説明

接続装置用の端子供給デバイス

【解決手段】接続部(102)を有する接続装置(100)で使用されるよう構成されている供給デバイス(104)は、接続部(102)の接続領域(106)に近接して配置されるよう構成されたフレーム(206)を有する。供給部搬送体(204)が、フレーム(206)に実装されている。供給部搬送体(204)は、端子供給方向に沿って前進位置まで移動可能である。電気アクチュエータ(200)が、フレーム(206)に実装されていると共に供給部搬送体(204)に結合されている。電気アクチュエータ(200)は、接続領域(106)に端子(110)を配置するために、供給部搬送体(204)を端子供給方向に沿って前進位置まで駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端子圧着装置に関し、より具体的には端子圧着装置用のモータ制御された供給デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の端子圧着装置は、ストリップ担持された、テープ担持された、又は端対端の電気コネクタ/電気端子をアプリケータの圧着部に供給する機械供給デバイスを使用する。圧着工具に対して供給デバイスの供給ストローク又は位置を調節するために、装置操作者のかなりの時間及び労力を必要とする。異なる寸法の端子が使用されると、これらの調節が必要になる。さらに、これらの調節は、圧着作業中に必要になることもある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在の供給デバイスで解決すべき課題は、カム及びリンクの機構が圧着処理に機械的にリンクしているので、現在のコネクタ/端子供給デバイスが、圧着処理の速度と相対的な或る速度で作動することである。このため、迅速な供給、及び多数の機械的リンク部品に関連する許容差及び隙間の累積は、端子配置のばらつきを生じさせる。この端子配置のばらつきは、圧着処理及び圧着性能のばらつきを生じさせる。その結果、供給の問題を防止するために、操作者は端子供給速度を下げてしまい、生産性が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題を解決するための手段は、接続部を有する接続装置で使用されるよう構成された、本明細書に開示された本発明の供給デバイスにより提供される。ここで、供給デバイスは、接続部の接続領域に近接して配置されるよう構成されたフレームと、このフレームに摺動可能に実装された供給部搬送体とを具備する。供給部搬送体は、端子供給方向に沿って前進位置まで移動可能である。電気アクチュエータがフレームに実装されていると共に供給部搬送体に結合されている。アクチュエータは、接続領域に端子を配置するために、供給部搬送体を端子供給方向に沿って前進位置まで駆動する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、添付図面を参照して本発明を例示により説明する。
【0006】
図1は、接続部102及び供給デバイス104を有する接続装置すなわちターミネータ100を示す斜視図である。ターミネータ100は、コネクタを電線に圧着するために使用される端子圧着装置として図示されている。しかし、圧着以外の処理を用いてコネクタを電線に取り付ける圧接装置、溶接装置等の他のタイプの接続装置100を使用してもよく、或いは、接続装置100は、リードフレーム装置等の別のタイプの圧着装置であってもよい。接続部102は、以下ではアプリケータ102として図示され、説明されている。
【0007】
アプリケータ102は、ターミネータ100のフレーム105に結合されている。アプリケータ102は、摩耗時又は損傷時、或いは異なる構成を有するアプリケータが必要なときに、取り外して異なるアプリケータと交換することができる。アプリケータ102は、接続領域すなわち圧着領域106と、圧着領域106内の電線112の一端に電気コネクタすなわち端子110を圧着する圧着工具108とを有する。供給デバイス104は、アプリケータ102に対して端子を正確に供給するよう配置され、圧着領域106に端子110を提供する。任意であるが、供給デバイス104は、アプリケータ102に隣接して配置してもよいし、アプリケータ102に結合してもよい。或いは、供給デバイス104を、アプリケータ102に対して離れて配置してもよいが、依然として圧着領域106に端子110を供給する。端子110は、圧着領域106内での端子110の適正な位置を確保するよう、ガイド部材(図示せず)により圧着領域106に案内される。電線112は、電線装填方向114に沿って電線供給機(図示せず)又はベンチマシン(図示せず)により圧着領域106に供給される。
【0008】
圧着のために、供給デバイス104は複数の寸法の端子を供給するよう構成することができ、アプリケータ102はそれら端子を受容するよう構成することができる。供給デバイス104は、サイドフィード端子、エンドフィード端子のいずれかを供給するよう構成されてもよい。サイドフィード端子はキャリアストリップに横並びで配置され、エンドフィード端子は端同士を続けて配置されている。ターミネータ100は、いずれかのタイプの端子、すなわちサイドフィード端子又はエンドフィード端子用のアプリケータ102を受容するよう構成されている。このため、第1のタイプのアプリケータ102はサイドフィード端子を受容するよう構成され、第2のタイプのアプリケータ102はエンドフィード端子を受容する構成されてもよい。サイドフィードタイプのアプリケータ102及びエンドフィードタイプのアプリケータ102は、ターミネータ100と共に交換可能であってもよい。サイドフィードタイプのアプリケータ102は、図1に図示されている。
【0009】
作動の際、圧着工具108は、固定アンビル118に向かってターミネータ100の駆動機構116により圧着ストロークの間中、駆動される。圧着ストロークは、下方成分と上方成分の双方を有する。電線112への端子110の圧着は、圧着ストロークの下方成分の際に生ずる。駆動機構116は、ターミネータアクチュエータ120により駆動される。任意であるが、ターミネータアクチュエータ120は、駆動機構116を移動させる駆動シャフトを有するモータであってもよい。或いは、ターミネータアクチュエータ120は、リニアアクチュエータ、圧電アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ等であってもよい。ターミネータアクチュエータ120の作動は、制御モジュール122により制御される。
【0010】
図2は、サイドフィードタイプのアプリケータ102及び供給デバイス104の斜視図である。供給デバイス104は、アプリケータ102に隣接して配置されており、アプリケータ102の圧着領域106にサイドフィード端子110を提供する。図3は、エンドフィードタイプのアプリケータ102A及び供給デバイス104の斜視図である。アプリケータ102Aは、図2に示されるアプリケータ102に類似する。このように、同様の構造を識別するために、同様の参照符号が使用される。
【0011】
アプリケータ102はフレーム130を有し、フレーム130は基部132を有する。アンビル118は基部132に結合されている。フレーム130は、前部134、後部136、側部138,140及び中央空洞142を有する。供給デバイス104は後部136に隣接して配置される。端子110は、矢印Aの供給方向等の、前部134に向かって後部136から供給方向に搬送すなわち前進される。任意であるが、端子110は、側部138に沿って供給されてもよい。側部138,140は、端子110の供給方向とほぼ平行に延びている。ラム144が、中央空洞142内に受容されると共に、フレーム130に対して移動可能である。圧着工具108は、ラム144に結合されると共に、側部138に隣接して配置される。ラム144は、ターミネータ100(図1参照)の駆動機構116(図1参照)に結合されている。駆動機構116は、アンビル118からほぼ離れる方向である矢印Bで示される上昇方向すなわちリセット方向、及びアンビル118にほぼ向かった矢印Cで示される圧着方向に垂直にラム114を移動させる。端子110の供給及びラム144の駆動は、協調している。例えば、ラム144が上昇方向に移動すると、端子110は供給デバイス104により供給方向に前進する。任意であるが、端子110はまた、ラム144が圧着方向に移動しながら前進してもよい。端子110は、圧着領域106に配置されると共に、圧着工具が圧着領域106に近付くと静止している。
【0012】
図3を参照すると、供給デバイス104は、アプリケータ102Aに隣接して配置されると共に、アプリケータ102Aの圧着領域106にエンドフィード端子110Aを供給する。エンドフィード端子は、端同士が重ねられると共に、側部138,140からほぼ等距離のアプリケータ102Aの後部136の中央部に供給される。圧着工具108はまた、両側部138,140間の中央に配置される。
【0013】
図4は、カバー160を取り外した状態の供給デバイス104の斜視図である。供給デバイス104は、アプリケータ102(図1ないし図3参照)とは別に提供され、アプリケータ102に取外し可能に結合されている。任意であるが、供給デバイス104は、アプリケータ102に永久的に結合されてもよい。或いは、供給デバイス104は、ターミネータ100(図1参照)のフレーム105(図1参照)の一部に結合されてもよい。
【0014】
供給デバイス104は、送りねじ(lead screw)202に結合された供給部アクチュエータ200と、送りねじ202に結合された供給部搬送体204とを有する。或いは、供給デバイス104は、送りねじ202の所定位置にボールねじ又は他のタイプの駆動機構を有してもよい。図示の実施形態において、供給部アクチュエータ200はサーボモータである。或いは、供給部アクチュエータ200は、ステッピングモータ、並びに例えばリニアアクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、圧電アクチュエータ又はモータ等の別のタイプのアクチュエータであってもよい。供給部アクチュエータ200は、供給部アクチュエータ200の作動を制御するコントローラ203を有する。コントローラ203は、供給部アクチュエータ200の作動を駆動機構116(図1参照)の作動と協調するために、制御モジュール122(図1参照)と通信してもよい。或いは、供給部アクチュエータ200は、供給部アクチュエータ200の作動を制御するためにターミネータ100の制御モジュール122に結合されてもよい。
【0015】
作動の際、供給部アクチュエータ200は回転軸205の周りに送りねじ202を回転させ、送りねじ202の回転運動は供給部搬送体204の直線運動に変換される。例えば、供給部搬送体204は、矢印Dの方向に沿ったプリセット位置まで供給部搬送体204が移動される前進位置と、矢印Eの方向に沿ったプリセット位置まで供給部搬送体204が移動される後退位置と間を直線的に移動可能である。前進位置において、端子110は圧着領域106に位置する。後退位置において、供給デバイス104は前進するために新たな端子と係合する。供給部アクチュエータ200は、前方駆動方向と、後方駆動方向の双方に送りねじ202を回転する。任意であるが、前方駆動方向において、供給部アクチュエータ200は時計回りに送りねじ202を回転させ、後方駆動方向において、供給部アクチュエータ200は反時計回りに送りねじ202を回転させる。或いは、前方駆動方向において、供給部アクチュエータ200は反時計回りに送りねじ202を回転させ、後方駆動方向において、供給部アクチュエータ200は時計回りに送りねじ202を回転させる。送りねじ202が前方駆動方向に作動すると、供給部搬送体204は前進位置の方向に移動する。送りねじ202が後方駆動方向に作動すると、供給部搬送体204は後退位置の方向に移動する。送りねじ202の回転量は、例えば、端子110(図1参照)の寸法又は端子110の間隔等のターミネータ100用の特定用途に基づいて制御され、プログラム可能であってもよい。任意であるが、供給デバイス104は、供給部アクチュエータ200及び送りねじ202間に係合されたベルト駆動又はギア駆動を有してもよい。別の実施形態において、端子110を圧着領域106に前進させるよう、供給部アクチュエータ200が供給部搬送体204を回転させてもよい。
【0016】
典型的な一実施形態において、供給デバイス104はフレーム206を有し、フレーム206は前支持板208及び後支持板210を有する。前後の支持板208,210は平坦であり、互いに平行に延びている。各支持板208,210は、前面212及び後面214を有する。後支持板210は、後支持板210の後面214の一部に沿って配置された供給部アクチュエータ200を支持する。前支持板208は、前支持板208の前面212に沿って配置された実装ブラケット216を支持する。前支持板208の後面214及び後支持板210の前面212は互いに対面し、前支持板208及び後支持板210間に存在する間隙218等の距離により分離される。送りねじ202及び供給部搬送体204は、間隙218内に受容される。任意であるが、フレーム206は、前後の支持板208,210間に延びる管220を有する。管220は、前後の支持板208,210を支持してもよく、前後の支持板208,210間の空間を維持する。管220はまた、以下に詳細に説明するように、前後の支持板208,210間で電線を搬送する。
【0017】
供給部搬送体204は本体230を有し、本体230は前端232、後端234、上端236、下端238、及び各端間に延びる両側240を有する。任意であるが、供給部搬送体204は箱型であってもよい。典型的な一実施形態において、供給部アクチュエータ200は、上側ガイド開口242、下側ガイド開口244、送りねじ開口(図示せず)及びセンサデバイス開口246等の、供給部アクチュエータ200を貫通する複数の開口を有する。これらの開口は、本体230のほぼ前端232及び後端234間を延びている。一実施形態において、これらの開口はほぼ整列してもよい。別の実施形態において、開口は互いに対してオフセットしてもよい。
【0018】
上側ガイド開口242は上側ブッシング248を受容し、下側ガイド開口は下側ブッシング250を受容する。上側ブッシング248は上側ガイドレール252を受容し、下側ブッシング250は下側ガイドレール254を受容する。上側及び下側のガイドレール252,254は、間隙218内に受容されると共に、前後の支持板208,210の間を延びている。上側及び下側のガイドレール252,254は、供給部搬送体204を支持すると共に供給部搬送体204用の行程経路を定める。上側及び下側のガイドレール252,254は、前後の支持板208,210を支持すると共に前後の支持板208,210間の間隔を維持する。
【0019】
供給部搬送体204は、供給部搬送体204に固定された送りねじナット260を有する。任意であるが、送りねじナット260は、供給部搬送体本体230と一体に形成されてもよい。送りねじナット260は、送りねじ開口と整列すると共に送りねじ202と螺合する。送りねじ202の回転運動は、送りねじ202及び送りねじナット260の螺合により、供給部搬送体204の直線運動に変換される。
【0020】
供給部材組立体270が、供給部搬送体204に結合されると共に前進位置及び後退位置間を供給部搬送体204により搬送される。供給部材組立体270は、下端238で本体230の側部に取外し可能に結合された実装ブロック272を有する。任意であるが、実装ブロック272は、下端238に直接結合されてもよく、本体230の両側240に対してほぼ中心に配置されてもよい。或いは、実装ブロック272は、本体230に対してほぼ中心に配置されてもよい。供給部材組立体270はまた、実装ブロック272に取外し可能に結合された端子供給部材274を有する。端子供給部材274は、端子110又は端子110のキャリアストリップに係合するよう構成された先端276を有する。
【0021】
任意であるが、供給デバイス104は、供給部搬送体204の直線的位置を決定するセンサデバイス280を有してもよい。このセンサデバイスは、供給部アクチュエータ200に対する供給部搬送体204の相対位置を決定するために、間隙218内に延びると共に供給部搬送体に隣接して配置されたセンサアーム282を有する。任意であるが、センサアーム282は、本体230のセンサデバイス開口246を貫通する。供給部搬送体204はセンサアーム282に沿って移動可能であり、供給部搬送体204の位置を代表する信号は、供給部アクチュエータ200用のコントローラ203又は端子圧着装置100用の制御モジュール122のいずれかに伝達される。このため、センサデバイス280は、供給部搬送体204の位置を制御するためのコントローラ203に帰還を与える。或いは、他のタイプのセンサデバイスは、例えば、光学センサデバイス又は他の直線位置センサ等の、供給部搬送体204の位置に関連してコントローラ203に帰還を与えるのに使用してもよい。このように、閉ループ帰還を、供給デバイス104に設けてもよい。
【0022】
カバー160は、供給部アクチュエータ200及び供給部搬送体204等の供給デバイス104の部品上に延びている。任意であるが、カバー160は、前後の支持板208,210に結合してもよい。カバー160は、供給部搬送体204の直線運動を可能にするために、カバー160の底部にスロット284を有する。例えば、供給部材組立体270は、カバー160の下に延びていると共にカバー160の外側からアクセス可能である。供給部材組立体270は、供給デバイス104の作動中にスロット284に沿って移動する。任意であるが、供給デバイス104の他の部品は、供給部アクチュエータ200等の、カバー160の外側に露出してもよい。
【0023】
図5は、図4に示されたセンサアーム282を貫通する平面にほぼ沿った、アプリケータ102及び供給デバイス104の断面図である。前後の支持板208,210は、供給デバイス104の種々の部品を支持する。例えば、後支持板210は供給部アクチュエータ200を支持する。後支持板210は、空洞302を定めるハウジング部300を有する。供給部アクチュエータ200の軸部304は、空洞302内に受容される。カプラ306も空洞302内に受容され、軸部304を送りねじ202に直接結合する。或いは、軸部304及び送りねじ202間に、ギア等の介在リンクを設けてもよい。送りねじ202の回転を容易にするために、送りねじ202及び前後の支持板208,210の間にベアリング308が設けられる。これらのベアリング308は、送りねじ202の前方端310及び後方端312近傍に配置されている。或いは、ベアリング308の代わりに、ブッシングを使用してもよい。図5はまた、上述した、参照符号314で示された送りねじ開口を貫通する送りねじ202を図示する。送りねじナット260は、送りねじ開口314を貫通する。
【0024】
センサデバイス280はまた、前後の支持板208,210の各々により支持されているものとして図示されている。センサアーム282は供給部搬送体204の本体230のセンサデバイス開口246を貫通すると共に、センサデバイス開口246内に受容されたセンサ316と相互作用する。
【0025】
上側及び下側のガイドレール252,254は、前後の支持板208,210の各々により支持される。各ガイドレール252,254は、前支持板208と係合する前方端320と後支持板210と係合する後方端322との間を延びている。任意であるが、上側及び下側のガイドレール252,254は、ねじ等の固定具により前後の支持板208,210に固定されてもよい。上側及び下側のガイドレール252,254はまた、それぞれ上側及び下側のブッシング248,250を貫通している。上側及び下側のブッシング248,250は、供給部搬送体204の移動中に、上側及び下側のガイドレール252,254に沿って摺動する。
【0026】
図6は、アプリケータ102及び供給デバイス104の斜視図である。アプリケータ102は、フレーム130の後部136に結合された実装ブラケット330を有する。組立の際、供給デバイス104の実装ブラケット216は、アプリケータ102の実装ブラケット330に取外し可能に結合されている。このため、アプリケータ102は、供給部材組立体270の端子供給部材274が端子110又は端子110のキャリアストリップに係合できるように、端子110のほぼ真上で供給デバイス104を支持する。或いは、供給デバイス104は、供給デバイス104を移動させることなくアプリケータ102がターミネータ100(図1参照)内で交換できるように、ターミネータ100の別の部分に結合されてもよい。任意であるが、供給デバイス104は、アプリケータ102又はターミネータ100から供給デバイス104を開放すなわち取り外しする開放部332を有する。単一の供給デバイス104を種々のアプリケータ102と交換可能であるので、アプリケータ102延いてはターミネータ100のコストを低減することができる。
【0027】
任意であるが、アプリケータ102は、実装ブラケット330に結合されたメモリデバイス334を有してもよい。このメモリデバイス334は、供給デバイス104の供給ストロークに関連した、アプリケータ102のタイプに依存した供給パラメータ等の情報を有することができる。供給デバイス104はメモリデバイス334から情報を読み込むよう構成することができ、情報は供給デバイス104に送信又は変換され、供給ストロークを制御し、圧着領域106内で端子110を適正配置することができる。一実施形態において、供給デバイス104は、メモリデバイス334からの情報を読み込む読み込み/書き込みデバイス336(図4参照)を有する。メモリデバイス334は、管220(図4参照)を通る電線(図示せず)を介してコントローラ203に情報を送信する。供給デバイス104は、その情報に基づいてユーザーが調整することなく、供給ストロークを自動的に調節してもよい。一実施形態において、メモリデバイス334は、コントローラ203により読み込み及び書き込み可能なRAMタイプのメモリデバイスである。或いは、メモリデバイスは、無線周波数識別タグであってもよい。
【0028】
図7は、供給デバイス104(図1ないし図6に図示)用の供給部材組立体270を示す。実装ブロック272は、実装端340及び嵌合端342間を延びていると共に対向する側面344,346を有する。実装端340は、上述したように、供給部搬送体204(図4参照)に取り付けられるよう構成されている。端子供給部材274は、実装ブロック272の嵌合端342に取外し可能に結合されている。任意であるが、固定具348は、端子供給部材274を実装ブロック272に結合するのに使用される。固定具348は、実装ブロック272から端子供給部材274を取り外すために取外し可能である。典型的な一実施形態において、端子供給部材274は実装ブロック272に回転可能に結合され、端子供給部材274は矢印F方向に回転する。任意であるが、供給部材組立体270は、端子供給部材274の運動範囲を制限するストッパ350を有してもよい。供給部材組立体270はまた、ストッパ350の方向に端子供給部材274を付勢するプッシャ352を有してもよい。例えば、一実施形態において、プッシャ352は、端子供給部材274に抗してばね付勢される。
【0029】
図7に示された端子供給部材274は、図2に示されるアプリケータ102党のサイドフィードタイプのアプリケータ102で使用される。サイドフィードタイプのアプリケータは、キャリアストリップ上の端子110(図1参照)を受け入れる。サイドフィードタイプの端子供給部材274の先端276は、端子110用のキャリアストリップに設けられる孔に嵌まる寸法及び形状に設定されている。先端276は、端子供給部材274の縁にも配置される。
【0030】
図8は、供給デバイス104用の別の供給部材組立体270Aを示す。供給部材組立体270Aは、図7に示される供給部材組立体270に類似する。このように、同様の構造を識別するために、同様の参照符号が使用されている。端子供給部材274は、実装ブロック272に取外し可能に結合されている。任意であるが、端子供給部材274を実装ブロック272に結合するために、固定具348が使用されている。図8に示された端子供給部材274は、図3に示されたアプリケータ102A等のエンドフィードタイプのアプリケータ102に使用される。エンドフィードタイプのアプリケータは、端同士が連結されて配列された端子110A(図3参照)を受け入れる。エンドフィードタイプの端子供給部材274の先端276は、端子110Aの上方へ突出する部分に係合する寸法及び形状に設定されている。
【0031】
図9及び図10を参照して、ターミネータ100の作動を説明する。図9は、後退位置における供給デバイス104の斜視図である。図10は、前進位置における供給デバイス104の斜視図である。図9及び図10の各々において、供給デバイス104のカバー160(図4参照)は、明確にするために取り除かれている。
【0032】
作動時において、端子100は、リール(図示せず)から基部360に供給される。基部360は、アプリケータ102に隣接して且つ供給デバイス104の下に配置される。任意であるが、基部360に対して端子110をしっかりと配置されるため、及び圧着領域106の方への端子の前方移動に抵抗するよう端子を緊張状態に保つために、引き棒(図示せず)を使用してもよい。端子110は、特定用途に依存して、サイドフィード端子又はエンドフィード端子であってもよい。図9及び図10は、キャリアストリップを有するサイドフィード端子を示す。
【0033】
図9に示されるように、端子110及び供給デバイス104は、後退位置にある。この後退位置において、アプリケータ102の圧着領域106に、端子は位置していない。さらに、後退位置において、供給デバイス104の端子供給部材274は、キャリアストリップの孔362と係合している。端子供給部材274は、プッシャ352(図7参照)により孔内へ下方に付勢される。さらに、端子供給部材274は、プッシャ352を介した供給ストロークの間、キャリアストリップとの係合状態を保つ。
【0034】
作動時において、供給デバイス104は、1個の端子110がアンビル118及び圧着工具108間の圧着領域106に配置される図10に示される前進位置に端子110を移動させる。供給デバイス104は、アプリケータ102の作動とは独立して端子110を移動させる。例えば、供給部アクチュエータ200は駆動され、所定の時間又は所定の回転量だけ前方駆動方向に送りねじ202を回転させる。送りねじ202の回転は、後退位置から前進位置までの対応する所定距離だけ供給部搬送体204を移動させる。次に、供給部アクチュエータ200は、所定の時間又は所定の回転量だけ後方駆動方向に送りねじ202を回転させる。送りねじ202の回転は、前進位置から後退位置までの対応する所定距離だけ供給部搬送体204を移動させる。
【0035】
典型的な一実施形態において、供給デバイス104の供給ストロークは、アプリケータ102の圧着ストロークとは独立して達成される。供給ストロークは、後退位置から前進位置まで、及び後退位置まで戻る供給部搬送体204の移動量として定義される。圧着ストロークは、後退位置から圧着位置まで、及び後退位置まで戻る圧着工具108の移動量として定義される。一実施形態において、供給デバイス104は、単一の供給ストロークの間、複数の端子を圧着領域106まで移動することができる。ここで、1個の端子は、各圧着ストロークの間、圧着領域106に提供される。このため、アプリケータ102は、各供給ストローク用に複数の圧着ストロークを有してもよい。
【0036】
任意であるが、供給部アクチュエータ200は、任意の所与の時間で供給部搬送体204の位置を制御してもよい。長期にわたる供給部搬送体204の位置は、供給部アクチュエータ200の運動の輪郭(profile)を定め、供給部アクチュエータ200は運動輪郭を制御する。この運動輪郭は、供給部搬送体204の開始位置を定め、供給部搬送体204の停止位置、供給部搬送体204の速度、供給部搬送体204の加速及び減速等を制御する。これらの変数は、制御された運動輪郭及びより一貫した供給位置を提供するよう、供給ストロークの間、調整又は変更してもよい。例えば、供給部搬送体204の速度は、供給部搬送体204の運動範囲の制限付近で遅くしてもよい。このため、供給部搬送体204は、後退位置/前進位置からの制御された加速、後退位置/前進位置に向かう制御された減速を有してもよい。供給部搬送体204は、供給ストロークの後退位置よりも供給ストロークの前進位置の間、異なる速度を有してもよい。速度は、供給部アクチュエータ200の速度及び送りねじ202の回転速度を変更することにより、変更可能である。さらに、供給部搬送体204の速度は、アプリケータの圧着ストロークとは独立して変更可能である。例えば、アプリケータ102の圧着ストロークは一定速度を有してもよいが、供給部搬送体204の供給速度は変わってもよい。このように、供給ストロークは、圧着ストロークとは独立して作動される。さらに、上述したように、運動輪郭は、単一供給ストロークの間、複数の端子110が圧着領域106に供給されるように、供給ストロークに沿って複数の停止位置を有してもよい。各停止位置からの加速及び各停止位置までの減速は、制御することができる。
【0037】
典型的な一実施形態において、供給ストロークは、コントローラ203によりプログラム可能であると共に制御される。例えば、後退位置及び前進位置は、コンピュータの前進又は後退ボタンを押し、又は供給デバイス104又はターミネータ100をダイヤルすること等により、コントローラ203への入力に基づいて決定又は調節してもよい。アプリケータ102及び供給デバイス104間のリンクへのユーザーによる手動又は機械的な調節を要さない。このため、設定時間及び段取り時間が減少する。さらに、後退位置及び前進位置は、使用されるアプリケータ102のタイプに依存して決定してもよい。例えば、メモリデバイス334(図6参照)は、供給部搬送体204の前進位置及び後退位置を定める情報をコントローラに提供してもよい。
【0038】
任意であるが、供給ストロークを自動調節するために、圧着領域に対する端子の位置に関するコントローラへの帰還を提供する監視システム(図示せず)を設けてもよい。例えば、前進位置及び後退位置を決定するために、カメラ(図示せず)又は光学検知デバイスを設けてもよい。前進位置及び後退位置の調節は、カメラからの入力に基づいて行なってもよい。このように、供給デバイス104に閉ループ帰還を設けてもよい。
【0039】
このように、供給ストローク及び端子位置はプログラム可能であるので、ターミネータ100は、設定時間を短縮する供給デバイス104が制御された供給部アクチュエータ200が設けられる。このため、工具及び調節リンクを使用する操作者を要する現在にシステムとは異なり、操作者は、ストローク又は位置を変更するために供給デバイスの前進ボタン又は後退ボタンを押すだけである。第二に、各ターミネータ100は1個の供給デバイス104のみを要するので、圧着システム全体のコストを低減することができる。というのは、供給デバイス104はアプリケータ102から取外し可能であるからである。さらに、アプリケータ102にはリンク機構を要しないので、アプリケータのコストを低減される。最後に、供給デバイス104は、端子供給部の速度及び最終位置に柔軟性を与えて、圧着品質を改善する。供給部アクチュエータ200は、低速で制御された加速輪郭及び制御された減速輪郭を提供するようプログラムされていることにより、より一定の供給位置を与える。
【0040】
いくつかの具体的な実施形態で本発明を説明したが、当業者であれば、特許請求の範囲の真髄及び思想の範囲内で、本発明に変更を加えることができよう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の典型的な一実施形態に従って形成された端子圧着装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示された端子圧着装置用のアプリケータ及び供給デバイスを示す斜視図である。
【図3】図2のアプリケータ及び供給デバイスを別の方向から見た斜視図である。
【図4】カバーが除去された状態の図1に示された端子圧着装置用の供給デバイスを示す斜視図である。
【図5】アプリケータ及び供給デバイスの断面図である。
【図6】アプリケータ及び供給デバイスの斜視図である。
【図7】供給デバイス用の典型的な端子供給部材組立体を示す斜視図である。
【図8】供給デバイス用の別の典型的な端子供給部材組立体を示す斜視図である。
【図9】後退位置での供給デバイスを示す斜視図である。
【図10】前進位置での供給デバイスを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
100 ターミネータ(接続装置)
102 アプリケータ(接続部)
104 供給デバイス
106 圧着領域
108 圧着工具(接続工具)
110 端子
112 電線
122 制御モジュール
200 供給部アクチュエータ(電気アクチュエータ)
202 送りねじ
203 コントローラ
204 供給部搬送体
206 フレーム
270 供給部材組立体(端子供給部材)
316 センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続部(102)を有する接続装置(100)で使用されるよう構成された供給デバイス(104)であって、
該供給デバイスは、
前記接続部の接続領域(106)に近接して配置されるよう構成されたフレーム(206)と、
該フレームに摺動可能に実装された供給部搬送体であって、端子供給方向に沿って前進位置まで移動可能である供給部搬送体(204)と、
前記フレームに実装されていると共に前記供給部搬送体に結合されている電気アクチュエータであって、前記接続領域に端子(110)を配置するために、前記供給部搬送体を前記端子供給方向に沿って前記前進位置まで駆動する電気アクチュエータ(200)と
を具備することを特徴とする供給デバイス。
【請求項2】
前記供給デバイスは、前記端子及び端子用キャリアストリップの一方と係合するよう構成された端子供給部材(270)をさらに具備し、
該端子供給部材は、前記供給部搬送体により搬送され、
前記端子供給部材は、前記供給部搬送体204が前記端子供給方向に沿って移動すると、前記接続領域に向かって前記端子を前進させるよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の供給デバイス。
【請求項3】
前記供給デバイスは、前記電気アクチュエータに結合された送りねじ(202)をさらに具備し、
前記供給部搬送体は、前記電気アクチュエータが前記送りねじを回転させると、前記供給部搬送体が前記端子供給方向に沿って直線的に移動するように、前記送りねじと螺合することを特徴とする請求項1記載の供給デバイス。
【請求項4】
前記供給デバイスはコントローラ(203)をさらに具備し、
該コントローラは、前記電気アクチュエータの作動を制御するようプログラム可能であることを特徴とする請求項1記載の供給デバイス。
【請求項5】
前記供給デバイスは、
前記電気アクチュエータの作動を制御するコントローラ(203)と、
前記供給部搬送体の位置を決定するセンサ(316)とを具備し、
前記コントローラは、前記供給部搬送体の位置に基づいて前記電気アクチュエータを作動することを特徴とする請求項1記載の供給デバイス。
【請求項6】
接続領域(106)で電線(112)に端子(110)を接続するよう構成された接続工具(108)を有する接続部(102)と、該接続部に近接して配置された供給デバイス(104)とを具備する接続システム(100)であって、
前記供給デバイスは、フレーム(206)、該フレームに実装された供給部搬送体(204)、及び前記フレームに実装されると共に前記供給部搬送体に結合された電気供給部アクチュエータ(200)を有し、
前記供給部アクチュエータは、前記接続領域に前記端子を配置するために、前記供給部搬送体を端子供給方向に沿って前進位置まで駆動することを特徴とする接続システム。
【請求項7】
前記接続システムは、端子(110)及び端子用キャリアストリップの一方と係合するよう構成された端子供給部材(270)をさらに具備し、
該端子供給部材は、前記供給部搬送体により搬送されると共に、前記供給部搬送体が前記端子供給方向に沿って移動すると、前記接続領域に向かって前記端子を前進させるよう構成されていることを特徴とする請求項6記載の接続システム。
【請求項8】
前記供給デバイスは、前記接続部(102)に取外し可能に結合されていることを特徴とする請求項6記載の接続システム。
【請求項9】
前記接続工具は、接続ストロークに沿って移動可能であり、
前記供給デバイスは、前記接続ストロークと同期して前記接続領域へ引き続いて前記端子を供給するよう構成されていることを特徴とする請求項6記載の接続システム。
【請求項10】
前記接続システムは、前記接続部及び前記供給デバイスに作動結合された制御モジュール(122)をさらに具備し、
該制御モジュールは、接続作業時に接続部を作動させるよう構成されると共に供給作業時に前記供給デバイスを作動させるよう構成され、
前記制御モジュールは、前記接続作業及び前記供給作業を協調させることを特徴とする請求項6記載の接続システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−545238(P2008−545238A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519498(P2008−519498)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/025047
【国際公開番号】WO2007/005433
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(399132320)タイコ・エレクトロニクス・コーポレイション (234)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics Corporation
【Fターム(参考)】