搬送トレーのポット苗飛び出し防止具
【課題】ポット苗を搬送トレーの全面に均一に作業性良く詰め込めることができ、確実にポット苗の飛び出し防止効果を得ることができる飛び出し防止具を提供する。
【解決手段】上面が開口する搬送トレー11の対向する周壁の上縁に掛け渡して使用する飛び出し防止具10を、搬送トレー11内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗1の列と列の間を区切るように配置される縦桟14と、この縦桟14の上縁に設けられる、縦桟14に対して直交する方向に張り出し、育苗ポット3の開口部の上縁に位置するストッパー翼15とを有し、このストッパー翼15の数を、縦桟14の方向のポット苗1の段数と一致させ、これらのストッパー翼15相互間の距離を、育苗ポット3の開口部の径に合わせて設定し、かつ、両端側のストッパー翼15から搬送トレー11の周壁までの距離を、育苗ポット3の開口部の径の半分の距離に設定するようにした。
【解決手段】上面が開口する搬送トレー11の対向する周壁の上縁に掛け渡して使用する飛び出し防止具10を、搬送トレー11内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗1の列と列の間を区切るように配置される縦桟14と、この縦桟14の上縁に設けられる、縦桟14に対して直交する方向に張り出し、育苗ポット3の開口部の上縁に位置するストッパー翼15とを有し、このストッパー翼15の数を、縦桟14の方向のポット苗1の段数と一致させ、これらのストッパー翼15相互間の距離を、育苗ポット3の開口部の径に合わせて設定し、かつ、両端側のストッパー翼15から搬送トレー11の周壁までの距離を、育苗ポット3の開口部の径の半分の距離に設定するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、育苗ポットに苗が植え付けられたポット苗を、上面が開口するカゴ型の樹脂製の搬送トレーに、縦横に整列させた状態に詰めて農家から出荷した際に、搬送途中の振動等により、ポット苗が搬送トレーから飛び出さないようにするために使用するポット苗の飛び出し防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
ポット苗1は、図11(a)(b)に示すように、苗2が鉢型に形成された比較的に柔らかい樹脂製や紙製の育苗ポット3に植え付けられており、花苗や野菜苗として広く流通している。このようなポット苗1は、図12に示すような、カゴ型の樹脂製の搬送トレー4に詰められて農家から出荷されている。
【0003】
搬送トレー4には、図13の概略図に示すように、縦横に整列した状態でポット苗1が詰められている。図13に示す例では、横方向に5列並べられ、縦に8段、計40個のポット苗1が詰められている。
【0004】
ところで、カゴ型の樹脂製の搬送トレー4は、上面が開口しているため、搬送途中におけるトラックの振動や、積み下ろしの際の衝撃等により、ポット苗1が搬送トレー4から飛び出すことがある。
【0005】
搬送トレー4からポット苗1が飛び出すと、育苗ポット3内の土がこぼれたり、枝や葉が傷つけられたりして、ポット苗1の商品価値を毀損することになる。ポット苗1が傷つけられると、傷つけられたポット苗1だけでなく、搬送トレー4に詰められた全体のポット苗1が返品されることが多く、出荷元にとって大きな損失となる。
【0006】
また、搬送業者も責任問題が生じることから、カゴ型の搬送トレー4に詰められたポット苗1を搬送する際には、必要以上に慎重にならざるを得ず、迅速な搬送作業に支障が生じるという問題があった。
【0007】
このため、従来、図4に示すように、ポット苗1の飛び出しを防止する飛び出し防止具5を搬送トレー4に装着する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−121089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この特許文献1に開示されたポット苗1の飛び出し防止具5は、搬送トレー4に掛け渡す広巾の桟形状に形成されており、次のような手順で搬送トレー4に装着される。
【0010】
例えば、図11(b)に示すような、育苗ポット3に対して苗2の大きさが小さいような場合は、ポット苗1を搬送トレー4の全面に詰めた後でも、隣り合う苗ポット1と苗ポット1の間の上方に十分な空間が存在するため、飛び出し防止具5を上方から搬送トレー4の開口部の縁に掛け渡して、飛び出し防止具5によって育苗ポット3の縁の部分を押えることができる。
【0011】
ところが、図11(a)に示すような、育苗ポット3の上縁の開口部よりも、葉が大きく外側に広がったように茂っているポット苗1の場合には、ポット苗1を搬送トレー4の全面に詰めると、葉が搬送トレー4の全面に隙間なく広がるため、飛び出し防止具5を、上方から搬送トレー4に装着すると、飛び出し防止具5によって葉を挟み、葉を傷つけてしまう。
【0012】
通常、農家では、搬送トレー4にポット苗1を詰める場合には、図14に示すように、搬送トレー4を斜めにした状態でポット苗1を一段ずつ詰め込んでいる。
【0013】
したがって、飛び出し防止具5を使用する場合には、飛び出し防止具5が滑り落ちないように片手で支えながら、一段目のポット苗1を並べ、それから飛び出し防止具5をスライドさせて育苗ポット3を飛び出し防止具5によって押えるようにしている。
【0014】
ところが、飛び出し防止具5が滑り落ちないように片手で支えながら、ポット苗1を一段並べては、飛び出し防止具5を一々スライドさせるという作業は、作業性が悪く、詰め込み作業に時間がかかるという問題があった。
【0015】
また、飛び出し防止具5をスライドさせて段毎のポット苗1を押える際に、飛び出し防止具5を強くスライドさせすぎると、ポット苗1の土が固く締めつけられることになり、根に負担を掛けるという問題がある。
【0016】
さらに、飛び出し防止具5を強くスライドさせすぎると、ポット苗1がどんどん偏ったように搬送トレー4に詰められるため、最終段のポット苗1を詰める搬送トレー4の空間が空きすぎて、飛び出し防止具5とポット苗1との間に生じる隙間によって、飛び出し防止効果が得られないという問題もあった。
【0017】
そこで、この発明は、ポット苗が搬送トレーの片方に偏ることなく、ポット苗を搬送トレーの全面に均一に作業性良く詰め込めることができ、確実にポット苗の飛び出し防止効果を得ることができる飛び出し防止具を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明は、上記の課題を解決するために、ポット苗搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具を次のように構成したものである。
即ち、この発明に係るポット苗の飛び出し防止具は、上面が開口する搬送トレーの対向する周壁の上縁に掛け渡され、搬送トレー内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗の列と列の間を区切るように配置される縦桟と、この縦桟の上縁に設けられる、縦桟に対して直交する方向に張り出し、育苗ポットの開口部の上方に位置するストッパー翼とを有し、このストッパー翼の数を、縦桟方向のポット苗の段数と一致させ、これらのストッパー翼相互間の距離を、育苗ポットの開口部の径に合わせて設定し、かつ、両端側のストッパー翼から搬送トレーの周壁までの距離を、育苗ポットの開口部の径の半分の距離に設定したものである。
【0019】
なお、この発明において、育苗ポットの開口部の径とは、丸型タイプの育苗ポットの場合は、直径を意味し、角型、即ち、角部が少し丸い正方形の育苗ポットの場合は、開口部の一辺の長さをいうものとする。
【0020】
上記ストッパー翼は、縦桟の両側に張り出し、張り出し量は育苗ポットの開口部の径の約1/3程度にしている。
【0021】
また、上記縦桟の両端には、搬送トレーの周壁の上縁部に対して着脱自在に係合する係合部を設けている。
【0022】
上記係合部は、搬送トレーの周壁の上縁の鍔部に載置される係合板と、この係合板の裏面に設けられた、搬送トレーの鍔部に設けた係合孔に挿入する係合突起とによって形成することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係るポット苗の飛び出し防止具は、搬送トレー内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗の列と列の間に位置するように、搬送トレーに掛け渡して使用する。
【0024】
この飛び出し防止具は、ポット苗の列と列の間を区切るように配置される縦桟に対して直交する方向に、育苗ポットの上縁に位置するようにストッパー翼が張り出しており、この隣り合うストッパー翼の間の距離を育苗ポットの開口部の径に合わせて設定しているので、育苗ポットから苗の葉がはみ出すようなポット苗も、隣り合うストッパー翼の間を通して支障なく搬送トレーに収容することできる。
【0025】
そして、両端側に位置するストッパー翼は、搬送トレーの周壁からポットの開口部の径の半分の距離に位置しているため、隣り合うストッパー翼の間を通して搬送トレーに収容し、そのポット苗を搬送トレーの周壁側に向けて育苗ポットの径の半分の距離を移動させることにより、ストッパー翼が育苗ポットの開口部の略中央上方に張り出す。
【0026】
通常、農家では、搬送トレーを斜めにしてポット苗の収容作業を行っているので、隣り合うストッパー翼の間を通してポット苗を搬送トレーに収容すると、自重でポット苗が搬送トレーを滑って、ストッパー翼が張り出した位置にポット苗が移動する。
【0027】
したがって、ポット苗を、隣り合うストッパー翼の間を通して搬送トレー内に収容するという作業を繰り返すことにより、張り出したストッパー翼に邪魔されることなく、ポット苗を搬送トレー内に収容することができ、ポット苗が育苗ポットの径の半分だけ移動すると、ストッパー翼が育苗ポットの開口部の略中央の位置に張り出し、張り出したストッパー翼によってポット苗の飛び出しが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具と搬送トレーを示す平面図である。
【図2】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具と搬送トレーに装着した状態を示す平面図である。
【図3】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す概略平面図である。
【図4】(a)はこの発明に係るポット苗の飛び出し防止具の平面図、(b)は(a)のA部分の拡大平面図、(c)は(a)のA部分の拡大側面図、(d)は(a)のA部分の拡大背面図、(e)は(a)のB部分の拡大平面図、(f)は(a)のB部分の拡大側面図、(g)は(a)のB部分の拡大縦断正面図である。
【図5】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具と搬送トレーとを示す部分拡大図である。
【図6】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の係合部の変形例と搬送トレーとを示す部分拡大図である。
【図7】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】図7の使用状態の概略平面図である。
【図9】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す縦断正面図である。
【図10】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の変形例の使用状態を示す概略平面図である。
【図11】(a)(b)はポット苗の一例を示す正面図である。
【図12】搬送トレーの平面図である。
【図13】搬送トレーにポット苗を詰め込んだ状態の概略平面図である。
【図14】従来のポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の実施形態を、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明に係るポット苗の飛び出し防止具10と、この飛び出し防止具10を装着するカゴ型の搬送トレー11の実施形態を示す平面図である。
【0030】
図2は、搬送トレー11に、4本の飛び出し防止具10を平行に4列均等に装着した平面図であり、搬送トレー11には、図1に示すように、対向する周壁の2辺の開口縁の鍔部12に、飛び出し防止具10を取り付けるための係合孔13を等間隔に4カ所設けている。
【0031】
図3は、この実施形態の飛び出し防止具10を使用した搬送トレー11に、ポット苗1を収容した状態を示す概略平面図である。図3の搬送トレー11には、横に5列、縦に8段の計40個のポット苗1が収容される。
【0032】
この発明に係る飛び出し防止具10は、図3に示すように、上面が開口する搬送トレー11の対向する周壁の上縁の鍔部12に掛け渡され、搬送トレー11内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗1の列と列の間を区切るように配置される縦桟14と、この縦桟14の上縁に設けられる、縦桟14に対して直交する方向に張り出し、ポット苗1の苗2が植え付けられた育苗ポット3の上縁に張り出すストッパー翼15とを有する。
【0033】
上記ストッパー翼15の数は、縦桟14の長さ方向のポット苗1の段数と同じ数、即ち、図3では、ポット苗1を8段収容するので、8本のストッパー翼15を縦桟14の両側に張り出すように設けている。
【0034】
8本のストッパー翼15の各ストッパー翼15相互間の距離(図3のa)は、育苗ポット3の開口部の径(図3のb)と略同一に設定している。また、両側のストッパー翼15と搬送トレー11の周壁までの距離は、それぞれ育苗ポット1の開口部の径bの略半分の距離(b/2)に設定している。ここで、径とは、前記のように、丸型タイプの育苗ポットの場合は、直径を意味し、角型、即ち、角部が少し丸い正方形の育苗ポットの場合は、開口部の一辺の長さをいうものとする。
【0035】
上記ストッパー翼15は、図4(e)〜(g)の拡大図に示すように、先端が少し細くなった板形状をしており、その変形を防止するために、その上面に、中央部が高く、先端に向かって次第に低くなるリブ16を形成している。
【0036】
縦桟14は、図4(g)に示すように、下方に向かって次第に厚みが薄くなるように形成されている。
【0037】
また、上記縦桟14の両端には、図4(a)に示すように、搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12に対して着脱自在に係合する係合部17を設けている。
【0038】
上記係合部17は、図4(b)〜(d)に示すように、搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12に載置される係合板18と、この係合板18の裏面に設けられた、搬送トレー11の周壁に設けた係合孔13に挿入する係合突起19とによって形成されている。
【0039】
上記係合板18の上面には、係合板18を搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12に載置した状態で、搬送トレー11の鍔部12の内側線に沿って、溝20を形成しており、この溝20によって、図5の破線で示すように、一方の係合板18の係合突起19だけを搬送トレー11の鍔部12の係合孔13に嵌め入れた状態で、縦桟14を上方に折り曲げることができるようにしている。
【0040】
これにより、他方の係合突起19を搬送トレー11の鍔部12の係合孔13から外し、縦桟14を溝20の部分で上方に折り曲げた状態でも、ポット苗1の収納作業を行うことができる。このようにして行うポット苗1の収納作業は、図11(b)に示すような、育苗ポット3に対して小さな苗2のポット苗1を収容する際に便利である。なぜなら、苗2の小さなポット苗1は、搬送トレー11の全面に詰め込んでも、隣り合うポット苗1とポット苗1の間の上部に十分な空間が空くので、搬送トレー11の全面に詰め込んでからでも、縦桟14を降ろしてストッパー翼15を育苗ポット3の開口縁の上方に張り出させることができるからである。
【0041】
上記係合突起19は、軸部21の先端に、搬送トレー11の周壁に設けた係合孔13に挿入した状態で、搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12の裏面側に突出して係合孔13に引っ掛かる膨出部22を形成している。この軸部21の長さは、係合突起19を係合孔13に挿入した状態で、膨出部22が搬送トレー11の鍔部12の裏面にぴったりと引っ掛かる長さに形成してもよいし、軸部21を長めに形成して、係合突起19を搬送トレー11の係合孔13に挿入した状態で、係合突起19が若干上下に動くようにしてもよい。
【0042】
上記係合板18の外側の端部には、図5に示すように、搬送トレー11の鍔部12の外周部に設けた垂下り壁23に引っ掛かる垂下り壁24を設けている。
【0043】
以上の実施形態では、係合板18に係合突起19を設け、この係合突起19を搬送トレー11の鍔部12に設けた係合孔13に挿入して、飛び出し防止具10を搬送トレー11に装着するようにしているが、図6に示すように、係合板17の垂下り壁24の下端に、搬送トレー11の垂下り壁23の下端に引っ掛かる係合壁25を設けるようにして、飛び出し防止具10を搬送トレー11に装着するようにしてもよい。
【0044】
次に、この発明に係る飛び出し防止具10を装着した搬送トレー11に、ポット苗1を収容する手順について説明する。
まず、図2に示すように、搬送トレー11に、飛び出し防止具10を4本平行に取付ける。
【0045】
この後、図7に示すように、搬送トレー11を斜めにして、下の段からポット苗1を上段に向かって順々に詰めていく。
【0046】
ポット苗1の収容作業は、図7及び図8に示すように、飛び出し防止具10の隣り合うストッパー翼15とストッパー翼15との間にポット苗1を挿入し、それからポット苗1をストッパー翼15相互間の間隔の半分のピッチ分だけ、下方にずらして、ポット苗1の育苗ポット3の開口部の略中央にストッパー翼15を位置させるようにして行う。図7及び図8は、3段目のポット苗1を収容している状態を示している。なお、搬送トレー11を斜めにしてポット苗1の収容作業を行うと、自重によりポット苗1が半ピッチ分だけずれ動くことが多いので、一々ポット苗1をずれ動かす必要がない。
【0047】
このようにして、ポット苗1を下段から上段に向かって7段目まで詰める。最上段の8段目は、ポット苗1を上方のストッパー翼15の相互間から挿入して下方にずらすということができないので、8段目だけは、ポット苗1の育苗ポット3の開口縁部を少し折り曲げるなどして、苗2を傷つけないようにして、ポット苗1を搬送トレー11に詰める。
【0048】
以上のようにして、ポット苗1を搬送トレー11に詰めると、図9に示すように、ポット苗1の列と列の間が縦桟14によって仕切られ、各ポット苗1の育苗ポット3の開口縁の略中央上方にストッパー翼15が張り出した状態になるため、ポット苗1の搬送トレー11からの飛び出しを防止できる。
【0049】
なお、以上の実施形態のストッパー翼15は、付け根部分に少しRを付けて太くしているが、ストッパー翼15の形状は、ストッパー翼15とストッパー翼15との間に、円筒形の育苗ポット3が支障なく入る大きさの空間を残せばよいので、ストッパー翼15の形状を、例えば、図10に示すように、もっと大きくしてもよい。また、その形状も、円筒形の育苗ポット3が支障なく入る大きさの空間が残る範囲内であれば、特に限定はされない。
【符号の説明】
【0050】
1 ポット苗
2 苗
3 育苗ポット
10 飛び出し防止具
11 搬送トレー
12 鍔部
13 係合孔
14 縦桟
15 ストッパー翼
16 リブ
17 係合部
18 係合板
19 係合突起
20 溝
21 軸部
22 膨出部
23 垂下り壁
24 垂下り壁
25 係合壁
【技術分野】
【0001】
この発明は、育苗ポットに苗が植え付けられたポット苗を、上面が開口するカゴ型の樹脂製の搬送トレーに、縦横に整列させた状態に詰めて農家から出荷した際に、搬送途中の振動等により、ポット苗が搬送トレーから飛び出さないようにするために使用するポット苗の飛び出し防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
ポット苗1は、図11(a)(b)に示すように、苗2が鉢型に形成された比較的に柔らかい樹脂製や紙製の育苗ポット3に植え付けられており、花苗や野菜苗として広く流通している。このようなポット苗1は、図12に示すような、カゴ型の樹脂製の搬送トレー4に詰められて農家から出荷されている。
【0003】
搬送トレー4には、図13の概略図に示すように、縦横に整列した状態でポット苗1が詰められている。図13に示す例では、横方向に5列並べられ、縦に8段、計40個のポット苗1が詰められている。
【0004】
ところで、カゴ型の樹脂製の搬送トレー4は、上面が開口しているため、搬送途中におけるトラックの振動や、積み下ろしの際の衝撃等により、ポット苗1が搬送トレー4から飛び出すことがある。
【0005】
搬送トレー4からポット苗1が飛び出すと、育苗ポット3内の土がこぼれたり、枝や葉が傷つけられたりして、ポット苗1の商品価値を毀損することになる。ポット苗1が傷つけられると、傷つけられたポット苗1だけでなく、搬送トレー4に詰められた全体のポット苗1が返品されることが多く、出荷元にとって大きな損失となる。
【0006】
また、搬送業者も責任問題が生じることから、カゴ型の搬送トレー4に詰められたポット苗1を搬送する際には、必要以上に慎重にならざるを得ず、迅速な搬送作業に支障が生じるという問題があった。
【0007】
このため、従来、図4に示すように、ポット苗1の飛び出しを防止する飛び出し防止具5を搬送トレー4に装着する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−121089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この特許文献1に開示されたポット苗1の飛び出し防止具5は、搬送トレー4に掛け渡す広巾の桟形状に形成されており、次のような手順で搬送トレー4に装着される。
【0010】
例えば、図11(b)に示すような、育苗ポット3に対して苗2の大きさが小さいような場合は、ポット苗1を搬送トレー4の全面に詰めた後でも、隣り合う苗ポット1と苗ポット1の間の上方に十分な空間が存在するため、飛び出し防止具5を上方から搬送トレー4の開口部の縁に掛け渡して、飛び出し防止具5によって育苗ポット3の縁の部分を押えることができる。
【0011】
ところが、図11(a)に示すような、育苗ポット3の上縁の開口部よりも、葉が大きく外側に広がったように茂っているポット苗1の場合には、ポット苗1を搬送トレー4の全面に詰めると、葉が搬送トレー4の全面に隙間なく広がるため、飛び出し防止具5を、上方から搬送トレー4に装着すると、飛び出し防止具5によって葉を挟み、葉を傷つけてしまう。
【0012】
通常、農家では、搬送トレー4にポット苗1を詰める場合には、図14に示すように、搬送トレー4を斜めにした状態でポット苗1を一段ずつ詰め込んでいる。
【0013】
したがって、飛び出し防止具5を使用する場合には、飛び出し防止具5が滑り落ちないように片手で支えながら、一段目のポット苗1を並べ、それから飛び出し防止具5をスライドさせて育苗ポット3を飛び出し防止具5によって押えるようにしている。
【0014】
ところが、飛び出し防止具5が滑り落ちないように片手で支えながら、ポット苗1を一段並べては、飛び出し防止具5を一々スライドさせるという作業は、作業性が悪く、詰め込み作業に時間がかかるという問題があった。
【0015】
また、飛び出し防止具5をスライドさせて段毎のポット苗1を押える際に、飛び出し防止具5を強くスライドさせすぎると、ポット苗1の土が固く締めつけられることになり、根に負担を掛けるという問題がある。
【0016】
さらに、飛び出し防止具5を強くスライドさせすぎると、ポット苗1がどんどん偏ったように搬送トレー4に詰められるため、最終段のポット苗1を詰める搬送トレー4の空間が空きすぎて、飛び出し防止具5とポット苗1との間に生じる隙間によって、飛び出し防止効果が得られないという問題もあった。
【0017】
そこで、この発明は、ポット苗が搬送トレーの片方に偏ることなく、ポット苗を搬送トレーの全面に均一に作業性良く詰め込めることができ、確実にポット苗の飛び出し防止効果を得ることができる飛び出し防止具を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この発明は、上記の課題を解決するために、ポット苗搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具を次のように構成したものである。
即ち、この発明に係るポット苗の飛び出し防止具は、上面が開口する搬送トレーの対向する周壁の上縁に掛け渡され、搬送トレー内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗の列と列の間を区切るように配置される縦桟と、この縦桟の上縁に設けられる、縦桟に対して直交する方向に張り出し、育苗ポットの開口部の上方に位置するストッパー翼とを有し、このストッパー翼の数を、縦桟方向のポット苗の段数と一致させ、これらのストッパー翼相互間の距離を、育苗ポットの開口部の径に合わせて設定し、かつ、両端側のストッパー翼から搬送トレーの周壁までの距離を、育苗ポットの開口部の径の半分の距離に設定したものである。
【0019】
なお、この発明において、育苗ポットの開口部の径とは、丸型タイプの育苗ポットの場合は、直径を意味し、角型、即ち、角部が少し丸い正方形の育苗ポットの場合は、開口部の一辺の長さをいうものとする。
【0020】
上記ストッパー翼は、縦桟の両側に張り出し、張り出し量は育苗ポットの開口部の径の約1/3程度にしている。
【0021】
また、上記縦桟の両端には、搬送トレーの周壁の上縁部に対して着脱自在に係合する係合部を設けている。
【0022】
上記係合部は、搬送トレーの周壁の上縁の鍔部に載置される係合板と、この係合板の裏面に設けられた、搬送トレーの鍔部に設けた係合孔に挿入する係合突起とによって形成することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明に係るポット苗の飛び出し防止具は、搬送トレー内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗の列と列の間に位置するように、搬送トレーに掛け渡して使用する。
【0024】
この飛び出し防止具は、ポット苗の列と列の間を区切るように配置される縦桟に対して直交する方向に、育苗ポットの上縁に位置するようにストッパー翼が張り出しており、この隣り合うストッパー翼の間の距離を育苗ポットの開口部の径に合わせて設定しているので、育苗ポットから苗の葉がはみ出すようなポット苗も、隣り合うストッパー翼の間を通して支障なく搬送トレーに収容することできる。
【0025】
そして、両端側に位置するストッパー翼は、搬送トレーの周壁からポットの開口部の径の半分の距離に位置しているため、隣り合うストッパー翼の間を通して搬送トレーに収容し、そのポット苗を搬送トレーの周壁側に向けて育苗ポットの径の半分の距離を移動させることにより、ストッパー翼が育苗ポットの開口部の略中央上方に張り出す。
【0026】
通常、農家では、搬送トレーを斜めにしてポット苗の収容作業を行っているので、隣り合うストッパー翼の間を通してポット苗を搬送トレーに収容すると、自重でポット苗が搬送トレーを滑って、ストッパー翼が張り出した位置にポット苗が移動する。
【0027】
したがって、ポット苗を、隣り合うストッパー翼の間を通して搬送トレー内に収容するという作業を繰り返すことにより、張り出したストッパー翼に邪魔されることなく、ポット苗を搬送トレー内に収容することができ、ポット苗が育苗ポットの径の半分だけ移動すると、ストッパー翼が育苗ポットの開口部の略中央の位置に張り出し、張り出したストッパー翼によってポット苗の飛び出しが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具と搬送トレーを示す平面図である。
【図2】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具と搬送トレーに装着した状態を示す平面図である。
【図3】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す概略平面図である。
【図4】(a)はこの発明に係るポット苗の飛び出し防止具の平面図、(b)は(a)のA部分の拡大平面図、(c)は(a)のA部分の拡大側面図、(d)は(a)のA部分の拡大背面図、(e)は(a)のB部分の拡大平面図、(f)は(a)のB部分の拡大側面図、(g)は(a)のB部分の拡大縦断正面図である。
【図5】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具と搬送トレーとを示す部分拡大図である。
【図6】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の係合部の変形例と搬送トレーとを示す部分拡大図である。
【図7】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す斜視図である。
【図8】図7の使用状態の概略平面図である。
【図9】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す縦断正面図である。
【図10】この発明に係るポット苗の飛び出し防止具の変形例の使用状態を示す概略平面図である。
【図11】(a)(b)はポット苗の一例を示す正面図である。
【図12】搬送トレーの平面図である。
【図13】搬送トレーにポット苗を詰め込んだ状態の概略平面図である。
【図14】従来のポット苗の飛び出し防止具の使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
この発明の実施形態を、図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、この発明に係るポット苗の飛び出し防止具10と、この飛び出し防止具10を装着するカゴ型の搬送トレー11の実施形態を示す平面図である。
【0030】
図2は、搬送トレー11に、4本の飛び出し防止具10を平行に4列均等に装着した平面図であり、搬送トレー11には、図1に示すように、対向する周壁の2辺の開口縁の鍔部12に、飛び出し防止具10を取り付けるための係合孔13を等間隔に4カ所設けている。
【0031】
図3は、この実施形態の飛び出し防止具10を使用した搬送トレー11に、ポット苗1を収容した状態を示す概略平面図である。図3の搬送トレー11には、横に5列、縦に8段の計40個のポット苗1が収容される。
【0032】
この発明に係る飛び出し防止具10は、図3に示すように、上面が開口する搬送トレー11の対向する周壁の上縁の鍔部12に掛け渡され、搬送トレー11内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗1の列と列の間を区切るように配置される縦桟14と、この縦桟14の上縁に設けられる、縦桟14に対して直交する方向に張り出し、ポット苗1の苗2が植え付けられた育苗ポット3の上縁に張り出すストッパー翼15とを有する。
【0033】
上記ストッパー翼15の数は、縦桟14の長さ方向のポット苗1の段数と同じ数、即ち、図3では、ポット苗1を8段収容するので、8本のストッパー翼15を縦桟14の両側に張り出すように設けている。
【0034】
8本のストッパー翼15の各ストッパー翼15相互間の距離(図3のa)は、育苗ポット3の開口部の径(図3のb)と略同一に設定している。また、両側のストッパー翼15と搬送トレー11の周壁までの距離は、それぞれ育苗ポット1の開口部の径bの略半分の距離(b/2)に設定している。ここで、径とは、前記のように、丸型タイプの育苗ポットの場合は、直径を意味し、角型、即ち、角部が少し丸い正方形の育苗ポットの場合は、開口部の一辺の長さをいうものとする。
【0035】
上記ストッパー翼15は、図4(e)〜(g)の拡大図に示すように、先端が少し細くなった板形状をしており、その変形を防止するために、その上面に、中央部が高く、先端に向かって次第に低くなるリブ16を形成している。
【0036】
縦桟14は、図4(g)に示すように、下方に向かって次第に厚みが薄くなるように形成されている。
【0037】
また、上記縦桟14の両端には、図4(a)に示すように、搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12に対して着脱自在に係合する係合部17を設けている。
【0038】
上記係合部17は、図4(b)〜(d)に示すように、搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12に載置される係合板18と、この係合板18の裏面に設けられた、搬送トレー11の周壁に設けた係合孔13に挿入する係合突起19とによって形成されている。
【0039】
上記係合板18の上面には、係合板18を搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12に載置した状態で、搬送トレー11の鍔部12の内側線に沿って、溝20を形成しており、この溝20によって、図5の破線で示すように、一方の係合板18の係合突起19だけを搬送トレー11の鍔部12の係合孔13に嵌め入れた状態で、縦桟14を上方に折り曲げることができるようにしている。
【0040】
これにより、他方の係合突起19を搬送トレー11の鍔部12の係合孔13から外し、縦桟14を溝20の部分で上方に折り曲げた状態でも、ポット苗1の収納作業を行うことができる。このようにして行うポット苗1の収納作業は、図11(b)に示すような、育苗ポット3に対して小さな苗2のポット苗1を収容する際に便利である。なぜなら、苗2の小さなポット苗1は、搬送トレー11の全面に詰め込んでも、隣り合うポット苗1とポット苗1の間の上部に十分な空間が空くので、搬送トレー11の全面に詰め込んでからでも、縦桟14を降ろしてストッパー翼15を育苗ポット3の開口縁の上方に張り出させることができるからである。
【0041】
上記係合突起19は、軸部21の先端に、搬送トレー11の周壁に設けた係合孔13に挿入した状態で、搬送トレー11の周壁の上縁の鍔部12の裏面側に突出して係合孔13に引っ掛かる膨出部22を形成している。この軸部21の長さは、係合突起19を係合孔13に挿入した状態で、膨出部22が搬送トレー11の鍔部12の裏面にぴったりと引っ掛かる長さに形成してもよいし、軸部21を長めに形成して、係合突起19を搬送トレー11の係合孔13に挿入した状態で、係合突起19が若干上下に動くようにしてもよい。
【0042】
上記係合板18の外側の端部には、図5に示すように、搬送トレー11の鍔部12の外周部に設けた垂下り壁23に引っ掛かる垂下り壁24を設けている。
【0043】
以上の実施形態では、係合板18に係合突起19を設け、この係合突起19を搬送トレー11の鍔部12に設けた係合孔13に挿入して、飛び出し防止具10を搬送トレー11に装着するようにしているが、図6に示すように、係合板17の垂下り壁24の下端に、搬送トレー11の垂下り壁23の下端に引っ掛かる係合壁25を設けるようにして、飛び出し防止具10を搬送トレー11に装着するようにしてもよい。
【0044】
次に、この発明に係る飛び出し防止具10を装着した搬送トレー11に、ポット苗1を収容する手順について説明する。
まず、図2に示すように、搬送トレー11に、飛び出し防止具10を4本平行に取付ける。
【0045】
この後、図7に示すように、搬送トレー11を斜めにして、下の段からポット苗1を上段に向かって順々に詰めていく。
【0046】
ポット苗1の収容作業は、図7及び図8に示すように、飛び出し防止具10の隣り合うストッパー翼15とストッパー翼15との間にポット苗1を挿入し、それからポット苗1をストッパー翼15相互間の間隔の半分のピッチ分だけ、下方にずらして、ポット苗1の育苗ポット3の開口部の略中央にストッパー翼15を位置させるようにして行う。図7及び図8は、3段目のポット苗1を収容している状態を示している。なお、搬送トレー11を斜めにしてポット苗1の収容作業を行うと、自重によりポット苗1が半ピッチ分だけずれ動くことが多いので、一々ポット苗1をずれ動かす必要がない。
【0047】
このようにして、ポット苗1を下段から上段に向かって7段目まで詰める。最上段の8段目は、ポット苗1を上方のストッパー翼15の相互間から挿入して下方にずらすということができないので、8段目だけは、ポット苗1の育苗ポット3の開口縁部を少し折り曲げるなどして、苗2を傷つけないようにして、ポット苗1を搬送トレー11に詰める。
【0048】
以上のようにして、ポット苗1を搬送トレー11に詰めると、図9に示すように、ポット苗1の列と列の間が縦桟14によって仕切られ、各ポット苗1の育苗ポット3の開口縁の略中央上方にストッパー翼15が張り出した状態になるため、ポット苗1の搬送トレー11からの飛び出しを防止できる。
【0049】
なお、以上の実施形態のストッパー翼15は、付け根部分に少しRを付けて太くしているが、ストッパー翼15の形状は、ストッパー翼15とストッパー翼15との間に、円筒形の育苗ポット3が支障なく入る大きさの空間を残せばよいので、ストッパー翼15の形状を、例えば、図10に示すように、もっと大きくしてもよい。また、その形状も、円筒形の育苗ポット3が支障なく入る大きさの空間が残る範囲内であれば、特に限定はされない。
【符号の説明】
【0050】
1 ポット苗
2 苗
3 育苗ポット
10 飛び出し防止具
11 搬送トレー
12 鍔部
13 係合孔
14 縦桟
15 ストッパー翼
16 リブ
17 係合部
18 係合板
19 係合突起
20 溝
21 軸部
22 膨出部
23 垂下り壁
24 垂下り壁
25 係合壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口する搬送トレーの対向する周壁の上縁に掛け渡され、搬送トレー内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗の列と列の間を区切るように配置される縦桟と、この縦桟の上縁に設けられる、縦桟に対して直交する方向に張り出し、育苗ポットの上縁に位置するストッパー翼とを有し、上記ストッパー翼の数を、縦桟方向のポット苗の数と一致させ、ストッパー翼相互間の距離をポットの開口部の径に合わせて設定し、両端側のストッパー翼から搬送トレーの周壁までの距離をそれぞれ、育苗ポットの開口部の径の半分の距離に設定したことを特徴とする搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項2】
上記ストッパー翼が縦桟の両側に張り出している請求項1記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項3】
上記縦桟の両端に、搬送トレーの周壁の上縁の鍔部に対して着脱自在に係合する係合部を有する請求項1又は2記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項4】
上記係合部が、搬送トレーの周壁の上縁の鍔部に載置される係合板と、この係合板の裏面に設けられた、搬送トレーの周壁に設けた係合孔に挿入する係合突起とからなる請求項1〜3のいずれかの項に記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項5】
上記係合板の上面に、搬送トレーの鍔部の内側線に沿う溝を形成し、この溝によって、一方の係合板の係合突起だけを搬送トレーの鍔部の係合孔に嵌め入れた状態で、縦桟を上方に折り曲げることができるようにした請求項4に記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項6】
上記請求項1〜5のいずれかの項に記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具を、対向する周壁の上縁部に掛け渡したことを特徴とするポット苗搬送トレー。
【請求項1】
上面が開口する搬送トレーの対向する周壁の上縁に掛け渡され、搬送トレー内に縦横に整列させた状態で詰められるポット苗の列と列の間を区切るように配置される縦桟と、この縦桟の上縁に設けられる、縦桟に対して直交する方向に張り出し、育苗ポットの上縁に位置するストッパー翼とを有し、上記ストッパー翼の数を、縦桟方向のポット苗の数と一致させ、ストッパー翼相互間の距離をポットの開口部の径に合わせて設定し、両端側のストッパー翼から搬送トレーの周壁までの距離をそれぞれ、育苗ポットの開口部の径の半分の距離に設定したことを特徴とする搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項2】
上記ストッパー翼が縦桟の両側に張り出している請求項1記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項3】
上記縦桟の両端に、搬送トレーの周壁の上縁の鍔部に対して着脱自在に係合する係合部を有する請求項1又は2記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項4】
上記係合部が、搬送トレーの周壁の上縁の鍔部に載置される係合板と、この係合板の裏面に設けられた、搬送トレーの周壁に設けた係合孔に挿入する係合突起とからなる請求項1〜3のいずれかの項に記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項5】
上記係合板の上面に、搬送トレーの鍔部の内側線に沿う溝を形成し、この溝によって、一方の係合板の係合突起だけを搬送トレーの鍔部の係合孔に嵌め入れた状態で、縦桟を上方に折り曲げることができるようにした請求項4に記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具。
【請求項6】
上記請求項1〜5のいずれかの項に記載の搬送トレーにおけるポット苗の飛び出し防止具を、対向する周壁の上縁部に掛け渡したことを特徴とするポット苗搬送トレー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−10633(P2011−10633A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159773(P2009−159773)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(509189846)株式会社ヤマト容器 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【出願人】(509189846)株式会社ヤマト容器 (1)
【Fターム(参考)】
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