説明

揮発性炭化水素放出物用フィルタ

【課題】エンジンの空気導入システム用の炭化水素蒸気吸着において、通気抵抗が小さく、小型で吸着性材料が剥離しにくい吸着フィルタを提供する。
【解決手段】炭化水素蒸気吸着性部材22を空気導入システム10内に取り付ける機構が提供される。エンジンの運転が停止した後、空気導入システム内に存在する炭化水素蒸気は、エンジンが始動した後、空気が空気導入システムを通って流れる迄、吸着性部材内に実質的に保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、フィルタ、より具体的には、炭化水素蒸気を吸着するのに有用なフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関において、エンジンが作動している間、空気導入システムを通って吸気マニホルドに入り、最終的に、吸気弁を通って燃焼室に入る定常的な空気流が存在する。この空気流は、吸気マニホルドを負圧にするピストンの吸気行程によって生じる。これは、吸気マニホルドと環境との間に圧力の不均衡を生じさせ、このため、空気は、空気導入システムを通って急激に流入する。吸気マニホルド内の内部圧力が低く、また、エンジン内への定常的な空気流があるため、吸気マニホルド又は空気導入システムからの揮発性放出物は全くない。
【0003】
更に、近代的な燃料噴射式エンジンが作動しているとき、燃料システムは、燃料レールが燃料を通常の雰囲気圧力にて蒸発させるのに十分な温度にあるときでさえ、燃料レール内の燃料を十分な圧力に保って燃料の蒸発を防止する。実際には、良好な始動がなされるか否かは、エンジンが運転停止後、燃料レール内にて燃料が蒸発するのを阻止し得るよう冷却する迄、何時間も燃料レールの圧力を維持することができるかに依存する。燃料レール内の燃料蒸気は、エンジンを始動させる際に、エンジンがかかるまでの時間が長くなるという点で、一般的には望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの運転停止後、空気は、吸気マニホルドの負圧が解消される迄、空気導入システムを通って急激に流入する状態を続ける。燃料レール内の加圧された燃料が燃料噴射装置を通って吸気マニホルド内に漏洩するならば、揮発性の炭化水素が放出されよう。この少量の燃料は、蒸発し、炭化水素蒸気は、吸気マニホルドから空気導入システムを通って雰囲気中に移動することがあり得る。従来、かかる炭化水素蒸気の排出は無視し得るものと考えられていた。しかし、カリフォルニア州、及び米国の他の州における現在の規制は、燃料からの揮発性放出物が実質的に零であることを要求している。
【0005】
揮発性炭化水素の放出の問題を解決する試みは、二次的な炭化水素の吸着フィルタを直接的な空気通路内に配置するステップを含むものであった。しかし、かかるフィルタは、全体として、空気導入システムに絞り部を追加することになる。従って、エンジンは、全体として非効率的となる。あるいは空気導入システムは、絞り部が多くなる結果、同一の体積空気流を提供するためには、より大きい寸法とすることが必要となる。
【0006】
その他の試みは、炭化水素蒸気の吸着性材料を標準的な微粒子/汚染物空気フィルタと組み合わせることを含むものである。これらの組み合わせフィルタと関係した幾つかの短所の一つとして、蒸気の吸着性材料がフィルタから剥落し、空気システム内に入る可能性があるということがある。吸着性材料を喪失することは、フィルタの蒸気吸着性に悪影響を与える可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、エンジンの空気導入システムに対する揮発性放出物用フィルタを提供することにより、上述した短所を実質的に解決する。該揮発性放出物用フィルタは、空気導入システム内に配置された炭化水素の蒸気吸着性材料を有している。揮発性放出物用フィルタを空気導入システム内に取り付ける機構が提供される。エンジンの運転停止後に空気導入システム内に存在する炭化水素蒸気は、エンジンが始動した後に空気が空気導入システムを通って流れる迄、吸着性部材内に実質的に保持される。
本発明の目的、特徴及び有利な効果は、以下の詳細な説明及び図面を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の1つの実施の形態を示す、空気フィルタハウジングの切欠き断面図である。
【図2】本発明の更なる実施の形態を示す、空気導入システムの部分切欠き断面頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
規制に適合し且つ、環境に対し、より優しくするため、揮発性炭化水素放出物が雰囲気中に逃げるのを実質的に防止することが望ましいであろう。空気導入システムを通る空気流を絞ることなく、かかる実質的な防止を実現し得ることは更に望ましいであろう。更に、この目的を相対的に経済的に実現し得ることが望ましいであろう。バリアフィルタと比較して吸着性材料を汚す可能性が小さい状態にて、この目的を実現し得ることは更に望ましいであろう。本発明の揮発性放出物用フィルタは、上述した目的を実質的に満たす。先ず、図1を参照すると、本発明の揮発性放出物は、全体として参照番号10で示されている。揮発性放出物用フィルタ10は、直接的な空気流路(矢印P)を有するエンジンの空気導入システム12にとって有用である。空気導入システム12は、従来の空気フィルタ16を収容するハウジング/空気ボックス14を有している。空気フィルタ16は、エンジン(図示せず)に入る空気中の汚れをろ過する。空気フィルタ16は、全体として、可撓性の半剛性又は硬いフレーム内に収容されたひだ付き紙をその主構成要素として有している。空気フィルタ16は、ハウジング14内に取り付けられ、一般的には1回使用されたら廃棄される。空気導入管18は、空気を車の外部からハウジング/空気ボックス14まで運び、次に、吸気マニホルド(図示せず)を介してエンジンまで運ぶ。
【0010】
また、図2を参照すると、空気導入システム12は、選択的に、空気共振器20を有することができる。空気共振器20は、空気導入管18(図示)及び(又は)ハウジング14に取り付け、また、該導入管18及び(又は)ハウジング14と流体的に連通させることができる。選択的な空気共振器20が使用されるならば、本発明の揮発性放出物用フィルタ10は、空気共振器20が空気導入管18の清浄な側Cにあるか又は汚れた側Dにあるか、あるいは、ハウジング14の清浄な側C又は汚れた側Dに取り付けられ及び(又は)一体化されるのかを問わずに、実質的に等しく良好に作用するものと考えられる。
【0011】
揮発性放出物用フィルタ10は、直接的な空気流路Pの実質的に外側にて空気導入システム12内に配置された炭化水素蒸気吸着性部材22を備えている。揮発性放出物用フィルタ10は、揮発性放出物用フィルタ10を空気導入システム12内に取り付ける機構24を更に有することができる。機構24は、接着剤、フックアンドループ締結具、ねじ、リベット、超音波又は摩擦溶接を採用する締結具、フィルタ10をスナップ止めする可撓性タブ及びこれらと同様のものを含むが、これらのみに限定されない、任意の適宜な締結具を有することが可能であることを理解すべきである。更に、揮発性放出物用フィルタ10は、平坦面から外れるように(離設部材(stand−offs)として)取り付けられ、揮発性放出物に対して露呈される吸着性部材22の量を最大にし得るような要領にて空気ボックス14に取り付けることができる。
【0012】
エンジンの運転が中止された後、炭化水素蒸気が空気導入システム内に存在するならば、エンジンが始動した後、空気が空気導入システム12を通って流れる迄、蒸気は、吸着性部材22内に実質的に保持される。空気流がシステム12を通って逆方向に流れることは、吸着性部材22を実質的に再生することになる。
【0013】
本発明の揮発性放出物用フィルタ10は、直接的な流路Pの実質的に外側にて導入システム12の任意の適宜な領域内に配置することができることを理解すべきである。本発明の1つの実施の形態において、フィルタ10は、空気共振器20及び(又は)空気フィルタハウジング14内に取り付けられる。
【0014】
本発明の1つの代替的な実施の形態において、フィルタ10は、空気共振器20内に取り付けられる(図2に示すように)。
本発明の更なる実施の形態において、フィルタ10は、ハウジング14の清浄な空気側Cにて空気フィルタハウジング14内に取り付けられる。
【0015】
本発明の更なる実施の形態において、フィルタ10は、ハウジング14の汚れた空気側Dにて空気フィルタハウジング14内に取り付けられる(図1に示すように)。
更に、本発明の1つの実施の形態において、1つの揮発性放出物用フィルタ10は、ハウジング14の清浄な空気側Cにて空気フィルタハウジング14内に取り付けられ、また、第二のフィルタ10(第二、第三及び第四のフィルタ10は図1に仮想線で図示)は、ハウジング14の汚れた空気側Dにて空気フィルタハウジング14内に取り付けられる。
【0016】
図1に示すように、本発明の更なる実施の形態においては、フィルタ10はハウジング14の少なくとも3つの内壁に取り付けられる。
吸着性部材22は、任意の適宜な炭化水素蒸気吸着性材料を含むことができることを理解すべきである。本発明の1つの実施の形態において、炭化水素蒸気吸着性材料の例は、活性化炭素、ゼオライト、サイクロデキストリン、疎水性セルロース、液相吸着材(例えば、シリコン油)及び(又は)それらの混合体の少なくとも1つを含むが、これらにのみ限定されるものではない。本発明の非限定的な実施の形態において、吸着性部材22は、その1つの主要な成分として活性炭素を有する。炭化水素蒸気吸着性材料は、任意の適宜な形態とし且つ、任意の適宜な媒体内に収容し/含浸させることができることが更に理解される。
【0017】
1つの実施の形態において、炭化水素蒸気吸着性材料は、1つ又はより多数の細かいメッシュ網によって保持することができる。細かいメッシュ網は、重合系材料、金属材料及び(又は)それらの混合体を含むが、これらにのみ限定されない任意の適宜な材料にて形成することができる。適宜な重合系材料の非限定的な例は、ミシガン州、ミッドランドのダウケミカル(Dow Chemical)からサラン(SARAN)という商標名にて市場で入手可能なポリ塩化ビニリデンである。
【0018】
炭素を含浸したろ過構造体の幾つかの非限定的な例は、ノースカロライナ州、シャルロットのAQFテクノロジーズLLC(AQF Technologies LLC)から入手可能なものである。吸着性媒体のその他の適宜な非限定的な例は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許明細書5,486,410号に開示されている。該米国特許明細書5,486,410号には、その他の実施の形態の内、ナイロンシース及びポリエステルコアを有し、活性炭素粒子がフィルタマトリックスに接着され、また、構造体内に配置されたマイクロ繊維ウェブを含む、複合的ステープルのろ過構造体が開示されている。更にその他の適宜な吸着性媒体は、オハイオ州、コロンバスのPICA USAインキ(PICA USA,Inc.)から商業的に入手可能な活性炭素を含む。
【0019】
木系炭素は、例えば、炭素床を再生するときのような特定の有利な効果を提供することが可能であると更に考えられる。
炭化水素蒸気吸着性材料22の寿命を引き延ばすため、場合によっては、揮発性放出物用フィルタ10を、ヒンジ式フラッパ(煽り戸)26、ルーバ28、これらの結合体及び(又は)同様のもののような選択可能な保護部材にて保護することが望ましいであろう。フラッパ26及びルーバ28は、各々、図1に半概略図的に仮想線で示してある。フラッパ26は、エンジンが作動しているとき、実質的に閉じられたままであり、これにより吸着性部材22を水、塵埃及び(又は)その他の汚染物質から実質的に保護する。次に、エンジンの運転が停止したとき、フラッパ26は下方に開いて、存在するであろう炭化水素蒸気が入り込むのを許容する。ルーバ28は、水、塵埃及び(又は)その他の汚染物質を吸着性部材22から遠ざけるように偏向させ得る設計とされている。
【0020】
別個の保護部材26、28が存在しない場合であっても、本発明のフィルタ10が、直接的な流路Pの外側に位置する、すなわち、例えば、空気ボックス14又は共振器20内の下方の流動領域内のような場所に位置する結果、吸着性部材22における応力及び汚れは低下し(バリアフィルタと比較して)、これにより揮発性放出物用フィルタ10は、より長い寿命となる。
【0021】
エンジンの運転が停止した後に自動車の空気導入システム12から炭化水素蒸気を吸着する、本発明の1つの実施の形態に従った方法は、揮発性放出物用フィルタ10を直接的な空気流路Pの実質的に外側で且つ、空気共振器20及び空気フィルタハウジング14の少なくとも一方の内部に作用可能に配置するステップを含み、揮発性放出物用フィルタ10は、炭化水素蒸気吸着性材料22を有するようにする。エンジンの運転が停止した後に空気導入システム12内に存在する炭化水素蒸気は、エンジンが始動した後に空気が空気導入システム12を通って流れる迄、吸着性部材22内に実質的に保持される。
【0022】
本発明を更に示すため、以下に実験例を掲げる。これらの実験例は、単に説明の目的にのみ掲げたものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されよう。
【実験例】
【0023】
次のような態様で別々に試験を行った。A)AQFテクノロジーズLLCから得られた36gの活性炭素含浸フィラー媒体を空気ボックス14の頂部内面(清浄な側)に配置した;B)12gのAQF活性炭素を空気ボックス14の3つの内側部の各々に配置した;清浄な側(サドルと同様)の頂部及び両側部にて合計36gの活性炭素となる;C)PICA USAインキから得られ且つ、細かいメッシュ網の2つの層の間に保持された36gの活性炭素を空気ボックス14の頂部内面(清浄側)に配置した;D)18gのAQF活性炭素を空気ボックス14の頂部内面(清浄側)及び底部内面(汚れた側)に配置し、合計36gの活性炭素となるようにした。別々に行ったこれらの試験の各々において、1.5gのガソリン蒸気が空気導入システム12内に入るようにした。4つの試験の各々において、雰囲気中に放出された炭化水素の蒸気は、約0.006g以下であった。これに対して対照物(吸着性媒体無しのもの)は、0.04gの炭化蒸気が雰囲気中に放出された。4つの試験の内、試験Dが揮発性炭化水素放出物が逃げるのを防止する点にて最も成功したと考えられる。
【0024】
本発明は、予想される炭化水素蒸気の量について吸着性媒体/部材22の有効量を計算することができるという点で、更に有益である。したがって、その有効量の吸着性部材22を空気導入システム12内に配置し、その予想量の炭化水素蒸気を吸着することができる。
【0025】
本発明の幾つかの実施の形態について詳細に説明したが、当該技術分野の当業者には、開示した実施の形態は変更可能であることが理解されよう。このため、上記の説明は、限定的でなく、単に一例であると見なすべきであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直接的な空気流路を有するエンジンの空気導入システム用の揮発性放出物用フィルタにおいて、
前記直接的な空気流路の実質的に外側にて前記空気導入システム内に配置された炭化水素蒸気吸着性部材と、
揮発性放出物用フィルタを前記空気導入システム内に取り付ける手段と、を備え、
エンジンの運転停止後に前記空気導入システム内に存在する炭化水素蒸気が、エンジンが始動した後に空気が前記空気導入システムを通って流れる迄、前記吸着性部材内に実質的に保持されるようにした、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項2】
請求項1に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記空気導入システムが、空気共振器と、空気フィルタを収容するハウジングと、を有し、揮発性放出物用フィルタは、前記空気共振器及び前記空気フィルタの前記ハウジングの少なくとも一方内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項3】
請求項2に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記空気共振器は、空気導入管及び前記ハウジングの少なくとも一方に取り付けられ、且つ、該一方と流体的に連通し、揮発性放出物用フィルタは前記空気共振器内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項4】
請求項2に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記空気フィルタの前記ハウジングの清浄な空気側にて該ハウジング内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項5】
請求項2に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記空気フィルタの前記ハウジングの汚れた空気側にて該ハウジング内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項6】
請求項2に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、第二の揮発性放出物用フィルタを更に備え、最初の揮発性放出物用フィルタは、前記空気フィルタの前記ハウジングの清浄な空気側にて該ハウジング内に取り付けられ、前記第二の揮発性放出物用フィルタは、前記空気フィルタの前記ハウジングの汚れた空気側にて該ハウジング内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項7】
請求項2に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、少なくとも2つの追加的な揮発性放出物用フィルタを更に備え、該揮発性放出物用フィルタの1つは、前記ハウジングの少なくとも3つの内壁に取り付けられる、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項8】
請求項1に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記吸着性部材は、その主構成要素として、炭素、ゼオライト、サイクロデキストリン、疎水性セルロース、液体相吸収材、及びそれらの混合体のうちの少なくとも1つを備える炭化水素蒸気吸着性材料を有する、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項9】
請求項8に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記炭化水素蒸気吸着性材料は活性炭素である、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項10】
請求項2に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、エンジンが作動している間、前記炭化水素蒸気吸着性部材を水及び汚染物質の少なくとも一方から保護する保護部材を更に備える、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項11】
請求項10に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記保護部材は、ヒンジ式フラッパ及びルーバの少なくとも一方である、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項12】
直接的な空気流路を有し且つ、空気共振器と、空気フィルタを収容するハウジングとを備える自動車の空気導入システム用の揮発性放出物用フィルタにおいて、
前記直接的な空気流路の実質的に外側にて前記空気導入システム内に配置された炭化水素蒸気吸着性部材であって、前記空気共振器と前記空気フィルタの前記ハウジングとの少なくとも一方内に取り付けられるようになされた前記炭化水素蒸気吸着性部材と、
揮発性放出物用フィルタを前記空気導入システム内に取り付ける手段と、を備え、
エンジンの運転停止後に前記空気導入システム内に存在する炭化水素蒸気が、エンジンが始動した後に空気が前記空気導入システムを通って流れる迄、前記吸着性部材内に実質的に保持されるようにした、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項13】
請求項12に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記吸着性部材は、その主構成要素として、活性炭素、ゼオライト、サイクロデキストリン、疎水性セルロース、液体相吸収材、及びそれらの混合体のうちの少なくとも1つを備える炭化水素蒸気吸着性部材を有する、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項14】
請求項13に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記空気共振器は、空気導入管及び前記ハウジングの少なくとも一方に取り付けられ、且つ、該一方と流体的に連通しており、揮発性放出物用フィルタは前記空気共振器内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項15】
請求項13に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記空気フィルタの前記ハウジングの清浄空気側にて該ハウジング内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項16】
請求項13に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記空気フィルタの前記ハウジングの汚れた空気側にて該ハウジング内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項17】
請求項13に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、第二の揮発性放出物用フィルタを更に備え、最初の揮発性放出物用フィルタは、前記空気フィルタの前記ハウジングの清浄な空気側にて該ハウジング内に取り付けられ、前記第二の揮発性放出物用フィルタは、前記空気フィルタの前記ハウジングの汚れた空気側にて該ハウジング内に取り付けられるようになされている、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項18】
請求項13に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、少なくとも2つの追加的な揮発性放出物用フィルタを更に備え、該揮発性放出物用フィルタの1つは、前記ハウジングの少なくとも3つの内壁に取り付けられる、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項19】
請求項13に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、エンジンが作動している間、前記炭化水素蒸気吸着性部材を水及び汚染物質の少なくとも一方から保護する保護部材を更に備える、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項20】
請求項19に記載の揮発性放出物用フィルタにおいて、前記保護部材は、ヒンジ式フラッパ及びルーバの少なくとも一方である、揮発性放出物用フィルタ。
【請求項21】
直接的な空気流路を有する、内燃機関用の空気導入システムにおいて、
空気共振器と、
空気フィルタと、
該空気フィルタを収容するハウジングと、
揮発性放出物用フィルタと、を備え、
該フィルタは、
前記直接的な空気流路の実質的に外側にて前記空気導入システム内に配置された炭化水素蒸気吸着性部材であって、前記空気共振器と前記空気フィルタの前記ハウジングとの少なくとも一方内に取り付けられるようになされた前記炭化水素蒸気吸着性部材と、
揮発性放出物用フィルタを空気導入システム内に取り付ける手段と、を備え、
エンジンの運転停止後に前記空気導入システム内に存在する炭化水素蒸気が、エンジンが始動した後に空気が前記空気導入システムを通って流れる迄、前記吸着性部材内に実質的に保持されるようになされた、内燃機関用の空気導入システム。
【請求項22】
直接的な空気流路を有し、且つ、空気共振器と、空気フィルタを収容するハウジングとを備える自動車エンジンの空気導入システムから、エンジンの運転が停止した後に炭化水素蒸気を吸収する方法において、
揮発性放出物用フィルタを、前記直接的な空気流路の実質的に外側にて前記空気共振器と前記空気フィルタの前記ハウジングとの少なくとも一方内に作用可能に配置するステップを備え、前記揮発性放出物用フィルタは炭化水素蒸気吸着性部材を備え、エンジンの運転停止後に空気導入システム内に存在する炭化水素蒸気が、エンジンが始動した後に空気が空気導入システムを通って流れる迄、前記吸着性部材内に実質的に保持されるようにした、炭化水素蒸気を自動車エンジンの空気導入システムから吸収する方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−179505(P2011−179505A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−92108(P2011−92108)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【分割の表示】特願2006−507241(P2006−507241)の分割
【原出願日】平成16年3月17日(2004.3.17)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】