説明

振動解析システム

【課題】回転機械の振動バランス調整の実習を確実にしかも精度よく行うことのできる振動解析システムを提供すること。
【解決手段】振動解析システム10は、回転機械の回転数とこの回転数に対応する振動振幅とを検出し、回転機械の軸曲がり量に基づいて回転機械の軸曲がりに起因する軸曲がり振動を補正するための補正データをランアウト補正データとして求める。そして、振動解析システムは、回転数及び振幅振動値を解析して得られた振動解析結果をランアウト補正データで補正するランアウト補正を実行して、アンバランス振動を補正後アンバランス振動として求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転体を備える回転機械の振動診断を行う際に、当該回転機械の振動バランスの調整を行うための振動解析システムに関し、特に、回転機械の振動調整研修を行う際に、回転機械の振動バランスを精度よく調整することのできる振動解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、研修生に対してモータ等の回転機械の振動診断特性について研修を行う際には、訓練用ロータキットのような振動解析装置を用いて、研修生が回転機械の振動診断技術を身につけるようにしている。この振動診断研修には種々の項目があるが、これら項目のうち、回転機械の振動バランスを調整する実習においては、訓練用ロータキットのランアウト(RUNOUT:軸曲がり)に起因して、アンバランス振動(実習結果)の再現性が不安定になってしまうことがある。その結果、回転機械の振動バランスを精度よく調整することが難しい。
【0003】
一方、回転機械の動特性モデルを用いて振動応答を計算する際において、振動調整用のバランスウェイトの取付け及びバランスウェイトの取付けによって実際の振動計から得られる振動データがどう変化するか等についてシミュレイトする装置が知られており、このようなシミュレータは、回転機械の保修における振動調整の訓練に用いられている。
【0004】
例えば、振動調整訓練用のシミュレータとして、回転機械データに基づいて研修生が取り付け計算を行って決定したバランスウェイトの取り付け位置及び重量を表示部上に表示されたバランスホールの画面上で入力操作すると、バランスウェイト取り付け後の残留振動データを予測計算して表示し、さらに、最適バランスウェイトの模範解答を計算するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−197949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、訓練用ロータキットを用いて回転機械の振動バランス調整の実習を行う際において、ロータキットのランアウト(例えば、2/100mm程度の軸曲がり)に起因して、回転機械の危険速度時の振動が解消せず、実習の目的であるところの、振動要因の把握、振動要因への対処、振動の解消という一連の項目を達成することが難しく、このため研修生の振動バランス調整に対する理解が得られないという課題がある。
【0006】
加えて、振動バランス調整実習によって得られた実習結果から、その都度インストラクターが補正説明を行って、振動バランス調整に対する理解度を補完しようとする場合には、多大な講義時間がかかってしまうという課題がある。
【0007】
従って、本発明は、回転機械の振動バランス調整の実習を確実にしかも精度よく行うことのできる振動解析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明は、回転機械の軸体に設けられた回転体のアンバランスに起因するアンバランス振動を解析するための振動解析システムであって、前記軸体の回転数と該回転数に対応する前記軸体の振動振幅値とを検出する検出手段と、前記軸体の軸曲がり量に基づいて前記回転機械の軸曲がりに起因する軸曲がり振動を補正するための補正データをランアウト補正データとして求めるランアウト補正データ生成手段と、前記ランアウト補正データが与えられた際、前記回転数及び前記振動振幅値を解析して得られた振動解析結果を前記ランアウト補正データで補正するランアウト補正を実行して前記アンバランス振動を補正後アンバランス振動として求める振動解析手段とを有することを特徴とするものである。
【0009】
(1)に記載の振動解析システムでは、軸曲がり振動を補正するためのランアウト補正データによって振動解析結果を補正するようにしたので、軸曲がり振動の影響を受けることなく、アンバランス振動を求めることができ、その結果、振動バランス調整実習の際に、振動バランス調整を確実に行うことができる。
【0010】
(2) 本発明は、(1)に記載の振動解析システムにおいて、前記ランアウト補正データは、前記回転機械の予め定められた低速回転域において前記振動振幅値をゼロとするデータであることを特徴とするものである。
【0011】
(2)に記載の振動解析システムでは、低速回転域において振動振幅値をゼロとするデータをランアウト補正データとして用いたので、精度よく軸曲がり振動の影響をなくすことができる。
【0012】
(3) 本発明は、(1)又は(2)に記載の振動解析システムにおいて、前記ランアウト補正を行うか否かを選択する選択手段を備え、前記選択手段によって前記ランアウト補正が選択された際に、前記ランアウト補正データが前記ランアウト補正データ生成手段から前記振動解析手段に与えられるようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
(3)に記載の振動解析システムでは、選択手段によってランアウト補正を行う否かが決定できるので、必要に応じてランアウト補正を実施することができる。
【0014】
(4) 本発明は、(3)に記載の振動解析システムにおいて、前記選択手段は前記ランアウト補正が選択されるとオンして、前記ランアウト補正データ生成手段と前記振動解析手段とを電気的に接続するスイッチ手段であることを特徴とするものである。
【0015】
(4)に記載の振動解析システムでは、スイッチ手段のオン/オフによってランアウト補正の選択を行うようにしたので、簡単にランアウト補正の選択を行うことができる。
【0016】
(5) 本発明は、(3)に記載の振動解析システムにおいて、前記選択手段によって前記ランアウト補正が行われないと、前記振動解析手段は、前記ランアウト補正を行わない状態で前記アンバランス振動を求めるようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
(5)に記載の振動解析システムでは、ランアウト補正を行わない場合には、ランアウト補正を行わない状態でアンバランス振動を求めるようにしたので、ランアウト補正後のアンバランス振動とランアウト補正前のアンバランス振動とを対比することができ、的確に軸曲がり振動の影響を把握することができる。
【0018】
(6) 本発明は、(1)から(5)のいずれかに記載の振動解析システムにおいて、前記アンバランス振動を表示する表示手段を有することを特徴とするものである。
【0019】
(6)に記載の振動解析システムでは、表示手段にアンバランス振動を表示するようにしたので、容易に目視によってその結果を確認できるという効果がある。
【0020】
(7) 本発明は、(1)から(6)のいずれかに記載の振動解析システムにおいて、前記回転機械が載置される支持台と該支持台に回転可能に支持された軸体と該軸体に取り付けられた少なくとも1つのバランスウェイトとを備えるバランス調整用ロータキットを有し、アンバランス振動を解析する際前記回転機械の軸を前記軸体にカップリングするようにしたことを特徴とするものである。
【0021】
(7)に記載の振動解析システムでは、バランス調整用ロータキットを用いているので、バランスウェイトの重さ調整によって、アンバランス振動の調整を容易に行うことができる。
【0022】
(8) 本発明は、(7)に記載の振動解析システムにおいて、前記バランスウェイトには当該バランスウェイトのバランス調整のための重りを装着するための複数の重り装着部が形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
(8)に記載の振動解析システムでは、バランスウェイトが複数の重り装着部を有しているので、バランスウェイトの重り調整を簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明によれば、軸曲がり振動を補正するためのランアウト補正データによって振動解析結果を補正するようにしたから、軸体が曲がっていることによる軸曲がり振動の影響を受けることなく、アンバランス振動を求めることができることになって、振動バランス調整実習の際に、振動バランス調整を確実に行うことができるという効果がある。その結果、回転機械の振動バランス調整の実習を確実にしかも精度よく行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態による振動解析システムについて説明する。図1は本発明の実施の形態による振動解析システムの一例を示すブロック図である。図1において、振動解析システム10は、振動解析装置11及びバランス調整用ロータキット12を有しており、バランス調整用ロータキット12に取り付けられた回転数計12a及び振動センサ12bからそれぞれ振動解析装置11に回転機械13(図2参照)によって回転される軸体15(図2参照)の回転数及び振動振幅値(以下単に振幅値と呼ぶ)が振動解析装置11に与えられ、振動解析装置11は、横軸を回転数、縦軸を振幅値とする解析結果を出力・表示する。
【0026】
図2はバランス調整用ロータキット12を示す側面図であり、バランス調整用ロータキット12は、例えば、回転機械(例えば、モータ)13を有し、この回転機械13は平板状の支持台14上に配設されている。そして、この支持台14の表面には、所定の間隔で複数の保持部材14aが取り付けられている。複数の保持部材14aは、軸体15に対して非接触で軸体15の周りを覆うように、支持台14に取り外し可能に組み付けられている。
【0027】
軸体15には、それぞれがほぼ円盤状の複数のバランスウェイト16(ロータディスク、図示の例では、2つのバランスウェイト)が取り付けられている。図3に拡大して示すように、複数のバランスウェイト16の各々の一面には、複数のバランス調整用ボルト取り付け穴部16aが形成されている。これにより、所定のバランス調整用ボルト取り付け穴部16aにボルト(図示せず)を装着することができる。このバランス調整用ボルト取り付け穴部16aにボルトを選択的に装着することにより、バランスウェイト16のバランス調整を行うことができる。そして、回転機械13の回転軸13aは、上記の軸体15にカップリング17によって結合されている。
【0028】
図4は、振動解析装置11の構成を示すブロック図であり、この振動解析装置11は、ランアウト補正データ生成部31、スイッチ部(SW)32、振動解析部33、表示部34、及び入力装置35を有しており、回転数計12a及び振動センサ12bは、ランアウト補正データ生成部31及び振動解析部33に接続されている。そして、ランアウト補正データ生成部31と振動解析部33とはSW32を介して接続されている。
【0029】
ところで、回転機械13の一般的な振動問題として、所謂アンバランス振動がある。図5に示すように、回転体41の質量に不均一(アンバランス)があると重心に偏りが生じるが、このような回転体41を高速で回転させると、このアンバランス(重心の偏り)に起因して、遠心力が発生する。
【0030】
上述のように、遠心力が生じると、回転体41の軸41aは、遠心力によって半径方向(軸41aから離れる方向)に引っ張られて、あたかも撓んだ状態となる。図6に示すように、この回転体41に振動センサ12bを押し当てた際に得られる振動データ(振幅値)は、遠心力によって生じた軸41aの撓み量といえる(なお、遠心力は回転体の回転数の2乗に比例する)。
【0031】
一方、アンバランスが全くない回転体においても、元々軸曲がり(ランアウト)がある状態で回転した際に振動センサ12bを押し当てると、同様にして軸曲がりに相当する振幅値が得られることになる。この軸曲がりによる振動は、アンバランス振動(上述の遠心力によって発生する軸の撓み)と異なり、低速回転でも振幅値が生じる。
【0032】
このため、軸曲がりとアンバランスとがともに存在する回転体41においては、軸曲がりによる振動(軸曲がり振動)とアンバランスに起因する振動(アンバランス振動)がともに発生することになり、図7に示すように、これら振動が相乗されることになる。この結果、軸曲がりとアンバランスとが共に存在する回転体41の振動解析を行うと、図8(a)に示す結果が得られ、軸曲がり振動にじゃまをされて、アンバランス振動の再現性が不安定になってしまう。その結果、図8(b)に示すように、低速回転の領域における振幅値が下がらず、回転機械の振動バランスを精度よく調整することが難しくなってしまう。
【0033】
なお、現場における回転機械の大部分は、多少の軸曲がり及びアンバランスが不可避的に存在する。そして、軸曲がり振動においては、元々の軸曲がり量が振幅値として発生し、低速域でも振動が発生するのに対して、アンバランス振動は、回転数(つまり、遠心力)に比例した振幅値が発生し、回転数の上昇によって振幅値が上昇する。
【0034】
そこで、上述のような軸曲がり振動(ランアウト振動)の影響を補正するため、本実施の形態においては、ランアウト補正データ生成部31で生成されたランアウト補正データに応じて、振動解析部33がランアウト補正を行う。ここで、ランアウト補正とは、回転体に元々存在する軸曲がりを考慮して、低速回転時の振幅値がゼロとなるように補正を行うことである。
【0035】
図示の例では、ランアウト補正データを生成して、振動バランス調整実習を行うか否かの選択を行うことができ、この選択は、バランス調整用ロータキット12、つまり、回転機械13の起動前に行われる。ランアウト補正選択を行う際には、入力装置35からランアウト補正データ生成選択指令が与えられ、これによって、SW32がオンするとともに、ランアウト補正データ生成部31及び振動解析部33が動作可能状態となる。この際、入力装置35からランアウト補正データ生成部31に軸曲がり量が入力される。
【0036】
続いて、バランス調整用ロータキット12を起動して、回転機械13を、予め規定された低速域で回転し、この際の回転数及び振幅値を、回転数計12a及び振動センサ12bで採取し、ランアウト補正データ生成部31に与える。
【0037】
ランアウト補正データ生成部31では、低速域における回転数と振幅値との関係を示す低速域振動データを表示部34に表示しつつ、軸曲がり量に基づいて低速域における振幅値をゼロとするための補正データを求める。そして、振幅値がゼロとなった際の補正データをランアウト補正データとしてSW32を介して振動解析部33に与え、その旨を表示部34に表示する。
【0038】
続いて、回転機械13が全速度域で回転駆動される。振動解析部33には、回転数計12a及び振動センサ12bからそれぞれ回転数及び振幅値が入力され、振動解析部33は回転機械の振動解析を行う。つまり、横軸を回転数、縦軸を振幅とする振動解析データを得て、その結果を表示部34に表示する。
【0039】
この際、振動解析部33は、上記のランアウト補正データによって、振動解析データを補正して、表示部34に表示することになる。その結果、表示部34には、図9(a)に示すように、低速域における曲がり振動の振幅がゼロに補正されることになる。この結果、曲がり振動の影響が無視でき、表示部34に表示されたアンバランス振動のみを適切に評価することができる。
【0040】
従って、研修生は、表示部34に表示される振動解析データを確認しつつ、前述のバランス調整用ボルト取り付け穴部16aにボルトを選択的に装着して、アンバランス補正、つまり、バランス調整を行えば、図9(b)に示すように、低速回転の領域における振幅値が略0になった状態で、回転機械の振動バランスを精度よく調整することができるので、振動バランス調整の実習を効果的に行うことができる。
【0041】
なお、ランアウト補正データを生成しない場合には、つまり、ランアウト補正データを用いることなく、振動バランス調整実習を行う際には、バランス調整用ロータキット12の起動前に、入力装置35からランアウト補正データ生成非選択指令が入力される。これによって、SW32がオフするとともに、ランアウト補正データ生成部31が非動作状態となり、振動解析部33が動作可能状態となる。
【0042】
続いて、バランス調整用ロータキット12を起動して、回転機械13を全速度域で回転駆動する。振動解析部33には、回転数計12a及び振動センサ12bからそれぞれ回転数及び振幅値が入力され、振動解析部33は回転機械の振動解析を行い、振動解析データを表示部34に表示する。
【0043】
ランアウト補正を行わない場合には、軸曲がり振動の影響を受けたアンバランス振動(図8参照)が表示部34に表示されることになる。そして、このアンバランス振動を確認しつつ、バランス調整用ボルト取り付け穴部16aにボルトを選択的に装着して、アンバランス補正実習を行えば、研修生は、軸曲がり振動がどのようにアンバランス振動の補正に影響するかを認識することができる。
【0044】
このように、ランアウト補正後の振動解析データにおいては、軸曲がり振動が無視でき、アンバランス振動のみの評価を行うことができる。その結果、アンバランス振動の調整(ウェイト取り付け)の際には、容易に適正なウェイト質量を得ることができる。なお、未補正データで振動調整実習を行うと、調整回転数における振幅値調整を行うことはできるものの、その他の回転数は振幅値が大きくなることがあり、研修生の技能習得が困難な事態となる。このため、振動研修においては、ランアウト補正データを活用すれば、技能の効率的かつ効果的な習得を図ることができる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、振動バランス調整実習の際、適切な実習を行うことができ、研修生は容易に振動バランス調整に係る技術を習得することができる。そして、研修生は実施要領通りの操作・作業を行えば、確実にアンバランス振動が解消されることになって、研修生の理解度を向上させることができる。また、実習結果が良好となるので、研修生(例えば、顧客)の充実感と満足度も向上することになる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態による振動解析システムの一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す振動解析システムで用いられるバランス調整用ロータキットの構成を示す側面図である。
【図3】図2に示すバランス調整用ロータキットで用いられるバランスウェイトの構造を示す斜視図である。
【図4】図1に示す振動解析システムで用いられる振動解析装置を示すブロック図である。
【図5】回転体にアンバランスが存在する際に作用する遠心力を説明するための図である。
【図6】回転体のアンバランスに起因するアンバランス振動を説明するための図である。
【図7】回転体に軸曲がり及びアンバランスが存在する際の軸曲がり振動及びアンバランス振動を説明するための図である。
【図8】(a)は図7で説明した軸曲がり振動及びアンバランス振動の解析結果を示す図である。(b)は(a)で示した解析結果に基づいて調整した後の解析結果を示す図である。
【図9】(a)は図4に示す振動解析装置において、ランアウト補正を行った後のアンバランス振動を軸曲がり振動とともに解析結果を示す図である。(b)は(a)で示した解析結果に基づいて調整した後の解析結果を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 振動解析システム
11 振動解析装置
12 バランス調整用ロータキット
12a 回転数計
12b 振動センサ
13 回転機械
15 軸体
16 バランスウェイト
31 ランアウト補正データ生成部
32 スイッチ
33 振動解析部
34 表示部
35 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械の軸体に設けられた回転体のアンバランスに起因するアンバランス振動を解析するための振動解析システムであって、
前記軸体の回転数と該回転数に対応する前記軸体の振動振幅値とを検出する検出手段と、
前記軸体の軸曲がり量に基づいて前記回転機械の軸曲がりに起因する軸曲がり振動を補正するための補正データをランアウト補正データとして求めるランアウト補正データ生成手段と、
前記ランアウト補正データが与えられた際、前記回転数及び前記振動振幅値を解析して得られた振動解析結果を前記ランアウト補正データで補正するランアウト補正を実行して前記アンバランス振動を補正後アンバランス振動として求める振動解析手段とを有することを特徴とする振動解析システム。
【請求項2】
前記ランアウト補正データは、前記回転機械の予め定められた低速回転域において前記振動振幅値をゼロとするデータであることを特徴とする請求項1記載の振動解析システム。
【請求項3】
前記ランアウト補正を行うか否かを選択する選択手段を備え、前記選択手段によって前記ランアウト補正が選択された際に、前記ランアウト補正データが前記ランアウト補正データ生成手段から前記振動解析手段に与えられるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の振動解析システム。
【請求項4】
前記選択手段は前記ランアウト補正が選択されるとオンして、前記ランアウト補正データ生成手段と前記振動解析手段とを電気的に接続するスイッチ手段であることを特徴とする請求項3記載の振動解析システム。
【請求項5】
前記選択手段によって前記ランアウト補正が行われないと、前記振動解析手段は、前記ランアウト補正を行わない状態で前記アンバランス振動を求めるようにしたことを特徴とする請求項3記載の振動解析システム。
【請求項6】
前記アンバランス振動の情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の振動解析システム。
【請求項7】
前記回転機械が載置される支持台と該支持台に回転可能に支持された軸体と該軸体に取り付けられた少なくとも1つのバランスウェイトとを備えるバランス調整用ロータキットを有し、アンバランス振動を解析する際前記回転機械の軸を前記軸体にカップリングするようにしたことを特徴とする請求項1から6いずれか記載の振動解析システム。
【請求項8】
前記バランスウェイトには当該バランスウェイトのバランス調整のための重りを装着するための複数の重り装着部が形成されていることを特徴とする請求項7記載の振動解析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−229162(P2009−229162A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72980(P2008−72980)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】