説明

接続システム及び接続方法

【課題】 ルータの仕様に制限されることなく複数の端末の各々に発信する技術を提供する。
【解決手段】 端末と接続される電話番号取得装置がダイヤルアップサーバと接続され、該ダイヤルアップサーバは通信ネットワークを介して複数の通信端末と接続される。電話番号取得装置が、通信端末を示す情報と、該通信端末の電話番号とを対応付けて記憶部に記憶しておき、通信端末を示す情報が端末から入力された場合、記憶部から該入力された情報に対応する電話番号を読み出してダイヤルアップサーバに送信する。ダイヤルアップサーバは、受信した電話番号に示される通信端末と現在接続中でない場合、受信した電話番号に発信し、通信端末と端末とを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末との接続に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関の店舗等には金融端末が設置されている。該金融端末は、専用線により勘定系システムと接続され、残高照会や振込み、引き落とし等の処理を行う。また、各金融端末は、金融端末の故障等に対応するため、勘定系システムとは別に、監視センタと接続されている。このような監視システムが特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−256649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各金融端末と監視センタとは、勘定系システムと接続される専用線とは別回線で接続される。具体的には、例えば、各金融端末に設けられたPHS(Personal Handyphone System)や携帯電話等の通信端末によりインターネットや公衆網等の通信ネットワークと接続され、該通信ネットワークを介して監視センタと接続される。従来のシステムの一例を図9に示す。図9において、監視センタ90と、各監視対象システム92とは、公衆網等の通信ネットワーク91を介して接続される。
【0005】
監視センタ90は、例えば、監視者の用いるPC(Personal Computer)等の端末901、各端末901と通信ネットワーク91とを接続する複数のルータ902等を有する。ルータ902の各々は、ルーティング情報と、各金融端末922のIDと該金融端末922が接続されている通信端末921の電話番号とを対応付けた情報(以下接続情報)を記憶している。
【0006】
監視対象システム92は、金融端末922と、各金融端末922と通信ネットワーク91とを接続するPHSや携帯電話等の通信端末921等を有する。
【0007】
監視者は、警報装置(図示略)等により何れかの金融端末922に異常が発生したことを確認すると、端末901を用いて、異常の発生した金融端末922との接続を要求する。端末901は、管理者に指示された金融端末のID等をルータ902に送信する。ルータ902は、記憶しているルーティング情報を参照して各ルータ902間でルーティングを行ない、接続情報から、受信したIDに応じた通信端末921の電話番号を取得して発信し、通信端末921と端末901とを接続する。
【0008】
上述の従来のシステムにおいて、通信端末がPHSであり、PIAFS(PHS Internet Access Forum Standard)によりPHSと通信ネットワークとを接続する場合があるが、PIAFSに対応している市販のルータは少なく、増設や機器交換等の際に、所望の機能を有するルータが入手できないおそれがある。
【0009】
また従来のシステムでは、上述のように複数のルータを設置するので、各ルータに、ルーティング情報と、接続情報とを記憶させておく必要がある。複数のルータの各々にルーティング情報と接続情報とを記憶させる必要があるので、各ルータの管理が煩わしい。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ルータの仕様に制限されることなく複数の端末の各々に発信する技術を提供することを目的とする。また、本発明の更なる目的は、複数のルータを設置することなく複数の端末の各々に発信する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記の目的を達成するためになされたもので、電話番号取得装置が、通信端末を示す情報と、該通信端末の電話番号とを対応付けて記憶部に記憶しておき、通信端末を示す情報が入力された場合、記憶部から該入力された情報に対応する電話番号を読み出してダイヤルアップサーバに送信し、ダイヤルアップサーバが、受信した電話番号に発信することを特徴とする。
具体的には、例えば、端末と接続される電話番号取得装置がダイヤルアップサーバと接続され、該ダイヤルアップサーバは通信ネットワークを介して複数の通信端末と接続される接続システムであって、前記電話番号取得装置は、前記各通信端末の電話番号と、該通信端末の識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記端末から送信された通信端末の識別情報を受信すると、前記記憶手段から、前記受信した識別情報と対応付けられた電話番号を読み出す電話番号取得手段と、前記読み出された電話番号を前記ダイヤルアップサーバに送信する送信手段と、を有し、前記ダイヤルアップサーバは、前記電話番号取得装置から送信された電話番号を受信する受信手段と、前記受信した電話番号を発信する発信手段と、を有し、前記端末から送信されたデータを前記発信手段により発信された電話番号の通信端末に送信し、該通信端末から送信されたデータを前記端末へ送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による技術によれば、ルータの仕様に制限されることなく複数の端末の各々に発信する技術を提供することが可能となる。また、複数のルータを設置することなく複数の端末の各々に発信することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。以下では、金融端末の監視システムを例にして説明するが、これに限定するものではない。例えば、自動販売機等の監視システムなど、少数の監視センタと多数の監視対象システムとを電話網等の公衆網で接続する場合に適用可能である。
【0014】
図1は、本実施形態の監視システムの構成例を示す図である。図1において、監視システムは、監視センタ1と、複数の監視対象システム3とが、電話網等の通信ネットワーク2を介して接続する。監視対象システム3は、通信端末31、金融端末32等を有する。通信端末31は、通信ネットワーク2と接続するためのものであり、例えば、携帯電話やPHS等である。金融端末32は、通信端末31を介して通信ネットワーク2と接続する。監視対象システム3の各々において、1つの通信端末31と複数の金融端末32とは、通信ネットワークを介して接続されている。なお、ここで、通信端末31がPHSであり、該通信端末31がPIAFS(PHS Internet Access Forum Standard)により通信ネットワーク2と接続している場合、通信端末31と金融端末32とは、PIAFS対応のデータ通信装置等を介して接続されているものとする。
【0015】
監視センタ1は、端末11、電話番号取得装置12、ダイヤルアップサーバ13、接続装置14、TA(Terminal Adapter)15等を有する。端末11は、各金融端末32を監視する監視者が用いるPC等の情報処理装置である。金融端末32に異常が発生した場合、監視者は、端末11を用いて金融端末32に所定のコマンドを送信等することにより、金融端末32の異常に対応する。電話番号取得装置12は、各金融端末32を一意に識別する機器IDと、該金融端末32に接続されている通信端末31の電話番号とを対応付けて記憶しておき、端末11から機器IDが送信されると、該機器IDに対応する電話番号を読み出し、該読み出した電話番号をダイヤルアップサーバ13に送信する。ダイヤルアップサーバ13は、電話番号取得装置12から送信された電話番号を発信し、さらに、電話番号を発信したことにより端末11と通信端末31との通信回線が確立すると、該回線間でのデータ送受信を制御する。接続装置14は、1つのダイヤルアップサーバ13と複数のTA15とを接続するネットワーク機器であり、具体的には、例えば、複数のポートを有し、各ポートに接続された機器の各々を制御可能なデバイスサーバ等である。TA15は、通信端末31の各々に対し1つ設定される。ここで、通信端末31がPHSであり、該通信端末31がPIAFSにより通信ネットワーク2と接続している場合、TA15は、PIAFS対応のデータ通信機能を有していてもよい。
【0016】
なお、図1では、1つの監視センタ1が通信ネットワーク2を介して3つの監視対象システム3と接続されるものとしたが、監視センタ1及び監視対象システム3の数は任意である。また、各監視センタ1内の端末11の数は任意である。また、監視対象システム3の各々では、1つの通信端末31と2つの金融端末32とがルータ等により接続されるものとしたが、各監視対象システム3の金融端末32の数は任意であり、2つに限られるわけではない。
【0017】
次に、端末11、電話番号取得装置12、ダイヤルアップサーバ13の構成例を説明する。
【0018】
図2は、端末11の構成例を示す図である。図2において、端末11は、CPU(Central Processing Unit)111、メモリ112、記憶装置113、入力装置114、出力装置115、通信インタフェース116、バス117等を有する。CPU111、メモリ112、記憶装置113、入力装置114、出力装置115、通信インタフェース116の各々は、バス117を介して接続される。
【0019】
CPU111は、メモリ112にロードしたプログラムを実行することにより、発信・切断要求部118を実現する。発信・切断要求部118は、監視者が入力装置114を用いて入力した情報に従い、電話番号取得装置12に、通信回線を接続する又は切断する金融端末32を示す機器IDを送信する。
【0020】
記憶装置113は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)等の記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。
【0021】
入力装置114は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置115は、例えばディスプレイ、スピーカ等である。
【0022】
図3は、電話番号取得装置12の構成例を示す図である。図3において、電話番号取得装置12は、CPU121、メモリ122、記憶装置123、入力装置124、出力装置125、通信インタフェース126、バス127等を有する。CPU121、メモリ122、記憶装置123、入力装置124、出力装置125、通信インタフェース126の各々は、バス127を介して接続される。
【0023】
CPU121は、メモリ122にロードしたプログラムを実行することにより、電話番号取得部128を実現する。電話番号取得部128は、後述する記憶装置123内のテーブルから、端末11から送信された機器IDに対応する電話番号を読み出し、該読み出した電話番号をダイヤルアップサーバ13に送信する。
【0024】
記憶装置123は、例えば、HDDや、CD−R(Compact Disc-Recordable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk-Random Access Memory)等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び該記憶メディア駆動装置等である。記憶装置123には、接続情報129が格納されている。接続情報129の一例を図4に示す。図4において、接続情報129には、機器ID401と、電話番号402とが対応付けられて格納されている。機器ID401は、各金融端末32を一意に識別する識別情報である。電話番号402は、各金融端末32に接続されている通信端末31の電話番号である。本実施形態では、1つの通信端末31に複数の金融端末32が接続される場合もあるため、接続情報129には、異なる機器IDに同じ電話番号が対応付けられて記憶される場合もあり得る。接続情報129内の機器ID及び電話番号は、予め登録されていてもよく、入力装置124、又は、通信インタフェース126を介して入力された情報に従い登録、変更、追記、削除等されてもよい。
【0025】
図3において、入力装置124は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置125は、例えばディスプレイ、スピーカ等である。
【0026】
図5は、ダイヤルアップサーバ13の構成例を示す図である。図5において、ダイヤルアップサーバ13は、CPU131、メモリ132、記憶装置133、入力装置134、出力装置135、通信インタフェース136、バス137等を有する。CPU131、メモリ132、記憶装置133、入力装置134、出力装置135、通信インタフェース136の各々は、バス137を介して接続される。
【0027】
CPU131は、メモリ132にロードしたプログラムを実行することにより、発信部138、通信制御部139等を実現する。発信部138は、電話番号取得装置12から送信された電話番号に示される電話番号を発信し、例えばPPP(Point to Point Protocol)により、通信端末31との回線を確立する。通信制御部139は、例えばTCP/IPにより、通信端末31と端末11との通信を制御する。切断部140は、接続中の回線を切断する。
【0028】
記憶装置133は、例えば、HDDや、CD−R、DVD−RAM等の書き込み及び読み出し可能な記憶メディア及び記憶メディア駆動装置等である。記憶装置133には、接続ログ141が格納される。
【0029】
接続ログ141の一例を図6に示す。図6において、接続ログ141には、電話番号601、接続開始日時602、接続終了日時603、発信元604、接続先605等が互いに対応付けて格納される。電話番号601は、監視システム1と通信回線の確立された通信端末31を示す。ここでは、電話番号601は、通信回線の確立された通信端末31の電話番号を示す。接続開始日時602は、対応する電話番号601と通信回線が確立された日時を示す。接続終了日時603は、対応する電話番号601と確立された通信回線が切断された日時を示す。ここで、接続終了日時603「−」は、通信回線が切断されていないこと、即ち、対応する電話番号601と接続中であることを示す。発信元604は、対応する電話番号601への発信要求を送信した端末11を示す。接続先605は、対応する発信元604が接続を要求する金融端末32を示す情報であり、例えば金融端末32の機器IDである。なお、本実施形態では、1つの通信端末31に複数の金融端末32が接続される場合もあるため、接続ログ141には、異なる発信元の各々が同じ電話番号と接続中と記憶される場合もあり得る。接続ログ141内の情報は、通信制御部139、切断部140等により格納される。
【0030】
図5において、入力装置134は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置135は、例えばディスプレイ、スピーカ等である。
【0031】
次に、図7、図8を参照し、本実施形態の監視システムの動作例を説明する。
【0032】
まず、図7を参照し、回線を接続する動作例を説明する。監視センタ1の監視者は、監視装置(図示略)等により、何れかの金融端末32の異常を認識すると、端末11を用いて、異常を認識した金融端末32を指定する情報を入力する。端末11の発信・切断要求部118は、入力された情報に従い、自身の識別情報等の発信元を示す情報と、監視者に指定された金融端末32を示す機器IDとを含む接続要求を管理端末12に送信する(S701)。
【0033】
電話番号取得装置12の電話番号取得部128は、接続要求を受信すると、該要求から機器IDを抽出し、記憶装置123から、抽出した機器IDに対応する電話番号を読み出す(S702)。具体的には、例えば、電話番号取得装置12の電話番号取得部128は、記憶部123から接続情報129を読み出し、接続情報129の機器ID401から、抽出した機器IDと一致する機器IDを検索する。抽出した機器IDと一致する機器IDが検索されると、電話番号取得部128は、該検索された機器ID401と対応付けられた電話番号402を読み出す。
【0034】
次に、電話番号取得部128は、読み出した電話番号、端末11から送信された接続要求に含まれる機器ID、接続要求の発信元を示す情報等を含む発信要求をダイヤルアップサーバ13に送信する(S703)。
【0035】
ダイヤルアップサーバ13の発信部138は、発信要求を受信すると、該要求から電話番号、機器ID、発信元を示す情報等を抽出し、メモリ132の所定の記憶領域に格納する。次に、発信部138は、抽出した電話番号に示される通信端末31と接続中であるか否か判定する(S704)。そのために、例えば、発信部138は、記憶装置133等から接続ログ141を読み出し、現在接続中(接続終了日時603「−」)の電話番号601に、抽出した電話番号と一致する電話番号が含まれているか否か判定する。
【0036】
S704の判定の結果、回線接続中でない場合、発信部138は、抽出した電話番号を発信する(S705)。通信ネットワーク2に含まれる交換機(図示略)等は、発信された電話番号に従い、該電話番号に示される通信端末31に接続要求を送信する。通信端末31が、該接続要求に対し応答等すると、交換機は、通信ネットワーク2内の該通信端末31との回線を確立させる。この動作は従来技術と同じである。
【0037】
S705の処理により通信回線が確立されると、ダイヤルアップサーバ13の通信制御部139は、メモリ132の所定の記憶領域から機器ID、発信元を示す情報等を読み出し、該発信元を示す情報に示される端末11と、該機器IDに示される金融端末32との間のデータの送受信を制御する。この動作は、従来技術と同じである。これにより、端末11と金融端末32との間のデータ送受信が可能となる(S706)。また、通信制御部139は、S705の処理により発信した通信端末31の電話番号、内部時計(図示略)等により取得した現在の日時、メモリ132の所定の記憶領域から読み出した発信元を示す情報、メモリ132の所定の記憶領域から読み出した機器ID等を、接続ログ141の電話番号601、接続開始日時602、発信元604、接続先605等に追記する。
【0038】
S704の判定の結果、回線接続中である場合、発信部138は、通信制御部139にデータ送受信の制御を指示する。通信制御部139はメモリ132の所定の記憶領域から機器ID、発信元を示す情報等を読み出し、該発信元を示す情報に示される端末11と、該機器IDに示される金融端末32との間のデータの送受信を制御する。この動作は、従来技術と同じである。これにより、端末11と金融端末32との間のデータ送受信が可能となる(S706)。さらに、通信制御部139は、上述と同様に、メモリ132の所定の記憶領域から読み出した電話番号、内部時計(図示略)等により取得した現在の日時、メモリ132の所定の記憶領域から読み出した発信元を示す情報、メモリ132の所定の記憶領域から読み出した機器ID等を、接続ログ141の電話番号601、接続開始日時602、発信元604、接続先605等に追記する。
【0039】
このようにデータ送受信が可能となると、監視者は、端末11を用いてコマンドを送信する等して、各金融端末32の異常に対応する。
【0040】
上述のように、本実施形態の監視システムでは、1つのダイヤルアップサーバ13が発信し、該ダイヤルアップサーバ13と各通信端末31とが直接接続することが可能となる。これにより、PIAFS対応機能等の所定の機能を有するハードウェア製品が廃盤等となり入手困難となった場合でも、発信機能と所定の機能とを切り離すことが可能となるので、機器の更新やシステム構成変更等が容易となる。
【0041】
また、本実施形態の監視システムでは、1つの電話番号取得装置12に接続情報を記憶させれば良く、図9に一例を示す従来技術のように、複数のルータの各々に接続情報及びルーティング情報を記憶させる必要が無い。従って、複数のルータ各々に設定したルーティング情報及び接続情報を管理・登録する必要が無くなるので、監視システムを構成する機器の管理が容易となる。
【0042】
次に、図8を参照し、回線を切断する動作例を説明する。
【0043】
回線を切断する場合、監視者の指示に従い、端末11の発信・切断要求部118は、回線を切断する機器ID、発信元を示す情報等を含む切断要求を電話番号取得装置12に送信する(S801)。
【0044】
電話番号取得装置12の電話番号取得部128は、上述と同様に、接続情報129から、切断要求から抽出した機器IDと対応付けられた電話番号を読み出し(S802)、発信元を示す情報、読み出した電話番号、機器ID等を含む切断要求をダイヤルアップサーバ13に送信する(S803)。
【0045】
ダイヤルアップサーバ13の切断部140は、切断要求を送信した端末11以外の端末11が、切断要求された通信端末31と接続中であるか否か判定する(S804)。そのために、例えば、切断部140は、まず、切断要求から、発信元を示す情報、機器ID、電話番号等を抽出し、メモリ132の所定の記憶領域に格納する。次に、切断部140は、記憶装置133から接続ログ141を読み出し、現在接続中(接続終了日時603「−」)の電話番号601に、メモリ132の所定の記憶領域に格納した電話番号と一致する電話番号が含まれており、且つ、現在接続中の電話番号601と対応付けられている発信元604に、メモリ132の所定の記憶領域に格納した発信元を示す情報以外の発信元が含まれているか否か判定する。この判定の結果、該当する情報が含まれている場合、切断部140は、切断要求を送信した端末11以外の端末11が、切断要求された通信端末31と接続中であると判定する。
【0046】
S804の判定の結果、切断要求を送信した端末11以外の端末11が、切断要求された通信端末31と接続中でない場合、切断部140は、切断要求に従い、通信端末31との通信回線を切断する(S805)。具体的には、例えば、切断部140は、通信ネットワーク2内の交換機に切断要求等を送信する。この動作は従来技術と同じである。
【0047】
S804の判定の結果、切断要求を送信した端末11以外の端末11が、切断要求された通信端末31と接続中である場合、切断部140は、通信端末31との通信回線を切断しない。
【0048】
次に、切断部140は、接続ログ141に、接続履歴を格納する(S806)。具体的には、例えば、通信制御部139は、切断要求を送信した端末11の発信元604と対応付けられた接続終了日時603に、内部時計等から取得した現在の日時を追記等する。
【0049】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0050】
例えば、上述の実施形態では、接続ログには、接続先の通信端末の電話番号が格納されるものとしたが、これに限られるわけではなく、例えば、接続先の通信端末の識別情報等、発信先が限定できる情報であればよい。
【0051】
また、上述の実施形態では、ダイヤルアップサーバの切断部が、切断要求を送信した端末以外の端末が、切断要求された通信端末と接続中であるか否か判定するものとしたが、この動作を電話番号取得装置等の他の装置が行っても良い。この場合、電話番号取得装置等の他の装置は、接続ログのような接続中の発信元及び接続先を示す情報を記憶しており、上述と同様の動作により、切断要求された通信端末と接続中であるか否か判定する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態において、システム構成例を示す図である。
【図2】同実施形態において、端末の構成例を示す図である。
【図3】同実施形態において、電話番号取得装置の構成例を示す図である。
【図4】同実施形態において、接続情報の一例を示す図である。
【図5】同実施形態において、ダイヤルアップサーバの構成例を示す図である。
【図6】同実施形態において、接続ログの一例を示す図である。
【図7】同実施形態において、システムの発信時のシーケンス例を示す図である。
【図8】同実施形態において、システムの切断時のシーケンス例を示す図である。
【図9】従来技術を説明するシステム構成例である。
【符号の説明】
【0053】
1:監視センタ、2:通信ネットワーク、3:監視対象システム、11:端末、12:電話番号取得装置、13:ダイヤルアップサーバ、14:接続装置、15:TA、31:通信端末、32:金融端末、111:CPU、118:発信・切断要求部、112:メモリ、113:記憶装置、114:入力装置、115:出力装置、116:通信インタフェース、117:バス、121:CPU、128:電話番号取得部、122:メモリ、123:記憶装置、129:接続情報、124:入力装置、125:出力装置、126:通信インタフェース、127:バス、301:機器ID、302:電話番号、131:CPU、138:発信部、139:通信制御部、140:切断部、132:メモリ、133:記憶装置、141:接続ログ、134:入力装置、135:出力装置、136:通信インタフェース、137:バス、601:電話番号、602:接続開始日時、603:接続終了日時、604:発信元、605:接続先、90:監視センタ、901:端末、902:ルータ、91:通信ネットワーク、92:監視対象システム、921:通信端末、922:金融端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と接続される電話番号取得装置がダイヤルアップサーバと接続され、該ダイヤルアップサーバは通信ネットワークを介して複数の通信端末と接続される接続システムであって、
前記電話番号取得装置は、
前記各通信端末の電話番号と、該通信端末の識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記端末から送信された通信端末の識別情報を受信すると、前記記憶手段から、前記受信した識別情報と対応付けられた電話番号を読み出す電話番号取得手段と、
前記読み出された電話番号を前記ダイヤルアップサーバに送信する送信手段と、を有し、
前記ダイヤルアップサーバは、
前記電話番号取得装置から送信された電話番号を受信する受信手段と、
前記受信した電話番号を発信する発信手段と、を有し、
前記端末から送信されたデータを前記発信手段により発信された電話番号の通信端末に送信し、該通信端末から送信されたデータを前記端末へ送信すること
を特徴とする接続システム。
【請求項2】
端末と接続される電話番号取得装置がダイヤルアップサーバと接続され、該ダイヤルアップサーバは通信ネットワークを介して複数の通信端末と接続される接続システムによる接続方法であって、
前記各通信端末の電話番号と、該通信端末の識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段を有する前記電話番号取得装置が、
前記端末から送信された通信端末の識別情報を受信すると、前記記憶手段から、前記受信した識別情報と対応付けられた電話番号を読み出す電話番号取得ステップと、
前記読み出された電話番号を前記ダイヤルアップサーバに送信する送信ステップと、を有し、
前記ダイヤルアップサーバが、
前記電話番号取得装置から送信された電話番号を受信する受信ステップと、
前記受信した電話番号を発信する発信ステップと、を有し、
前記端末から送信されたデータを前記発信ステップで発信された電話番号の通信端末に送信し、該通信端末から送信されたデータを前記端末へ送信すること
を特徴とする接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−53637(P2007−53637A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−237921(P2005−237921)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(000233491)日立電子サービス株式会社 (394)
【Fターム(参考)】