説明

搬送装置及び電子機器

【課題】トレイの移動領域の省スペース化を図り、装置全体の薄型化、小型化を図る。
【解決手段】記録媒体が載置される載置部20と、載置部20に載置された記録媒体を保持する保持部材30とを有し、載置部20を第1の方向に向けて装置本体2外へ臨ませる挿脱位置と、載置部20を第1の方向と略直交する第2の方向に向けて装置本体2内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイ3と、
搬送トレイ3の支点を略固定して回転させる回転軌道と、搬送トレイ3の支点とともにスイングさせるスイング軌道によって、挿脱位置と収納位置とに亘って搬送トレイ3を移動させる移動機構7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送トレイを用いて搬送体を装置本体内外に亘って搬送する搬送機構に関し、特に、搬送トレイを第1の方向に向けることにより搬送体の着脱を行い、第1の方向と略直交する第2の方向に向けることにより搬送体を装置本体内に収納する搬送機構及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとしては、従来よりCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)、BD(Blue-ray Disk)といった光ディスク、MO(Magneto optical)やMD(Mini Disk)等の光磁気ディスクが広く知られており、これらディスクやディスクカートリッジ等に対応した各種のディスクドライブ装置が登場している。
【0003】
ディスクドライブ装置には、筐体に設けられた蓋や扉を開放し、そこから臨むターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、筐体から水平方向に出し入れされるディスクトレイにディスクを載置することで、ディスクトレイが引き込まれた際にディスクが筐体内部のターンテーブルに自動的に装着されるタイプ、或いはこのディスクトレイに設けられたターンテーブルにディスクを直接装着するタイプ、さらに筐体の側面に設けられたディスク挿脱口からディスクを挿入するだけでディスクが自動的にターンテーブルに装着される、いわゆるスロットインタイプ等がある。
【0004】
ここで、ディスクトレイに光ディスクを載置した状態でディスクトレイを水平方向に引き込むディスクドライブ装置は、ディスクトレイが水平方向に向かってスライドされることにより、光ディスクが挿脱される挿脱位置と光ディスクに対して情報信号の記録又は再生が行われる記録又は再生位置とに亘って搬送されるため、装置本体もディスクトレイのスライド方向に少なくとも光ディスクの径以上の長さを備える必要がある。したがって、ディスクトレイのスライド方向が装置本体の奥行き方向となるディスクドライブ装置や電子機器においては、装置本体あるいは機器本体の奥行きが光ディスクの径よりも大きくならざるを得なかった。従って、薄型化が図られたモニタ装置等にディスドライブ装置を組み込む場合にも、モニタ装置全体の厚みが、一般的な光ディスクの径である直径約12cm以下とすることができなくなる。
【0005】
また、ディスクトレイを、光ディスクの挿脱位置と、光ディスクに対して情報信号の記録再生を行う記録又は再生位置とで略直交させるディスクドライブ装置においても、ディスクトレイの移動領域を、装置本体の奥行き方向に確保する必要があり、装置本体の薄型化を妨げていた。すなわち、光ディスクの挿脱を行う挿脱位置においてディスクトレイ主面が略水平に支持され、光ディスクの記録又は再生が行われる記録又は再生位置においてディスクトレイ主面が略垂直に支持されるディスクドライブ装置においては、ディスクトレイを挿脱位置から記録又は再生位置に回動させる際に、装置本体の前面側に排出されていたディスクトレイを装置本体の内部まで回動させる。
【0006】
装置本体内には、ディスクトレイに支持された光ディスクを回転駆動するディスク駆動ユニットが設けられ、ディスクトレイは、ディスク駆動ユニットのディスクテーブルに近接される。かかるディスクトレイの移動は、装置本体に支持されたスイングアームのスイング動作、あるいは装置本体の側面に形成された円弧状のカム溝に沿ったスライド動作によって行われる。ディスクドライブ装置は、かかるスイングアームのスイング軌跡やカム溝の形成領域の分だけ、装置本体の奥行き方向に厚みを設ける必要があり、装置本体の薄型化、小型化が困難であった。
【特許文献1】特開2003−85861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、搬送トレイを第1の方向に向けることにより搬送体の着脱を行い、第1の方向と略直交する第2の方向に向けることにより搬送体を装置本体内に収納する搬送機構及び電子機器において、トレイの移動領域の省スペース化を図り、装置全体の薄型化、小型化を図ることができる搬送機構及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明に係る搬送機構は、記録媒体が載置される載置部と、上記載置部に載置された上記記録媒体を保持する保持部材とを有し、上記載置部を第1の方向に向けて装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、上記搬送トレイの支点を略固定して回転させる回転軌道と、上記搬送トレイの上記支点とともにスイングさせるスイング軌道によって、上記挿脱位置と上記収納位置とに亘って上記搬送トレイを移動させる移動機構とを備えるものである。
【0009】
また、本発明に係る電子機器は、記録媒体が載置される載置部と、上記載置部に載置された上記記録媒体を保持する保持部材とを有し、上記載置部を第1の方向に向けて装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、上記搬送トレイの支点を略固定して回転させる回転軌道と、上記搬送トレイの上記支点とともにスイングさせるスイング軌道によって、上記挿脱位置と上記収納位置とに亘って上記搬送トレイを移動させる移動機構とを備える搬送機構を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、移動機構によって、搬送トレイが支点の移動を伴うスイング軌道及び支点が固定された回転軌道によって移動されるため、搬送トレイの移動軌跡の省スペース化を図ることができ、搬送機構を備えた電子機器を小型化、薄型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る搬送機構及び電子機器が適用されたディスクドライブ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
このディスクドライブ装置1は、図1及び図2に示すように、直方体の外筐体2を有し、この外筐体2内に、ディスクトレイ3と、ディスクトレイ3によって外筐体2内に搬送された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップユニット4と、光ピックアップユニット4のターンテーブル72とともに光ディスクを挟持するクランパ5と、外筐体2の正面2aに開口されたトレイ挿脱口10を開閉するシャッタ部材6と、ディスクトレイ3を移動させる移動機構7とが設けられている。
【0013】
かかるディスクドライブ装置1は、ディスクトレイ3を図2中矢印A方向及び反矢印A方向へ回動可能に支持しており、外筐体2の正面2aに設けられているトレイ挿脱口10より外筐体2の外方まで回動され光ディスクの挿脱が行われる挿脱位置と、ディスクトレイ3が外筐体2内に引き込まれ光ディスクに対する情報信号の記録又は再生が行われる記録又は再生位置との間に亘って搬送する。
【0014】
そしてディスクドライブ装置1は、図3に示すように、例えばテレビジョン装置8の一部に組み込まれ、装置本体の正面8aからディスクトレイ3が載置面部20を略水平にして外部に臨まされ、光ディスクが載置されるとディスクトレイ3が載置面部20を略垂直にしてテレビジョン装置8内に引き込まれる。すなわち、ディスクドライブ装置1は、光ディスクの挿脱位置におけるディスクトレイ3の面方向と光ディスクの記録又は再生位置におけるディスクトレイ3の面方向とが略90°異なり、挿脱位置に置けるディスクトレイ3の面方向に厚みを設ける必要がなくなる。従って、ディスクドライブ装置1が組み込まれたテレビジョン装置8は、光ディスクを略垂直にした状態で光ピックアップユニット4に装着されるため、光ディスクの直径よりも厚さを薄くすることができる。また、テレビジョン装置8は、装置本体の薄型化を図るためにディスクの挿脱方向を装置本体の面方向に設定するものではなく、左右側面にディスク挿脱口を設けていないためスピーカ等の周辺機器を密接に配置することができ、また、上面にディスク挿脱口を設けていないため塵埃等が侵入するおそれもなく、さらに下面にディスク挿脱口を設けることによる使い勝手の悪さもない。
【0015】
かかるディスクドライブ装置1の外筐体2は、図1に示すように全体を略矩形箱状に形成され、正面2aにディスクトレイ3が挿脱されるトレイ挿脱口10が形成されている。トレイ挿脱口10は、ディスクトレイ3の載置面部20が外筐体2の内外に亘って回動するのに十分な大きさを有する。また、外筐体2は、内部に左右両側壁面2b,2c間に亘って後述する回転軸59や回動軸80が配設され、上方に駆動機構120を駆動する駆動モータ121が取り付けられている。
【0016】
また、外筐体2は、右側壁面2cに駆動モータ121からの駆動力をディスクトレイ3やシャッタ部材6に伝達するギヤ機構122が形成されている。さらに、外筐体2は、図9に示すように、背面2dに後述する光ピックアップユニット4が設けられたベース板11が固定されている。また、外筐体2は、左側壁面2b及び右側壁面2cに、後述するシャッタ部材6をスライド自在に支持する左右一対のガイドプレート12,13が取り付けられている。左右ガイドプレート12,13は、外筐体2の左右両側壁面2b,2cの内面側に固定され、シャッタ部材6がスライド自在に係合されている。
【0017】
ディスクトレイ3は、図4に示すように、全体を矩形平板状に形成され、平面部に光ディスクが載置される載置面部20が形成され、平面部の左右両側に後述するクランパ5が摺動する土手部21,21が形成されている。また、ディスクトレイ3は、両側面部に後述するスイングアーム51,52が取り付けられる第1の回動支持部23,23が形成され、さらに後端側に後述する回転リンク機構24が取り付けられる第2の回動支持部25が形成されている。
【0018】
載置面部20は、光ディスクが載置される場所であり、平面部の中央から前方にかけて円形の凹部が形成されている。載置面部20は、大径(例えば、直径約12cm)の光ディスクに応じた大径凹部20aが形成され、また、大径凹部20a内に小径(例えば、直径約8cm)の光ディスクに応じた小径凹部20bが同心円状に形成されている。小径凹部20bは、大径凹部20aよりもさらに一段低い位置に形成されている。そして、載置面部20は、中心部から左側面側にかけて光ピックアップユニット4のピックアップベース71を光ディスクの信号記録面に臨ませるピックアップ用開口部26が形成されている。
【0019】
また、載置面部20には、後述する保持部材30の保持アーム31を載置面部20上に回動させるガイド溝27と、保持アーム31を載置面部20上から退避させる退避凹部28が形成されている。
【0020】
かかるディスクトレイ3は、後述する移動機構7に駆動されることにより、外筐体2のトレイ挿脱口10より外部へ排出され、載置面部20を略水平とした挿脱位置(図2)と、外筐体2内に収納され、載置面部20を略垂直とした記録又は再生位置(図1)とに亘って回動される。そして、ディスクトレイ3は、挿脱位置においてユーザによって光ディスクが載置面部20に載置あるいは取り除かれ、また、記録又は再生位置において光ディスクが光ピックアップユニット4とクランパ5とによって回転可能にチャッキングされる。
【0021】
また、載置面部20は、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動されることにより略垂直状態とされた際に、光ディスクを保持し脱落を防止する保持部材30が設けられている。保持部材30は、光ディスクの外周面を支持することにより保持するものであり、大径ディスクと小径ディスクの径の違いに応じて大径凹部20a内を回動する保持アーム31と、ディスクトレイ3の裏面部で回転されることにより保持アーム31を回動させるローター32と、ローター32を回転駆動する駆動モータ33とを備える。
【0022】
保持アーム31は、図5及び図6に示すように、略円弧状の平板部材からなり、一端に光ディスクの外周面を支持する支持部35が形成され、他端にディスクトレイ3の裏面部に回動自在に取り付けられる支点部36が形成され、中間にローター32にガイドされるガイド凸部37が形成されている。この保持アーム31は、支点部36がディスクトレイ3の裏面に回動可能に取り付けられることにより、支持部35が大径凹部20a内に形成されたガイド溝27及び退避凹部28より載置面部20上に突出され、大径凹部20a上をガイド溝27に沿って移動可能とされている。また、保持アーム31は、コイルバネ34によって支持部35が光ディスクの外周部を支持する載置面部20の中心方向へ回動付勢されている。そして、保持アーム31は、ガイド凸部37がローター32によってガイドされることにより、載置面部20に載置された光ディスクの大きさに応じて回動が規制され、光ディスクの搬送時には外周面を支持し、また、光ディスクの記録再生時やディスクトレイ3からの挿脱時には外周面より離間される。
【0023】
保持アーム31をガイドするローター32は、円盤状に形成されディスクトレイ3の裏面に回転自在に取り付けられている。このローター32は、主面部32aに保持アーム31のガイド凸部37が挿通される回動規制溝39と、ディスクトレイ3のピックアップ用開口部26に対応したピックアップ用開口部40が設けられている。また、ローター32は、図6に示すように、外周面32bの一部にラック41が形成され、駆動ギヤ列42を介して駆動モータ33と連結されている。
【0024】
回動規制溝39は、ローター32の回動に応じてガイド凸部37をガイドし保持アーム31を回動させるものであり、保持アーム31を退避凹部28に退避させる退避溝部39aと、保持アーム31を大径ディスクの外周面に支持させる第1の支持溝部39bと、保持アーム31を小径ディスクの外周面に支持させる第2の支持溝部39cとを有する。
【0025】
退避溝部39aは、ローター32の外周面32b近傍に形成され、ガイド凸部37がガイドされることにより、支持部35がガイド溝27から退避凹部28へ退避するように保持アーム31を回動させる。第1の支持溝部39bは、退避溝部39aから若干内側にローター32の外周面32bに沿って形成され、ガイド凸部37がガイドされることにより、支持部35が大径ディスクの外周面に当接されるように保持アーム31を回動させる。第2の支持溝部39cは、退避溝部39aよりも内側に向かって形成され、ガイド凸部37がガイドされることにより、支持部35が小径ディスクの外周面に当接されるように保持アーム31を回動させる。
【0026】
ラック41は、ディスクトレイ3の裏面に取り付けられた駆動ギヤ列42及び駆動モータ33と連結される。これによりローター32は、駆動モータ33が正転又は逆転駆動されると一方あるいは他方に回転される。
【0027】
かかる保持部材30は、ディスクトレイ3が外筐体2の外部へ回動され載置面部20が略垂直方向を向いた挿脱位置に回動されると、ローター32が回転されるとともにガイド凸部37が回動規制溝39の退避溝部39aにガイドされ、支持部35が載置面部20に設けられた退避凹部28に退避されるように、保持アーム31が回動される。これによりディスクトレイ3は、載置面部20上から支持部35が退避されるため、大径ディスクあるいは小径ディスクを載置することができる。
【0028】
また、保持部材30は、ディスクトレイ3が挿脱位置から載置面部20が略水平方向を向いた記録又は再生位置に回動され始めると、駆動モータ33が駆動されローター32が回転されるとともに、ガイド凸部37が回動規制溝39の第1の支持溝部39b又は第2の支持溝部39cにガイドされ、支持部35が光ディスクの外周面に当接される。ここで、載置面部20に大径ディスクが載置された場合は、図7に示すように、支持部35が大径ディスクの外周面に当接されることによりコイルバネ34の付勢力による保持アーム31の内周方向への回動が規制されるため、ガイド凸部37は退避溝部39aから第1の支持溝部39bへガイドされる。したがって、保持アーム31は、大径の光ディスクの外周面を支持し、載置面部20からの脱落を防止することができる。一方、載置面部20に小径ディスクが載置された場合、図8に示すように、コイルバネ34によって載置面部20の内周方向に回動付勢されている保持アーム31は、ガイド凸部37が退避溝部39aから第2の支持溝部39cへ回動可能とされ、支持部35がガイド溝27を小径凹部20b側に向かって移動する。したがって、保持アーム31は、小径の光ディスクの外周面を支持し、載置面部20からの脱落を防止することができる。
【0029】
ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動され、光ディスクがターンテーブル72及びクランパ5に挟持されると、上記と同様に、保持アーム31は、ガイド凸部37が第1又は第2の支持溝部39b,39cから退避溝部39aへガイドされることにより、支持部35が退避凹部28に退避される。これにより、保持アーム31は、光ディスクの外周面から支持部35が離間され、光ディスクを回転可能とする。
【0030】
光ディスクの排出が指示されると、保持アーム31は、上記と同様に、ガイド凸部37が退避溝部39aから第1又は第2の支持溝部39b,39cへガイドされ、支持部35によって光ディスクの外周面を支持する。光ディスクが保持アーム31に支持された後、ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ回動される。
【0031】
ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ回動されると、ローター32が逆転されるため、保持アーム31は、ガイド凸部37が第1の支持溝部39b又は第2の支持溝部39cから退避溝部39aへ移動される。したがって保持アーム31は、支持部35がガイド溝27から退避凹部28に退避し、光ディスクの外周面から離間される。これにより、載置面部20から光ディスクの着脱が可能となる。
【0032】
また、ディスクトレイ3は、載置面部20から背面側にかけて、クランパ5が摺動される土手部21が形成されている。土手部21は、ディスクトレイ3の左右両側に形成され、主面部よりも漸次背面方向に向かって隆起していくスロープ状に形成されている。かかる土手部21は、クランパ5と載置面部20に載置された光ディスクとのクリアランスを確保するものであり、クランパ5のクランプアーム76に設けられたカムローラ79が摺動することにより、ディスクトレイ3が挿脱位置と記録又は再生位置との間を回動されている最中にクランパ5が載置面部20や光ディスクに当接する事態を防止させる。これにより、クランパ5は、ディスクトレイ3の回動中は載置面部20や光ディスクの信号記録領域に摺接することなく、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動された後に、光ディスクの中心孔付近に当接される。
【0033】
土手部21の前面側端部には、クランパ5のカムローラ79を係止する係止リブ45が、ディスクトレイ3と一体に、又は別体に形成された後、土手部21の前面側端部に取り付けられることにより、設けられている。係止リブ45は、クランプアーム76に設けられたカムローラ79を係止することにより、ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ移動する際に、ターンテーブル72と磁気吸引されていたクランパ5がターンテーブル72と引き離されることによるばたつきを防止するものである。係止リブ45は、土手部21の前面側端部に、土手部21の外側から立設された立壁45aと、立壁45aの上端から土手部21上に張り出す天板45bとが形成されている。係止リブ45は、ディスクトレイ3の先端側が閉塞され、土手部21と連続される後端側が開放され、カムローラ79が挿脱可能とされている。
【0034】
係止リブ45は、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に移動されるにつれて土手部21を摺動するカムローラ79が開放端より挿入され、係止する。また、係止リブ45は、ディスクトレイ3が挿脱位置へ移動されるとともにクランパ5がターンテーブル72から引き離される際に、カムローラ79を天板45bに係止することにより、クランパ5のばたつきを抑える。係止リブ45は、クランパ5とターンテーブル72との引き離し工程が終了すると、クランパ5及びディスクトレイ3の移動に応じてカムローラ79が開放端から土手部21側へ退出する。
【0035】
なお、ディスクトレイ3には、図5に示すように、記録又は再生位置において、ベース板11に突設された位置決めピン15が挿入する位置決め孔16が形成されている。位置決めピン15は、ベース板11上の所定位置に複数、例えば4つかしめ等により形成されている(図2参照)。また、位置決め孔16は、位置決めピン15に対応してディスクトレイ3の裏面に複数形成されている。そして、ディスクトレイ3は、記録又は再生位置に回動されると、位置決め孔16に位置決めピン15が挿入することにより、記録又は再生位置において一意的に位置決めが図られる。
【0036】
次いで、図10及び図11を参照してディスクトレイ3をディスクの挿脱位置とディスクの記録又は再生位置に亘って移動させる移動機構7について説明する。移動機構7は、ディスクトレイ3を外筐体2の内外に亘ってスイングさせる左右一対のスイングアーム51,52と、ディスクトレイ3を回転させる回転リンク機構24と、スイングアーム51,52を回転させる駆動ギヤ53とを備える。移動機構7は、駆動ギヤ53を介してスイングアーム51,52が回転されることにより、ディスクトレイ3を外筐体2の内外に亘って移動させ、また、回転リンク機構24によってディスクトレイ3の支点を略固定して回転させる。これにより、移動機構7は、ディスクトレイ3の搬送領域の省スペース化を図り、外筐体2の薄型化を図るものである。
【0037】
スイングアーム51は、ディスクトレイ3の左側面部に形成された第1の回動支持部23に、スイングアーム52は、ディスクトレイ3の右側面部に形成された第1の回動支持部23にそれぞれ取り付けられている。スイングアーム51,52は、図10に示すように、略円板形状の本体部55と本体部55の一部から円弧状に突出されたアーム部56とを有する。本体部55は外筐体2の左右両側壁面2b,2cに回転可能に取り付けられている。また、図11に示すように、本体部55は、外周部に駆動ギヤ53と咬合されるラック部55aが回転方向に沿って形成され、駆動ギヤ53を介して駆動モータ121の駆動力が伝達されることにより、正転あるいは逆転される。アーム部56は、先端にディスクトレイ3の第1の回動支持部23と回動自在に係合される係合部が設けられている。そしてスイングアーム51,52は、本体部55が回転されるとアーム部56が外筐体2のトレイ挿脱口10の内外に亘って回動され、アーム部56の先端に係合されているディスクトレイ3を、記録又は再生位置と挿脱位置との間に亘ってスイングさせる。
【0038】
また、ディスクトレイ3の左側面部に取り付けられたスイングアーム51は、本体部55が二段ギヤとして形成され、左側壁面2b側に小径ギヤ部57が突設されている。小径ギヤ部57は、クランプギヤ85が咬合され、このクランプギヤ85を介して、スイングアーム51の回転に同期して後述するクランパ5を回動させるクランプベース77と連結されている。
【0039】
また、ディスクトレイ3の右側面部に取り付けられたスイングアーム52は、本体部55の外面に後述する検出アーム154の回動規制軸162が係合する規制溝58が形成されている。
【0040】
スイングアーム51,52を回転させる駆動ギヤ53は、外筐体2の左右両側壁面2b,2c間に架け渡される回転軸59と、回転軸59の両側に設けられスイングアーム51,52をスイングさせる一対のスイングギヤ60,60と、駆動モータ121からギヤ機構122を介して動力が伝達される伝達ギヤ61とを有する。回転軸59は、外筐体2の左右両側壁面2b,2cに設けられた軸受け部材に挿通されることにより回転自在に支持されている。また、回転軸59は、両側にスイングギヤ60,60が固定され、これらスイングギヤ60,60を一体に回転させる。さらに回転軸59は、右端部が外筐体2の右側壁面2cの外側に突出され、右側壁面2cの外側に伝達ギヤ61が固定されている。伝達ギヤ61は、後述するギヤ機構122のトレイギヤ140と咬合され、駆動モータ121の駆動力を回転軸59へ伝達し、正転あるいは逆転させる。一対のスイングギヤ60,60は、それぞれ外筐体2の左右両側壁面2b,2c近傍に固定されるとともに、スイングアーム51の本体部55に形成されたラック部55aと咬合されている。そして、スイングギヤ60,60は、回転軸59とともに回転されると、スイングアーム51,52をスイングさせる。
【0041】
回転リンク機構24は、ディスクトレイ3の後端側に形成された第2の回動支持部25に支持されている。図4に示すように、第2の回動支持部25は、前後に離間して第1の支軸25aと、第2の支軸25bとが形成され、これら第1の支軸25aと第2の支軸25bとに回動自在に回転リンク機構24が取り付けられている。
【0042】
回転リンク機構24は、第1の支軸25aに支持される第1のリンク24aと、第2の支軸25bに支持される第2のリンク24bと、第1のリンク24a及び第2のリンク24bとの間に回転自在に連結される第3のリンク24cとを有する。第1のリンク24a、第2のリンク24b及び第3のリンク24cは、それぞれ略矩形板状に形成されている。第1のリンク24aは、一辺に第1の支軸25aを回転自在に挟持する挟持部が形成され、当該一辺と対向する他辺において第3のリンク24cの一辺に形成された支持片と連続されると共に回動支軸49が挿通される軸受け部が形成されている。同様に、第3のリンク24cは、第1のリンク24aと係合する支持片が形成されている一辺と対向する他辺において第2のリンク24bの一辺に形成された挟持部に挟持される支軸部が形成されている。また、第2のリンク24bは、第3のリンク24cの支軸部を回転自在に挟持する挟持部が形成された一辺と対向する他辺にも、第2の支軸25bを回転自在に挟持する挟持部が形成されている。さらに、図1に示すように、第3のリンク24cは、第1のリンク24aと係合する一辺に、外筐体2の正面2aに突設された支持片29と連続されると共に回動支軸50が挿通される軸受け部が形成され、外筐体2の正面2aに回転自在に支持されている。
【0043】
ディスクトレイ3は、両側面をスイングアーム51,52によって支持されると共に、後端側を回転リンク機構24によって支持されることにより、外筐体2に対する姿勢が規定され、スイングアーム51,52の回動に応じて外筐体2の内外に亘って移動されるとともに、挿脱位置において載置面部20を略水平方向に支持され、記録又は再生位置において載置面部20を略垂直方向に支持される。
【0044】
また、図12〜図14に示すように、回転リンク機構24は、スイングアーム51によってディスクトレイ3が外筐体2内の記録又は再生位置から外筐体2外の挿脱位置へ移動されると、ディスクトレイ3を支点を略固定して回転させる。すなわち、回転リンク機構24は、第3のリンク24bと外筐体2の正面2aに突設されている支持片29とを挿通する回動支軸50を支点としてディスクトレイ3の後端側を支持することにより、ディスクトレイ3がスイングアーム51,52によって挿脱位置へ向かってスイングされ光ピックアップユニット4のターンテーブル72と離間すると、ディスクトレイ3の先端側を、固定された支点を中心に回転させる回転軌道を描かせる。
【0045】
また、回転リンク機構24は、スイングアーム51,52によってディスクトレイ3がトレイ挿脱口10から外筐体2内へ移動され記録又は再生位置に近づくと、スイングアーム51,52による移動軌跡に応じて、ディスクトレイ3を支点の移動を伴いながらスイングするスイング軌道を描かせる。
【0046】
これにより、回転リンク機構24は、ディスクトレイ3が外筐体2内に移動し略垂直状態に近づくと支点の移動を伴うスイング軌道によって移動されるため、外筐体2内に固定配置されている光ピックアップユニット4のターンテーブル72に対して、ほぼ垂直に光ディスクを当接させ、また、離間させることができる。また、回転リンク機構24は、ディスクトレイ3が光ピックアップユニット4から離間すると、ディスクトレイ3が支点を固定された回転軌道によって移動するため、移動軌跡の省スペース化を図ることによる外筐体2の小型化、薄型化を図ることができ、また、外筐体2の正面2a前方におけるディスクトレイ3の移動スペースをコンパクトにでき、障害物等との衝突の危険を減少することができる。
【0047】
すなわち、ディスクトレイ3は、記録又は再生位置から挿脱位置に亘る移動行程の全てで支点の移動を伴うスイング軌道を採用すると、外筐体2の奥行き方向に対して移動領域が大型化する。これは、スイング軌道においては、ディスクトレイ3の支点が外筐体2の正面2aと背面2dとの方向へシフトするためである。一方、ディスクドライブ装置1においては、回転リンク機構24によって、ディスクトレイ3がターンテーブル72と離間した後は、支点の移動を伴わない回転軌道をとるため、移動領域の大型化を抑制することができ、外筐体2の小型化、薄型化を図ることができる。
【0048】
また、ディスクドライブ装置1は、光ピックアップユニット4を外筐体2内に固定配置し、記録又は再生位置に搬送されたディスクトレイ3に対して近接離間する構成とはしていない。これにより、ディスクドライブ装置1は、光ピックアップユニット4の移動領域及び移動機構を確保する必要がなく、外筐体2の小型化、薄型化を図るとともに、部品点数の削減や製造工程の簡略化を図ることができる。
【0049】
次いで、外筐体2内に配設されている光ピックアップユニット4について説明する。記録又は再生位置に搬送された光ディスクに対して情報信号の記録及び/又は再生を行う光ピックアップユニット4は、図2及び図3に示すように、外筐体2の背面2dに固定されたベース板11上に設けられ、このベース板11上に、ダンパを介して、ピックアップベース71を支持したベースフレーム70やターンテーブル72が配設されている。
【0050】
このベースフレーム70は、詳細を省略する一対のガイド軸がターンテーブル72近傍より外筐体2の左側壁面2b側に向かって配設され、このガイド軸にピックアップベース71がスライド自在に支持されている。また、ベース板11は、ターンテーブル72が外筐体2の正面2a側に向かって配設されるとともに、このターンテーブル72を回転させるスピンドルモータが配設されている。なお、外筐体2の背面側には、ピックアップベース71に接続されたフレキシブル配線板や、各種回路や接続コネクタ等が実装されたメイン基板が配設されている。
【0051】
かかる光ピックアップユニット4は、載置面部20に光ディスクが載置され、ディスクトレイ3が挿脱位置から記録又は再生位置へ移動されると、図11に示すように、クランパ5とともにターンテーブル72上に光ディスクを回転自在に保持する。このとき、上述したように、ターンテーブル72に近接する領域においては、ディスクトレイ3がスイングアーム51,52によって支点の移動を伴うスイング軌道で移動されるため、ディスクトレイ3は、光ピックアップユニット4に対してほぼ垂直に近接される。したがって、光ピックアップユニット4は、ターンテーブル72に対して光ディスクがほぼ垂直に載置され、スムーズなチャッキングを行うことができる。
【0052】
その後、ターンテーブル72がスピンドルモータによって回転されると共に、ピックアップベース71によって情報信号の書き込みや読み出しが行われる。ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ移動される際にも、ディスクトレイ3がスイングアーム51,52によって支点の移動を伴う移動軌跡でスイングされるため、光ピックアップユニット4に対してほぼ垂直に離間される。したがって、光ピックアップユニット4は、ターンテーブル72に対して光ディスクがほぼ垂直に離間し、スムーズな排出動作を行うことができる。
【0053】
次いで、ベースフレーム70に支持されたターンテーブル72と共に光ディスクを挟持するクランパ5について説明する。クランパ5は、光ディスクの中心孔付近をターンテーブル72とともに挟持するクランププレート75と、クランププレート75を保持するクランプアーム76と、クランプアーム76を回動させるクランプベース77とを有する。
【0054】
クランププレート75は、樹脂製の円盤からなり、クランプアーム76に取り付けられることにより、クランプアーム76の回動に伴い光ディスクが載置されるターンテーブル72に対して接離可能とされている。クランププレート75は、マグネットが配設され、ターンテーブル72に磁気吸着されることにより光ディスクを挟持すると共に、ターンテーブル72及び光ディスクと一体に回転される。
【0055】
クランプアーム76は、クランプベース77に回動操作される左右一対の回動板76a,76aと、回動板76a,76aの先端間に渡されるクランププレート75を保持する保持板76bが一体に形成された板金からなる。回動板76a,76aは、基端部がクランプベース77に回動自在に支持され、クランプベース77の回動に応じて外筐体2内においてディスクトレイ3の上方を移動する。また、回動板76a,76aは、クランプベース77の支軸に係止されたコイルバネ74の一端が係止されることにより、常時、ディスクトレイ3側に回動付勢されている。保持板76bは、ディスクトレイ3の幅方向に亘って支持され、略中間部にターンテーブル72とともに光ディスクを挟持するクランププレート75が取り付けられている。
【0056】
また、クランプアーム76は、図10に示すように、回動板76a,76aの基端部近傍より、ディスクトレイ3の土手部21に摺動されるカム片78が突設されている。カム片78は、先端に円筒状のカムローラ79が設けられ、このカムローラ79が土手部21を転動する。かかるカム片78は、カムローラ79が土手部21を転動することにより、クランププレート75が載置面部20に載置された光ディスクと一定の距離を保つために設けられている。すなわち、クランプアーム76は、クランプベース77に支持されて外筐体2内を回動されるのに対して、上述したディスクトレイ3は、スイングアーム51,52及び回転リンク機構24の多軸で支持されて、外筐体2の内外に亘って回動されることから、クランププレート75の回動軌跡が載置面部20に載置された光ディスクの中心孔付近から信号記録領域まで移動する。また、クランプアーム76は、クランプベース77との間に巻回されたコイルバネ74によって載置面部20側となる図10矢印B方向に回動付勢されていることから、ディスクトレイ3の搬送中に、クランププレート75が載置面部20上に臨まされている光ディスクの主面を摺動してしまうおそれがある。そこで、クランパ5はクランプアーム76にカム片78を設けるとともに、ディスクトレイ3に土手部21を設け、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に回動されたとき以外は、カムローラ79が土手部21上を転動することにより、クランププレート75が載置面部20に載置された光ディスクと当接しないようにした。
【0057】
また、カムローラ79は、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に移動されクランププレート75がターンテーブル72とともに光ディスクを挟持すると、土手部21の前端部に形成された係止リブ45に挿通される。上述したように、クランパ5は、マグネットが配設されたクランププレート75がターンテーブル72に磁気吸着することにより光ディスクを挟持するため、ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ移動する際に、クランププレート75とターンテーブル72とが引き離されることによるクランプアーム76のばたつきが発生する。そこで、クランパ5は、クランプアーム76に設けられたカムローラ79を係止リブ45に係止させることにより、クランプアーム76のばたつきを防止する。カムローラ79は、クランプアーム76とターンテーブル72とが離間すると、係止リブ45から退出して土手部21を転動する。
【0058】
クランプアーム76を支持するクランプベース77は、図9に示すように、外筐体2の背面2d側に回転自在に支持された回動軸80と、回動軸80の両端側に設けられたクランプアーム76を支持する支持アーム81とを有する。回動軸80は、両端側に平坦面を有するDカット部が形成され、このDカット部に支持アーム81が取り付けられる。したがって回動軸80は、支持アーム81とともに一体に回転駆動される。支持アーム81は、回動軸80のDカット部に挿通されるスリーブ部82と、スリーブ部82の外周部から延設されるアーム部83とを有する。スリーブ部82は、Dカット部に対応して平坦面を有する挿通孔が形成され、回動軸80に挿通されることによりDカット部に固定される。また、左側壁面2b側に固定されたスリーブ部82は、外周にギヤ部82aが形成されている。ギヤ部82aは、外筐体2の左側壁面2bに回転可能に支持されたクランプギヤ85を介してスイングアーム51の小径ギヤ部57と連結されている。スリーブ部82の外周部から延設されるアーム部83は、先端にクランプアーム76の基端を回動自在に支持するとともにコイルバネ74が係止される支持部が形成されている。
【0059】
クランプベース77は、スイングアーム51が回転駆動されると、小径ギヤ部57及びクランプギヤ85を介して、左側壁面2b側の支持アーム81が回転される。支持アーム81は回動軸80と一体に固定されているため回動軸80及び右側壁面2c側の支持アーム81も同時に回転され、これによりアーム部83が外筐体2内を前後方向に回動される。アーム部83が回動されることにより、クランパ5は、クランプアーム76に保持されたクランププレート75が、ディスクトレイ3の載置面部20に載置された光ディスクの中心孔付近とディスクトレイ3の後端側との間を移動する。このとき、クランパ5は、クランプアーム76に形成されたカム片78のカムローラ79がディスクトレイ3の土手部21を転動することにより、クランプアーム76がクランプベース77のアーム部83先端を回動支点としてディスクトレイ3と同方向に回動される。
【0060】
このようなクランパ5は、図10に示すように、ディスクトレイ3が挿脱位置に回動されているとき、土手部21にカムローラ79が土手部21上に位置されるため、クランプアーム76がコイルバネ74の付勢力による矢印B方向への回動を規制され、クランププレート75が載置面部20と所定の距離を隔てた位置に保持される。なお、このときクランパ5は、クランプベース77の支持アーム81が外筐体2の背面2d側へ回動されてクランプアーム76が上方に引き上げられている。また、クランパ5は、コイルバネ74によって常時矢印B方向への付勢力を受けているため、がたつきを生じることなく、ディスクトレイ3の回動に応じて回動されていく。
【0061】
そして、クランパ5は、ディスクトレイ3が挿脱位置から記録又は再生位置へ回動されると、スイングアーム51の回動に伴いクランプベース77の支持アーム81が外筐体2の正面2a側へ回動されて、クランプアーム76が下方に移動する。これによりクランパ5は、クランププレート75がディスクトレイ3の後端側から載置面部20に載置された光ディスクの中心孔に向かって移動する。また、クランパ5は、クランプアーム76がコイルバネ74の付勢力によって矢印B方向へ回動されるため、ディスクトレイ3とともに垂直方向へ回動していく。このとき、クランパ5は、カムローラ79が土手部21を転動するためクランププレート75が載置面部20と距離を隔てた位置に保持されながら回動されていく。
【0062】
その後、図11に示すように、ディスクトレイ3が記録又は再生位置まで回動されると、クランパ5は、クランププレート75が載置面部20に載置された光ディスクの中心孔付近まで移動されるとともにターンテーブル72と対峙されることにより磁気吸着され、ターンテーブル72上に載置された光ディスクを挟持する。このとき、クランパ5は、カムローラ79が土手部21上から係止リブ45内に挿通する。記録再生時において、クランププレート75は、ターンテーブル72がスピンドルモータによって回転駆動されることにより、光ディスクとともに回転される。
【0063】
ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置まで回動される際には、上記と逆の動作がされることにより、クランパ5は、カムローラ79が係止リブ45から退出して土手部21上を転動し、クランププレート75が載置面部20と離間した位置に保持されながら、反矢印B方向へ回動されていく。したがってクランパ5は、クランププレート75が光ディスクの信号記録領域に摺動することが防止される。また、クランパ5は、磁気吸着されていたクランププレート75がターンテーブル72と離間する際に、カムローラ79が係止リブ45に係止されることにより、クランプアーム76のばたつきを防止することができる。
【0064】
次いで、外筐体2の正面2aに開口されたトレイ挿脱口10を開閉するシャッタ部材6について説明する。図15及び図16に示すように、シャッタ部材6は、外筐体2の左右両側壁面2b,2cの内側に配設された左右ガイドプレート12,13に支持されることにより外筐体2の正面2a側に設けられるとともに昇降をガイドされる。また、シャッタ部材6は、ディスクトレイ3の移動持にはトレイ挿脱口10を開放する開放位置へスライドし(図21)、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に移動されるとトレイ挿脱口10を閉塞する閉塞位置へスライドして(図15)、ディスクトレイ3や光ピックアップユニット4を保護するとともに、外筐体2内に塵埃等が侵入することを防止する。
【0065】
シャッタ部材6は、3枚に分割され、トレイ挿脱口10の開放時に外筐体2の上方に移動される上部シャッタ90と、トレイ挿脱口10の開放時に外筐体2の下方に移動される下部シャッタ91とを有し、下部シャッタ91はさらに主動シャッタ92と従動シャッタ93とに分かれる。上部シャッタ90及び下部シャッタ91は、いずれも横長矩形状をなし、外筐体2内に配設された左右ガイドプレート12,13間に短辺をスライド可能に支持されることにより、外筐体2を上下方向に昇降され、トレイ挿脱口10の開閉を行う。また、上部シャッタ90及び下部シャッタ91は、略中央部が開口されると共にガラスやプラスチック等の透明板が取り付けられ、外筐体2の内部を視認可能としている。これによりディスクドライブ装置1は、外筐体2内に光ディスクが装着されているか否か、あるいは、装着されている光ディスクを確認し、また、光ディスクが回転駆動されている状態を見せることができる。
【0066】
図16に示すように、上部シャッタ90は、正面右側の右辺部90aにラック板95が取り付けられている。ラック板95は、外筐体2の右側壁面2cに配設され、右ガイドプレート13を挿通して外筐体2内に臨まされている上部シャッタ駆動ギヤ141と咬合するラック部が長手方向に亘って形成されている。また、上部シャッタ90は、右辺部90aが右ガイドプレート13に形成されたガイドスリット97に挿通される被ガイド辺とされ、上部シャッタ駆動ギヤ141がラック部上を回転することにより、ガイドスリット97にガイドされながら右ガイドプレート13を昇降される。また、上部シャッタ90は、正面左側の左辺部90bに図示しないガイド板が取り付けられている。左辺部90bに取り付けられたガイド板は、左辺が左ガイドプレート12に形成されたガイドスリット99に挿通される被ガイド辺とされている。
【0067】
上部シャッタ90は、後述するギヤ機構122によって上部シャッタ駆動ギヤ141が回転されると、ラック板95が移動されることによりトレイ挿脱口10を昇降する。このとき、上部シャッタ90は、左右に取り付けられているラック板95及びガイド板(図示せず)が、それぞれ左右ガイドプレート12,13に形成されているガイドスリット97,99に挿通されることにより、昇降をガイドされる。
【0068】
下部シャッタ91のうち上側に配置される主動シャッタ92は、正面右側の右辺部92aに、連結板134を介して後述するシャッタ駆動プレート131が取り付けられ、このシャッタ駆動プレート131の昇降動作に応じて昇降される。主動シャッタ92は、右辺部92a及び左辺部92bに、軸受け板101,101が取り付けられ、この軸受け板101,101にタイミング軸102を回転自在に挿通支持している。タイミング軸102は、両端にタイミングギヤ103,103が取り付けられるとともに、右端に連結板134が固定されている。タイミングギヤ103,103は、下部シャッタ91の傾き等を防止してスムーズな動作を実現するものであり、タイミング軸102の両端に一体に固定されるとともに、左右ガイドプレート12,13に設けられたラック列104にそれぞれ咬合され、シャッタ駆動プレート131が上下動されると、左右同期してラック列104上を転動する。
【0069】
また、主動シャッタ92は、左右両辺から、左右ガイドプレート12,13に形成された開閉ガイド溝110(図18参照)を摺動する主動シャッタ軸105が突設されている。主動シャッタ92は、主動シャッタ軸105が開閉ガイド溝110を摺動することにより、トレイ挿脱口10の閉塞位置と開放位置とに亘るスライドがガイドされることとなる。この主動シャッタ軸105は、主動シャッタ92の左右両辺に、主動シャッタ92のスライド方向に離間して各一対突設されている。主動シャッタ92は、主動シャッタ軸105が左右ガイドプレート12,13に形成された開閉ガイド溝110をスライドすることにより、垂直方向に移動され、トレイ挿脱口10を閉塞する。また、主動シャッタ92は、主動シャッタ軸105が左右ガイドプレート12,13に形成された主動シャッタガイド溝111をスライドすることにより、略水平方向に傾倒され、トレイ挿脱口10を開放する。
【0070】
また、主動シャッタ92は、右辺部92a及び左辺部92bの下端に、従動シャッタ93に突設されている従動シャッタ軸107に係止するフック部106が形成されている。フック部106は、従動シャッタ93をトレイ挿脱口10の閉塞位置に引き上げるものであり、外筐体2の正面2a側が開放され、主動シャッタ92が外筐体2の背面2d側へスライドすると従動シャッタ軸107との係合が解除される。
【0071】
従動シャッタ93は、左右両辺に、左右ガイドプレート12,13に形成された開閉ガイド溝110を摺動する従動シャッタ軸107が突設されている。従動シャッタ93も、上記主動シャッタ92と同様に、従動シャッタ軸107が開閉ガイド溝110を摺動することにより、トレイ挿脱口10の閉塞位置と開放位置とに亘るスライドがガイドされる。この従動シャッタ軸107は、従動シャッタ93の左右両辺に、従動シャッタ93のスライド方向に離間して各一対突設されている。従動シャッタ93は、従動シャッタ軸107が左右ガイドプレート12,13に形成された開閉ガイド溝110をスライドすることにより、垂直方向に移動され、トレイ挿脱口10を閉塞する。また、従動シャッタ93は、従動シャッタ軸107が左右ガイドプレート12,13に形成された従動シャッタガイド溝112をスライドすることにより、略水平方向に傾倒され、トレイ挿脱口10を開放する。なお、主動シャッタ92と近接する上側に形成された従動シャッタ軸107は、上述した主動シャッタ92のフック部106が係脱する係止軸となる。
【0072】
ここで、従動シャッタ軸107は、主動シャッタ軸105よりも軸長さが長く形成されている。後述するように、下部シャッタ91は、主動シャッタ軸105と従動シャッタ軸107との長さの違いに応じて、主動シャッタ92と従動シャッタ93のトレイ挿脱口10の開放時におけるスライド位置が異なる。
【0073】
これら上部シャッタ90及び下部シャッタ91をスライド可能に支持する左右ガイドプレート12,13は、矩形板状をなし、外筐体2の左右両側壁面2b,2cの内側に固定されることにより、互いに対向され、シャッタ部材6の両辺を支持する。
【0074】
左右ガイドプレート12,13は、外筐体2の正面2a側に、長手方向に亘って、上部シャッタ90の左右辺部90a,90bに設けられたラック板95及びガイド板(図示せず)が挿通するガイドスリット97,99が形成されている。ガイドスリット97,99は、上部シャッタ90のスライド領域に対応して形成され、上部シャッタ90がトレイ挿脱口10を閉塞する際のスライド位置と、開放する際のスライド位置とに亘って形成されている。
【0075】
図17及び図18に示すように、左右ガイドプレート12,13は、ガイドスリット97,99の下方に、主動シャッタ92に支持されたタイミングギヤ103,103が転動するラック列104,104が形成されている。ラック列104,104は、下部シャッタ91のスライド領域に対応して形成され、下部シャッタ91の主動シャッタ92がトレイ挿脱口10を閉塞する際のスライド位置と、開放する際のスライド位置との間に亘って形成されている。
【0076】
また、左右ガイドプレート12,13は、ラック列104,104と平行して主動シャッタ軸105及び従動シャッタ軸107が摺動する開閉ガイド溝110が形成されている。開閉ガイド溝110は、下部シャッタ91の主動シャッタ92及び従動シャッタ93の昇降をガイドするものであり、トレイ挿脱口10の閉塞時における主動シャッタ軸105のスライド領域となる上部は主動シャッタ軸105の長さに応じて浅く、従動シャッタ軸107のスライド領域となる下部は従動シャッタ軸107の長さに応じて深く形成されている。
【0077】
開閉ガイド溝110は、左右ガイドプレート12,13下部に形成された主動シャッタガイド溝111と、従動シャッタガイド溝112とがそれぞれ連続されている。主動シャッタガイド溝111及び従動シャッタガイド溝112は、開閉ガイド溝110との接点となる開放端から外筐体2の背面2d方向の閉塞端にかけて下降する傾斜を有し、上下方向に形成されている開閉ガイド溝110と鈍角に交わる。また、主動シャッタガイド溝111及び従動シャッタガイド溝112は、開閉ガイド溝110との交点が円弧状に湾曲され、主動シャッタ軸105及び従動シャッタ軸107のスムーズな挿脱が可能とされている。
【0078】
主動シャッタガイド溝111は、主動シャッタ92の主動シャッタ軸105が摺動することにより、主動シャッタ92をトレイ挿脱口10の開放位置にガイドするものであり、従動シャッタガイド溝112よりも上部に形成されている。主動シャッタ92は、主動シャッタガイド溝111にガイドされることにより、開放位置にスライドされると、水平状態から上端が持ち上げられた傾斜姿勢で保持される。
【0079】
同様に、従動シャッタガイド溝112は、従動シャッタ93の従動シャッタ軸107が摺動することにより、従動シャッタ93をトレイ挿脱口10の開放位置にガイドするものであり、主動シャッタガイド溝111よりも下部に形成されている。従動シャッタ93は、従動シャッタガイド溝112にガイドされることにより、開放位置にスライドされると、水平状態から上端が持ち上げられた傾斜姿勢で保持される。
【0080】
また、主動シャッタ軸105が摺動する主動シャッタガイド溝111は、主動シャッタ軸105の長さに応じて浅く、従動シャッタ軸107が摺動する従動シャッタガイド溝112は、従動シャッタ軸107に応じて深く形成されている。そして、主動シャッタガイド溝111は、開閉ガイド溝110との接点において段差部111aが形成され、従動シャッタガイド溝112は、開閉ガイド溝110と同じ深さで連続される。
【0081】
これにより、トレイ挿脱口10の開放時、シャッタ駆動プレート131によって主動シャッタ92が下方にスライドされると、主動シャッタ軸105よりも先行する従動シャッタ軸107は、段差部111aによって主動シャッタガイド溝111に入ることができず、開閉ガイド溝110と同じ深さを有し、かつ開閉ガイド溝110に対して鈍角に交わる従動シャッタガイド溝112に導かれる。また、主動シャッタ軸105は、従動シャッタ軸107が先行して従動シャッタガイド溝112にスライドした後、主動シャッタ軸105の長さに応じて浅く形成されて挿通可能であり、かつ開閉ガイド溝110に対して鈍角に交わる主動シャッタガイド溝111に導かれる。
【0082】
このようなシャッタ部材6は、図15及び図16に示すように、トレイ挿脱口10の閉塞時において、上部シャッタ90が、上部シャッタ駆動ギヤ141によってラック板95が下降されることにより、所定の閉塞位置に保持されている。また、シャッタ部材6は、ギヤ機構122によってシャッタ駆動プレート131が外筐体2の右側壁面2cを上昇されることにより、下部シャッタ91の主動シャッタ92が所定の閉塞位置に保持され、また、主動シャッタ92のフック部106に従動シャッタ軸107が係止された従動シャッタ93も主動シャッタ92によって引き上げられて、所定の閉塞位置に保持されている。これにより、シャッタ部材6は、上部シャッタ90、下部シャッタ91の主動シャッタ92及び従動シャッタ93が、隙間なくトレイ挿脱口10を閉塞する。
【0083】
ディスクトレイ3を記録又は再生位置から挿脱位置へ搬送する場合等、トレイ挿脱口10の開放が指示されると、駆動モータ121の駆動力を受けたギヤ機構122によって上部シャッタ駆動ギヤ141が回転され、ラック板95が上昇する。これにより上部シャッタ90は、ラック板95及びガイド板(図示せず)が左右ガイドプレート12,13のガイドスリット97,99にガイドされながら、所定の開放位置まで上昇する。
【0084】
また、トレイ挿脱口10の開放が指示されると、駆動モータ121の駆動力を受けたギヤ機構122によってシャッタ駆動プレート131が下降され、タイミングギヤ103,103が左右ガイドプレート12,13のラック列104,104を転動しながら主動シャッタ92が下降していく。また、主動シャッタ92とフック部106を介して連結されている従動シャッタ93も、フック部106との係合を保ちながら下降していく。
【0085】
図17に示すように、従動シャッタ93は、従動シャッタ軸107が開閉ガイド溝110の下端に設けられた主動シャッタガイド溝111の段差部111aにガイドされながら従動シャッタガイド溝112に導かれる。そして図19及び図20に示すように、従動シャッタ93は、従動シャッタ軸107が従動シャッタガイド溝112をスライドすることにより、開閉ガイド溝110に対して鈍角に傾斜した状態で、開放位置に保持される。
【0086】
また、主動シャッタ92は、従動シャッタ93が開放位置までスライドされ、さらにシャッタ駆動プレート131が下降すると、図18に示すように、開放位置において開閉ガイド溝110に対して鈍角に傾斜された従動シャッタ93の従動シャッタ軸107によってフック部106が図18中矢印C方向へ引き込まれる。これにより主動シャッタ92は、主動シャッタ軸105が主動シャッタガイド溝111に導かれるとともに、フック部106が図18中矢印C方向に移動することにより、フック部106の開放端から、従動シャッタ93の従動シャッタ軸107が外れる。そして図21及び図22に示すように、主動シャッタ92は、主動シャッタ軸105が主動シャッタガイド溝111をスライドすることにより、開閉ガイド溝110と鈍角に傾斜した状態で、開放位置に保持される。なお、後述するように、主動シャッタ92は、ディスクトレイ3がトレイ挿脱口10外へ移動すると、ギヤ機構122によってシャッタ駆動プレート131が上昇され、トレイ挿脱口10を一部閉塞する。
【0087】
ディスクトレイ3を挿脱位置から記録又は再生位置へ移動させるように指示されると、先ず、駆動モータ121の駆動力を受けたギヤ機構122によってシャッタ駆動プレート131が下降され主動シャッタ92が開放位置へスライドする。次いで、ディスクトレイ3がトレイ挿脱口10内に移動し記録又は再生位置へ移動すると、ギヤ機構122によって駆動モータ121の駆動力の伝達が切り換えられることにより上部シャッタ駆動ギヤ141が回転され、ラック板95が下降する。これにより上部シャッタ90は、ラック板95及びガイド板が左右ガイドプレート12,13のガイドスリット97,99にガイドされながら、所定の閉塞位置までスライドされる。
【0088】
また、駆動モータ121の駆動力を受けたギヤ機構122によってシャッタ駆動プレート131が再度上昇されると、主動シャッタ92の主動シャッタ軸105が主動シャッタガイド溝111をスライドし開閉ガイド溝110へ摺動する。主動シャッタ92は、下側の主動シャッタ軸105が開閉ガイド溝110を上昇する際、フック部106が従動シャッタ93の従動シャッタ軸107に係止する。したがって、従動シャッタ93は、主動シャッタ92が上昇すると、従動シャッタ軸107が従動シャッタガイド溝112から開閉ガイド溝110へ摺動する。主動シャッタ92は、シャッタ駆動プレート131によって引き上げられるとともに、タイミングギヤ103,103がラック列104,104を転動することにより、傾き等を生ずることなく上昇する。そして、主動シャッタ92及び従動シャッタ93は、所定の閉塞位置までスライドされ。駆動機構120は、シャッタ部材6によってトレイ挿脱口10が閉塞されると駆動モータ121を停止する。
【0089】
次いで、ディスクトレイ3及びシャッタ部材6を駆動する駆動機構120について説明する。図1及び図2に示すように、駆動機構120は、駆動モータ121と、駆動モータ121の駆動力を伝達するギヤ機構122とを有し、外筐体2の右側壁面2c側に設けられている。
【0090】
駆動モータ121は、ディスクトレイ3の移動及びシャッタ部材6の開閉を行う駆動源となるものであり、外筐体2上方に配設されている。駆動モータ121は、光ディスクのロード、アンロード指示に基づいて正転あるいは逆転駆動され、シャッタ部材6の開閉及びディスクトレイ3の移動を行う。
【0091】
ギヤ機構122は、図23及び図24に示すように、駆動モータ121の駆動力を伝達する減速ギヤ列123を介して、下部シャッタ91を昇降させる下部シャッタ駆動系130と、ディスクトレイ3の移動機構7を駆動するトレイギヤ140と、上部シャッタ90を昇降する上部シャッタ駆動ギヤ141とを有し、スイッチギヤ機構150によって上部シャッタ駆動ギヤ141とトレイギヤ140への動力伝達の切り換えが行われる。なお、図23においては、ギヤ機構122の詳細を示すために外筐体2及び右ガイドプレート13を省略している。
【0092】
減速ギヤ列123は、下部シャッタ駆動系130とスイッチギヤ機構150へ動力を分岐させる分岐ギヤ124を有する。分岐ギヤ124は、二段ギヤからなり大径ギヤ部には下部シャッタ駆動系130が咬合し、小径ギヤ部にはスイッチギヤ機構150が咬合する。
【0093】
下部シャッタ駆動系130は、下部シャッタ91の主動シャッタ92と接続されたシャッタ駆動プレート131と、シャッタ駆動プレート131を昇降させるスイングギヤ132と、スイングギヤ132と分岐ギヤ124とを接続する複数の中間ギヤ133とを有する。そして下部シャッタ駆動系130は、スイングギヤ132によってシャッタ駆動プレート131が昇降されることにより下部シャッタ91の主動シャッタ92を昇降させるとともに、後述するスイッチギヤ機構150による動力伝達の切替操作を行う。
【0094】
シャッタ駆動プレート131は、図15、図25等に示すように、矩形板状をなし、上述した右ガイドプレート13に上下方向に亘って開口された長孔状のプレートガイド孔135に昇降自在に支持され、外面131aが外筐体2の右側壁面2cより外方に臨まされるとともに、内面131bが外筐体2の内方に臨まされている。また、図16等に示すように、シャッタ駆動プレート131は、主動シャッタ92に接続する連結板134が設けられている。連結板134は、シャッタ駆動プレート131の下部に取り付けられ、外筐体2の正面2a側に延長した先端部が、主動シャッタ92のタイミング軸102を支持する軸受け板101に接続されている。これにより、シャッタ駆動プレート131は、主動シャッタ92と一体に連結され、主動シャッタ92と一体に昇降される。
【0095】
図25(a)に示すように、シャッタ駆動プレート131の外面131aには、スイングギヤ132が咬合する内周ギヤ136が形成されている。内周ギヤ136は、外面131aの左右側縁から上側縁に亘って連続して形成され、スイングギヤ132が回転駆動すると、例えば左右側縁の一方の下部から上側縁に向かって転動されることによりシャッタ駆動プレート131を下降させ、上側縁から左右側縁の一方の下部に向かって転動されることによりシャッタ駆動プレート131を上昇させる。また、内周ギヤ136は、左右側縁から上側縁に亘って連続して形成されているため、スイングギヤ132が一方に回転されると、左右側縁の一方の下部から上側縁を経て他方の下部へ転動され、昇降される。
【0096】
図25(b)に示すように、シャッタ駆動プレート131の内面131bには、上下方向に亘ってシャッタ駆動カム溝137とトレイ駆動カム溝138が形成されている。シャッタ駆動カム溝137とトレイ駆動カム溝138は、内面131bに並列して形成され、外筐体2の背面2d側にシャッタ駆動カム溝137が、外筐体2の正面2a側にトレイ駆動カム溝138が形成されている。このシャッタ駆動カム溝137及びトレイ駆動カム溝138は、シャッタ駆動プレート131の昇降に応じて後述するスイッチギヤ機構150の検出アーム154を回動させて動力伝達の切替を行わせるものであり、シャッタ駆動プレート131の上方においてシャッタ駆動カム溝137はトレイ駆動カム溝138に合流している。シャッタ駆動プレート131は、スイッチギヤ機構150の検出アーム154に突接された摺動軸164が係合し、スイングギヤ132によって昇降操作されることによりシャッタ駆動カム溝137又はトレイ駆動カム溝138をスライドする。これによりギヤ機構122は、検出アーム154が回動され、スイッチギヤ機構150による上部シャッタ駆動ギヤ141とトレイギヤ140への動力伝達の切り換えが行われる。なお、シャッタ駆動カム溝137は、シャッタ駆動プレート131の上方に向かってトレイ駆動カム溝138側へ湾曲するようにして合流していく。したがって、シャッタ駆動プレート131が下降することにより、摺動軸164は、シャッタ駆動カム溝137に沿って摺動されることにより、トレイ駆動カム溝138へとガイドされる。
【0097】
シャッタ駆動プレート131の外面131aに形成された内周ギヤ136と咬合するスイングギヤ132は、図26に示すように、中間ギヤ133と咬合する支点ギヤ132aと、内周ギヤ136を転動する転動ギヤ132bと、転動ギヤ132bを揺動自在に支持する揺動板132cとを有する。支点ギヤ132aは、外筐体2の右側壁面2cに回転自在に支持されるとともに、揺動板132cの一端が取り付けられている。転動ギヤ132bは、支点ギヤ132aと咬合されるとともに、揺動板132cの他端に回転自在に支持されている。揺動板132cは、支点ギヤ132aの支軸に一端が揺動自在に支持されている。そして、スイングギヤ132は、駆動モータ121が駆動されると、減速ギヤ列123、分岐ギヤ124及び中間ギヤ133を介して支点ギヤ132aに駆動力が伝達され、正転あるいは逆転駆動される。そして、スイングギヤ132は、転動ギヤ132bが内周ギヤ136を左右側縁の一方の下部から上側縁を経て他方の下部にかけて転動することにより、シャッタ駆動プレート131を昇降させる。
【0098】
このようなスイングギヤ132は、ディスクトレイ3を記録又は再生位置から挿脱位置へ移動させるときは、転動ギヤ132bが左側縁の下部から上側縁を経て右側縁の下部まで転動する。これによりシャッタ駆動プレート131は、右ガイドプレート13の上部から下降し、再度上昇した位置で停止する。また、スイングギヤ132は、ディスクトレイ3を挿脱位置から記録又は再生位置へ移動させるときは、転動ギヤ132bが右側縁の下部から上側縁を経て左側縁の下部まで転動する。これによりシャッタ駆動プレート131は、右ガイドプレート13の上部から下降した後、所定の高さまで上昇される。
【0099】
次いで、ディスクトレイ3の移動機構7を駆動するトレイギヤ140について説明する。トレイギヤ140は、移動機構7のスイングアーム51,52を回転させる駆動ギヤ53の伝達ギヤ61が咬合され、回転に応じてスイングアーム51,52をスイングさせるものである。トレイギヤ140は、外筐体2の右側壁面2cに回転自在に取り付けられることにより、駆動ギヤ53の伝達ギヤ61と咬合するとともに、スイッチギヤ機構150のトレイ接続ギヤ151と接離可能とされている。
【0100】
トレイギヤ140は、スイッチギヤ機構150のトレイ接続ギヤ151と接続されると、駆動モータ121の駆動力を伝達ギヤ61に伝達し、回転軸59とともにスイングギヤ60,60を回転させ、ディスクトレイ3を回動させる。
【0101】
次いで、上部シャッタ90を昇降する上部シャッタ駆動ギヤ141について説明する。上部シャッタ駆動ギヤ141は、上部シャッタ90の右辺部90aに取り付けられているラック板95のラック部上を転動することにより、上部シャッタ90を昇降させるものである。上部シャッタ駆動ギヤ141は、外周部にギヤが形成された円柱形状をなし、外筐体2の右側壁面2cに配設されることにより、一方が右ガイドプレート13を挿通して外筐体2内に臨まされラック板95のラック部と咬合し、他方がスイッチギヤ機構150のシャッタ接続ギヤ152と咬合可能とされている。
【0102】
上部シャッタ駆動ギヤ141は、スイッチギヤ機構150のシャッタ接続ギヤ152と咬合されると、駆動モータ121の駆動力によってラック板95上を転動し、上部シャッタ90を昇降させる。
【0103】
次いで、トレイギヤ140と上部シャッタ駆動ギヤ141との動力伝達の切り換えを行うスイッチギヤ機構150について説明する。スイッチギヤ機構150は、トレイギヤ140と接離するトレイ接続ギヤ151と、上部シャッタ駆動ギヤ141と接離するシャッタ接続ギヤ152と、これらトレイ接続ギヤ151及びシャッタ接続ギヤ152を揺動させる切換アーム153と、シャッタ駆動プレート131と係合し上部シャッタ90とディスクトレイ3の駆動力伝達の切り換えタイミングで切換アーム153を回転させる検出アーム154とを有する。
【0104】
図26に示すように、切換アーム153は、略矩形板状をなし、外筐体2の右側壁面2cに突設された支軸155に回転自在に支持されている。また、切換アーム153は、分岐ギヤ124と咬合する回転ギヤ156が支軸155に支持されることにより重畳されている。回転ギヤ156は、二段ギヤからなり、大径ギヤ部が分岐ギヤ124の小径ギヤと咬合し、小径ギヤ部がトレイ接続ギヤ151及びシャッタ接続ギヤ152と咬合されている。
【0105】
切換アーム153は、支軸155を介して、長手方向の一方にトレイ接続ギヤ151が回転自在に支持され、長手方向の他方にシャッタ接続ギヤ152が回転自在に支持されている。また、切換アーム153は、長手方向の他端に係止片が立ち上がり形成され、外筐体2の右側壁面2cに一端が係止されたスプリング(図示せず)の他端が係止され、常時、図24及び図26中矢印S方向へ回動付勢されている。
【0106】
トレイ接続ギヤ151及びシャッタ接続ギヤ152は、回転ギヤ156と咬合され、回転ギヤ156が回転されることにより駆動される。シャッタ接続ギヤ152は、切換アーム153が支軸155を支点として、図26中矢印S方向へ揺動されることにより、上部シャッタ駆動ギヤ141と接続され、ラック板95上を転動させる。また、トレイ接続ギヤ151は、切換アーム153が支軸155を支点として、図26中反矢印S方向へ揺動されることにより、トレイギヤ140と咬合され、スイングアーム51,52に駆動力を伝達する。
【0107】
また、切換アーム153は、シャッタ接続ギヤ152が支持された他方側に検出アーム154に突設された接続ピン163が挿通するカム孔157が開口されている。切換アーム153は、カム孔157に検出アーム154の接続ピン163が挿通することにより、検出アーム154の回転に応じて、図26中矢印S方向又は反矢印S方向へ回転操作される。
【0108】
図27に示すように、切換アーム153を回動させる検出アーム154は、略L字状をなし、角部に外筐体2の右側壁面2cに突設された支軸161が挿通され、この支軸161を支点に回転自在に支持されている。検出アーム154は、支軸161を介した一方側に、スイングアーム52の本体部55に形成された規制溝58に係合する回動規制軸162と、切換アーム153のカム孔157に挿通する接続ピン163が突設されている。また、検出アーム154は、支軸161を介した他方側に、シャッタ駆動プレート131に設けられたシャッタ駆動カム溝137及びトレイ駆動カム溝138を摺動する摺動軸164が突設されている。
【0109】
検出アーム154は、図示しない捩りコイルバネによって、常時、図27中矢印T方向へ回動付勢されることにより、接続ピン163を介して、切換アーム153を図26中矢印S方向へ付勢するとともに、摺動軸164がシャッタ駆動カム溝137側に回動付勢されている。
【0110】
そして検出アーム154は、摺動軸164が、シャッタ駆動プレート131の昇降に連動してシャッタ駆動カム溝137又はトレイ駆動カム溝138を摺動することにより、支軸161を支点に矢印T方向及び反矢印T方向へ回動される。これにより検出アーム154は、切換アーム153を所定のタイミングで回動させ、駆動モータ121の駆動力の伝達をトレイギヤ140又は上部シャッタ駆動ギヤ141へ切り換ることができる。
【0111】
具体的に、図28(a)に示すように、トレイ挿脱口10がシャッタ部材6によって閉塞され、ディスクトレイ3がディスク記録又は再生位置に収納されているとき、図28(b)に示すように、切換アーム153は、スプリングの付勢力によって図28(b)中矢印S方向に付勢され、シャッタ接続ギヤ152が上部シャッタ駆動ギヤ141と接続されるとともに、トレイ接続ギヤ151がトレイギヤ140と離間されている。また、このとき、検出アーム154は、摺動軸164が、外筐体2の上方にスライドされているシャッタ駆動プレート131のシャッタ駆動カム溝137下部に係合されている。
【0112】
ディスクトレイ3の挿脱位置への搬送が指示されると、トレイ挿脱口10を開放するために、駆動モータ121が駆動され、ギヤ機構122の減速ギヤ列123、中間ギヤ133及びスイングギヤ132を介してシャッタ駆動プレート131が下降されるとともに、切換アーム153を介してシャッタ接続ギヤ152と接続された上部シャッタ駆動ギヤ141が回転される。シャッタ駆動プレート131が下降されることにより、主動シャッタ92及び従動シャッタ93は、トレイ挿脱口10の閉塞位置から開閉位置へスライドされる。また、シャッタ駆動プレート131が下降されることにより、検出アーム154の摺動軸164は、シャッタ駆動カム溝137を上方へ摺動する。上部シャッタ駆動ギヤ141が回転されることにより、上部シャッタ90は、ラック板95が上方にスライドされ、トレイ挿脱口10を開放する。なお、このとき、切換アーム153のトレイ接続ギヤ151がトレイギヤ140と離間されているため、駆動モータ121の駆動力がスイングアーム51,52には伝達されず、ディスクトレイ3は、記録又は再生位置に保持されている。同様に、駆動ギヤ53が駆動されないため、クランパ5にも駆動モータ121の動力は伝達されていない。
【0113】
図29(a)に示すように、トレイ挿脱口10が上部シャッタ90及び下部シャッタ91によって開放されると、検出アーム154は、摺動軸164がシャッタ駆動プレート131のシャッタ駆動カム溝137に沿ってガイドされることによりトレイ駆動カム溝138へ摺動される。これにより、検出アーム154は、捩りコイルバネ(図示せず)の付勢力に対抗して図27中反矢印T方向へ回動される。検出アーム154が反矢印T方向へ回動されることにより、切換アーム153は、接続ピン163を介して、スプリング(図示せず)の付勢力に対抗して図26中反矢印S方向へ回動される。スイッチギヤ機構150は、切換アーム153が反矢印S方向へ回動されると、図29(b)に示すように、シャッタ接続ギヤ152が上部シャッタ駆動ギヤ141と離間されるとともに、トレイ接続ギヤ151がトレイギヤ140と接続される。これにより、トレイギヤ140及び駆動ギヤ53に駆動力が伝達され、スイングアーム51,52が回動されることにより、記録又は再生位置に収納されていたディスクトレイ3が挿脱位置へ搬送される。
【0114】
ディスクトレイ3の下部がトレイ挿脱口10を通過したタイミングで、シャッタ駆動プレート131がスイングギヤ132によって上昇されはじめ、主動シャッタ92が左右ガイドプレート12,13を上昇する。このとき、図30に示すように、検出アーム154の一方側に突設されている回動規制軸162が、スイングアーム52の本体部55に形成されている規制溝58に当接されているため、トレイ駆動カム溝138を摺動している摺動軸164は、図27中矢印T方向への回動が規制されている。したがって、検出アーム154は、シャッタ駆動プレート131が上昇され、摺動軸164がシャッタ駆動カム溝137とトレイ駆動カム溝138との合流地点に位置するときにおいても、シャッタ駆動カム溝137側への回動が規制されているため、トレイ駆動カム溝138を摺動し続ける。駆動機構120は、図31(a)に示すように、ディスクトレイ3が挿脱位置まで搬送されるとともに、下部シャッタ91の主動シャッタ92及び従動シャッタ93がトレイ挿脱口10を一部閉塞するまで上昇されると、駆動モータ121が停止される。このとき、駆動機構120は、図31(b)に示すように、摺動軸164がトレイ駆動カム溝138に係合されているため、切換アーム153が反矢印S方向へ回動された状態とされ、トレイ接続ギヤ151とトレイギヤ140とが咬合されるとともに、シャッタ接続ギヤ152と上部シャッタ駆動ギヤ141との咬合が解かれている。
【0115】
図31に示す挿脱位置にあるディスクトレイ3を記録又は再生位置に搬送する指示がなされると、駆動モータ121が反転駆動され、シャッタ駆動プレート131がスイングギヤ132によっていったん下降されるとともに、ディスクトレイ3が外筐体2内の記録又は再生位置へ回動される。ディスクトレイ3の下部がトレイ挿脱口10を外筐体2内へ通過すると、シャッタ駆動プレート131がスイングギヤ132によって上昇され、下部シャッタ91の主動シャッタ92及び従動シャッタ93がトレイ挿脱口10の閉塞位置へスライドされる。
【0116】
また、ディスクトレイ3が記録又は再生位置まで搬送されると、検出アーム154は、捩りコイルバネの付勢力によって図27中矢印T方向へ回動され、シャッタ駆動プレート131の上昇に従ってトレイ駆動カム溝138を摺動していた摺動軸164が、シャッタ駆動カム溝137側へ移動する。このとき、検出アーム154は、回動規制軸162がスイングアーム52の規制溝58に当接されることなく矢印T方向への回動が可能とされている。
【0117】
検出アーム154が矢印T方向へ回動することにより、接続ピン163を介して接続されている切換アーム153は、図26中矢印S方向への回動規制が解除され、スプリングの付勢力によって矢印S方向へ回動する。切換アーム153が矢印S方向へ回動することにより、トレイ接続ギヤ151がトレイギヤ140と離間するとともに、シャッタ接続ギヤ152が上部シャッタ駆動ギヤ141と接続する(図28(b))。これにより、ディスクトレイ3は、駆動モータ121の駆動力が伝達されなくなり、搬送が停止する。また、トレイ挿脱口10の開放位置へ上昇されていた上部シャッタ90は、駆動モータ121の駆動力が伝達されることにより、トレイ挿脱口10の閉塞位置へ下降する。駆動機構120は、図28(a)に示すように、上部シャッタ90及び下部シャッタ91がトレイ挿脱口10を閉塞すると、駆動モータ121が停止される。
【0118】
なお、ディスクトレイ3は、右側面に、記録又は再生位置に引き込む引き込みアーム166が係合するサイド溝3aが形成されている。サイド溝3aは、下方に引き込みアーム166が係脱可能に開放された略矩形状に形成されている。
【0119】
このサイド溝3aに係合する引き込みアーム166は、外筐体2内に回動されたディスクトレイ3を記録又は再生位置に引き込み、また、記録又は再生位置から挿脱位置へ向けてディスクトレイ3を押し出すものである。すなわち、ディスクトレイ3は、スイッチギヤ機構150によって駆動モータ121の動力がトレイギヤ140から上部シャッタ駆動ギヤ141へ切り換えられたとき、記録又は再生位置まで十分に回動しきらないことがある。また、ディスクトレイ3は、スイングアーム51,52の駆動力では、記録又は再生位置から挿脱位置へ回動される際に、互いに磁気吸着されたクランププレート75とターンテーブル72とを引き離す力が不十分となる。
【0120】
引き込みアーム166は、スイッチギヤ機構150によるトレイギヤ140から上部シャッタ駆動ギヤ141へ動力伝達が切り換えられる直前に、ディスクトレイ3のサイド溝3aに係合し、記録又は再生位置へ引き込むことができる。また、引き込みアーム166は、ディスクトレイ3を記録又は再生位置から挿脱位置へ回動させる際に、ディスクトレイ3を挿脱位置へ向かって押しだし、クランププレート75とターンテーブル72との引き離し動作を補助する。
【0121】
かかる引き込みアーム166は、図1等に示すように、外筐体2の右側壁面2cに突設された支軸165に回動可能に支持され、サイド溝3aに係脱される係合アーム166aと、シャッタ駆動プレート131の内面131bに形成された引き込みアーム駆動カム溝139を摺動する摺動アーム166bとを有する。また、引き込みアーム166は、図示しない引っ張りコイルバネにより図1中矢印U方向へ回動付勢されている。そして、引き込みアーム166は、シャッタ駆動プレート131が下降すると、摺動アーム166bが引き込みアーム駆動カム溝139にガイドされて、反矢印U方向へ回動される。
【0122】
引き込みアーム166は、摺動アーム166bがシャッタ駆動プレート131の引き込みアーム駆動カム溝139にガイドされることにより、係合アーム166aの先端が、記録又は再生位置へ回動されるディスクトレイ3のサイド溝3aの回動軌跡上に位置され、スイッチギヤ機構150によるトレイ接続ギヤ150から上部シャッタ駆動ギヤ141への動力切換の直前に、係合アーム166aがサイド溝3aに係合する。引き込みアーム166は、係合アーム166aがサイド溝3aに係合した後、引っ張りコイルバネの付勢力によって矢印U方向へ回動され、ディスクトレイ3を記録又は再生位置へ引き込み、保持する。
【0123】
また、引き込みアーム166は、ディスクトレイ3が記録又は再生位置から挿脱位置へ回動される際、摺動アーム166bがシャッタ駆動プレート131の引き込みアーム駆動カム溝139にガイドされることにより、反矢印U方向へ回動される。したがって、引き込みアーム166は、サイド溝3aに係合している係合アーム166aがディスクトレイ3を挿脱位置側へ押し出す。ディスクトレイ3は、駆動モータ121の駆動力が、スイングアーム51,52及び引き込みアーム166から伝達されるため、互いに磁気吸着されているクランププレート75とターンテーブル72とを引き離し動作が補助される。引き込みアーム166は、クランププレート75とターンテーブル72とが引き離された後、係合アーム166aとサイド溝3aとの係合が解除され、再度、ディスクトレイ3の記録又は再生位置への回動を待機する。
【0124】
次いで、ディスクドライブ装置1による光ディスクの挿排出工程について説明する。ディスクドライブ装置1は、光ディスクの挿入を待機している状態においては、図1に示すように、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に搬送され、トレイ挿脱口10が閉塞されている。光ディスクを挿入する指示を受けると、ディスクドライブ装置1は、駆動機構120によって上部シャッタ90を上昇させるとともに下部シャッタ91を下降させてトレイ挿脱口10を開放し、スイッチギヤ機構150によって駆動力の伝達切換を行った後、ディスクトレイ3を図2中矢印A方向へ回動し、ディスクトレイ3を記録又は再生位置から挿脱位置へ回動させる。
【0125】
下部シャッタ91は、主動シャッタ92及び従動シャッタ93の各主動シャッタ軸105及び従動シャッタ軸107が左右ガイドプレート12,13に形成された開閉ガイド溝110をスライドすることにより昇降動作がガイドされる。また、下部シャッタ91は、主動シャッタ軸105及び従動シャッタ軸107の高さに応じて段違いに形成された主動シャッタガイド溝111及び従動シャッタガイド溝112にそれぞれガイドされる。これにより主動シャッタ92は、主動シャッタガイド溝111にガイドされて閉塞位置へスライドされ、従動シャッタ93は、従動シャッタガイド溝112にガイドされて閉塞位置へスライドされる。
【0126】
このとき、主動シャッタガイド溝111及び従動シャッタガイド溝112は、それぞれ開閉ガイド溝110から円弧状に連続され、また、開閉ガイド溝110と鈍角に交わるため、主動シャッタ92及び従動シャッタ93はスムーズなスライドが可能となる。また、先行する従動シャッタ93は、従動シャッタ軸107が主動シャッタガイド溝111と開閉ガイド溝110との間に形成された段差部111aに摺動することで、開閉ガイド溝110と同じ深さに形成された従動シャッタガイド溝112へ確実にガイドされる。
【0127】
さらに、主動シャッタ92は、従動シャッタ93が従動シャッタガイド溝112へスライドすることで、主動シャッタ軸105が、従動シャッタガイド溝112へスライドすることなく、確実に主動シャッタガイド溝111へスライドされる。また、主動シャッタ92は、フック部106が主動シャッタ軸105のスライド方向と反対側となる外筐体2の正面2a側が開放されているため、従動シャッタ軸107からの係脱を容易に行うことができる。
【0128】
そして、主動シャッタ92及び従動シャッタ93は、トレイ挿脱口10の閉塞位置から開放位置にスライドされることにより、主面の向きが略直交する垂直状態から略水平状態とされる。したがって、主動シャッタ92及び従動シャッタ93は、外筐体2内におけるスライド領域を最小に抑えることができる。すなわち、主動シャッタ92及び従動シャッタ93は、トレイ挿脱口10の開放位置において略水平方向に傾倒されているため、垂直方向にのみスライドさせる構成に比してスライド領域が垂直方向に抑制できる。したがって、ディスクドライブ装置1は、シャッタ部材6のスライド領域の省スペース化を図りつつ、トレイ挿脱口10の大型化、及びシャッタ部材6の大型化を図ることができる。
【0129】
また、ディスクドライブ装置1は、下部シャッタ91を主動シャッタ92と従動シャッタ93の複数枚に分けて、トレイ挿脱口10の開放時にはトレイ挿脱口10の下部に重畳させて収納するため、下部シャッタ91のスライド領域を水平方向にも抑制できる。さらに、ディスクドライブ装置1は、ディスクトレイ3がトレイ挿脱口10を通過して挿脱位置へ搬送されると、下部シャッタ91の主動シャッタ92と従動シャッタ93を上昇させて、トレイ挿脱口10の下側を一部閉塞する。これによりディスクドライブ装置1は、トレイ挿脱口10の開放時に外筐体2内に塵埃等が侵入することを防止でき、また、ユーザが光ピックアップユニット4等の内部部品に接触することを防止することができる。なお、主動シャッタ92及び従動シャッタ93は、ディスクトレイ3が挿脱位置へ回動されると、トレイ挿脱口10の閉塞位置までスライドさせるようにしてもよい。
【0130】
記録又は再生位置から挿脱位置へ搬送されるディスクトレイ3は、回転リンク機構24によって支持されることにより、スイングアーム51,52によって挿脱位置へ向かってスイングされ光ピックアップユニット4のターンテーブル72と離間すると、固定された支点を中心に回転される回転軌道を描く。したがって、ディスクドライブ装置1は、ディスクトレイ3の移動軌跡の省スペース化を図ることができ、外筐体2の小型化、薄型化を図ることができる。
【0131】
挿脱位置に搬送されたディスクトレイ3は、保持部材30が載置面部20上から退避され、大径ディスクあるいは小径ディスクが載置可能とされる。そしてディスクトレイ3は、載置面部20に大径ディスクあるいは小径ディスクが載置され、ローディングの指示がされると、上部シャッタ90の開放位置へのスライドに続いて、図2中反矢印A方向へ回動される。このとき、ディスクトレイ3は、保持部材30の保持アーム31がディスク径に応じて回動操作され、大径ディスクあるいは小径ディスクを挟持するため、載置面部20が略垂直方向へ向いたときにも脱落が防止される。また、ディスクトレイ3は、保持アームが退避凹部28から中心方向に向かって回動されることにより光ディスクを保持するため、載置面部20の大径凹部20a又は小径凹部20b上に光ディスクを正確に載置しなくとも保持アーム31によって所定位置に載置することができる。
【0132】
また、ディスクトレイ3は、記録又は再生位置へ搬送されるにつれて、クランパ5が後端側から載置面部20の中央に向かって移動し、クランププレート75が光ディスクの中心孔付近に位置する。このとき、ディスクトレイ3は、クランパ5のクランプアーム76に形成されたカム片78のカムローラ79が、土手部21を転動することにより、クランププレート75が光ディスクと所定の距離を隔てて移動される。したがって、ディスクトレイ3は、光ディスクとクランププレート75との摺接を防止することができる。
【0133】
さらに、ディスクトレイ3は、トレイ挿脱口10より外筐体2内に移動され記録又は再生位置に近づくと、回転リンク機構24によって、支点の移動を伴うスイング軌道を描く。これによりディスクトレイ3は、載置面部20が略垂直とされると支点の移動を伴うスイング軌道によって移動されるため、外筐体2内に固定配置されている光ピックアップユニット4のターンテーブル72に対してほぼ垂直に光ディスクを当接させることができる。したがって、ディスクドライブ装置1は、光ディスクとターンテーブル72とが摺接することなく、スムーズなチャッキングを行うことができ、また、光ディスクを排出する際にも、ターンテーブル72との摺接が防止される。
【0134】
記録又は再生位置に搬送されたディスクトレイ3は、光ディスクの中心孔がターンテーブル72に載置されるとともに、クランパ5のクランププレート75とターンテーブル72とが磁気吸着されることにより、回転自在に挟持される。また、ディスクトレイ3は、保持部材30の保持アーム31が光ディスクの外周から離間され、回転自在とされる。さらに、ディスクトレイ3は、クランパ5のクランプアーム76に形成されたカム片78のカムローラ79が土手部21の前端部に形成された係止リブ45に挿通される。これにより、ディスクトレイ3は、再度挿脱位置へ搬送される際に、クランププレート75とターンテーブル72とが引き離される際のクランプアーム76のばたつきを防止することができる。
【0135】
駆動機構120は、シャッタ駆動プレート131をいったん下降させてトレイ挿脱口10を開放し、ディスクトレイ3を記録又は再生位置へ搬送した後、再度、シャッタ駆動プレート131を上昇させることにより、下部シャッタ91を上昇させる。また、駆動機構120は、ディスクトレイ3が記録又は再生位置に搬送された後、シャッタ駆動プレート131を摺動する摺動軸164がトレイ駆動カム溝138からシャッタ駆動カム溝137へ移動することにより、駆動モータ121の駆動力の伝達経路がトレイギヤ140から上部シャッタ駆動ギヤ141側へ切り換えられ上部シャッタ90が下降する。
【0136】
下部シャッタ91は、主動シャッタ92が上昇されると、フック部106が従動シャッタ93の従動シャッタ軸107に係止することにより、主動シャッタ92に引き続き従動シャッタ93が上昇される。そして駆動機構120は、上部シャッタ90及び下部シャッタ91によってトレイ挿脱口10が閉塞されると、駆動モータ121が停止される。
【0137】
以上、本発明が適用されたディスクドライブ装置1では、下部シャッタ91を主動シャッタ92と従動シャッタ93の2枚とする他、主動シャッタと複数の従動シャッタを備えることにより3枚以上で構成してもよい。この場合、主動シャッタと従動シャッタ、及び従動シャッタ93同士は、フック部と従動シャッタ軸とで係脱可能とされ、また、シャッタの枚数に応じてシャッタ軸の高さ及びシャッタガイド溝の深さを変える。
【0138】
また、本発明が適用されたディスクドライブ装置1では、トレイ挿脱口10の開放位置において、下部シャッタ91のみならず、上部シャッタ90を略水平に傾倒させるようにしてもよい。また、上部シャッタ90を、下部シャッタ91のように、複数枚で構成し、上下方向に移動させ、あるいはトレイ挿脱口10の開放位置において、略水平に傾倒させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明が適用されたディスクドライブ装置を示す外観斜視図であり、ディスクトレイが収納された状態を示す。
【図2】本発明が適用されたディスクドライブ装置を示す外観斜視図であり、ディスクトレイが外部に搬送された状態を示す。
【図3】本発明が適用された電子機器の具体例であるテレビジョン装置を示す斜視図である。
【図4】ディスクトレイを示す斜視図である。
【図5】ディスクトレイを示す分解斜視図である。
【図6】ディスクが載置されていないディスクトレイを示す底面図である。
【図7】大径ディスクを保持するディスクトレイを示す底面図である。
【図8】小径ディスクを保持するディスクトレイを示す底面図である。
【図9】外筐体を背面側から示す斜視図である。
【図10】挿脱位置に搬送されたディスクトレイ及び移動機構を示す斜視である。
【図11】記録又は再生位置に搬送されたディスクトレイ及び移動機構を示す斜視である。
【図12】ディスクトレイがスイング軌道によって記録又は再生位置に回動されるディスクドライブ装置を示す側面図である。
【図13】ディスクトレイが回転軌道によって回動されているディスクドライブ装置を示す側面図である。
【図14】ディスクトレイが回転軌道によって挿脱位置まで回動されたディスクドライブ装置を示す側面図である。
【図15】トレイ挿脱口の閉塞位置に搬送されたシャッタ部材を前面側から示す斜視図である。
【図16】トレイ挿脱口の閉塞位置に搬送されたシャッタ部材を背面側から示す斜視図である。
【図17】主動シャッタガイド溝及び従動シャッタガイド溝を示す斜視図である。
【図18】主動シャッタガイド溝にガイドされる主動シャッタ及び従動シャッタガイド溝にガイドされた従動シャッタを示す側面図である。
【図19】従動シャッタが開放位置に傾倒された状態のシャッタ部材を前面側から示す斜視図である。
【図20】従動シャッタが開放位置に傾倒された状態のシャッタ部材を背面側から示す斜視図である。
【図21】トレイ挿脱口の開放位置に搬送されたシャッタ部材を前面側から示す斜視図である。
【図22】トレイ挿脱口の開放位置に搬送されたシャッタ部材を背面側から示す斜視図である。
【図23】駆動機構を示す斜視図である。
【図24】駆動機構を示す側面図である。
【図25】シャッタ駆動プレートを示す斜視図であり、(a)は外面側を示し、(b)は内面側を示す。
【図26】ギヤ機構を外面側から示す斜視図である。
【図27】ギヤ機構を内面側から示す斜視図である。
【図28】トレイ挿脱口がシャッタ部材によって閉塞され、ディスクトレイがディスク記録又は再生位置に収納されている状態における駆動機構を示す図面であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図29】トレイ挿脱口がシャッタ部材によって開放され、ディスクトレイがディスク記録又は再生位置に収納されている状態における駆動機構を示す図面であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【図30】スイングアームの規制溝によって検出アームの回動が規制されている状態を示す斜視図である。
【図31】トレイ挿脱口がシャッタ部材によって一部閉塞され、ディスクトレイが挿脱位置に搬送された状態における駆動機構を示す図面であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0140】
1 ディスクドライブ装置、2 外筐体、3 ディスクトレイ、4 光ピックアップユニット、5 クランパ、6 シャッタ部材、7 移動機構、8 テレビジョン装置、10 トレイ挿脱口、11 ベース板、12 左ガイドプレート、13 右ガイドプレート、15 位置決めピン、16 位置決め孔、20 載置面部、21 土手部、23 第1の回動支持部、24 回転リンク機構、25 第2の回動支持部、26 ピックアップ用開口部、27 ガイド溝、28 退避凹部、29 支持片、30 保持部材、31 保持アーム、32 ローター、33 駆動モータ、34 コイルバネ、35 支持部、36 支点部、37 ガイド凸部、39 回動規制溝、40 ピックアップ用開口部、41 ラック、42 駆動ギヤ列、45 係止リブ、49,50 回動支軸、51,52 スイングアーム、53 駆動ギヤ、55 本体部、56 アーム部、57 小径ギヤ部、58 規制溝、59 回転軸、60 スイングギヤ、61 伝達ギヤ、70 ベースフレーム、71 ピックアップベース、72 ターンテーブル、75 クランププレート、76 クランプアーム、77 クランプベース、78 カム片、79 カムローラ、80 回動軸、81 支持アーム、82 スリーブ部、83 アーム部、85 クランプギヤ、90 上部シャッタ、91 下部シャッタ、92 主動シャッタ、93 従動シャッタ、95 ラック板、97 ガイドスリット、99 ガイドスリット、101 軸受け板、102 タイミング軸、103 タイミングギヤ、104 ラック列、105 主動シャッタ軸、106 フック部、107 従動シャッタ軸、110 開閉ガイド溝、111 主動シャッタガイド溝、111a 段差部、112 従動シャッタガイド溝、120 駆動機構、121 駆動モータ、122 ギヤ機構、123 減速ギヤ列、124 分岐ギヤ、130 下部シャッタ駆動系、131 シャッタ駆動プレート、132 スイングギヤ、133 中間ギヤ、134 連結板、135 プレートガイド孔、136 内周ギヤ、137 シャッタ駆動カム溝、138 トレイ駆動カム溝、139 引き込みアーム駆動カム溝、140 トレイギヤ、141 上部シャッタ駆動ギヤ、150 スイッチギヤ機構、151 トレイ接続ギヤ、152 シャッタ接続ギヤ、153 切換アーム、154 検出アーム、155 支軸、156 回転ギヤ、157 カム孔、161 支軸、162 回動規制軸、163 接続ピン、164 摺動軸、165 支軸、166 引き込みアーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が載置される載置部と、上記載置部に載置された上記記録媒体を保持する保持部材とを有し、上記載置部を第1の方向に向けて装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、
上記搬送トレイの支点を略固定して回転させる回転軌道と、上記搬送トレイの上記支点とともにスイングさせるスイング軌道によって、上記挿脱位置と上記収納位置とに亘って上記搬送トレイを移動させる移動機構とを備える搬送機構。
【請求項2】
上記移動機構は、上記搬送トレイに2点支持されたリンク機構と、上記装置本体に回転可能に支持されるとともに、上記搬送トレイを回転可能に支持するアーム部材とを有し、
上記アーム部材を上記装置本体の内外に亘ってスイングさせることにより、上記搬送トレイを移動させることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項3】
上記搬送トレイは、上記載置部を上方に向けて上記装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置部を略垂直にして上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動されることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項4】
上記装置本体内において、主面部が略水平状態になる位置と略垂直状態になる位置とに亘って回動可能に支持され、上記収納位置に搬送される上記記録媒体を支持機構と共に挟持するクランプ部材と、
上記クランプ部材を支持する支点を移動させながら、上記搬送トレイに追従させて回動させる回動部材とを備える請求項3記載の搬送機構。
【請求項5】
上記クランプ部材は、主面部が上記略水平状態となる位置から上記略垂直状態になる位置に向かって回動付勢されるとともに、上記搬送トレイの移動に連動して上記搬送トレイに形成された土手部を摺動するスペーサ部材が形成され、
上記搬送トレイは、上記収納位置付近において上記スペーサ部材を係止する係止部が形成されていることを特徴とする請求項4記載の搬送機構。
【請求項6】
上記収納位置には、上記搬送体のドライブ装置が固定配置され、
上記移動機構は、上記搬送トレイを上記ドライブ装置と近接する領域において上記スイング軌道で回動させ、上記搬送トレイが上記ドライブ装置と離間した領域において上記回転軌道で回動させることを特徴とする請求項1記載の搬送機構。
【請求項7】
記録媒体が載置される載置部と、上記載置部に載置された上記記録媒体を保持する保持部材とを有し、上記載置部を第1の方向に向けて装置本体外へ臨ませる挿脱位置と、上記載置部を上記第1の方向と略直交する第2の方向に向けて上記装置本体内に収納する収納位置とに亘って回動される搬送トレイと、
上記搬送トレイの支点を略固定して回転させる回転軌道と、上記搬送トレイの上記支点とともにスイングさせるスイング軌道によって、上記挿脱位置と上記収納位置とに亘って上記搬送トレイを移動させる移動機構とを備える搬送機構
を備えた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2010−20817(P2010−20817A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178305(P2008−178305)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】