説明

排紙装置、及びこれを備えた画像形成システム

【課題】排紙トレイが昇降不可能な箇所や、排紙を終えた後でも、用紙後端残りに起因する用紙満杯誤検知による生産性低下を防ぐ。
【解決手段】プルーフトレイ1のエンドフェンス面16にはプルーフトレイ1に載せた用紙Pの満杯状態を検出するプルーフトレイ満杯センサ15を備える。用紙満杯検知時に、エンドフェンス面16近傍に備えた用紙掻き落とし手段20を作動させ、排紙ローラ17から排出された用紙Pの後端がエンドフェンス面16に引っ掛かっていれば(いわゆる用紙後端残り)、その用紙Pをプルーフトレイ1へ掻き落とす。これにより、実際に満杯なのか、用紙後端残りで満杯と誤検知したのかどうかを検出する。そして、用紙後端残りに起因する用紙満杯誤検知による生産性低下を抑制し、また用紙掻き落とし手段20の駆動による用紙汚れや消費電力アップを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置と組み合わせて用いる排紙装置と、少なくともこの排紙装置を画像形成装置と組み合せて構成する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置から搬送される用紙を受け入れ、排紙を行う排紙装置においては、排紙トレイへ用紙を排紙する際に、用紙後端がエンドフェンス面(用紙積載部の壁面部)に引っ掛かること(以下、本明細書において用紙後端残りと称する)で、用紙詰まり、用紙満杯誤検知による生産性低下等の不具合が発生しやすい。そこで、このような不具合が生じないように、用紙後端の引っ掛かりを抑制する技術が種々提案されている。
【0003】
特許文献1には、用紙後端が用紙後処理装置の排紙口に引っ掛からないようにするという目的で、排紙トレイに積載された用紙が所定枚数に達した場合に排紙トレイの昇降動作を行い、それによって、用紙後端残りを軽減する手段が開示されている。ただし、排紙トレイが昇降可能な箇所以外では実施が難しいと考えられる。
【0004】
特許文献2、特許文献3には、排紙トレイに用紙を掻き落とす(叩き落とす)という目的で、排紙口に具備した叩き落とし部材や戻しコロにより、用紙を掻き落とすための手段が開示されている。しかし、排紙中にのみ実施可能で、排紙を終えた後は実施が難しいと考えられる。
【0005】
特許文献4には、用紙排紙時に発生する用紙詰まりの低減や、用紙積載精度を向上するという目的で、排紙ローラ対の同軸上、あるいは位相をずらした位置に具備した叩き落とし部材により、用紙を掻き落とすための手段が開示されている。しかし、常時駆動を行うので、用紙を汚したり、負荷の増加により消費電力がアップするという懸念がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、排紙トレイが昇降不可能な箇所や、排紙を終えた後においても、用紙後端残りに起因する用紙満杯誤検知による生産性低下を防ぐことができ、また、常時駆動による用紙汚れの防止や消費電力アップの抑制も図り得るようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の排紙装置は、用紙を搬送する搬送手段と、用紙を排紙する排紙手段と、排紙された用紙を積載する積載手段と、積載手段上の用紙満杯を検出する用紙満杯検出手段とを具備し、画像形成装置側から搬送される用紙を受け入れ、受け入れた用紙に所定の処理を施して排紙する排紙装置において、前記積載手段の壁面のうち用紙後端あるいは先端が接するエンドフェンス面に引っ掛かった用紙を前記積載手段へ掻き落とすための用紙掻き落とし手段を、前記排紙手段の下方に具備し、該用紙掻き落とし手段を、前記エンドフェンス面の外側方向と内側方向とに移動可能としてなる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、排紙トレイが昇降不可能な箇所や、排紙を終えた後においても、用紙後端残りに起因する用紙満杯誤検知による生産性低下を防ぐことができ、かつ、用紙汚れ防止や消費電力アップの抑制も可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】排紙装置の全体構成について説明するための正面図
【図2】用紙掻き落とし手段の構成例を示す左上面図
【図3】図2に示した用紙掻き落とし手段の構成を示す正面図
【図4】用紙掻き落とし手段の他の構成例を示す左上面図
【図5】用紙掻き落とし手段のまた他の構成例を示す左上面図
【図6】用紙掻き落としローラ21の左側面図((A)〜(D))、用紙掻き落としローラ21の正面図((E)〜(G))
【図7】本発明の実施形態の動作説明のための排紙装置の左上面図(A)と同じく正面図(B)
【図8】同左上面図(A)、正面図(B)、(C)
【図9】同正面図
【図10】動作説明のためのフロー図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る排紙装置では、用紙を搬送する搬送手段、用紙を排紙する排紙手段、排紙された用紙を積載する積載手段、積載手段上の用紙満杯を検出する用紙満杯検出手段とを具備し、画像形成装置側から搬送されてくる用紙を受け入れ、排紙する。積載手段のエンドフェンス面に引っ掛かった用紙を積載手段へ掻き落とすための用紙掻き落とし手段を、排紙手段の下方に具備する。また用紙掻き落とし手段は、積載手段のエンドフェンス面に対し、横方向(外側と内側方向)に移動可能である。積載手段のエンドフェンス面に引っ掛かった用紙を積載手段へ掻き落とすための用紙掻き落とし手段を、排紙手段の下方に具備することで、用紙後端(積載手段の構成によっては、用紙としての先端ともなり得るが、本明細書では、用紙の後端とは排出方向での後端であることを意味し、用紙としての先後端のいずれであるかは問わない)がエンドフェンスに引っ掛かった場合も用紙を掻き落とすことが可能になることから、用紙満杯誤検知による画像形成装置の不必要な停止(生産性低下)を抑制可能となる。また、用紙掻き落とし手段が動作中はエンドフェンスの外側に飛び出させて用紙に当接し、動作中以外はエンドフェンス面の内側に収納することで、排紙中用紙や積載済み用紙へのダメージを抑制することが可能となる。さらに、用紙満杯検出時にのみ用紙掻き落とし手段によりエンドフェンス面に引っ掛かった用紙を排紙トレイに掻き落とすことで、用紙後端残りに起因する用紙満杯誤検知による生産性低下や、消費電力アップを抑制することが可能となる。また用紙掻き落とし手段はエンドフェンス面に対し横方向に移動可能なので、用紙満杯検出時にのみ用紙と当接させることにより、用紙汚れを抑制することを可能とする。
【0011】
また本発明の実施形態に係る排紙装置では、用紙掻き落とし手段の用紙当接部には、1つ以上の回動可能なローラ、あるいはベルトを具備し、その表面には1つ以上の突起部を備える。このことで、突起部で用紙後端を引っ掛けて、積載手段の積載面に用紙を掻き落とすことが可能となる。突起部の材質はゴム等の軟性の素材のものとし、形状は棒状、板状あるいは湾曲形状とすることで、用紙を引っ掛けた際の用紙へのダメージを低減し、用紙の特性に適した形状にすることで、用紙後端を効率良く引っ掛けることを可能とする。
【0012】
前記用紙掻き落とし手段は、用紙満杯検知後に駆動開始し、用紙満杯非検知となるまで、あるいは所定のまたは任意の設定時間が経過するまで駆動を継続する。用紙掻き落とし手段の駆動時間を用紙の特性に応じて適正にすることで、用紙汚れや消費電力アップを抑制しつつ、用紙を確実に掻き落とすことが可能となる。また用紙掻き落とし手段のローラあるいはベルトの駆動を、専用の駆動手段、あるいは連結切替手段を介した他機器との兼用の駆動手段で行い、それらの駆動手段の設定電流を切替可能する。ローラあるいはベルトの駆動手段を別に専用に設けるか、あるいは電磁クラッチ等の手段を介して他機器との兼用の駆動手段を使用可能とし、これを切り替え可能とすることで、ローラあるいはベルトの駆動による負荷の増加に起因する設定電流のアップを防ぎ、消費電力アップも抑制することを可能とする。
【0013】
また前記用紙掻き落とし手段が設定時間にわたって駆動された後も用紙満杯が検知されたままの場合、画像形成装置側に用紙満杯信号を送信し、その後、画像形成装置側からの指示にしたがってローラあるいはベルトの駆動停止あるいは排紙手段による排紙先の変更を実行する。用紙掻き落とし手段を駆動しても用紙満杯のままであった場合は、画像形成中の用紙以降は搬送停止して紙詰まりを抑制する。また別の排紙口がある場合には、排紙先を切り替えることで、生産性の低下を抑制可能とする。
【0014】
本発明に前記実施形態に係る排紙装置を備えた画像形成システムにおいては、用紙満杯誤検知により生産性が低下することを抑制可能となる。
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、参考のために、排紙装置の全体構成について説明するための正面図である。この図1に示すように、排紙装置は右側面に設置される図示しない画像形成装置から搬送される用紙Pを矢印の方向から受け入れる。
【0017】
用紙Pにスティプル処理を施す場合、スティプルトレイ分岐爪6を図示しないソレノイドなどの駆動機器により回動させ、搬送路を下方に切り替えてスティプルトレイ3に用紙Pを所定枚数スタックした後、端綴じスティプラ10、あるいは中綴じスティプラ11にてスティプル処理を施す。そしてスティプル処理後、端綴じスティプル時は用紙Pの束を図示しない放出爪によりシフトトレイ2へ放出する。中綴じスティプイル時は折り処理部に用紙Pの束を搬送し、折りプレート8、折りローラ対9にて用紙Pの束に折り処理を施し、その後、中綴じ排紙トレイ4に排紙する。
【0018】
用紙Pにシフト処理を施す場合、搬送路は切り替えずにそのまま水平搬送し、前後方向に移動可能な中間搬送ローラ12にてシフト処理を施した後、シフトトレイ2に用紙Pを排紙する。なお、シフトトレイ2は図示しないモータにより昇降可能となっている。
【0019】
用紙Pをプルーフトレイ1に排紙する場合、プルーフトレイ切替爪5を図示しないソレノイドなどの駆動機器により回動させ、搬送路を上方に切り替えてプルーフトレイ1に用紙Pを排紙する。プルーフトレイ切替爪5の上流側の搬送路には、穿孔処理を施すパンチユニット7と用紙Pの位置を検出する入口センサ13を備えている。またプルーフトレイ1への排紙口手前の搬送路には、用紙Pを排紙する排紙ローラ17と、用紙Pの位置を検出するプルーフトレイ排紙センサ14を備え、プルーフトレイ1のエンドフェンス面16にはプルーフトレイ1に載せた用紙Pの満杯状態を検出するプルーフトレイ満杯センサ15を備える。
【0020】
図2〜図5は、用紙掻き落とし手段の構成について説明するための図であり、図2、4、5は、用紙掻き落とし手段20の構成を示す左上面図、図3は用紙掻き落とし手段20の構成を示す正面図である。
【0021】
すなわち本実施形態では、図2、図3に示すように、排紙装置の後側板に用紙掻き落とし手段20を備えている。用紙掻き落としローラ21を回転させる駆動源は排紙モータ18で切替クラッチ19を介して接続されている。そして、排紙モータ18及び切替クラッチ19駆動時のみ、用紙掻き落としローラ21は回転可能となっている。なお、排紙モータ18の駆動電流は、切替クラッチ19の非駆動時の値に対し、駆動時の値を高くするよう切替可能なものとする。これは、排紙モータ18のモータ軸に掛かる負荷は、切替クラッチ19非駆動時に対し、駆動時の法が用紙掻き落とし手段20の負荷分高くなることから、駆動電流値を高くする必要があるためである。
【0022】
用紙掻き落としローラ21を待機位置とエンドフェンス面16間で揺動させる駆動源は、用紙掻き落とし揺動ソレノイド22で、OFF時は用紙掻き落としローラ21を待機位置に移動し、ON時はエンドフェンス面16の位置(用紙掻き落とし位置)に移動可能としてある。エンドフェンス面16には、用紙掻き落としローラ21を突出させるための開口部が設けてある。
【0023】
また、図2〜図5の構成、及び後述する図6〜図9の構成を具備する排紙装置の図中右側面には画像形成装置が接続されて画像形成システムを構成する。
【0024】
図2の構成の変形例を図4に示す。図4の構成では、用紙掻き落としローラ21の駆動源として用紙掻き落としローラ駆動モータ25を備えている。図2の例に比べ、駆動源を別にすることで、用紙掻き落としローラ21の回転速度を任意に設定可能となり、用紙(種類や厚みやサイズ)に応じた速度にすることで用紙掻き落とし効果が増すようになっている。
【0025】
また、用紙掻き落とし手段20の駆動源として、用紙掻き落とし揺動モータ23と用紙掻き落とし揺動モータHP(ホームポジション)センサ24を備えている。用紙掻き落とし揺動モータHPセンサ24は、用紙掻き落とし手段20が待機位置にある時、用紙掻き落とし手段20内のガイド部材に設けた遮蔽部を検出する位置に設けてある。この位置を基準にして、用紙掻き落とし揺動モータ23を所定時間駆動することで、用紙掻き落とし手段20の揺動角度を所定の角度に設定可能である。
【0026】
また図2の例に比べ、駆動源を用紙掻き落とし揺動ソレノイド22から用紙掻き落とし揺動モータ23に変更することで、用紙掻き落としローラ21の突起部のエンドフェンス面16からの飛び出し量(用紙掻き落とし手段20の揺動角度)が任意に設定可能となる。そして、用紙(種類や厚みやサイズ)に応じた飛び出し量にすることで用紙掻き落とし効果が増す。
【0027】
図2の構成の他の変形例を図5に示す。図5の構成では、用紙掻き落としローラ21を2個配置している。エンドフェンス面16の開口部はそれに合わせ、2個設けている。図2の例に比べ、用紙の後端残りの高さが前後位置で異なる場合に、用紙掻き落とし効果が増す。
【0028】
なお以上の説明では、プルーフトレイ1への排紙時について説明を行っているが、シフトトレイ2や画像形成装置の胴内排紙トレイ等、その他の積載手段においても同様である。また、図示の例では用紙掻き落としローラ21が突出するエンドフェンス面16に開口部を設けているが、髪の毛や指等が入る面積の開口部であり、且つ危険となる駆動部に接触する可能性がある場合は、開口部を覆う可動の遮蔽部材を備えてもよい。
【0029】
図6、図7は、用紙掻き落とし手段のローラの構成について説明するための図である。図6(A)〜(D)は用紙掻き落としローラ21の左側面図、図6(E)〜(G)は用紙掻き落としローラ21の正面図である。
【0030】
図6に示すように、用紙掻き落とし手段20を構成する円筒状の用紙掻き落としローラ21には、用紙Pの後端と当接した際に用紙Pを掻き落とすための突起部を1個以上備えている。突起部の例を以下に説明する。
【0031】
図6(A)の例では1本の突起部21aを備えている。また図6(B)、図6(E)の例では1列に複数の突起部21aを備え、図6(A)の例に比べて用紙への当接回数を増やし、用紙掻き落とし効果が増すようにしてある。図6(C)の例では、図6(B)の例に比べ、2列に複数の突起部21aを備えていることが異なっている。
【0032】
また図6(D)の例では、図6(B)の例に比べ、幅の広い突起部21bを具備している。
【0033】
図6(F)の例では、ローラ21を2個設け、それらローラ21間に突起部21cを設けたベルト26を掛け回して備えている。この構成では、図6(B)の構成に比べ、用紙Pへの当接面積が増し、用紙掻き落とし効果が増す。
【0034】
図6(G)の構成では、湾曲形状にした突起部21dを複数備えている。この構成では、図6(B)の構成に比べ、用紙Pへの当接強度が増し、用紙掻き落とし効果が増す。
【0035】
なお、図示した突起部の図面上の各々の長さ、角度は均等であるが、各々異なっていてもよい。また突起部の材質としてはゴム等の弾性体、特に軟らか目のものが好ましい。軟らかな弾性体とすることで用紙Pへの当接時のダメージを低減させる効果が増す。
【0036】
図7〜図10は、本発明の実施形態における用紙掻き落とし手段の動作について説明するための図である。図7(A)、図8(A)は動作説明に用いるための排紙装置の左上面図、図7(B)、図8(B)、図9は同じく正面図、図10は動作説明に用いるフロー図である。なお、以下の説明では、α[ms]は、用紙Pの後端がプルーフトレイ排紙センサ14を抜けてからプルーフトレイ1にスタックされるまでの時間に適宜のあるいは所要の余裕時間を加えた時間で設定されている時間とする。初期値に対し、用紙Pの種類や厚みやサイズに応じて自動設定可能とし、あるいは画像形成装置側において任意に設定可能としてもよい。また、β[ms] は、用紙掻き落としローラ21への用紙Pの後端の引っ掛かりが解消され、正常にプルーフトレイ1にスタックされる時間に適宜のあるいは所要の余裕時間を加えた時間で設定される時間とする。これも、初期値に対し、用紙Pの種類や厚みやサイズに応じて自動設定可能とし、あるいは画像形成装置側において任意に設定可能とすることができる。
【0037】
本実施形態では、画像形成装置から排紙された用紙Pを排紙装置が受入れ、排紙ローラ17にてプルーフトレイ1に排紙するが、用紙Pの後端がプルーフトレイ排紙センサ14を抜けてから(オフしてから)、時間α[ms]が経過した後(ステップS100)、プルーフトレイ満杯センサ15の検出状態を確認する(ステップS101)。尚、ここで排紙ローラ17は駆動中である。
【0038】
ステップS101で、プルーフトレイ満杯センサ15が非検出(OFF)の場合はそのまま排紙を継続し、検知(ON)した場合は、図7(B)から図8(B)(図7(A)から図8(A))の状態となるように、先ず用紙掻き落とし揺動ソレノイド22を駆動し、用紙掻き落とし手段20を待機位置から所定位置に移動させ(これにより所定時間が経過する)た後、切替クラッチ19を駆動する。これにより用紙掻き落としローラ21を回転させ、排紙ローラ17に後端が引っ掛かっていた用紙Pをプルーフトレイ1に掻き落とす(ステップS102)。
【0039】
そして、用紙掻き落としローラ21を回転させてから時間β[ms]が経過する前に、プルーフトレイ満杯センサ15が非検出(OFF)となった場合(ステップS103)は、切替クラッチ19を駆動停止とすることで用紙掻き落としローラ21の回転を停止させ、次に用紙掻き落とし揺動ソレノイド22を駆動停止とし、用紙掻き落とし手段20を所定位置から待機位置に移動させ、排紙を継続する(ステップS106、図8(C)参照)。
【0040】
用紙掻き落としローラ21を回転させてから時間β[ms]が経過する前にプルーフトレイ満杯センサ15が非検出(OFF)とならなかった場合(ステップS104)は、画像形成装置側へ用紙満杯信号を送信(ステップS105)した後、切替クラッチ19を駆動停止とすることで用紙掻き落としローラ21の回転を停止させ、次に用紙掻き落とし揺動ソレノイド22を駆動停止とし、用紙掻き落とし手段20を所定位置から待機位置に移動させ、排紙を継続する(ステップS106)。その後、画像形成装置から停止信号を受信した場合は排紙を停止する。シフトトレイ2への排紙先切替信号を受信した場合は、プルーフトレイ切替爪5の駆動を停止し、シフトトレイ2への排紙を継続する。
【0041】
なお上述した実施形態では、用紙掻き落とし手段20の移動方法を揺動運動としているが、図9の例のように直線運動としてもよい。直線運動の場合は移動範囲が狭くなることから揺動運動の場合と比較して省スペース化が図れる。
【0042】
また本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【符号の説明】
【0043】
1:プルーフトレイ
2:シフトトレイ
3:スティプルトレイ
4:排紙トレイ
5:プルーフトレイ切替爪
6:スティプルトレイ分岐爪
7:パンチユニット
8:プレート
10:スティプラ
11:スティプラ
12:中間搬送ローラ
13:入口センサ
14:プルーフトレイ排紙センサ
15:プルーフトレイ満杯センサ
16:エンドフェンス面
17:排紙ローラ
18:排紙モータ
19:切替クラッチ
20:手段
21:ローラ
21a:突起部
21b:突起部
21c:突起部
21d:突起部
22:揺動ソレノイド
23:揺動モータ
24:揺動モータHPセンサ
25:ローラ駆動モータ
26:ベルト
HP:揺動モータ
P:用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0044】
【特許文献1】特開2007−204232号公報
【特許文献2】特願平5 −196307号公報
【特許文献3】特開2002−167104号公報
【特許文献4】特開2006−327776号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を搬送する搬送手段と、用紙を排紙する排紙手段と、排紙された用紙を積載する積載手段と、積載手段上の用紙満杯を検出する用紙満杯検出手段とを具備し、画像形成装置側から搬送される用紙を受け入れ、受け入れた用紙に所定の処理を施して排紙する排紙装置において、
前記積載手段の壁面のうち用紙後端あるいは先端が接するエンドフェンス面に引っ掛かった用紙を前記積載手段へ掻き落とすための用紙掻き落とし手段を、前記排紙手段の下方に具備し、
該用紙掻き落とし手段を、前記エンドフェンス面の外側方向と内側方向とに移動可能としてなる、
ことを特徴とする排紙装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排紙装置において、
前記用紙掻き落とし手段が用紙と当接する部位に、1つ以上の回動可能なローラを具備し、
該ローラの表面に、1つ以上の突起部を備えた、
ことを特徴とする排紙装置。
【請求項3】
請求項1に記載の排紙装置において、
前記用紙掻き落とし手段が用紙と当接する部位に、1つ以上の回動可能なベルトを具備し、
該ベルトの表面に、1つ以上の突起部を備えた、
ことを特徴とする排紙装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の排紙装置において、
前記ローラまたはベルトの駆動手段として、専用の駆動手段あるいは連結切替手段を介して接続する他の被駆動機器と兼用の駆動手段を用い、これら駆動手段の設定電流を切替可能としてなることを特徴とする排紙装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の排紙装置において、
前記突起部が、棒状、板状、あるいは湾曲形状を有するゴム等の軟らかな素材からなるものであることを特徴とする排紙装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の排紙装置において、
前記用紙掻き落とし手段を前記用紙満杯検出手段が用紙満杯を検知した後に駆動開始し、
前記用紙満杯検出手段が用紙満杯非検知となるまで、あるいは駆動開始後、所定のまたは任意の設定時間が経過するまで前記用紙掻き落とし手段を駆動を継続することを特徴とする排紙装置。
【請求項7】
請求項6に記載の排紙装置において、
前記用紙掻き落とし手段が前記設定時間にわたって駆動された後も、前記用紙満杯検出手段が用紙満杯を検知したままの場合、前記用紙満杯検出手段は、前記画像形成装置側に用紙満杯信号を送出し、前記画像形成装置側からの指示により前記前記用紙掻き落とし手段を停止させ、あるいは前記排紙手段により排紙先を変更することを特徴とする排紙装置。
【請求項8】
画像形成装置に、少なくとも請求項1から7のいずれかに記載の排紙装置を備えてなることを特徴とする画像形成システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−82536(P2013−82536A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223760(P2011−223760)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】