説明

推進力発生装置連結機構

【課題】 推進力発生装置の連結型を、直列配置型、並列配置型、斜め配置型、上下配置型の全ての型に変化させることが可能な広い稼動範囲を有する連結機構を提供することを目的とする。
【解決手段】 推進力発生装置連結機構は、中央構造体,ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節,内部リンク,ロール軸回り回転関節,外部リンクを有する。ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節は二つあり、上記の中央構造体の両端に位置する。内部リンクは上記の回転関節にそれぞれ連結され、回転関節により上記中央構造体に対して角度を変える。ロール軸回り回転関節は、上記のそれぞれのリンクのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節が結合していない側の一端に結合されている。外部リンクは、上記2つのロール軸回り回転関節に取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推進力発生装置連結機構に関する。
また、本発明は、4関節・2自由度構成の推進力発生装置連結機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車輪式やクローラ式、脚式などといった様々な種類の推進力を発生する装置を連結した連結移動体が報告されている。クローラ式の推進力発生装置の一例を図1に示す。図1において、クローラ式の推進力発生装置は支持体1a、大車輪軸1b、大車輪1c、小車輪軸1d、小車輪1e、履帯1fより構成される。大車輪1cおよび小車輪1eは、支持体1aに対して大車輪軸1b、小車輪軸1dをもってそれぞれ回転対偶支持されている。履帯1fは大車輪1c、小車輪1eそれぞれに接するように取り付けられる。
【0003】
一例として、クローラ式の連結移動体は、大きく分けて、主に図2の斜視図および図3に示すような直列配置型、図4の斜視図および図5の三面図に示すような並列配置型、図4の斜視図および図5の三面図に示すような斜め配置型、図2の斜視図および図3の三面図に示すような上下配置型の連結形態があった。
【0004】
図2および図3に示すような直列配置型は、狭隘空間の中に入り込んだり、高い段差などを乗り越えるのに適していた。一方、斜面を横切って走行するような場合には非常に不安定であり、旋回半径が小さく取れない、すなわち小回りが効かないという問題もあった。
【0005】
図4および図5に示す並列配置型はその場旋回に有利で操縦性もよく、斜面横切りも安定して行える反面、狭隘空間への侵入および高い段差踏破が難しいという問題があった。
【0006】
図6および図7に示す斜め配置型は、パイプの内壁もしくは外壁に履帯を面接触させることが可能なため、安定な走行を実現できる反面、上記並列配置型と同様の欠点も有していた。
【0007】
図8および図9に示す上下配置型は、上下のクローラの回転方向を逆方向にすることで、狭い隙間に入り込むことが容易に行えるという特徴がある。その反面、高い障害物を乗り越えることや旋回が難しいという欠点も有していた。
【0008】
以上のように、従来の連結配置型はそれぞれにおいて一長一短があった。従って,例えば地震後の瓦礫などのように、様々な形,大きさ,硬さなど,複雑な構造を多数含む地形上を走行する探査救助用の移動体において,形が一定のままで走行することは、その形態において走行困難な地形がある箇所は探査することが難しく、瓦礫全体をくまなく探査することが困難であった。
【0009】
上記問題を解決するものとして,移動装置及び原子炉内作業方法が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。上記問題を解決するものとして,形状変化機構を有する多面体移動装置が報告されている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2003−315486公報 (段落0011〜段落0015)
【特許文献2】特開2004−224146号公報 (段落0018〜段落0031)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来の連結機構では、機構の自由度が多すぎることによる、機構自体の大きさの増大化、連結機構全体としての稼動範囲の減少、機構の複雑化、複雑化による製作コスト・重量の増加といった問題が挙げられる。また、形として傾斜角を有する形態自体を取ることができないという問題がある。
【0011】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、推進力発生装置としてクローラ式を例にすると、図2および図3の直列配置型、図3および図4の並列配置型、図5および図6の斜め配置型、図7および図8の上下配置型、の様々な形態を取ることが可能で,且つ,可動範囲の広いアームとしても用いることのできる推進力発生装置連結機構を提供することを目的とする。また、本発明は、該推進力発生装置連結機構の2自由度構成構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の推進力発生装置連結機構は、以下の中央構造体,ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節,内部リンク,ロール軸回り回転関節,外部リンク,推進力発生装置を有するものである。(イ)中央構造体。(ロ)上記の中央構造体の両端に位置する2つのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節。(ハ)上記の回転関節にそれぞれ連結され、回転関節により上記中央構造体に対して角度を変える内部リンク。(ニ)上記のそれぞれのリンクのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節が結合していない側の一端に結合されたロール軸回り回転関節。(ホ)上記2つのロール軸回り回転関節に取り付けられた外部リンク。(ヘ)上記2つのリンクのロール軸回り回転関節が結合していない側の一端に結合推進力発生装置。本発明の推進力発生装置連結機構により、移動体は、例えば推進力発生機構の中でもクローラ式を例にすると、図2および図3の直列配置型、図3および図4の並列配置型、図5および図6の斜め配置型、図7および図8の上下配置型、の様々な形態を取ることができ,且つ,可動範囲の広いアーム機構としての働きも実現できるものである。
【0013】
また、本発明の請求項2記載の推進力発生装置連結機構は、平歯車列により、内側の二つのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節を同期させて常に同じ角度だけ逆方向に動かし、外側の二つのロール軸回り回転関節を同期させて常に同じ角度だけ同方向に動かすことで、図2および図3の直列配置型、図3および図4の並列配置型、図5および図6の斜め配置型、図7および図8の上下配置型の4つの形態とその遷移状態における姿勢に限定すれば2自由度のみの構成で実現できるものである。これにより、コンパクト化、軽量化、低コスト化およびアクチュエータの数が減ることによる制御性の簡易化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の推進力発生装置連結機構によれば、本発明を用いた移動体は、例えば推進力発生機構の中でもクローラ式を例にすると、図2および図3の直列配置型、図3および図4の並列配置型、図5および図6の斜め配置型、図7および図8の上下配置型、の様々な形態を取ることができ,且つ,可動範囲の広いアーム機構としての働きも実現できる。また、請求項2記載の発明の推進力発生装置連結機構によれば、上記請求項1の機構を平歯車と傘歯車を用いて構成することにより、4関節2自由度構成とすることができる。これにより、変形動作に必要なアクチュエータの数を減らすことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、推進力発生装置連結機構にかかる請求項1記載の発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0016】
図10は、本発明の請求項1の推進力発生装置連結機構の一例を示す原理図である。(a)はピッチ軸回転モードにおける側面図を、(b)はピッチ軸回転モードにおける側面図をそれぞれ表す。該推進力発生装置連結機構12は、中央構造体6a,ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7a,内部リンク8a,ロール軸回り回転関節9a,外部リンク10a,推進力発生装置支持体11a,推進力発生装置12aにより構成される。外側に配置されるロール軸回り回転関節9aをそれぞれ同じ方向に同じ回転速度で回転させることで、内部リンクより内側の箇所が相対的に回転することになり、(a)のピッチ軸回転モードから(b)のピッチ軸回転モードに遷移させることが可能となる。
【0017】
図11は、本発明の請求項1の推進力発生装置連結機構の一例を示す斜視図である。図12は、本発明の請求項1の推進力発生装置連結機構の一例を示す三面図である。図10において(a)は側面図を、(b)は上面図を(c)正面図を表している。
該推進力発生装置連結機構12は、中央構造体6,ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7,内部リンク8,ロール軸回り回転関節9,外部リンク10,推進力発生装置支持体11,推進力発生装置12により構成される。
【0018】
中央構造体6について説明する。
中央構造体6は一つ存在する。中央構造体6は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材、弾性体などを材料として使用することができる。中央構造体6が弾性体の場合は、移動体の連結機構として、移動体が外界から受ける衝撃を吸収することが可能である。また、中央構造体6は、並列配置式である場合に、二つの推進力発生装置間の干渉を避けることが可能な最低限の長さを有する必要がある。
【0019】
ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7について説明する。
本発明の推進力発生装置連結機構において、ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7は二つ存在する。ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。二つのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7は、上記中央構造体6の両端にそれぞれ位置するものである。
【0020】
内部リンク8について説明する。
内部リンク8は二つ存在する。内部リンク8は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材、弾性体などを材料として使用することができる。内部リンク8が弾性体の場合は、移動体の連結機構として、移動体が外界から受ける衝撃を吸収することが可能である。内部リンク8は、ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7の、中央構造体6に接続されていないほうの端部に取り付けられており、中央構造体6に対して、ヨー軸またはピッチ軸回りの相対角度を変えることが可能である。
【0021】
ロール軸回り回転関節9について説明する。
本発明の推進力発生装置連結機構において、ロール軸回り回転関節9は二つ存在する。ロール軸回り回転関節9は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。二つのロール軸回り回転関節9は、上記内部リンク8の、ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節に接続されていない方の端部に結合されている。
【0022】
外部リンク10について説明する。
外部リンク10は二つ存在する。外部リンク10は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材、弾性体などを材料として使用することができる。外部リンク10が弾性体の場合は、移動体の連結機構として、移動体が外界から受ける衝撃を吸収することが可能である。外部リンク10は、ロール軸回り回転関節9の内部リンクに接続されていない方の端部に取り付けられており、二つのロール軸回り回転関節9に挟まれた、中央構造体6、ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節7,内部リンク8全体に対して、ロール軸回りの相対角度を変えることが可能である。
【0023】
推進力発生装置支持体11について説明する。
上記外部リンク10と、後に説明する推進力発生装置12の連結を容易にするために、推進力発生装置支持体11を設けてもよい。推進力発生装置支持体11を設ける場合、推進力発生装置支持体11は二つ存在する。推進力発生装置支持体11は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材、弾性体などを材料として使用することができる。推進力発生装置支持体11は、外部リンク10のロール軸回り回転関節9に接続されていない方の端部に取り付けられており、コの字型形状をしている。また推進力発生装置を、その車輪の軸方向に二分割し、その間に支持体を挟むような固定法でも構わない。その際にはコの字型の形状である必要はない。上記外部リンクのロール軸回り回転関節と接続されない側の形状を、コの字型構造にしておけば、当推進力発生装置支持体の働きも兼ねることができるので、その際は当推進力発生装置支持体は必要はない。
【0024】
推進力発生装置1について説明する。
推進力発生装置1は一つ存在する。推進力発生装置は、車輪式、クローラ式、脚式など、接地外界に対して推進力を発生できるものであればなんでも可能であるが、一例としてクローラ式の推進力発生機構を図1に示す。図1に示すクローラ式の推進力発生機構は以下のものよりなる。図1において、クローラ式の推進力発生装置は支持体1a、大車輪軸1b、大車輪1c、小車輪軸1d、小車輪1e、履帯1fより構成される。大車輪1cおよび小車輪1eは、支持体1aに対して大車輪軸1b、小車輪軸1dをもってそれぞれ回転対偶支持されている。履帯1fは大車輪1c、小車輪1eそれぞれに接するように取り付けられる。なお、このクローラ走行ユニットは数々の実施例があり、本発明の推進力発生装置における例としてのクローラ式の推進力発生装置の構成は、ここで述べた推進力発生装置の構成に限定されない。
【0025】
以上のことから、請求項1の発明を実施するための最良の形態によれば、移動体は、例えば推進力発生機構の中でもクローラ式を例にすると、図2および図3の直列配置型、図3および図4の並列配置型、図5および図6の斜め配置型、図7および図8の上下配置型、の様々な形態を取ることができ,且つ,可動範囲の広いアーム機構としての働きも実現できるものである。また、本発明において、リンクと関節の組み合わせを述べているが、ピンを介してのリンクの連結により、関節を構成する方法でも、本発明の連結機構を構成することは可能である。
【0026】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
つぎに、請求項2の推進力発生装置連結機構を実施するための最良の形態について説明する。
【0027】
図21は、本発明の請求項2の推進力発生装置連結機構の一例を示す原理図である。
該推進力発生装置連結機構は,平歯車13aおよび13b,傘歯車16a1および16a2、16b1および16b2,平歯車・傘歯車連結軸21a、21b,支持体17aおよび17b,連結軸14a、14b,平歯車15a、15b,傘歯車・推進力発生装置連結軸18a、18b,全体支持体19,よりなる。また、図には説明を補助するために、傘歯車・平歯車連結軸の回転を示すための回転軸20a、20bも一点鎖線で付加してある。
【0028】
平歯車13aおよび13bについて説明する。
平歯車13aおよび13bは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。平歯車13aおよび13bは、それぞれ同じモジュール、同じ歯数であり、この二つがお互いにかみ合わされているが故に、一方を支持体に対して回転させると、もう一方は同じ回転速度で逆方向に回転する。これにより、請求項1記載のヨー軸・ピッチ軸回り回転関節の動きを1自由度に限定することができる。平歯車13aおよび13bは、それぞれの回転中心において、後ほど説明する連結軸14aおよび14bにそれぞれ連結固定されている。
【0029】
連結軸14aおよび14bについて説明する。
連結軸14aおよび14bは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。連結軸14aおよび14bは、それぞれその一端が上記の平歯車13aおよび13bのそれぞれの回転中心に、それとは別のもう一端が後ほど説明する支持体17aおよび17bにそれぞれ連結固定されている。また、連結軸14aおよび14bは共に、後ほど説明する全体支持体に対して回転対偶により支持されている。
【0030】
支持体17aおよび17bについて説明する。
支持体17aおよび17bは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。支持体17aおよび17bは、連結軸14aおよび14bの一端にそれぞれ連結固定されている。これにより、上記平歯車13aおよび13bがそれぞれ噛み合わさり同回転速度、逆回転方向に回転する際に、同時にこれらに連結された支持体17aおよび17bもそれぞれ同回転速度、逆回転方向に回転することになる。
【0031】
傘歯車16a1および16a2について説明する。
本発明の請求項2記載の推進力発生装置連結機構において、傘歯車16a1および16a2はそれぞれ一つずつ存在する。傘歯車16a1および16a2は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。傘歯車16a1および16a2の歯車のモジュールおよび歯数は等しく、お互いに噛み合わされている。傘歯車16a1は連結軸18aに取り付けられ、上記支持体17aに対して回転対偶の状態で支持される。一方、該傘歯車16a1に噛み合わされている傘歯車16a2は、連結軸21aの一端部に連結されており、支持体17aに対して回転対偶の状態で支持される。
【0032】
連結軸18aについて説明する。
連結軸18aは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。連結軸18aの一端部は、上記の傘歯車に連結固定され、それとは別のもう一端は推進力発生装置に対して連結結合される。また、連結軸18aは上記支持体17aに対して回転対偶支持される。
【0033】
傘歯車16b1および16b2について説明する。
本発明の請求項2記載の推進力発生装置連結機構において、傘歯車16b1および16b2はそれぞれ一つずつ存在する。傘歯車16b1および16b2は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。傘歯車16b1および16b2の歯車のモジュールおよび歯数は等しく、お互いに噛み合わされている。傘歯車16b1は傘歯車・推進力発生装置連結軸18bに取り付けられ、後に説明する傘歯車回転対偶支持体17bに対して回転対偶の状態で支持される。一方、該傘歯車16b1に噛み合わされている傘歯車16b2は、平歯車・傘歯車連結軸21bの一端部に連結されており、傘歯車回転対偶支持体17bに対して回転対偶の状態で支持される。
【0034】
連結軸18bについて説明する。
連結軸18bは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。連結軸18bの一端部は、上記の傘歯車に連結固定され、それとは別のもう一端は推進力発生装置に対して連結結合される。また、連結軸18bは上記支持体17bに対して回転対偶支持される。
【0035】
平歯車15aおよび15bについて説明する。
平歯車15aおよび15bは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。平歯車15aおよび15bは、それぞれ同じモジュール、同じ歯数であり、この二つがお互いにかみ合わされているが故に、一方を支持体に対して回転させると、もう一方は同じ回転速度で逆方向に回転する。平歯車15aおよび15bの働きは、連結軸18の回転を連結軸に伝えることである。図 に示すように、連結軸は、それぞれの回転中心において、後ほど説明する連結軸14aおよび14bにそれぞれ連結固定されている。
【0036】
連結軸18aについて説明する。
連結軸18aは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。連結軸18aの一端部は、上記の傘歯車に連結固定され、それとは別のもう一端は推進力発生装置に対して連結結合される。また、連結軸18aは上記支持体17aに対して回転対偶支持される。
【0037】
連結軸18bについて説明する。
連結軸18bは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。連結軸18bの一端部は、上記の傘歯車に連結固定され、それとは別のもう一端は推進力発生装置に対して連結結合される。また、連結軸18bは上記支持体17bに対して回転対偶支持される。
【0038】
全体支持体19について説明する。
全体支持体19は金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。全体支持体19は連結軸をそれぞれ回転対偶支持している。また、この全体支持体19により、連結軸と連結軸、 および連結軸と連結軸 はそれぞれ同一直線上にのる。また、全体支持体19と上記支持体17aおよび17bにより、連結軸18aおよび18bは同一平面上にのる。
【0039】
連結軸21aについて説明する。
連結軸21aは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。連結軸21aの一端部は、上記の傘歯車16a2に連結固定され、それとは別のもう一端は平歯車15aに対して連結結合される。また、連結軸21aは全体支持体19に対して回転対偶支持される。
【0040】
連結軸21bについて説明する。
連結軸21bは金属からなるのが好ましいが、これに限定されるものではなく、プラスチック、木材などを使用することができる。連結軸21bの一端部は、上記の傘歯車16b2に連結固定され、それとは別のもう一端は平歯車15bに対して連結結合される。また、連結軸21aは全体支持体19に対して回転対偶支持される。
【0041】
以上のことから、請求項2記載の推進力発生装置連結機構を実施するための最良の形態によれば、平歯車、傘歯車の組み合わせにより、4つある関節の内、中央部の二つを一組にし、外側の二つを一組にして2自由度化を図ることが可能となる。
【0042】
なお、本発明において、推進力発生装置間の干渉を防ぐためには、上記平歯車列を上記の二つから4つにし、回転軸21aと回転軸21bの距離を離すことで実現するということを明記しておく。
【0043】
なお、本発明は上述の発明を実施するための最良の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】クローラ式推進力発生装置の一例を示す三面図および斜視図である。
【図2】従来の直列配置型クローラ連結移動体の一例を示す斜視図である。
【図3】従来の直列配置型クローラ連結移動体一例を示す三面図である。
【図4】従来の並列配置型クローラ連結移動体の一例を示す斜視図である。
【図5】従来の並列配置型クローラ連結移動体の一例を示す三面図である。
【図6】従来の斜め配置型クローラ連結移動体の一例を示す斜視図である。
【図7】従来の斜め配置型クローラ連結移動体の一例を示す三面図である。
【図8】従来の上下配置型クローラ連結移動体の一例を示す斜視図である。
【図9】従来の上下配置型クローラ連結移動体の一例を示す三面図である。
【図10】本発明の推進力発生装置の原理図である。(a)は(b)
【図11】本発明の推進力発生装置の一例を示す斜視図である。
【図12】本発明の推進力発生装置の一例を示す三面図である。
【図13】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、ヨー軸回転モードからピッチ軸回転モードへのモード切替を示す動作図である。(a)はヨー軸回転モードにおける姿勢を、(b)はピッチ軸回転に移る途中の姿勢を、(c)はピッチ軸回転モードにおける姿勢をそれぞれ表している。
【図14】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、段差乗り越え動作を示す動作図である。
【図15】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、並列配置型になった際の外観を示す斜視図である。
【図16】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、直列配置型から並列配置型への形態変化を示す動作図である。(a)は直列配置型を、(b)および(c)は並列配置型に移る途中の姿勢を、(d)は並列配置型をそれぞれ表している。
【図17】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、斜め配置型になった際の外観を示す斜視図である。
【図18】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、並列配置型から斜め配置型、上下配置型へと形態の切替を示す動作図である。(a)は並列配置型を、(b)は斜め配置型を、(c)は上下配置型をそれぞれ表している。
【図19】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、上下型になった際の外観を示す斜視図である。
【図20】本発明の推進力発生装置連結機構において、推進力発生装置としてクローラ式のものを有する移動体の一例の、直列配置型、並列配置型、斜め配置型、上下配置型へと形態の切替を示す系列図である。
【図21】本発明の請求項2の推進力発生装置連結機構の一例を示す原理図である。
【符号の説明】
【0045】
1‥‥推進力発生装置、1a‥‥支持体、1b‥‥大車輪軸、1c‥‥大車輪、1d‥‥小車輪軸、1e‥‥小車輪、1f‥‥履帯、2‥‥直列配置型用連結体、3‥‥並列配置型用連結体、4‥‥斜め配置型用連結体、5‥‥上下配置型用連結体、6‥‥中央構造体、7‥‥ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節、8‥‥内部リンク、9‥‥ロール軸回り回転関、10‥‥外部リンク、11‥‥推進力発生装置支持体、12‥‥推進力発生装置連結機構、6a‥‥中央構造体、7a‥‥ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節、8a‥‥内部リンク、9a‥‥ロール軸回り回転関、10a‥‥外部リンク、11‥‥推進力発生装置支持体、13a‥‥平歯車、13b‥‥平歯車、14a‥‥連結軸、14b‥‥連結軸、15a‥‥平歯車、15b‥‥平歯車、16a1‥‥傘歯車、16a2‥‥傘歯車、16b1‥‥傘歯車、16b2‥‥傘歯車、17a‥‥支持体、17b‥‥支持体、18a‥‥連結軸、18b‥‥連結軸、19‥‥全体支持体、20a‥‥回転軸、20b‥‥回転軸、21a‥‥連結軸、21b‥‥連結軸、12‥‥推進力発生装置連結機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の中央構造体,ヨー軸・ピッチ軸回り回転関節,内部リンク,ロール軸回り回転関節,外部リンク,推進力発生装置を有する推進力発生装置連結機構。
(イ)中央構造体
(ロ)上記の中央構造体の両端に位置する2つのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節
(ハ)上記の回転関節にそれぞれ連結され、回転関節により上記中央構造体に対して角度を変える内部リンク
(ニ)上記のそれぞれの内部リンクのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節が結合していない側の一端に結合されたロール軸回り回転関節
(ホ)上記2つのロール軸回り回転関節にそれぞれ取り付けられた外部リンク
(ヘ)上記2つの外部リンクのロール軸回り回転関節が結合していない側の一端に結合推進力発生装置
【請求項2】
上記請求項1の推進力発生装置連結機構において、内側の二つのヨー軸・ピッチ軸回り回転関節の回転方向は逆方向に,外側の二つのロール軸回り回転関節の回転は同方向に,同じ回転速度で回転動作するといった2自由度構成を特徴とする請求項1の推進力発生装置連結機構

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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