説明

換気用窓パネル装置

【課題】電源が太陽電池と商用電源とに切り換え可能な換気用窓パネル装置の提供。
【解決手段】引戸窓1の引戸4を一部半開きにして、そのスペースに、太陽電池9、モータ付ファン6、AC-DCコンバータ7、吸気口10、切替スイッチ8等を装着したパネル5を挿入し、昼間は太陽電池9による電力で換気、太陽不照時または夜間には商用電源の電力で換気又は排煙等に使用できる半固定式の換気用窓パネル装置で、太陽電池9の受光面を太陽方向に向ける傾斜角度を最適条件に調整できる機能を備え、引戸窓1への着脱が容易で、昼間時の換気は商用電源不要な構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、引戸窓に装着したパネルに太陽電池と商用電源と切替スイッチとモータ付ファンと吸気窓を備えた換気扇で太陽電池又は商用電源で必要に応じ室内換気を行うものである。
【背景技術】
【0002】
下記文献に示す、従来の「ソーラーパネル付換気扇」は、太陽電池とモータ付ファンをセットにして、持ち運び容易で、換気に必要な部位に随意に装着し換気操作を行う構造であるが、太陽不照時や夜間に使用できず、取付け準備や格納することが面倒で、取り扱いが不便であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許公開2009−109043号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、引戸窓の戸を一部半開きにして、そのスペースに、太陽電池、モータ付ファン、AC-DCコンバータ、吸気窓等を装着したパネルを装着し、昼間は太陽電池による換気、夜間には商用電源による排煙等に使い分けできる半固定式の換気用窓パネル装置である。

【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(1)引戸窓への装着や取外しが容易で、パネルに換気装置の装着一体化。
(2)太陽電池と商用電源で昼夜の区別なく換気操作が可能。
(3)昼間無人室は太陽電池による電気代無しの換気で室内温上昇の防止。
(4) 太陽不照時または夜間は、商用電源により排煙、換気に使用可能。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)パネルの上下端に引戸と同様な係合用凹凸部を設け着脱容易化。
(2)太陽電池と商用電源のDC化により、昼夜無関係に換気使用可能。
(3)昼間無人室は、必要に応じ太陽電池電力で連続換気を行う。
(4) 夜間は、商用電源のDC化で随意に排煙・換気操作で行う。
【発明の効果】
【0007】
前記解決手段により、従来品に比べ、下記の点が大幅に改善される。
(1)パネル装置は引戸窓に随意に着脱可能で、建物に特別な加工が不要。
(2)スイッチ操作で太陽電池や商用電源の選択的使用が可能電で便利。
(3) 昼間無人室の過度な温度上昇を防止し、室内に置く植物、動物の生命保護。
(4)夜間は商用電源で、焼肉やタバコの煙の排出、一酸化炭素中毒の防止。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本案の引戸窓への装着図
【図2】本案の側面断面図(図1のA-A’断面)
【図3】本案の電気回路概要図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図1から図3を参照して本案の構造と作動を説明する。
図1は本案の引戸窓への装着図、図2は図1のA-A’断面、図3は本案の電気回路概要図である。
図1の1は引戸窓で、通常は引戸が2〜4枚で構成されている。2は引戸窓を構成する外周に設けた窓枠で、下側枠の上面には引戸の本数に合わせて2b窓枠下レールが装着され、上側枠の下面には引戸の本数に合わせて2a窓枠上溝が掘られている。3引戸の下端面には前記の2b窓枠下レールと係合する複数の滑車が装着された3b引戸下溝が設けられ、引戸の移動を容易にしている。他方の上端には前記2a窓枠上溝に係合する3a引戸上リブが設けられ、引戸の外れを防止している。
5パネルの装着は、複数本の引戸の内、最外側又は最内側の引戸と2窓枠との間に挿入取付けするが、図1では4引戸外側と2窓枠の間に挿入していて、5パネル上端には5aパネル上リブが設けられ、2a窓枠上溝に挿入され、他方の下端には5bパネル下溝が設けられ、2b窓枠下レールと係合される。5パネルの装着は、通常の引戸と同じ要領で、上側の2a窓枠上溝に5aパネル上リブを挿入し、次に2b窓枠下レールに5bパネル下溝を挿入すればよい。取外しは前記操作と逆の手順で行えばよい。5パネルには上端部に6aモータと6bファンが一体的に構成された6モータ付ファンが室内側から外側に向けて送風される様に取付けられ、下端部には10吸気口が設けられ、その穴を囲む様に11防虫網が取り付けられている。前記6モータ付ファンの下部で室内側に7のAC-DCコンバータと8切替スイッチが取付けられ、図1には記載が省略されているが、7のAC-DCコンバータの入力電源用リード線が商用電力のACコンセントに接続されている。また、5パネルの外側で、上下方向の略中央に9a電池ベースに装着された9太陽電池の上端部は12上部支持部材によって5パネル面に回転可能に固定されている。他方下端部は13下部支持部材によって14傾斜ステーと回転自在に連結され、その他端は15パネル移動支点と回転自在に連結され、15パネル移動支点は5パネル外面に沿って上下方向に移動と固定可能で、図2の上方向に行くほど9太陽電池表面と5パネル外面で作られる角度θは小さくなり、0度から40度の範囲で調節可能で、日本国内の通常では30度程度が日照時間が最も長いとされている。
【0010】
次に、図1から図3を用いて使用方法を説明する。
5パネルの脱着方法は前記した通りで、図1又は図2の様に装着すればよい。
9太陽電池の装着角度θは前述で、30度程度が日本では最適と説明したが、1引戸窓の上部には通常屋根のひさしが張り出していて、その日陰に成らないよう選択的にθ角度を調整する要が有る。
次に図3で電気回路を説明する。まず前記7AC-DCコンバータに接続されたACコードは商用電源コンセントに接続して下さい。図3本案の電気回路概要図に示す様に、9太陽電池から出力されるDC電流端子とAC電源を7AC-DCコンバータでDC電流に変換した電流端子と6a DCモータの入力端子を8切替スイッチに接続し、8切替スイッチの可動子をノブの操作で、6aDCモータ入力を図3の最上部に切り替えると9太陽電池出力が接続され、昼間の室内温度が日照りで上昇すると同時に9太陽電池の出力で6モータ付ファンが作動し、前記の温度上昇空気を室外に排出すると共に、10吸気口から外部の冷えた空気を吸引し、室内空気の対流で温度上昇を防止します。その時11防虫網は流入空気に交じって虫の吸い込みを防止します。
次に前記可動子を中立位置に切り替えるとスイッチはOFFとなり、6モータ付ファンは停止し、換気は中止されます。
次に前記可動子を最下部に切り替えると6aDCモータ入力は7AC-DCコンバータのDC出力と接続され、商用電力が供給されている限り、前記ファンは作動し、
夜間や太陽の不照時でも換気や焼肉・タバコの煙を排煙することが出来て便利です。また、図1又は3のスイッチ切替位置の表示例は「SOL.」「OFF」「AC」
としましたが、「太陽電池」「スイッチOFF」「商用電源」を意味する表示とする。
尚、この事例では、6aモータをDCモータを使用した場合で説明していますが、AC100V用モータを使用する場合は、AC-DCコンバータは不要で、代わりに太陽電池出力側にDC-ACコンバータを挿入すれば、作用効果は変わりません。
また、他の方法として、図3の回路で9太陽電池の出力端子+極と−極の間にリチュウムイオン電池等を接続すれば、夜間や太陽不照時でも、一定時間は使用可能になりますが、充電可能電池のコストが高く、AC-DCコンバータの方がコストが安く実用的です。いずれも本発明の権利範囲内と考えます。
次に、主要部品の性能面を説明します。
9 太陽電池のサイズは180-190mmX250-260mm 厚さ15-20mm 出力最大4.5W 電流最大250mAで、 6モータ付ファンのサイズは80X80X25.5mm 最大風量0.73-1.2m3/分 駆動電圧8.4-13.8V/DC
電流160mA 程度の物が使用できる。出力電流に余裕が有るので、もう一回り大きなファンを使用しても良い。

【産業上の利用可能性】
【0011】
従来のソーラーパネル付換気扇は、太陽電池とモータ付ファンをセットにしたもので、太陽不照時または夜間には使用不能で、装着の取付け穴や配線が必要で、着脱が面倒であった。本案の「換気用窓パネル装置」は引戸窓の戸を半開きにして本案品を引戸と窓枠間に嵌めて、AC電源を接続すれば準備完了で、着脱が容易です。
電源は太陽電池と商用電源を選択的に使用可能で、昼間時は太陽光エネルギーで室内換気を行い、夜間は商用電源で必要に応じ排煙・換気が行える便利な装置で、省エネや健康管理に大きく貢献できると考えます。

【符号の説明】
【0012】
1引戸窓、2窓枠、2a窓枠上溝、2b窓枠下レール、3内側引戸、3a引戸上リブ、3b引戸下溝、4外側引戸、5パネル、5aパネル上リブ、5bパネル下溝、6モータ付ファン、6aモータ、6bファン、7AC-DCコンバータ、8切替スイッチ、9太陽電池、9a電池ベース、10吸気口、11防虫網、12上部支持部材、13下部支持部材、14傾斜ステー、15パネル移動支点


【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池とモータ付ファンとAC-DCコンバータと切替スイッチと吸気窓を装置したパネルを、引戸を半開きにして出来た、引戸と窓枠の隙間に挿入し、前記モータ付ファンは太陽電池と商用電源のいずれかの電力を必要に応じて切替使用することを特徴とする換気用窓パネル装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の換気用窓パネル装置において、前記パネルの上端側に窓枠上溝と係合するパネル上リブを設け、下端側に窓枠下レールと係合するパネル下溝を設け、最外側又は最内側の引戸のいずれか一方を半開きにし、窓枠と引戸の隙間に前記パネルを着脱可能にしたことを特徴とする換気用窓パネル装置。
【請求項3】
前記請求項1または2に記載の換気用窓パネル装置において、前記モータ付ファンの動力源を太陽電池の出力と商用電源のAC-DCコンバータ出力を切替える前記切替スイッチは、少なくとも「太陽電地」と「OFF」と「商用電源」を意味する表示の3位置に切替可能にしたことを特徴とする換気用窓パネル装置。
【請求項4】
前記請求項1から3のいずれかに記載の換気用窓パネル装置において、前記モータ付ファンは前記パネルの上端部に装着し、前記吸気口は前記パネルの下端部に設けたことを特徴とする換気用窓パネル装置。
【請求項5】
前記請求項1から4のいずれかに記載の換気用窓パネル装置において、前記太陽電池は、前記パネルの外側で上下方向の略中央に設置し、前記パネル外面に対し、太陽電池の上端側を回転自在に上部支持部材で固定し、下端側を傾斜ステーと回転自在に連結し、前記傾斜ステーの多端をパネル面の垂直方向に移動できるパネル移動支点に回転自在に連結して、前記太陽電池の受光面が垂直位置と上向き傾斜角度約40度の間で調整可能にしたことを特徴とする換気用窓パネル装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−40482(P2013−40482A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177638(P2011−177638)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【特許番号】特許第5076126号(P5076126)
【特許公報発行日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【出願人】(709004916)
【Fターム(参考)】