説明

排水システム

【課題】 処理水に含まれた油を検出可能な排水システムを提供すること。
【解決手段】処理水は最上流側の第1槽14から最下流側の第5槽22に向けて流れ、第5槽22から排水される。第1槽14には浮遊形態の油検知センサ26が設けられ、処理水に含まれる油が水から分離して処理水の表面に浮上し又は混濁状態で油検知センサ26に付着すると、油検知センサ26はこれを検知する。第1槽14の深さ方向の中間部の全域には第1油吸着部材28が配設され、第1油吸着部材28は、処理水の流れに対する抵抗となって処理水の流速を制御することにより処理水に含まれる油の分離を促進すると共に、第1油吸着部材28を通して流れる処理水に含まれる油を吸着する。第5槽22には排水ポンプ32が設けられ、油検知センサ26が油を検知すると、排水ポンプ32が作動停止して第5槽22からの排水が停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雨水などの処理水に含まれた油を検出可能な排水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場、倉庫などの所定領域から流れる雨水には、保管した容器などから漏れた油、保管した容器などに付着した油、作業中に漏れた油などが含まれている可能性がある。この油成分を含む雨水が側溝などを通して河川に流れると、側溝、河川が油により汚染され、環境汚染の原因の一つとなる。
【0003】
このようなことから、所定領域の雨水が直接的に側溝を通して河川を流れるのを防止するために、この所定領域を囲むようにして防油堤を設け、この防油堤内に雨水が溜まるようにしている。そして、溜まった雨水に油成分が含まれているかを調べ、油成分が含まれていないときには、溜まった雨水を排水ポンプで側溝などに排水し、また油成分が含まれているときには、溜まった雨水を処理場などに運搬し、処理場にて所定の処理を行った後にきれいな水を河川などに排水するようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した雨水の処理では、雨水が溜まる毎に、その雨水に油成分が含まれているかを調べて所定の処理を行わなければならず、その処理に人手と時間を要するという問題がある。特に、この所定領域が作業者が居る場所から離れている場合、所定領域へ行くのにも時間を要し、その現場に行って処理を行う作業が非常に煩雑となる問題がある。
【0005】
本発明の目的は、比較的簡単な構成でもって処理水に含まれた油を検出することができる排水システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の排水システムは、連続して設けられた少なくとも5つの槽を備え、前記5つの槽は、上流側から順に第1槽、第2槽、第3槽、第4槽、及び第5槽を有し、処理水は最上流側の前記第1槽に供給されて、前記第1槽から最下流側の前記第5槽に向けて流れ、前記第5槽から排水される排水システムであって、前記第1槽には、油を検知するための浮遊形態の油検知センサが設けられているとともに、前記第1槽の深さ方向の中間部の全域には第1油吸着部材が配設され、処理水に含まれる油が水から分離して処理水の表面に浮上し又は混濁状態で前記油検知センサに付着すると、前記油検知センサはこれを検知し、前記第1油吸着部材は、処理水の流れに対する抵抗となって処理水の流速を制御することにより処理水に含まれる油の分離を促進すると共に、前記第1油吸着部材を通して流れる処理水に含まれる油を吸着し、前記第5槽には排水ポンプが設けられ、前記油検知センサが油を検知すると、前記排水ポンプが作動停止して前記第5槽からの排水が停止することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の排水システムでは、前記5つの槽は、処理水の流れ方向に細長い分離槽本体内に仕切り壁を設けて仕切ることによって構成され、前記第1槽に供給された処理水は、前記仕切り壁の下側と前記仕切り壁の上側とを交互に通って前記第5槽まで流れるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の排水システムでは、前記第1槽は、処理水の水面が位置する部位の横断面積が検知すべき油量の表面張力による拡がり面積よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の排水システムでは、上流側から第2番目の前記第2槽には、油を吸着するための第2油吸着部材が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に記載の排水システムでは、上流側から第4番目の前記第4槽が、上流側から第3番目の前記第3槽の底部から前記第5槽の上部に延びるパイプ部材から構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の排水システムによれば、連続して設けられた少なくとも5つの槽を備えているので、最上流側の第1槽に送給された処理水がこの第1槽から最下流側の第5槽に流れるのにある程度の時間を要し、これによって油検知センサの検知時間などを考慮しても排水ポンプによる油を含む処理水の排水を確実に防止することができる。また、最上流側の第1槽に第1油吸着部材が設けられているので、処理水に含まれた油はこの第1油吸着部材に吸着され、油を含む処理水が下流側に流れるのを防止することができる。更に、最上流側の第1槽に油検知センサが設けられ、この油検知センサが油を検知すると排水ポンプが作動停止するので、油検知センサが油を検知したときに最下流側の第5槽からの排水が停止し、油を含む処理水が側溝などに排水されるのを確実に防止することができる。
また、第1油吸着部材は、第1槽の深さ方向の中間部に配設されるので、この第1油吸着部材が処理水の流れに対する抵抗となってその流速が抑制され、これによって、処理水に含まれた油が浮上して水面に拡がるようになり、かくして、浮遊形態の油検知センサにより処理水中の微量の油も確実に検知することができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の排水システムによれば、5つの槽は、処理水の流れ方向に細長い槽本体内に仕切り壁を設けて仕切ることによって構成されるので、この排水システムの構成を比較的簡単にすることができ、安価なシステムとして提供することができる。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載の排水システムによれば、第1槽は、処理水の水面が位置する部位の横断面積が検知すべき油量の表面張力による拡がり面積よりも小さくなるように構成されているので、第1槽において検知すべき油量まで溜まると、溜まった油は処理水の水面全域に拡がって油検知センサに付着するようになり、従って、検知すべき油量まで油が溜まったことを確実に検知することができる。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載の排水システムによれば、上流側から第2番目の第2槽に第2油吸着部材が設けられているので、仮に第1槽から下流側に油が流れたとしても、この流れた油を第2油吸着部材によって吸着することができ、これによって、油を含む処理水の側溝などへの排水をより確実に防止することができる。
【0015】
更に、本発明の請求項5に記載の排水システムによれば、上流側から第4番目の第4槽が、上流側から第3番目の第3槽の底部から第5槽の上部に延びるパイプ部材から構成されているので、この第4番目の第4槽の設置面積が不要となり、これにより、排水システム全体の大きさを小さくし、その設置面積を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態の排水システムを簡略的に示す断面図。
【図2】第2の実施形態の排水システムを簡略的に示す断面図。
【図3】図2の排水システムの第1及び第2油水分離槽を示す平面図。
【図4】油の拡がり面積と第1槽の横断面積との関係を示す説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う排水システムの実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本発明に従う排水システムの第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態の排水システムを簡略的に示す断面図である。
【0018】
図1において、図示の排水システム2は、処理水を所要の通りに処理するための分離槽本体4を備えている。この分離槽本体4は処理水の流れ方向(即ち、図1において左右方向)に細長く、この分離槽本体4内を4つの仕切り壁、即ち第1〜第4仕切り壁6,8,10,12によって仕切ることによって、処理水の流れ方向に連続した5つの油水分離槽、即ち第1〜第5油水分離槽14,16,18,20,22が設けられている。図1に示すように、第1及び第3仕切り壁6,10には下端部に連通開口が設けられ、第2及び第4仕切り壁8,12には上端部に連通開口が設けられ、第1油水分離槽14(最上流側のもの)と第2油水分離槽16(最上流側から第2番目のもの)とはそれらの底部にて連通され、第2油水分離槽16と第3油水分離槽18(最上流側から第3番目のもの)とはそれらの上部にて連通され、第3油水分離槽18と第4油水分離槽20(最上流側から第4番目のもの)とはそれらの底部にて連通され、また第4油水分離槽20と第5油水分離槽22(最下流側のもの)とはそれらの上部にて連通されている。
【0019】
処理すべき処理水は矢印24で示すように最上流側の油水分離槽14、即ち第1番目の油水分離槽14に送給され、かく送給された処理水は、第1仕切り壁6の連通開口を通して矢印で示すように第2油水分離槽16に流入し、次いで第2仕切り壁8の連通開口を通して矢印で示すように第3油水分離槽18に流れ、次に第3仕切り壁10の連通開口を通して矢印で示すように第4油水分離槽20に流れ、その後第4仕切り壁12の連通開口を通して矢印で示すように第5油水分離槽22に流れる。
【0020】
第1油水分離槽14には処理水中の油を検知するための油検知センサ26が設けられている。処理水中に油が含まれていると、この油は水から分離して水面に浮上して表面張力で拡がる傾向にあり、このようなことから、油検知センサ26として浮遊形態のものを用いるのが好ましい。一方、第1油水分離槽14への処理水の流入量が多くなると、それに含まれた油は微小な粒子状となって混濁する傾向にあり、この油検知センサ26はこのように混濁した油をも検知できるものである。このような油検知センサ26を用いることにより、処理水の流入量が少ないときには水面に拡がった油が油検知センサ26に付着するようになり、また処理水の流入量が多いときには混濁した油が付着するようになり、少ない量であっても油を正確に検知することができる。
【0021】
第1油水分離槽14には、更に、第1油吸着部材28が配設されている。この第1油吸着部材28は第1油水分離槽14の全域に設けられ、底部に向けて流れる処理水は第1油吸着部材を通して流れるようになり、かく流れる際に、処理水に含まれた油が第1油吸着部材28に吸着除去される。
【0022】
この第1油吸着部材28は、その深さ方向中間部に、例えば処理水の水面からの深さが30〜60cmの部位、好ましくは35〜50cmの部位に配設するのが好ましい。このような部位に設けることによって、処理水中に含まれた油を所要の通りに吸着することができるとともに、第1油水分離槽14から第2油水分離槽16に流れる処理水の流速を所望の通りに抑制することができ、その結果、処理水中の油の分離が促進され、分離された油は処理水の表面に浮上するようになり、処理水中の油をより確実に検知することが可能となる。
【0023】
第2油水分離槽16には、第2油吸着部材30を配設するのが好ましい。この第2油吸着部材30は、第2油水分離槽16の深さ方向の中間部に設けられ、第2油水分離槽16から第3油水分離槽18に向けて流れる処理水に残留する油が吸着除去され、油が更に下流側に流れるのを確実に防止することができる。尚、この第2油吸着部材30は第2油水分離槽16の深さ方向上端部に設けるようにしてもよい。第1及び第2油吸着部材28,30は、高性能の油吸着剤用いたものが好ましい。
【0024】
第5油水分離槽22には、処理された水を排水するための排水ポンプ32が配設されている。排水ポンプ32には排水管34が接続され、この排水管34は第5油水分離槽22内を上方に延び、その上端部から外部に突出しており、第5油水分離槽22内の処理された処理水が排水ポンプ32及び排水管34を通して矢印36で示すように外部に排水される。
【0025】
この第5油水分離槽22には一対の水検知センサ、即ち上水検知センサ38及び下水検知センサ40が設けられている。上水検知センサ38は、排水ポンプ32を作動させるためのセンサであり、この上水検知センサ38が処理水を検知する(換言すると、処理水の水面が上水検知センサ38まで上昇する)と、排水ポンプ32が作動して第5油水分離槽22内の処理水が外部に、例えば側溝、河川などに排水される。また、下水検知センサ40は、排水ポンプ32の作動を停止させるためのセンサであり、この下水検知センサ40が処理水を検知しなくなる(換言すると、処理水の水面が下水検知センサ40まで加工する)と、排水ポンプ32の作動が停止して排水ポンプ32による排水が終了する。
【0026】
この排水システムによる処理水の処理は、次のようにして行われる。処理すべき処理水は、第1油水分離槽14に送給され、かく送給された処理水は、第1油水分離槽14から下流側に第2油水分離槽16、第3油水分離槽18及び第4油水分離槽20を通して第5油水分離槽22に流れる。そして、第1油吸着部材28流れる際に、処理水に含まれた油が吸着除去され、また第2油吸着部材30を流れる際に、処理水に残留する油が吸着除去され、このようにして油が除去された処理水が下流側に第5油水分離槽22に流れる。
【0027】
また、このような処理中に油検知センサ26が油を検知すると、この油検知センサ26の検知信号に基づいて排水ポンプ32が強制的に作動停止される。油検知センサ26が油を検知すると、排水ポンプ32によって処理水とともに油が外部に排水される可能性があるが、このように油を検知した時点で排水ポンプ32を作動停止させることによって、第5油水分離槽22からの処理水の排水が停止し、これによって、油を含む処理水が外部へ排水されるのを確実に防止することができる。
【0028】
次に、図2及び図3を参照して、排水システムの第2の実施形態について説明する。図2は、第2の実施形態の排水システムを簡略的に示す図であり、図3は、図2の排水システムの第1及び第2油水分離槽を示す平面図である。尚、以下の実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0029】
この実施形態では、第1及び第2油水分離槽に改良が施され、また第4油水分離槽にも改良が施され、更に第1油水分離槽の上流側に点検槽が設けられている。図2及び図3において、この形態の排水システム2Aでは、第2油水分離槽16Aの内側に第1油水分離槽14Aが設けられ、第1油水分離槽14Aの3側面を囲むように第2油水分離槽16Aがコ字状に設けられている。尚、これら第1及び第2油水分離槽14A,16Aには、第1の実施形態と同様に、第1及び第2油吸着部材28A,30Aが設けられる。
【0030】
このように第1油水分離槽14Aを設けることによって、第1油水分離槽14Aの横断面形状が略正方形状となり、次の通りの特徴が得られる。図4をも参照して、例えば、処理水中に油が存在していると、この油は浮上して水表面に集まり、その表面張力によって水の表面に円形状に拡がるようになる。例えば、水に0.1mlの油を滴下すると、図4に示すように滴下した油は水の表面で拡がり、直径が約300mmの油膜42となる(図4参照)。仮に、油検知センサ26にて0.1mlの油量を検知しようとすると、第1油水分離槽14Aの横断面積(特に、処理水の水面が位置する部位の横断面積)を、検知すべき油量の表面張力による拡がり面積より小さくなるようにすればよく、図4に円形で示す範囲(油膜42として拡がる範囲)よりも小さい横断面積となる(換言すると、この円形状の範囲内に入る形状となる)ようにすればよく、例えば一辺が250mmの正方形状とすることができる。第1油水分離槽14Aの横断面積をこのようにすると、処理水の表面に検知すべき油量が集まると、集まった油の油膜は処理水の表面全域を覆うようになり、その一部は第1油水分離槽14A内を浮遊する油検知センサ26の表面に付着し、この油検知センサ26により油を検知することが可能となる。また、このように第1油水分離槽14Aの横断面積を小さくすると、油が混濁した場合においても大きな粒子状になって油検知センサ26の表面に付着し易くなり、このような場合においても油検知が可能となる。
【0031】
また、分離槽本体4Aの第4油水分離槽20Aが中空のパイプ部材44から構成され、このパイプ部材44の下端部が第3油水分離槽18の底部まで延び、その上端部は湾曲して第4仕切り壁12を貫通して第5油水分離槽22の上部に延びている。従って、第3油水分離槽18内の処理水はパイプ部材44(第4油水分離槽20A)を通して第5油水分離槽22に流れる。第4油水分離槽20Aとしてパイプ部材44を用いることにより、この第4油水分離槽20Aを第3油水分離槽18内に設け、第4油水分離槽20Aの専用設置領域が不要となり、その結果、分離槽本体4Aの流れ方向(図2において左右方向)の大きさを小さくすることができ、排水システム2Aを小型化してその設置面積を抑えることができる。尚、このように構成した場合、第3仕切り壁は省略される。
【0032】
更に、分離槽本体4Aの上流側に点検槽46が設けられている。この点検槽46は、油検知センサ26並びに第1及び第2油吸着部材28A,30Aなどを点検するときに利用され、作業者がこの点検槽46内に入って点検作業を行うようになる。尚、この点検槽46には、周囲からの雨水が点検槽46内に流入するように3側壁(分離槽本体4Aと一体的な側壁を除く側壁)に多数の流入孔48が設けられ、また、残りの側壁(分離槽本体4Aと一体的な側壁)には、点検槽46内の処理水が第1油水分離槽4Aに流れるように多数の送給孔50が設けられている。
【0033】
このような第2の実施形態の排水システム2Aにおいても、上述した第1実施形態と同様の作用効果が達成される。
【0034】
以上、本発明による排水システムの実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0035】
例えば、上述した実施形態では、いずれも、第1〜第5油水分離槽と5つの分離槽を備えているが、大型化が許容できる場合には、処理水の流れ方向に7つ以上の油水分離槽を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0036】
2,2A 排水システム
4,4A 分離槽本体
6,8,10,12 仕切り壁
14,14A,16,16A,16,20,20A,22
油水分離槽
26 油検知センサ
28,30 油吸着部材
32 排水ポンプ
42 油膜
44 パイプ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して設けられた少なくとも5つの槽を備え、前記5つの槽は、上流側から順に第1槽、第2槽、第3槽、第4槽、及び第5槽を有し、処理水は最上流側の前記第1槽に供給されて、前記第1槽から最下流側の前記第5槽に向けて流れ、前記第5槽から排水される排水システムであって、
前記第1槽には、油を検知するための浮遊形態の油検知センサが設けられているとともに、前記第1槽の深さ方向の中間部の全域には第1油吸着部材が配設され、
処理水に含まれる油が水から分離して処理水の表面に浮上し又は混濁状態で前記油検知センサに付着すると、前記油検知センサはこれを検知し、
前記第1油吸着部材は、処理水の流れに対する抵抗となって処理水の流速を制御することにより処理水に含まれる油の分離を促進すると共に、前記第1油吸着部材を通して流れる処理水に含まれる油を吸着し、前記第5槽には排水ポンプが設けられ、前記油検知センサが油を検知すると、前記排水ポンプが作動停止して前記第5槽からの排水が停止することを特徴とする排水システム。
【請求項2】
前記5つの槽は、処理水の流れ方向に細長い分離槽本体内に仕切り壁を設けて仕切ることによって構成され、前記第1槽に供給された処理水は、前記仕切り壁の下側と前記仕切り壁の上側とを交互に通って前記第5槽まで流れるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の排水システム。
【請求項3】
前記第1槽は、処理水の水面が位置する部位の横断面積が検知すべき油量の表面張力による拡がり面積よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の排水システム。
【請求項4】
上流側から第2番目の前記第2槽には、油を吸着するための第2油吸着部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排水システム。
【請求項5】
上流側から第4番目の前記第4槽が、上流側から第3番目の前記第3槽の底部から前記第5槽の上部に延びるパイプ部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の排水システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−18002(P2013−18002A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237492(P2012−237492)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【分割の表示】特願2007−171737(P2007−171737)の分割
【原出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2007年2月15日 財団法人 日本科学技術連盟発行の「第4890回QCサークル全国大会(別府)体験事例要旨集」に発表
【出願人】(501075718)木村電工株式会社 (4)
【Fターム(参考)】