説明

捕集器・分配器複合構体

【課題】 傾斜状態でも気相流及び液相流の正常な捕集と分配を果たす複合構体の提供。
【解決手段】 蒸留塔内の気相流と液相流の捕集器・分配器複合構体。塔内を流下する液相流は漏斗形捕集器(40)で捕集されて漏斗中央の出口開口(42)から縦管(31)を介して液相流用分配器(30)の分配管(32, 33)により下方の塔内横断面全域に分配される。縦管(31)内の液相流を安定液面レベルに維持することで分配器(30)が加圧式分配器として機能し、液相流は蒸留塔の傾斜に拘わらず分配管(32, 33)の延在範囲全域に分配される。上昇気相流は捕集器(40)で捕集され、通気筒(50)から捕集器上方の塔内横断面全域に分配される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸留塔内における気相流及び液相流のための捕集器・分配器複合構体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不規則充填床又は規則充填層によって気液接触を行う蒸留塔は、石油化学工業向け精留設備として数多くの応用分野で利用されている。この種の蒸留塔は物質の分離に利用されることが多く、その場合、例えば特許文献1に開示されているように、気相分は塔頂部から、液相分は塔底部から取り出される。蒸留塔内部の不規則充填床や規則充填層は、気相流と液相流との相互作用を促進させる役割を果たすものであり、従って蒸留塔が発揮する能力を最適にするためには、液相流並びに気相流が蒸留塔内の容積及び横断面の全域に亘って均一に分配されなければならない。
【特許文献1】特開2005−095721号公報
【0003】
従来技術による蒸留塔は、1基又は複数基の捕集器(コレクター)と、蒸留塔内全域に分散配置された複数基の分配器(ディストリビューター)とを装備しているのが一般的である。従来より、この形式の蒸留塔は主に陸上に設置され、所謂内陸操業に使用されている。このような従来の蒸留塔における液相流用の捕集器と分配器は、開放流路、トラフ、或いは捕集樋として構成されているのが通常である。
【0004】
従来の蒸発塔における液相流用の捕集器及び分配器は、垂直に固定設置されている蒸留塔の高さ範囲全域に亘って分散配置され、それぞれ水平姿勢で塔に組み込まれている。蒸留塔内における液相流は塔内の不規則又は規則充填層の棚段や充填物を濡らし、重力の作用に従って塔内を下向きに流下する。これに対して気相流は塔内を上向きに上昇し、これは液相流と向かい合う流れである。これら二相の流れは、塔内で多数の狭隘な流路を通過して流れ、それにより二相の流れ同士の相互作用が促進される。液相流用の捕集器及び分配器は、塔内で上下に隣り合った2つの充填層の間にそれぞれ配置される。上から流下してくる液相流は重力の作用で捕集器の内部に滴り落ち、捕集器内から分配器へと導かれ、分配器からは直下の充填層に対して塔内横断面の全域に亘って分配される。従来、一般的にこの種の分配器は複数の流出孔を有する開放流路(U字型断面)として構成され、蒸留塔内の横断面全域に亘って分布配置されて、これら複数の開放流路間の隙間が上昇気相流の通路に利用されている。これらの気相流の通路から液相流の関与を排除するため、各気相流通路には庇屋根状の覆いが施されている。このような開放流路形式の重力式分配器の原理に基づく液相流用分配器は、陸上にあって垂直に固定設置された蒸留塔に使用する場合には有効性が実証されている。
【0005】
しかしながら、この種の従来の液相流用の捕集器と分配器は、例えば船上や洋上リグ上など、沖合施設での使用には不適当である。沖合施設に設置して操業する場合の蒸留塔は絶えず波浪による揺れの影響下に置かれ、この揺れによって蒸留塔が本来の正しい垂直姿勢から逸脱する。最悪の場合、かなりの長時間に亘って蒸留塔が垂直姿勢から数度も傾いた状態になる。そのような条件下で従来技術による開放流路形式の重力式分配器を使用する場合、蒸留塔が傾いた状態では液相流が捕集器と分配器の最深部に到達せず、そのため充填層の棚段や充填物の濡れが不十分となり、従って蒸留塔が満足な機能を発揮できなくなるという事態を起こしかねない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底にある課題は、蒸留塔が垂直姿勢から数度傾いた状態になっても気相流及び液相流の正常な捕集並びに分配が確実に果たされるような捕集器・分配器複合構体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明によれば、塔内を流下する液相流のための加圧式分配器として構成された液相流用分配器と、塔内を上昇する気相流のための加圧式分配器として構成された液相流用捕集器との少なくとも一方又は双方を備えた捕集器・分配器複合構体によって解決される。
【0008】
本発明に従って分配器を加圧式分配器として構成することにより、分配が重力にも蒸留塔の傾斜状態にも影響されることなく保証される。加圧式分配器によって液相流や気相流が加圧されるため、これら各相の流れが分配器の分配範囲全域に行き渡り、蒸留塔内の横断面全域に分配される。その結果、液相流や気相流が蒸留塔内の横断面のある領域に偏って集中される虞は回避される。分配器内に生じる液相流や気相流自体の圧力の作用によって、蒸留塔が垂直姿勢から傾斜した状態にあっても、それぞれの相の流れは重力に逆らって蒸留塔内の横断面全域に分配される。
【0009】
本発明による捕集器・分配器複合構体の好ましい一実施形態では、液相流用捕集器が塔内の横断面に亘って流下する液相流を受けとめて少なくとも1箇所の出口開口へ導く漏斗手段を備え、該漏斗手段の出口開口が縦管を介して液相流用分配器に接続されている。この場合、縦管は、蒸留塔の利用目的に応じて、多角形や矩形(好ましくは長方形)、広義の丸形、好ましくは角丸矩形や円形又は楕円形等、任意の横断面形状を有すると共に、管内で気泡が液相流に逆らって上昇するのを許容するに充分な管内横断面積を有するものとすると良い。好適な実施形態による液相流用分配器は、縦管の下端部に接続された分配管又は該分配管から更に分岐された別の分配管を有し、これら分配管は、多角形、矩形、角丸矩形、円形、又は楕円形の横断面形状と、内部の液相流を下方へ分散流下させるために管下面に穿たれた複数個の流出孔とを有している。
【0010】
塔内の横断面に亘って流下する液相流を受けとめて捕集器内で少なくとも1箇所の出口開口へ導く漏斗手段としては、特に複数のセグメントで漏斗の傾斜面を形成した構造を採用することができる。この場合、これらセグメントで形成される傾斜面の傾斜角は、対象とする蒸留塔に予測される最大傾斜角よりも確実に大きな傾斜角としておくことが好ましい。そのような傾斜角の傾斜面としておくことにより、蒸留塔が予測最大傾斜角に傾いた場合にも、液相流用捕集器の漏斗傾斜面には常に幾許かの勾配が残り、この勾配によって液相流が安定して出口開口へと導かれることになる。出口開口へ導かれた液相流は、この出口開口に接続されている縦管を通じて蒸留塔の傾斜状態とは関係なしに分配器内に導かれ、分配器の下部構体を形成する分配管に設けられた複数の流出孔から分散流下される。この場合、縦管の寸法、特に流路面積に相当する管内横断面積は、一方では縦管内で液相中の気泡が液相流に逆らって上昇するのを許容するに充分なように、他方では縦管内で液相流の液面が或る安定したレベルに維持されるように選択される。縦管内における液相流の液面が或る安定したレベルに維持されることにより、縦管とその下部に連通する分配管で構成されている分配器内に或る水頭圧力が生じ、この圧力によって分配器内の液相流が常に加圧され、従って縦管に接続されている複数の分配管の全長、即ち蒸留塔内の横断面全域に亘って液相流の分配を保証することができる。また、この分配器内に生じる水頭圧力は、分配管下方の蒸留塔内横断面全域に亘って液相流を重力に抗して分布せしめることにも寄与する。分配器の分配管は、蒸留塔の利用目的に適うように蒸留塔内横断面全域に亘って均一に分布配置される。液相流は、均一な分布配置で分配管の管下面に設けられている流出孔から直下の充填層の上に塔内横断面全域で均等な分布のもとに流下する。
【0011】
液相流用捕集器は気相流のための捕集器及び分配器を兼ねていることが好ましい。液相流用捕集器は、塔内を上昇する気相流を圧損の発生と共に専ら通過させる通気筒を備えていることが望ましく、この場合、該通気筒は、多角形、矩形、角丸矩形、円形、又は楕円形の横断面形状と、該通気筒の筒内横断面積よりも広い面積で通気筒の上端開口の上部を間隔を開けて覆う傘又はフードとを有することが好ましい。特に複数本の通気筒が塔内の横断面に亘って均一な分布で液相流用捕集器上に配置されていることが好ましい。
【0012】
本発明の好適な実施形態によれば、液相流用捕集器は蒸留塔内の横断面全域を覆う複数のセグメントで漏斗傾斜面を形成した漏斗手段を備えており、これらの漏斗傾斜面の下方に塔内を上昇してくる気相流が滞留する。この滞留する気相流は蒸留塔内横断面全域に均一に分布して漏斗傾斜面に貫通配置された複数本の通気筒を通してのみ、液相流用捕集器の上方へ通過することができる。気相流が通気筒を通過する際に生じる圧損が、当該捕集器の直上に位置する充填層の下方における気相流の均一な分配をもたらし、従ってこの場合の液相流用捕集器は、気相流のための加圧式分配器として機能する。通気筒の上端開口から間隔を開けた上方には、通気筒の筒内横断面積よりも広い面積で通気筒の上端開口を覆う傘又はフードが配置されているので、塔内を流下する液相流が通気筒内に侵入することはなく、従って通気筒は塔内を上昇する気相流に対して常に開かれた通路を提供する。
【0013】
本発明の更に別の一実施形態によれば、液相流用分配器は液相流を下方へ分散流下させるための複数の流出孔を底面に有する扁平な有底円筒体からなり、該円筒体の底面は蒸留塔内の横断面全域に亘って広がり、該円筒体には塔内を上昇する気相流を通過させる1本又は複数本の通気筒が貫通配置されている。この場合も、有底円筒体が分配器を加圧式分配器として機能させ、液相流は蒸留塔内横断面全域に亘って分配される。この分配器は、液相流用捕集器と同様に、1本又は塔内横断面全域に亘って均一に分布配置された複数本の通気筒を有し、従って塔内を上昇する気相流は該分配器を通過して確実に上方へ流れることができる。
【0014】
本発明の更に別の一実施形態によれば、液相流用捕集器は塔内の横断面に亘って流下する液相流を受けとめて少なくとも1箇所の出口開口へ導く漏斗手段を備え、該漏斗手段の出口開口が縦管を介して液相流用分配器に接続され、更に漏斗手段には受けとめた液相流の一部を貯留する枡と、この貯留枡内の液相流の所定量を蒸留塔の側面から抜き取り可能とするための計量用の側方開口とが設けられている。この場合、好ましくは縦管の上端が液相流用捕集器の出口開口の口縁よりも上方へ突出している。
【0015】
多くの場合、蒸留塔の種々異なる高さ位置から所定量の液相流を例えば成分分析などの計量のために抜き取ることが必要とされる。本発明によるこの実施形態では、この抜き取り位置を有利な態様で液相流用捕集器の配置位置に特定することができる。液相流用捕集器は、上方から流下してくる液相流が二箇所、即ち、漏斗手段の出口開口と計量用の側方開口へと導かれるような構造に作られている。この場合、蒸留塔の側面から液相流の一部を抜き取り可能とするための計量用の側方開口に接して、捕集器の漏斗手段には受けとめた液相流の一部を貯留する枡が存在する。漏斗手段の出口開口と計量用の側方開口とへ導かれる液相流の量比は、縦管の上端が液相流用捕集器の出口開口の口縁よりも上方へ突出する高さを選ぶことによって調節可能である。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明によれば、特に蒸留塔が揺れたり或いは垂直設置姿勢から傾斜した場合にも、蒸留塔内における液相流並びに気相流の分配を蒸留塔内横断面全域に亘って均一に分布に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明による捕集器・分配器複合構体の幾つかの好適な実施形態を図面と共に詳述すれば以下の通りである。
【0018】
図1は、蒸留塔2の内部に配置された本発明の一実施形態による捕集器・分配器複合構体1の構成を模式的に示している。塔内で上部の充填層から流下してくる液相流は、複数の扇形セグメント41で構成された漏斗形捕集器40上に受けとめられる。漏斗傾斜面を形成するセグメント41の水平面に対する傾きは、蒸留塔2が許容最大傾斜角に傾いた場合にも捕集器40の漏斗傾斜面の全ての箇所に幾許かの勾配が存在するように選ばれている。捕集器40によって受けとめられた液相流は、漏斗傾斜面の中央に設けられた出口開口42へと導かれる。捕集器40の出口開口42は縦管31に接続され、この縦管の下端部には中央分配管32が連結されており、中央分配管には更に複数の分岐分配管33が連結されている。この場合、縦管31と各分配管32,33が液相流用分配器30を構成している。分配管32及び33は蒸留塔2の横断面全域に分布するように延在配置されており、それらの管下面には同様に蒸留塔2の横断面全域に亘って均一に分布するように多数の流出孔が穿たれている。縦管31及び各分配管32,33の寸法は、分配管32と33に設けられている流出孔の開口面積との組み合わせにより、蒸留塔の動作中における縦管31内の液相流の液面が予め定められたレベルに維持されるように選ばれる。縦管31内の液相流の液面レベルを一定に維持することにより、縦管31及び各分配管32,33から成る分配器30全体に貯留されている液相流は安定した水頭圧力下で加圧された状態にある。このため液相流は、たとえ蒸留塔2が本来の垂直設置姿勢から傾斜したとしても、それに拘わることなく各分配管32及び33の延在範囲全域に分配され、従って各分配管の管下面に設けられている殆ど全ての流出孔から直下の充填層の棚段や充填物上に均一な分布で流下する。このように、漏斗形捕集器40は液相流用捕集器を構成しているが、以下に述べるように気相流用捕集器及び気相流用分配器も兼ねている。即ち、塔内で下部から上昇してくる気相流は、液相流用分配器30の各分配管32及び33の間の間隙を通過して漏斗形捕集器40の下部に滞留して捕集され、セグメント41に貫設されている複数本の通気筒50により捕集器40を上方へを通り抜けることで分配される。各通気筒50は、図面では一部しか示されていないが漏斗形捕集器40の全面に亘ってほぼ均一に分布配置されており、これらの通気筒の内部に塔内で上部の充填層から流下してくる液相流が侵入することを防止する目的で、各通気筒の上部には通気筒の筒内横断面積よりも広い面積で通気筒上端開口を覆う傘又はフード51が設置され、この場合、通気筒上端開口と傘又はフード51との間には通気流路を確保するための間隔が設けられ、気相流が通気筒50を貫通して流れる際に受ける圧損の作用と傘又はフード51による拡散効果との組み合わせにより、蒸留塔2の横断面全域に亘る気相流の均一な分配が果たされる。
【0019】
図2は、本発明の別の実施形態による捕集器・分配器複合構体1の構成を模式的に示している。この実施形態では、捕集器40の漏斗傾斜面を形成するセグメント41は扇形のものではなく、中央の出口開口42の上部に矩形の集合枡が形成されるように組み合わされて、また液相流用分配器30の各分配管32と33は楕円形又は円形断面形状のパイプからなる集合体構造であり、それ以外は図1の実施形態と実質的に同等である。
【0020】
図3は、本発明の更に別の実施形態による捕集器・分配器複合構体1の構成を模式的に示しており、この実施形態では蒸留塔の外部へ計量の目的で液相流を抜き取るための側方開口43が液相流用捕集器に設けられている点が他の実施形態との相違点である。捕集器40の漏斗傾斜面を形成するセグメント41は、液相流が中央の出口開口42と捕集器外周壁に設けられた側方開口43との双方へ導かれるように成形されている。即ち、各セグメントの組み合わせにより、中央の出口開口42の上部に側方開口43へ向かう下降面を備えた集合枡が形成され、この下降面の最深部に液相流の一部を貯留するほぼ矩形の枡44が形成され、この貯留枡44の外周壁に液相流の一部を蒸留塔2の側面から外部へ抜き取るための側方開口43が設けられている。これにより、側方開口43から抜き取られるべき液相流が常に貯留枡44に存在することを保証可能である。複数のセグメント41からなる漏斗傾斜面によって横断面中央部の出口開口42の上部に形成されている集合枡、即ち側方開口43へ向かう下降面を備えた集合枡は、以上に述べたように枡内に2つの開口42と43を有している。これら2つの開口42と43に対する液相流の量的配分は、中央の出口開口42上に突出している縦管31の上端縁の突出高さを選ぶことによって調節することができる。また、この実施形態においても捕集器40と分配器30の寸法は、縦管31内で液相流の液面が安定したレベルに維持されるように定められ、それにより蒸留塔2が垂直姿勢から傾斜した場合にも液相流が全ての分配管32,33の延在範囲全域に確実に分配される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】漏斗状の捕集器を備えた本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】複数の傾斜面セグメントから成る捕集器を備えた別の実施形態を示す斜視図である。
【図3】液相流を抜き取るための側方開口を有する捕集器・分配器複合構体の一実施形態を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸留塔(2)内における気相流と液相流のための捕集器・分配器複合構体(1)であって、塔内を流下する液相流のための加圧式分配器として構成された液相流用分配器(30)と、塔内を上昇する気相流のための加圧式分配器として構成された液相流用捕集器(40)との少なくとも一方又は双方を備えたことを特徴とする捕集器・分配器複合構体。
【請求項2】
液相流用捕集器(40)が、塔内の横断面に亘って流下する液相流を受けとめて少なくとも1箇所の出口開口へ導く漏斗手段(41)を備え、該漏斗手段の出口開口(42)が縦管(31)を介して液相流用分配器(30)に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項3】
縦管(31)が、多角形、矩形、角丸矩形、円形、又は楕円形の横断面形状を有すると共に、管内で気泡が液相流に逆らって上昇するのを許容するに充分な管内横断面積を有することを特徴とする請求項2に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項4】
液相流用分配器が縦管(31)の下端部に接続された分配管(32)又は該分配管から更に分岐された別の分配管(33)を有し、これら分配管が、多角形、矩形、角丸矩形、円形、又は楕円形の横断面形状と、内部の液相流を下方へ分散流下させるために管下面に穿たれた複数個の流出孔とを有することを特徴とする請求項2〜3のいずれか1項に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項5】
液相流用捕集器(40)が気相流のための捕集器及び分配器を兼ねていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項6】
液相流用捕集器(40)が塔内を上昇する気相流を圧損の発生と共に専ら通過させる通気筒(50)を備え、該通気筒が、多角形、矩形、角丸矩形、円形、又は楕円形の横断面形状と、該通気筒の筒内横断面積よりも広い面積で通気筒の上端開口の上部を間隔を開けて覆う傘又はフード(51)とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項7】
複数本の通気筒(50)が塔内の横断面に亘って均一な分布で液相流用捕集器上に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項8】
液相流用分配器が、液相流を下方へ分散流下させるための複数の流出孔を底面に有する扁平な有底円筒体からなり、該円筒体の底面が蒸留塔内の横断面全域に亘って広がり、該円筒体には塔内を上昇する気相流を通過させる通気筒(50)が貫通配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項9】
液相流用捕集器(40)が、塔内の横断面に亘って流下する液相流を受けとめて少なくとも1箇所の出口開口へ導く漏斗手段(41)を備え、該漏斗手段の出口開口(42)が縦管(31)を介して液相流用分配器(30)に接続され、更に漏斗手段(41)には受けとめた液相流の一部を貯留する枡と、この貯留枡内の液相流の所定量を蒸留塔の側面から抜き取り可能とするための計量用の側方開口(43)とが設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の捕集器・分配器複合構体。
【請求項10】
縦管(31)の上端が液相流用捕集器(40)の出口開口(42)の口縁よりも上方へ突出していることを特徴とする請求項9に記載の捕集器・分配器複合構体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−272754(P2008−272754A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116615(P2008−116615)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(391009659)リンデ アクチエンゲゼルシヤフト (106)
【氏名又は名称原語表記】LINDE AKTIENGESELLSCHAFT
【住所又は居所原語表記】Leopoldstrasse 252,80807 Munich,Germany
【Fターム(参考)】