説明

接合方法および接合装置

【課題】加工時の被接合部材の変形を抑制可能な接合方法および接合装置を提供する。
【解決手段】導電性を備えた一対の被接合部材101a,101bの互いに接合される接合面102a,102b同士を対向させ、前記被接合部材を加圧することで対向する前記接合面の間に加圧力を作用させて、一対の前記被接合部材を相対的に摺動させつつ、前記被接合部材の一方から他方へ電流を流して抵抗加熱により前記接合面同士を接合する接合方法であり、前記被接合部材の前記接合面側に当該接合面を延長するフランジ部104a,104bを介して、(a)被接合部材同士を相対的に押し付ける加圧力、(b)摺動の変位、(c)電極を経由した通電のうち、少なくとも(a)加圧力を、前記被接合部材に作用させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗加熱および摺動を用いた接合方法および接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、導電性の金属材料同士を互いに接合する方法として、抵抗溶接が使用されている。抵抗溶接は、導電性金属材料同士を接触させた状態で電極により挟み、電極から電流を与えることで、接合面の接触抵抗により生じる抵抗加熱により、導電性金属材料同士を溶融接合する方法である。例えば特許文献1には、接合する対の導電性金属材料を接触させた状態で電流を流し、抵抗加熱により表面の酸化膜を硫黄濃化層に置換した後、加振によって硫黄濃化層を強制剥離し、加圧により導電性金属材料を接合する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7―116868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の方法では、電流を供給して抵抗加熱した後に高面圧下で加振を行うため、加圧力によって導電性金属材料(被接合部材)が変形しやすい。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、被接合部材の変形を抑制可能な接合方法および接合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明に係る接合方法は、導電性を備えた一対の被接合部材を接合するための接合方法である。当該接合方法は、互いに接合される前記被接合部材の接合面を対向させ、一対の前記被接合部材を相対的に摺動させつつ、前記被接合部材の一方から他方へ電極を経由して電流を流して抵抗加熱することによって、前記接合面同士を接合する接合工程を有している。そして、前記接合工程において、(a)前記被接合部材同士を相対的に押し付ける加圧力、(b)摺動の変位、(c)前記電極を経由した通電のうち、少なくとも1つを、前記被接合部材の前記接合面側に当該接合面を延長する延設部を介して、前記被接合部材に作用させる。
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る接合装置は、導電性を備えた一対の被接合部材を接合するための接合装置である。当該接合装置は、互いに接合される前記被接合部材の接合面を対向させ、一対の前記被接合部材を相対的に摺動させつつ、前記被接合部材の一方から他方へ電極を経由して電流を流して抵抗加熱することによって、前記接合面同士を接合する接合手段を有している。当該接合手段は、前記被接合部材同士を相対的に押し付ける加圧手段と、前記被接合部材を相対的に摺動させる摺動手段と、前記被接合部材の一方から他方へ前記電極を経由して電流を流すための電流供給手段と、を有している。当該接合装置は、(a)前記加圧手段による加圧力、(b)前記摺動手段による摺動の変位、および(c)前記電流供給手段による通電のうち、少なくとも1つを、前記被接合部材の前記接合面側に当該接合面を延長する延設部を介して、前記被接合部材に作用させる。
【発明の効果】
【0008】
上記のように構成した接合方法および接合装置によれば、被接合部材の接合面側に当該接合面を延長する延設部を介して、加圧力、摺動の変位、および通電のうち少なくとも1つを被接合部材に作用させるため、加圧力、摺動変位または電極の接触による被接合部材の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態に係る接合装置を示す概略側面図である。
【図2】第1実施形態に係る接合装置の被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【図3】第1実施形態に係る接合装置により接合する際のフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係る接合装置の変形例における被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【図5】第2実施形態に係る接合装置の被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【図6】第3実施形態に係る接合装置の被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【図7】第3実施形態に係る接合装置の変形例における被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【図8】第4実施形態に係る接合装置の被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【図9】第5実施形態に係る接合装置の被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【図10】実施形態に係る接合装置の変形例における被接合部材の近傍を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
本発明の第1の実施形態に係る導電材料の接合装置1は、図1,2に示すように、導電性を備えた一対の被接合部材101a,101bを接合するための接合装置である。接合装置1は、概説すれば、被接合部材101a,101bの接合面102a,102bを対向させ、一対の被接合部材101a,101bを相対的に摺動させつつ、被接合部材101a,101bの一方から他方へ第1電極3および第2電極4(以下、第1電極および第2電極を単に電極ともいう。)を経由して電流を流して抵抗加熱することによって、接合面102a,102b同士を接合する接合手段を有している。抵抗加熱および摩擦熱(塑性流動)を利用する接合手段は、被接合部材101a,101b同士を相対的に押し付ける加圧装置6(加圧手段)と、被接合部材101a,101bを相対的に摺動させる摺動装置7(摺動手段)と、被接合部材101a,101bの一方から他方へ電極3,4を経由して電流を流すための電流供給装置5(電流供給手段)と、被接合部材101a,101bと電極3,4とを相対的に押し付ける電極加圧装置14(電極加圧手段)と、制御装置8(制御手段)を有する。制御装置90は、加圧装置6、摺動装置7、電流供給装置5、および電極加圧装置14のそれぞれの作動を制御する。以下、詳述する。
【0011】
接合されるワークである被接合部材101a,101bは、アルミニウム(Al)であるが、導電性を備える材料であれば特に限定されず、例えば鉄(Fe)やマグネシュウム(Mg)を適用することが可能である。に適用できる。また、アルミニウム(Al)−鉄(Fe)、アルミニウム(Al)−マグネシウム(Mg)等の異材接合であっても、適用可能である。
【0012】
対の被接合部材101a,101bの間には、被接合部材101a,101bと共晶反応する共晶反応材料からなる箔状の中間材料103が挟まれる。中間材料103は、接合面102a,102bの形状に一致して形成されることが好ましい。被接合部材101a,101bがアルミニウムの場合、中間材料103には、アルミニウムと共晶反応する亜鉛(Zn)、ケイ素(Si)、銅(Cu)、錫(Sn)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等を用いることができる。なお、被接合部材101a,101bの少なくとも一方の融点よりも低い温度で液相化する材料であれば、中間材料103として、例えば一般的なろう材やはんだ等を適用してもよい。中間材料103の厚さは、例えば10〜100μmであることが好ましいが、これに限定されず、また厚さが均一であっても部位に応じて異なってもよい。
【0013】
被接合部材101aは、被接合部材101aの接合面102a側に、接合面102aを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部104a(延設部)を有している。また、被接合部材101bも、被接合部材101bの接合面102b側に、接合面102bを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部104b(延設部)を有している。フランジ部104aおよびフランジ部104bは、互いに接するように対応して形成されている。フランジ部104aおよびフランジ部104bは、接合面102a,102bに沿う周囲の、加圧装置6が配置される位置に対応して部分的に形成されており、接合後に機械加工等によって取り除かれる。
【0014】
加圧装置6は、対の被接合部材101a,101bを押圧方向Zに加圧する装置であり、例えば油圧シリンダ等が組み込まれている。加圧装置6は、制御装置8に接続されて加圧力を任意に制御可能となっており、連結される第2加圧部材12を進退動させることで、被接合部材101bのフランジ部104bを加圧可能となっている。
【0015】
被接合部材101aのフランジ部104aは、第2加圧部材12と対向するようにして固定的に配置される第1加圧部材13(加圧部)に、下方への移動を規制されて保持される。したがって、加圧装置6、第2加圧部材12および第1加圧部材13は、被接合部材101a,101bのフランジ部104a,104bを挟むようにして、対向する接合面102a,102bの間に加圧力を作用させる加圧手段として機能する。
【0016】
電極加圧装置14は、第2電極4を被接合部材101bに押圧させる装置であり、例えば油圧シリンダ等が組み込まれている。電極加圧装置14は、制御装置8に接続されて加圧力を任意に制御可能となっている。
【0017】
摺動装置7は、一方の被接合部材101bを、接合面102a,102bに沿う方向Xへ摺動させる装置である。接合装置1は、上方の被接合部材101bを方向Xに沿って移動可能に保持するための第2固定部材9と、下方の被接合部材101aの方向Xへの移動を規制するための第1固定部材11とを備えており、摺動装置7は、第2固定部材9を介して被接合部材101bを摺動させる。
【0018】
摺動装置7の機構には、例えば超音波加振、電磁式加振、油圧式加振またはカム式加振等が適用できるが、加振可能であればこれらに限定されない。摺動装置7は、制御装置8に接続されて、加振周波数、加振振幅および加振力等を任意に制御可能となっている。
【0019】
電流供給装置5は、直流電流または交流電流を電極3,4へ与えることができる装置であり、制御装置8に接続されて、電流値および電圧値を任意に制御可能となっている。
【0020】
制御装置8は、前述の加圧装置6、電極加圧装置14、摺動装置7および電流供給装置5を統括的に制御する電子計算機である。制御装置8は、演算部、記憶部、入力部および出力部(いずれも不図示)を備えている。記憶部には、接合装置1全体を制御するためのプログラムが格納されており、このプログラムが演算部にて実行されることで、接合装置1による被接合部材101a,101bの接合が遂行される。
【0021】
なお、制御装置8を設けずに、各々の装置を手動で作動させてもよい。
【0022】
また、電極3,4は、必ずしも被接合部材101a,101bに直接接触しなくてもよく、例えば導電性を有する他の部材を介して接触してもよい。また、電極3,4の各々は、1つであっても複数の電極に分かれて設けられてよい。
【0023】
また、中間材料103は、必ずしも設けられなくてもよい。
【0024】
また、下方の第1電極3も、加圧装置によって被接合部材101aに対して進退動可能であってもよい。
【0025】
また、加圧装置6は、図1,2では被接合部材101b側に設けられるが、被接合部材101a側に設けられてもよく、または両方に設けられてもよい。また、加圧装置6は、図1では2つ設けられているが、1つであっても、または3つ以上あってもよい。
【0026】
また、摺動装置7は、被接合部材101bではなくて被接合部材101aを摺動させる構成でもよく、または被接合部材101a,101bの両方を摺動させる構成でもよい。
【0027】
次に、接合装置1を用いて被接合部材101a,101bを接合する方法を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
【0028】
初めに、図1,2に示すように、互いに接合する被接合部材101a,101bの間に中間材料103を挟み、被接合部材101aのフランジ部104aが第1加圧部材13と一致するように配置する。そして、被接合部材101bを第1固定部材11によって固定し、被接合部材101aを第2固定部材9によって摺動可能に保持する。
【0029】
この後、加圧装置6を作動させて第2加圧部材12により被接合部材101bのフランジ部104bを加圧する。これにより、被接合部材101a,101bのフランジ部104a,104bが、第2加圧部材12と第1加圧部材13の間に挟まれて、対向する接合面102a,102bの間に加圧力が生じる。加圧装置6による加圧力は、制御装置8で調節され、例えば2〜10MPa程度が好ましいが、これに限定されない。
【0030】
次に、制御装置8により摺動装置7を駆動させて、被接合部材101bを、接合面102a,102bに沿う方向へ加振して摺動させる(予備摺動工程S11)。加振周波数および加振振幅は、特に限定されないが、一例として、加振振幅は100〜1000μm程度が好ましく、加振周波数は10〜100Hz程度が好ましい。
【0031】
上記のように加圧しながら摺動させる予備摺動工程S11が行われると、接合面102a,102bが摺動するとともに摩擦熱が発生して材料が軟化され、接合面102a,102bが磨耗しつつ塑性流動し、接合面102a,102bの間の面圧がある程度均一化される。更に、予備摺動工程S11は、アルミニウムの表面の酸化皮膜を除去して皮膜厚さの違いによる接触抵抗のばらつきを低減させ、後の工程で抵抗加熱した際の発熱量のばらつきを抑える効果を発揮する。したがって、接合する前に、アルミニウムである被接合部材101a,101bの表面を脱脂し、更にワイヤブラシによりブラッシングして表面の酸化膜を除去する等の処置が不要となり、作業性が向上する。なお、当然、予備摺動工程S11の前にブラッシング等の処置を行ってもよい。
【0032】
予備摺動工程S11の後には、第1接合工程S12を行う。第1接合工程S12では、第1電極3および第2電極4を被接合部材101a,101bに接触させ、摺動装置7による摺動を維持しつつ、第1電極3と第2電極4の間に電流供給装置5によって電流を供給する。このようにして、摩擦加熱および抵抗加熱の両方を併用して被接合部材101a,101bを加熱する。第1接合工程S12では、接合面102a,102bにおける電流が集中する高面圧部において抵抗加熱が大きく作用して加熱され、接合面102a,102bの酸化膜が強制的に剥離される。更に、抵抗加熱により加熱された高面圧部に加圧力と摺動が作用して塑性流動および材料拡散が生じ、かつ高面圧部が磨耗して時々刻々と電流集中箇所が変化する。これにより、電流の流れが分散し、接合面102a,102bが均一に加熱される。
【0033】
第1接合工程S12の後には、第2接合工程S13が行われる。第2接合工程S13では、電流供給装置5による電流の供給を減少させる一方、加圧装置6による加圧力を増加させることによって摩擦熱が増加させられる。これにより、抵抗加熱による発熱量が減少し、軟化された材料を摺動によって掻き混ぜるようにして一体化を促進する過程へ移行することになる。なお、電流供給装置5による電流の供給は、最終的には停止される。また、摩擦熱の増加は、摺動装置7を制御することによっても達成することが可能である。
【0034】
第2接合工程S13を終了する直前には、摺動装置7を停止させるが、被接合部材101a,101bを望ましい相対的位置で接合するために、最終的に摺動装置7によって被接合部材101a,101bを望ましい位置に位置決めする。なお、加圧装置6の加圧力が大きいと位置決め精度が低下するため、摺動装置7を停止させる前に、加圧装置6による加圧力を低下させてもよい。加圧装置6による加圧力を低下させると、被接合部材101a,101bの位置決め精度が向上し、被接合部材101a,101bが望ましい相対的位置となった状態で摺動装置7を停止させることができる。なお、被接合部材101a,101bを位置決めするための他の構成を別途設けてもよい。
【0035】
第2接合工程S13の後には、冷却工程S14を行う。冷却工程S14では、制御装置8が、摺動装置7および電流供給装置5を停止させた後に、加圧装置6による加圧力を上昇させる。そして、予め設定した時間が経過した際に、冷却が終了したと判断し、加圧装置6による加圧を終了させる。または、被接合部材101a,101bの温度を計測する温度計(不図示)から制御装置8へ入力される信号が所定値以下となった後、冷却が終了したと判断し、加圧装置6による加圧を終了させることもできる。この後、第2電極4を後退させて、接合された被接合部材101a,101bが装置から取り外される。
【0036】
この後、接合されたフランジ部104a,104bを機械加工等により削り取って除去し、作業が終了する(除去工程S15)。
【0037】
本実施形態の接合方法によって接合された被接合部材101a,101bの接合界面には、被接合部材101a,101bの材料が拡散することで接合される拡散接合面、被接合部材101a,101bの材料が塑性流動することで接合される塑性流動接合面、および中間材料103を介在して接合される中間層介在接合面が混在して形成される。
【0038】
本接合方法では、摺動および抵抗加熱を併用して接合するため、接合面102a,102bに高い加圧力を付与せずとも、電流集中箇所が変化して均一な加熱が可能となり、接合面102a,102bが大面積の場合や複雑な形状の場合であっても接合することができ、かつ低歪みで均一な面接合が可能となる。また、接合面102a,102bの表層のみを溶融して接合するため、加熱時間を短縮でき、更に、材料内に気体を含有している鋳造品であっても、加熱により材料内の気体が膨張、噴出し難く、良好な接合を実現できる。
【0039】
中間材料103は、第1接合工程S12および第2接合工程S13において、共晶反応により低融点で液相化し、被接合部材101a,101b同士、または中間材料103の被接合部材101a,101bへの相互拡散を促進させる。さらに、中間材料103は、酸素を遮断して接合面102a,102bの再酸化を抑制する役割を果たすため、大気中における短時間、低入熱での接合が可能となり、量産化が容易となる。
【0040】
なお、被接合部材101aは、接合面102a,102bに沿う1方向に加振されるが、相対的に摺動するのであればこれに限定されず、例えば公転運動等のように、接合面102a,102bに沿う2方向へ加振することもできる。
【0041】
また、予備摺動工程S11は、必ずしも設けずに省略することができる。また、予備摺動工程S11の代わり若しくは予備摺動工程S11の前に、摺動装置7により摺動させるのではなしに、電流供給装置5により電極3,4へ電流を供給することで、接合面102a,102bを抵抗加熱により軟化させてもよい。また、第1接合工程S12と第2接合工程S13の間で、電流の供給を減少させつつ加圧力を増加させることなしに、第1接合工程S12および第2接合工程S13を1つの接合工程として実施することもできる。また、冷却工程S14も、必ずしも設けずに省略することができる。
【0042】
また、フランジ部104a,104bは、接合面102a,102bに沿う周囲の、加圧装置6が配置される部位に対応して形成されずに、被接合部材101a,101bの接合面102a,102bを囲む全周に亘って形成されてもよい。また、フランジ部104a,104bは、必ずしも接合の後に取り除かれなくてもよい。
【0043】
また、第2接合工程S13では、電流供給装置5による電流の供給を最終的に停止させるが、停止させた後に、第2電極4を被接合部材101bから離間させてもよい。第2接合工程S13においては、加振による摺動速度が増加するが、通電不要のために必要のなくなった第2電極4を被接合部材101aから離間させることで、第2電極4および被接合部材101aの磨耗、凝着および溶着を抑制できる。
【0044】
第1実施形態によれば、被接合部材101a,101bの接合面102a,102b側に、接合面102a,102bを延長するように段差状に突出してフランジ部104a,104bが形成され、加圧部材12,13が、このフランジ部104a,104bを加圧する。したがって、被接合部材101a,101bを効率よく加圧することができ、加圧による被接合部材101a,101bの変形を抑制できる。また、接合面102a,102bに加圧力を発生させやすいフランジ部104a,104bを設けることで、接合面102a,102bが複雑な形状であっても、接合面102a,102b同士を接合することができる。また、摺動装置7による摺動変位が、摺動する被接合部材101bへ、変形し難いフランジ部104bを介して作用するため、摺動変位の入力による被接合部材101a,101bの変形を抑制できる。
【0045】
また、接合面102a,102b同士を接合した後に、フランジ部104a,104bを除去するため、最終製品の軽量化および小型化が可能である。また、最終的に除去することを前提としてフランジ部104a,104bを設けることができるため、最終製品の形状に限定されることなしに、接合に望ましい位置にフランジ部104a,104bを形成することができる。また、フランジ部104a,104bは後の除去工程S15により取り除かれるため、加圧力および摺動変位の入力によりフランジ部104a,104bに変形等が生じても、問題とならない。
【0046】
また、被接合部材101bの第2電極4が電気的に接続する部位の接合面102bからの距離L1(図2参照)が、フランジ部104bの接合面102bからの距離L2(図2参照)よりも長いため、第2電極4の被接合部材101bに対する接触部位に摺動装置7からの振動が伝わり難い。したがって、第2電極4および被接合部材101bの磨耗、凝着および溶着を抑制でき、かつ第2電極4の寿命を向上させることができる。
【0047】
更に、フランジ部104bよりも接合面102bに対して離れた部位から電流を流される被接合部材101bを、対をなす他の被接合部材101aに対して摺動させるため、第2電極4と被接合部材101bの間で摺動が発生し難い。したがって、第2電極4および被接合部材101bの磨耗、凝着および溶着を抑制でき、かつ第2電極4の寿命をより向上させることができる。
【0048】
また、フランジ部104a,104bを設けることで、第1電極3および第2電極4の被接合部材101a,101bに対する接触圧力を低減できることから、図4に示す第1実施形態に係る製造装置の変形例のように、被接合部材101a,101bの例えば剛性の低い部位等にも第1電極15および第2電極16を接続でき、電極15,16の接続位置の、選択の自由度を拡大できる。
【0049】
また、フランジ部104a,104b(延設部)を、被接合部材101a,101bの接合面102a,102bに沿う全周に形成すれば、接合面102a,102bに作用する加圧力を全周に均一に分散し、接合むらを低減できる。また、フランジ部104a,104b(延設部)が全周ではなく部分的に形成されれば、除去工程S15におけるフランジ部104a,104bの除去が容易となる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る接合装置20は、一方の被接合部材121aのフランジ部124aの形状が、第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態に係る接合装置1と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0050】
接合装置20は、図5に示すように、導電性を有する一対の被接合部材121a,121bを、接合面122a,122bの間に中間材料103を挟んで保持し、押圧方向Zに加圧しながら接合面122a,122bに沿う方向Xへ相対的に摺動させつつ、抵抗加熱を行うことで被接合部材121a,121b同士を接合する装置である。
【0051】
被接合部材121aは、被接合部材121aの接合面122a側に、接合面122aを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部124a(延設部)を有している。また、被接合部材121bも、被接合部材121bの接合面122b側に、接合面122bを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部124b(延設部)を有している。フランジ部124aおよびフランジ部124bは、互いに接するように対応して形成されている。フランジ部124aおよびフランジ部124bは、接合面122a,122bに沿う周囲の、加圧装置6が配置される位置に対応して形成されており、接合後に取り除かれる。
【0052】
そして、被接合部材121aのフランジ部124aには、接合面122aと反対側の面に、接合面122aに対して傾斜する傾斜面125が形成されている。したがって、フランジ部124aは、接合面122aの縁部へ向かうほど薄肉となっている。
【0053】
被接合部材121aのフランジ部124aは、第2加圧部材12と対向するようにして固定的に配置される第1加圧部材23(加圧部)に、下方への移動を規制されて保持される。フランジ部124aの第1加圧部材23が接する面には、傾斜面125が形成されており、第1加圧部材23の先端部には、傾斜面125と対応して傾斜する第1傾斜加圧面24が形成されている。
【0054】
そして、接合装置20は、第1実施形態において被接合部材101aを固定的に保持するために設けられた第1固定部材11(図2参照)が設けられていない。
【0055】
第2実施形態では、第1加圧部材23が、被接合部材121aの傾斜面125と対応する第1傾斜加圧面24を有しているため、被接合部材121aに第1加圧部材23を接触させて加圧すると、対向する接合面122a,122bに加圧力を発生させるだけでなく、被接合部材121aを接合面122aに沿う方向Xへ保持できる。すなわち、第1加圧部材23は、第1実施形態における第1固定部材11(図2参照)と同様の機能をも果たし、加圧および摺動に対する保持を同一部材で実現することができ、接合装置20の小型化を図ることができる。
【0056】
また、被接合部材121aにのみ傾斜面125を形成し、傾斜面125が形成されない被接合部材121bを、傾斜面125が形成される被接合部材121aに対して摺動させるため、被接合部材121aを傾斜面125で固定的に保持しつつ、被接合部材121bの摺動と加圧を別部材で行うことができる。すなわち、固定的に保持される被接合部材121aに傾斜面125を設けることで、接合装置20の小型化を図りつつ、摺動される被接合部材121bの摺動を、被接合部材121bを加圧する第2加圧部材12とは異なる第2固定部材9により行うことで、加圧と摺動を個別に調整することができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る接合装置30は、両方の被接合部材131a,131bのフランジ部134a,134b(延設部)に、傾斜面135,136が形成される点で、第2実施形態と異なる。なお、第1,第2実施形態に係る接合装置と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0057】
接合装置30は、図6に示すように、導電性を有する一対の被接合部材131a,131bを、接合面132a,132bの間に中間材料103を挟んで保持し、押圧方向Zに加圧しながら接合面132a,132bに沿う方向Xへ相対的に摺動させつつ、抵抗加熱を行うことで被接合部材131a,131b同士を接合する装置である。
【0058】
被接合部材131aは、被接合部材131aの接合面132a側に、接合面132aを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部134aを有している。また、被接合部材131bも、被接合部材131bの接合面132b側に、接合面132bを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部134bを有している。フランジ部134aおよびフランジ部134bは、互いに接するように対応して形成されている。フランジ部134aおよびフランジ部134bは、接合面132a,132bに沿う周囲に部分的に形成されており、接合後に取り除かれる。
【0059】
そして、被接合部材131aのフランジ部134aには、接合面132aと反対側の面に、接合面132aに対して傾斜する傾斜面135が形成されている。したがって、フランジ部134aは、接合面132aの縁部へ向かうほど薄肉となっている。
【0060】
また、被接合部材131bのフランジ部134bにも、接合面132bと反対側の面に、接合面132bに対して傾斜する傾斜面136が形成されている。したがって、フランジ部134bは、接合面132bの縁部へ向かうほど薄肉となっている。
【0061】
被接合部材131aのフランジ部134aは、第1加圧部材23によって下方への移動を規制されて保持される。第1加圧部材23の先端部には、傾斜面135と対応して傾斜する第1傾斜加圧面24が形成されている。
【0062】
被接合部材131bのフランジ部134bは、被接合部材131bを摺動可能に保持する第2固定部材31(加圧部)に固定される。この第2固定部材31に摺動装置7が連結されているため、摺動装置7を作動させることで、第2固定部材31を介して被接合部材131bを摺動させることができる。また、第2固定部材31には、フランジ部134bの傾斜面136と対応して傾斜する第2傾斜加圧面32が形成されている。したがって、第2固定部材31は、被接合部材131bを摺動させることで、押圧方向Zへの加圧力を生じさせることができ、加圧および摺動を同一部品で実現することができる。
【0063】
そして、接合装置30は、第1,2実施形態において設けられた加圧装置6(図1,2,4,および5参照)が設けられていない。
【0064】
第3実施形態では、第2固定部材31が、被接合部材131bの傾斜面136と対応する傾斜した第2傾斜加圧面32を有しているため、第2固定部材31のみで、被接合部材131bを加圧しつつ摺動させることができる。
【0065】
図7は、第3実施形態に係る製造装置の変形例であるが、被接合部材137a,137bの複雑な形状に合わせて、被接合部材137a,137bに第1電極33および第2電極34が接触可能な電極接触面138,139を設けてもよい。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係る接合装置40は、被接合部材131a,131bを接合する点で、第3実施形態と共通するが、被接合部材131a,131bに電流を供給する構成が、第3実施形態に係る接合装置30と異なる。なお、第1〜3実施形態に係る接合装置と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0066】
接合装置40は、図8に示すように、被接合部材131aのフランジ部134aを保持して下方への移動を規制する第1加圧部材43(加圧部)を有している。第1加圧部材43の先端部には、傾斜面135と対応して傾斜する第1傾斜加圧面44が形成されており、傾斜面135と接して被接合部材131aを保持できる。更に、第1加圧部材43は、電流供給装置5に接続されて、電極としての機能を備えている。
【0067】
接合装置40は、更に、被接合部材131bのフランジ部134bを保持する第2固定部材41(加圧部)を有している。第2固定部材41には、摺動装置7が連結され、摺動装置7を作動させることで、第2固定部材41を介して被接合部材131bを摺動させることができる。また、第2固定部材41には、フランジ部134bの傾斜面136と対応して傾斜する第2傾斜加圧面42が形成されている。第2固定部材41は、第2傾斜加圧面42によって被接合部材131bを摺動させることで、被接合部材131bを押圧方向Zへ押圧することができる。更に、第2固定部材41は、電流供給装置5に接続されて、電極でもある第1加圧部材43と対をなす電極として機能する。
【0068】
第4実施形態では、第1傾斜加圧面44が形成された第1加圧部材43が、傾斜面135を有するフランジ部134aを介して被接合部材131aに電流を流し、かつ加圧力を作用させる機能を果たす。そして、第2傾斜加圧面42が形成された第2固定部材41が、傾斜面136を有するフランジ部134bを介して被接合部材131bを摺動させ、被接合部材131bに電流を流し、かつ加圧力を作用させる機能を果たす。したがって、被接合部材131a,131bの加圧、摺動および通電を、第1加圧部材43および第2固定部材41で実現することができる。
【0069】
また、電極である第1加圧部材43および第2固定部材41が、フランジ部134a,134bに接触するため、電極の接触による被接合部材131a,131bの変形を抑制できる。しかも、フランジ部134a,134bは後の除去工程により取り除かれるため、電極の接触によって被接合部材131a,131bに磨耗、凝着、溶着および変形等が生じても、問題とならない。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係る接合装置50は、加工される被接合部材151a,151bが、管状体である点で、第1〜第4実施形態と異なる。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0070】
接合装置50は、図9に示すように、導電性を有する一対の被接合部材151a,151bを、押圧方向Zに加圧しながら接合面152a,152bに沿う方向Xへ摺動装置7により摺動させつつ、抵抗加熱を行うことで被接合部材151a,151b同士を接合する装置である。
【0071】
被接合部材151aは、被接合部材151aの接合面152a側に、接合面152aを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部154a(延設部)を有する管状の部材である。また、被接合部材151bも、被接合部材151bの接合面152b側に、接合面152bを延長するように段差状に突出して形成されるフランジ部154b(延設部)を有する管状の部材である。被接合部材151aは、管状の被接合部材151bの内側に収まり、フランジ部154aおよびフランジ部154bが接合されることで、隙間を有する2重管となる。
【0072】
フランジ部154aおよびフランジ部154bは、互いに接するように対応して形成されている。フランジ部154aおよびフランジ部154bは、接合面152a,152bに沿う周囲に部分的に形成されており、接合後に取り除かれる。
【0073】
そして、被接合部材151aのフランジ部154aには、接合面152aと反対側の面に、接合面152aに対して傾斜する傾斜面155が形成されている。したがって、フランジ部154aは、接合面152aの縁部へ向かうほど薄肉となっている。
【0074】
また、被接合部材151bのフランジ部154bにも、接合面152bと反対側の面に、接合面152bに対して傾斜する傾斜面156が形成されている。したがって、フランジ部154bは、接合面152bの縁部へ向かうほど薄肉となっている。
【0075】
被接合部材151aのフランジ部154aは、第1加圧部材53(加圧部)によって下方への移動を規制されて保持される。第1加圧部材53の先端部には、傾斜面155と対応して傾斜する第1傾斜加圧面54が形成されており、傾斜面155と接して被接合部材151aを保持できる。第1加圧部材53は、電流供給装置5に接続されて、電極としての機能をも備えている。
【0076】
接合装置50は、更に、被接合部材151bのフランジ部154bを保持する第2固定部材51(加圧部)を有している。第2固定部材51には、摺動装置7が連結され、摺動装置7を作動させることで、第2固定部材51を介して被接合部材151bを摺動させることができる。また、第2固定部材51には、フランジ部154bの傾斜面156と対応して傾斜する第2傾斜加圧面52が形成されている。第2固定部材51は、第2傾斜加圧面52によって被接合部材151bを摺動させることで、被接合部材151bを押圧方向Zへ押圧することができる。更に、第2固定部材51は、電流供給装置5に接続されて、電極でもある第1加圧部材53と対をなす電極として機能する。
【0077】
第5実施形態のように、2重管を構成する被接合部材151a,151bであっても、フランジ部154aおよびフランジ部154bを設けることで容易に接合することができる。
【0078】
そして、第1傾斜加圧面54が形成された第1加圧部材53が、傾斜面155を有するフランジ部154aを介して被接合部材151aに電流を流し、かつ加圧力を作用させる機能を果たす。そして、第2傾斜加圧面52が形成された第2固定部材51が、傾斜面156を有するフランジ部154bを介して被接合部材151bを摺動させ、被接合部材151bに電流を流し、かつ加圧力を作用させる機能を果たす。したがって、被接合部材151a,151bの加圧、摺動および通電を、第1加圧部材53および第2固定部材51で実現することができる。
【0079】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、第1電極および第2電極は、被接合部材に対して一方向(押圧方向Z)から接触するのではなく、異なる方向から接触する構造であってもよい。また、被接合部材のフランジ部以外の部位に、加圧力を作用させてもよい。また、図10に示す実施形態の変形例のように、被接合部材161a,161bのフランジ部164a,164bの接合面162a,162bと反対側の面に、接合面162a,162bの縁部へ向かうほど厚肉となる傾斜面165,166を形成してもよい。被接合部材161bのフランジ部164bは、被接合部材161bを摺動可能に保持する第2固定部材61(加圧部)に固定される。この第2固定部材61に摺動装置7が連結されているため、摺動装置7を作動させることで、第2固定部材61を介して被接合部材161bを摺動させることができる。なお、被接合部材161bに第2固定部材61を連結可能とするために、第2固定部材61を上方からフランジ部164bに対して近接できるような機構が組み込まれることが好ましい。
【符号の説明】
【0080】
1,20,30,40,50 接合装置、
3,15,33 第1電極、
4,16,34 第2電極、
5 電流供給装置(電流供給手段)、
6 加圧装置(加圧手段)、
7 摺動装置(摺動手段)、
8 制御装置(制御手段)、
9 第2固定部材、
11 第1固定部材、
12 第1加圧部材、
13 第2加圧部材(加圧部)、
14 電極加圧装置(電極加圧手段)、
23,43,53 第1加圧部材(加圧部)、
24,44,54 第1傾斜加圧面、
31,41,51,61 第2固定部材(加圧部)、
32,42,52 第2傾斜加圧面、
103 中間材料、
101a,101b,121a,121b,131a,131b,137a,137b,151a,151b,161a,161b 被接合部材、
102a,102b,122a,122b,132a,132b,152a,152b,152a,152b,162a,162b 接合面、
104a,104b,124a,124b,134a,134b,154a,154b,164a,164b フランジ部、
125,135,136,155,156,165,166 傾斜面、
S11 予備摺動工程、
S12 第1接合工程、
S13 第2接合工程、
S14 冷却工程、
S15 除去工程、
X 接合面に沿う方向、
Z 押圧方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を備えた一対の被接合部材を接合するための接合方法であって、
互いに接合される前記被接合部材の接合面を対向させて、一対の前記被接合部材を相対的に摺動させつつ、前記被接合部材の一方から他方へ電極を経由して電流を流して抵抗加熱することによって、前記接合面同士を接合する接合工程を有し、
前記接合工程において、(a)前記被接合部材同士を相対的に押し付ける加圧力、(b)摺動の変位、(c)前記電極を経由した通電のうち、少なくとも1つを、前記被接合部材の前記接合面側に当該接合面を延長する延設部を介して、前記被接合部材に作用させる接合方法。
【請求項2】
前記接合工程の後に、前記延設部を除去する除去工程を有する、請求項1に記載の接合方法。
【請求項3】
前記接合工程において、前記延設部の前記接合面と反対側にて前記接合面に対して傾斜して形成される傾斜面に、当該傾斜面と対応する形状の加圧部を接触させ、当該加圧部により前記被接合部材を保持しつつ加圧する請求項1または2に記載の接合方法。
【請求項4】
一対の前記被接合部材の一方にのみ前記傾斜部を形成し、
前記接合工程において、傾斜部が形成されない前記被接合部材を、前記傾斜部が形成される前記被接合部材に対して摺動させる請求項3に記載の接合方法。
【請求項5】
前記接合工程において、前記被接合部材の前記延設部よりも前記接合面に対して離れた部位から、前記電極により電流を流す請求項1〜4のいずれか1項に記載の接合方法。
【請求項6】
前記接合工程において、前記延設部よりも前記接合面に対して離れた部位から電流を流される前記被接合部材を、対をなす他の前記被接合部材に対して摺動させる請求項5に記載の接合方法。
【請求項7】
前記延設部は、前記接合面に沿う全周に形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接合方法。
【請求項8】
導電性を備えた一対の被接合部材を接合するための接合装置であって、
互いに接合される前記被接合部材の接合面を対向させ、一対の前記被接合部材を相対的に摺動させつつ、前記被接合部材の一方から他方へ電極を経由して電流を流して抵抗加熱することによって、前記接合面同士を接合する接合手段を有し、
前記接合手段は、
前記被接合部材同士を相対的に押し付ける加圧手段と、
前記被接合部材を相対的に摺動させる摺動手段と、
前記被接合部材の一方から他方へ前記電極を経由して電流を流すための電流供給手段と、を有し、
(a)前記加圧手段による加圧力、(b)前記摺動手段による摺動の変位、(c)前記電流供給手段による通電のうち、少なくとも1つを、前記被接合部材の前記接合面側に当該接合面を延長する延設部を介して、前記被接合部材に作用させる接合装置。
【請求項9】
前記被接合部材は、前記延設部の前記接合面と反対側に前記接合面に対して傾斜して形成される傾斜面を有し、
前記傾斜面と対応する形状の傾斜加圧面が形成され、前記加圧手段による加圧力を前記延設部に伝達する加圧部を有する、請求項8に記載の接合装置。
【請求項10】
一対の前記被接合部材の一方にのみ前記傾斜部が形成され、
前記摺動手段は、前記傾斜部が形成されない前記被接合部材を、傾斜部が形成される前記被接合部材に対して摺動させる、請求項9に記載の接合装置。
【請求項11】
前記電極は、前記被接合部材の前記延設部よりも前記接合面に対して離れた部位に電気的に接続される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の接合装置。
【請求項12】
前記摺動手段は、前記延設部よりも前記接合面に対して離れた部位に前記電極が接続される前記被接合部材を、対をなす他の前記被接合部材に対して摺動させる、請求項11に記載の接合装置。
【請求項13】
前記延設部は、前記接合面に沿う全周に形成される、請求項8〜12のいずれか1項に記載の接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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