説明

排水処理システム

【課題】従来よりも省スペースで凝集沈殿を行うことができる排水処理システムを提供しようとするもの。
【解決手段】鉄又は/及びアルミニウムの陽極電極6を有し、陰極電極7との間で排水に電流を流し、前記排水中に鉄イオン又は/及びアルミニウムイオンを溶出させ、排水中の汚れ成分を凝集沈殿させるようにした。前記陽極電極6が排水を透過するように配置すると、排水が陽極電極6に沿って流れるようにした場合よりも、鉄イオンやアルミニウムイオンの溶出量が多いものとなり、排水中の汚れ成分の凝集沈殿能が高いものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、凝集剤の薬剤の添加を不要にすることが出来る排水処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、水質保全対策技術のひとつで、凝集材を用いて水中の粒子を沈殿させる凝集沈殿が知られている(非特許文献1)。
すなわち、粒子の沈降速度は、粒子のサイズや密度が大きくなるほど増し、逆に液体の密度が大きくなると低下する。粒子サイズが0.01mm程度以上の懸濁物質は自然に沈降する。それ以下の粒子では沈降速度が約1cm/分以下となるために、凝集剤を添加して粒子サイズを大きくし沈降速度を高くする。さらに懸濁状態から溶解状態や、コロイド状態の場合は、粒子の表面が同符号の電荷に帯電し(多くの場合負電荷:ゼータ電位)互いに反発し、安定に分散している。これに反対電荷をもつコロイド液か電解質溶液を添加すると電荷が中和されて粒子間に引力が働き塊状になり沈殿する。
凝集剤には、無機性の硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸鉄、塩化鉄などがあり、リン酸塩は消石灰や硫酸バン土によりを析出、除去する。高分子凝集剤は従来はコロイド粒子のみであったが、最近は着色性物質、COD、油分なども除去できる。
しかし、凝集沈殿には多段階としたかなり広い敷地(貯留ピット、溜め池)を必要とするという問題があった。
【非特許文献1】EICネット 凝集沈殿 <http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=626>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこでこの発明は、従来よりも省スペースで凝集沈殿を行うことができる排水処理システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
(1)この発明の排水処理システムは、鉄又は/及びアルミニウムの陽極電極を有し、陰極電極との間で排水に電流を流し、前記排水中に鉄イオン又は/及びアルミニウムイオンを溶出させ、排水中の汚れ成分を凝集沈殿させるようにしたことを特徴とする。
【0005】
この排水処理システムでは、鉄又は/及びアルミニウムの陽極電極から排水中に鉄イオン又は/及びアルミニウムイオンを溶出させることができ、これにより、液中に例えば塩化第二鉄やPACなどを生成させることが期待できる。
【0006】
そして、排水中に溶出した鉄イオン又は/及びアルミニウムイオンにより、排水中の汚れ成分に電気的な引力を作用させることによって凝集沈殿させることが出来る。なお、排水の汚れの状態に応じて電流・電圧の制御の制御を行うことにより、鉄イオンやアルミニウムイオンの溶出量をコントロールすることができる。そして、陽極電極からの金属イオンの溶出状況に応じて定期的に電極の交換を行うことができる。
【0007】
ここで、前記陽極電極が排水を透過するように配置すると、排水が陽極電極に沿って流れるようにした場合よりも、鉄イオンやアルミニウムイオンの溶出量が多いものとなり、排水中の汚れ成分の凝集沈殿能が高いものとなる。電極が排水を透過するようにするため、ポーラス(有孔)な電極とすることが出きる。なお、鉄イオンやアルミニウムイオンが仮に排水中に過剰に溶出した場合は、事後的な吸着により低減・除去することができる。
【0008】
さらに、電極からの溶出を利用するようにしたので、多段階としたかなり広い敷地(貯留ピット、溜め池)は必要としないこととなる。
また、この排水処理システムは、従来の凝集沈殿処理のような複数の段階的なピット間の排水の移送用ポンプが不要であり、さらに処理槽に蓋を設けることによりピットのように雨水が入らないことになって酸性雨の影響を受けないことになる。
【0009】
ここで、従来の凝集沈殿法では貯留ピットの汚れ成分の濃度(COD等)に大きな変動や周期的なアップダウンがあったが、この排水処理システムによると排水の水質に合わせて処理の状況を電解条件で制御することが出来るので、汚れ成分の濃度の大きな変動やアップダウンを吸収することができ、排水の浄化処理が非常にやり易くなる。
これにより、工場排水、風呂湯、プール水、その他の各種の排水・排液の浄化に好適に適用することができる。
【0010】
(2)前記電極により排水中の汚れ成分を電気分解するようにしてもよい。
このように構成すると、電極から鉄イオン又は/及びアルミニウムイオンを溶出させると共に、併せて排水中の汚れ成分を電気分解して浄化することができる。ここで、塩分の共存下における電気分解では次亜塩素酸が発生し、この次亜塩素酸が排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。また、電気分解により活性が高い・OHラジカルが発生し、この・OHラジカルが排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。さらに、陽極による直接酸化により、排水中の汚れ成分を分解することになる。
【0011】
(3)前記電極により凝集成分の浮上を電気的に排斥するようにし、上方から次の処理槽へと液が横溢して移行するようにしてもよい。
このように構成すると、沈降した凝集成分の浮上を電気的に排斥することにより、凝集成分が極力混ざらない液がこの処理槽の上方から次の処理槽へと横溢して移行するようにできる。また、駆動源を要するポンプなどを使用することなしに液を次工程へと移動させることができる。
前記次工程であるが、この凝集沈殿槽を2槽連続して配設することができ、1槽だけとして次に電解槽へと液を移動するようにすることもできる。
【0012】
(4)前記電極を処理槽内で斜めに配置して沈降した凝集成分の浮上を妨害するようにし、上方から次の処理槽へと液が横溢して移行するようにしてもよい。
このように構成すると、沈降した凝集成分の浮上を電極で物理的に妨害することにより、凝集成分が極力混ざらない液がこの処理槽の上方から次の処理槽へと横溢して移行するようにできる。また、駆動源を要するポンプなどを使用することなしに液を次工程へと移動させることができる。
【0013】
(5)前記排水の凝集沈殿後の上澄み液を電解槽に供給し、汚れ成分を電気分解するようにしてもよい。
このように構成すると、相対的に清浄化した凝集沈殿後の上澄み液を電解槽で電気分解することにより、当初の凝集成分による電極の汚染を抑制して電解処理を行うことができる。ここで、塩分の共存下における電気分解では次亜塩素酸が発生し、この次亜塩素酸が排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。また、電気分解により活性が高い・OHラジカルが発生し、この・OHラジカルが排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。さらに、陽極による直接酸化により、排水中の汚れ成分を分解することになる。
【0014】
(6) 前記電解槽に供給後の排水を有隔膜電気分解槽の陽極側又は/及び陰極側に供給することによりそのpHを中性域に調製するようにししてもよい。
このように構成すると、塩酸や硫酸、水酸化ナトリウムなどの薬剤を消費することなしに電気化学的にpH調製を行うことができる。
【0015】
(7)前記電解槽に供給後の排水をイオン透過性の電極に導いて陽イオン又は/及び陰イオンを除去するようにしてもよい。
このように構成すると、電解槽における浄化後の排水中の陽イオンや陰イオンを除去してさらに清浄化することができ、陽イオンと陰イオンを共に除去することにより純水を得ることが出来る。前記イオン透過性の電極として、陽極又は/及び陰極とを使用することができる。
【0016】
(8)前記電解槽の陰極で生成した水素ガスを収集して燃料電池に供給することにより発電して電気を起こすようにしてもよい。
このように構成すると、従来は空気中に無為に放散していた水素ガスの有効利用を図ることが出来る。
【0017】
(9)凝集沈殿の処理槽内の測定情報をインターネット回線を介して制御室で受信し、前記測定情報が適正範囲を維持するように遠隔制御するようにしてもよい。
このように構成すると、インターネット回線(電気通信回線)により中央管理センターの制御室で全国あちこちの排水の処理状況を監視し、制御(リモート)することができる。前記測定情報が適正範囲を維持するように、自動で遠隔制御するようにしてもよい。
前記処理槽内の測定情報として、電導度情報、塩濃度情報、残留塩素濃度情報、電流値情報、電圧値情報、消費電力情報、電流密度情報、水温情報、流量情報、水槽の上位と下位の水位情報(レベル計により測位)、鉄イオンの濃度情報、アルミニウムイオンの濃度情報、pH情報などを例示することが出来る。
【発明の効果】
【0018】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
多段階としたかなり広い敷地(貯留ピット、溜め池)は必要としないこととなるので、従来よりも省スペースで凝集沈殿を行うことができる排水処理システムを提供することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、この発明の実施の形態を説明する。
(実施形態1)
〔原水調製槽〕
図1に示すように、この実施形態の排水処理システムは、排水原水1は先ず原水調製槽2に流入させて貯留し、COD等の周期的な変動を吸収するようにしている。
〔電解凝集沈殿装置〕
凝集沈殿の処理槽3を2連にしており、前側の処理槽3に上から流入させ、後側の処理槽3へと液が順に移行していき、次に中間槽4に一時的に貯留するようにしている。この凝集沈殿の処理槽3は2槽連続して配設したが、1槽だけとして次工程へと液を移動するようにすることもできる。
【0020】
電解凝集沈殿槽と凝集沈殿槽の処理槽3の底部から、汚泥貯留槽5へと汚泥を移行させるようにしている。
電解凝集沈殿装置は、鉄とアルミニウムの陽極電極6を交互に有し、前記陽極電極6は排水が透過するように配置され、チタン製の陰極電極7との間で排水に電流を流し、前記排水中に鉄イオンとアルミニウムイオンを溶出させ、排水中の汚れ成分を凝集沈殿させるようにしている。陽極電極6が排水を透過するようにするため、ポーラス(有孔)な電極とした。なお陰極電極7は、ポーラスではない板状電極とした。
【0021】
したがって、鉄とアルミニウムの陽極電極6から排水中に鉄イオンとアルミニウムイオンを溶出させることができ、これにより液中に例えば塩化第二鉄やPACなどを生成させることが期待できる。
【0022】
そして、排水中に溶出した鉄イオンとアルミニウムイオンにより、排水中の汚れ成分に電気的な引力を作用させることによって凝集沈殿させることが出来る。なお、排水の汚れの状態に応じて電流・電圧の制御の制御を行うことにより、鉄イオンやアルミニウムイオンの溶出量をコントロールすることができる。そして、陽極電極6からの金属イオンの溶出状況に応じて定期的に電極の交換を行うことができる。
【0023】
また、陽極電極6は排水が透過するように配置されるようにしたので、排水が陽極電極6に沿って流れるようにしただけの場合よりも、鉄イオンやアルミニウムイオンの溶出量が多いものとなり、排水中の汚れ成分の凝集沈殿能が高いものとなる。なお、鉄イオンやアルミニウムイオンが仮に排水中に過剰に溶出した場合は、事後的な吸着により低減・除去することができる。
【0024】
さらに、前記電解凝集沈殿装置の電極により、排水中の汚れ成分を電気分解するようにした。つまり、電解凝集沈殿装置に、排水の電解装置の機能を併有させるようにした。ここで、塩分の共存下における電気分解では次亜塩素酸が発生し、この次亜塩素酸が排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。また、電気分解により活性が高い・OHラジカルが発生し、この・OHラジカルが排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。さらに、陽極による直接酸化により、排水中の汚れ成分を分解することになる。
【0025】
〔砂濾過装置〕
前記中間槽4から砂濾過装置8へと移動させ、次いで電解装置へと移送するようにしている。
〔電解装置〕
前記排水の凝集沈殿後の液を2連並列の電解槽9に供給し、汚れ成分を電気分解するようにした。したがって、この電解槽9においても、塩分の共存下における電気分解では次亜塩素酸が発生し、この次亜塩素酸が排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。また、電気分解により活性が高い・OHラジカルが発生し、この・OHラジカルが排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。さらに、陽極による直接酸化により、排水中の汚れ成分を分解することになる。
【0026】
この電解槽9は有隔膜方式とし、移送されてきた排水を先ず陽極側に供給して汚れ成分の被酸化物質を酸化分解し、次いで陰極側に供給してpHを調製するようにした。こうすると、塩酸や硫酸、水酸化ナトリウムなどの薬剤を消費することなしに電気化学的にpH調製を行うことができる。この電解槽9を並列で2連設けている。
なお、この電解槽9に供給後の排水を更に他の有隔膜電気分解槽の陽極側や陰極側に供給することにより、そのpHを中性域に調製するようにししてもよい。
【0027】
〔処理水槽〕
電解槽9を通過後の清浄排水は、最終的に処理水槽10に貯めて放流するようにしている。また、この清浄排水は逆洗浄水としてフィードバックしたり、電解槽9での希釈水として利用したりするようにしている。
【0028】
次に、この実施形態の排水処理システムの使用状態を説明する。
陽極電極6からの溶出を利用するようにしたので、多段階としたかなり広い敷地(貯留ピット、溜め池)は必要としないこととなり、従来よりも省スペースで凝集沈殿を行うことができるという利点を有する。
また、この排水処理システムは、従来の凝集沈殿処理のような複数の段階的なピット間の排水の移送用ポンプが不要であり、さらに処理槽3に蓋を設けることによりピットのように雨水が入らないことになって酸性雨の影響を受けないことになる。
【0029】
ここで、従来の凝集沈殿法では貯留ピットの汚れ成分の濃度(COD等)に大きな変動や周期的なアップダウンがあったが、この排水処理システムによると排水の水質に合わせて処理の状況を電解条件で制御することが出来るので、汚れ成分の濃度の大きな変動やアップダウンを吸収することができ、排水の浄化処理が非常にやり易くなる。
【0030】
これにより、工場排水、風呂湯、プール水、その他の各種の排水・排液の浄化に好適に適用することができる。
【0031】
電解凝集沈殿装置の電極により排水中の汚れ成分を電気分解するようにしたので、電極から鉄イオンとアルミニウムイオンを溶出させると共に、併せて排水中の汚れ成分を電気分解して浄化することができる。
【0032】
前記排水の凝集沈殿後の液を電解槽9に供給し、汚れ成分を電気分解するようにしたので、相対的に清浄化した凝集沈殿後の液を電解槽9で電気分解することにより、当初の凝集成分による電極の汚染を抑制して電解処理を行うことができる。ここで、塩分の共存下における電気分解では次亜塩素酸が発生し、この次亜塩素酸が排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。また、電気分解により活性が高い・OHラジカルが発生し、この・OHラジカルが排水中の汚れ成分を酸化分解することになる。さらに、陽極による直接酸化により、排水中の汚れ成分を分解することになる。
【0033】
(実施形態2)
上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
図2に示すように、この実施形態では、前記電極を処理槽3内(電解凝集沈殿槽3A)で斜めに配置して沈降した凝集成分の浮上を妨害するようにし、上方から次の処理槽(凝集沈殿槽3B)へと液が横溢して移行するようにした。電極は、有孔アルミニウム陽極電極6Al、無孔チタン陰極電極7Ti、有孔鉄陽極電極6Fe、無孔チタン陰極電極7Ti、・・・の順番で交互に配設している。
【0034】
したがって、沈降した凝集成分の浮上を電極で物理的に妨害することにより、凝集成分が極力混ざらない液がこの処理槽3の上方から次の処理槽3へと横溢して移行するようにできる。また、駆動源を要するポンプなどを使用することなしに液を次工程へと移動させることができる。
また、前記電解凝集沈殿装置の電極により凝集成分の浮上を電気的に排斥するようにし、上方から次の処理槽3へと清浄な液が横溢して移行するようにしたので、凝集成分が極力混ざらない液がこの処理槽3の上方から次の処理槽3へと横溢して移行するようにできる。
そして、凝集沈殿槽の処理槽3で凝集沈殿した後の排水は、処理水槽10を介して放流するようにしている。
【0035】
(実施形態3)
上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
図3に示すように、この実施形態では、前記凝集沈殿槽の処理槽3から中間槽4を介し、2連並列のUF膜濾過装置11を通し、処理水槽10に貯留し、最終的に放流又は再利用するようにした。
【0036】
(実施形態4)
上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
この実施形態では、前記電解槽に供給後の排水をイオン透過性の電極に導いて陽イオンや陰イオンを除去するようにした(図示せず)。
このように構成すると、電解槽における浄化後の排水中の陽イオンや陰イオンを除去してさらに清浄化することができ、陽イオンと陰イオンを共に除去することにより純水を得ることが出来る。前記イオン透過性の電極として、ポーラスな陽極や陰極を使用することができる。
【0037】
(実施形態5)
上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
この実施形態では、前記電解槽の陰極で生成した水素ガスを収集して燃料電池に供給することにより発電して電気を起こすようにしており(図示せず)、従来は空気中に無為に放散していた水素ガスの有効利用を図ることが出来る。
【0038】
(実施形態6)
上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
この実施形態では、凝集沈殿の処理槽内の測定情報をインターネット回線を介して制御室で受信し、前記測定情報が適正範囲を維持するように遠隔制御するようにしており(図示せず)、インターネット回線(電気通信回線)により中央管理センターの制御室で全国あちこちの排水の処理状況を監視し、制御(リモート)することができる。前記測定情報が適正範囲を維持するように、自動で遠隔制御するようにしてもよい。
前記処理槽内の測定情報として、電導度情報、塩濃度情報、残留塩素濃度情報、電流値情報、電圧値情報、消費電力情報、電流密度情報、水温情報、流量情報、水槽の上位と下位の水位情報(レベル計により測位)、鉄イオンの濃度情報、アルミニウムイオンの濃度情報、pH情報などを例示することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0039】
従来よりも省スペースで凝集沈殿を行うことができることによって、排水処理システムの用途に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の排水処理システムの実施形態1を説明するシステム・フロー図。
【図2】この発明の排水処理システムの実施形態2を説明するシステム・フロー図。
【図3】この発明の排水処理システムの実施形態3を説明するシステム・フロー図。
【符号の説明】
【0041】
3 処理槽
6 陽極電極
7 陰極電極
9 電解槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄又は/及びアルミニウムの陽極電極(6)を有し、陰極電極(7)との間で排水に電流を流し、前記排水中に鉄イオン又は/及びアルミニウムイオンを溶出させ、排水中の汚れ成分を凝集沈殿させるようにしたことを特徴とする排水処理システム。
【請求項2】
前記電極により排水中の汚れ成分を電気分解するようにした請求項1記載の排水処理システム。
【請求項3】
前記電極により凝集成分の浮上を電気的に排斥するようにし、上方から次の処理槽(3)へと液が横溢して移行するようにした請求項1又は2記載の排水処理システム。
【請求項4】
前記電極を処理槽(3)内で斜めに配置して沈降した凝集成分の浮上を妨害するようにし、上方から次の処理槽(3)へと液が横溢して移行するようにした請求項1乃至3のいずれかに記載の排水処理システム。
【請求項5】
前記排水の凝集沈殿後の上澄み液を電解槽(9)に供給し、汚れ成分を電気分解するようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の排水処理システム。
【請求項6】
前記電解槽(9)に供給後の排水を有隔膜電気分解槽の陽極側又は/及び陰極側に供給することによりそのpHを中性域に調製するようにした請求項5記載の排水処理システム。
【請求項7】
前記電解槽(9)に供給後の排水をイオン透過性の電極に導いて陽イオン又は/及び陰イオンを除去するようにした請求項5又は6記載の排水処理システム。
【請求項8】
前記電解槽(9)の陰極で生成した水素ガスを収集して燃料電池に供給することにより発電して電気を起こすようにした請求項1乃至7のいずれかに記載の排水処理システム。
【請求項9】
凝集沈殿の処理槽(3)内の測定情報をインターネット回線を介して制御室で受信し、前記測定情報が適正範囲を維持するように遠隔制御するようにした請求項1乃至8のいずれかに記載の排水の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−94740(P2013−94740A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240727(P2011−240727)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(399049981)株式会社オメガ (70)
【Fターム(参考)】