説明

揮散装置

【課題】カートリッジの取付状態を確認することができる揮散装置を提供する。
【解決手段】カートリッジ12をケーシングに挿入し所定位置に装着された際には、ケーシングの内側面に設けられた位置決め凸部111と、カートリッジ12におけるトレイ21の底面41に設けられた位置決め凹部45とが係合する。このとき、位置決め凸部111が位置決め凹部45に挿入される際にクリック感が発生し、このクリック感によってカートリッジ12がケーシングに装着されたことを確認することができる。これにより、このクリック感によってカートリッジ12が所定位置に装着されたか否かを知ることができるため、カートリッジ12の取付状態を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香剤等の揮散剤を揮散する揮散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内の臭いを解消する際には、揮散装置が使用されている。
【0003】
このような揮散装置では、消臭剤や芳香剤等の揮散剤を揮散することで、室内を消臭したり、芳香できるように構成されている。
【0004】
この揮散装置としては、カートリッジ式のものが知られており、装置本体にカートリッジを装着して使用できるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の揮散装置にあっては、装置本体に対するカートリッジの取付位置を確認する構造を備えていなかった。
【0006】
このため、カートリッジを取付位置に装着できたか否かを確認することができなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、カートリッジの取付状態を確認することができる揮散装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の揮散装置にあっては、揮散剤を収容したトレイの開口部が揮散面で閉塞されたカートリッジと、該カートリッジが装着されるケーシングとを備えた揮散装置であって、前記カートリッジを前記ケーシングに装着した状態で互いに係合する凸部又は凹部の一方を前記トレイの底面に設けるとともに、前記凸部又は前記凹部の他方を前記ケーシングに設けた。
【0009】
すなわち、カートリッジをケーシングに装着する際には、前記カートリッジが前記ケーシングに装着された状態で、前記カートリッジにおける前記トレイの底面及び前記ケーシングに設けられた凸部と凹部とが係合する。
【0010】
このとき、前記凸部が前記凹部に挿入される際にクリック感が発生し、このクリック感によって、当該カートリッジが前記ケーシングに装着されたことが確認される。
【0011】
また、請求項2の揮散装置においては、前記トレイの前記底面に前記凹部を設け、前記ケーシングの内側面に前記凸部を設けた。
【0012】
すなわち、前記凹部は、前記トレイの底面に設けられており、この凹部と係合する前記凸部は、前記ケーシングの内側面に設けられている。
【0013】
このため、前記トレイの底面に凸部が設けられた場合と比較して、前記カートリッジを単体で取り扱う際に安定した載置状態が得られる。
【0014】
さらに、請求項3の揮散装置では、前記ケーシングに前記カートリッジを装着する際に前記凸部を前記凹部に導く為の凹溝を前記凹部へ向けて延設した。
【0015】
すなわち、カートリッジをケーシングに装着する際には、前記凸部が前記凹溝で導かれることによって、当該凸部は前記凹部へ向けて案内される。
【0016】
加えて、請求項4の揮散装置にあっては、前記凹溝と前記凹部とを隔離して設けた。
【0017】
すなわち、前記凹溝と前記凹部とは隔離して設けられており、前記凹溝に案内された前記凸部は、前記凹溝の縁を一旦乗り越えた後に、前記凹部と係合する。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明の請求項1の揮散装置にあっては、カートリッジをケーシングに装着する際に、前記凸部が前記凹部に挿入されるときに生ずるクリック感によって、当該カートリッジが前記ケーシングに装着されたことを確認することができる。
【0019】
これにより、このクリック感によって前記カートリッジが取付位置に装着されたか否かを知ることができるため、前記カートリッジの取付状態を確認することができる。
【0020】
そして、前記カートリッジを装着位置に装着した状態では、前記凸部と前記凹部とが係合する。このため、前記ケーシングからの前記カートリッジの不用意な離脱防止効果を得ることができる。
【0021】
また、請求項2の揮散装置においては、前記凹部を前記トレイの底面に設けるとともに、この凹部と係合する前記凸部を前記ケーシングの内側面に設けることによって、前記カートリッジを単体で取り扱う際に、前記トレイの底面に凸部が設けられた場合と比較して、安定した載置状態を得ることができる。
【0022】
これにより、カートリッジ単体での取り扱いが容易となり、利便性が向上する。
【0023】
さらに、請求項3の揮散装置では、前記カートリッジを前記ケーシングに装着する際に、前記凸部を前記凹溝で導くことにより、当該凸部を前記凹部へ向けて案内することができる。
【0024】
これにより、前記凹部への前記凸部の係合を容易とすることができるとともに、前記カートリッジを装着位置へ案内することができる。
【0025】
加えて、請求項4の揮散装置にあっては、前記凹溝と前記凹部とを隔離して設けることによって、前記凹溝に案内された前記凸部は、前記凹溝の縁を一旦乗り越えた後に、前記凹部と係合する。
【0026】
これにより、前記凹溝が前記凹部まで連続する場合と比較して、前記凹溝と前記凹部との深さを変える等することなく、クリック感を出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる揮散装置1を示す図である。
【0028】
この揮散装置1は、空調装置の吹出口より上方の壁面に取り付けて使用する装置であり、消臭剤、芳香剤等の揮散剤を揮散するように構成されている。この揮散剤としては、ゲル状の薬剤や液状の薬剤が挙げられるが、本実施の形態では、ゲル状の薬剤が用いられている。また、前記揮散剤としては、防虫剤や殺虫剤を用いることもできる。
【0029】
前記揮散装置1は、図1に示したケーシング11と、このケーシング11に交換可能に装着される図2に示すカートリッジ12とよって構成されている。
【0030】
このカートリッジ12は、前記揮散剤を収容したトレイ21と、該トレイ21の開口部を閉塞する揮散面22とによって構成されており、該揮散面22は、ゲル状の前記揮散剤は通さず、揮散され気化された揮散剤は透過する不織布によって構成されている。
【0031】
前記トレイ21は、無色透明のプラスチックシートをプレスして成型されており、当該トレイ21には、前記揮散剤を収容する容器部31が横長楕円形状に形成されている。該容器部31の開口縁部には、側方へ延出する鍔部32が全周に渡って形成されており、該鍔部32に前記揮散面22の周縁部が載置された状態で接合されている。
【0032】
前記容器部31の底面41には、図2の(b)に示すように、長手方向に延在する横溝42と、該横溝42に直交する直交方向に延在した縦溝43とが凹設されており、両溝42,43は、その両端部が当該容器部31の周面44に達する長さに設定されている。
【0033】
前記縦溝43と前記横溝42とは、当該底面41の中央部で交差するように構成されており、当該トレイ21の中心部には、前記縦溝43と前記横溝42とが交差した部位に位置決め凹部45が形成されている。
【0034】
前記縦溝43は、前記横溝42と交差した前記位置決め凹部45の近傍で途切れており、当該縦溝43は断続している。これにより、前記位置決め凹部45の近傍には、当該トレイ21底面41の一般部で構成された平坦な隔離部46,46が形成されており、前記縦溝43は、前記位置決め凹部45を構成する位置決め構成部47,47と、前記両隔離部46,46によって前記位置決め凹部45から隔離された第一凹溝48及び第二凹溝49とによって構成されている。そして、前記縦溝43を構成する前記両凹溝48、49は、前記当該トレイ21底面41の周縁部から前記位置決め凹部45へ向けて延在するように構成されている。
【0035】
この容器部31の前記周面44には、各角部に外側に膨出した膨出部51,・・・が形成されており、当該トレイ21の角部が補強されている。
【0036】
前記ケーシング11は、図1及び図3並びに図4に示すように、前面を構成する前ケース61と、後面を構成する後ケース62とによって構成されており、両ケース61,62は、白色の樹脂によって板状に形成されている。
【0037】
前記前ケース61は、図1及び図3に示したように、雲形状に形成されており、その周縁部は、裏側へ湾曲され補強されている。この前ケース61の内側面は、図5に示すように、当該ケーシング11に前記カートリッジ12を装着した状態で、前記トレイ21の前記底面41が対向する対向面71を構成しており、当該前ケース61には、図3に示したように、外側からケーシング11内部の視認を可能とする覗き窓72が、図3の(a)中右下部分に開設されている。この覗き窓72は、大径湾曲部73と小径湾曲部74とによって波形に形成されており、当該覗き窓72は、使用状態で上下方向に延在するように配置されている。
【0038】
この前ケース61の内側面には、図3及び図5に示したように、下縁側の中寄り二箇所に下部円柱部81,81が突設されており、両下部円柱部81,81の先端には、小径の連結突起82,82が一体形成されている(図3の(b)参照)。また、前記前ケース61の内側面には、両側縁側のそれぞれに側部円柱部83,83が突設されており、両側部円柱部83,83の先端にも、小径の連結突起84,84が一体形成されている(図3の(b)参照)。
【0039】
また、この前ケース61の内側面には、図3及び図5に示したように、上縁側の両側部寄りの二箇所に、対を成す突起91,91が設けられており、各突起91,91の高さ寸法と、前記各円柱部81,81、83,83の高さ寸法とは、はぼ同寸法に設定されている。これにより、当該ケーシング11に前記カートリッジ12を装着する際に、該カートリッジ12の前記トレイ21における前記容器部31が通過する通路92が、前記両突起91,91間に形成されている。
【0040】
前記両突起91,91の離間距離は、図2に示したように、前記カートリッジ12の前記トレイ21における前記鍔部32の横幅寸法101より短く、かつ前記トレイ21の前記容器部31の横幅寸法102より長く設定されている。これにより、図5の(b)に示したように、前記両突起91,91の離間距離で構成される前記通路92の通路幅103は、前記トレイ21の前記鍔部32の通過は阻止する一方、前記トレイ21の前記容器部31の通過は許容できる寸法に設定されている。
【0041】
そして、前記前ケース61の内側面には、図5に示したように、その中央部に位置決め凸部111が突設されている。該位置決め凸部111は、当該前ケース61を立てた状態で上下方向に延在する山形板状の縦壁111aと、左右方向に延在する山形板状の横壁111bとによって構成されており、前記縦壁111aと前記横壁111bとが中央部で直交した十字形状に形成されている。
【0042】
これにより、前記カートリッジ12を前記ケーシング11に装着して所定位置にセットした状態において、前記位置決め凸部111が前記トレイ21に形成された前記位置決め凹部45に挿入された状態で係合するように構成されている。
【0043】
すなわち、前記ケーシング11の上方から前記カートリッジ12を装着する際には、前記ケーシング11の前記位置決め凸部111先端が前記トレイ21底面41に凹設された前記縦溝43の前記第二凹溝49に挿入された状態で、前記カートリッジ12が前記ケーシング11に対して位置決めされる。
【0044】
この状態で、前記カートリッジ12を装着位置へ移動すると、当該カートリッジ12は、前記位置決め凸部111先端が前記縦溝43の前記第二凹溝49と係合した状態が維持されることによって、当該カートリッジ12の挿入方向が前記第二凹溝49によって案内されるとともに、前記位置決め凸部111が前記第二凹溝49の先端に設けられた前記位置決め凹部45へ向けて導かれる。
【0045】
そして、前記位置決め凸部111が前記第二凹溝49の端部に達した際には、前記位置決め凸部111が前記第二凹溝49の縁を乗り越えて、前記位置決め凹部45の近傍に設定された平坦な前記隔離部46を通過した後、前記位置決め凹部45に挿入され係合する。
【0046】
このとき、前記位置決め凸部111は、前記縦壁111aと前記横壁111bとによって十字状に形成されており、前記位置決め凹部45も、前記横溝42と前記縦溝43の一部を構成する前記位置決め構成部47,47とによって十字状に形成されている。
【0047】
このため、前記位置決め凸部111の前記縦壁111aが前記位置決め凹部45の前記位置決め構成部47,47に挿入されると同時に、前記位置決め凸部111の前記横壁111bが前記位置決め凹部45を構成する前記横溝42の部位に挿入され、前記位置決め凸部111と前記位置決め凹部45とが係合する。この係合時には、クリック感が発生し、係合後においては、前記カートリッジ12の抜け方向の移動、及び挿入方向への移動を規制できるように構成されている。
【0048】
前記後ケース62は、図1及び図4に示したように、雲形状に形成されており、その周縁部は、裏側へ湾曲され補強されている。この後ケース62は、図5に示すように、当該ケーシング11に前記カートリッジ12を装着した状態で、該カートリッジ12の前記揮散面22に対向した壁面を構成するように構成されている。
【0049】
この後ケース62の外側面は、図6に示すように、空調装置としてのエアコン121の前壁面122に取り付けられる取付面123を構成しており、この取付面123には、図4〜図6に示したように、上縁から下方へ向けて延在する両面テープ124が中央部に貼着されている。
【0050】
これにより、前記両面テープ124の剥離紙を剥離するとともに、当該両面テープ124の粘着面を前記エアコン121の前記前壁面122に貼着することによって、当該揮散装置1を、図6に示したように、前記エアコン121の吹出口131より上方の前記前壁面122に取り付けて使用できるように構成されている。
【0051】
この後ケース62の内側面には、図4及び図5に示したように、下縁側の中寄りの二箇所に下部円筒部142,142が突設されており、両下部円筒部142,142の先端には、前記前ケース61の前記下部円柱部81,81に突設された前記連結突起82,82が圧入される円形の連結穴が設けられている(図示省略)。また、前記後ケース62の内側面には、両側縁側のそれぞれに側部円筒部143,143が突設されており、両側部円筒部143,143の先端にも、前記前ケース61の前記側部円柱部83,83に突設された前記連結突起84,84が圧入される円形の連結穴が設けられている(図示省略)。
【0052】
これにより、前記前ケース61の前記下部円柱部81,81に突設された前記連結突起82,82を、前記後ケース62の前記下部円筒部142,142の連結穴に圧入するとともに、前記前ケース61の前記側部円柱部83,83に突設された前記連結突起84,84を、前記後ケース62の前記側部円筒部143,143の前記連結穴に圧入することによって、前記前ケース61と前記後ケース62とを連結できるように構成されており、この連結状態において、前記前ケース61と前記後ケース62との間に、前記カートリッジ12が装着される装着部145を、前記各円柱部81,81、83,83及び前記各円筒部142,142、143,143によって確保できるように構成されている。
【0053】
前記カートリッジ12を前記装着部145に装着する際には、前記カートリッジ12の前記鍔部32の周縁が前記両下部円筒部142,142に当接した状態で、その挿入量が規制されるように構成されており、この装着状態では、前記カートリッジ12の前記鍔部32の周縁が前記両側部円筒部143,143に当接した状態で、横ずれが防止されるように構成されている。
【0054】
これにより、前記カートリッジ12が所定位置に位置決めされるように構成されており、この装着状態で、前記前ケース61に形成された前記位置決め凸部111が、前記トレイ21の底面41に形成された前記位置決め凹部45と係合するように構成されている。
【0055】
前記後ケース62の内側面には、図5に示したように、当該ケーシング11内に前記カートリッジ12を装着した状態で、該カートリッジ12の前記揮散面22が対向するように構成されており、この内側面には、図4及び図5に示したように、薄肉の起立壁151が楕円形を成すリング状に延設されている。この起立壁151は、前記所定位置に装着された前記カートリッジ12の前記トレイ21における前記鍔部32に当接するように構成されており、図1に示したように、前記カートリッジ12の前記揮散面22と当該後ケース62の内側面との間に、前記カートリッジ12内の前記揮散剤を前記揮散面22から揮散する為の揮散空間152を形成できるように構成されている。
【0056】
当該揮散装置1を前記エアコン121の前記前壁面122に取り付けた使用状態において、上側に配置される前記起立壁151の部位は、切り欠きが二箇所に形成されており、この切り欠きによって、図1及び図5の(a)に示したように、前記揮散空間152内に空気を流入する流入部161,161が形成されている。また、前記使用状態において下側に配置される前記起立壁151の部位にも、図5の(b)に示したように、切り欠きが二箇所に形成されており、この切り欠きによって前記揮散空間152内に揮散された前記揮散剤を放出する放出部162,162が形成されている。
【0057】
この放出部162,162は、前記使用状態において下方へ向けて開口するように構成されており、前記揮散空間152に揮散された空気より重い揮散剤を下側へ向けて放出できるように構成されている。
【0058】
そして、前記エアコン121の前記前壁面122への取付面123を構成する当該後ケース62は、開口部を不具備な板状に形成されており、外部と前記揮散空間152内部との空気の通流を遮断する遮断面を構成している。
【0059】
以上の構成にかかる本実施の形態において、前記カートリッジ12を前記ケーシング11に装着する際には、前記カートリッジ12が前記ケーシング11の所定位置に装着された状態で、前記ケーシング11の内側面に設けられた前記位置決め凸部111と、前記カートリッジ12における前記トレイ21の底面41に設けられた前記位置決め凹部45とが係合する。
【0060】
このとき、前記位置決め凸部111が前記位置決め凹部45に挿入される際にクリック感が発生し、このクリック感によって当該カートリッジ12が前記ケーシング11に装着されたことを確認することができる。
【0061】
これにより、このクリック感によって前記カートリッジ12が所定位置に装着されたか否かを知ることができるため、前記カートリッジ12の取付状態を確認することができる。
【0062】
そして、前記カートリッジ12を所定位置に装着した状態では、前記位置決め凸部111と前記位置決め凹部45とが係合している。このため、前記ケーシング11からの前記カートリッジ12の不用意な離脱を防止することができる。
【0063】
また、前記位置決め凹部45は、前記トレイ21の底面41に設けられており、この位置決め凹部45と係合する前記位置決め凸部111は、前記ケーシング11の内側面に設けられている。
【0064】
このため、前記トレイ21の底面41に位置決め凸部が設けられた場合と比較して、前記カートリッジ12を単体で取り扱う際に安定した載置状態を得ることができる。
【0065】
これにより、カートリッジ12単体での取り扱いが容易となり、利便性が向上する。
【0066】
そして、前記カートリッジ12を前記ケーシング11に装着する際には、前記位置決め凸部111を前記縦溝43の第二凹溝49で導くことにより、当該位置決め凸部111を前記位置決め凹部45へ向けて案内することができる。
【0067】
これにより、前記位置決め凹部45への前記位置決め凸部111の係合を容易とすることができるとともに、前記カートリッジ12を所定位置へ案内することができる。
【0068】
また、前記縦溝43の第二凹溝49と前記位置決め凹部45とを隔離することによって、前記縦溝43の前記第二凹溝49に案内された前記位置決め凸部111は、前記縦溝43の縁を一旦乗り越えた後に、前記位置決め凹部45と係合させることができる。
【0069】
これにより、前記縦溝43の前記第二凹溝49が前記位置決め凹部45まで連続する場合と比較して、前記縦溝43の前記第二凹溝49と前記位置決め凹部45との深さを変える等することなく、クリック感を出すことができる。
【0070】
また、前記縦溝43の前記第一凹溝48が前記位置決め凹部45まで連続する場合と比較して、前記カートリッジ12の挿入方向への移動を規制することができる。これにより、より確実な位置決めを可能とすることができる。
【0071】
なお、本実施の形態では、前記位置決め凸部111を前記ケーシング11の内側面に設け、前記位置決め凹部45を前記トレイ21の底面41に設けた場合を例に挙げて説明したが、前記位置決め凸部111を前記トレイ21の底面41に設け、前記位置決め凹部45を前記ケーシング11の内側面に設けても良い。
【0072】
また、本実施の形態では、前記縦溝43を、前記位置決め凹部45を構成する位置決め構成部47,47と、前記両隔離部46,46によって前記位置決め凹部45から隔離された第一凹溝48及び第二凹溝49とによって構成した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、前記縦溝43を前記位置決め凹部45に接続しても良い。この場合、前記位置決め凹部45での深さ寸法を、前記縦溝43での深さ寸法より深く設定することで、クリック感を得ることができる。
【0073】
そして、本実施の形態では、エアコン121に取り付けて使用する揮散装置1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無く、テーブルや机に載置する揮散装置に応用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同実施の形態のカートリッジを示す図で、(a)は斜視図であり、(b)は底面図である。
【図3】同実施の形態の前ケースを示す図で、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図4】同実施の形態の後ケースを示す図で、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図5】(a)は同実施の形態の平面を示す一部断面部であり、(b)は底面を示す一部断面図である。
【図6】同実施の形態の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 揮散装置
11 ケーシング
12 カートリッジ
21 トレイ
22 揮散面
41 底面
43 縦溝
45 位置決め凹部
46 隔離部
48 第一凹溝
49 第二凹溝
61 前ケース
62 後ケース
71 対向面
111 位置決め凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮散剤を収容したトレイの開口部が揮散面で閉塞されたカートリッジと、該カートリッジが装着されるケーシングとを備えた揮散装置であって、
前記カートリッジを前記ケーシングに装着した状態で互いに係合する凸部又は凹部の一方を前記トレイの底面に設けるとともに、前記凸部又は前記凹部の他方を前記ケーシングに設けたことを特徴とする揮散装置。
【請求項2】
前記トレイの前記底面に前記凹部を設け、前記ケーシングの内側面に前記凸部を設けたことを特徴とする請求項1記載の揮散装置。
【請求項3】
前記ケーシングに前記カートリッジを装着する際に前記凸部を前記凹部に導く為の凹溝を前記凹部へ向けて延設したことを特徴とする請求項1又は2記載の揮散装置。
【請求項4】
前記凹溝と前記凹部とを隔離して設けたことを特徴とする請求項3記載の揮散装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−132419(P2009−132419A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310185(P2007−310185)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000102544)エステー株式会社 (127)
【Fターム(参考)】