説明

揮散性物質採取装置および方法

【課題】採取対象物表面からの揮発性成分の経時変化を正確に分析測定できるように、揮散性物質を適切に採取すること。
【解決手段】パージガス供給側3方向切換弁23と吸引側3方向切換弁36とを設け、パージガス供給源をパージガス供給状態に、ガス吸引源をガス吸引動作状態としたまま、パージガス供給側3方向切換弁23と吸引側3方向切換弁36によって流路切換を行うことにより、吸着管33の交換、サンプリングを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、揮散性物質採取装置および方法に関し、特に、揮発性物質、浮遊物質の経時揮散特性の分析等のために、揮散性物質を採取する採取装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
香料成分等の揮散性成分のガスクロマトグラフィ(GC)等による分析のために、香気等の揮散性物質を採取する採取装置として、容器状の採取領域画定部材に形成された揮散性物質採取開口(採集ポート)によって、採取対象物表面上で、採取領域を画定し、採取領域画定部材に窒素ガス等によるパージガスを供給してパージガスを採集ポートによる採取領域の採取対象物表面に噴き付けるよう構成され、吸引装置によって採取領域画定部材内のガスを吸引する通路の途中に配置された吸着管によって揮散性物質を吸着捕捉するパージ・トラップ法による揮散性物質採取装置がある(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−21582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の揮散性物質採取装置は、パージガス噴出と同時に、吸引通路に設けられているストッパ弁(開閉弁)を開弁することにより、吸引装置による吸引を開始して吸着管に揮散性物質を採取するから、一つの吸着管に、ある時間に亘って揮散性物質を採取することができ、その採取サンプル(吸着管)をGCによる揮発性成分比の分析等のために呈出することができる。
【0004】
しかし、上述した従来の揮散性物質採取装置は、単に、パージガス噴出のオン・オフ、ストッパ弁の開閉によって、揮散性物質の採取の開始、終了するだけであるため、ある時間毎に吸着管を交換し、各吸着管による採取サンプルのGC等による揮発性成分分析に基づいて採取対象物表面からの揮発性成分の経時変化を分析するようなことを意図した揮散性物質の採取に対応できない。
【0005】
揮発性成分の経時変化分析のために、ある時間毎に吸着管を交換する場合、吸着管交換時には、スタンバイ状態として、採取領域の採取対象物表面(揮散表面)より揮散性物質が活発に揮散しないよう、揮散表面にパージガス噴き付けによる刺激を与えないようにし、採取領域画定部材内のガス吸引も取り止め、吸着管に揮散性物質の採取を行うサンプリング時(揮散性物質採取状態時)には、サンプリング開始当初から正確な定常的流量によるパージガス噴き付け、ガス吸引を行い、各吸着管毎の揮散性物質採取状態を同一条件による採取状態にすることが重要である。さもないと、採取対象物表面からの揮発性成分の経時変化を正確に分析することができない。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、採取対象物表面からの揮発性成分の経時変化を正確に分析測定できるように、揮散性物質を適切に採取することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による揮散性物質採取装置は、揮散性物質を採取する採取領域を画定する揮散性物質採取開口とパージガス入口ポートと吸引ポートとを有する容器状の採取領域画定部材と、前記吸引ポートに連通し揮散性物質を吸着捕捉する吸着管を交換可能に設置される吸着管設置部材と、パージガス供給源を前記パージガス入口ポートとパージガス側大気開放ポートのいずれかに一方に接続するパージガス供給側3方向切換弁と、ガス吸引源を接続されて吸引流量を計量設定する吸引流量制御手段と、前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材と吸引側大気開放ポートのいずれかに一方に接続する吸引側3方向切換弁とを備えている。
【0008】
この発明による揮散性物質採取装置は、好ましくは、前記パージガス供給側3方向切換弁と前記吸引側3方向切換弁が、ともに電磁切換弁により構成されており、前記パージガス供給側3方向切換弁が前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続する側に切り換わると同時に前記吸引側3方向切換弁が前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続する側に切り換わり、前記パージガス供給側3方向切換弁が前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続する側に切り換ると同時に前記吸引側3方向切換弁が前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続する側に切り換わる切換制御を行う電磁弁制御手段を有する。
【0009】
この発明による揮散性物質採取装置は、好ましくは、前記吸引側大気開放ポートに吸引抵抗付与部材が接続されている。
【0010】
この発明による揮散性物質採取装置は、好ましくは、前記吸引抵抗付与部材は前記吸着管設置部材に設置される吸着管と同一仕様の吸着管である。
【0011】
この発明による揮散性物質採取装置は、好ましくは、更に、前記パージガス供給源より前記パージガス供給側3方向切換弁に供給するパージガスの流量を計量設定するパージガス流量制御手段を有する。
【0012】
この発明による揮散性物質採取方法は、上述した発明による揮散性物質採取装置を用い、先ず、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると共に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、前記パージガス供給源をパージガス供給状態にすると共に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、揮散性物質採取が終了するまで連続して前記パージガス供給源をパージガス供給状態に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、前記パージガス供給源がパージガス供給状態に、前記ガス吸引源がガス吸引動作状態になった時点より所定時間経過後に、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、前記吸着管の交換時には、パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、前記吸着管の交換完了後には、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、前記採取領域画定部材の前記揮散性物質採取開口によって画定されている採取領域から揮散性物質を、複数個の吸着管に、経時で連続的に採取する。
【0013】
この発明による揮散性物質採取方法は、上述した発明による揮散性物質採取装置を用い、先ず、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると共に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、前記パージガス供給源をパージガス供給状態にすると共に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、揮散性物質採取が終了するまで連続して前記パージガス供給源をパージガス供給状態に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、前記パージガス供給源がパージガス供給状態に、前記ガス吸引源がガス吸引動作状態になった時点より所定時間経過後に、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、揮散性物質の採取を行わない放置期間は、パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、放置期間中に前記吸着管の交換を行い、放置期間終了後には、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、前記採取領域画定部材の前記揮散性物質採取開口によって画定されている採取領域から揮散性物質を、複数個の吸着管に、経時で断続的に採取する。
【発明の効果】
【0014】
この発明による揮散性物質採取装置は、パージガス供給側3方向切換弁と吸引側3方向切換弁が設けられているから、パージガス供給源をパージガス供給状態に、ガス吸引源をガス吸引動作状態としたまま、パージガス供給側3方向切換弁と吸引側3方向切換弁によって流路切換を行うことにより、吸着管交換時には、スタンバイ状態として、採取領域の採取対象物表面にパージガス噴き付けず、採取領域画定部材内のガス吸引も取り止め、吸着管に揮散性物質の採取を行うサンプリング時には、サンプリング開始当初から正確な定常的流量によるパージガス噴き付け、ガス吸引を行うことができ、各吸着管毎の揮散性物質採取状態を同一条件による採取状態にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明による揮散性物質採取装置の一つの実施形態を、図1を参照して説明する。
【0016】
揮散性物質採取装置は容器状の採取領域画定部材10を有する。採取領域画定部材10は、筒体11と、筒体11の一端を気密に閉じるプラグ部材12と、プラグ部材12に貫通装着された管状のパージガス噴出ノズル13と、パージガス噴出ノズル13の外側端部に取り付けられてパージガス入口ポート14をなすニップル部材15との組立体により構成され、内側に採取室16を画定している。筒体11の他端(開口端)は揮散性物質を採取する採取領域を画定する揮散性物質採取開口17になっている。筒体11の側部には採取室16に連通する吸引ポート18が形成されている。採取領域画定部材10の材質は、吸着による汚染が起こり難いものであれば、特に限定されるものではないが、フッ素樹脂等が望ましい。
【0017】
採取領域画定部材10は、揮散性物質採取開口17を下側にして採取対象物Wの表面Wf上に載置される。この載置により、揮散性物質採取開口17は、採取対象物Wの表面Wf上で、採取領域を画定する。例えば、人体の皮膚に塗布された香水の揮散性物質を採取する場合には、採取領域画定部材10は人体の皮膚上に直接載置され、揮散性物質採取開口17は、特定された皮膚上で、採取領域を画定する。
【0018】
パージガス噴出ノズル13の先端13Aは、採取室16内にあって揮散性物質採取開口17に向けて開口し、揮散性物質採取開口17によって画定された採取領域へ向けてパージガスを噴出する。
【0019】
パージガス入口ポート14は導管21によってパージガス供給側3方向切換弁22のポート22cに連通接続されている。パージガス供給側3方向切換弁22は、電磁式の流路切換弁であり、3個のポート22a、22b、22cを有し、通電時にはポート22aをポート22cに連通接続し、非通電時にはポート22aをポート22bに連通接続する。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22は、非通電時には(1)流れになり、通電時には(2)流れになる。パージガス供給側3方向切換弁22のポート22bはパージガス側大気開放ポートになっている。
【0020】
パージガス供給側3方向切換弁22のポート22aは導管23によってマスフローコントローラ24に連通接続されている。更に、マスフローコントローラ24は、導管25、プレッシャレギュレータ26、導管27を介してパージガスボンベ28のボンベ開閉弁29に連通接続されている。パージガスボンベ28は、パージガス供給源であり、パージガスとして、空気、窒素ガス、ヘリウムガス等を圧縮高圧状態で貯蔵している。プレッシャレギュレータ26は、パージガスボンベ28よりマスフローコントローラ24へ供給するパージガスの圧力調整を行う。
【0021】
マスフローコントローラ24は、パージガス流量制御手段であり、パージガス流量(質量流量)の計量設定、パージガス流量の積算等を行う。マスフローコントローラ24には、制御ユニット30が接続されており、制御ユニット30によってマスフローコントローラ24の流量設定等の制御を外部より行うことができる。制御ユニット42には、マスフローコントローラ24が計量する流量、積算量等を表示するモニタが付いている。
【0022】
吸引ポート18には吸着管設置部材31が抜き差し可能に気密に装着されている。吸着管設置部材31には吸引ポート18に連通する連通管32が貫通装着されており、連通管32内に吸着管33が交換可能に設置される。吸着管33は、活性炭等を充填され、揮散性物質を吸着捕捉する。
【0023】
連通管32の外側端部にはニップル部材34が取り付けられており、ニップル部材34は導管35によって3方向切換弁36のポートcに連通接続されている。吸引側3方向切換弁36は、電磁式の流路切換弁であり、3個のポート36a、36b、36cを有し、通電時にはポート36aをポート36cに連通接続し、非通電時にはポート36aをポート36bに連通接続する。これにより、吸引側3方向切換弁36は、非通電時には(1)流れになり、通電時には(2)流れになる。
【0024】
吸引側3方向切換弁36のポート36bは吸引側大気開放ポートであり、吸引側大気開放ポート36bには、吸引抵抗付与部材として、吸着管設置部材31に設置される吸着管33と同一仕様(同一吸引抵抗)の吸着管37が連通接続されている。この吸引抵抗付与は、(1)流れにおいて、(2)流れと同等の吸引抵抗が与えられるようにするものであり、吸引側大気開放ポート36bに接続する吸引抵抗付与部材は、吸着管37以外に、吸着管33と同一の吸引抵抗を与える絞り要素であればよい。
【0025】
吸引側3方向切換弁36のポート36aは導管38によってマスフローコントローラ39に連通接続されている。更に、マスフローコントローラ39は導管40によってガス吸引源である電動式の吸引ポンプ41に連通接続されている。
【0026】
マスフローコントローラ39は、吸引流量制御手段であり、吸引流量(質量流量)の計量設定、吸引流量の積算等を行う。マスフローコントローラ39には、制御ユニット42接続されており、制御ユニット42によってマスフローコントローラ39の流量設定等の制御を外部より行うことができる。制御ユニット42には、マスフローコントローラ39が計量する流量、積算量等を表示するモニタが付いている。
【0027】
パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の通電制御、つまり切換制御は、共通の電磁弁制御装置50により行われる。電磁弁制御装置50は、オペレータにより操作されるオンオフスイッチ、タイマ制御スイッチ等を具備し、手動操作あるいはタイマを用いた自動制御等によって、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36とを同期制御、つまり、パージガス供給側3方向切換弁22の通電、非通電と、吸引側3方向切換弁36の通電、非通電を同時に制御するものであり、パージガス供給側3方向切換弁22が通電状態の時には吸引側3方向切換弁36も通電状態とし、パージガス供給側3方向切換弁22が非通電状態の時には吸引側3方向切換弁36も非通電状態とする。
【0028】
これにより、パージガス供給側3方向切換弁22がパージガスボンベ28、マスフローコントローラ24をパージガス入口ポート14に接続する側に切り換わると同時に吸引側3方向切換弁29が吸引ポンプ41、マスフローコントローラ39を吸着管設置部材31に接続する側に切り換わり、これとが逆に、パージガス供給側3方向切換弁22がパージガスボンベ28、マスフローコントローラ24をパージガス側大気開放ポート22cに接続する側に切り換ると同時に吸引側3方向切換弁36が吸引ポンプ41、マスフローコントローラ39を吸引側大気開放ポート36cに接続する側に切り換わる切換制御が行われる。
【0029】
つぎに、上述の構成による揮散性物質採取装置を用いて、揮散性物質を、経時で断続的に採取する方法の一つの実施形態を、図2に示されているタイムチャートを参照して説明する。なお、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の(1)流れ、(2)流れの切換動作は同一であるから、図2には、その双方を、3方向切換弁として表している。
【0030】
パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を非通電状態として、つまり、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28をパージガス側大気開放ポート22bに接続すると共に、吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41を吸引側大気開放ポート36bに接続した(1)流れ状態で、先ず、パージガスボンベ28のボンベ開閉弁29を開いてパージガス供給状態にする共に、吸引ポンプ41をオンしてガス吸引動作状態とする。
【0031】
このパージガス供給状態とガス吸引動作状態は、揮散性物質採取が終了するまで、連続維持する。
【0032】
パージガスボンベ28がパージガス供給状態に、吸引ポンプ41がガス吸引動作状態になった時点より所定時間Taが経過した時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28がパージガス入口ポート14に接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が吸着管設置部材31に接続され、(2)流れ状態になる。
【0033】
なお、採取領域画定部材10のセット、つまり、揮散性物質採取開口17を下側にして採取領域画定部材10を採取対象物Wの表面Wf上に載置し、揮散性物質採取開口17によって取対象物Wの表面Wf上で採取領域を画定する作業は、所定時間Taが経過する時点では完了し、初回の吸着管33の装填も、所定時間Taが経過する直前に完了しているものとする。
【0034】
所定時間Taは、マスフローコントローラ24にパージガスを流し始めてから、マスフローコントローラ24によるパージガス流量の計量状態が安定した定常的な状態になり、且つ、マスフローコントローラ39にガス吸引流れを与え始めてから、マスフローコントローラ39による吸引流量の計量状態が安定した定常的な状態になるのに要する時間に応じて設定される。マスフローコントローラ24、39による計量状態は、制御ユニット30、42のモニタで確認できるから、所定時間Taは、固定値でなく、オペレータがモニタを見ながら設定することもできる。
【0035】
パージガス供給開始、ガス吸引開始から、所定時間Taが経過した時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36を切り換えて(2)流れ状態にすることにより、サンプリング開始当初から正確な定常的流量によるパージガス噴き付け、ガス吸引の状態で、揮散性物質採取開口17によって画定された採取領域での揮散性物質の1回目のサンプリング(吸着管設置部材32の連通管33に装填されている吸着管33に揮散性物質を捕捉採取すること)が行われる。
【0036】
1回目のサンプリング開始より予め定められた所定時間が経過し、1回目のサンプリングを完了して揮散性物質の採取を行わない放置期間に移行する時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に非通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28がパージガス大気開放ポート22bに接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が吸引側大気開放ポート36bに接続され、(1)流れ状態になる。
【0037】
この切り換え完了後に、吸着管設置部材32の連通管33に装填されている吸着管33を連通管33より脱離し、当該吸着管33を1回目のサンプリングの採取サンプルとしてGC等による揮発性成分の質量分析等に呈出する。
【0038】
所定の放置期間が経過した放置期間終了時点の直前に、2回目のサンプリングのための吸着管33を吸着管設置部材32の連通管33に装填する。吸着管33の装填完了後の放置期間終了時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28が再びパージガス入口ポート14に接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が再び吸着管設置部材31に接続され、(2)流れ状態になる。
【0039】
放置期間中も、パージガス供給状態、吸引動作状態のままで、(1)流れ状態をもって、マスフローコントローラ24によるパージガス流量の計量状態が安定した定常的な状態と、マスフローコントローラ39による吸引流量の計量状態が安定した定常的な状態が維持されているから、2回目のサンプリングも、サンプリング開始当初から1回目のサンプリング時と同じ定常的流量によるパージガス噴き付け、ガス吸引の状態で、1回目と同じ採取領域での揮散性物質のサンプリングが行われる。
【0040】
しかも、(1)流れにおいては、吸着管37によって(2)流れと同等の吸引抵抗が与えられるから、(1)流れから(2)流れに切り換えた時に、吸引抵抗の変動によってマスフローコントローラ39による吸引流量の計量状態が変動することが回避され、マスフローコントローラ39による吸引流量の安定した計量状態が高度に維持され、各回のサンプリングでのガス吸引状態がばらつくことがなく、高度に同じ状態が再現され、各回サンプリングの吸着管33毎の揮散性物質採取状態が同一条件による採取状態になる。
【0041】
2回目のサンプリング開始より予め定められた所定時間が経過し、2回目のサンプリングを完了して揮散性物質の採取を行わない次の放置期間に移行する時点で、再びパージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に非通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28がパージガス大気開放ポート22bに接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が吸引側大気開放ポート36bに接続され、再び(1)流れ状態になる。
【0042】
この切り換え完了後に、吸着管設置部材32の連通管33に装填されている吸着管33を連通管33より脱離し、当該吸着管33を2回目のサンプリングの採取サンプルとしてGC等による揮発性成分の質量分析等に呈出する。
【0043】
以降、所定回数の放置(スタンバイ状態)、吸着管交換、サンプリングを同様に繰り返し行い、採取を終了する。
【0044】
これにより、各回のサンプリングの吸着管33毎の揮散性物質採取状態を同一条件による採取状態にして、揮散性物質採取開口17によって画定されている採取領域から揮散性物質を、経時で断続的に採取することが行われ、ある時間毎に吸着管33を交換して揮発性成分の経時変化を正確に分析することが可能になる。
【0045】
このことにより、各回のサンプリングの吸着管33の成分をGCによって質量分析することにより、例えば、皮膚に塗布された香水の香気成分の経時変化、つまり香水の肌残りを、数値をもって定量的に把握することが可能になる。
【0046】
図3(a)、(b)、(c)は、或る一つの香水を皮膚に塗布し、上述した採取方法によって香気成分を経時で断続的に採取し、その採取サンプルをGCによって質量分析した結果より得られた香水の香気成分の経時変化を示している。
【0047】
この香気成分採取・分析例は、パージガス流量を90ml/mim、吸引ガス流量を80ml/mim、各回のサンプリング時間を5分として、香水塗布の10分後に1回目のサンプリングを開始し、1時間後に2回目のサンプリングを開始し、2時間後に3回目のサンプリングを開始し、4時間後に4回目のサンプリングを開始した。
【0048】
この香気成分採取・分析例で分析した香水の香気成分(揮発性成分)は、図3(a)に示されている、フェニルエチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、オイゲノール、図3(b)に示されている、リリアール、ヘリオナール、安息香酸シス−3−ヘキセニル、図3(c)に示されている、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、エチレンブラシレートとした。
【0049】
図3(a)、(b)、(c)は、各香気成分について、1回目のサンプリング時の採取量(ピーク面積)を1として、その後の各回のサンプリング時の採取量を1回目のサンプリング時の採取量との比率で表している。たとえば、シトロネロールについて見れば、1時間後の揮発量は10分後の揮発量のほぼ0.2に低下し、4時間後の揮発量はほぼゼロになっていることが分かる。これに対し、ジャスモン酸メチルについて見れば、1時間後の揮発量は10分後の揮発量のほぼ2.0倍に増大し、4時間後の揮発量は10分後の揮発量の4.0倍以上に増大していることが分かる。
【0050】
これにより、香水の経時変化評価(肌残りの評価)を、トップ、ミドル、ベースと云うような3グループに分けて表現し、香調を官能的表現に頼っていることより進歩して、香水の香気成分の経時変化(香気成分の経時的挙動)を、数値をもって定量的に把握することができ、効果的な香水の設計に有効な評価法となる。
【0051】
つぎに、上述の構成による揮散性物質採取装置を用いて、放置期間を設けずに、揮散性物質を経時で連続的に方法を、図4に示されているタイムチャートを参照して説明する。なお、この場合も、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の(1)流れ、(2)流れの切換動作は同一であるから、図4でも、その双方を、3方向切換弁として表している。
【0052】
パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を非通電状態として、つまり、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28をパージガス側大気開放ポート22bに接続すると共に、吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41を吸引側大気開放ポート36bに接続した(1)流れ状態で、先ず、パージガスボンベ28のボンベ開閉弁29を開いてパージガス供給状態にする共に、吸引ポンプ41をオンしてガス吸引動作状態とする。
【0053】
このパージガス供給状態とガス吸引動作状態は、揮散性物質採取が終了するまで、連続維持する。
【0054】
パージガスボンベ28がパージガス供給状態に、吸引ポンプ41がガス吸引動作状態になった時点より所定時間Taが経過した時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28がパージガス入口ポート14に接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が吸着管設置部材31に接続され、(2)流れ状態になる。
【0055】
なお、採取領域画定部材10のセット、つまり、揮散性物質採取開口17を下側にして採取領域画定部材10を採取対象物Wの表面Wf上に載置し、揮散性物質採取開口17によって取対象物Wの表面Wf上で採取領域を画定する作業は、所定時間Taが経過する時点では完了し、初回の吸着管33の装填も、所定時間Taが経過する直前に完了しているものとする。
【0056】
所定時間Taは、マスフローコントローラ24にパージガスを流し始めてから、マスフローコントローラ24によるパージガス流量の計量状態が安定した定常的な状態になり、且つ、マスフローコントローラ39にガス吸引流れを与え始めてから、マスフローコントローラ39による吸引流量の計量状態が安定した定常的な状態になるのに要する時間に応じて設定される。マスフローコントローラ24、39による計量状態は、制御ユニット30、42のモニタで確認できるから、所定時間Taは、固定値でなく、オペレータがモニタを見ながら設定することもできる。
【0057】
パージガス供給開始、ガス吸引開始から、所定時間Taが経過した時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36を切り換えて(2)流れ状態にすることにより、サンプリング開始当初から正確な定常的流量によるパージガス噴き付け、ガス吸引の状態で、揮散性物質採取開口17によって画定された採取領域での揮散性物質の1回目のサンプリング(吸着管設置部材32の連通管33に装填されている吸着管33に揮散性物質を捕捉採取すること)が行われる。
【0058】
1回目のサンプリング開始より予め定められた所定時間が経過し、1回目のサンプリングを完了した時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に非通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28がパージガス大気開放ポート22bに接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が吸引側大気開放ポート36bに接続され、(1)流れ状態になる。
【0059】
この切り換え完了後に、吸着管設置部材32の連通管33に装填されている吸着管33を連通管33より脱離し、2回目のサンプリングのための吸着管33を吸着管設置部材32の連通管33に装填する。これを吸着管33の交換と云う。
【0060】
吸着管33の交換が完了した時点で、パージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28が再びパージガス入口ポート14に接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が再び吸着管設置部材31に接続され、(2)流れ状態になる。
【0061】
吸着管33の交換中も、パージガス供給状態、吸引動作状態のままで、(1)流れ状態をもって、マスフローコントローラ24によるパージガス流量の計量状態が安定した定常的な状態と、マスフローコントローラ39による吸引流量の計量状態が安定した定常的な状態が維持されているから、2回目のサンプリングも、サンプリング開始当初から1回目のサンプリング時と同じ定常的流量によるパージガス噴き付け、ガス吸引の状態で、1回目と同じ採取領域での揮散性物質のサンプリングが行われる。
【0062】
しかも、(1)流れにおいては、吸着管37によって(2)流れと同等の吸引抵抗が与えられるから、(1)流れから(2)流れに切り換えた時に、吸引抵抗の変動によってマスフローコントローラ39による吸引流量の計量状態が変動することが回避され、マスフローコントローラ39による吸引流量の安定した計量状態が高度に維持され、各回のサンプリングでのガス吸引状態がばらつくことがなく、高度に同じ状態が再現され、各回サンプリングの吸着管33毎の揮散性物質採取状態が同一条件による採取状態になる。
【0063】
2回目のサンプリング開始より予め定められた所定時間が経過し、2回目のサンプリングを完了した時点で、再びパージガス供給側3方向切換弁22と吸引側3方向切換弁36の双方を同時に非通電状態にする。これにより、パージガス供給側3方向切換弁22によってパージガスボンベ28がパージガス大気開放ポート22bに接続されると同時に吸引側3方向切換弁36によって吸引ポンプ41が吸引側大気開放ポート36bに接続され、再び(1)流れ状態になる。
【0064】
この切り換え完了後に、吸着管33の交換を行い、以降、所定回数のサンプリングを同様に繰り返し行い、採取を終了する。
【0065】
これにより、各回のサンプリングの吸着管33毎の揮散性物質採取状態を同一条件による採取状態にして、揮散性物質採取開口17によって画定されている採取領域から揮散性物質を、経時で連続的に採取することが行われ、ある時間毎に吸着管33を交換して揮発性成分の経時変化を正確に分析することが可能になる。
【0066】
このことにより、この実施形態でも、各回のサンプリングの吸着管33の成分をGCによって質量分析することにより、例えば、皮膚に塗布された香水の香気成分の経時変化、つまり香水の肌残りを、数値をもって定量的に把握することが可能になる。
【0067】
なお、この発明による揮散性物質採取装置は、香料や有機溶剤等の揮発性物質以外に、塵灰、花粉等の浮遊物質の採取を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明による揮散性物質採取装置の一つの実施形態を示す構成図である。
【図2】この発明による揮散性物質採取装置を用いて揮散性物質を経時で断続的に採取する方法の一つの実施形態を示すタイムチャートである。
【図3】(a)〜(c)は各々香水の香気成分の経時変化特性を示すグラフである。
【図4】この発明による揮散性物質採取装置を用いて揮散性物質を経時で連続的に採取する方法の一つの実施形態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
【0069】
10 採取領域画定部材
11 筒体
12 プラグ部材
13 パージガス噴出ノズル
14 パージガス入口ポート
15 ニップル部材
16 採取室
17 揮散性物質採取開口
18 吸引ポート
21 導管
22 パージガス供給側3方向切換弁
22b パージガス側大気開放ポート
23 導管
24 マスフローコントローラ
25 導管
26 プレッシャレギュレータ
27 導管
28 パージガスボンベ
29 ボンベ開閉弁
30 制御ユニット
31 吸着管設置部材
32 連通管
33 吸着管
34 ニップル部材
35 導管
36 吸引側3方向切換弁
36b 吸引側大気開放ポート
37 吸着管
38 導管
39 マスフローコントローラ
40 導管
41 吸引ポンプ
42 制御ユニット
50 電磁弁制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮散性物質を採取する採取領域を画定する揮散性物質採取開口と、パージガス入口ポートと、吸引ポートとを有する容器状の採取領域画定部材と、
前記吸引ポートに連通し揮散性物質を吸着捕捉する吸着管を交換可能に設置される吸着管設置部材と、
パージガス供給源を前記パージガス入口ポートとパージガス側大気開放ポートのいずれかに一方に接続するパージガス供給側3方向切換弁と、
ガス吸引源を接続されて吸引流量を計量設定する吸引流量制御手段と、
前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材と吸引側大気開放ポートのいずれかに一方に接続する吸引側3方向切換弁と、
を備えた揮散性物質採取装置。
【請求項2】
前記パージガス供給側3方向切換弁と前記吸引側3方向切換弁は、ともに電磁切換弁により構成されており、
前記パージガス供給側3方向切換弁が前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続する側に切り換わると同時に前記吸引側3方向切換弁が前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続する側に切り換わり、前記パージガス供給側3方向切換弁が前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続する側に切り換ると同時に前記吸引側3方向切換弁が前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続する側に切り換わる切換制御を行う電磁弁制御手段を有する請求項1に記載の揮散性物質採取装置。
【請求項3】
前記吸引側大気開放ポートに吸引抵抗付与部材が接続されている請求項1または2に記載の揮散性物質採取装置。
【請求項4】
前記吸引抵抗付与部材は前記吸着管設置部材に設置される吸着管と同一仕様の吸着管である請求項3に記載の揮散性物質採取装置。
【請求項5】
前記パージガス供給源より前記パージガス供給側3方向切換弁に供給するパージガスの流量を計量設定するパージガス流量制御手段を有する請求項1から4のいずれか一項に記載の揮散性物質採取装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の揮散性物質採取装置を用い、
先ず、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると共に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、前記パージガス供給源をパージガス供給状態にすると共に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、揮散性物質採取が終了するまで連続して前記パージガス供給源をパージガス供給状態に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、
前記パージガス供給源がパージガス供給状態に、前記ガス吸引源がガス吸引動作状態になった時点より所定時間経過後に、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、
前記吸着管の交換時には、パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、
前記吸着管の交換完了後には、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、
前記採取領域画定部材の前記揮散性物質採取開口によって画定されている採取領域から揮散性物質を、複数個の吸着管に、経時で連続的に採取する揮散性物質採取方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の揮散性物質採取装置を用い、
先ず、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると共に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、前記パージガス供給源をパージガス供給状態にすると共に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、揮散性物質採取が終了するまで連続して前記パージガス供給源をパージガス供給状態に、前記ガス吸引源をガス吸引動作状態とし、
前記パージガス供給源がパージガス供給状態に、前記ガス吸引源がガス吸引動作状態になった時点より所定時間経過後に、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、
揮散性物質の採取を行わない放置期間は、パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス側大気開放ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸引側大気開放ポートに接続し、
放置期間中に前記吸着管の交換を行い、
放置期間終了後には、前記パージガス供給側3方向切換弁によって前記パージガス供給源を前記パージガス入口ポートに接続すると同時に前記吸引側3方向切換弁によって前記吸引流量制御手段を前記吸着管設置部材に接続して揮散性物質採取状態にし、
前記採取領域画定部材の前記揮散性物質採取開口によって画定されている採取領域から揮散性物質を、複数個の吸着管に、経時で断続的に採取する揮散性物質採取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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