説明

推進管の連結構造及びこれに用いられるクッション材

【課題】 施工時に推進管の端面が破損するのを確実に防止することができる推進管の連結構造及びこれに用いられるクッション材を提供する。
【解決手段】 推進工法における推進管1,1’の連結構造に用いられる本発明に係るクッション材5は、先行する推進管1の後端部と後続する推進管1’の先端部との間に介装される発泡樹脂製のクッション材4と少なくとも先行する推進管1の後端部との間に介装され、軸長方向においては推進力に基づく圧縮応力よりも大きな圧縮強度を有し且つそれと直交する方向においては推進管の引張強度よりも小さい剪断強度を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、推進工法において推進管の連結部に使用されるクッション材に関し、特に、コンクリート推進管用のクッション材として適している。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒューム管の施工は路面を掘り起こす必要のない推進工法が頻繁に行われている。この工法は、発進立坑から到達立坑に向けて土中の掘削を行う掘進機の後方に推進管を次々と連結し、推進管の後端をジャッキで押すようにして全体を前進させることにより、開削を行わず地中に管路を形成する工法である。また、推進工法には、掘進機を直線的に前進させる、いわゆる「直線推進」ばかりでなく、障害物などを回避できるよう、後続する推進管を先行する推進管に対して傾くように連結して掘進機を曲線的に前進させる、いわゆる「曲線推進」(「カーブ推進」ともいう)がある。
【0003】
いずれにせよ、推進管を直接連結すると、コンクリート同士の接触になるため、クラックが入ったり、場合によっては、欠けて破損するおそれがあるとして、先行する推進管の端面と後続する推進管の端面との間にクッション材を介在させるようにしている。このクッション材としては、腐食しにくく、軽量で、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性に優れるのみならず、発泡倍率を変えることにより任意の潰れ特性を実現できるという特異的特徴を有する発泡ポリスチレンが多用される(特許文献1)。
【特許文献1】特公昭61−8320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発泡ポリスチレンは、限界圧縮応力までは弾性変形して集中応力に対して可逆的に対応し、集中応力が限界圧縮応力を超えると塑性変形する、といった特性があるため、発泡ポリスチレンのクッション材を用いると、管の端面同士の接触面積が拡大して集中応力を好適に分散することができ、これにより、ジャッキから発生する推進力を推進管から推進管へと確実に伝達すると共に、推進管の端面が破損するのを防止することができるとされている。
【0005】
しかしながら、発泡ポリスチレンは、弾性体であり、押圧力(ジャッキから発生する推進力)によって圧縮されると、直交する方向(主として径方向)に伸びる、といった特性があるため(ポアソン比に伴う潰れによる膨らみ変形)、この伸びに伴って生じる引張力が推進管の端面の摩擦抵抗力に応じて推進管(の主として径方向)に対する引張力となり、この点、推進管の端面がクラックなどで破損する原因となるおそれがある。
【0006】
特に、曲線推進においては、ジャッキから発生する推進力が曲線の内側に集中するので、一般的には、円弧状のクッション材を、推進管の端面のうち、曲がり方向と直交する両側部に一対配置することにより、推進管の端面のうち、曲がり方向における部分(即ち、向かい合う相手側の推進管の端面に対して最も接近する部分)を向かい合う相手側の推進管の端面から十分に浮かせることで、管同士の直接的な接触を避けるようにしているが、クッション材のうち、曲線の内側に近い方は、そこに推進力が集中するため、膨らみ変形が大きくなり、また、これに伴い、推進管の径方向に対する引張力も大きくなってしまい、その結果、そのような推進管の端面の箇所で破損が起こる可能性がある。
【0007】
これらの問題に対しては、推進管の端面に例えば鉄板といったリング体を取り付け、端面を覆って保護する方法も考えられる(特許文献2)が、推進管の外径は、通常250φから3000φであり、大きいものは人が持てないくらいの重量物となってしまうため、推進管の製造時におけるリング体の取り付け作業あるいは施工時におけるリング体の取り付け作業が煩雑且つ重労働となるばかりでなく、コストアップに繋がる。
【特許文献2】特開2000−257378号公報
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、施工時に推進管の端面が破損するのを確実に防止することができる推進管の連結構造及びこれに用いられるクッション材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る推進管の連結構造は、上記課題を解決すべく構成されたもので、推進工法における推進管の連結構造であって、先行する推進管の後端部と後続する推進管の先端部との間に、発泡樹脂製の第1クッション材が介装され、しかも、該第1クッション材と少なくとも先行する推進管の後端部との間に、軸長方向においては推進力に基づく圧縮応力よりも大きな圧縮強度を有し且つそれと直交する方向においては推進管の引張強度よりも小さい剪断強度を有する第2クッション材が介装されることを特徴とする。
【0010】
第2クッション材が無ければ、推進力が加えられることにより第1クッション材が膨らみ変形するのに伴って発生した、軸長方向と直交する方向での引張力が、推進管の端面に加えられ、端面に破損が起こり得るが、かかる構成によれば、推進力が加えられると、第2クッション材は、剪断破壊され(横方向にずれて剪断され)、引張力が推進管の端面に伝達されるのを防止、あるいは抑制、あるいは軽減し、その結果、推進管の端面が破損から保護される。
【0011】
従って、第1クッション材は、推進力を分散するクッション材(緩衝材)であり、第2クッション材は、第1クッション材によって発生した引張力に対するクッション材(緩衝材)であると言える。
【0012】
ここで、本発明に係る推進管の連結構造は、前記第2クッション材は、第1クッション材と先行する推進管の後端部との間、及び第1クッション材と後続する推進管の先端部との間、にそれぞれ介装される構成を採用することができる。
【0013】
端面が損傷を受けやすいのは、主として、先行する推進管側である。しかし、後続する推進管側にも第2クッション材を設けることにより、不測の事態に対応することができる。また、直線推進であれば、先行する推進管側のみならず、後続する推進管側にも等しく、損傷が発生し得る。従って、第2クッション材を先行する推進管側と後続する推進管側の両方に設けることは、特に直線推進において好適である。
【0014】
また、本発明に係る推進管の連結構造に用いられるクッション材は、推進工法における推進管の連結構造に用いられるクッション材であって、先行する推進管の後端部と後続する推進管の先端部との間に介装される発泡樹脂製のクッション材と少なくとも先行する推進管の後端部との間に介装され、軸長方向においては推進力に基づく圧縮応力よりも大きな圧縮強度を有し且つそれと直交する方向においては推進管の引張強度よりも小さい剪断強度を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の如く、本発明は、推進力に基づく、軸長方向と直交する方向での引張力が、推進管の端面に作用するのを好適に防止することができるため、施工時に推進管の端面が破損するのを確実に防止することができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る推進管の連結構造(突き合わせ構造)について、図面を参酌しつつ説明する。
【0017】
図1は、先行する推進管1と後続する推進管1’との連結部(突き合わせ部)の断面図を示す。本実施形態において推進工法に用いられる推進管1,1’は、コンクリート製であり、先行する推進管1の後端部の外周面にはカラー2が取り付けられる。一方、後続する推進管1’の先端部は、該推進管1’を推進管1に対して傾くように連結する際にカラー2と干渉しないよう、テーパ状に形成されている。そして、該テーパ部に環状の止水ゴム3が取り付けられている。従って、先行する推進管1と後続する推進管1’との連結部は、カラー2によって全周が覆われ、後続する推進管1’の先端部の止水ゴム3は、カラー2の内周面に密着し、その結果、カラー2と後続する推進管1’の先端部との間で管路の止水が行われる。
【0018】
そして、先行する推進管1の後端部と後続する推進管1’の先端部との間には、従来から使われてきたクッション材が第1クッション材(第1緩衝材)4として介装されると共に、該第1クッション材4と先行する推進管1の後端部との間及び第1クッション材4と後続する推進管1’の先端部との間に、それぞれ本発明に係るクッション材の一実施形態である第2クッション材(第2緩衝材)5が介装されている。より詳しくは、先行する推進管1の後端部の端面及び後続する推進管1’の先端部の端面には、第2クッション材5が取り付けられ、先行する推進管1の後端部の端面に取り付けられる第2クッション材5に、第1クッション材4が取り付けられ、該第1クッション材4に、後続する推進管1’の先端部の端面に取り付けられた第2クッション材5が接触し、これによって、先行する推進管1と後続する推進管1’とが連結される。
【0019】
第1クッション材4は、発泡ポリスチレン製であり、径方向の幅が推進管1の管壁厚と同じになるように形成されている。その厚みは5〜10mmの各種のものが提供され、何れかを選択して使用するか又は複数(例えば2〜5枚)を選択してそれらを一体的に積層させたものを使用するようにしている。
【0020】
また、本実施形態は曲線推進を念頭に置いているので、第1クッション材4は、円弧状のものが用いられる(図2(a)参照)。詳しくは、推進管1の端面のうち、曲がり方向と直交する両側部にそれぞれ配置するために、一対の第1クッション材4,4が用いられる。その角度範囲は90°、120°といった各種のものが提供され、何れかを選択して使用するようにしている。
【0021】
第1クッション材4を製造するに当たっては、一般透明スチレン樹脂、耐衝撃性スチレングラフト共重合樹脂及びこれらの混合物等のスチレン系樹脂に発泡剤を含浸又は混合したものを原料とし、水蒸気による金型内発泡成型により製造することができる。発泡剤としては、沸点がスチレン系樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液状の有機化合物が適しており、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、炭酸ガス、窒素等の無機ガス等が用いられる。これらの発泡剤は、一種のみを使用してもよく、また、二種以上を併用してもよい。これらのうち、好ましい発泡剤は、沸点が−45〜40℃の炭化水素であり、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等が好ましい。
【0022】
次に、第2クッション材5は、径方向の幅が推進管1,1’の管壁厚及び第1クッション材4と同じになるように形成され、且つ、環状に形成されている(図2(b)参照)。但し、上述した通り、後続する推進管1’の先端部はテーパ状となっており、該端面は、先行する推進管1の後端部の端面よりも小さな円となっている。その結果、後続する推進管1’の先端部の端面に取り付けられる第2クッション材5は、先行する推進管1の後端部の端面に取り付けられる第2クッション材5よりも径が小さく且つ径方向の幅が狭いものとなっている。また、後続する推進管1’の先端部の端面に取り付けられる第2クッション材5は、該推進管1’の先端のテーパ部に対応して外周面がテーパ状になっている。
【0023】
第2クッション材5は、圧縮方向(推進管1,1’の軸長方向)においては推進力に耐えられる強度(圧縮強度)を有し、それと直交する方向(主として径方向)においては推進管1,1’の許容引張力(引張強度)よりも小さい強度(剪断強度)を有する部材である。従って、推進力が加えられることにより第1クッション材4が膨らみ変形するのに伴って発生した径方向での引張力が第2クッション材5に加わると、第2クッション材5は、剪断破壊され(横方向にずれて剪断され)、引張力が推進管1,1’の端面に伝達されるのを防止、あるいは抑制、あるいは軽減し、その結果、推進管1,1’の端面が破損から保護される。
【0024】
材質としては、合板、繊維板、パーティクルボードといった各種の繊維系材料の中から適宜選択される。尚、「合板」とは、木材の薄い板(ベニア)を繊維方向が交互になるように奇数枚張り合せて1枚の板にしたものをいい、「繊維板」とは、木材や竹、稲わらなどの植物繊維を主原料として、これをパルプ化し、耐水剤、接着剤等を加えて板状に圧縮、成形したものをいい、「パーティクルボード」とは、木材を細かく切り砕いた小片(チップ材)に接着剤を混合し、板状に熱圧成形したものをいう。
【0025】
第2クッション材5の厚みは、5mm程度にされている。厚みが少ないと、第2クッション材5の機能が発揮されず、厚みが多いと、カラー2(止水ゴム3)から推進管1’がはずれてしまうおそれがある。
【0026】
第2クッション材5は、全面的又は散点的に付与される接着剤又は両面テープによって、先行する推進管1の後端部の端面又は後続する推進管1’の先端部の端面に取り付けられる。また、第2クッション材5は、同じく全面的又は散点的に付与される接着剤又は両面テープによって、第1クッション材4を取り付ける。
【0027】
本実施形態に係る推進管の連結構造は以上の構成からなり、次に、第1クッション材4及び第2クッション材5の作用について、図3を参酌しつつ説明する。
【0028】
図3は、図2(a)のA−A線及びこれと一致する図2(b)のA’−A’線における断面図であり、曲線推進における曲線の内側に近い方である。従って、図3は、推進力Gが集中して、第1クッション材4の膨らみ変形が大きくなり、また、これに伴い、径方向での引張力P1も大きくなってしまい、その結果、第2クッション材5が無ければ、推進管1,1’の端面に対して引張力P2が加えられ、端面に破損が起こり得る。
【0029】
しかしながら、第1クッション材4で発生した径方向での引張力P1が第2クッション材5に加わると、第2クッション材5は、剪断力Sによって剪断破壊され(横方向にずれて剪断され)、引張力P1が推進管1の端面に伝達されて引張力P2が加えられるのを防止、あるいは抑制、あるいは軽減するようになっている。従って、推進管1の端面は、破損から保護されるのである。
【0030】
それでは、なぜ、第2クッション材5が第1クッション材4で発生した引張力P1を推進管1の端面に伝達させないかと言えば、その理由としては、第2クッション材5が繊維系材料からなり、従って、その繊維が剪断力Sによって引きちぎれたり、繊維同士の接着が剥がれて離間するようにして剪断されることにより、その剪断力Sが第2クッション材5内で消失あるいは低減し、そのために、第2クッション材5が引張力P2を引き起こすに至らないからであると考えられる。
【0031】
このように、第1クッション材4は、推進力Gを分散するクッション材(緩衝材)であり、第2クッション材5は、第1クッション材4によって発生した引張力P1に対するクッション材(緩衝材)であると言える。
【0032】
ところで、これは何も曲線推進に限った話ではなく、直線推進においても妥当する内容である。即ち、図3で説明されるような作用が直線推進であれば推進管1,1’の全周において起こるだけであり、従って、直進推進時に奏される効果は、曲線推進時に奏される上記した効果と全く同じと言ってよい。要は、第2クッション材5が全周に設けられており、曲線推進時であれば、推進管1,1’の端面のうち、集中応力が生じる箇所の破損を防止することができるのに対し、直線推進時であれば、推進管1,1’の端面を全体的に破損から保護することができるようになっている(そうはいっても、第1クッション材4は円弧状に形成されており、第1クッション材4が無いところでは無関係な話である)。
【0033】
尚、本発明は、上記何れの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
例えば、上記実施形態においては、第1クッション材4は円弧状に形成され、第2クッション材5は環状に形成されるが、第1クッション材が円弧状で、第2クッション材も円弧状の組み合わせや、第1クッション材が環状で、第2クッション材も環状の組み合わせであってもよい。但し、前者である場合、第2クッション材は、第1クッション材よりも円弧長さが長くなるようにし(第1クッション材よりも大きな角度範囲となるようにし)、しかも、推進管の端面の周方向において第1クッション材の端部よりも突出するような配置とするのが好ましい。
【0035】
また、上記実施形態においては、第1クッション材4として、発泡ポリスチレン製のものが用いられるが、材質については、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンといった各種の発泡樹脂の中から適宜選択することができる。
【0036】
また、上記実施形態においては、円弧状である第1クッション材4の側縁が径方向に沿った線(即ち、放射線)であるが、例えば、両側縁が平行、より詳しくは、両側縁が互いに平行で且つ第1クッション材4の幅方向中心線とも平行なものも採用可能である。第2クッション材を円弧状とする場合も同様である。
【0037】
また、上記実施形態においては、第2クッション材5は、一体物からなるリング体により環状となっているが、第2クッション材を複数の分割片で構成し、組み合わせて環状にする分割型であってもよい。第1クッション材を環状とする場合も同様である。
【0038】
また、上記実施形態においては、第1クッション材4及び一方の第2クッション材5を先行する推進管1の後端部に取り付けると共に、他方の第2クッション材5を後続する推進管1’の先端部に取り付けるようにしているが、これに限定されず、第1クッション材4及び一方の第2クッション材5を後続する推進管1’の先端部に取り付けると共に、他方の第2クッション材5を先行する推進管1の後端部に取り付けるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、第1クッション材4の両面(即ち、一方の第2クッション材5に対向する一方側の端面と、他方の第2クッション材5に対向する他方側の端面)、第2クッション材5の両面(即ち、第1クッション材4に対向する一方側の端面と、推進管1,1’の端面に対向する他方側の端面)がみな平坦であるが、例えば、第2クッション材5に第1クッション材4を取り付ける手段として、何れか一方の対向面に溝や孔を形成すると共に、何れか他方の対向面に前記溝に嵌る突条や前記孔に嵌る突起を形成し、両者が凹凸嵌合により取り付けられるようにすれば、第2クッション材5に対する第1クッション材4の位置合わせを簡単に行うことができる。
【0040】
また、上記実施形態においては、第1クッション材4の両側に第2クッション材5を配置したが、第2クッション材5は片方だけであってもよい。この場合は、推進力(から派生した引張力)による影響を受けやすい方(即ち、先行する推進管1)に第2クッション材5を残し、後続する推進管1’側の第2クッション材5を無くすようにするのがより好ましい。
【0041】
また、上記実施形態においては、推進管1としてパイプ状(円筒状)のものを用いたが、推進管はこれに限定されず、例えば、BOX形状(角筒状)の四角管であってもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、推進管1,1’の先端部がテーパ状になっているが、そうでなくても(ストレートであっても)よい。その場合、先端部に取り付けられる第2クッション材は、後端部に取り付けられる第2クッション材5と同じ幅になるため、先端部及び後端部での第2クッション材の兼用化を図ることができる。また、上記実施形態においては、推進管1,1’の先端部が段落ちして径が小さくなっているが、そうなっていなくてもよい。尚、カラー2は、柔軟性を有するため、推進管1,1’の先端部がテーパ状になっていなくても、推進管1,1’の曲がりに対して柔軟に屈曲ないし湾曲が可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る推進管の連結構造の断面図であって、(a)は、連結前の状態、(b)は、連結が完了した状態、を示す。
【図2】同連結構造に用いられるクッション部材の平面図であって、(a)は、第1クッション部材、(b)は、第2クッション部材、を示す。
【図3】図2(a)のA−A線及びこれと一致する図2(b)のA’−A’線における同連結構造の断面図を示す。
【符号の説明】
【0044】
1 先行する推進管
1’後続する推進管
2 カラー
3 止水ゴム
4 第1クッション材(第1緩衝材)
5 第2クッション材(第2緩衝材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進工法における推進管の連結構造であって、先行する推進管の後端部と後続する推進管の先端部との間に、発泡樹脂製の第1クッション材が介装され、しかも、該第1クッション材と少なくとも先行する推進管の後端部との間に、軸長方向においては推進力に基づく圧縮応力よりも大きな圧縮強度を有し且つそれと直交する方向においては推進管の引張強度よりも小さい剪断強度を有する第2クッション材が介装されることを特徴とする推進管の連結構造。
【請求項2】
前記第2クッション材は、第1クッション材と先行する推進管の後端部との間、及び第1クッション材と後続する推進管の先端部との間、にそれぞれ介装される請求項1に記載の推進管の連結構造。
【請求項3】
推進工法における推進管の連結構造に用いられるクッション材であって、先行する推進管の後端部と後続する推進管の先端部との間に介装される発泡樹脂製のクッション材と少なくとも先行する推進管の後端部との間に介装され、軸長方向においては推進力に基づく圧縮応力よりも大きな圧縮強度を有し且つそれと直交する方向においては推進管の引張強度よりも小さい剪断強度を有することを特徴とするクッション材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−235785(P2009−235785A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83164(P2008−83164)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】