添加剤と一緒に、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有するこの配合物は、それが、粒状物も含有することも特徴としている。
【0050】
レオロジー添加剤と一緒に、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有するこの配合物は、それが、流動化剤、高性能減水剤、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される他の添加剤も含有することも特徴としている。
【0051】
レオロジー添加剤と一緒に、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有するこの配合物は、それが:
1)少なくとも1種の水硬性結合剤、水、ことによると粒状物、およびことによると、流動化剤、高性能減水剤、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される他の添加剤を含有する配合物を、これらの種々の成分をブレンドすることによって製造する段階、
2)ブレンドした後、配合物を静止させる段階、
3)前記配合物を型枠中に導入する段階、
4)圧縮作用および振動作用を組み合わせて型枠上に作用させる段階、
5)段階4)に従って得られた成形品をこの型枠から取り出す段階
を含む振動締固め方法により得られることも特徴としている。
【0052】
レオロジー添加剤と一緒に、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有するこの配合物は、前記水硬性結合剤が、石灰、セメント、プラスター、フライアッシュ、高炉スラグ、可溶性ケイ酸塩、白土、ゼオライト、およびこれらの混合物の中から選択されることも特徴としている。
【0053】
下記の実施例は本発明を例示するが、その範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0054】
(実施例1)
本実施例は、ポリマー、水および水酸化カルシウムを含有する配合物における、本発明によるポリマー、および従来技術によるポリマーの使用について例示している。水酸化カルシウムの目的が、ブロックの製造向けに使用されるものなどの水硬性結合剤配合物において遭遇される高度にアルカリ性および石灰質の媒質を再現することであることが示される。
【0055】
これらの配合物はレオロジー的応力を受けており、振動締固めの工業的方法の一連の段階、すなわち:
1)種々の成分をブレンドすることによって本配合物を製造する段階、
2)ブレンドした後、配合物を静止させる段階、
3)前記配合物を型枠中に導入する段階、
4)圧縮作用および振動作用を組み合わせて型枠上に作用させる段階、
5)段階4)に従って得られた成形品を型枠から取り出す段階
をシミュレートすることが可能になっている。
【0056】
それぞれの試験No 1から7について、下記の手順により配合物を準備することから始める。
【0057】
300mlビーカーに、181.3gの工程水の重量を計って入れ、次いで2gの水酸化カルシウムを添加し、その間適度に撹拌する。3分撹拌した後、乾燥重量5gの試験用ポリマーを添加し、その間撹拌を継続する。この添加の後、配合物を5分間均斉化し、次いで15時間貯蔵する。この時点の後、名称Rheostress(商標)RS600を有するHaake(商標)社により販売されているレオメーターを使用して一連のレオロジー測定を行う。このため直径60mmを有する測定モジュール(平面/平面型(plan/plan type))が取り付けられる。次いでおよそ2mlの本配合物をこのモジュール上に置き、2つの表面間の間隙が0.5mmに調節される。
【0058】
次いで下記のサイクルが適用される:
−低せん断力(180秒間5パスカルに等しい応力に相当する)の適用;この相は成分をブレンドした後の貯留の段階(段階2)および型枠から取り出す段階(段階5)に相当する;
−高せん断力(30秒間200パスカルに等しい応力に相当する)の適用;この相はブレンドする段階(段階1)ならびに型枠中に導入する段階および振動締固めの段階(段階4および5)に相当する。
【0059】
粘性の変化は、図1/1に示されている。
【0060】
本発明によるポリマーの合成に取り組み、式R−(RO)−Rのモノマーを製造するため3つのプロトコル(a、bおよびc)が最初に開示されている。
【0061】
次いで、2つのプロトコルAおよびBにより、本発明によるポリマーが製造される。
【0062】
プロトコルa:メタクリルモノマーの合成
1L反応器に、
−400グラムの、炭素原子32個を有し、融解エチレンオキシド25モルを縮合させたアルコール、
−0.0994グラムのアロオシメン(allocimene)、
−43.75グラムの無水メタクリル酸
を量り入れる。
【0063】
この混合物は82℃±2℃で加熱され、またこの温度で3時間蒸煮される(cooked)。周囲温度で液体の溶液を得るため、得られたマクロモノマーを396グラムのメタクリル酸で希釈している。
【0064】
プロトコルb:ウレタンモノマーの合成
第1段階において、エルレンマイヤーフラスコに
−13.726グラムのジイソシアネートトルエン、
−36.1グラムのアクリル酸エチル、
−0.077グラムのアロオシメン、
−0.198グラムのジラウリン酸ジブチルスズ
を量り入れることにより、予備縮合体を製造する。
【0065】
10.257グラムのエチレングリコールメタクリレートおよび10グラムのアクリル酸エチルをバルブ(bulb)に量り入れる。このバルブの内容物を、35℃未満の温度で20分かけてエルレンマイヤーフラスコ中に導入し、混合物を30分間反応させる。
【0066】
第2段階において、1000mL反応器に、エチレンオキシド25モルを縮合させたトリスチリルフェノール132グラムを量り入れ、65℃で融解させておく。次いで65℃で20分掛けて予備縮合体を1000mL反応器に導入し、65℃で2時間蒸煮する。周囲温度で液体を得るため、少なくとも、混合物は15.5グラムのアクリル酸エチルおよび84.6グラムの2回パームチット処理水(bi−permuted water)で希釈する。
【0067】
プロトコルc:ヘミマレエートモノマーの合成
1L反応器に、
−400グラムの、炭素原子32個を有し、融解エチレンオキシド25モルを縮合させたアルコール、
−0.0994グラムのアロオシメン、
−25.3グラムの無水マレイン酸
を量り入れる。
【0068】
この混合物を82℃±2℃で加熱し、またこの温度で3時間蒸煮する。周囲温度で液体の溶液を得るため、得られたマクロモノマーを425グラムのメタクリル酸で希釈する。
【0069】
プロトコルA
1L反応器に、280グラムの2回パームチット処理水および3.89グラムのドデシル硫酸ナトリウムを量り入れる。この出発物質を82℃±2℃に加熱する。
【0070】
この時間の間に、ビーカーに、
−112.4グラムの2回パームチット処理水、
−2.1グラムのドデシル硫酸ナトリウム、
−80.6グラムのメタクリル酸、
−146.1グラムのアクリル酸エチル、
−55.6グラムの、プロトコルa)において開示したマクロモノマー溶液
を量り入れることにより、予備乳濁液を調製する。
【0071】
次いで、第1の触媒として、0.85グラムの過硫酸アンモニウムを量り取って10グラムの2回パームチット処理水中に希釈し、また第2の触媒として0.085グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムを量り取って10グラムの2回パームチット処理水中に希釈する。出発物質がその温度にあるとき、2種の触媒を添加し、予備乳濁液を平行して添加して、76℃±2℃で2時間重合が行われる。20グラムの2回パームチット処理水でポンプをすすぎ、全体を76℃±2℃で1時間蒸煮する。周囲温度に冷却した後、こうして得られたポリマーを濾過する。
【0072】
プロトコルB
1L反応器に、280グラムの2回パームチット処理水および3,89グラムのドデシル硫酸ナトリウムを量り入れる。この出発物質を82℃±2℃に加熱する。
【0073】
この時間の間に、ビーカーに、
−334グラムの2回パームチット処理水、
−3.89グラムのドデシル硫酸ナトリウム、
−80.6グラムのメタクリル酸、
−160.55グラムのアクリル酸エチル、
−60.4グラムの、プロトコルb)中に開示したメタクリルウレタン溶液
を量り入れることにより、予備乳濁液を調製する。
【0074】
次いで、第1の触媒として0.33グラムの過硫酸アンモニウムを量り取って10グラムの2回パームチット処理水中に希釈し、また第2の触媒として0.28グラムのメタ重亜硫酸ナトリウムを量り取って10グラムの2回パームチット処理水中に希釈する。出発物質がその温度にあるとき、2種の触媒を添加し、予備乳濁液を平行して添加して、84℃±2℃で2時間重合が行われる。20グラムの2回パームチット処理水でポンプをすすぎ、全体を84℃±2℃で1時間蒸煮する。周囲温度に冷却した後、こうして得られたポリマーを濾過する。
【0075】
試験番号1
この試験は、従来技術を、より具体的には資料、米国特許出願第2006/054056号明細書中に記述され、好ましいとされるポリマーの1つを例示する。この試験では、架橋型アクリル増粘性ポリマーであるCarbopol(商標)Aqua 30を使用している。
【0076】
試験番号2
この試験は、従来技術を、より具体的には資料、米国特許出願第2006/054056号明細書中に記述され、好ましいとされるポリマーの1つを例示する。この試験ではAcrysol(商標)TT 935を使用し、これは:
a)メタクリル酸、
b)アクリル酸エチル、
c)および、20単位のエチレンオキシドを有するオキシエチル化分子鎖により、炭素原子18個を有する疎水性原子団を末端とする付加モノマーからなる会合型アクリル増粘性コポリマーである。
【0077】
試験番号3
この試験は、従来技術を例示しており、例えば資料、国際公開第03/070658号パンフレット中に開示される、
a)36.8%のメタクリル酸、
b)52.0%のアクリル酸エチル、
c)11.2%の、式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rはメタクリレート基を表し、
−ROはエチレンオキシド基を示し、
−mは25に等しく、
−Rは、炭素原子22個を有する直鎖アルキル鎖を示す。)からなるコポリマーを使用している。
【0078】
試験番号4
この試験は、従来技術を例示しており、例えば資料、国際公開第03/070658号パンフレット中に開示される、
a)36.0%のメタクリル酸、
b)53.7%のアクリル酸エチル、
c)10.3%の、式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rはメタクリレート基を表し、
−ROはエチレンオキシド基を示し、
−mは25に等しく、
−Rは、炭素原子20個を有する分枝アルキル鎖を示す。)からなるコポリマーを使用している。
【0079】
試験番号5
この試験は、従来技術を例示しており、例えば資料FR2836141中に記述される、
a)38.1%のメタクリル酸、
b)54.2%のアクリル酸エチル、
c)10.3%の、分子量が1,100g/モルに等しい、エチレンオキシド単位25個を有するメトキシポリエチレングリコールメタクリレートであるモノマーからなるコポリマーを使用している。
【0080】
試験番号6
この試験は、従来技術を例示しており、例えば資料、国際公開第03/070658号パンフレット中に開示される、
a)38.1%のメタクリル酸、
b)54.2%のアクリル酸エチル、
c)10.3%の、式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rはメタクリレート基を表し、
−ROはエチレンオキシド基を示し、
−mは30に等しく、
−Rは、炭素原子26個を有する分枝アルキル鎖を示す。)からなるコポリマーを使用している。
【0081】
試験番号7
この試験は、本発明を例示しており、
a)38.1%のメタクリル酸、
b)54.2%のアクリル酸エチル、
c)7.7%の、式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rはメタクリレート基を表し、
−ROはエチレンオキシド基を示し、
−mは25に等しく、
−Rは、炭素原子32個を有する分枝アルキル鎖を示す。)からなるコポリマーを使用している。
【0082】
このコポリマーは、式R−(RO)−Rのモノマーについては合成プロトコルa)から得られ、また前記コポリマーについては合成プロトコルA)(この場合、当業者は、求めたモノマー比の関数として種々の成分の重量を計算している。)から得られる。
【0083】
最初に、本出願人は、試験番号5および6に使用したポリマーでは、この実施例の始めに示した一連の粘度の測定を行うことが不可能であることを指摘する。実際に、せん断応力が200パスカルに達すると、問題の配合物は、流動性がはるかに大き過ぎるため平面/平面型測定モジュールから排出される。実用的見地から、工業的に見るとこれらの性状は、振動締固めの段階に入ると、配合物が型枠から排除されることにつながる。したがってこれらの試験結果に対応するポリマーは、当業者を納得させない。
【0084】
他の試験について、図1を考察すると、次のことが実証される:
せん断応力が低い場合(ブレンドした後の静止の段階2)および型枠から取り出す段階5)に類似させ)、最高の粘度に結び付くのは、本発明によるポリマーで行った試験番号5である。この因子は、型枠から取り出す場合に、完全に凝集性の成形品を得るのに非常に有利である;
せん断応力が増加すると、試験番号3および4において使用されるポリマーと異なって、試験番号1、2および5におけるポリマーの場合には粘度が極めて急激に低下する。この性質は、十分に型枠に充填し、また均質に型枠に充填するために、配合物ができる限り急速に流動性の大きい状態を獲得しなければならない、型枠中に配合物を導入する段階3)および振動締固めの段階4)にとって非常に有利である;
応力が再び低下すると全ての試験について粘度が上昇するが、試験番号5だけが最高の粘度に至る。このことは、本方法の段階5)により型枠から成形品を取り出す場合に、完全に凝集性の成形品とするのに有利な因子である;
総括的に言うと、高せん断力による粘度値および低せん断力による粘度値の間の最高の比率に導くものは試験番号5である(およそ50に等しく、一方従来技術のポリマーの場合、最高でも試験番号3でおよそ40に過ぎない。)。このことは、本発明によるポリマーによって提供される、振動締固めの用途向けに特に有利であるレオロジー性状を強調するものである。本発明によるポリマーは、これらの配合物が受けるせん断力状態に応じた2つの非常に異なったレオロジープロフィルが賦与されている配合物をもたらす。
【0085】
したがって、試験番号5で使用された本発明によるポリマーだけが、本出願の主題を形成する複合技術問題を解決することを可能にする。
【0086】
(実施例2)
この実施例は、振動締固めの技術によって得られるコンクリートブロックである配合物の製造方法における、本発明によるポリマーの工業的使用を例示する。
【0087】
この実施例は、こうして得られる本発明による配合物も例示する。
【0088】
コンクリートブロック(軽量コンクリートブロック(breeze blocks)、敷石(paving stones)など)を製造するために、下記のものがミキサーに導入される:
−75リットルの水、
−143kgのセメント、
−200kgの砂、
−1000kgの砂利、
−420gの、それぞれの成分の重量百分率として示した下記の成分からなる非架橋型コポリマーである本発明によるポリマー:
試験番号8について
a)38.1%のメタクリル酸、
b)54.2%のアクリル酸エチル、
c)7.7%の、式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rはメタクリレート基を表し、
−ROはエチレンオキシド基を示し、
−mは25に等しく、
−Rは、炭素原子32個を有する分枝アルキル鎖を示す。)からなるポリマー(このポリマーの合成は、前述されている。);
試験番号9について
a)37.0%のメタクリル酸、
b)55.0%のアクリル酸エチル、
c)8.0%の、式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、エチレングリコールメタクリレートおよびジイソシアネートトルエン間の縮合によってもたらされる基を表し、
−ROはエチレンオキシド基を示し、
−mは25に等しく、
−Rは、トリスチリルフェニル基(炭素原子30個)を示す。)からなり、式R−(RO)−Rのモノマーがプロトコルb)により得られ、またコポリマーがプロトコルB)により得られるポリマー(この場合、当業者は、求めたモノマー比の関数として種々の成分の重量を計算している。);
試験番号10について
a)39.0%のメタクリル酸、
b)54.0%のアクリル酸エチル、
c)7.0%の、式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ヘミマレエート基を表し、
−ROはエチレンオキシド基を示し、
−mは25に等しく、
−Rは、炭素原子32個を有するアルキル基を示す。)からなり、式R−(RO)−Rのモノマーがプロトコルc)により得られ、またコポリマーがプロトコルA)で得られるポリマー(この場合、当業者は、求めたモノマー比の関数として種々の成分の重量を計算している。)。
【0089】
こうして得られたブレンドをホッパー中に移し、次いで振動する水平プラットフォーム上に置く。スライダーを使用して、振動を掛けながらコンクリートを型枠内に均一に広げる。次の段階で、所望の形状を得るために、強い振動下で型枠の内容物を締め固める。最後に、型枠からコンクリート成形品を取り出す。
【0090】
型枠から取り出した後、それぞれの試験番号8から10について、
−成形品は表面欠陥を全く有しないこと、およびその形状が型枠の形状に完全に適合していること、
−配合物の残渣が型枠内の壁上に貼り付いて残っていないこと
が観察されている。
【0091】
さらに、こうして得られた成形品の、規格NF EN771−3により測定された機械的抵抗性は、(Mpaとして)試験番号8、9および10についてそれぞれ10.1−10.0−9.9に等しい。
【0092】
前述した方法により、上記に示したものと同一の配合を使用し、しかし本発明によるポリマーを含まない成形品を製造する試みを行った。これは、水量を減少させなければ不可能と判明し、その場合水量を66リットルに等しくしなければならない。この場合得られた、規格NF EN771−3により測定された機械的抵抗性は、9.1Mpaに等しい。したがって、このことは、本発明によるポリマーが、本発明において記述される方法を使用すると、振動締固めにより製造される成形品の機械的抵抗性を増加させることが可能であることも十分に実証している。
【0093】
(実施例3)
この実施例は、振動締固めの技術により得られるコンクリートブロックである配合物の製造方法における、本発明によるポリマーの工業的使用を例示している。
【0094】
それぞれの試験番号11から16について、表1に示される一定のいくつかの成分をミキサー中に導入することによって、コンクリートブロックを製造している。
【0095】
【表1】

【0096】
こうして得られたブレンドをホッパー中に移し、次いで振動する水平プラットフォーム上に置く。スライダーを使用して、振動を掛けながらコンクリートを型枠内に均一に広げる。次の段階で、所望の形状を得るために、強い振動下で型枠の内容物を締め固める。最後に、型枠からコンクリート成形品を取り出す。
【0097】
本発明を例示している、それぞれの試験番号11から16について、成形品が表面欠陥を全く有しないこと、その形状が型枠の形状に完全に適合していること、および配合物の残渣が型枠内の壁上に貼り付いて残っていないことが観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法におけるレオロジー添加剤の使用であって、前記添加剤が、
a)(メタ)アクリル酸、
b)炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、また好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、また非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、また非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)
からなる少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であることを特徴とする使用。
【請求項2】
前記コポリマーが、それぞれの成分の重量百分率(合計a+b+cは100%に等しい。)として表して、
a)25%から60%、好ましくは30%から50%の(メタ)アクリル酸、
b)40%から75%、好ましくは50%から70%の、炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)1%から20%、好ましくは5%から15%の式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、また好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、また非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、また非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)
からなることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記コポリマーが、カルシウム、マグネシウム、リチウムもしくはバリウムの水酸化物および/もしくは酸化物、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムの水酸化物、第一級、第二級もしくは第三級アミン、またはこれらのブレンドの中から選択される少なくとも1種の中和剤により完全にまたは部分的に中和されることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記コポリマーが、触媒系および連鎖移動剤の存在下における溶液内の、直接もしくは逆乳濁液内の、溶媒中懸濁液もしくは沈澱内のラジカル重合の過程によって、またはさらに、制御されたラジカル重合の過程によって、また好ましくはニトロキシド(NMP)またはコバロキシム媒介重合によって、原子移動ラジカル重合(ATRP)、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)もしくはキサンテートの中から選択される硫化誘導体による制御されたラジカル重合によって得られることを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の使用。
【請求項5】
請求項1から4の一項に記載の、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法におけるレオロジー添加剤の使用であって、水/水硬性結合剤(E/L)比が厳密に0.25、好ましくは0.30、非常に好ましくは0.35を超えることも特徴とする、使用。
【請求項6】
請求項1から5の一項に記載の、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法におけるレオロジー添加剤の使用であって、前記配合物が、水硬性結合剤の乾燥重量に対して、0.05乾燥重量%から3乾燥重量%、好ましくは0.1乾燥重量%から2乾燥重量%、非常に好ましくは0.1乾燥重量%から1.5乾燥重量%の前記レオロジー添加剤を含有することを特徴とする、使用。
【請求項7】
請求項1から6の一項に記載の、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法におけるレオロジー添加剤の使用であって、前記配合物が、粒状物も含有することを特徴とする、使用。
【請求項8】
請求項1から7の一項に記載の、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法におけるレオロジー添加剤の使用であって、前記配合物が、流動化剤、高性能減水剤、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される他の添加剤を含有することを特徴とする、使用。
【請求項9】
請求項1から8の一項に記載の、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法におけるレオロジー添加剤の使用であって、前記方法が
1)少なくとも1種の水硬性結合剤、水、任意選択の粒状物および、流動化剤、高性能減水剤、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される任意選択の他の添加剤を含有する配合物を、これらの種々の成分をブレンドすることによって製造する段階:
2)ブレンドした後、前記配合物を静止させる段階、
3)前記配合物を型枠中に導入する段階、
4)圧縮作用および振動作用を組み合わせて前記型枠上に作用させる段階、
5)段階4)に従って得られた成形品を前記型枠から取り出す段階
を含むことを特徴とする、使用。
【請求項10】
請求項1から9の一項に記載の、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を含有する配合物の振動締固めによる製造方法におけるレオロジー添加剤の使用であって、前記水硬性結合剤が、石灰、セメント、プラスター、フライアッシュ、高炉スラグ、可溶性ケイ酸塩、白土、ゼオライト、およびこれらの混合物の中から選択されることを特徴とする、使用。
【請求項11】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を、
a)(メタ)アクリル酸、
b)炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(この場合、このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)
からなる少なくとも1種の非架橋コポリマーの乳濁液であることを特徴とするレオロジー添加剤と一緒に含有する配合物。
【請求項12】
前記非架橋コポリマーが、それぞれの成分の重量百分率(合計a+b+cは100%に等しい。)として表して、
a)25%から60%、好ましくは30%から50%の(メタ)アクリル酸、
b)40%から75%、好ましくは50%から70%の、炭素原子1から25個、好ましくは炭素原子1から4個を有する(メタ)アクリル酸アルキル(このメタクリル酸アルキルは(メタ)アクリル酸エチルであることが好ましい。)、
c)1%から20%、好ましくは5%から15%の式R−(RO)−Rのモノマー(式中、
−Rは、ビニル化合物の基に、またはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸エステルの基に、またはアクリルウレタン、メタクリルウレタン、α−α’ジメチル−イソプロペニル−ベンジルウレタン、アリルウレタンなどの不飽和ウレタンの基に、またはアリルもしくはビニルエーテルの基に属する、置換されたもしくは非置換いずれかの、またはさらにエチレン性不飽和アミドもしくはイミドの基に、またはさらにアクリルアミドおよびメタクリルアミドにより構成される基に属する不飽和の重合可能官能基、好ましくはメタクリルを含有する基を示し、
−ROは、炭素原子1から6個を有するアルキレンオキシド基、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基、非常に好ましくはエチレンオキシド基を示し、
−mは20および30の間の整数、好ましくは23および27の間の整数であり、また非常に好ましくは25に等しく、
−Rは、炭素原子28から33個、好ましくは炭素原子30から33個を有する、また非常に好ましくは炭素原子32個を有する直鎖もしくは分枝アルキル鎖を示す。)
からなることを特徴とする、請求項11に記載の配合物。
【請求項13】
前記非架橋コポリマーが、カルシウム、マグネシウム、リチウムもしくはバリウムの水酸化物および/もしくは酸化物、ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムの水酸化物、第一級、第二級もしくは第三級アミン、またはこれらのブレンドの中から選択される少なくとも1種の中和剤により完全にまたは部分的に中和されることを特徴とする、請求項11または12に記載の配合物。
【請求項14】
前記非架橋コポリマーが、触媒系および連鎖移動剤の存在下における溶液内の、直接もしくは逆乳濁液内の、溶媒中懸濁液もしくは沈澱内のラジカル重合の過程によって、またはさらに、制御されたラジカル重合の過程によって、また好ましくはニトロキシド(NMP)またはコバロキシム媒介重合によって、原子移動ラジカル重合(ATRP)、カルバメート、ジチオエステルもしくはトリチオカーボネート(RAFT)もしくはキサンテートの中から選択される硫化誘導体による制御されたラジカル重合によって得られることを特徴とする、請求項11から13の一項に記載の配合物。
【請求項15】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を、レオロジー添加剤と一緒に含有する、請求項11から14の一項に記載の配合物であって、水/水硬性結合剤(E/L)比が厳密に0.25、好ましくは0.30、また非常に好ましくは0.35を超えることを特徴とする、配合物。
【請求項16】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を、レオロジー添加剤と一緒に含有する、請求項11から15の一項に記載の配合物であって、水硬性結合剤の乾燥重量に対して、0.05乾燥重量%から3乾燥重量%、好ましくは0.1乾燥重量%から2乾燥重量%、非常に好ましくは0.1乾燥重量%から1.5乾燥重量%の前記レオロジー添加剤を含有することを特徴とする、配合物。
【請求項17】
粒状物も含有することを特徴とする、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を、レオロジー添加剤と一緒に含有する、請求項11から16の一項に記載の配合物。
【請求項18】
流動化剤、高性能減水剤、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される他の添加剤も含有することを特徴とする、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を、レオロジー添加剤と一緒に含有する、請求項11から17の一項に記載の配合物。
【請求項19】
1)少なくとも1種の水硬性結合剤、水、任意選択の粒状物および、流動化剤、高性能減水剤、分散剤、消泡剤、またはこれらのブレンドの中から選択される任意選択の他の添加剤を含有する配合物を、これらの種々の成分をブレンドすることによって製造する段階、
2)ブレンドした後、前記配合物を静止させる段階、
3)前記配合物を型枠中に導入する段階、
4)圧縮作用および振動作用を組み合わせて前記型枠上に作用させる段階、
5)段階4)に従って得られた成形品を前記型枠から取り出す段階
を含む振動締固め方法により得られることを特徴とする、水および少なくとも1種の水硬性結合剤を、レオロジー添加剤と一緒に含有する、請求項11から18の一項に記載の配合物。
【請求項20】
水および少なくとも1種の水硬性結合剤を、レオロジー添加剤と一緒に含有する、請求項11から19の一項に記載の配合物であって、前記水硬性結合剤が、石灰、セメント、プラスター、フライアッシュ、高炉スラグ、可溶性ケイ酸塩、白土、ゼオライト、およびこれらの混合物の中から選択されることを特徴とする配合物。

【図1】
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【公表番号】特表2010−515641(P2010−515641A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544455(P2009−544455)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003790
【国際公開番号】WO2008/084298
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(398051154)コアテツクス・エス・アー・エス (35)
【Fターム(参考)】