説明

排気ガスコンバータモジュールを固定するための方法および装置

自動車の内燃機関2に排気ガスコンバータモジュール1を固定するための方法であって、排気ガスコンバータモジュール1が先ず最初に、排気ガスの流れ方向において手前にある排気系の管部分に連結され、続いて揺動軸線S回りに揺動させられ、この場合2つの部分からなるモジュールホルダ4がエンジンホルダ3に係合し、この組み立て位置においてエンジンホルダ3にボルト止め技術的に連結される。本発明はエンジンホルダ3とモジュールホルダ4を備えた装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴を有する、排気ガスコンバータモジュールを固定するための方法と、請求項8の特徴を有する、排気ガスコンバータモジュールを固定するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明における排気ガスコンバータモジュールは自動車の排気系の一部であり、特に触媒である。この触媒は入口フランジと、適当な漏斗状領域を有する出口フランジと、モノリスのカバーのほかに、耐熱シールドと、適当なセンサピックアップを有することができる。従って、大きな重量と容積を有する比較的に複雑なアセンブリである。このような排気ガスモジュールを固定する際に、大きな熱負荷に基づいて、熱によって誘発された応力から生じる耐久性の問題が発生する。しばしば、エンジンのすぐ近くでの組み立てまたは分解が困難である。
【0003】
特許文献1には例えば触媒固定部が記載されている。この触媒固定部は、触媒が付加的な溶接作業によってではなく、付加的な熱応力によって付勢されるように形成されている。触媒固定部は特に、排気ガスを案内する管の領域内に設けられている、すなわち固有の触媒から離れている。従って、触媒はX方向とY方向とZ方向において妨害されずに弾性的に膨張することができる。もちろん、触媒の比較的に大きな重量を触媒から離れたところに配置された固定部で支持しなければならないという欠点がある。これは特に振動技術的な観点から十分に安定した固定部を必要とする。
【0004】
特許文献2から、自動車の排気装置の一部を懸吊するための装置が知られている。この装置は揺動軸承部を有する支持構造体を備えている。揺動軸承部には弾性的な保持部材を取付けることができる。懸吊装置は、その基本構造、特に付加的に設けられたエラストマー本体の基本構造を変更せずに、いろいろな負荷要求に容易に適合させるためおよび特に修理を容易にするために寄与する。支持構造体は特に、比較的に複雑で製作技術的にコストのかかる形状をしているアルミニウム製のダイカスト部品または合成樹脂部品である。このような支持構造体を複数個用いて、誤差調整する固定が可能である。これは特に振動減衰の観点から合目的であるが、これは、比較的に重くかつきわめて大きな熱負荷を受ける排気ガスコンバータモジュールを固定する場合にはそれだけでは十分でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102004023585A1号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102006010973A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これから出発して、本発明の根底をなす課題は、一方では排気ガスコンバータモジュールを自動車の内燃機関に固定するために、組み立てやすい方法を提示し、さらに十分な剛性を有し、同時に誤差を調整する排気ガスコンバータモジュールの固定を可能にする、排気ガスコンバータモジュールを固定するための対応する装置を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は本発明に従い、請求項1の特徴によって解決される。発展形態は従属請求項の対象である。
【0008】
先ず最初に、エンジンホルダが内燃機関に固定される。用語内燃機関は中心構成要素としてエンジンブロックを含んでいる。しかしながら、適当なブラケットまたは取付け部品を介してエンジンホルダを内燃機関に間接的に連結することも考えられる。用語エンジンホルダはエンジン側のホルダであることを意味する。
【0009】
エンジンホルダの相手方部材は、排気ガスコンバータモジュールに固定されたモジュールホルダである。このモジュールホルダは好ましくは排気ガスコンバータモジュールに材料一体的に連結、特に溶接されている。エンジンホルダとモジュールホルダは排気ガスコンバータモジュールを固定するために必要な中心構成要素である。
【0010】
組み立ての際、排気ガスコンバータモジュールの入口が、排気ガスの流れ方向において手前にある排気系の管部分に連結される。この管部分は例えば過給機、特にターボ過給機の排気ガス出口である。排気ガスコンバータモジュールが入口に弛く連結された後で、排気ガスコンバータモジュールは、その入口の向きによって決定される揺動軸線回りに揺動させられる。この揺動軸線は特に入口に対して垂直である。入口のセンタリング段差は、上記管部分との係合時に、必要な軸方向と半径方向のセンタリングをもたらす。
【0011】
揺動によって、排気ガスコンバータモジュールのモジュールホルダが予め取付けられたエンジンホルダに近づくので、排気ガスコンバータモジュールは組み立て位置に達する。この組み立て位置では、モジュールホルダがエンジンホルダに連結される。この連結はボルト止めによって行われる。ボルト止めの際、先ず最初にエンジンホルダから突出するボルトが、ナットを螺合するために利用される。このボルトは、組み立て位置への揺動時にモジュールホルダの切欠きに係合する。ナットはまだ最終トルクで締められない。第2のボルト連結部はエンジンホルダの溝を基礎としている。この溝内には、モジュールホルダに保持されたボルトが揺動させられる。このボルトは先ず最初にナットによって保持される。ナットの螺合は手で行うことができる。最終トルクでのナットの締めは、排気ガスコンバータモジュールが正しく位置決めされた後で初めて行われる。
【0012】
ボルト連結部がある程度交叉するように配置された長穴を備えていることによって、遊びを調整することができる。換言すると、エンジンホルダとモジュールホルダのボルトはそれぞれ長穴内に支承され、この長穴は同じ方向に向いていない。長穴の方向が交叉していることによって、および他方ではボルトの方向が一致していないことによって、組み立て時の誤差を調整するために、排気ガスコンバータモジュールの空間的な移動をある程度行うことができる。排気ガスコンバータモジュールが正しい位置にあるときに初めて、両ボルト連結部が最終トルクで締められる。この場合、ボルトは一方の側からのみアクセス可能でなければならない。ボルトは好ましくは、その頭が保持器内を案内されている。この保持器はナットを締める際にボルトが一緒に回転しないようにする。さらに、ボルトは保持器によってエンジンホルダまたはモジュールホルダに紛失しないように保持される。
【0013】
排気ガスコンバータモジュールの揺動可能な入口は当然、特に摩擦連結によって上記の管部分に固定連結される。この摩擦連結は例えば両管部分を取り囲むパイプクランプによって行われる。このパイプクランプを介して部品が互いに締め付けられる。
【0014】
本発明の課題は、請求項8の特徴を有する装置によって解決される。この装置は従属請求項に記載した特徴によって有利に発展形成される。
【0015】
本発明に係る装置は上述のように、内燃機関に連結されたエンジンホルダと、排気ガスコンバータモジュールに連結された、エンジンホルダに適合するモジュールホルダを備えている。排気ガスコンバータモジュールの入口は排気ガスの流れ方向において手前に位置する排気系の管部分に連結可能である。その際、排気ガスコンバータモジュールと管部分は揺動軸線Sを形成し、排気ガスコンバータモジュールが管部分と相対的にまたは内燃機関と相対的に揺動軸線回りに組み立て位置へ揺動可能である。組み立て位置でモジュールホルダはエンジンホルダに接触する。この位置で、モジュールホルダとエンジンホルダは少なくとも1個のボルト連結部を介して互いにボルト止めされる。
【0016】
次に、図に示した実施形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】排気ガスコンバータモジュールを内燃機関に固定するための作業ステップの順序を示す。
【図2】組み立て位置にあるエンジンホルダとモジュールホルダの拡大図である。
【図3】エンジンホルダの斜視図である。
【図4】モジュールホルダを装着したエンジンホルダの他の斜視図である。
【図5】モジュールホルダを装着したエンジンホルダの他の斜視図である。
【図6】モジュールホルダを装着したエンジンホルダの他の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は排気ガスコンバータモジュール1の組み立ての基本的な手順を、時間的に連続する3つの製造段階で示す。排気ガスコンバータモジュール1が示唆的に記入した内燃機関2に連結可能になる前に、先ず最初にエンジンホルダ3が内燃機関2にボルト止め技術的に連結される。エンジンホルダ3に適合する、2つの部分によって形成されたモジュールホルダ4は、予め排気ガスコンバータモジュール1に溶接されている。このようにして予め組み立てられた排気ガスコンバータモジュール1は先ず最初にその入口5が、その前にある図示していない排気系の管部分に取付けられる。この管部分は特に排気ターボ過給機の出口である。この排気ターボ過給機は内燃機関2のシリンダヘッドの領域内においてエンジン近くに固定されている。入口5がリング状のフランジ付きカラーを備えているので、排気ガスコンバータモジュール1またはその入口5が上記の管部分に対して既に位置決めされているときに、排気ガスコンバータモジュール1全体を揺動軸線Sの回りに揺動させることができる。管部分と入口5は共に揺動軸線Sを形成する。この揺動軸線の回りに、排気ガスコンバータモジュール1が管部分と相対的に、ひいては最終的に内燃機関2と相対的に揺動可能である。実際の取付け位置変更では、入口5は締め付け作用するパイプクランプを介して上記の管部分に連結される。しかしながら、パイプクランプがまだ締め付けられていないので、エンジンホルダ3と相対的に排気ガスコンバータモジュール1を揺動させることができる。
【0019】
図1b)は、揺動軸線S回りに矢印Pの方向に排気ガスコンバータモジュール1を揺動させた状態を示している。この場合、モジュールホルダ4の上側ホルダ6はエンジンホルダ3から突き出たボルト7に接触する。ボルト7は長穴として形成された上側ホルダ6の切欠き8に係合する。
【0020】
この位置では下側ホルダ9とエンジンホルダ3がまだ接触していないことが分かる。本発明における下側ホルダ9とは、上側ホルダ6よりも排気ガスコンバータモジュール1の入口5から遠く離れて配置されているホルダであると理解される。上側ホルダ6は排気ガスコンバータモジュール1のケーシング中央領域にある一方、下側ホルダ9は排気ガスコンバータモジュール1の漏斗状に先細になっている出口ダクトに配置されている。
【0021】
図1c)は矢印P方向にさらに揺動したときに下側ホルダ9がエンジンホルダ3に接触した状態を示している。その際、下方へ斜めに突出する下側ホルダ9のボルト10はエンジンホルダのエッジ側の溝21に係合する。これは後続の図に基づいて明らかになる。この位置に排気ガスコンバータモジュール1を固定することができる。
【0022】
固定のためには、入口5を上記の管部分に差し込むことにより、入口の周方向と入口の軸方向において位置決めすることが重要である。換言すると、排気ガスコンバータモジュールは入口の位置によって入口5の半径方向と軸方向において位置決めされる。エンジンホルダ3とモジュールホルダ4は主に入口によって設定された、内燃機関2に対する向きを固定し、比較的に重い排気ガスコンバータモジュール1を受け止める働きをする。従って、エンジンホルダ3とモジュールホルダ4の間で誤差調整が行われ、入口では行われない。
【0023】
排気ガスコンバータモジュール1をセンタリング挿入によって軸方向と半径方向に位置決めし、エンジンホルダの方へ揺動させた後で、詳しく示していないナットが固定ボルト7、10に装着される。ナットは最初は手で締められる。続いて、排気ガスコンバータモジュール1の入口5を固定するパイプクランプが最終トルクで締め付けられる。そして、上側ホルダ6のボルト7が最終トルクで締められる。最後に、下側ボルト10のナットが最終トルクで締められる。それによって、組み立て工程が終了する。
【0024】
この組み立ての際、上側ホルダ6と下側ホルダ9の互いに離隔されたボルト連結部11、12に、ボルト7、10が空間的に異なるように向けられて設けられ、かつ互いに異なるように向けられた固定面が設けられていることが重要である。それによって、異なる方向から作用する力を受け止めることができると同時に、排気ガスコンバータモジュール1を確実にかつ特に組み立て技術的に簡単に固定することができる。
【0025】
図2は図1cの簡単化した図示において、エンジンホルダ3が組み立て位置でモジュールホルダ4の上側ホルダ6と下側ホルダ9にどのようにして連結されるかを示している。エンジンホルダ3がほぼU字状に形成され、背部分13を備えていることが分かる。この背部分はエンジンホルダ3を内燃機関2に固定する働きをする。この背部分13に対してそれぞれ上側と下側の接続板14、15が曲げられ、この接続板の端領域16、23にはボルト連結部11、12が設けられている。図面において上側の接続板14は背部分13に対して直角に曲げられ、その端領域16はさらに接続板14に対して90°曲げられ、それによって背部分13と平行に延在している。この端領域16にはボルト7があり、このボルトはいわゆる保持器17を介して端領域16に保持されている。この保持器は、詳しく示していないナットを装着して締める際に、ボルト7が一緒に回転するのを防止する。さらに、ボルト7は長穴18内を摺動可能である。この長穴の長手軸線は図2の図示では図面の平面に対して垂直である。図3と図4の比較から明らかなように、端領域16の長穴18は長穴として形成された上側ホルダ6の切欠き8に対して直角である。それによって、上側ホルダ6、ひいては排気ガスコンバータモジュール全体が長穴18の方向だけでなく、エンジンホルダ3の長穴18の方向においても正しい位置に合わせることが可能である。
【0026】
同じ原理が下側ホルダ9において用いられている。ここでも、ボルト連結部12のボルト10は保持器19を介して保持されている。この保持器19は下側ホルダ9上にある。ボルト7は下方へ、すなわち上側ホルダ6から離れるように向いている。ボルト10が通過する長穴20は長穴18と同様に図2の図示では図面の平面から外へまたは中へ延在している。しかしながら、上側ホルダ6のボルト連結部11の場合と異なり、下側ホルダ9ではエンジンホルダ3に第2の長穴は設けられておらず、図3からわかるようにエッジ側の溝21が設けられている。この溝21の方向は長穴20の方向に対して横向きである。それによって、排気ガスコンバータモジュール1はここでも誤差を調整するようにかつ挟持しないで第2ボルト連結部12を介してエンジンホルダ3に連結可能である。
【0027】
溝21の開口部側に、溝側面の三角形の拡開部が設けられていることが分かる。この拡開された溝側面はボルト10のための挿入斜面としての働きをし、ボルトは溝側面に沿って滑り、溝21内にセンタリングされて入る。
【0028】
図2から分かるように、下側接続板15は上側接続板14に対して平行に延在しないで、上側接続板14に対して角度をなしており、特に端領域16に対して角度をなしている。それによって、下側接続板15は斜面22を有し、従って下側ホルダ9は組み立て位置に揺動する際、ボルト10が溝21に入る前に、この斜面に乗り上げる。斜面22は排気ガスコンバータモジュール1の重要な支持面としての働きをする。斜面22は組み立ての際にも役に立つ。というのは、排気ガスコンバータモジュールが幾分低い位置にあるときに、下側ホルダ6が斜面22上をある程度上方へ滑り、それによって終端位置、ひいては正しい高さに達するまで、上側ホルダ6、ひいては排気ガスコンバータモジュール1全体が持ち上げられるからである。
【0029】
斜面22はエンジンに近い領域にある一方、溝21は外側の端領域23に配置されている。それによって、ボルト10は下側ホルダ9によって溝21内にある程度連行され、接合の際に下側ホルダ9の前に押されない。これにより、ボルト連結部12とエンジンホルダ3の背部分13との間に存在する構造スペースが支持のために有効利用され、ボルト連結部12を締めるために必要な組み立てスペースが制限されない。
【0030】
図4〜図6は図2の構造体をいろいろな斜視図で示している。この斜視図から、2つの部分からなるモジュールホルダ4またはエンジンホルダ3のすべての詳細が明らかである。エンジンホルダ3がその寸法に関してモジュールホルダ4の小さな2個のホルダ6、9よりもはるかに大きく採寸されていることが分かる。エンジンホルダ3の細長い背部分13は2つの穴を有し、図4において左側の穴が長穴として形成されている。この長穴はほぼ水平に配向されているので、エンジンホルダ3の高さ位置が決定される。エンジンホルダ3とモジュールホルダ4との間の他の誤差調整は、エンジンホルダ3またはモジュールホルダ4の対応する長穴または溝によって行われる。
【0031】
エンジンホルダ3の上側と下側の接続板14、15は共に、図面においてエンジンホルダの左側の端部に設けられている。この端部にはさらに、背部分13の平面から接続板14、15の方向にやや張り出した固定板30が設けられている。この固定板は他の取付け部品を固定する働きをすることができる。
【0032】
さらに分かるように、上側ホルダ6は下側ホルダ9と同様に、それぞれ溶接板24、25を備えている。ホルダ6、9はこの溶接板を介して排気ガスコンバータモジュール1に溶接される。上側ホルダと下側ホルダはさらに、それぞれ溶接板24、25に対して曲げられた側壁26、27を備えている。この側壁は本来の支持面28、29に対して溶接板24、25を補強する働きをする。この支持面はボルト10を支持するかあるいはボルト7がこの支持面を貫通する。溶接板24、25と、この溶接板に対して角度をなす支持面28、29と、この支持面28、29および溶接板24、25に対して角度をなす張り出した側壁26、27とによって、三次元的に形成された上側と下側のホルダ6、9が生じる。このホルダは、排気ガスコンバータモジュール1をエンジンホルダ3に確実に連結するのに十分な強度を薄い壁厚で有する。ホルダ6、9、すなわちモジュールホルダ4とエンジンホルダ3は薄板部品である。
【符号の説明】
【0033】
1 排気ガスコンバータモジュール
2 内燃機関
3 エンジンホルダ
4 モジュールホルダ
5 入口
6 上側ホルダ
7 ボルト
8 切欠き
9 下側ホルダ
10 ボルト
11 ボルト連結部
12 ボルト連結部
13 背部分
14 接続板
15 接続板
16 端領域
17 保持器
18 長穴
19 保持器
20 長穴
21 溝
22 斜面
23 端領域
24 溶接板
25 溶接板
26 側壁
27 側壁
28 支持面
29 支持面
30 固定板
P 矢印
S 揺動軸線
【図1a)】

【図1b)】

【図1c)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の内燃機関(2)に排気ガスコンバータモジュール(1)を固定するための方法であって、
a)エンジンホルダ(3)を前記内燃機関(2)に固定するステップと、
b)モジュールホルダ(4)を前記排気ガスコンバータモジュール(1)に固定するステップと、
c)前記排気ガスコンバータモジュール(1)の入口(5)を、排気ガスの流れ方向において手前にある排気系の管部分に連結するステップとを含み、この場合前記排気ガスコンバータモジュール(1)と前記管部分が揺動軸線(S)を形成し、この揺動軸線回りに前記排気ガスコンバータモジュール(1)が前記管部分と相対的に揺動可能であり、
d)さらに、前記排気ガスコンバータモジュール(1)を前記揺動軸線(S)回りに揺動させるステップを含み、この場合前記モジュールホルダ(4)と前記エンジンホルダ(3)が組み立て位置に達し、この組み立て位置で前記モジュールホルダ(4)が前記エンジンホルダ(3)に連結される、方法。
【請求項2】
前記ステップd)に続く、
e)前記排気ガスコンバータモジュール(1)を前記管部分に相対回転しないように連結するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記管部分と前記排気ガスコンバータモジュール(1)が、この両部品を取り囲むクランプによって互いに押圧されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップe)に続く、
f)前記モジュールホルダ(4)と前記エンジンホルダ(3)との間の連結部を、少なくとも1個のボルト連結部(11、12)によって形成するステップを含み、このボルト連結部が前記排気ガスコンバータモジュール(1)を相対回転しないように連結した後で最終トルクで締められることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
第1ボルト連結部(11)が前記エンジンホルダ(3)から突出するボルト(7)を備え、このボルトが組み立て位置への揺動時に前記モジュールホルダ(4)の切欠き(8)に係合し、ナットが前記ステップf)において最終トルクで締められる前に、前記モジュールホルダ(4)が第1ステップにおいて前記ナットを前記ボルト(8)に螺合することによって位置決めされることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ボルト連結部(12)が前記モジュールホルダ(4)から突出するボルト(10)を備え、このボルトが揺動時に前記エンジンホルダ(3)の溝(21)内に移動させられることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記モジュールホルダ(4)の前記ボルト(10)が前記ステップf)に続いてナットを用いて前記エンジンホルダ(3)に止められることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
内燃機関(1)に連結されたエンジンホルダ(3)と、排気ガスコンバータモジュール(1)に連結された、前記エンジンホルダ(3)に適合するモジュールホルダ(4)とを備え、前記排気ガスコンバータモジュール(1)の入口(5)が排気ガスの流れ方向において手前に位置する排気系の管部分に連結可能であり、前記排気ガスコンバータモジュール(1)と前記管部分が揺動軸線(S)を形成し、前記排気ガスコンバータモジュール(1)が前記管部分と相対的に前記揺動軸線回りに組み立て位置へ揺動可能であり、この組み立て位置で前記モジュールホルダ(4)が前記エンジンホルダ(3)に接触し、かつ前記モジュールホルダ(4)が少なくとも1個のボルト連結部(11、12)を介して前記エンジンホルダ(3)にボルト止め可能である、排気ガスコンバータモジュールを自動車の内燃機関(1)に固定するための装置。
【請求項9】
第1ボルト連結部(11)が前記エンジンホルダ(3)から突出するボルト(7)を備え、ナットを用いて前記モジュールホルダ(4)にボルト止めするために、前記ボルトが組み立て位置で前記モジュールホルダ(4)の切欠き(8)を貫通することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記切欠き(8)が長穴として形成されていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
他のボルト連結部(12)が前記モジュールホルダ(4)から突出するボルト(10)を備え、このボルトが揺動時に前記エンジンホルダ(3)のエッジ側の溝(21)に係合し、かつナットによって前記エンジンホルダ(3)に止めることができることを特徴とする請求項8または9に記載の装置。
【請求項12】
前記モジュールホルダ(4)が2つの部分によって形成され、かつ上側ホルダ(6)から離隔して下側ホルダ(9)を備えていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ホルダ(6、9)が前記排気ガスコンバータモジュール(1)に材料一体的に連結されていることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ボルト(7、10)が異なる空間方向に向いていることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記ボルト(7、10)が長穴(18、20)内に配置されていることを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記ボルト(7、10)を保持する前記長穴(19、20)が、長穴として形成された前記モジュールホルダ(4)の前記切欠き(8)および前記エンジンホルダ(3)の前記溝(21)とは異なる方向に向いていることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ボルト(7、10)が保持器(17、19)によって紛失しないように前記長穴(18、20)内に保持され、前記ボルト(7、10)が前記長穴(18、20)の長手方向に移動できるように、前記保持器(17、19)が形成されていることを特徴とする請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記エンジンホルダ(3)がほぼU字形に形成され、かつこのエンジンホルダ(3)を前記内燃機関(2)に固定する働きをする背部分(13)と、この背部分(13)に対して曲げられた接続板(14、15)とを備え、この接続板の端領域(16、23)に前記ボルト連結部(11、12)が設けられていることを特徴とする請求項8〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記接続板(15)が前記モジュールホルダ(4)の前記下側ホルダの前記ボルト(10)のための端側の前記溝(21)と、斜面(22)を備え、前記ボルト(10)が溝(21)に入る前に、前記下側ホルダ(9)が組み立て位置への揺動時に前記斜面に乗り上げることを特徴とする請求項18に記載の装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−532278(P2012−532278A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518749(P2012−518749)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000774
【国際公開番号】WO2011/003395
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】