説明

排泄物確認装置およびこれを備えた衛生洗浄装置

【課題】トイレ使用者が用を足した後の自分の大便や小便などの排泄物を、わざわざ姿勢を変えて便器内を覗き込まなくても、楽に、また簡単にその排泄物の大きさ、色、硬さの様子などが確認できる排泄物確認装置を実現する。
【解決手段】便器12内に排泄された排泄物を撮像する撮像手段21と、前記撮像手段21により撮像された排泄物の画像を表示する表示手段22を使用者が着座姿勢のまま視認可能な位置に備えたものである。これによって使用者が用を足した後の大便や小便などの排泄物を、わざわざ姿勢を変えて便器内を覗き込まなくても、楽に、また簡単にその排泄物の大きさ、色、硬さの様子などが確認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排泄物を確認するための排泄物確認装置と、これを備えた衛生洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の装置では、便座に排泄物の採取を行う採取手段と排泄物の成分を測定する測定手段を備え、測定手段による測定結果に基づいて使用者の健康管理を行うものがあった(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−310631号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら前記従来の構成では、使用者の健康管理を行うために排泄物の成分を測定するのを目的とするもので、このために排泄物を取得し、これを装置へ搬送し、さらに装置内で物理量を測定した上に緩衝液を添加するなど、装置として非常に大掛かりなものとなっていた。
【0004】
本発明は前記従来の課題を解決するもので、使用者が排便後に自分の排泄物を自分で見て、体調の良し悪しを自分で判断できるようにするためのもので、この際にわざわざ姿勢を変えて便器内を覗き込まなくても楽に、また簡単に排泄物の大きさ、色、硬さの様子などが確認できる上、構成も排泄物を採取するなど大がかりなものではなく簡単なものとした排泄物確認手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、便器内の排泄物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を備え、前記表示手段を使用者が着座姿勢のまま視認可能な位置に備えたことを特徴としたものである。
【0006】
これによって使用者は、自分が用を足した後の大便や小便などの排泄物の画像を表示手段に表示される画像を通して、着座しているそのままの姿勢で見ることができるので、わざわざ大きく姿勢を変えて便器内を覗き込まなくても、楽に、また簡単にその排泄物の大きさ、色、硬さの様子などを確認することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の排泄物確認装置およびこれを備えた衛生洗浄装置は、使用者が自分で自分の体調の良し悪しを判断するために、用を足した後の大便や小便などの排泄物を、わざわざ姿勢を変えて便器内を覗き込まなくても、楽に、また簡単にその排泄物の大きさ、色、硬さの様子などが確認できる上、構成も大がかりなものではなく簡単な構成で実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、便器内の排泄物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を備え、前記表示手段を使用者が着座姿勢のまま視認可能な位置に備えたことを特徴とするもので、使用者が用を足した後の自分の大便や小便などの排泄物の大きさ、色、硬さの様子などを、わざわざ姿勢を変えて便器内を覗き込まなくても、表示手段を通して見ることによって楽に、また簡単に確認できる上、構成も大がかりなものではなく簡単な構成で実現できる。撮像手段は、便器内の排泄物が撮像できる場所ならばトイレ室内のいずれの箇所に取り付けてあっても構わない。
【0009】
第2の発明は、特に、第1の発明の撮像手段は便器または便座のいずれかに備えられたもので、排泄物により近い位置に撮像手段が備えられているので、確実に排泄物の画像を撮像することができる。
【0010】
第3の発明は、特に、第2の発明の便座の回動を支持する便座支持体と、前記便座のいずれかもしくは両方に便座の回動を制御するダンパーを備えたもので、これにより便座が上げられた状態から下ろされようとした際に、便座が急に回動下降して便器に衝突し、その衝撃で便器や便座に取り付けられた撮像手段が破損したり、あるいは取り付けられている便器あるいは便座から外れて落下したりするのを防止することができる。ダンパーは、便座や便座支持体の他、便蓋や便蓋の回動を支持する部分にも備えられると、撮像手段が便蓋の開閉時の衝撃で破損をするのを防ぐこともできる。
【0011】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の排泄物確認装置に撮像時に排泄物を照らす照明手段を備えたもので、人体の陰となって暗い便器内を明るく照らすことができるため、便器内の排泄物を撮像する際も、表示手段に表示される排泄物がはっきりと確認できるような良好な撮像が可能となる。照明手段は、撮像手段に取り付けても、便座や便器に取り付けても、いずれでも構わない。
【0012】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の撮像手段にカバーを備えたもので、汚物や水滴が撮像手段にかかって撮像手段が破損したり汚れたりするのを防いだり、あるいは撮像手段に汚物の臭いがしみついたりするのを防ぐことができる。またカバーは、撮像手段だけではなく照明手段に設けても撮像手段に設けた場合と同様の効果を照明手段に対して得ることができる。なおカバーは、撮像手段もしくは照明手段から取り外し可能な構成であると、カバーの洗浄や撮像手段および照明手段の清掃など、それぞれへのメンテナンスが容易となる。
【0013】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の撮像手段により撮像された排泄物の画像を、表示手段に電波や赤外線などの無線で伝達するもので、便器内に撮像手段を設置し、表示手段を便器外の使用者の手元付近やトイレ室内の目に付きやすい位置などに設置する場合などでも、コードなどの余計な線がないので邪魔にならず、大変便利である。
【0014】
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の撮像手段に撮像する向きを変える方向変更手段を備えたもので、撮像手段の撮像範囲が狭い場合でも、排泄物が便器内のいずれの場所に落下するかに関わらず、撮像手段の撮像方向を変えることでこれを撮像することが可能となる。
【0015】
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の撮像手段に、被写体にピントを合わせる機能と、ズーム調整する機能の、いずれかもしくは両方を備えたもので、被写体の様子を見やすい画像として確実に捉えることができ、大変便利である。なお、ピントを合わせる操作は、手動で合わせる方法でも自動で合わせる方法でも、あるいは手動と自動とが選択できる方法でもいずれでも良い。
【0016】
第9の発明は、特に、第1〜8のいずれか1つの発明の表示手段は、撮像手段の操作を行う撮像操作手段を備えたもので、表示手段で表示される画像を見ながらその手元で撮像の開始、終了の他、撮像方向の変更やズームの調整やピントの調整などの操作を行うことができ、大変便利である。
【0017】
第10の発明は、トイレに入室した人あるいは便座や便器に近づいた人を検知する人体検知手段を備え、特に、第1〜9のいずれか1つの発明の表示手段は、人体検知手段が人体を検知すると画像の表示を開始するもので、使用者がわざわざ表示手段に画像の表示を開始させる操作をしなくても、自動で表示が開始されるため大変便利である。また、トイレに入室した後、あるいは便座や便器に近づいた後の早い時期に便器内の様子を表示手段を通して知ることができるため、例えば自分の前にトイレを利用した人が便器使用後に排泄物を流し忘れた場合など、便器内の様子を早くに知ることができる。
【0018】
第11の発明は、トイレに入室した人あるいは便座に近づいた人を検知する人体検知手段を備え、特に、第1〜10のいずれか1つの発明の表示手段は、表示手段が画像を表示中に人体検知手段が人体を検知しなくなると、画像の表示を終了するもので、わざわざ表示手段に表示中の画像の表示を終了させる操作をしなくても自動で表示が終了されるため、大変便利である。また、自分の排泄物の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られるという心配がなく、あるいは他人の排泄物を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく、安心である。また、水洗便器などで便器に水を流した後に便器がきれいに洗い流せたかどうかを表示手段で簡単に確認することができる。
【0019】
第12の発明は、便座に人が着座したことを検知する着座検知手段を備え、特に、第1〜11のいずれか1つの発明の表示手段は、着座検知手段が人の着座を検知すると画像の表示を開始するもので、使用者がわざわざ表示手段に画像の表示を開始させる操作をしなくても、自動で表示が開始されるため大変便利である。また、使用者がトイレに入室したり便座や便器に近づくだけでなく、用を足すやめに便座に着座して始めて表示がなされるため、必要以上に表示が実施されず電気代の無駄をなくすことができる。
【0020】
第13の発明は、便座に人が着座したことを検知する着座検知手段を備え、特に、第1〜12のいずれか1つの発明の表示手段は、表示手段が画像を表示中に着座検知手段が人の着座を検知しなくなると画像の表示を終了するもので、使用者がわざわざ表示手段に表示中の画像の表示を終了させる操作をしなくても、自動で表示が終了されるため大変便利である。また、自分の排泄物の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られると言う心配がなく、あるいは他人の排泄物を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく安心である。また、便座から立ち上がるとすぐに表示を終了させることができるので必要以上に表示が実施されず電気代の無駄をなくすことができる。
【0021】
第14の発明は、便座に人が着座したことを検知する着座検知手段を備え、特に、着座検知手段が人の立ち上がりを検出するとその所定時間後に第1〜12のいずれか1つの発明の表示手段が画像の表示を消すもので、排便後の使用者が、便座から立ち上がっても所定時間は画像を確認できるのに加えて、使用者が画像をわざわざ消す必要がなく便利である。また、自分の排泄物の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られると言う心配がなく、あるいは他人の排泄物を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく、安心である。また、便座から立ち上がった後、着衣をする際などしばらくの間、表示手段に表示される画像を確認することができる。また、水洗便器などで便器に水を流した後に便器がきれいに洗い流せたかどうかを表示手段で簡単に確認することができる。
【0022】
第15の発明は、特に、第1〜14のいずれか1つの発明の撮像した画像を記録する記録手段を備えたもので、使用者が用を足す度にその排泄物の画像を電子情報などに保存したり、紙に記録したりすることができる。ここで撮像手段もしくは表示手段に日時を示す機能が備えられていると、この日時の情報も同時に保存もしくは記録することができる。そして、保存した画像を後でパソコンなどで確認したり、同じく保存した画像や記録した紙を医師や専門医に診てもらって様々な診断をしてもらうことが可能となる。
【0023】
第16の発明は、特に、第15の発明における記録した画像を再び表示する再表示手段を備えたもので、以前に排泄した便の様子が表示手段で時間をさかのぼって確認することができる。これにより例えば便秘がちの人が、いつからお通じがないかを容易に確認することができたり、以前、下痢を催したのがいつであったかなどを確認することも可能である。
【0024】
第17の発明は、特に、第16の発明の排泄物確認装置に、複数の使用者のうち、自分の排泄物の画像だけを再び表示可能な識別手段を備えたもので、使用者は自分で記録した画像のみを後で再生できる。これにより、自分の排泄物の画像を他人に見られることがないので恥ずかしくなく、また、他人の排泄物の画像を目にすることもないので、不快な思いをしなくても良く安心である。使用者識別手段の具体的構成としては、例えば、表示手段が数字キーを備え、撮像画像を電子情報に保存させる際に数桁の暗証番号を打ちこみ、後でこの電子情報から画像を見たりする際には先に打ち込んだ暗証番号を打ち込まないと画像を見ることができないようにして本人を識別する方法や、暗唱番号を入力する以外にも使用者の指紋や虹彩を確認して識別するなどの方法がある。
【0025】
第18の発明は、特に、第1〜17のいずれか1つの発明の排泄物確認装置と局部洗浄手段を備えた衛生洗浄装置とするもので、用便後に局部が洗浄できて快適である。
【0026】
第19の発明は、特に、第18の発明の局部洗浄手段を遠隔操作する洗浄操作手段を備え、その洗浄操作手段は表示手段を備えたもので、洗浄操作手段によって局部洗浄手段を遠隔から操作でき、かつ、撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段も備えているので、洗浄操作手段と表示手段とが別々である場合と比べ、省スペース化がはかられて便利である。
【0027】
第20の発明は、特に、第18または19の発明の表示手段が、局部洗浄手段の操作にともなって表示手段が画像の表示を終了するもので、表示手段に表示中の画像の表示を終了させる操作をわざわざしなくても、局部洗浄手段を操作すると自動で表示が終了されるため、大変便利である。また、自分の排泄物の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られて恥ずかしい思いをするという心配がなく、あるいは他人の排泄物を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく安心である。また、洗浄操作手段25を操作するとすぐに表示を終了させることができるので必要以上に表示が実施されず電気代の無駄をなくすことができる。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における排泄物確認装置のうち撮像手段および局部洗浄手段を便座に取り付けた状態を示すとともに、局部洗浄手段を操作したり、撮像手段を操作したり、あるいは撮像手段で撮像した画像を表示するためのリモコン(遠隔操作手段)をトイレ室内に取り付けた状態を示す斜視図、図2は排泄物確認装置の撮像手段を便座の裏面(便座を下ろした状態での下側の面)に取り付けた状態を示す便器および便座の断面図、図3は、図2のうち、撮像手段の部分を拡大した部分拡大図、図4は図1に示したリモコンの拡大図、図5は水洗便器の底にある排泄物を撮像する様子を示す図で、(a)に対して(b)は排泄物をより見やすくするために拡大して撮像した状態を示す図、(c)に対して(b)は排泄物には合っていないピントが排泄物に合った状態で撮像する様子を示す図である。図6は、撮像手段が撮像を開始してから撮像を停止するまで、あるいは表示手段が表示を開始してから表示を停止するまでの一連の様子を示すフローチャートである。
【0030】
図1において便座支持体11は便器12に固定するよう取り付けられ、便座13および便蓋14を回動自在であると共に、両者を脱着可能に支持する。また、便座支持体11には人体の局部を洗浄するための局部洗浄手段15と、人が便座に座っていることを検知する着座検知手段19と、人がトイレ室内に入室したことを、あるいは人が便座や便器に近づいたことを検知する人体検知手段20と、これらを制御する制御手段(図示せず)を備え、制御手段は電源17より電源コード18を通じて電気の供給を受ける。
【0031】
また便座13には、便座13の裏面、つまり便座13を下ろした場合の下側の面に、便座13と一体的に、便器12に排泄された排泄物を撮像する撮像手段21が備えられており、この便座13と便座支持体11のいずれか、もしくは両方には便座13の回動時に機能するダンパーが備えられている。トイレ室内の便器12に比較的近い壁にはリモコン23が設けられ、このリモコン23には局部洗浄手段15を操作するための洗浄操作手段25と、撮像手段21で撮像された排泄物の画像を表示する表示手段22と、撮像手段21を操作するための撮像操作手段24が備えられている。
【0032】
図2において撮像手段21は、排泄物を撮像する際に、便器12内部が暗くて撮像が困難な場合に備えて便器12内を明るく照らす照明手段27と、排泄物が便器12内のいずれの場所に落下しても確実に撮像を可能にするように撮像手段21の撮像方向が変更できる方向変更手段28を備えている。その方向変更手段28の詳細を図3に示す。
【0033】
図3において方向変更手段28は、撮像手段21の撮像方向を変更するためのモーター29と、これを駆動するための交換可能な電源用の電池30、それにモーター29の回転力を撮像手段21本体に伝達させるための伝達軸31からなる。また、撮像手段21は、撮像手段21自身に汚物や水滴がかかるのを防ぐためのカバー24を備えている。ここで、図3の(a)に対して(b)は、撮像手段21の撮像方向を180°回転させた状態を示す。なお、撮像方向を変えるなど使用者がこの撮像手段21を操作するための撮像操作手段24が、図4に示すリモコン23に備えられている。
【0034】
図4においてリモコン23は、撮像手段21で撮像された画像を表示する表示手段22と、撮像手段21を操作するための撮像操作手段24と、局部洗浄手段15を操作するための洗浄操作手段25を備えている。
【0035】
洗浄操作手段25は、局部洗浄のうちのビデ洗浄を開始するためのビデ洗浄開始スイッチ33と、おしり洗浄を開始するためのおしり洗浄開始スイッチ34と、これらの局部洗浄を停止するための局部洗浄停止スイッチ35を備えている。
【0036】
また撮像操作手段24は、手動で撮像を開始するための撮像開始スイッチ36と、同じく手動で撮像を停止するための撮像停止スイッチ37と、撮像手段21の撮像方向を変更する操作を行うための方向変更操作手段38と、撮像時に被写体を拡大させたり縮小させたりするズーム機能を操作するためのズーム操作手段39と、撮像した画像を保存、記録するための記録手段40(スイッチのみ図示)と、保存した撮像画像をもう一度表示するための再表示手段41(スイッチのみ図示)と、画像の保存や再表示を行う際に複数の使用者の中から一人の使用者を識別するための識別手段42(スイッチのみ図示)を備えている。
【0037】
図5は、排泄物43が水洗用の水45で満たされた便器12内の底部44に落下した様子を示す。
【0038】
以上のように構成された排泄物確認装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0039】
図6のフローチャートに示すように、ステップ1で使用者がトイレに入室し、脱衣の後、ステップ2で便座13に着座をして用を足すと(ステップ3)、大便や小便などの排泄物は便器12内に落下する。その後、ステップ4で使用者が撮像開始スイッチ36を手動で操作すると、待機状態にあった撮像手段21は撮像を開始すると共に、これに連動して照明手段27が点灯し(ステップ5)、便器12内を明るく照らす。通常便座13に人が着座すると、トイレの室内照明の光は使用者の陰となって便器12内部まで届かないが、照明手段27が便器12内を明るく照らすことにより排泄物およびその周辺が明るく照らされ、排泄物の撮像が良好に行える。
【0040】
撮像手段21で撮像される画像の電子情報は、コードなどの線を介さず電波や赤外線などによって、使用者が便座13に着座したまま容易に見える位置に設置されたリモコン23に無線で送信され、このリモコン23に備えられた表示手段22に、撮像された被写体が表示される。これにより、例えば撮像手段21が便座13や便器12に取り付けられた場合などでも、便座13を上げ下げしたり使用者が用を足す場合などに、その線が邪魔になることはない。表示手段22は撮像が開始されるのに連動して画像の表示を開始する(ステップ6)。
【0041】
使用者はこの表示手段22を見ることで便器12内の排泄物の様子、つまり排泄物が小便の場合はその色を、また、大便の場合は大きさ、色、硬さの様子などを観察することが容易にできる。この時リモコン23を、使用者が便座13に着座したまま顔の向きを少し変える程度で上半身や下半身を大きく動かす必要なく、簡単に見ることができる位置に配置すれば、使用者は便器12内部を覗き込むなど着座している状態から姿勢を大きく変える動作を行う必要はなく、あるいはまた排泄物を分析するなど装置として大がかりなものも必要なく、簡単に、そして楽に排泄物の様子を確認することができ、自分の健康状態を確認するのに役立てることができる。
【0042】
ここで、リモコン23は壁に設置される形態の他、棚などの上に置ける様な形態でも構わない。そして、壁に設置されたリモコン23を必要に応じて壁から取り外して使用者が手元に持つことができたり、棚などの上に置かれたリモコン23を必要に応じて使用者が手元に持つことができると、撮像操作や局部洗浄操作が容易に実施でき、表示手段22に表示される画像も見やすくできる。
【0043】
撮像手段21の撮像範囲が狭いために思い通りの場所を撮像できない場合は、方向変更手段28を操作することで、便器12内の任意の位置が撮像できる(ステップ7)。例えば図4の方向変更操作手段38の左右の矢印のボタンのうち右矢印のボタンを押すと、必要な制御信号が方向変更手段28に送られ、この制御信号に基づいてモーター29の軸が図中の便座13の方から見て時計回りに回転し、この回転運動を伝達軸31が撮像手段21本体に伝え、撮像手段21が時計回りに回転を行う。逆に、変更操作手段38の左矢印のボタンを押すと、モーター29が反時計回りに回転して、撮像手段21も反時計回りに回転を行う。このように、使用者が方向変更操作手段38を操作し、撮像手段21の撮像方向を変えることで、撮像手段21の撮像範囲が便器12内の一部しか撮像できないような狭い場合でも排泄物の落下位置に関わらず、これを撮像することが可能となり便利である。方向変更手段28は、方向変更操作手段38の矢印のボタンを押している間はゆっくりと回転を続け、ボタンを押すのを止めると回転が停止するようになっている。
【0044】
ズーム機能について説明する。ズーム操作手段39のうち上矢印のボタンを操作すると、撮像手段21を構成する複数のレンズの互いの位置関係が調節されて拡大ズームが実施され、逆に下矢印のボタンを操作すると同様にして縮小ズームが実施される(ステップ7)。図5の(a)が、便器12の底部44に排泄物43が落下し、その上に水洗用の水45の水面がある様子を表示手段22が映し出している状態を示すのに対し、上記の拡大ズームを実施すると(b)のように排泄物43がより大きく表示され、排泄物43をより見やすい状態にすることができる。
【0045】
また、図5の(c)のように排泄物43にピントが合っていない状態で撮像されても、ピントは(b)のように排泄物43に合うように自動で調整される。排泄物43にピントを合わせる方法についてもズームを行う場合と同様、撮像手段21を構成する複数のレンズの互いの位置関係を調節することで実現できる。なおピントについては自動で調整する他、手動で調整したりあるいは両者を選択する方法のうちのいずれでも構わない。
【0046】
方向変更手段28の例としては、上記のように1つのモーターを備える場合以外に、複数のモーターを備えて複数の回転伝達軸との組み合わせにより、より撮像範囲を広くすることも可能となる。特に上記のように撮像手段21が同一平面内を回転するだけでなく、上下方向に回動もしくは移動するとより撮像視野が広くなることになる。この場合、リモコン23を操作するのに上下方向に撮像手段21を動かすには例えばズーム操作手段39を図4の39のボタンとは別に用意し、この図4の39に示す上下の矢印のボタンを押すとそれぞれ撮像手段21の撮像方向を上下方向に動かせるようにすることもできる。
【0047】
以上のように、ピントを合わせたり、撮像方向を変えたり、ズームをすることができることで排泄物の様子を画像として確実に捉えることができ、表示手段22を通して排泄物43の画像を確認する上で大変便利である。
【0048】
撮像され表示された排泄物43の画像は、リモコン23に内蔵された時計機能を利用して、その時の日付や時刻と共に記録手段40に記録することができる。ステップ8で記録手段40のスイッチを手動で操作し、加えて、ステップ9で複数いるトイレ利用者のうち自分自身を識別するための識別手段42のスイッチを操作すると、画像が保存される。つまり撮像された画像は、電気的あるいは磁気的もしくは光学的記憶媒体によって電子情報としてメモリーなどの記憶媒体に記憶される。識別手段42の操作方法は、リモコン23に備えられた数字キー42aを用いて、例えば4桁の数字を打ち込むと打ち込んだ数字を表示する数字表示部42bに数字が表示され、最後にもう一度識別手段42のスイッチを押すと、この4桁の数字が本人識別用の暗証番号として、日付や時間のデータや画像と共に記録手段40によって保存される。そして一度保存した画像を後で再び見る場合は、再表示手段41を操作すると、保存した画像を再び見ることができる。この場合も、再表示手段41のボタンを押し、続けて画像を保存する際に入力した暗証番号を入力すると、自分が保存した画像の中で最も新しい画像が保存された日時と共に表示される。さらに、方向変更手段38の左の矢印ボタンを押すと、順に古い画像が表示される。もう一度再表示手段41のスイッチを押すと表示は消える。このように識別手段42を利用することで、自分の排泄物43を他人に見られ恥ずかしい思いをするという心配がなく安心である上、他人の排泄物43の画像を目にすることもないので、不快な思いをしなくても良く安心である。
【0049】
なお識別手段42の具体的構成としては、このように保存時と再表示時に暗証番号を入力する方法以外にも、保存時と再表示時に使用者の指紋や虹彩を確認して識別するなどの方法がある。また記録手段40は、上記の例の他、紙に印刷されて紙の状態で記録を保存することもできる。この場合も紙に記録する日時が印字されると、後でさかのぼってその時の排泄物の状況を確認することができるので便利である。
【0050】
以上のように記録手段40を利用することによって、例えば以前に下痢を起こしたことのある使用者がそれがいつのことであったかを後日確認したり、便秘がちの使用者が前回便通があったのがいつであったかを確認することなどができる。
【0051】
記録手段40よって撮像画像が保存されると、ステップ10で使用者は手動で撮像停止スイッチ37を操作する。すると撮像が停止されると共に、これに連動して照明手段27が消灯し(ステップ11)、表示手段22の表示が消される(ステップ12)。
【0052】
そしてステップ13で使用者が洗浄操作手段25を操作すると、局部を洗浄することができる(ステップ14)。ビデ洗浄を行う場合はビデ洗浄開始スイッチ33を、そしておしり洗浄を行う場合はおしり洗浄開始スイッチ34を操作すると、局部洗浄手段15に収納されたそれぞれの洗浄用ノズルが伸長して、湯水を噴水し、局部の洗浄を行う。その後これらの洗浄動作を停止する際には、局部洗浄停止スイッチ35を操作することで洗浄動作は終了する。これによって使用者は快適に着衣して立ち上がった後(ステップ15)、トイレ室から退出することができる(ステップ16)。
【0053】
撮像手段21には、汚水や水滴がかからないように、あるいは汚物の臭いが撮像手段21に付かないようにするためのカバー24が備えられている。カバーは撮像手段21全体を覆っており、撮像するためのレンズを覆う部分は透明になっている。また撮像した画像を電子情報として送信するためのコードや撮像に必要な電力を供給するためのコードが必要な場合には、これらのコードはカバー24の一部から外に取り出せるが、ここには防水シールが施されている。また、照明手段27にもカバーを設けると、照明手段27に汚水や水滴などがかかって照明手段27を破損させたり、照明手段27に汚物の臭いが付くのを防ぐことができる。カバ―24は、撮像手段21や照明手段27から取り外しが可能な構成となっており、これによってカバー24自身の洗浄や、撮像手段21あるいは照明手段27の清掃やメンテナンスが容易に行える。
【0054】
便座13の回動を支持する便座支持体11と、便座13のいずれかもしくは両方には便座13の回動を制御するダンパー26を備えている。これにより便座13が上げられた状態から下ろされようとした際にその下降速度をコントロールすることが可能となり、便座13が急に回動下降して便器12に衝突し、その衝撃で便器12や便座13に取り付けられた撮像手段21が破損したり、あるいは取り付けられている便器12あるいは便座13から外れて落下したりするのを防止することができる。ダンパー26は、便座13や便座支持体11の他、便蓋14や便蓋14の回動を支持する部分にも備えられると、撮像手段21が便蓋14の開閉時の衝撃で破損をするのを防ぐこともできる。
【0055】
表示手段22はテレビモニタ−の他、液晶表示装置でも構わない。また、表示手段22を用いて地上波、衛星、ケーブルの各テレビを見ることもできる。
【0056】
撮像手段21が撮像を開始したり、停止したりするタイミングは、上記の例でのタイミングに限らず、使用者が撮像開始スイッチ36や撮像停止スイッチ37を押すと撮像の開始、停止が実施できるので、使用者の任意のタイミングで行える。排泄物43の画像を撮像並びに表示させたくない場合は、トイレに入室してから退室する間、撮像操作手段24を何も操作しなければ良い。
【0057】
撮像手段21は、便座13の便器12側に面する位置に取り付けられる例の他、局部洗浄手段15の下側や局部洗浄手段15の下面、それに便器12側壁やトイレの壁など便器12内部を撮像可能な位置ならばどこに取り付けても構わない。撮像手段21が便座13以外の場所に取り付けられる場合には、便座13の回動状況に関係なく撮像ができる。
【0058】
なお、撮像手段21や表示手段22を動作させなくても照明手段27を点灯させるだけで、使用者が多少姿勢を変える必要はあるが、便器12内が明るくなって見やすくなるために、従来よりは排泄物43を確認しやすくなる。
【0059】
また、撮像した画像データからデータ処理を行って、健康に関する情報を得るのに利用することもできる。
【0060】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における排泄物確認装置について、撮像手段21が撮像を開始してから停止するまで、あるいは表示手段22が表示を開始してから表示を停止するまでの一連の様子を示すフローチャートの例である。実施の形態1と同様の部分は省略するとし、異なる部分のみ説明する。
【0061】
ステップ1で使用者がトイレに入室すると、ステップ2で人体検知手段20が使用者のトイレへの入室やあるいは使用者が便器12や便座13に近づいたことを検出する。そしてこれと同時に撮像手段21が自動で撮像を開始すると共に(ステップ3)、ステップ4で撮像された画像を表示手段22が表示し、さらにステップ5で照明手段23が光って便器12内部を照らす。そしてステップ6で使用者が便座13に着座し大便、または小便の用を足すと(ステップ7)、排泄物43は便器12内に落下する。この様子は撮像手段21によって撮像されて表示手段22で表示される。ここで、使用者は撮像操作手段24を操作して、ズーム調整、撮像方向調整を手動で行い(ステップ8)、また、ピントが自動で調整され、排泄物43の最適な画像が表示でき、これを保存する必要がある場合には、ステップ10で識別手段42を利用しつつ、ステップ9で記録手段40により画像を保存することができる。
【0062】
その後ステップ11で使用者は局部洗浄手段15を利用したのち、着衣し、やがて退室する(ステップ12)。撮像手段21、表示手段22、照明手段23はステップ13で人体検知手段20が使用者の退室を検知するとそれぞれ自動で撮像、表示、点灯を停止する(ステップ14、15、16)。これにより、わざわざ表示手段22に表示中の画像の表示を終了させる操作をしなくても自動で表示が終了されるため、大変便利である。また、自分の排泄物43の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られて恥ずかしい思いをするという心配もなく、あるいは他人が消し忘れた排泄物43の表示画像を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく、安心である。また、使用者が退室直前に水洗便器などで便器12に水を流した後に便器12がきれいに洗い流せているかどうかを表示手段22で簡単に確認することもできる。
【0063】
なお、撮像手段21、表示手段22、照明手段23の撮像、表示、点灯の開始および停止のタイミングはそれぞれに同時であってもあるいは時間的に差があっても問題はない。
【0064】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3における排泄物確認装置について、撮像手段21が撮像を開始してから停止するまで、あるいは表示手段22が表示を開始してから表示を停止するまでの一連の様子を示すフローチャートの例である。実施の形態1、2と同様の部分は省略するとし、異なる部分のみ説明する。
【0065】
ステップ1で使用者がトイレに入室しステップ2で便座13に着座すると、着座検知手段19が使用者の着座を検知する(ステップ3)。これと同時に、ステップ4で撮像手段21が自動で撮像を開始すると共に、ステップ5で表示手段22が撮像された画像を表示し、さらにステップ6で照明手段23が光って便器12内部を照らす。そしてステップ7使用者が大便、または小便の用を足すと、排泄物は便器12内に落下する。この様子は撮像手段21によって撮像されて表示手段22で表示される。ここで、使用者は撮像操作手段24を操作して、ズーム調整、撮像方向調整を手動で行い(ステップ8)、また、ピントが自動で調整され、排泄物43の最適な画像が表示でき、これを保存する必要がある場合には、ステップ10で識別手段42を利用しつつ、ステップ9で記録手段40により保存することができる。
【0066】
その後、ステップ11で使用者は局部洗浄手段15を利用したのち、ステップ12で便座13から立ち上がって着衣し、やがて退室する(ステップ17)。ここで、使用者が便座13から立ち上がると、着座検知手段19がこれを検知し(ステップ13)、同時に撮像手段21、表示手段22、照明手段23は人体検知手段20がそれぞれ自動で撮像、表示、点灯を停止する(ステップ14、15、16)。これにより、使用者がわざわざ表示手段22に表示中の画像の表示を終了させる操作をしなくても自動で表示が終了されるため、大変便利である。また、自分の排泄物43の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られて恥ずかしい思いをするという心配がなく、あるいは他人の排泄物43を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく安心である。また、便座13から立ち上がるとすぐに表示を終了させることができるので必要以上に表示が実施されず電気代の無駄をなくすことができる。
【0067】
また、図9に示すようにステップ12で使用者が便座13から立ち上がった後、一定時間後に撮像手段21、表示手段22、照明手段23がそれぞれ自動で停止することもできる(ステップ14、15、16)。これにより、排便後の使用者が、便座から立ち上がった後も、水洗便器などで便器12に水を流している間など所定時間は表示手段22に表示される画像を確認することができる。
【0068】
ここで上記の例とは異なり、記録手段40の記録動作も使用者の立ち上がり時に撮像手段21、表示手段22、照明手段23がそれぞれ自動で停止するのと同様に、使用者が便座13から立ち上がる時、あるいは使用者が便座13から立ち上がった所定時間後に、記録手段40が自動で画像を保存することも可能である。
【0069】
なお着座検知手段19は、便座13に取り付けられて機能する場合以外に、便座支持体11に取り付けられる場合もある。
【0070】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4における排泄物確認装置について、撮像手段21が撮像を開始してから停止するまで、あるいは表示手段22が表示を開始してから表示を停止するまでの一連の様子を示すフローチャートの例である。実施の形態1〜3と同様の部分は省略するとし、異なる部分のみ説明する。
【0071】
ステップで使用者がトイレに入室しステップ2で便座13に着座すると、ステップ3で着座検知手段19が使用者の着座を検知する。これと同時に、ステップ4で撮像手段21が自動で撮像を開始すると共に、ステップ5で表示手段22が撮像された画像を表示し、さらにステップ6で照明手段23が光って便器12内部を照らす。そして、ステップ7で使用者が大便、または小便の用を足すと、排泄物は便器12内に落下する。この様子は撮像手段21によって撮像されて表示手段22で表示される。ここで、使用者は撮像操作手段24を操作して、ズーム調整、撮像方向調整を手動で行い(ステップ8)、また、ピントが自動で調整され、排泄物43の最適な画像が表示でき、これを保存する必要がある場合には、ステップ10で識別手段42を利用しつつ、ステップ9で記録手段40により保存することができる。
【0072】
その後、ステップ11で使用者は局部洗浄手段15を利用したのち、便座13から立ち上がって着衣し、やがて退室する。ここで、使用者が局部洗浄手段15を利用すべく洗浄操作手段25を操作すると、同時に撮像手段21、表示手段22、照明手段23は人体検知手段20がそれぞれ自動で撮像、表示、点灯を停止する(ステップ12、13、14)。これにより、使用者がわざわざ表示手段に表示中の画像の表示を終了させる操作をしなくても自動で表示が終了されるため、大変便利である。また、自分の排泄物の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られると言う心配がなく、あるいは他人の排泄物を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく安心である。また、洗浄操作手段25を操作するとすぐに表示を終了させることができるので必要以上に表示が実施されず電気代の無駄をなくすことができる。なお上記の例とは異なり、記録手段40の記録動作も洗浄操作手段25を操作時に撮像手段21、表示手段22、照明手段23が自動で停止するのと同様に、使用者が洗浄操作手段25を操作した時に記録手段40が自動で画像を保存することも可能である。
【0073】
(実施の形態5)
図11は、本発明の実施の形態5における排泄物確認装置について、撮像手段21が撮像を開始してから停止するまで、あるいは表示手段22が表示を開始してから表示を停止するまでの一連の様子を示すフローチャートの例である。実施の形態1〜4と同様の部分は省略するとし、異なる部分のみ説明する。
【0074】
ステップ1で使用者がトイレに入室しステップ2で便座13に着座すると、ステップ3着座検知手段19が使用者の着座を検知する。これと同時に、ステップ4で撮像手段21が自動で撮像を開始すると共に、ステップ5で表示手段22が撮像された画像を表示し、さらにステップ6で照明手段23が光って便器12内部を照らす。そして、ステップ7で使用者が大便、または小便の用を足すと、排泄物は便器12内に落下する。この様子は撮像手段21によって撮像されて表示手段22で表示される。その後、使用者は撮像操作手段24を操作して、ズーム調整、撮像方向調整を手動で行い(ステップ8)、また、ピントが自動で調整され、排泄物43の最適な画像が表示でき、これを保存する必要がある場合には、ステップ10で識別手段42を利用しつつ、ステップ9で記録手段40により保存することができる。ここで、撮像手段21、表示手段22、および照明手段23は、この記録手段40が画像保存動作を実施するのと同時にそれぞれ自動で撮像、表示、点灯を停止する(ステップ11、12、13)。これにより、使用者がわざわざ表示手段に表示中の画像の表示を終了させる操作をしなくても自動で表示が終了されるため、大変便利である。また、自分の排泄物の画像を誤って消し忘れたため、他人にその画像を見られると言う心配がなく、あるいは他人の排泄物を目にしてしまい不快な思いをする心配もなく安心である。また、記録手段40を操作するとすぐに表示を終了させることができるので必要以上に表示が実施されず電気代の無駄をなくすことができる。
【0075】
その後、使用者は局部洗浄手段15を利用したのち、便座13から立ち上がって着衣し、やがて退室する。
【産業上の利用可能性】
【0076】
以上のように、本発明にかかる排泄物確認装置およびこれを備えた衛生洗浄装置は、使用者が用を足した後の大便や小便などの排泄物を、わざわざ姿勢を変えて便器内を覗き込まなくても、楽に、また簡単にその排泄物の大きさ、色、硬さの様子などが確認できる上、構成も大がかりなものではなく簡単な構成で実現できるので、使用者の自主健康管理としての用途の他、健康状態の検査や、病院用便器(便座)として、あるいは高齢者、障害者用の便器(便座)などの用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施の形態1における排泄物確認装置の撮像手段を便座に表示手段をトイレ室に取り付けた状態を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における排泄物確認装置の撮像手段を便座に取り付けた状態を示す便器および便座断面図
【図3】同撮像手段の部分拡大図
【図4】本発明の実施の形態1における排泄物確認装置の表示手段と洗浄操作手段と撮像手段を備えたリモコンの拡大図
【図5】本発明の実施の形態1における排泄物確認装置の撮像手段で、ズーム調整、ピント調整を実施した際に表示手段が被写体を表示する様子を示す模式図
【図6】本発明の実施の形態1における排泄物確認装置の表示手段の表示開始および終了のタイミングを示すフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2における排泄物確認装置の表示手段の表示開始および終了のタイミングを示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態3における排泄物確認装置の表示手段の表示開始および終了のタイミングを示すフローチャート
【図9】同フローチャートの他の例を示す図
【図10】本発明の実施の形態4における排泄物確認装置の表示手段の表示開始および終了のタイミングを示すフローチャート
【図11】本発明の実施の形態5における排泄物確認装置の表示手段の表示開始および終了のタイミングを示すフローチャート
【符号の説明】
【0078】
11 便座支持体
12 便器
13 便座
15 局部洗浄手段
19 着座検知手段
20 人体検知手段
21 撮像手段
22 表示手段
24 撮像操作手段
25 洗浄操作手段
26 ダンパー
27 照明手段
28 方向変更手段
29 カバー
40 記録手段
41 再表示手段
42 識別手段
43 排泄物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器内の排泄物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により撮像された画像を表示する表示手段を備え、前記表示手段を使用者が着座姿勢のまま視認可能な位置に備えたことを特徴とする排泄物確認装置。
【請求項2】
撮像手段は、便器または便座のいずれかに備えられた請求項1記載の排泄物確認装置。
【請求項3】
便座の回動を支持する便座支持体と便座のいずれかもしくは両方に、便座の回動を制御するダンパーを備えた請求項2に記載の排泄物確認装置。
【請求項4】
撮像時に排泄物を照らす照明手段を備えた請求項1〜3のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項5】
撮像手段と照明手段の両方もしくはどちらか一方にカバーを備えた請求項1〜4のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項6】
撮像手段により撮像された画像を表示手段に無線で伝達する請求項1〜5のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項7】
撮像手段は、撮像する向きを変える方向変更手段を備えた請求項1〜6のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項8】
撮像手段は、被写体にピントを合わせる機能と、ズーム調整する機能のいずれかもしくは両方を備えた請求項1〜7のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項9】
表示手段は、撮像手段の操作を行う撮像操作手段を備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項10】
トイレに入室した人あるいは便座に近づいた人を検知する人体検知手段を備え、前記人体検知手段が人体を検知すると表示手段が画像の表示を開始する請求項1〜9記載の排泄物確認装置。
【請求項11】
トイレに入室した人あるいは便座に近づいた人を検知する人体検知手段を備え、表示手段が画像を表示中に前記人体検知手段が人体を検知しなくなると、前記表示手段が画像の表示を終了する請求項1〜10のいずれか1項記載の排泄物確認装置。
【請求項12】
便座に人が着座したことを検知する着座検知手段を備え、前記着座検知手段が人の着座を検知すると表示手段が画像の表示を開始する請求項1〜11のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項13】
便座に人が着座したことを検知する着座検知手段を備え、表示手段が画像を表示中に前記着座検知手段が人体の立ち上がりを検知すると、前記表示手段が画像の表示を終了する請求項1〜12のいずれか1項記載の排泄物確認装置。
【請求項14】
便座に人が着座したことを検知する着座検知手段を備え、表示手段が画像を表示中に前記着座検知手段が人体の立ち上がりを検知すると表示手段はその所定時間後に画像の表示を終了する請求項1〜12のいずれか1項記載の衛生洗浄装置。
【請求項15】
撮像した画像を記録する記録手段を備えた請求項1〜14のいずれか1項に記載の排泄物確認装置。
【請求項16】
記録した画像を再び表示する再表示手段を備えた請求項15に記載の排泄物確認装置。
【請求項17】
記録手段は、複数の使用者を識別する識別手段を備え、前記識別手段により識別される使用者ごとに撮像画像の記録または再表示を行う請求項16記載の排泄物確認装置。
【請求項18】
請求項1〜17に記載の排泄物確認装置と局部洗浄手段を備えた衛生洗浄装置。
【請求項19】
局部洗浄手段を遠隔操作する洗浄操作手段を備え、前記洗浄操作手段は表示手段を備えた
請求項18記載の衛生洗浄装置。
【請求項20】
局部洗浄手段の操作にともなって、表示手段が画像の表示を終了する請求項18または19に記載の衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−61296(P2006−61296A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245559(P2004−245559)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】