説明

探索可能なバックアップ方法及びシステム

バックアップ・データの探索の容易化が開示される。バックアップ・データの少なくとも一部に関連したデータが受信される。受信されたデータに少なくとも部分的に基づいて、バックアップ・データの探索可能なインデックスが生成される。探索可能なインデックスは、バックアップ・データを含むオブジェクトのバックアップ・データ内での位置を示すインデックスデータを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現在一般的に、特定のファイル、ディレクトリまたはその他のオブジェクトをバックアップ・データから復元するには、適切なバックアップ・ソース(例えば、所望のファイルを備えた特定のバックアップ・テープなど)を判断すること、バックアップ・ソースを使用して関連したデータ・セット(例えば、バックアップ・ソースに関連したバックアップ動作が実行されたときに存在したとおりの一組のプロダクション・データ)を復元すること、および復元されたデータ・セットに所望のファイルまたはその他のオブジェクトがあるかどうかを判断するために探索またはブラウジング(走査検索)を行うことが必要とされる。この検索を基本とするプロセスは、特に複数のバックアップ・ソースおよび/または2種類以上のバックアップ・ソースがあると、非効率的かつ時間のかかるものとなる可能性がある。そのため、バックアップ・データ・ソースからファイルを効率的に探索および復元することが必要とされている。
【0002】
以下の、発明を実施するための最良の形態および添付の図面で、本発明の種々の実施形態が開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0003】
本発明は、プロセス、装置、システム、合成物、コンピュータ読取り可能記憶媒体等のコンピュータ読取り可能媒体、もしくは光学的または電気的な通信回線上でプログラム命令を送信するコンピュータ・ネットワーク等を含めた多数の手段により実装可能である。本明細書では、これらの実装、または本発明がとり得るその他のいかなる形態について技術と称する。タスクを実行するように構成されたものとして記載されたプロセッサまたはメモリ等の構成要素は、所与の時間にそのタスクを実行するように一時的に構成された一般的な構成要素、またはそのタスクを実行するように製造された特定の構成要素の両方を含む。一般的に、開示された方法の処理の順序が本発明の範疇内で変えられることを許容する。
【0004】
以下では、本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細な説明が、本発明の原理を図示する添付の図面と共に提供される。本発明はこのような実施形態に関連して説明されるが、本発明はいかなる実施形態にも限定されない。本発明の範囲は特許請求の範囲のみによって限定され、本発明は、多数の代替物、変更、均等物を含む。本発明を十分に理解できるよう、多数の具体的な詳細が以下の説明において記述される。これらの詳細は例示目的で提供されるものであり、本発明は、これらの具体的な詳細の一部または全部を伴わずに、特許請求の範囲に従って実施され得る。明確化を図り、本発明が不必要に不明瞭化されないようにするため本発明に関係する技術分野で知られている技術上の構成要素については詳細に説明していない。
【0005】
バックアップ・データにアクセスしたり或いは初めからバックアップ・データを使用して関連のプロダクション・データの組を復元することなく、バックアップ・データの探索を可能にすることが開示される。一実施形態では、効率的な探索を目的とするためにバックアップ・データがインデックス付けされる。一実施形態では、インデックスを付けることは、関心のあるデータが一組のバックアップ・データにあるか、関心のあるデータが一組のバックアップ・データ内のどこに位置しているかを判断するために使用できるデータを生成することを含む。一実施形態では、複数組のバックアップ・データのインデックスが、各ファイルまたはその他オブジェクトについてバックアップ・データ内での関連データの位置を示す(例えば、関連したバックアップ・データの組およびその組内のオブジェクトの位置を特定する)バックアップ位置識別子と統合され、この識別子と共に格納される。一実施形態では、所望のファイルまたはその他のオブジェクトを見つけるために、バックアップ・データインデックスが探索される。一実施形態において、提供される探索結果には、インデックスで発見されたオブジェクトの各インスタンス用のバックアップ位置識別子を含む。識別子(単数または複数)を使用して、バックアップ・データ内で所望のデータを見つけたり復元したりすることができる。
【0006】
図1は、探索可能なバックアップ復元環境の実施形態を図示するブロック図である。プロダクション記憶装置102が、アプリケーション・ホスト/クライアント104に接続する。バックアップ媒体110は、バックアップ・サーバ108に接続する。インデックス記憶装置114は、インデックスおよび探索サーバ112に接続する。アプリケーション・ホスト/クライアント104、バックアップ・サーバ108、ならびにインデックスおよび探索サーバ112は、ネットワーク106によって接続する。任意の数のプロダクション記憶装置102、アプリケーション・ホスト/クライアント104、バックアップ・サーバ108、バックアップ媒体110、インデックスおよび探索サーバ112、およびインデックス記憶装置114を含む。プロダクション記憶装置102、バックアップ媒体110およびインデックス記憶装置114は、ハード・ドライブ、ファイル・システム分割、バックアップ・テープ、NAS(ネットワーク接続ストレージ:Network Attached Storage)、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク:Storage Area Network)、任意の光学および磁気の記憶媒体、および任意の固定の、取り外し可能な、またはネットワーク化された記憶装置などの記憶媒体である。
【0007】
一実施形態では、バックアップ媒体110は、プロダクション記憶装置102に復元されるバックアップ・データを含む。様々な代替の実施形態では、バックアップ媒体110は、ネットワーク106を介してバックアップ・サーバ108及び/又はアプリケーション・ホスト/クライアント104に接続され;アプリケーション・ホスト/クライアント104に含まれ及び/又は例えば直接接続またはストレージ・エリア・ネットワーク接続を介してアプリケーション・ホスト/クライアント104にローカルに接続され;バックアップ・サーバ108及び/又はアプリケーション・ホスト/クライアント104に関連した記憶ノードもしくはプロキシ・クライアントに含まれるかこれに接続されている。一実施形態では、バックアップ媒体110は、一組のバックアップ・データを含む1つまたは複数のオブジェクトそれぞれについて、一組のバックアップ・データ内でのオブジェクトの位置を示すデータなどの、バックアップ・サーバ108により実行されたりまたはその制御下もしくは監督下で実行された1つまたは複数のバックアップ動作に関連するデータを含む。
【0008】
示されている例では、アプリケーション・ホスト/クライアント104がアプリケーションをホストし、関連するアプリケーション・データをプロダクション記憶装置102に格納する。一実施形態では、プロダクション記憶装置102は、バックアップ媒体110にバックアップされるデータを格納する。一実施形態では、アプリケーション・ホスト/クライアント104は、バックアップ動作を少なくとも部分的に実行するよう構成されており、このバックアップ動作では、プロダクション記憶装置102に格納されているアプリケーション・データがバックアップされる。一実施形態では、アプリケーション・ホスト/クライアント104にインストールされたエージェントが、プロダクション記憶装置102に格納されたアプリケーション・データのバックアップを実行するか、またはその実行に関与する。プロダクション記憶装置102は、パーソナル・コンピュータに関連するハード・ドライブであってもよい。アプリケーション・ホスト/クライアント104は、パーソナル・コンピュータに関連したプロセッサを含んでもよい。アプリケーション・ホスト/クライアント104およびプロダクション記憶装置102は、パーソナル・コンピュータを含んでもよい。
【0009】
バックアップ・サーバ108は、バックアップ媒体110とネットワーク106に接続されたデバイスとの間の通信を容易にする。バックアップ・サーバ108は、バックアップの調整および圧縮などの処理を実行することができる。一実施形態では、バックアップ・サーバ108は、マサチューセッツ州ホプキントン(Hopkinton,MA)のEMC社(EMC Corporation)から入手可能なEMCレガート・ネットワーカー(EMC Legato NetWorker)のバックアップおよび復旧ソフトウェアを実行しているサーバである。一実施形態では、バックアップ・サーバ108は、1つまたは複数の記憶ノードを含み、直接もしくはネットワーク106を介して1つまたは複数の記憶ノードに接続される。この1つまたは複数の記憶ノードは、多重化/逆多重化バックアップ・ストリーム機能および/またはユニバーサル・プロキシ・クライアント(Universal Proxy Clients)を含み、このユニバーサル・プロキシ・クライアントは、アプリケーション・ホスト/クライアント104などのアプリケーション・サーバからの、バックアップやデータ移動などのようなタスクのオフロードなど種々のバックアップ処理を実行する。一実施形態では、バックアップ媒体110は、バックアップ・スナップショット・データ、圧縮バックアップ・データ、世代バックアップ・データ、継続的にミラーおよび/またはバックアップされるデータ、および取り外し可能な記憶形式のバックアップ・データを含んでもよい。インデックス記憶装置114は、バックアップ媒体110および/またはプロダクション記憶装置102と関連した探索データ(例えばインデックスデータ)を格納する。インデックスおよび探索サーバ112は、インデックス記憶装置114に関連するデータの作成、維持、探索、転送、処理を行うとよい。ネットワーク106は、任意のパブリックもしくはプライベートネットワークおよび/またはそれらの組み合わせであって、イーサネット(登録商標)、シリアル/パラレル・バス、イントラネット、インターネット、NAS、SAN、LAN、WAN、および、複数のシステムおよびまたはシステムのグループを接続するその他の形式を含むが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、プロダクション記憶装置102、バックアップ媒体110、および/またはインデックス記憶装置114が、その他のデータ・ルーティング・パスによってネットワーク106に接続され、1つまたは複数の他のシステムに接続されている。
【0010】
一実施形態では、アプリケーション・ホスト/クライアント104またはその他何らかのホストで実行されている探索/復元アプリケーション、エージェントまたはインターフェイスが、探索クエリをインデックスおよび探索サーバ112へ送信する。サーバ112は、受信されたクエリに基づきインデックス記憶装置114に格納されたインデックスを探索して探索結果を返すが、この探索結果は、クエリを満たす1つまたは複数のオブジェクトのそれぞれについて、インデックスに関連した一組のバックアップ・データ内におけるオブジェクトの対応する位置を示すバックアップ位置識別子を含む。一実施形態では、探索結果で特定された1つまたは複数のオブジェクトの読み出しを可能にするために、リンク、ボタンまたはその他のインターフェイスが提供される。一実施形態では、応答性のあるオブジェクトが、さらなる要求または指示なしで自動的に読み出される。探索/復元アプリケーションは、復元されるデータの位置識別子(単数または複数)をバックアップ・サーバへ送信する。バックアップ・サーバは、復元されるデータを位置識別子(単数または複数)を使用してバックアップ媒体110から読み出し、プロダクション記憶装置102での復元のために、読み出されたデータを探索/復元アプリケーションへ送信する。その後このデータは、アプリケーション・ホスト/クライアント104で実行されているアプリケーションによりアクセスされたり使用されることが可能となる。
【0011】
図2は、探索可能なバックアップ復元環境の実施形態におけるデータフローを図示するブロック図である。示されている例では、バックアップ・データ202は、復元先212にデータを復元するために使用できるバックアップ・データを含む。バックアップ・データ202は、バックアップ・アプリケーションにより生成されたバックアップ・ストリーム、ハード・ドライブ、バックアップ・テープ、NAS(ネットワーク接続ストレージ)、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)、任意の光学または磁気の記憶媒体、および任意の固定、取り外し可能、またはネットワーク化された記憶装置のうちの1つまたは複数に格納されたバックアップ・データを含み得る。バックアップ・データ202は、バックアップ・ストリーム、ディスク・バックアップ、テープ・バックアップ、スナップショット、世代バックアップなど、任意の種類のバックアップ・データのうちの1つまたは複数を含むことができる。コンテンツ・ジェネレータ204は、インデクサ(indexer)および探索エンジン206によるインデックス付けのために、バックアップ・データ202を含むデータおよび/またはそれに関連したデータを処理する。コンテンツ・ジェネレータ204は、インデクサおよび探索エンジン206に関連するフォーマットに、バックアップ・データ202を含むデータ及び/又はバックアップ・データ202に関連するデータを、圧縮解除、変換、移動、転送するとよい。コンテンツ・ジェネレータ204は、所定の基準で、定期的に、及び/又はバックアップ・データ202へのデータの記憶や関連したバックアップ処理によるバックアップ・データ202の生成と実質的に同時に、バックアップ・データ202からのデータを処理することができる。例えば、バックアップ・システム上の既存のバックアップ・データが、インデクサおよび探索エンジン206のコンテンツを生成するために使用され得る。バックアップ・データ202は、インデックス付けされる新たなデータがあるかどうかを定期的に確認される。新たなバックアップが実行されるにつれ、新たなデータはコンテンツ・ジェネレータ204ならびにバックアップ・データ記憶ユニットに渡され。インデクサおよび探索エンジン206は、コンテンツ・ジェネレータ204からコンテンツを受信し、探索用にデータのインデックス付けおよび準備をする。インデックス付けは、探索および読み出しを目的としてデータを処理するあらゆる方法を含む。マサチューセッツ州ニーダム(Needham,MA)のFAST社から入手可能なFAST InStreamなどのインデックス付けおよび探索ソフトウェアが使用され得る。一実施形態では、インデックス付けおよび探索に関連するデータが生成されてインデックスストア208に格納される。一実施形態では、インデックスストア208は、バックアップ・データ202に関連したバックアップ位置識別子を含み、この識別子は、例えば、ファイル、ディレクトリ、またはファイル・システム・バックアップに関連したバックアップ・データの場合その他のファイル・システム・オブジェクトなど、1つまたは複数の特定のオブジェクトなどの関連データのバックアップ・データ202における位置を示す。例えば、インデックスストア208へのデータ入力は、バックアップ・データ202のファイルまたはその他のオブジェクトに関連したキーワードおよび固有の識別子を含むことも考えられる。インデクサおよび探索エンジンは、生成されたインデックスデータを使用して、探索および復元モジュール210から探索クエリを受け取る。エンジン206によって、クエリに関連する探索が、インデックスストア208に格納されたインデックスデータを使用して実行され、クエリの結果は、バックアップ・データ202の応答部(単数または複数)に関連したバックアップ位置識別子と共にモジュール210へ返される。一実施形態における探索および復元モジュール210は、エンジン206、バックアップ・データ202、および復元先212の間のやりとりを調整し、容易にする。モジュール210は、探索結果内で受信された識別子を使用して、復元される所望のデータに関連する1つまたは複数の識別子をバックアップ・データ202に伝達する。バックアップ・データ202は、移動先212にデータを復元するために、識別子に関連したデータを読み出して所望のデータをモジュール210に返す。データは、移動先212への復元の前に圧縮解除、変換、変更、結合される。一実施形態では、インデックスストア208およびバックアップ・データ202は同じ物理的記憶ユニットに存在する。一実施形態では、復元先は図1のプロダクション記憶装置102である。一実施形態では、バックアップ・データ202および復元先212は同じ物理的記憶ユニットである。
【0012】
図3Aは、バックアップ・データの探索および読み出しのプロセスの実施形態を図示するフロー図である。302で、バックアップに関連するデータが探索用に準備される。この準備には、データのインデックス付け、変換、圧縮解除、移動、転送が含まれる。探索用のバックアップ・データの準備は、所定の基準で、定期的に、及び/又は例えばバックアップ動作に関連してなど、新たなバックアップ・データの生成と実質的に同時に実行されるとよい。304で、インデックスなどのバックアップ探索準備に関連するデータを使用して探索が実行される。復元が望まれるデータが探索によって見つけられると、306で、1つまたは複数の探索結果に関連するデータがバックアップ・データから読み出される。
【0013】
図3Bは、探索用のバックアップ・データを準備するプロセスの実施形態を図示するフロー図である。一実施形態では、図3Bのプロセスは図3Aの302に含まれる。308で、バックアップ・データに関連したコンテンツが生成される。コンテンツの生成は、探索処理用のデータを準備するために、バックアップ・データの少なくとも一部を圧縮解除、変換、移動、転送することを含む。310で、生成されたコンテンツが探索用に処理される。一実施形態では、探索用の処理は、データの探索可能なインデックスを生成することを含む。一実施形態では、探索可能なインデックスは、関心のあるデータが一組のバックアップ・データにあるかどうか、および/または関心のあるデータが一組のバックアップ・データ内のどこに位置しているかを判断するのに使用できるデータを含む。一実施形態では、実際のバックアップ・データおよび/またはバックアップ・データを使用して復元されたプロダクション・データに対するアクセスもしくは探索がされることなく、関心のある特定のデータが一組のバックアップ・データのどこに位置しているかを判断するために、探索可能なインデックスが使用される。キーワードはコンテンツを使用して生成され、バックアップ・データ内の特定のデータの位置を示す識別子に関連する。位置識別子は、バックアップ・データ内のファイル・パス;ファイルまたはその他のオブジェクトの、バックアップ媒体上での位置;バックアップ媒体のパス、量もしくは位置;関連データおよび/もしくはオブジェクトを読み出しおよび復元するために後から使用可能なその他任意の位置データを含む。一実施形態では、位置識別子は、いかなる物理的および論理的なデータ位置とも無関係であり、バックアップ・データの種類とも無関係であり得る。例えば識別子は、汎用資源識別子(URI:uniform resource identifier)などの固有の識別番号とすることができる。関連データに対応する識別番号は、たとえ関連データが別の物理的または論理的な位置に再配置されても、またはたとえデータが変換、移動もしくは圧縮されても有効である。探索のためにバックアップ・データを処理することは、任意の探索方法に必要とされる任意の処理準備を含む。インデックスおよびキーワードの探索方法は、単に説明に役立つ例である。312で、310で生成されたデータの少なくとも一部が格納される。312で格納されるデータは、バックアップ・データと共に格納され、または別の論理的または物理的な記憶ユニットに格納されてもよい。一実施形態では、312で格納されるデータは記憶ユニットに格納されない。このデータは、メモリに一時的に格納されるかまたは探索が実行されるたびに生成されることができる。
【0014】
図3Cは、バックアップ・データ探索を実行するプロセスの実施形態を図示するフロー図である。一実施形態では、図3Cのプロセスは図3Aの304に含まれる。一実施形態では、図3Cは、図2のインデクサおよび探索エンジン206に実装される。314で、探索クエリが受信される。探索クエリは、バックアップ探索アプリケーションから送信されてもよい。バックアップ探索アプリケーションは、バックアップ復元アプリケーションの一部であり得る。一実施形態では、探索クエリが受け取られる前にセキュリティ認証が必要とされる。316で、クエリに関連した探索が実行される。探索の実行は、バックアップ・データに関連するインデックスデータを探索することを含んでもよい。FAST Instreamなどの探索エンジンが使用されてもよい。318で、探索クエリの結果が、バックアップ・データ内での特定のデータの位置を示す1つまたは複数の識別子と共に返される。クエリ結果を返すことは、複数の中間探索結果を集めることを含み得る。一実施形態では、結果がバックアップ探索および復元アプリケーションに返される。
【0015】
図3Dは、バックアップ・データからデータを読み出すプロセスの実施形態を図示するフロー図である。一実施形態では、図3Dのプロセスは図3Aの306に含まれる。320で、読み出されるデータに関連する位置識別子が受信される。1つまたは複数の識別子が受信される。識別子は、バックアップ・データに関連した1つまたは複数のファイルおよび/またはディレクトリに関連している。322で、データがバックアップ・ソースから読み出される。バックアップ・ソースは、ハード・ドライブ、ファイル・システム分割、バックアップ・テープ、NAS(ネットワーク接続ストレージ)、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)、任意の光学または磁気の記憶媒体、および任意の固定の、取り外し可能な、またはネットワーク化された記憶装置など、任意の物理的または論理的なデータ記憶ユニットを含む。データの読み出しは、バックアップ・データ内のある位置に識別子を移動すること、データ・ソースを見つけて読み出すこと、データ・ソース内の所望のデータを見つけて読み出すことを含む。324で、復元先に出力データが提供される。出力データは読み出されたデータであればよく、または読み出されたデータは、出力データとして提供される前に圧縮解除、変更、変換、移動、結合される。一実施形態では、出力データは、復元先に提供される前に中間モジュールに提供される。
【0016】
明確な理解を目的として前述の実施形態について詳しく説明してきたが、本発明は提供された詳細な記述に限定されない。本発明の実施には代替方法が多数ある。開示された実施形態は一実例であり、限定的ではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】探索可能なバックアップ復元環境の実施形態を図示するブロック図である。
【図2】探索可能なバックアップ復元環境の実施形態におけるデータフローを図示するブロック図である。
【図3A】バックアップ・データを探索および復元するプロセスの実施形態を図示するフロー図である。
【図3B】探索用のバックアップ・データを準備するプロセスの実施形態を図示するフロー図である。
【図3C】バックアップ・データの探索を実行するプロセスの実施形態を図示するフロー図である。
【図3D】バックアープ・データからデータを読み出すプロセスの実施形態を図示するフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックアップ・データの探索を容易にする方法であって、
前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連するデータを受信し、
前記受信されたデータの少なくとも部分に基づいて、前記バックアップ・データの探索可能なインデックスを生成し、
前記探索可能なインデックスは、前記バックアップ・データ内での前記バックアップ・データを含むオブジェクトの位置を示すインデックスデータを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連するデータの受信は、前記バックアップ・データを含む1つまたは複数のオブジェクトそれぞれについて、前記オブジェクトに関連するコンテンツ・データと、前記バックアップ・データ内での前記オブジェクトの位置を示す位置データとを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記探索可能なインデックスは、前記コンテンツ・データおよび前記位置データの少なくとも部分に基づいて生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オブジェクトに関連するクエリ・データを含む探索要求を受信すること、及び前記クエリ・データおよび前記探索可能なインデックスを使用して、前記バックアップ・データ内での前記オブジェクトの位置を判断することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記オブジェクトに関連する探索結果を提示すること、及びそれに応答して、前記バックアップ・データを使用して前記オブジェクトを復元する要求を受信することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記バックアップ・データを使用して前記オブジェクトを復元することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記バックアップ・データの少なくとも部分に基づいて、前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連する前記データを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連するデータの前記受信は、バックアップ動作による前記バックアップ・データの生成と実質的に同時に前記バックアップ・データのコンテンツ・データ部を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記バックアップ・データにアクセスせずに、前記探索可能なインデックスを使用して前記バックアップ・データ内での前記オブジェクトの前記位置を判断することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記バックアップ・データを初めから使用することなく、前記バックアップ・データ内での前記オブジェクトの位置を判断するための前記探索可能なインデックスを使用し、前記バックアップ・データが関連付けられている一組のプロダクション・データを復元することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記オブジェクトは、ファイル、ディレクトリまたはその他のファイル・システム・オブジェクトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記オブジェクトが、前記バックアップ・データ内の1つまたは複数の位置に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記オブジェクトおよびその1つ以上の変形が、前記バックアップ・データ内の異なる個別の位置に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記オブジェクトは、前記バックアップ・データを含む一組の1つまたは複数のオブジェクトのうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記オブジェクトは、前記バックアップ・データを含む一組の1つまたは複数のオブジェクトのうちの1つであり、前記探索可能なインデックスは、前記1つまたは複数のオブジェクトそれぞれについて前記バックアップ・データ内での当該オブジェクトの位置を示すインデックスデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記バックアップ・データは、別々の時間に実行された2つ以上のバックアップ動作に関連して生成されたデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
探索可能なインデックスを生成することは、バックアップ・データの圧縮解除、バックアップ・データの変換、バックアップ・データの移動、バックアップ・データの転送、バックアップ・データへのインデックス付け、バックアップ・データに関連するキーワードの生成、ならびに、データの探索および読み出しに必要であり、所定の基準での、定期的な、もしくは前記バックアップ・データの追加、変更および削除と実質的に同時である任意の処理のうち、1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記バックアップ・データは、ディスク・バックアップ・データ、テープ・バックアップ・データ、圧縮データ、スナップショット・データ、世代バックアップ・データおよびバックアップ・ストリーム・データのうち、1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記探索可能なインデックスは、ハード・ドライブ、NAS(ネットワーク接続ストレージ:Network Attached Storage)、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク:Storage Area Network)、バックアップ・ストリーム、任意の光学および磁気の記憶媒体、ならびに任意の固定またはネットワーク化された記憶装置のうち、1つまたは複数に格納される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記探索可能なインデックスは、前記バックアップ・データと共に格納される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記位置はファイル・パス識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記位置は、いかなる物理的または論理的なデータ位置とも無関係でありバックアップ・データの種類とも無関係である識別子によって示される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記オブジェクトは、前記インデックスデータの変更を伴わずに再配置、変換、移動または圧縮される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記バックアップ・データと、要求される前記オブジェクトの復元先とは、同じ物理記憶ユニット内に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記バックアップ・データと、要求される前記オブジェクトの復元先とは、イーサネット、シリアル/パラレル・バス、イントラネット、インターネット、NAS、SAN、LAN、WAN、ならびに、複数のシステムおよび/またはシステムのグループを接続するその他の形式を含んだ任意のパブリックもしくはプライベートネットワークまたはそれらの組み合わせによって接続されている、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記探索可能なインデックスを使用して、複数の中間探索結果を集めることにより探索結果を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記バックアップ・データ内の1つまたは複数の位置に前記インデックスデータを移動すること、前記インデックスデータと関連したデータを見つけること、データを圧縮解除すること、データを変更すること、データを変換すること、データを移動すること、データを結合することのうちの1つまたは複数により、前記オブジェクトを移動先の記憶装置に復元することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
バックアップ・データの探索を容易にするシステムであって、
前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連するデータを受信するよう構成された通信用インターフェイスと、
前記受信されたデータに少なくとも部分に基づいて、前記バックアップ・データの探索可能なインデックスを生成するよう構成されたプロセッサとを備え、
前記探索可能なインデックスが、前記バックアップ・データ内での前記バックアップ・データを含むオブジェクトの位置を示すインデックスデータを含むことを特徴とするシステム。
【請求項29】
前記受信されたデータは、前記バックアップ・データの前記少なくとも一部を含む1つまたは複数のオブジェクトに関連するコンテンツ・データと、前記バックアップ・データ内での前記1つまたは複数のオブジェクトの位置を示す位置データとを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記プロセッサは、前記バックアップ・データの少なくとも部分に基づいて、前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連する前記データを生成するようさらに構成されている、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記通信用インターフェイスは、バックアップ動作による前記バックアップ・データのコンテンツ・データ部のデータ生成と実質的に同時に、前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連するデータを受信する、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
前記探索可能なインデックスは、前記バックアップ・データにアクセスすることなく、前記バックアップ・データ内での前記オブジェクトの前記位置を判断するために使用される、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
前記バックアップ・データを初めから使用することなく、前記バックアップ・データ内での前記オブジェクトの位置を判断するための前記探索可能なインデックスを使用し、前記バックアップ・データが関連付けられている一組のプロダクション・データを復元することをさらに含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項34】
コンピュータ可読媒体に実装され、バックアップ・データの探索を容易にするコンピュータ・プログラムであって、
前記バックアップ・データの少なくとも一部に関連するデータを受信するコンピュータ命令と、
前記受信されたデータの少なくとも部分に基づいて、前記バックアップ・データの探索可能なインデックスを生成するコンピュータ命令と、を含み、
前記探索可能なインデックスは、前記バックアップ・データ内での前記バックアップ・データを含むオブジェクトの位置を示すインデックスデータを含むことを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【公表番号】特表2009−505283(P2009−505283A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526991(P2008−526991)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/030865
【国際公開番号】WO2007/021678
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(507024769)イーエムシー コーポレイション (13)
【Fターム(参考)】