説明

搬送装置

【課題】台車の大きさやレールのUターン部の曲率半径を変更することなく、簡単に台車の干渉を防止できる搬送装置を提供すること。
【解決手段】支持フレーム10の中央部に、レール60を転動回動する案内ローラ体20を、水平方向に首振り不能に固定するとともに、支持フレーム10の前後に、案内ローラ体20を中心とする円弧に沿った長孔状の摺動部15を設け、下体部302でレール60に回動可能に支持され、上体部301に設けられた横ローラ32が前記摺動部15に係合して水平方向に摺動可能に支持される支持ローラ体30を設け、前方の支持ローラ体30を牽引部材50a及びその先端に連結した牽引ローラ体40で牽引するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の台車上にそれぞれ載置した被搬送物を搬送経路に沿って連ねて搬送する搬送装置に関し、特に、搬送経路がUターンする位置で、前後の台車が干渉することなくUターン部の半径を小さくできる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車ボデー等の製造ラインでは、特許文献1に開示されるような、搬送経路上に敷設されたレールと、被搬送物を載置する台車に取り付けられて該台車を支持する支持フレームの搬送方向前後に、前記レール上を転動して移動可能に係合した支持ローラ体を回動可能に取り付け、一端が該支持ローラ体に連結され、他端が前記レール上を転動して移動可能に係合した牽引ローラ体に連結された牽引部材を備えた移動体とからなる搬送装置が用いられている。
【0003】
この特許文献1に類似の従来の搬送装置91は、図11に示すように、搬送経路上に敷設されたレール60と、該レール60上を転動して移動可能に支持される移動体901とから構成されている。
移動体901は、前後に設けた支持ローラ体30、30と、該支持ローラ体30、30によりレール60に移動自在に案内支持される支持フレーム910と、該支持フレーム910に支柱12を介して取り付けられ、被搬送物80を載置する台車70と、一端が支持ローラ体30、30にそれぞれ連結されて支持フレーム910の前後に伸びる牽引部材50、50と、該牽引部材50、50の他端に連結され、レール60に移動自在に案内支持される牽引ローラ体40、40とを備えている。
そして、前方の移動体901における後端部の牽引ローラ40に設けられた図略の当接面(特許文献1の図面では符号39)に、相隣りあう後方の移動体901の牽引ローラ体40の前端部に設けられた当接面(特許文献1の図面では符号38)が当接して、図略の送り出し装置により押圧されることにより被搬送物80を搬送するように構成されている。
【0004】
そして、レール60は、コ字状断面のチャンネルを、その開口部を対向させて配置し、その中に前記支持ローラ体30、牽引ローラ体40のローラ部が嵌挿されるように、略一線状に構成されている。
また、支持フレーム910の前後に配置された支持ローラ体30は、その中心を支持フレーム910の左右方向の中心線上に水平方向に回動可能に支持されている。
なお、図12、図13に示す凸字状の枠は、搬送経路の外壁を示している。
【特許文献1】特開平7−25441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記のような従来の搬送装置91では、図12、図13に示すように、支持ローラ体30が常にレール60の中心線上を通るため、レール60の直線部601では、支持フレーム910の中心線と前後の支持ローラ体30の中心を結ぶ直線が、レール60の中心線と一致した直線上を移動するが、レール60のUターン部602では、支持フレーム910の中心部C9が、Uターン部602の中心線の円弧より内側を通って実質的に台車70の回転半径が小さくなることとなり、台車70の長さや幅、レール60のUターン部602の曲率半径等により、前後の台車同士が干渉するという問題が生じることがある。
【0006】
すなわち、図12(A)に示すように、相隣る3機の移動体900a、900b、900cが矢印Bの方向からレール60の直線部601を通りUターン部602を通りつつ矢印C方向へ移動する場合、その前後の支持ローラ体30、30が両方とも直線部601にある移動体900a、900cでは中心部C9がレール60の中心線上にある。
ところが、図12(A)に示す移動体900b、および図12(B)、図13に示す移動体900a、900bのように、その前後の支持ローラ体30、30の少なくともその一方がUターン部602にあると中心部C9がレール60の中心線から外れ、Uターン部602の内側を通ることとなり、前述したように前後の台車同士が干渉することがある。
【0007】
この干渉を防止するために、被搬送物の大きさに見合った大きさの台車に変更する(小さくする)ことは、全台車を変更する必要から台数も多く困難であり、また、Uターン部602の曲率半径を大きくしようとすると桁違いに大きくしなければならず、制限のある工場敷地ではその対策は容易ではなかった。
また、搬送される台車と台車の間隔を大きくする方法もあるが、搬送経路上に乗る台車の数が少なくなるため、効率が低下するという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、台車の大きさやレールのUターン部の曲率半径を変更することなく、簡単に台車の干渉を防止できる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る搬送装置は、搬送経路上に敷設されたレールと、被搬送物を載置して前記搬送経路上を移動可能な台車と、該台車を前記レール上に案内支持する支持フレームと、該支持フレームの前後で水平方向に回動可能に配置され、前記レールに回動可能に係合して、該支持フレームを前記レール上を移動可能に支持する支持ローラ体と、該支持ローラ体に一端が連結されて前記支持フレームの前後に配置され、該支持フレームを搬送方向に牽引する牽引部材と、該牽引部材の他端に連結され、前記レールに回動可能に係合して、該牽引部材を前記レール上に案内支持する牽引ローラ体と、を備えた搬送装置において、前記前後に配置された支持ローラ体の間の中央位置の固定部で、前記支持フレームに固定され、且つ前記レールに回動可能に係合支持される案内ローラ体を設けるとともに、前記前後に配置された支持ローラ体の、前記支持フレームにおける支持部を、該支持ローラ体が前記固定部を中心とする円弧上を水平方向に摺動可能な摺動部に構成したことを特徴とする。
【0010】
よって、請求項1に記載の搬送装置によれば、支持フレームが案内ローラ体により支持フレームの中心部の固定部で常にレールの中心線上を移動するように案内されるとともに、さらに、支持フレームにおける前後の支持ローラ体の支持部を、固定部を中心とする円弧を中心線とする円弧状の長孔とし、この長孔を支持ローラ体が水平方向に摺動可能な摺動部に構成したので、レールの曲線部(特にUターン部)において、支持ローラ体が摺動部を摺動して中央の案内ローラ体と前後の支持ローラ体とがレールの円弧上に配置されることを許容することとなり、その結果、支持フレームの中心線がレールの曲線の接線となるように移動するので、支持フレームの回転半径が小さくならず、台車同士の干渉を避けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の搬送装置によれば、レールのUターン部における台車の中心部の移動軌跡をレール中心に一致させて、台車の回転半径を小さくすることがないので、前後の台車との干渉を避けながらレールのUターン部の半径を小さくすることができる搬送装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る搬送装置の一の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態の搬送装置は、自動車車体の塗装ラインの乾燥炉に設けられたものである。
ここで、図1は、搬送装置の側面図であり、図2は、搬送装置のレールを省略した平面図である。
なお、本説明で「前後」・「左右」方向とは、何も断らない場合は、搬送方向に対して「前後」・「左右」を示すものとする。
【実施例】
【0013】
搬送装置の構成について説明する。搬送装置1は、図1に示すように、搬送経路上に敷設されたレール60と、該レール60上を転動移動する移動体100とを備えている。
移動体100は、被搬送物80を載置して搬送経路のレール60上を移動可能な台車70と、該台車70を前記レール60上に案内支持する支持フレーム10と、該支持フレーム10の前後で水平方向に回動可能に配置され、前記レール60に回動可能に係合して、該支持フレーム10を前記レール60上を移動可能に支持する支持ローラ体30、30と、前方の支持ローラ体30に一端が連結されて前記支持フレーム10の前方に配置され、該支持フレーム10を搬送方向に牽引する牽引部材50aと、該牽引部材50aの他端に連結され、前記レール60に回動可能に係合して、該牽引部材50aを前記レール60上に案内支持する牽引ローラ体40aと、後方の支持ローラ体30に一端が連結されて前記支持フレーム10の後方に配置され、該支持ローラ体30の移動に追従する従動部材50bと、該従動部材50bの他端に連結され、前記レール60に回動可能に係合して、該従動部材50bを前記レール60上に案内支持する従動ローラ体40bと、前記支持フレーム10の前後に配置された支持ローラ体30の間の中央位置で支持フレーム10に固定され、レール60上を移動可能な案内ローラ体20とを備えている。
【0014】
レール60は、図3に示すように、搬送経路(図略)上に直線部601とUターン部602とを備えて敷設され、図5、図8に示すように、断面コ字状で縦壁部611と上下のフランジ部613、612を有する鋼材チャンネル61の開口部を互いに対向させて、後述するローラ体20、30、40が転動可能なように所定間隔を設けて一線状に配置されている。
すなわち、後述するローラ体20、30、40の縦ローラ21が、レール60の開口部内で下フランジ部612の上面を転動するように配置され、また、横ローラ22が、上フランジ部613のフランジ先端の板端部613aを転動するように配置される。
【0015】
移動体100を構成する台車70は、被搬送物80である自動車車体の平面視形状を包含可能な大きさを有する長方形の枠部材からなり、所定位置に後述する支持フレーム10と係合する係合部71を設けたものである。
【0016】
支持フレーム10は、前記台車70より小さな面積の平板部11と、該平板部11の前後四隅に立設され、上端で前記台車70の係合部71に係合して該台車70を支持する支柱12とを備えている。
平板部11の平面視で中心部C1には、図4、図5に示すように、四角形孔の固定部14が設けられ、上部で該固定部14に係合して上下方向には摺動可能に、水平方向には回動不能に支持され、下部で縦ローラ21と横ローラ22とにより前記レール60に転動可能に案内される案内ローラ体20が設けられている。
【0017】
さらに、平板部11の中心部C1を中心とした前後方向の対称位置には、図2に示すように、中心部C1を中心とした円弧を中心線とする円弧状の長孔に形成した摺動部15が設けられ、図6乃至図8に示すように、上部で摺動部15に係合して長孔内を水平方向に摺動可能に支持された上体部301と、下部で縦ローラ21と横ローラ22とにより前記レール60に転動可能に支持される下体部302とを備えた支持ローラ体30が設けられている。なお、この支持ローラ体30により、被搬送物80や台車70の重量をレール60に伝達し支持している。
【0018】
本発明は、前述した従来の同形の搬送装置91に対して、支持フレーム10の中心部C1の固定部14に案内ローラ体20を設けるとともに、中心部C1を中心とした搬送方向前後の対称位置に、該中心部C1を中心とした円弧を中心線とする円弧状の長孔に形成した摺動部15を設け、該摺動部15に係合して長孔内を水平方向に摺動可能に支持される支持ローラ体30を設けた点を特徴とするので、この点を詳細に説明する。
【0019】
案内ローラ体20は、図4、図5に示すように、垂下する垂直軸25と、該垂直軸25の下部にレール60と平行に固定される軸受23と、前記垂直軸25の前後で軸受23に設けた水平の軸により該軸受23を挟んで左右に支持され、レール60の下フランジ部612の上面を転動する4個の縦ローラ21と、前記軸受23の上部で前記垂直軸25に取り付けられたブラケット24と、該ブラケット24の、前記軸受23の前後で正面視で該軸受23の中心線と同一位置に設けられた垂直軸により支持され、前記レール60の上フランジ部613の板端部613aを転動する2個の横ローラ22と、前記ブラケット24にネジ止めされた後述する回り止め27とを備えた下体部202と、前記垂直軸25上部に連結され、支持フレーム10の平板部11の中央に設けられた角孔状の固定部14に挿入される四角形断面の角軸26を備えた上体部201とを備えている。
【0020】
角軸26の下部と前記ブラケット24との間に、案内ローラ体20が支持フレーム10に対して水平方向に回動しないように板状の回り止め27が、下端を前記ブラケット24にネジ止めされ、上部を前記角軸26の下部に当接するように取り付けられている。
【0021】
支持ローラ体30は、図6乃至図8に示すように、支持フレーム10に設けられた摺動部15に係合し転動する上体部301と、前記案内ローラ体20の下体部202と略同一構成の下体部302とを備えている。
【0022】
下体部302は、垂下する垂直軸35と、該垂直軸35の下部にレール60と平行に固定される軸受23と、前記垂直軸35の前後で軸受23に設けた水平の軸により該軸受23を挟んで左右に支持され、レール60の下フランジ部612の上面を転動する4個の縦ローラ21と、前記軸受23の上部で前記垂直軸35に取り付けられたブラケット34と、該ブラケット34の、前記軸受23の前後で正面視で該軸受23の中心線と同一位置に設けられた垂直軸により支持され、前記レール60の上フランジ部613の板端部613aを転動する2個の横ローラ22とを備えている。
【0023】
そして、ブラケット34の上面の前記案内ローラ体20と反対側の一端に、該案内ローラ体20と反対側の斜め上方に延在する板状の連結部341が設けられ、後述する牽引部材50aの一端が横軸501により上下方向に回動可能に連結されている。
【0024】
上体部301は、垂直軸35の上部に設けられ、下体部302の軸受23と平面視で直交する方向に延びる軸受33と、該軸受33の上部に軸受23と同心で延びる軸に支持され、平板部11の摺動部15内を転動する横ローラ32と、軸受33の左右において前後に貫通して設けられた2本の軸に各々支持され、前記平板部11の下面を左右方向に転動する4個の縦ローラ31とを備えている。
なお、図7は、図6の矢印A方向から見た上体部301を示し、下体部302は省略してある。
【0025】
つぎに、支持フレーム10の前方に設けられる牽引ローラ体40aは、図1、図6に示すように、支持ローラ体30の下体部302と同一の構成で、垂直軸35をブラケット34の上面より突出させない垂直軸45としたものである。
牽引ローラ体40aには、図は省略したがレール60と平行に配設された駆動チェーンに係合する係合部が設けられ、この係合部が駆動チェーンに設けられた伝動体に係合して牽引ローラ体40a、牽引部材50aを介して支持フレーム10延いては台車70がレール60上を搬送される。
したがって、支持フレーム10延いては台車70を牽引するのは前方の牽引ローラ体40aと牽引部材50aおよび前部の支持ローラ体30である。
【0026】
支持フレーム10の後方に設けられる従動ローラ体40b、従動部材50bの構成は、牽引ローラ体40a、牽引部材50aと同一で前後対称に設けられたものであり、ただ駆動チェーンに設けられた伝動体に係合しておらず、後部の支持ローラ体30に追従して移動するだけである。
【0027】
牽引部材50a、従動部材50bは、図1、図6に示すように、鋼管製の本体51の両端に、縦軸502により水平方向に首振り自在に、横軸501により上下方向に回動自在に可動するジョイント52を備えたもので、一方のジョイント52で支持ローラ体30の連結部341に横軸501により連結され、他方のジョイント52で同様に牽引ローラ体40a、従動ローラ体40bの連結部341にそれぞれ横軸501で連結されている。
【0028】
以上のように構成された移動体100がレール60の、特にUターン部602上を移動する際の作用を説明する。
まず、図4、図5で説明したように、案内ローラ体20は支持フレーム10に固定的に(首振り不能に)取り付けられているので、移動体100の移動可能方向が支持フレーム10、延いては台車70の搬送方向の中心線と一致しているため、直線部601上ではレール60と支持フレーム10等の中心線が一致した状態で移動し、Uターン部602等の曲線部では、図3に示したように、支持フレーム10等の中心部C1がその曲線部の円弧に接する接線上に一致するように移動する。
【0029】
したがって、図9(A)に示すように、相隣る3機の移動体100a、100b、100cが矢印Bの方向からレール60の直線部601を通りUターン部602を通りつつ矢印C方向へ移動する場合、その中心部C1が直線部601にある移動体100aの後方の従動部材50bの中心線がレール60の中心線上にあり、このとき支持ローラ体30の横ローラ32も摺動部15の中央にある。
また、前方の牽引部材50aの前端の牽引ローラ体40aは、Uターン部602に掛かっているため、牽引部材50aの中心線はレール60の中心線から外れるが、牽引部材50aの後端の支持ローラ体30はまだレール60の直線部601にあるため、その横ローラ32は摺動部15の中央にある。
【0030】
直線部601にある移動体100cも、レール60に対する牽引部材50aと従動部材50bの状態が前後逆になるだけで、上記と同一である。
Uターン部602の最深部にある移動体100bでは、中心部C1がレール60の中心線上にあり、中心部C1を含む移動体100bの中心線がUターン部602の接線と一致している。
【0031】
このとき、牽引部材50a、従動部材50bに連結された前後の支持ローラ体30は、横ローラ32により摺動部15の、Uターン部602の内側に寄った位置に摺動する。
すなわち、レール60のUターン部602において、移動体100bの中心部C1がUターン部602の内側に寄ることなく、支持ローラ体30のみが横ローラ32により摺動部15内でUターン部602の内側に寄った位置に摺動するので、台車70が内側に寄らず(回転半径が小さくならず)、その分、前後の移動体100a、100cとの間隔が小さくならない。
【0032】
図9(B)は、移動体100がさらに移動して、前の移動体100cが直線部601に完全に至った状態を示し、後の移動体100bが前の移動体100c側に少し移動した様子を示している。
つぎに、図10(A)は、図9(B)の状態からさらに移動し、後の移動体100bと前の移動体100cとの間隙が最も小さくなったときの状態を示しているが、前述したとおり、移動体100bがUターン部602の内側に寄らずに移動するので、移動体100b、100cは干渉せずに僅かな間隙を有して移動し、図10(B)に示すように、この後は間隙を大きくしながら移動することができる。
なお、図10(A)では移動体100bと100cとの間隙がないように見えるが、実際はこの実施の形態では18mmの間隙を有している。
【0033】
このように、本実施の形態の搬送装置1によれば、支持フレーム10の中央部に、レール60に転動可能に案内される案内ローラ体20を、水平方向に首振り不能に固定するとともに、支持フレーム10の前後に、案内ローラ体20を中心とする円弧の中心線に沿った長孔状の摺動部15に係合して水平方向に摺動可能に支持される支持ローラ体30を設け、前方の支持ローラ体30を牽引部材50a及びその先端に連結した牽引ローラ体40aで牽引するようにしたので、支持フレーム10の中心部C1が常にレールの中心を通り、かつ、支持フレーム10の搬送方向の中心線がレール60のUターン部602でその円弧の接線と一致するように移動するので、Uターン部602において支持フレーム10が円弧の内側へ移動することがなくなり、相隣る台車70の干渉がなくなり、Uターン部602の曲率半径を小さくすることが可能となった。
【0034】
なお、本発明は前記実施の形態のものに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施の形態では、案内ローラ20を移動体100の中央部に配置したもので説明したが、これに限られず、左右いずれかに片寄った位置に配置したものであってもよい。ただしこの場合は、Uターン部が片寄った側と反対側に曲がる部位があるレールでは、反対側のUターン部の曲率半径を大きくする必要がある。
また、レールのUターン部で説明したが、緩やかな曲線部においても上記と同様の作用・効果を奏する。
また、移動体を駆動する装置として、駆動チェーンに設けた伝動体に係合する牽引ローラ体により牽引して駆動するもので説明したが、最後尾の移動体を押圧して相隣りあうローラ体を当接させて押圧することにより全移動体を移動させる装置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の側面図である。
【図2】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、レールを省略した平面図である。
【図3】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、移動体がレールのUターン部の最深部に位置した状態の概略平面図である。
【図4】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、案内ローラ体の側面図である。
【図5】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、案内ローラ体の正面図である。
【図6】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、支持ローラ体の側面図である。
【図7】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、支持ローラ体の上体部の平面図である。
【図8】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、支持ローラ体の正面図である。
【図9】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、相隣る移動体がレールのUターン部にさしかかった状態の概略平面図で、(A)は真ん中の移動体がレールのUターン部の最深部に位置した状態、(B)はさらに移動した状態の概略平面図である。
【図10】本発明の一の実施の形態に係る搬送装置の、相隣る移動体がレールのUターン部にさしかかった状態の概略平面図で、(A)はさらに移動して最前の移動体と真ん中の移動体が最も接近した状態、(B)はさらに移動した状態の概略平面図である。
【図11】従来の搬送装置の側面図である。
【図12】従来の搬送装置が移動した、図9に対応した状態の概略平面図である。
【図13】従来の搬送装置が移動した、図10に対応した状態の概略平面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 搬送装置
100 移動体
10 支持フレーム
14 固定部
15 摺動部
20 案内ローラ体
30 支持ローラ体
201、301 上体部
202、302 下体部
21、31 縦ローラ
22、32 横ローラ
24、34 ブラケット
26 角軸
27 回り止め
341 連結部
40a 牽引ローラ体
40b 従動ローラ体
50a 牽引部材
50b 従動部材
51 本体
52 ジョイント
60 レール
601 直線部
602 Uターン部
70 台車
80 被搬送物
C1、C9 中心部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路上に敷設されたレールと、
被搬送物を載置して前記搬送経路上を移動可能な台車と、
該台車を前記レール上に案内支持する支持フレームと、
該支持フレームの前後で水平方向に回動可能に配置され、前記レールに回動可能に係合して、該支持フレームを前記レール上を移動可能に支持する支持ローラ体と、
該支持ローラ体に一端が連結されて前記支持フレームの前後に配置され、該支持フレームを搬送方向に牽引する牽引部材と、
該牽引部材の他端に連結され、前記レールに回動可能に係合して、該牽引部材を前記レール上に案内支持する牽引ローラ体と、
を備えた搬送装置において、
前記前後に配置された支持ローラ体の間の中央位置の固定部で、前記支持フレームに固定され、且つ前記レールに回動可能に係合支持される案内ローラ体を設けるとともに、
前記前後に配置された支持ローラ体の、前記支持フレームにおける支持部を、該支持ローラ体が前記固定部を中心とする円弧上を水平方向に摺動可能な摺動部に構成したことを特徴とする搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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