揮散性薬剤収納袋
【課題】薬剤の揮散性に優れるとともに、万が一包装袋が転倒した場合にも内容物である揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体が外部に流出することがないようにした揮散性薬剤収容袋を提供する。
【解決手段】袋本体の上下開口部に折り線で折り畳可能な天面フィルム1dと底面フィルム1cとをそれぞれ接着して形成した自立性包装袋からなり、天面フィルムに、包装袋内に揮発性薬剤含有体を収容し、かつ包装袋内に収容した揮散性薬剤含有体から揮散した揮散性薬剤が通過する少なくとも1つの開孔部3を備えてなる揮散性薬剤収容袋であって、袋本体内壁及び天面フィルムの接着部分と開孔部との間に堰となるフラップ部4を設けるとともに、接着部分以外の天面フィルムの端部と開孔部との間及び/又は各開孔部間にフラップ部の撓みを防止するブリッジ部5を設けている。
【解決手段】袋本体の上下開口部に折り線で折り畳可能な天面フィルム1dと底面フィルム1cとをそれぞれ接着して形成した自立性包装袋からなり、天面フィルムに、包装袋内に揮発性薬剤含有体を収容し、かつ包装袋内に収容した揮散性薬剤含有体から揮散した揮散性薬剤が通過する少なくとも1つの開孔部3を備えてなる揮散性薬剤収容袋であって、袋本体内壁及び天面フィルムの接着部分と開孔部との間に堰となるフラップ部4を設けるとともに、接着部分以外の天面フィルムの端部と開孔部との間及び/又は各開孔部間にフラップ部の撓みを防止するブリッジ部5を設けている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香や消臭効果、あるいは防虫ないし殺虫効果などの機能を有する揮散性の薬剤をゲル状組成物に含有させて収納し、それら薬剤の徐放性を利用して、上記効果を発揮させる、いわゆる芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤などとして用いられる揮散性薬剤収容袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、香料、消臭、防虫、殺虫等の揮散性薬剤をゲル状組成物からなる基剤に含有させ、この揮散性薬剤含有ゲル状組成物をプラスチック成型品の容器に収納して用いることが広く行われている。しかしながら、プラスチック成型品からなる容器では廃棄性に問題があり、また、ゲル状組成物は流動性があることから、容器が転倒した場合に揮散用の開口部からゲルが漏洩するというような欠点があり、このような欠点を解消したものとして、例えば特許文献1のような包装袋が提案されている。
【特許文献1】特開2004-359292公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された包装袋では、廃棄性の問題は解消されているものの、該包装袋が転倒した場合に内容物が通気孔から当該包装袋外部へ流出して周囲を汚染する虞れが完全に解消されているとはいえない。また、特許文献1に記載された包装袋では、内容物の充填口として未融着部分を残して包装袋を形成し、内容物充填後に未融着部分を封鎖しているため、製造に手間がかかるという欠点があった。
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、薬剤の揮散性に優れるとともに、万が一包装袋が転倒した場合にも内容物である揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物が外部に流出することがなく、また天面フィルムを袋本体の上開口部に接着して当該包装袋を完成した後に、天面フィルムに設けた開孔部から揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物を収容することで製造も容易であり、外観を美しく形成可能な揮散性薬剤収容袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様による揮散性薬剤収容袋は、袋本体の上下開口部に折り線で折り畳可能な天面フィルムと底面フィルムとをそれぞれ接着して形成した自立性包装袋からなり、当該包装袋内に揮発性薬剤含有体を収容する、及び前記天面フィルムに、当該包装袋内に収容した揮散性薬剤含有体から揮散した揮散性薬剤が通過する少なくとも1つの開孔部を備えてなる揮散性薬剤収容袋であって、前記袋本体内壁及び前記天面フィルムの接着部分と前記開孔部との間に堰となるフラップ部を設けるとともに、前記接着部分以外の前記天面フィルムの端部と前記開孔部との間及び/又は各開孔部間に前記フラップ部の撓みを防止するブリッジ部を設けている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の揮散性薬剤収容袋によれば、薬剤の揮散性に優れるとともに、万が一包装袋が転倒した場合にも内容物である揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物が外部に流出することがなく、また天面フィルムを袋本体の上開口部に接着して当該包装袋を完成した後に、天面フィルムに設けた開孔部から揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物を収容することで製造も容易であり、外観を美しく形成可能である。
【0007】
すなわち、袋本体と天面フィルムとが接着している部分から開孔部との間に堰となるフラップ部を設けるとともに、収容袋を開いた際にフラップ部が立ち該フラップ部が撓まないように両側のフラップ部を結ぶブリッジ部を形成したので、万が一収納袋が転倒しても堰となるフラップ部により内容物の流出を抑制することができる。また、内容物の流出の虞れが少ないことから、比較的広い面積の開孔部を設けることが可能で揮散速度を上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
図1は、本実施の形態の揮散性薬剤収容袋を示す斜視図、図2は天面フィルムの略中央部を横方向に切断した状態を示す断面図、図3は揮発性薬剤収納袋の転倒状態における断面説明図である。
【0010】
図1において、揮散性薬剤収容袋1は、例えばPET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×高さ180mmの前面フィルム1a及び裏面フィルム1b、PET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmの底面フィルム1c、LLDPE40//PET12//LLDPE40の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmの天面フィルム1dの4枚の樹脂フィルムにより形成された自立性を有する袋体であり、内部にはゲル状の基剤に揮散性薬剤を含有させた揮散性薬剤含有ゲル6を収納している。
【0011】
図1に示すように、揮散性薬剤収容袋の天面フィルム1dには、例えば径25mmの中央開孔部3及び、長径30mm、短径15mmの4つの周辺開孔部2の計5つの開孔部を形成しており、この開孔部から揮散した揮散性薬剤を外部へと放出するように構成されている。
【0012】
開孔部2、3の数や形状としては、図1に示す例には限定されないが、袋本体(前面フィルム1a及び背面フィルム1bによって形成)及び天面フィルム1dの接着部分に開孔部3が接しないように、堰となるフラップ部4を形成した上で開孔部2、3を設け、かつ、接着部分以外の天面フィルム1dの端部と各開孔部3との間及び、各開孔部2、3間に堰となる前記フラップ部4が撓まないようにするためのブリッジ部5を設けている。このフラップ部4及びブリッジ部5は、内容物の流出を防ぐ観点から、少なくともいずれか1本は幅10mm以上とすることが好ましい。
【0013】
また、揮散性薬剤の効果が得られる程度に揮散速度を上げるとともに、開孔部2、3からの漏洩を防ぐ観点から、該開孔部2、3の面積が揮散性薬剤収容袋1の平面視開口部面積の5%〜90%であることが好ましい。この開孔部2、3の大きさが5%より小さいと十分な揮散速度が得られず、さらに、袋体を作成した後に中央開孔部2より揮散性薬剤含有ゲルの充填を行う場合には充填が困難になる。また、逆に開孔部の大きさが90%を超える場合には開孔部よりゲルが漏洩する恐れがあるので好ましくない。
【0014】
この収容袋に揮散性薬剤含有ゲル6を充填する方法としては、収容袋1を圧力エアーにより膨らませた状態で充填トレーにセットし、該充填トレーを充填位置で固定して、充填ノズルを収容袋上端まで降ろして、充填ノズルから加温された液状のゲルを天面フィルム1dの中央開孔部3に向けて押し出すことにより充填を行なう。そして、揮散性薬剤含有ゲル6の充填を行った後に、収納袋1をヒートシーラーに通して前記天面フィルム1dとの接合部より上方において、前面フィルム1a及び裏面フィルム1bを接合し収容袋を密封する。 このように、天面フィルム1dを前面フィルム1a及び裏面フィルム1bの上端よりやや下方で接合し、揮散性薬剤含有ゲル6の充填を行った後に、この天面フィルム1dとの接合部より上方で前面フィルム1a及び裏面フィルム1bを接合し密封することで包装袋を密閉でき、別体の蓋体を設ける必要がなく、この接合部分を切除することで前記天面フィルム1dの開孔部2、3を開放して使用開始が可能となる。
【0015】
なお、ゲルの充填においては、特許文献1のように天面フィルム1dと前面フィルム1a及び裏面フィルム1bの接合部分の少なくとも一部に未接合部分を設けて、この未接合部分から充填を行うことは可能であるが、この方法で充填した場合には、ゲルを充填した後に、前面フィルム1aと裏面フィルム1bとを接合して収容袋を密封するだけでなく、天面フィルム1dと前面フィルム1a及び裏面フィルム1bの未接合部分についても接合する必要があるため、シールが非常に煩雑になり好ましくない。すなわち、前面フィルム1a及び、裏面フィルム1bと、折りたたまれて実質2枚分の厚みとなる天面フィルム1dとの合計4枚のフィルムを一度にシールする場合には、充分なシール強度が得られなかったり、樹脂フィルムのヒートシール特性によっては、折りたたんだ天面フィルム同士がくっついてしまい、開封しても開孔部が露出しない収容袋となる。また、これらの問題を回避するためにシールを2回に分けて行う場合には、工程が増えてしまい手間がかかる。したがって、充填用の未接合部分を設けずに、天面フィルムの開孔部より充填を行うのが好ましい。
【0016】
収容袋1を作成した後に開孔部2、3より揮散性薬剤含有ゲル6の充填を行う場合には、図1のように天面フィルムの中心部かその近傍に比較的大きな中央開孔部3を有していることが位置合わせがしやすく充填が容易であるので好ましい。しかしながら、折り線上に多数の開孔部を設けた場合、孔あけ加工時にフィルムが伸びてしまい製袋が困難となるため、あまり多くの開孔部を折り線上に設けることは好ましくない。
【0017】
また、上述の充填方法において、充填トレーの口径を収容袋幅より小さくした場合には、収容袋は両サイドが押さえ込まれて収容袋開口部が大きくなるのと連動して、谷折りされた天面フィルムの中央開孔部部分が盛り上がり、4つの周辺開孔部が沈む山型の形状になるため、充填ノズルが中央開孔部から多少ずれた場合でも液状のゲルは沈んだ周辺開孔部から収容袋内部に流れ込むので、充填ノズルの位置が中央開孔部から多少ずれていても、袋開口部の範囲に収まっていれば、充填が可能である。
【0018】
また、充填ノズルを中央開孔部より下まで降ろして充填してもよいが、ノズルが天面フィルムに触れて、袋体が傾いたり、液状ゲルがはねたりする恐れがあるため、充填ノズルは収容袋の内部まで降ろさずに、上端付近から充填を行うのが好ましい。
【0019】
袋体を形成する樹脂フィルムの材質としては、上述のものに限定されず、熱融着性を有する単層フィルムであっても、少なくとも一方の面に熱接着性樹脂層を積層した積層フィルムであってもよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートなどの樹脂が挙げられる。
【0020】
揮散性薬剤収容袋の開孔部から揮散させる揮散性薬剤としては、芳香や消臭効果、あるいは防虫ないし殺虫効果などの効果を有し、常温で揮散するものであれば限定されない。
【0021】
このような揮発性薬剤の具体例としては、芳香剤や消臭剤などを目的とするものには、ベンズアルデヒド、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、リナロール、リモネン、メントール、酢酸リナリル、アミルシンナミックアルデヒド、アンスラニン酸メチル、イソオイゲノール、カプロン酸アリル、酢酸イソブチル、酢酸ベンジル、サリチル酸イソアミル、シトラール、デシルアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、酢酸イソアミル等を成分とする香料や、芳香消臭効果のある植物精油、例えば、ビターアーモンド油、ヒノキ油、ナツメグ油、ゼラニウム油、ラベンダー油、ライム油、ペパーミント油、ベチパー油、スウィートオレンジ油、タイム油などが挙げられる。
【0022】
また、防虫剤や殺虫剤などの目的には、α−ピネン、オイゲノール、ツヨン、チモール、ヒノキチオール、シンナミックアルデヒド等や、防虫効果または殺虫効果のある植物精油、例えば、ナツメグ油、チョウジ油、セージ油、タイム油、ラベンダー油、バジル油、ヒノキ油等が挙げられる。
【0023】
さらに合成薬剤である、ピレスロイド化合物、カーバメート化合物、有機リン系化合物、DEET(N,N−ジエチル−m−トルアミド)等の種種の薬剤が挙げられる。
【0024】
前記のピレスロイド化合物としては、アレスリン(dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルdl−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、ピナミンフォルテ(dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルd−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、エキスリン(d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルd−トランス−クリサンテマ−ト)、レスメトリン((5−ベンジル−3−フリル)メチルd−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、エトック((+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、フタルスリン((1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、ネオピナミンフォルテ(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、フエノトリン(3−フエノキシペンジル−d−シス/トランス−クリサンテマ−ト、ペルメトリン(3−フエノキシペンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボオキシラ−ト)、エンペントリン(1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニルdl−シス/トランス−クリサンテマ−トなどが挙げられる。
【0025】
また、上記揮散性薬剤を含有させるゲルとしては、例えば、カラギーナン、ローストビーンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、寒天、グアガム、アラビアガム、ゼラチン等のアミノ酸、ペクチン、デンプン類、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸若しくはそのアミン塩やアルカリ塩、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム塩などのゲル化剤を用いたゲルや、アクリル酸系の樹脂、イソブチレンと無水マレイン酸との交互重合体物の塩の架橋物、デンプン・アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物等の吸水性樹脂を用いたゲルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
以下、具体的な実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
<実施例1>
PET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×高さ180mmの前面フィルム及び裏面フィルムの下方にPET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmの底面フィルムを、上方にLLDPE40//PET12//LLDPE40の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmであって、径25mmの中央開孔部及び、長径30mm、短径15mmの4つの周辺開孔部の計5つの開孔部を設けた図4の天面フィルムを接合し、自立性を有する収容袋を形成した。この収容袋の中央開孔部より揮散性薬剤含有ゲルの充填を行った後、天面フィルムとの接合部より上方で前面フィルム及び裏面フィルムをヒートシーラーにより密封シールし、収容袋を密封した。使用時、密封シールを開封することで、開孔部を有する天面フィルムが露出し、内部の薬剤を揮散させることができた。
【0028】
<比較例1>
天面フィルムと前面フィルム、または天面フィルムと裏面フィルムのいずれか一方の接合を行わず、未接着部分を残して収容袋を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、自立性収容袋を形成した。この収容袋の未接着部分より揮散性薬剤含有ゲルの充填を行った後、ヒートシーラーに通して、天面フィルムと前面フィルム(または裏面フィルム)の未接着部分の接着、及び袋の密封を行ったところ、天面フィルム同士がくっついてしまい、開封しても天面フィルムが開かず、開孔部を露出させることができなかった。
【0029】
<実施例2>
実施例1において、収容袋に揮散性薬剤含有ゲル280gを充填し、ステンレスカップに収容袋を入れて固定し、そのまま90度傾けて30秒間に流出したゲルの量を測定した。
【0030】
<実施例3〜実施例12>
天面フィルムとして、図5〜図14の天面フィルムを用いる以外は実施例2と同様の方法で測定を行った。
【0031】
<比較例2〜比較例5>
天面フィルムとして、図15〜図18の天面フィルムを用いる以外は実施例2と同様の方法で測定を行った。
【0032】
実施例2〜12及び比較例2〜比較例5の結果を下表に示す。
【0033】
上記の実施例及び比較例の結果より、ブリッジ部のみ設けたもの(比較例2、3)やフラップ部のみ設けたもの(比較例4)は流出量が多く、フラップ部とブリッジ部を両方有するものに比較し、収容袋転倒時にゲルの漏洩の危険が大きい。また、フラップとブリッジを両方有する場合でも、10mmを超えるフラップとブリッジ部が1本もない場合(比較例5)は同じく漏洩する虞れが大きい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態の揮散性薬剤収容袋を示す斜視図である。
【図2】天面フィルムの略中央部を横方向に切断した状態を示す断面図である。
【図3】揮発性薬剤収納袋の転倒状態における断面説明図である。
【図4】実施例1、2の天面フィルムを示す説明図である。
【図5】実施例3の天面フィルムを示す説明図である。
【図6】実施例4の天面フィルムを示す説明図である。
【図7】実施例5の天面フィルムを示す説明図である。
【図8】実施例6の天面フィルムを示す説明図である。
【図9】実施例7の天面フィルムを示す説明図である。
【図10】実施例8の天面フィルムを示す説明図である。
【図11】実施例9の天面フィルムを示す説明図である。
【図12】実施例10の天面フィルムを示す説明図である。
【図13】実施例11の天面フィルムを示す説明図である。
【図14】実施例12の天面フィルムを示す説明図である。
【図15】比較例2の天面フィルムを示す説明図である。
【図16】比較例3の天面フィルムを示す説明図である。
【図17】比較例4の天面フィルムを示す説明図である。
【図18】比較例5の天面フィルムを示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 :揮散性薬剤収容袋
1a:前面フィルム
1b:裏面フィルム
1c:底面フィルム
1d:天面フィルム
2 :周辺開孔部
3 :中央開孔部
4 :フラップ部
5 :ブリッジ部
6 :揮散性薬剤含有ゲル
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香や消臭効果、あるいは防虫ないし殺虫効果などの機能を有する揮散性の薬剤をゲル状組成物に含有させて収納し、それら薬剤の徐放性を利用して、上記効果を発揮させる、いわゆる芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤などとして用いられる揮散性薬剤収容袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、香料、消臭、防虫、殺虫等の揮散性薬剤をゲル状組成物からなる基剤に含有させ、この揮散性薬剤含有ゲル状組成物をプラスチック成型品の容器に収納して用いることが広く行われている。しかしながら、プラスチック成型品からなる容器では廃棄性に問題があり、また、ゲル状組成物は流動性があることから、容器が転倒した場合に揮散用の開口部からゲルが漏洩するというような欠点があり、このような欠点を解消したものとして、例えば特許文献1のような包装袋が提案されている。
【特許文献1】特開2004-359292公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された包装袋では、廃棄性の問題は解消されているものの、該包装袋が転倒した場合に内容物が通気孔から当該包装袋外部へ流出して周囲を汚染する虞れが完全に解消されているとはいえない。また、特許文献1に記載された包装袋では、内容物の充填口として未融着部分を残して包装袋を形成し、内容物充填後に未融着部分を封鎖しているため、製造に手間がかかるという欠点があった。
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、薬剤の揮散性に優れるとともに、万が一包装袋が転倒した場合にも内容物である揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物が外部に流出することがなく、また天面フィルムを袋本体の上開口部に接着して当該包装袋を完成した後に、天面フィルムに設けた開孔部から揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物を収容することで製造も容易であり、外観を美しく形成可能な揮散性薬剤収容袋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一態様による揮散性薬剤収容袋は、袋本体の上下開口部に折り線で折り畳可能な天面フィルムと底面フィルムとをそれぞれ接着して形成した自立性包装袋からなり、当該包装袋内に揮発性薬剤含有体を収容する、及び前記天面フィルムに、当該包装袋内に収容した揮散性薬剤含有体から揮散した揮散性薬剤が通過する少なくとも1つの開孔部を備えてなる揮散性薬剤収容袋であって、前記袋本体内壁及び前記天面フィルムの接着部分と前記開孔部との間に堰となるフラップ部を設けるとともに、前記接着部分以外の前記天面フィルムの端部と前記開孔部との間及び/又は各開孔部間に前記フラップ部の撓みを防止するブリッジ部を設けている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の揮散性薬剤収容袋によれば、薬剤の揮散性に優れるとともに、万が一包装袋が転倒した場合にも内容物である揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物が外部に流出することがなく、また天面フィルムを袋本体の上開口部に接着して当該包装袋を完成した後に、天面フィルムに設けた開孔部から揮散性薬剤を含有させた揮発性薬剤含有体、例えばゲル状組成物を収容することで製造も容易であり、外観を美しく形成可能である。
【0007】
すなわち、袋本体と天面フィルムとが接着している部分から開孔部との間に堰となるフラップ部を設けるとともに、収容袋を開いた際にフラップ部が立ち該フラップ部が撓まないように両側のフラップ部を結ぶブリッジ部を形成したので、万が一収納袋が転倒しても堰となるフラップ部により内容物の流出を抑制することができる。また、内容物の流出の虞れが少ないことから、比較的広い面積の開孔部を設けることが可能で揮散速度を上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
図1は、本実施の形態の揮散性薬剤収容袋を示す斜視図、図2は天面フィルムの略中央部を横方向に切断した状態を示す断面図、図3は揮発性薬剤収納袋の転倒状態における断面説明図である。
【0010】
図1において、揮散性薬剤収容袋1は、例えばPET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×高さ180mmの前面フィルム1a及び裏面フィルム1b、PET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmの底面フィルム1c、LLDPE40//PET12//LLDPE40の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmの天面フィルム1dの4枚の樹脂フィルムにより形成された自立性を有する袋体であり、内部にはゲル状の基剤に揮散性薬剤を含有させた揮散性薬剤含有ゲル6を収納している。
【0011】
図1に示すように、揮散性薬剤収容袋の天面フィルム1dには、例えば径25mmの中央開孔部3及び、長径30mm、短径15mmの4つの周辺開孔部2の計5つの開孔部を形成しており、この開孔部から揮散した揮散性薬剤を外部へと放出するように構成されている。
【0012】
開孔部2、3の数や形状としては、図1に示す例には限定されないが、袋本体(前面フィルム1a及び背面フィルム1bによって形成)及び天面フィルム1dの接着部分に開孔部3が接しないように、堰となるフラップ部4を形成した上で開孔部2、3を設け、かつ、接着部分以外の天面フィルム1dの端部と各開孔部3との間及び、各開孔部2、3間に堰となる前記フラップ部4が撓まないようにするためのブリッジ部5を設けている。このフラップ部4及びブリッジ部5は、内容物の流出を防ぐ観点から、少なくともいずれか1本は幅10mm以上とすることが好ましい。
【0013】
また、揮散性薬剤の効果が得られる程度に揮散速度を上げるとともに、開孔部2、3からの漏洩を防ぐ観点から、該開孔部2、3の面積が揮散性薬剤収容袋1の平面視開口部面積の5%〜90%であることが好ましい。この開孔部2、3の大きさが5%より小さいと十分な揮散速度が得られず、さらに、袋体を作成した後に中央開孔部2より揮散性薬剤含有ゲルの充填を行う場合には充填が困難になる。また、逆に開孔部の大きさが90%を超える場合には開孔部よりゲルが漏洩する恐れがあるので好ましくない。
【0014】
この収容袋に揮散性薬剤含有ゲル6を充填する方法としては、収容袋1を圧力エアーにより膨らませた状態で充填トレーにセットし、該充填トレーを充填位置で固定して、充填ノズルを収容袋上端まで降ろして、充填ノズルから加温された液状のゲルを天面フィルム1dの中央開孔部3に向けて押し出すことにより充填を行なう。そして、揮散性薬剤含有ゲル6の充填を行った後に、収納袋1をヒートシーラーに通して前記天面フィルム1dとの接合部より上方において、前面フィルム1a及び裏面フィルム1bを接合し収容袋を密封する。 このように、天面フィルム1dを前面フィルム1a及び裏面フィルム1bの上端よりやや下方で接合し、揮散性薬剤含有ゲル6の充填を行った後に、この天面フィルム1dとの接合部より上方で前面フィルム1a及び裏面フィルム1bを接合し密封することで包装袋を密閉でき、別体の蓋体を設ける必要がなく、この接合部分を切除することで前記天面フィルム1dの開孔部2、3を開放して使用開始が可能となる。
【0015】
なお、ゲルの充填においては、特許文献1のように天面フィルム1dと前面フィルム1a及び裏面フィルム1bの接合部分の少なくとも一部に未接合部分を設けて、この未接合部分から充填を行うことは可能であるが、この方法で充填した場合には、ゲルを充填した後に、前面フィルム1aと裏面フィルム1bとを接合して収容袋を密封するだけでなく、天面フィルム1dと前面フィルム1a及び裏面フィルム1bの未接合部分についても接合する必要があるため、シールが非常に煩雑になり好ましくない。すなわち、前面フィルム1a及び、裏面フィルム1bと、折りたたまれて実質2枚分の厚みとなる天面フィルム1dとの合計4枚のフィルムを一度にシールする場合には、充分なシール強度が得られなかったり、樹脂フィルムのヒートシール特性によっては、折りたたんだ天面フィルム同士がくっついてしまい、開封しても開孔部が露出しない収容袋となる。また、これらの問題を回避するためにシールを2回に分けて行う場合には、工程が増えてしまい手間がかかる。したがって、充填用の未接合部分を設けずに、天面フィルムの開孔部より充填を行うのが好ましい。
【0016】
収容袋1を作成した後に開孔部2、3より揮散性薬剤含有ゲル6の充填を行う場合には、図1のように天面フィルムの中心部かその近傍に比較的大きな中央開孔部3を有していることが位置合わせがしやすく充填が容易であるので好ましい。しかしながら、折り線上に多数の開孔部を設けた場合、孔あけ加工時にフィルムが伸びてしまい製袋が困難となるため、あまり多くの開孔部を折り線上に設けることは好ましくない。
【0017】
また、上述の充填方法において、充填トレーの口径を収容袋幅より小さくした場合には、収容袋は両サイドが押さえ込まれて収容袋開口部が大きくなるのと連動して、谷折りされた天面フィルムの中央開孔部部分が盛り上がり、4つの周辺開孔部が沈む山型の形状になるため、充填ノズルが中央開孔部から多少ずれた場合でも液状のゲルは沈んだ周辺開孔部から収容袋内部に流れ込むので、充填ノズルの位置が中央開孔部から多少ずれていても、袋開口部の範囲に収まっていれば、充填が可能である。
【0018】
また、充填ノズルを中央開孔部より下まで降ろして充填してもよいが、ノズルが天面フィルムに触れて、袋体が傾いたり、液状ゲルがはねたりする恐れがあるため、充填ノズルは収容袋の内部まで降ろさずに、上端付近から充填を行うのが好ましい。
【0019】
袋体を形成する樹脂フィルムの材質としては、上述のものに限定されず、熱融着性を有する単層フィルムであっても、少なくとも一方の面に熱接着性樹脂層を積層した積層フィルムであってもよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートなどの樹脂が挙げられる。
【0020】
揮散性薬剤収容袋の開孔部から揮散させる揮散性薬剤としては、芳香や消臭効果、あるいは防虫ないし殺虫効果などの効果を有し、常温で揮散するものであれば限定されない。
【0021】
このような揮発性薬剤の具体例としては、芳香剤や消臭剤などを目的とするものには、ベンズアルデヒド、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、リナロール、リモネン、メントール、酢酸リナリル、アミルシンナミックアルデヒド、アンスラニン酸メチル、イソオイゲノール、カプロン酸アリル、酢酸イソブチル、酢酸ベンジル、サリチル酸イソアミル、シトラール、デシルアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、酢酸イソアミル等を成分とする香料や、芳香消臭効果のある植物精油、例えば、ビターアーモンド油、ヒノキ油、ナツメグ油、ゼラニウム油、ラベンダー油、ライム油、ペパーミント油、ベチパー油、スウィートオレンジ油、タイム油などが挙げられる。
【0022】
また、防虫剤や殺虫剤などの目的には、α−ピネン、オイゲノール、ツヨン、チモール、ヒノキチオール、シンナミックアルデヒド等や、防虫効果または殺虫効果のある植物精油、例えば、ナツメグ油、チョウジ油、セージ油、タイム油、ラベンダー油、バジル油、ヒノキ油等が挙げられる。
【0023】
さらに合成薬剤である、ピレスロイド化合物、カーバメート化合物、有機リン系化合物、DEET(N,N−ジエチル−m−トルアミド)等の種種の薬剤が挙げられる。
【0024】
前記のピレスロイド化合物としては、アレスリン(dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルdl−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、ピナミンフォルテ(dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルd−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、エキスリン(d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニルd−トランス−クリサンテマ−ト)、レスメトリン((5−ベンジル−3−フリル)メチルd−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、エトック((+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、フタルスリン((1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、ネオピナミンフォルテ(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/トランス−クリサンテマ−ト)、フエノトリン(3−フエノキシペンジル−d−シス/トランス−クリサンテマ−ト、ペルメトリン(3−フエノキシペンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボオキシラ−ト)、エンペントリン(1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニルdl−シス/トランス−クリサンテマ−トなどが挙げられる。
【0025】
また、上記揮散性薬剤を含有させるゲルとしては、例えば、カラギーナン、ローストビーンガム、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、寒天、グアガム、アラビアガム、ゼラチン等のアミノ酸、ペクチン、デンプン類、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸若しくはそのアミン塩やアルカリ塩、ジェランガム、アルギン酸ナトリウム塩などのゲル化剤を用いたゲルや、アクリル酸系の樹脂、イソブチレンと無水マレイン酸との交互重合体物の塩の架橋物、デンプン・アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物等の吸水性樹脂を用いたゲルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
以下、具体的な実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
<実施例1>
PET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×高さ180mmの前面フィルム及び裏面フィルムの下方にPET12//ONY15//LLDPE100の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmの底面フィルムを、上方にLLDPE40//PET12//LLDPE40の積層フィルムで形成された幅130mm×マチ(38+38)mmであって、径25mmの中央開孔部及び、長径30mm、短径15mmの4つの周辺開孔部の計5つの開孔部を設けた図4の天面フィルムを接合し、自立性を有する収容袋を形成した。この収容袋の中央開孔部より揮散性薬剤含有ゲルの充填を行った後、天面フィルムとの接合部より上方で前面フィルム及び裏面フィルムをヒートシーラーにより密封シールし、収容袋を密封した。使用時、密封シールを開封することで、開孔部を有する天面フィルムが露出し、内部の薬剤を揮散させることができた。
【0028】
<比較例1>
天面フィルムと前面フィルム、または天面フィルムと裏面フィルムのいずれか一方の接合を行わず、未接着部分を残して収容袋を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、自立性収容袋を形成した。この収容袋の未接着部分より揮散性薬剤含有ゲルの充填を行った後、ヒートシーラーに通して、天面フィルムと前面フィルム(または裏面フィルム)の未接着部分の接着、及び袋の密封を行ったところ、天面フィルム同士がくっついてしまい、開封しても天面フィルムが開かず、開孔部を露出させることができなかった。
【0029】
<実施例2>
実施例1において、収容袋に揮散性薬剤含有ゲル280gを充填し、ステンレスカップに収容袋を入れて固定し、そのまま90度傾けて30秒間に流出したゲルの量を測定した。
【0030】
<実施例3〜実施例12>
天面フィルムとして、図5〜図14の天面フィルムを用いる以外は実施例2と同様の方法で測定を行った。
【0031】
<比較例2〜比較例5>
天面フィルムとして、図15〜図18の天面フィルムを用いる以外は実施例2と同様の方法で測定を行った。
【0032】
実施例2〜12及び比較例2〜比較例5の結果を下表に示す。
【0033】
上記の実施例及び比較例の結果より、ブリッジ部のみ設けたもの(比較例2、3)やフラップ部のみ設けたもの(比較例4)は流出量が多く、フラップ部とブリッジ部を両方有するものに比較し、収容袋転倒時にゲルの漏洩の危険が大きい。また、フラップとブリッジを両方有する場合でも、10mmを超えるフラップとブリッジ部が1本もない場合(比較例5)は同じく漏洩する虞れが大きい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態の揮散性薬剤収容袋を示す斜視図である。
【図2】天面フィルムの略中央部を横方向に切断した状態を示す断面図である。
【図3】揮発性薬剤収納袋の転倒状態における断面説明図である。
【図4】実施例1、2の天面フィルムを示す説明図である。
【図5】実施例3の天面フィルムを示す説明図である。
【図6】実施例4の天面フィルムを示す説明図である。
【図7】実施例5の天面フィルムを示す説明図である。
【図8】実施例6の天面フィルムを示す説明図である。
【図9】実施例7の天面フィルムを示す説明図である。
【図10】実施例8の天面フィルムを示す説明図である。
【図11】実施例9の天面フィルムを示す説明図である。
【図12】実施例10の天面フィルムを示す説明図である。
【図13】実施例11の天面フィルムを示す説明図である。
【図14】実施例12の天面フィルムを示す説明図である。
【図15】比較例2の天面フィルムを示す説明図である。
【図16】比較例3の天面フィルムを示す説明図である。
【図17】比較例4の天面フィルムを示す説明図である。
【図18】比較例5の天面フィルムを示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 :揮散性薬剤収容袋
1a:前面フィルム
1b:裏面フィルム
1c:底面フィルム
1d:天面フィルム
2 :周辺開孔部
3 :中央開孔部
4 :フラップ部
5 :ブリッジ部
6 :揮散性薬剤含有ゲル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋本体の上下開口部に折り線で折り畳可能な天面フィルムと底面フィルムとをそれぞれ接着して形成した自立性包装袋からなり、当該包装袋内に揮発性薬剤含有体を収容する、及び前記天面フィルムに当該包装袋内に収容した揮散性薬剤含有体から揮散した揮散性薬剤が通過する少なくとも1つの開孔部を備えてなる揮散性薬剤収容袋であって、前記袋本体内壁及び前記天面フィルムの接着部分と前記開孔部との間に堰となるフラップ部を設けるとともに、前記接着部分以外の前記天面フィルムの端部と前記開孔部との間及び/又は各開孔部間に前記フラップ部の撓みを防止するブリッジ部を設けたことを特徴とする揮散性薬剤収容袋。
【請求項2】
前記開孔部は、少なくとも前記天面フィルムの略中央部の前記折り線上に設けた中央開孔部を有することを特徴とする請求項1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【請求項3】
前記開孔部は、前記天面フィルムの略中央部の前記折り線上設けた中央開孔部と、1又は2以上の周辺開孔部とからなることを特徴とする請求項1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【請求項4】
前記フラップ部及び前記ブリッジ部のうち少なくとも一つは、幅10mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【請求項5】
前記開孔部の面積が開口部面積の5%〜90%であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【請求項1】
袋本体の上下開口部に折り線で折り畳可能な天面フィルムと底面フィルムとをそれぞれ接着して形成した自立性包装袋からなり、当該包装袋内に揮発性薬剤含有体を収容する、及び前記天面フィルムに当該包装袋内に収容した揮散性薬剤含有体から揮散した揮散性薬剤が通過する少なくとも1つの開孔部を備えてなる揮散性薬剤収容袋であって、前記袋本体内壁及び前記天面フィルムの接着部分と前記開孔部との間に堰となるフラップ部を設けるとともに、前記接着部分以外の前記天面フィルムの端部と前記開孔部との間及び/又は各開孔部間に前記フラップ部の撓みを防止するブリッジ部を設けたことを特徴とする揮散性薬剤収容袋。
【請求項2】
前記開孔部は、少なくとも前記天面フィルムの略中央部の前記折り線上に設けた中央開孔部を有することを特徴とする請求項1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【請求項3】
前記開孔部は、前記天面フィルムの略中央部の前記折り線上設けた中央開孔部と、1又は2以上の周辺開孔部とからなることを特徴とする請求項1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【請求項4】
前記フラップ部及び前記ブリッジ部のうち少なくとも一つは、幅10mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【請求項5】
前記開孔部の面積が開口部面積の5%〜90%であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1に記載の揮散性薬剤収容袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−78822(P2009−78822A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248036(P2007−248036)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000153719)株式会社白元 (14)
【出願人】(503239903)上岡化学工業 株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000153719)株式会社白元 (14)
【出願人】(503239903)上岡化学工業 株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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