説明

授業計画支援システム

【課題】 教師が授業計画を立てる際に役立つ情報を、入力画面上で参照しながら、授業計画を作成することができる授業情報支援システムを提供する。
【解決手段】
基本教材の目次の用語に基づいて授業計画用目次画面の表示を行う目次画面表示制御部22と、教育活動の入力を待ち受けるとともに教育活動を表す用語を参照表示し、かつ、学習者状態の入力を待ち受けるとともに学習者の状態を表す用語を参照表示する授業計画画面の表示を行う授業計画画面表示制御部23と、実践知情報の入力を待ち受ける授業記録画面の表示を前記授業計画画面に関連つけて行う授業記録画面表示制御部24と、各教師の授業計画データおよび授業記録データを、教師ごとの授業計画・授業記録データとして蓄積する教師別授業計画データベース34と、表示要求があったときに、該当する授業計画・授業記録データを表示する教師別授業計画表示制御部25とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教師が授業計画を作成する作業を支援し、また、教師が授業計画に基づいて授業を実践したときに得られる実践知を蓄積して、自己の授業の改善を図ったり、複数の教師間で授業計画に関する情報を共有できるようにしたりする授業計画支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
教育現場では、教師は学習内容、教材、年間の授業回数(授業時間)に基づいて、予め授業計画を立てる。そして、この授業計画に基づいて日々の授業を行うとともに、授業記録を作成しておき、将来の授業の際に参考になるようにする。これまで、授業計画や授業記録は各教師が自らの知識と経験に基づいて個別に作成していたため、経験の浅い教師は授業計画の作成に時間と労力を要していた。また、ベテランの教師であっても、授業計画や授業記録を自ら作成することから、どうしても自分の殻に閉じこもった内容になりがちであった。
そのため、公開の研究授業に参加することによって、他の教師の授業を体感し、教師どうしが議論することで教育スキルを高めあうことも行われているが、時間的制限、地理的制限から、そのような研究授業の開催回数が少ないのが現状である。
【0003】
そこで、他の教師の知識と経験を利用して授業計画を作成することを支援するためのコンピュータ化された共同授業計画のシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
上記文献に記載されたコンピュータ化システムによれば、経験の浅い教師が、仮の授業計画を作成してシステムに入力すると、システムは、予め、他の教師によって作成され、データベースに記憶してある授業計画を参照し、作成した仮の授業計画を改良する「提案」を生成するようにしてある。「提案」は、仮の授業計画を、他の教師がそれぞれ作成した類似する授業計画の集合と比較することによって生成される。例えば、授業計画内の共通の語句を見つけることで類似する計画の検索を行うようにして、関連する授業計画情報を検索できるようにしてある。そして「提案」を利用することにより、経験の浅い教師は、授業計画作成のための時間と労力を減らすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2008−276752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に記載のシステムによれば、他の教師の知識と経験を利用して、授業計画を作成できるようになる。しかしながら、上記システムで得られる他の教師の知識や経験は、授業計画を作成しようとする教師にとって参考になるものの、そのような情報を得るには、予め、仮の授業計画を作成してシステムに入力する必要がある。したがって、仮の授業計画を作成するまでの作業に手間がかかり、特に経験の浅い教師にとっては煩わしい作業である。また、入力する内容は各教師が任意の用語を用いて行うため、記載内容はばらばらになりやすく、後で統一することは困難である。
そこで、経験の浅い教師が一から授業計画を作成するときであっても、必要な情報を参照しつつ授業計画を簡単に立てることができ、しかも用語ができるだけ体系化された授業計画を作成できることが望まれる。
【0007】
例えば、授業は教科書等の教材に基づいて順次行うのが一般的であるため、教師は授業計画を立てる際に、教科書の目次の情報とともに、必要に応じて利用可能な副教材(参考書、プリント、関連デジタルコンテンツの情報等)の「教材に関する情報」を参考にしながら授業計画を立てるのが好ましい。
また、学習する内容によっては、教科書に沿った説明による学習の他に、例示による類推学習を行ったり、実験や演習を通じた体験学習を行ったり、グループ討論による学習を行ったりする教育活動(教授行為)を実行できることから、教師は教育活動(教授行為)を知らせる「教育活動に関する情報」を参照しながら授業計画を立てるのが好ましい。
【0008】
さらに、上記文献のシステムを用いて、仮の授業計画を入力して「提案」を得た教師が、そのまま「提案」を取り入れて授業を行なったとしても、その授業が予定どおり成功するとは限らない。例えば、授業を行う対象となる生徒の現在の知識レベルでは、授業計画で行おうとする学習内容が難しすぎて理解できない場合もある。このように生徒の現在の知識レベルや好悪感情などの「生徒に関する情報」が問題になることもあるので、教師は授業計画を立てる際に、「生徒に関する情報」も参照しながら授業計画を立てるのが好ましい。
【0009】
そこで、本発明は第一に、教師が授業計画を立てる際に役立つ情報を、入力画面上で参照しながら、授業計画を作成することができる授業情報支援システムを提供することを目的とする。
より具体的には、教師が授業計画を立てる際に検討することが有用であると考えられる一般情報(生徒に関する情報、教材に関する情報、教育活動に関する情報)を簡単に参照できるようにするとともに、これらの一般情報に加えて、他の教師が作成した授業計画を参考できるようにしたり、過去に自ら作成した授業計画を参考できるようにしたりして、より適切な授業計画を作成することが容易に行える授業計画支援システムを提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、第二に、作成した授業計画に基づいて実際に授業を行なった後に、当該授業で新たに得られた実践知を蓄積し、それ以降の授業において、複数の教師間で蓄積された実践知を利用できるようにする授業情報支援システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、第三に、自分自身の授業を改善するために、作成した授業計画や履歴を見やすい形で残しておき、将来、自分自身の授業を改善していくときに、参照しやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明の授業計画支援システムは、授業計画の作成に有用な情報を表示する画面を、端末コンピュータの表示装置に表示して授業計画作成の入力を待ち受けるとともに、端末コンピュータの入力装置からの入力操作を受けて授業計画を作成する授業計画支援システムであって、基本教材の目次の用語を教材情報として蓄積する教材情報オントロジーデータベースと、教育活動を表す用語を教育活動情報として蓄積する教育活動情報オントロジーデータベースと、学習者の学習状態を表す用語を学習者状態情報として蓄積する学習者状態情報オントロジーデータベースと、教材情報オントロジーデータベースに蓄積された基本教材の目次の用語に基づいて授業計画用目次画面の表示を行う目次画面表示制御部と、授業計画用目次画面に表示された用語の一部を授業計画対象項目として選択する入力が行われたときに、選択された授業計画対象項目を表示し、さらに当該授業計画対象項目の授業で行う教育活動の入力を待ち受けるとともに教育活動情報オントロジーデータベースに蓄積された教育活動を表す用語を参照表示し、かつ、当該授業計画対象項目の学習者状態の入力を待ち受けるとともに学習者状態情報オントロジーデータベースに蓄積された学習者の状態を表す用語を参照表示する授業計画画面の表示を行う授業計画画面表示制御部と、実践知情報の入力を待ち受ける授業記録画面の表示を前記授業計画画面に関連つけて行う授業記録画面表示制御部と、入力操作により作成された各教師の授業計画データおよび授業記録データを、教師ごとの授業計画・授業記録データとして蓄積する教師別授業計画データベースと、いずれかの教師の授業計画・授業記録データについて表示要求の入力があったときに、該当する授業計画・授業記録データを表示する教師別授業計画表示制御部とを備えるようにしている。
【0013】
ここで、「授業計画」とは、授業を行う前に、教師が予め作成する授業内容についての計画(指導案ともいう)をいう。例えば中学校の科学について年間の授業計画を立てる場合、1時限の授業(例えば50分の授業)ごとに、学習範囲、教育活動方法(教授行為)、授業による目標が含まれた授業計画を立てることになる。
また、「授業計画の作成に有用な情報」には、学習範囲、教育活動方法、授業目標の入力に役立つ情報が含まれる。
【0014】
「基本教材の目次の用語」とは、年間を通して授業で使用する教材の目次に用いられる用語をいう。一般には、教科書が基本教材となるが、教科書以外であっても、目次が含まれており、その目次に沿って年間の授業のスケジュールを組み立てることができる教材であればよい。
【0015】
「教育活動を表す用語」とは、例えば、プログラム学習、発見学習、完全習得学習、有意味受容学習、観察学習等の学習指導法によって行われる教育活動(教授行為)を表す用語をいう。具体的には、「例をみせる」「実験させる」「観察させる」「コンピュータシュミレーションする」「演習問題を解かせる」「グループ討論させる」「朗読させる」等が教育活動を表す用語として例示される。
【0016】
「学習者状態を表す用語」とは、生徒の発達段階からみた認知的、情意的、技術的特徴を表す用語をいう。具体的には、「レディネスが高まっていない状態」「レディネスが高い状態」「理論の理解度が浅い状態」「理論の理解度が深化した状態」「誤解した状態」「行き詰まっている状態」「苦手意識がある状態」「興味をいだいている状態」等が学習者状態を表す用語として例示される。
【0017】
本発明によれば、授業計画を作成しようとする教師が、授業計画用目次画面に表示された用語の一部を、授業計画対象項目として選択する入力操作を行う。授業計画対象項目の選択が行われると、その対象項目の授業計画を立てるための授業計画画面が表示される。この授業計画画面は、当該対象項目の授業で行う教育活動(教授行為)の入力を待ち受けるとともに、教育活動情報オントロジーデータベースに蓄積された教育活動を表す用語が参照表示される。また、当該対象項目の授業を受ける学習者状態の入力を待ち受けるとともに、学習者状態情報オントロジーデータベースに蓄積された学習状態を表す用語を参照表示される。なお、教育活動を表す用語の参照表示および学習者状態を表す用語の参照表示は、授業計画画面と同一ウィンドウ画面上に表示させてもよいし、別のウィンドウ画面を開いて表示させてもよいし、リストボックスなどで表示させてもよい。
【0018】
当該教師は、参照表示された教育活動の用語、学習者状態の用語を見ながら適当な用語を選択して入力操作を行うことができる。これらの入力操作により、当該教師の授業計画データが作成される。作成された授業計画データは、各教師の授業計画データとして教師別授業計画データベースに蓄積される。
さらに、授業計画画面とともに、実践知情報の入力を待ち受ける授業記録画面が関連つけて表示されるようにしてある。具体的には、授業計画画面と授業記録画面とが同じ表示装置の画面上に並べて表示されてもよいし、画面にタブストリップを設けてタブの選択で画面が切り替わるようにされてもよい。
当該教師は、他の教師から得た実践知情報や自らが過去の授業で会得した実践知情報を入力する操作を行う。この入力操作により作成された授業記録データは、各教師の授業記録データとして教師別授業計画データベースに蓄積される。
その後は、いずれかの教師の授業計画・授業記録データについて表示要求の入力操作を行うことにより、該当する授業計画・授業記録データが表示されるようになり、教師間で閲覧可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、教師が授業計画を立てる際に検討することが必要と考えられる一般情報(学習者に関する情報、教材に関する情報、教育活動(教授行為)に関する情報)が簡単に参照できるようになり、これらを参照しながら授業計画を簡単に作成することができる。また、これらの一般情報に加えて、他の教師が作成した授業計画が参照できるようになり、より適切な授業計画を作成することが容易に行えるようになる。
また、作成した授業計画に基づいて実際に授業を行なった後に、当該授業で新たに得られた実践知を順次蓄積することができ、それ以降の授業において、蓄積された実践知を複数の教師間で共有することができる。
【0020】
上記発明において、複数の端末コンピュータがネットワーク接続され、各端末コンピュータから各教師の授業計画画面および授業記録画面が閲覧可能に接続されるようにしてもよい。
これによれば、ネットワークを介して、複数の教師が授業計画や授業記録のデータを共有することができる。なお、ネットワークとしてはインターネット接続を利用すれば広く利用可能であるが、利用者を一部に限定してローカルネットワークを構築してもよい。
【0021】
上記発明において、教材情報オントロジーデータベースは、複数種類の基本教材について、各基本教材の目次の用語を教材情報として蓄積するとともに、異なる基本教材間で互いに対応する目次の用語どうしを、教育トピックを表す用語により関係付けてあってもよい。
ここで「教育トピックを表す用語」とは、教えたい内容・概念であり、複数の基本教材がある場合に、基本教材が違っても変わらない普遍的な教育内容をいう。一般に、教科書の製造企業は、教育トピックに基づいて教科書を作成するため、各教科書の目次の用語は教育トピックに基づいて関連つけることができる。
したがって、異なる教科書を用いる教師どうしであっても教育トピックが共通する内容については、各教科書の目次の用語にかかわらず、教育トピックに基づいて教育内容どうしを対応付けることができるので、情報を共有できる。
【0022】
上記発明において、基本教材が教科書であり、教材情報オントロジーデータベースは教科書の目次とともに、教科書または教科書以外の副教材に記載された内容を画面表示可能なデータ形式で記憶され、表示要求の入力があったときに表示されるようにしてもよい。
これによれば、授業計画を立てる際に、教科書の内容や副教材の内容を画面上で確認しながら計画を立てることができる。
【0023】
上記発明において、教師別授業計画データベースは、同じ教師が年度ごとに作成した授業計画・授業記録データを、それぞれの年度ごと別々に記憶するようにしてもよい。
これによれば、自らが過去に作成した授業計画・授業記録データも年度ごとに参照することができるようになる。
【0024】
上記発明において、授業計画画面の画面上に表示された用語を選択することにより、同じ用語が含まれる授業計画・授業記録データの検索を行う検索部を備えてもよい。
これにより、授業計画画面の入力操作中に、類似する授業計画・授業記録データを検索して参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態である授業計画支援システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ログイン画面の例を示す図である。
【図3】ポートフォリオ初期設定画面の一例を示す図である。
【図4】ポートフォリオ画面の一例を示す図である。
【図5】教材画面が表示された状態を示す図である。
【図6A】教材情報オントロジーDB31のデータ構造の一部(教育トピック部分)を示す図である。
【図6B】教材情報オントロジーDB31のデータ構造の一部(基本教材部分)を示す図である。
【図7A】授業計画用目次画面の例を示す拡大図である。
【図7B】授業計画用目次画面の例を示す拡大図である。
【図8】授業計画画面の例を示す拡大図である。
【図9】学習者状態情報オントロジーDB33のデータ構造を示す図である。
【図10】教育活動画面が表示された状態を示す図である。
【図11】教育活動情報オントロジーDB32のデータ構造を示す図である。
【図12】教育活動ごとに教育目標を設定するときの状態を示す図である。
【図13】授業記録画面の例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態について、図面を用いて説明する。ここでは、理科の授業計画支援システムをサーバ側コンピュータ(管理用コンピュータ)とクライアント側コンピュータ(端末コンピュータ)とをインターネットで接続することにより構築したシステム例を用いて説明する。このシステムを利用する者は「理科ねっとわーくSNS」(social network system)として、会員制のシステムを構成することになる。
図1は授業計画支援システムの構成例を示すブロック図である。
【0027】
授業計画支援システム1は、管理用のサーバ側コンピュータ10(サーバ10という)とクライアント側となる各端末コンピュータ11(端末1(11a)、端末2(11b)、・・・)とがインターネット回線12を介して接続してある。各端末コンピュータ11には入力装置(キーボード、マウス)および表示装置(液晶パネル)が付設され、サーバ10にアクセスすることによりデータ伝送ができるようにしてある。なお、サーバ10自体も、入力装置(キーボード17、マウス18)および表示装置19を備えており、端末コンピュータ11の一つ(端末0)として使用することができるようにしてある。
【0028】
管理サーバ10は、データ送信を行う各ユーザ(教師)を個別に識別する必要があるので、便宜上、各ユーザは、ひとりひとりが端末装置11a、11bを1台ずつ使用することとして、各端末装置11a、11bを周知の識別技術(IPアドレス等)で識別することにより、各ユーザを識別できることを前提として説明を行う。なお1台の端末装置を複数のユーザが共同利用する場合には、さらにID入力、パスワード入力等を用いた周知の識別手法により、使用中の各個人を識別すればよい。
【0029】
サーバ10は、CPU15、大容量メモリ(HDD)16、入力装置(キーボード17,マウス18)、表示装置19を含むハードウェアからなり、本発明の授業計画支援システムを実行するためのソフトウェアを搭載している。
【0030】
サーバ10のハードウェアおよびソフトウェアによってCPU15が実行する処理を機能ごとに分けて説明すると、基本画面表示制御部21、目次画面表示制御部22、授業計画画面表示制御部23、授業記録画面表示制御部24、教師別授業計画表示制御部25、検索部26とからなる。また、大容量メモリ(HDD)16には、教材情報オントロジーDB(データベース)31、教育活動情報オントロジーDB32、学習者状態情報オントロジーDB33、教師別授業計画DB34が形成されている。
【0031】
まず、基本画面表示制御部21について説明する。基本画面表示制御部21は、メールアドレスとパスワードの入力を待ち受ける「ログイン画面」と、これらの入力操作が行われた上でログインされたときに「校種」「学年」「クラス数」「教科書」の設定を待ち受ける「ポートフォリオ初期設定画面」と、ポートフォリオ初期設定の入力がなされた後に、入力された内容に基づいて表示する「ポートフォリオ画面」とを表示する制御を行う。なお、ポートフォリオ画面を表示するときは、後述する目次画面61(目次画面表示制御部22が制御)、授業計画画面62(授業計画画面表示制御部23が制御)、授業記録画面63(授業記録画面表示制御部24が制御)等が小面積のウィンドウ画面として大面積のポートフォリオ画面上に同時に表示されるようにしてある。
【0032】
図2はログイン画面51を示す図、図3はポートフォリオ初期設定画面52を示す図、図4はポートフォリオ画面53を示す図である。
ログイン画面51では、ログインボタンとともに、テキストボックスが表示され、メールアドレスとパスワードの入力を待ち受けるようにしてある。
【0033】
ポートフォリオ初期設定画面52では「校種」「学年」「クラス数」「教科書」の各選択項目について、複数の選択候補がリストボックスやコンボボックスで表示されるようにしてあり、選択した一つの項目のデータが入力されるのを待ち受ける。なお、過去にポートフォリオ初期設定画面52による設定がなされて設定内容が記憶されているときは、ログイン画面51の入力操作からポートフォリオ初期設定画面52に入るか、ポートフォリオ初期設定画面52を飛ばして、直接、ポートフォリオ画面53に入るかを選択できるように、ログイン画面51のログインボタンで選択できるようにしてある。
【0034】
ポートフォリオ画面53は、その右側上方部分に画面切り替えや設定変更用の各種のボタン群56が表示され、右側中央部分に教材参照画面57が表示され、右側下方部分に検索者参照画面58が表示されるようにしてある。
ボタン群56には、表示しようとするポートフォリオ画面53を、複数のクラス(1年1組、2組、3組・・・)のうちのいずれかのクラス(例えば1年1組)のポートフォリオ画面に切り替えるためのボタン、学年全体のデータ表示を行うためのボタン(例えば「1年生」)が含まれている。また、設定変更ボタンや詳細検索要求ボタンなども含まれている。
【0035】
教材参照画面57には、教科書、参考書、プリント、デジタルコンテンツなどの使用教材が階層的に表示されるようにしてある。各教材は、それぞれの教材に含まれる内容が画面表示可能なデータ形式(例えばJPEG形式)にして教材情報オントロジーDB31に蓄積してある。そして、表示しようとする教材を選択する入力操作を行うと、その教材画像がウィンドウ画面として、ポートフォリオ画面53の上に重ねて表示されるようにしてある。
図5は、上位階層で「教科書」を選択し、引き続き下位階層で「電流と電圧」を選択(反転表示)することにより、該当する教材画像59を表示させた状態を示す図である。
【0036】
検索者参照画面58には、関係する教科書を使用する他の教師が表示される。検索参照画面58内に表示されている「同一教科書内」のチェックボックス58aにチェックマークを付しておくことにより、同じ教科書を使用している他の教師が表示される。これは、基本画面表示制御部21が、後述する教師別授業計画DB34を検索し、同じ教科書を使用する設定がなされている教師を抽出することによって行われる。そして、検索者参照画面58に表示されたいずれかの教師を選択すると、後述する教師別授業計画表示制御部25によって、その教師の授業計画の内容が教師別授業計画DB34から呼び出されて参照することができるようにしてある。
一方、検索参照画面58内に表示されている「同一教科書内」のチェックボックス58aからチェックマークを消すことにより、検索対象は同一教科書以外にも拡張されるようになり、教科書の目次の用語としては互いに異なっているが、教育トピック用語(教えたい内容・概念であり、教科書が違っても変わらない普遍的な内容(学習指導要領))が共通である複数種類の教科書がある場合に、それらの教科書を使用している他の教師のデータについても表示できるようにしてある(異なる教科書間のデータどうしの対応の付け方については後述する)。
【0037】
なお、各教師がポートフォリオ初期設定画面52で設定を行う際に、自分の授業計画を他の教師に公開したり非公開にしたりする設定ボタンを設け、選択できるようにしてもよい。その場合は、公開する設定をした教師のデータだけが参照できるようになる。
【0038】
ポートフォリオ画面53の左側部分および中央部分は、その上に授業計画用目次画面61あるいは授業計画画面62、授業記録画面63が同時に表示されるための領域が設けられている。図4は、ポートフォリオ画面53上に授業計画用目次画面61と授業記録画面63とが同時に表示された状態である。目次画面61および授業計画画面62にはタブストリップが設けてあり、タブ操作により切り替わるようにしてある。
【0039】
次に、目次画面表示制御部22について説明する。目次画面表示制御部21は、ポートフォリオ初期設定画面52上で入力された「校種」「学年」「クラス数」「教科書」の設定データに基づいて、該当する教科書(基本教材)の目次の用語を教材情報オントロジーDB31から抽出し、図4で示した授業計画用目次画面61として表示する制御を行う。
【0040】
図6Aおよび図6Bは、教材情報オントロジーDB31のデータ構造の一部を示す図である。このうち図6Aは教材情報オントロジーDB31のなかの教育トピック部分の記憶データ例を示す図であり、図6Bは教材情報オントロジーDB31のなかの各教科書部分(基本教材部分)および教科書部分と教育トピックとの関係付けが行われている記憶データ例を示す図である。
【0041】
教材情報オントロジーDB31は、各教科書の目次の用語がそれぞれ階層状に記憶してあるとともに(図6B)、異なる教科書間で互いに対応する目次の用語どうしを関係付ける教育トピック用語を階層構造にして記憶している(図6A)。これらのデータ構造の意味について説明する。
例えば、中学の理科には「身近な物理現象」という教育トピック用語(教えたい内容・概念)が含まれており、これを各教科書で目次用語として表現する際、一つの教科書Aでは「身のまわりの現象」という目次用語でこれを表現し、他の一つの教科書Bでは「光や音、力で見る世界」という目次用語でこれを表現している。この場合、教科書Aの目次用語と、教科書Bの目次用語とを一見する限り、内容は異なっているように見えてしまうが、実際は同じ内容である。そこで、これらを共通の教育トピック用語で関係付けるようにしている。
すなわち、図6Bに示すように、教科書Aに関する記憶データには目次用語「身のまわりの現象」に「身近な物理現象」が関連付けてあり、教科書Bに関する記憶データには目次用語「光や音、力で見る世界」に「身近な物理現象」が関連付けてある。このとき、教育トピック用語どうしを比較することで、教科書Bにおける「光や音、力で見る世界」の目次用語は、教科書Aにおける「身のまわりの現象」の目次用語と対応していると判定できる。
【0042】
したがって、目次用語が異なる教科書を使用している教師どうしであっても、教材情報オントロジーDB31内で、教育トピック用語により目次用語を関係付けておくことで、情報を共有することができるようにしてある。
【0043】
既述のように、検索参照画面58内に表示されている「同一教科書内」のチェックボックス58aのチェックマークを消すことにより、検索対象は同一教科書以外にも拡張されることを説明したが(図4)、チェックマークを外すことにより、教育トピック用語を用いて、異なる教科書での対応する目次の用語を検索するようにしている。
【0044】
次に目次画面表示制御部について説明する。目次画面表示制御部21は、この目次の用語を目次画面上に階層状態も含めて表示する制御を行うことにより、階層構造で表示する。図7A、図7Bは教科書A、教科書Bについて階層構造で表示した目次画面を示す図である。
【0045】
また、目次画面の各目次用語の前にチェックボックスを設け、教師がこのチェックボックスにマークを付すことにより、各クラスの授業がどこまで進んでいるかを記すことができるようにしてある。チェックマークが入力された項目については、既に授業計画が作成された状態であることが確認できる。
そして目次画面表示制御部21は、授業計画を立てる目次用語を選択する入力操作を行うことにより(例えばマウスの右クリック操作による指定操作を行う)、選択された目次用語についての授業計画を新たに作成するための授業計画画面62に切り替わるようにしてある。このとき選択される目次用語は1時限の授業時間で進む学習範囲であり、少なくとも1つの項目が選択されればよい。
【0046】
次に、授業計画画面表示制御部23について説明する。授業計画画面表示制御部23は、授業計画用目次画面61に表示された教科書の目次用語の一部を授業計画対象項目として選択する入力操作が行われたときに、当該の授業計画対象項目に関する授業計画画面を表示する制御を行う。
図8は授業計画画面62を示す拡大図である。なお、授業計画画面62と授業計画用目次画面61とはタブストリップによる切替操作により、いつでも画面を切り替えることができるようにしてある。
【0047】
授業計画画面62には、既に選択されている授業計画対象項目64が表示されるとともに、授業全体目標65、授業構造66、想定学習者68a、教育目標68bの設定欄が表示されるようにしてある。
このうち授業全体目標65の設定欄は、授業計画作成中の1時限の授業全体(例えば50分の授業全体)で達成する目標を設定する領域であり、授業を受ける対象者の学習状態を表す用語が上下2つのコンボボックスで表示(あるいはリストボックスで表示)されるようにしてある。具体的には「レディネスが高まっていない状態」「レディネスが高い状態」「理論の理解度が浅い状態」「理論の理解度が深化した状態」「誤解した状態」「行き詰まっている状態」「苦手意識がある状態」「興味をいだいている状態」等の学習者状態を表す用語が表示されるようにしてある。これらの学習者状態を表す用語は、授業計画画面表示制御部23が学習者状態情報オントロジーDB33のデータを抽出することによって表示される。図9は学習者状態情報オントロジーDB33のデータ構造を示す図である。
そして、上側のコンボボックスでは、授業前の学習者状態を示す用語が選択されるのを待ち受けるようにしてあり、下側コンボボックスでは授業後に到達予定の学習者状態を示す用語が選択されるのを待ち受けるようにしてある。
【0048】
授業構造66の設定欄は、授業計画作成中の1時限の授業時間で実施する一連の教育活動(教授行為)を時系列的に設定する領域であり、この領域内に最初から表示してある「授業構造」の文字をクリックすることにより、教育活動を表す用語を階層状に記載した「教育活動画面67」がポートフォリオ画面53上に開かれるようにしてある。具体的には、「例をみせる」「実験させる」「観察させる」「コンピュータシュミレーションする」「演習問題を解かせる」「グループ討論させる」「朗読させる」等が教育活動を表す用語として画面上に階層的に表示されるようにしてある。
図10は教育活動画面67が表示された状態を示す図である。これらの教育活動を表す用語は、授業計画画面表示制御部23が教育活動情報オントロジーDB32のデータを階層状態の情報も含めて抽出することによって表示される。図11は教育活動情報オントロジーDB32のデータ構造を示す図である。
【0049】
そして、教育活動画面67にある用語を1つ以上選択する動作を行うと(例えば右クリックメニューでコピー命令を選択する)、選択した用語が授業構造66の「授業構造」の用語の階層下に表示されるようになる。複数の教育活動を1時限で続けて実行する予定のときは、実行予定の一連の教育活動の用語を次々と選択すればよい。
これにより、授業構造66の設定欄には、図10に見られるように、1時限の授業で実施するすべての教育活動が階層的に表示されるようになる。
【0050】
想定学習者68a、教育目標68bの設定欄は、授業構造66の設定欄に選択(記載)した教育活動の用語の一つ一つに対応させて、その個々の教育活動における学習者状態、教育目標を個別に設定できるようにしてある。想定学習者68aの設定欄および教育目標68bの設定欄は、上述した授業全体目標65の設定欄と同様であり、教育活動の対象者の学習状態を表す用語が、コンボボックスで表示(あるいはリストボックスで表示)されるようにしてある。
ここでの設定は、まず、授業構造66に表示(記載)してあるいずれかの教育活動の用語をクリックして選択(反転表示)し、選択状態のときに想定学習者68a、教育目標68bの設定欄に所望の学習状態を表す用語を設定することで対応付けられる。例えば、図12に示すように、授業構造66において「例をみせる」という教育活動を表す用語を選択した状態で、想定学習者68aの設定欄(コンボボックス)をクリックすると、学習者状態を表す用語の選択候補が表示されるので、その中から「レディネスが高まっていない」という学習者状態を表す用語を選択状態(反転表示状態)にすることで対応付けが行われる。
授業構造66に設定した他の教育活動の用語についても、同様の方法で想定学習者68aや教育目標68bを個別に設定するようにしてある。
【0051】
次に、授業記録画面表示制御部24について説明する。授業記録画面表示制御部24は、授業計画用目次画面61に表示された教科書の見出用語の一部を授業計画対象項目として選択する入力操作が行われたときに、その授業計画対象項目に関する授業記録画面を表示する制御を行う。図13は授業記録画面63を示す図である。
【0052】
授業記録画面63には、「活動情報」の記載欄71、「過去の記録や他の先生の実践知を反映した注意点」の記載欄72、「事実」の設定欄73、「原因」の記載欄74、「反省」の記載欄75が設けてある。そして授業計画作成時や授業実施後に、「活動情報」「過去の記録や他の先生の実践知を反映した注意点」「原因」「反省」の各欄に実践知がフリーワードで入力できるようにしてある。このうち「活動情報」「過去の記録や他の先生の実践知を反映した注意点」の欄は、主として授業計画作成時に入力される実践知の記載欄であり、「原因」「反省」の欄は授業を行った後に入力される実践知の記載欄である。
【0053】
「活動情報」の記載欄71は、授業計画作成時に授業構造の設定欄66に設定した教育活動の用語に関連して、その活動内容を具体的に記載する。例えば、「電流と電圧」についての授業計画において授業構造66で「例をみせる」という内容の教育活動が設定してある場合に、学習に役立つ具体例として、「電流と電圧の関係はホースを流れる水流と蛇口の回転量に似ています。電圧は蛇口をひねる量、電流は、水の量、抵抗は、ホースを握る強さを対応させる。このように考えるとどんな時に電流が流れやすいか分かりやすくなります。」との説明を活動情報として記載する。
【0054】
また、「過去の記録や他の先生の実践知を反映した注意点」の記載欄72は、自らが過去に実施した授業で得た実践知の情報や、他の教師の授業計画、授業記録から得た実践知の情報を具体的に記載する。例えば、「電流と電圧」についての授業計画において、「電流と電圧の関係理解はホースの例を用いて類推学習させることで生徒のレディネスが高まる」との実践知を記載する。
【0055】
なお、「活動情報」「過去の記録や他の先生の実践知を反映した注意点」の記載をする際には、後述するように、過去に作成した自己の授業計画や他の教師の授業計画を呼び出して参照しながら記載することもできる。
【0056】
また、「事実」の設定欄73は、「授業全体目標」65と同様のコンボボックスにしてあり、学習者状態情報オントロジーDB33が参照されることで、授業実施前の学習者状態、授業実施後の学習者状態が設定されるようにしてある。そして、授業を行った後に、授業実施前後の実際の学習者状態を入力するようにしてある。
「原因」の記載欄74は、実際に授業で問題が発生したときに、その原因を具体的に記載するようにしてある。例えば、「図を使わずに口頭で説明しただけではホースの例と電気回路の対応関係を理解させることができず、レディネスを十分に高めるまでに至らなかった。」のような、失敗の原因を記載する。
「反省」の記載欄75は、授業実施後の反省事項を具体的に記載するようにしてある。例えば、「ホースの例と電気回路の仕組みとの対応が取れたデジタルコンテンツを活用して、レディネスを高めるために十分な説明を準備する」との反省を記載しておく。
【0057】
授業計画画面62や授業記録画面63への入力操作により作成された授業計画データおよび授業記録データ(作成中の中間データも含まれる)は、その教師ごとの授業計画・授業記録データとして教師別授業計画データベース34に蓄積される。そして、教師別授業計画データベース34から呼び出すことで、いつでもアクセスできるようになる。
【0058】
また、同じ教師が過去に複数年にわたって、同じ教科書を用いた授業計画データ、授業記録データを作成している場合は、年度ごとのデータは関連付けて教師別授業計画データベース34に記憶される。
その場合、基本画面表示制御部21は、教師別授業計画データベース34から読み出したポートフォリオ画面(図4参照)を表示するときに、年度を識別するタブストリップが付されるようにしてあり、タブ操作で所望の年度のデータが切り替わって表示できるようにしてある。したがって、新しい年度の授業計画を作成中に、自己の過去の授業計画を参照したくなったときは、タブ操作で所望の年度を選択するだけで閲覧できるようになる。
【0059】
次に、教師別授業計画表示制御部25について説明する。
自己のデータに他の教師がアクセスできるように公開を許可している場合は、いずれかの教師の授業計画・授業記録データについて表示要求の入力があったときに、インターネット回線12を介して他の教師が授業計画・授業記録データを閲覧できるように制御する。具体的には、検索者参照画面58には、同じ教科書を使用する他の教師が表示されているので、いずれかの教師を選択すると、教師別授業計画データベース34から、その教師の授業計画データ、授業記録データを呼び出して参照することができるようにしてある。これにより、新たに授業計画を作成する際に、他の教師のデータを参照することにより、他の教師の実践知を利用して授業計画を立てることができるようになる。
【0060】
次に検索部26について説明する。検索部26は、表示中の画面上に表示された用語の一部を選択して検索を実行することにより、教師別授業計画データベース34に記憶され、選択した用語と同じ用語が含まれる授業計画・授業記録データを抽出する演算を行う。
例えば、「電流と電圧」「例をみせる」を選択し、ボタン群56にある詳細検索ボタンを実行すると、これら用語を含んでいる他の教師の授業計画・授業記録データを探索し、該当する先生が存在するときは、検索者参照画面58に色を変えて表示されるようになる。
その中の一人の教師をマウス18で選択すると、当該教師の授業計画・授業記録データが画面表示されるようになる。
これにより、授業計画を立てる際に、自分の授業計画と類似する授業計画を立てている他の教師のデータを容易に参照することができる。
【0061】
以上の実施形態では、サーバ側コンピュータとクライアント側コンピュータとをインターネット回線で接続するようにしたが、これに限られない。
最も単純な場合は、1台のコンピュータ装置を、サーバと端末との兼用装置として利用するだけでも本発明を実現することができる。すなわち、図1におけるサーバ10だけの構成(スタンドアロン型)とし、複数の教師が共同利用するだけでも本発明を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、教師が授業計画を作成する作業を支援する授業計画支援システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0063】
10: サーバ側コンピュータ(サーバ)
11: 端末コンピュータ
12: インターネット回線
15: CPU
16: HDD
21: 基本画面表示制御部
22: 目次画面表示制御部
23: 授業計画画面表示制御部
24: 授業記録画面表示制御部
25: 教師別授業計画画面表示制御部
26: 検索部
31: 教材情報オントロジーDB(データベース)
32: 教育活動情報オントロジーDB
33: 学習者状態情報オントロジーDB
34: 教師別授業計画DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
授業計画の作成に有用な情報を表示する画面を、端末コンピュータの表示装置に表示して授業計画作成の入力を待ち受けるとともに、端末コンピュータの入力装置からの入力操作を受けて授業計画を作成する授業計画支援システムであって、
基本教材の目次の用語を教材情報として蓄積する教材情報オントロジーデータベースと、
教育活動を表す用語を教育活動情報として蓄積する教育活動情報オントロジーデータベースと、
学習者の学習状態を表す用語を学習者状態情報として蓄積する学習者状態情報オントロジーデータベースと、
前記教材情報オントロジーデータベースに蓄積された基本教材の目次の用語に基づいて授業計画用目次画面の表示を行う目次画面表示制御部と、
授業計画用目次画面に表示された用語の一部を授業計画対象項目として選択する入力が行われたときに、選択された授業計画対象項目を表示し、さらに当該授業計画対象項目の授業で行う教育活動の入力を待ち受けるとともに教育活動情報オントロジーデータベースに蓄積された教育活動を表す用語を参照表示し、かつ、当該授業計画対象項目の学習者状態の入力を待ち受けるとともに学習者状態情報オントロジーデータベースに蓄積された学習者の状態を表す用語を参照表示する授業計画画面の表示を行う授業計画画面表示制御部と、
実践知情報の入力を待ち受ける授業記録画面の表示を前記授業計画画面に関連つけて行う授業記録画面表示制御部と、
入力操作により作成された各教師の授業計画データおよび授業記録データを、教師ごとの授業計画・授業記録データとして蓄積する教師別授業計画データベースと、
いずれかの教師の授業計画・授業記録データについて表示要求の入力があったときに、該当する授業計画・授業記録データを表示する教師別授業計画表示制御部とを備えたことを特徴とする授業計画支援システム。
【請求項2】
複数の端末コンピュータがネットワーク接続され、各端末コンピュータから各教師の授業計画画面および授業記録画面が閲覧可能に接続される請求項1に記載の授業計画支援システム。
【請求項3】
前記教材情報オントロジーデータベースは、複数種類の基本教材について各基本教材の目次の用語を教材情報として蓄積するとともに、異なる基本教材間で互いに対応する目次の用語どうしを教育トピック用語により関係付けてある請求項1または請求項2に記載の授業計画支援システム。
【請求項4】
基本教材が教科書であり、教材情報オントロジーデータベースは教科書の目次とともに、教科書または教科書以外の副教材に記載された内容を画面表示可能なデータ形式で記憶され、表示要求の入力があったときに表示される請求項1〜請求項3のいずれかに記載の授業計画支援システム。
【請求項5】
教師別授業計画データベースは、同じ教師が年度ごとに作成した授業計画・授業記録データを、それぞれの年度ごと関連付けて記憶する請求項1〜請求項4のいずれかに記載の授業計画支援システム。
【請求項6】
画面上に表示された用語の一部を選択することにより、教師別授業計画データベースに記憶され、選択した用語と同じ用語が含まれる授業計画・授業記録データの検索を行う検索部を備えた請求項1〜請求項5のいずれかに記載の授業計画支援システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−191484(P2010−191484A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32009(P2009−32009)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】