説明

搬送装置

【課題】用紙をトレイから給送してから所定給送量以内にセンサによって用紙が検知されない場合に、ユーザに適切な対処を報知することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】用紙が収容されるトレイと、用紙が案内される搬送路と、用紙をトレイから搬送路へ給送する給紙ローラ25と、開閉可能であり開状態で装置背面側の搬送路を外部へ露出させる背面カバー40と、搬送路における用紙の有無を検知する検知部とを備えている。搬送路で用紙詰まりが発生したときに記憶部に第1情報を記憶させる(S140)。給送部の給送動作開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に検知部が用紙を検知しない場合において(S30:No)、第1情報が記憶されていないとき(S50:No)、用紙の給送不良である旨を報知し(S100)、第1情報が記憶されているとき(S50:Yes)、背面カバー40が開かれている旨を報知する(S60)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送路に沿って搬送可能な搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内部に形成された搬送路に沿ってシートを搬送可能な搬送装置が公知である。搬送装置の一例として、シートに画像を記録可能なプリンタなどの画像形成装置が挙げられる。画像形成装置には、搬送路に詰まったシートを取り除くために搬送路を開放可能な開閉カバーが設けられているものが多い。例えば、特許文献1に記載された画像形成装置は、開閉カバーの一例として、閉塞された格納状態と、開放されたジャム処理(紙詰まり処理)状態との間で回動される手差しトレイを備えている。開閉カバーは、格納状態において閉じられた状態であり、搬送路を搬送される用紙をガイドする。一方、開閉カバーは、ジャム処理状態において開かれた状態であり、当該状態において搬送路及び詰まった用紙が外部に露出される。
【0003】
画像形成装置の内部において搬送路を搬送される用紙が詰まった場合、ユーザは開閉カバーを格納状態からジャム処理状態へ回動させる。これにより、開閉カバーは開かれた状態となり、搬送路及び搬送路において詰まった用紙が露出される。ユーザは、当該用紙を把持して、装置内部から取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−192188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの画像形成装置は、用紙が収容されているトレイから搬送路に給送された用紙の有無を、搬送路において開閉カバーよりも搬送向きの下流側に設けられたセンサによって検知するように構成されている。この場合、画像形成装置の制御部は、用紙をトレイから給送してから所定給送量以内にセンサによって用紙が検知されないときに、トレイに用紙が収容されていないと判断する。そして、制御部は、画像形成装置に設けられた表示部などに、トレイに用紙が収容されていない旨を報知する。しかしながら、画像形成装置が上述のような構成である場合、以下のような問題が生じてしまう。
【0006】
ユーザは、開閉カバーを開けて、搬送路において詰まった用紙を装置内部から取り出した後、開閉カバーを閉め忘れることがある。この場合、開閉カバーが開いた状態のまま、画像形成装置のスタートキーが押圧されることなどによって、トレイからの用紙の給送が開始されてしまうおそれがある。
【0007】
開閉カバーが開いた状態で用紙がトレイから給送され搬送路を搬送された場合、当該用紙は開閉カバーによってガイドされない。よって、当該用紙は、開閉カバーが設けられている箇所において、装置の外部に飛び出してしまう場合がある。この場合、当該用紙は、開閉カバーよりも搬送向きの下流側に搬送されず、センサによって検知されない。すると、画像形成装置の制御部は、上述したように、トレイに用紙が収容されていないと判断してしまい、その旨を報知してしまう。つまり、画像形成装置の制御部は、トレイから用紙が給送されたにもかかわらず、トレイに用紙が収容されていないと誤判断及び誤報知してしまう。
【0008】
このような誤判断及び誤報知は、開閉カバーの状態を検知するセンサを設けることによって解決可能である。しかし、センサを追加することによって、画像形成装置がコストアップしてしまう。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、用紙をトレイから給送してから所定給送量以内にセンサによって用紙が検知されない場合に、ユーザに適切な対処を報知することができる搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1) 本発明の搬送装置は、シートが案内される搬送路と、シートを収容可能なトレイと、上記搬送路の外側部分を構成する外側ガイド部材と、上記搬送路の内側部分を構成する内側ガイド部材と、上記外側ガイド部材及び上記内側ガイド部材の上記搬送路における上流側の端部よりも下流側に設けられており、上記搬送路においてシートの有無を検知する第1検知部と、上記トレイに収容されているシートを上記第1検知部よりも下流側の上記搬送路の所定位置へ給送する給送動作を実行する給送部と、上記給送部の駆動量を検知する第2検知部と、上記外側ガイド部材を支持しており、上記内側ガイド部材を外部へ露出させる第1姿勢、及び上記搬送路をシートが案内される第2姿勢に上記外側ガイド部材と共に姿勢変化可能である可動部材と、上記搬送路におけるシート詰まりの発生の是非を判断する判断部と、第1情報が記憶される第1記憶部と、上記判断部によってシート詰まりが発生したと判断されたことを条件として、上記第1記憶部に第1情報を記憶させ、上記第1検知部によってシート有りが検知されたことを条件として、上記第1記憶部に記憶された第1情報を消去する第1制御部と、上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していないことを条件として、シートの給送不良である旨を報知し、上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していることを条件として、上記可動部材が上記第1姿勢である旨を報知する報知部と、を備える。
【0011】
判断部によってシート詰まりが発生したと判断された場合、ユーザは、シートを搬送路から取り除くために、可動部材を第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化させる。ユーザは、シートを搬送路から取り除いた後、可動部材を第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化させることを忘れるおそれがある。
【0012】
そこで、本構成によれば、第1制御部は、判断部によってシート詰まりが発生したと判断された場合、第1情報を第1記憶部に記憶する。当該記憶が行われている場合、報知部は、給送部が所定量駆動されるまでに第1検知部によってシート有りが検知されないことを条件として、可動部材が第1姿勢である旨を報知する。つまり、報知部は、ユーザが可動部材を閉じ忘れている可能性がある状況においては、可動部材が開いたままである旨をユーザに注意喚起することができる。
【0013】
一方、第1情報が第1記憶部に記憶されていない場合、可動部材が第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化された可能性は低い。このような場合、報知部は、給送部が所定量駆動されるまでに第1検知部によってシート有りが検知されないことを条件として、シートの給送不良である旨を報知する。つまり、報知部は、ユーザが可動部材を開く可能性が低い状況においては、シートがトレイに収容されていないことなどをユーザに注意喚起することができる。
【0014】
(2) 本発明の搬送装置は、上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していないことを条件として、上記給送部による上記給送動作を再実行させる第2制御部を更に備える。上記報知部による報知は、上記第2制御部の制御による上記給送動作の実行後に実行される。
【0015】
給送部が駆動されたにもかかわらず、シートが適切に給送されないおそれがある。例えば、給送部が回転することでシートを給送するローラである場合に、回転する当該ローラがシートに対してスリップすると、シートが適切に給送されない。本構成によれば、第1情報を記憶しておらず、第1検知部がシート有りを検知しない場合に、第2制御部が、給送動作を再実行するため、シートが適切に給送されない状態を是正できる可能性が高くなる。
【0016】
可動部材が第1姿勢の状態でシートが給送された場合、当該シートは可動部材によってガイドされないため、装置の外部へ飛び出してしまう。そこで、本構成においては、第1記憶部が第1情報を記憶していない場合(可動部材が第1姿勢である可能性が低い場合)に、給送動作が再実行される。つまり、第1記憶部が第1情報を記憶している場合(可動部材が第1姿勢である可能性がある場合)に、給送部による給送動作が再実行されない。これにより、装置の外部へ飛び出してしまうシートの枚数を少なくすることができる。
【0017】
(3) 上記第2制御部は、上記給送動作の開始からの上記給送部の駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していないことを条件として、上記給送部による上記給送動作を第1所定回数実行し、上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していることを条件として、上記給送部による上記給送動作を上記第1所定回数よりも少ない第2所定回数実行する。
【0018】
可動部材が第1姿勢の状態でシートが給送された場合、当該シートは可動部材によってガイドされないため、装置の外部へ飛び出してしまう。そこで、本構成においては、可動部材が第1姿勢である可能性がある場合、給送部によるシートの給送動作の回数が少なくされる。これにより、装置の外部へ飛び出してしまうシートの枚数を少なくすることができる。
【0019】
(4) 本発明の搬送装置は、上記搬送路におけるシート詰まりの位置を判定する判定部を更に備える。上記第1制御部は、上記判定部による判定結果に基づいて、上記第1記憶部に第1情報を記憶する。
【0020】
本構成によれば、例えば、可動部材が搬送装置の背面側に設けられている場合、シート詰まりの位置が搬送装置の背面側であれば、第1制御部は第1記憶部に第1情報を記憶することができる。一方、シート詰まりの位置が搬送装置の前面側であれば、第1制御部は第1記憶部に第1情報を記憶しないでおくことができる。以上より、第1制御部は、ユーザが可動部材を閉じ忘れる可能性がある状況において第1記憶部に第1情報を記憶しておくことができ、ユーザが可動部材を開く可能性が低い状況において第1記憶部に第1情報を記憶しないでおくことができる。
【0021】
(5) 本発明の搬送装置は、上記報知部による上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知を停止させるために操作される操作部と、上記操作部によって上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知が停止された回数を記憶する第2記憶部と、上記第1制御部によって上記第1記憶部に記憶された第1情報が消去されたことを条件として、上記第2記憶部に記憶された上記回数を消去する第3制御部と、上記第2記憶部に記憶された上記回数が第3所定回数であることを条件として、上記第1記憶部に記憶された第1情報を消去する第4制御部と、を更に備える。
【0022】
上記の(1)〜(4)の構成において、第1制御部は、第1検知部によってシート有りが検知されるまで、第1情報を第1記憶部から消去しない。この場合、以下のような問題が発生するおそれがある。閉じ忘れられていた可動部材が閉じられた直後に、トレイに収容されているシートが無くなった場合、シートがトレイに収容されていないという給送不良であるにもかかわらず、報知部は可動部材が第1姿勢である旨の誤報知を行ってしまう。
【0023】
そこで、本構成によれば、第4制御部は、報知部による報知を停止させる操作部の操作が第3所定回数行われたことを条件として、第1記憶部に記憶された第1情報を消去する。これにより、次に報知部による報知が行われる状態となったときに、報知部は適切な報知を実行することができる。つまり、本構成によれば、報知部による誤報知が多数回繰り返されることを防止することができる。
【0024】
(6) 本発明の搬送装置は、上記報知部による上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知を停止させるために操作される操作部と、上記操作部によって上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知が停止された回数を記憶する第2記憶部と、を更に備える。上記報知部は、上記第2記憶部に記憶された上記回数が第3所定回数であることを条件として、上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知に加えて、シートの給送不良である旨を報知する。
【0025】
本構成によれば、ユーザが報知部による報知に従って可動部材を第2姿勢にしたにもかかわらず、報知部によって可動部材が第1姿勢であると報知されることが、第3所定回数繰り返された場合、報知部は、可動部材が第1姿勢である旨に加えて、シートの給送不良である旨を報知する。これにより、ユーザは、シートの給送不良への対処を行うことができる。つまり、ユーザは、より適切な対処を行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明において、ユーザが可動部材を閉じ忘れる可能性がある状況においては、報知部が、可動部材が開いたままである旨をユーザに注意喚起する。一方、ユーザが可動部材を開く可能性が低い状況においては、報知部が、シートの給送不良である旨をユーザに注意喚起する。よって、本発明においては、用紙をトレイから給送してから所定給送量以内にセンサによって用紙が検知されない場合に、ユーザに適切な対処を報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、複合機1の外観斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部2の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図3は、マイクロコンピュータ130の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、記録制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、液晶表示部11に表示されるメッセージを模式的に示す図である。
【図6】図6は、変形例1における記録制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、変形例3における記録制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、変形例4における記録制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、ベクトルにおいて矢印を考慮して起点から終点に向かう進みが向きと表現され、ベクトルにおいて矢印を考慮せずに起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明では、複合機1が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向14が定義され、操作パネル9が設けられている側を手前側(正面)として前後方向12が定義され、複合機1を手前側(正面)から見て左右方向13が定義される。
【0029】
[複合機1の全体構成]
図1に示されるように、本発明の搬送装置を搭載する複合機1は、下部に配設されたプリンタ部2と、プリンタ部2の上部に配設されたスキャナ部3などを一体的に備えた多機能装置である。複合機1は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、及びファクシミリ機能などを有する。なお、本実施形態において、複合機1はプリンタ機能として片面画像記録機能のみ有しているが、複合機1は両面画像記録機能を有していてもよい。
【0030】
プリンタ部2は、正面に開口4が形成されたケーシング5を有する。ケーシング5内に、プリンタ部2の各構成要素が配設されている。各構成要素は、図2に示されるように、搬送路23、給紙トレイ20、排紙トレイ21、給送部17、シート検知部110、外側ガイド部材29、内側ガイド部材28、背面カバー40、及び記録部24などである。
【0031】
図1に示されるように、スキャナ部3は、プリンタ部2に対して開閉可能な本体カバー35を有する。本体カバー35内に、原稿がセットされるプラテンガラス(不図示)や、プラテンガラスにセットされた原稿を読み取るイメージセンサ(不図示)などが配設されている。本実施形態において、本体カバー35は、複合機1の背面側(後側)の蝶番(不図示)を介してプリンタ部2と連結されている。本体カバー35は、蝶番を軸として回動することによって、プリンタ部2に対して開閉される。なお、蝶番は、複合機1の背面側以外、例えば複合機1の左側面に設けられていてもよい。また、本体カバー35とプリンタ部2とは、蝶番以外によって連結されていてもよい。
【0032】
複合機1の上面の前方側であって、スキャナ部3の正面側の上面には、プリンタ部2やスキャナ部3を操作するための操作パネル9が設けられている。操作パネル9は、各種操作ボタン10や液晶表示部11から構成されている。本実施形態において、液晶表示部11はタッチパネルである。液晶表示部11には、後述されるメッセージなどが表示される。
【0033】
複合機1は、主にパーソナルコンピュータなどの外部情報機器(不図示)とLANなどを介して接続された状態で使用される。ユーザは、外部情報機器に設けられたキーボードやマウスなどの操作部を操作する。これにより、外部情報機器に設けられたハードディスクなどの記憶部に記憶された画像データを記録用紙19に記録するように指示するコマンドが、外部情報機器から複合機1の動作を統括する後述するマイクロコンピュータ130に画像データと共に送信される。また、スキャナ部3に原稿がセットされた状態、または複合機1の前面に設けられたスロット部7に小型メモリカードが装填された状態で、操作パネル9を構成する操作ボタン10のうちの1つであるスタートボタンがユーザによって押下されると、マイクロコンピュータ130は、原稿の画像を読み取ることによって取得される画像データ、または小型メモリカードに記憶された画像データを記録用紙19に記録する処理を開始する。以上より、複合機1は、操作パネル9または外部情報機器からのコマンドに基づいて、マイクロコンピュータ130(図3参照)により動作される。
【0034】
また、上述したように、複合機1は、本発明の搬送装置を備えている。搬送装置は、少なくとも、後述する搬送路23、給紙トレイ20、給送部17、シート検知部110、外側ガイド部材29、内側ガイド部材28、背面カバー40、EEPROM134、及びマイクロコンピュータ130を備えている。
【0035】
[給紙トレイ20及び排紙トレイ21]
開口4を通じて、給紙トレイ20(本発明のトレイの一例)が複合機1に対して装着及び脱抜可能である。なお、図1では、給紙トレイ20が省略されている。
【0036】
図2に示されるように、給紙トレイ20は、プリンタ部2に装着された状態において、記録部24の下方に配置されている。給紙トレイ20は、平面視で挿抜方向(本実施形態では前後方向12)へ長い矩形の皿状に概ね形成されている。給紙トレイ20には、A4サイズやB5サイズ等の所望のサイズの記録用紙19(本発明のシートの一例)が収容される。給紙トレイ20がプリンタ部2から脱抜された状態において、ユーザは給紙トレイ20へ記録用紙19を収容することができる。給紙トレイ20がプリンタ部2に装着された状態において、給紙トレイ20に収容された記録用紙19がプリンタ部2の搬送路23(本発明の搬送路の一例)へ供給可能となる。給紙トレイ20から搬送路23へ供給された記録用紙19は、記録部24によって画像が記録された後に排紙トレイ21の上面に排出される。排紙トレイ21は、排出された記録用紙19を載置可能である。排紙トレイ21は、給紙トレイ20の上側に配置されている。
【0037】
[給送部17]
図2に示されるように、給紙トレイ20の上側には、給送部17(本発明の給送部の一例)が設けられている。給送部17は、給紙ローラ25、給紙アーム26、駆動伝達機構27、及び給紙モータ76(図3参照)を備えている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下動する給紙アーム26の端部で軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構27によって、給紙モータ76の駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上の記録用紙19に圧接して、その状態で回転する。これにより、給紙トレイ20に収容されている記録用紙19が、以下で説明される搬送路23へ給送される。
【0038】
記録用紙19は、給紙トレイ20から後述する搬送ローラ対54までの搬送路23、つまり湾曲路23Aを、給送部17によって搬送される。一方、記録用紙19は、搬送ローラ対54に挟持されると、以後、搬送ローラ対54によって直線路23Bを搬送される。ここで、図2に示されるように、搬送ローラ対54は、後述するシート検知部110よりも搬送路23の下流側に位置される。つまり、給送部17は、給紙トレイ20に収容されている記録用紙19をシート検知部110よりも下流側の搬送ローラ対54による挟持位置(本発明の所定位置の一例)へ給送する。当該給送、つまり給送部17による給紙トレイ20から挟持位置までの記録用紙19の給送は、以後、給送動作(本発明の給送動作に相当)とも称される。
【0039】
[搬送路23]
図2に示されるように、プリンタ部2の内部には、給紙トレイ20の先端(後方側の端部)から記録部24を経て排紙トレイ21に至り、記録用紙19を案内可能な搬送路23が形成されている。搬送路23は、給紙トレイ20の先端から搬送ローラ対54に至る間に形成された湾曲路23Aと、搬送ローラ対54から排紙トレイ21に至る間に形成された直線路23Bとに区分される。
【0040】
湾曲路23Aは、給紙トレイ20の先端付近から搬送ローラ対54に亘って延設された湾曲状の通路である。記録用紙19は、湾曲路23Aを搬送向き(図2において一点鎖線に付された矢印の向き)に湾曲されて案内される。湾曲路23Aは、搬送ローラ対54において直線路23Bと連続している。
【0041】
湾曲路23Aは、所定間隔を隔てて互いに対向する内側ガイド部材28(本発明の内側ガイド部材に相当)及び外側ガイド部材29(本発明の外側ガイド部材に相当)によって区画されている。内側ガイド部材28及び外側ガイド部材29は、少なくとも湾曲路23A側の面が湾曲された概ね薄板形状の部材である。内側ガイド部材28は湾曲路23Aの内側部分を構成しており、外側ガイド部材29は湾曲路23Aの外側部分を構成している。
【0042】
直線路23Bは、湾曲路23Aにおける搬送向きの下流端、つまり搬送ローラ対54から排紙トレイ21に亘って前後方向12に延設された直線状の通路である。記録用紙19は、直線路23Bを搬送向き(図2において破線に付された矢印の向き)に案内される。記録用紙19は、記録部24によって画像を記録された後に排紙トレイ21に排出される。直線路23Bは、記録部24が配置されている位置において、後述するキャリッジ67及びプラテン66によって区画されている。また、直線路23Bは、記録部24が配置されている位置以外において、所定間隔を隔てて互いに対向する外側ガイド部材29及び内側ガイド部材28によって区画されている。
【0043】
[背面カバー40]
図2に示されるように、プリンタ部2の背面、つまりプリンタ部2の後側の面には、背面カバー40(本発明の可動部材の一例)が取り付けられている。背面カバー40は、後側の面が概ね矩形である薄板形状の部材である。背面カバー40の前側には、外側ガイド部材29が取り付けられている。これにより、外側ガイド部材29は、背面カバー40に支持される。
【0044】
背面カバー40の下端近傍には、左右方向13(図2の紙面垂直方向)へ延びている軸41が設けられている。背面カバー40は、軸41を中心として、矢印42の方向に回動可能に構成されている。背面カバー40は、当該回動により、閉塞姿勢(図2に実線で示される姿勢、本発明の第2姿勢の一例)と、露出姿勢(図2に破線で示される姿勢、本発明の第1姿勢の一例)に姿勢変化する。上述したように、外側ガイド部材29は背面カバー40に取り付けられているため、背面カバー40は、外側ガイド部材29と共に姿勢変化する。なお、本実施形態では、背面カバー40は回動により姿勢変化するように構成されているが、背面カバー40は着脱可能に構成されていてもよい。この場合、背面カバー40がプリンタ部2に取り付けられている状態が本発明の第2姿勢であり、背面カバー40がプリンタ部2から取り外されている状態が本発明の第1姿勢である。
【0045】
背面カバー40が閉塞姿勢である場合、内側ガイド部材28は、外側ガイド部材29によって後側を覆われているため、複合機1の外部から遮蔽されている。また、背面カバー40が閉塞姿勢である場合、内側ガイド部材28及び外側ガイド部材29は、湾曲路23Aを区画して、記録用紙19をガイドする。これにより、記録用紙19は、湾曲路23Aを案内される。一方、背面カバー40が露出姿勢である場合、内側ガイド部材28は、プリンタ部2の後側に露出された状態となる。また、外側ガイド部材29は、背面カバー40が露出姿勢である場合には後方へ傾倒するため、湾曲路23Aを区画せず、記録用紙19をガイドしない。
【0046】
[搬送ローラ対54及び排出ローラ対55]
図2に示されるように、内側ガイド部材28及び外側ガイド部材29よりも搬送向き15の下流側、且つ記録部24よりも搬送向き15の上流側には、搬送路23に対して上側に配置された搬送ローラ47と搬送路23に対して下側に配置されたピンチローラ48とを有する搬送ローラ対54が設けられている。記録部24よりも搬送向き15の下流側には、搬送路23に対して下側に配置された排紙ローラ49と搬送路23に対して上側に配置された拍車50とを有する排出ローラ対55が設けられている。排出ローラ対55よりも搬送向き15の下流側には、排紙トレイ21が配置されている。
【0047】
搬送ローラ47及び排紙ローラ49は、搬送モータ59(図3参照)から駆動伝達機構(不図示)を介して駆動力が伝達されて回転される。搬送ローラ47が正転駆動(図2における反時計回りに駆動)されることで、給紙トレイ20から給送された記録用紙19は、搬送ローラ対54により狭持されて、搬送向きに搬送される。排紙ローラ49が正転駆動(図2における時計回りに駆動)されることで、記録部24による画像記録済みの記録用紙19は、排出ローラ対55により狭持されて、搬送向きに搬送される。
【0048】
[ロータリーエンコーダ68]
図2に示されるように、給紙ローラ25の回転量(本発明の駆動量の一例)を検知するロータリーエンコーダ68(図3参照)が設けられている。ロータリーエンコーダ68は、例えば、給紙ローラ25と同軸に設けられて給紙ローラ25と共に回転するエンコーダディスク(不図示)と光学センサ(不図示)とからなる。エンコーダディスクには、その円周方向に一定間隔で光を透過する透過部と光を透過しない非透過部とが等ピッチで交互に配置されたパターンが形成されている。給紙ローラ25と共にエンコーダディスクが回転すると、光学センサによって透過部を透過した光が検出される毎にパルス信号が生成される。パルス信号はマイクロコンピュータ130へと出力される。
【0049】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、インクジェット方式によって記録用紙19に画像を記録するものであり、直線路23Bに設けられている。詳細には、記録部24は、直線路23Bの上側に設けられている。記録部24は、図2の紙面と垂直な方向(左右方向13)へ往復移動するキャリッジ67と、移動されるキャリッジ67を検出するためのリニアエンコーダ43(図3参照)を備えている。キャリッジ67には、記録ヘッド65が搭載されている。記録ヘッド65の下面には複数のノズルが設けられている。各ノズルは、各色インクごとに設けられている。各ノズルから各色インクが微小なインク滴として吐出される。
【0050】
以上より、記録ヘッド65が、記録部24の下方に設けられたプラテン66上を搬送される記録用紙19に対して左右方向13に走査されつつ、記録用紙19に対してインク滴を吐出する。これにより、記録用紙19に画像が記録される。ここで、プラテン66は、搬送路23に沿って搬送される記録用紙19を支持する部材である。なお、記録部24は、インクジェット方式によって記録用紙19に画像を記録するものに限らず、例えば電子写真方式によって記録用紙19に画像を記録するものであってもよい。
【0051】
[シート検知部110]
図2に示されるように、プリンタ部2は、搬送路23を搬送される記録用紙19の有無を検知するシート検知部110(本発明の第1検知部の一例)を備えている。シート検知部110は、搬送ローラ対54よりも搬送向き15の上流側に設けられている。シート検知部110は、外側ガイド部材29及び内側ガイド部材28の搬送路23における上流側の端部29A、28Aよりも下流側に設けられている。本実施形態において、シート検知部110は、内側ガイド部材28に取り付けられているが、シート検知部110は、外側ガイド部材29及び内側ガイド部材28の搬送路23における上流側の端部29A、28Aよりも下流側に設けられているならば、外側ガイド部材29に取り付けられていてもよいし、複合機1のフレームなどのガイド部材28、29以外の部材に取り付けられていてもよい。
【0052】
シート検知部110は、例えば、検出子112A、112Bを有する回転体112と、発光素子(例えば発光ダイオード)及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子(例えばフォトトランジスタ)を有するフォトインタラプタ等の光学センサ111とにより構成されている。回転体112は、支軸113を中心に回転可能に設けられている。検出子112Aは支軸113から搬送路23に突出している。回転体112に外力が加えられていない状態で、検出子112Bは、光学センサ111の発光素子から受光素子に至る光路に進入して、当該光路を通る光を遮断している。回転体112が記録用紙19の先端に押されることによって回転すると、検出子112Bは当該光路から外れて、当該光路に光が通る。
【0053】
なお、本実施形態において、シート検知部110は、回転体112が記録用紙19と接触する構成であるが、シート検知部110は、記録用紙19と接触することなく記録用紙19を検知可能な構成であってもよい。この場合、例えば、発光素子または受光素子の一方が外側ガイド部材29に取り付けられ、他方が内側ガイド部材28に取り付けられていればよい。そして、シート検知部110は、記録用紙19が搬送路23における発光素子から受光素子に至る光路に進入しているか否かによって、搬送路23における記録用紙19の有無を検知可能に構成されていてもよい。
【0054】
[排出検知部120]
図2に示されるように、プリンタ部2は、搬送路23から排出される記録用紙19を検知する排出検知部120を備えている。排出検知部120は、搬送路23において、記録部24及び排出ローラ対55の間に設けられている。なお、排出検知部120は、排出ローラ対55及び排紙トレイ21の間に設けられていてもよい。排出検知部120は、例えば、検出子122A、122B及び支軸123を有する回転体122と、発光素子(例えば発光ダイオード)及び当該発光素子から発光された光を受光する受光素子(例えばフォトトランジスタ)を有するフォトインタラプタ等の光学センサ121とにより構成されている。排出検知部120の構成は、シート検知部110と同様であるため、ここではこれ以上の詳細な説明は省略される。
【0055】
[マイクロコンピュータ130]
以下、図3が参照されて、マイクロコンピュータ130の概略構成が説明される。マイクロコンピュータ130が後述するフローチャートにしたがって記録制御を行うことによって、本発明が実現される。マイクロコンピュータ130は、複合機1の全体動作を制御するものである。マイクロコンピュータ130は、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134(本発明の記憶部の一例)、ASIC135、及びこれらを相互に接続する内部バス137を備えている。
【0056】
ROM132には、CPU131が複合機1の記録制御を含む各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域として使用される。
【0057】
EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。本実施形態において、EEPROM134には、第1情報(本発明の第1情報に相当)が記憶される。ここで、第1情報とは、例えば、EEPROM134の所定のアドレスに設定されたフラグである。本実施形態において、第1情報は、用紙詰まり(本発明のシート詰まりの一例)が発生したときにオンとなり、用紙詰まりが解除されてから搬送路23を給送される記録用紙19がシート検知部110によって検知されたときにオフとなるフラグである。
【0058】
なお、本実施形態においては、第1情報はEEPROM134に記憶されるが、第1情報はRAM133に記憶されてもよい。例えば、第1情報は、複合機1の電源がオフの場合、EEPROM134に記憶されており、複合機1の電源がオンとなった場合、EEPROM134からRAM133に移動またはコピーされてもよい。そして、第1情報は、複合機1の電源がオンの間、RAM133に記憶されており、複合機1の電源がオフとなるときに、RAM133からEEPROM134に移動またはコピーされてもよい。
【0059】
ASIC135には、搬送モータ59、給紙モータ76、キャリッジ駆動モータ103、リニアエンコーダ43、ロータリーエンコーダ68、シート検知部110の光学センサ111、排出検知部120の光学センサ121、及び操作パネル9などが接続されている。
【0060】
ASIC135には、各モータを制御する駆動回路が組み込まれている。CPU131から所定のモータに応じた駆動回路に各モータを回転させるための駆動信号が入力されると、駆動信号に応じた駆動電流が駆動回路から対応するモータへ出力される。これにより、対応するモータが所定の回転速度で正転又は逆転する。
【0061】
シート検知部110の光学センサ111、及び排出検知部120の121は、受光素子で受けた光の強度に応じたアナログの電気信号(電圧信号又は電流信号)を出力する。出力された信号は、マイクロコンピュータ130に入力される。マイクロコンピュータ130は、入力された信号の電気的レベル(電圧値または電流値)が所定の閾値以上であるかどうかを判断する。入力された信号が所定の閾値以上である場合にHIGHレベル信号と判定され、所定の閾値未満の場合にLOWレベル信号と判定される。これにより、マイクロコンピュータ130は、シート検知部110及び排出検知部120による記録用紙19の検知の有無を判断する。つまり、マイクロコンピュータ130は、シート検知部110の位置に記録用紙19が存在しているか否か、及び排出検知部120の位置に記録用紙19が存在しているか否かを判断する。以上より、シート検知部110及びマイクロコンピュータ130は、本発明の第1検知部の一例である。
【0062】
また、ASIC135には、ロータリーエンコーダ68から出力されるパルス信号が入力される。マイクロコンピュータ130は、ロータリーエンコーダ68からのパルス信号に基づいて、給紙ローラ25の回転量を算出する。つまり、マイクロコンピュータ130は、ロータリーエンコーダ68からのパルス信号に基づいて、給紙ローラ25の回転量を検知する。以上より、ロータリーエンコーダ68及びマイクロコンピュータ130は、本発明の第2検知部の一例である。
【0063】
また、ASIC135には、リニアエンコーダ43から出力されるパルス信号が入力される。マイクロコンピュータ130は、リニアエンコーダ43からのパルス信号に基づいて、キャリッジ67の左右方向13における位置を検出する。
【0064】
マイクロコンピュータ130は、後述するように、記録制御の実行において、所定の条件を具備した場合に、操作パネル9の液晶表示部11に所定のメッセージを表示する。これにより、所定の情報が、複合機1のユーザに報知される。なお、当該報知は、液晶表示部11へのメッセージの表示によるものには限らず、例えば、スピーカーからの音声メッセージの出力によるものや、LEDの点滅の仕方によってメッセージの内容を示すものであってもよい。
【0065】
[記録制御]
上述の如く構成されたプリンタ部2においては、マイクロコンピュータ130の制御によって記録用紙19が給紙され、画像データが記録用紙19へ記録される一連の記録制御が実行される。以下、図4のフローチャート及び図5に基づいて、記録制御の処理手順が説明される。
【0066】
外部情報機器からマイクロコンピュータ130に、或いは操作パネル9の操作によってマイクロコンピュータ130に、画像データを給紙トレイ20に収容された記録用紙19に記録(以下、画像記録とも称される。)する旨のコマンドが入力されると、マイクロコンピュータ130は、用紙詰まりが発生しているか否かを判定する(S120)。用紙詰まりが発生している場合(S120:Yes)、後述するステップS125以降の処理が実行される。なお、ステップS120、S125における用紙詰まりの発生の判定については、後述される。
【0067】
一方、用紙詰まりが発生していない場合(S120:No)、マイクロコンピュータ130は、給紙モータ76を駆動して給紙ローラ25を回転させる。これにより、給紙トレイ20に収容された記録用紙19は、搬送ローラ対54に向かって搬送路23に沿って搬送される(S20)。
【0068】
マイクロコンピュータ130は、ロータリーエンコーダ68からのパルス信号に基づいて、給紙モータ76の駆動開始からの給紙ローラ25の回転量を算出する。また、マイクロコンピュータ130は、シート検知部110の光学センサ111からの入力信号の値を参照する。そして、マイクロコンピュータ130は、給紙ローラ25の回転量が所定回転量(本発明の所定駆動量の一例)となるまでの間に、光学センサ111から入力された電気信号がLOWレベル(オフ)からHIGHレベル(オン)に変わったか否かを判定する。つまり、マイクロコンピュータ130は、給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されたか否かを判定する(S30)。ここで、所定回転量は、記録用紙19が給紙トレイ20からシート検知部110まで(或いはシート検知部110よりも若干量だけ搬送路23の下流側まで)搬送されるために要する給紙ローラ25の回転量として、予め設定された回転量である。
【0069】
給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知された場合(S30:Yes)、マイクロコンピュータ130は、搬送モータ59を駆動して搬送ローラ47を回転させる。これにより、給紙ローラ25によって搬送路23を搬送されてきた記録用紙19は、搬送ローラ対54に挟持される。そして、記録用紙19は、搬送ローラ対54によって、記録ヘッド65の直下に向かって搬送される(S40)。なお、マイクロコンピュータ130は、搬送モータ59を、記録用紙19がシート検知部110によって検知される前、例えば給紙モータ76の駆動開始と同時に駆動してもよい。
【0070】
一方、給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されなかった場合(S30:No)、マイクロコンピュータ130は、EEPROM134に第1情報が記憶されているか否か判定する(S50)。なお、第1情報は、後述するステップS140においてEEPROM134に記憶され、後述するステップS170においてEEPROM134から消去される。つまり、ステップS50において、マイクロコンピュータ130は、今回の記録制御よりも前に実行された別の記録用紙19に対する記録制御において、第1情報がEEPROM134に記憶されたか否かを判定する。
【0071】
第1情報がEEPROM134に記憶されている場合(S50:Yes)、マイクロコンピュータ130は、背面カバー40が露出姿勢である旨を、複合機1のユーザに報知する。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(A)に示されるようなメッセージを表示させる(S60)。つまり、マイクロコンピュータ130は、ロータリーエンコーダ68によって検知される給送部17の給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間にシート検知部110が記録用紙19有りを検知せず(S30:No)、且つEEPROM134が第1情報を記憶していることを条件として(S50:Yes)、背面カバー40が露出姿勢である旨を報知する(S60)。即ち、ステップS30、S50、S60の処理は、本発明の報知部に相当する。当該メッセージは、当該メッセージに従ってスタートボタンを押下するまで表示される(S70:No)。スタートボタンが押下されると(S70:Yes)、用紙詰まり発生の判定の後(S120)、新たな記録用紙19が給紙トレイ20から給紙ローラ25によって給送される(S20)。
【0072】
一方、第1情報がEEPROM134に記憶されていない場合(S50:No)、マイクロコンピュータ130は、ステップS20と同様の処理、つまり再給紙処理を行う。これにより、新たな記録用紙19が給紙トレイ20から給紙ローラ25によって給送される(S80)。再給紙処理が実行される目的は、給紙ローラ25のスリップ等により記録用紙19が適切に給送されない場合に、再度給送を試みることである。また、再給紙処理が実行される場合、背面カバー40が開いている可能性は低い。
【0073】
つまり、マイクロコンピュータ130は、ロータリーエンコーダ68によって検知される給送部17の給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間にシート検知部110がシート有りを検知せず(S30:No)、且つEEPROM134が第1情報を記憶していないことを条件として(S50:No)、給送部17による給送動作を再実行させる(S80)。
【0074】
なお、記録制御において、再給紙処理は実行されなくてもよい。つまり、ステップS50の次にステップS90が実行されてもよい。
【0075】
一方、後述するように、マイクロコンピュータ130は、ステップS50においてEEPROM134が第1情報を記憶していない場合、給送部17による給送動作を再実行させることなく、ステップS60の処理を実行する。即ち、ステップS30、S50、S80の処理は、本発明の第2制御部に相当する。
【0076】
次に、マイクロコンピュータ130は、新たに給送された記録用紙19が給紙ローラ25の所定回転量の回転までにシート検知部110によって検知されたか否かの判定、つまりステップS30と同様の判定を行う(S90)。なお、ステップS90における所定回転量は、ステップS30における所定回転量と同じ回転量でもよいし、ステップS30における所定回転量と異なる回転量でもよい。例えば、再給紙処理(S80)の場合の所定回転量が、給紙処理(S20)の場合の所定回転量よりも少なく設定されてもよい。
【0077】
給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知された場合(S90:Yes)、マイクロコンピュータ130は、ステップS40の処理を実行する。これにより、記録用紙19は、搬送ローラ対54によって、記録ヘッド65の直下に向かって搬送される(S40)。
【0078】
一方、給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されなかった場合(S90:No)、マイクロコンピュータ130は、記録用紙19の給送不良である旨を、複合機1のユーザに報知する。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(B)に示されるようなメッセージを表示させる(S100)。つまり、ユーザに対する報知は、ステップS80の給送動作の再実行の後に実行される。なお、図5(B)においては、「給紙トレイに用紙があるか確認して下さい」とのメッセージが表示されているが、給紙トレイ20が着脱可能である場合には、上記のメッセージに加えて、「給紙トレイの装着の有無を確認して下さい」とのメッセージが表示されてもよい。
【0079】
ここで、記録用紙19の給送不良は、給紙トレイ20に記録用紙19が収容されていないために記録用紙19が湾曲路23Aを搬送されない場合の他、給紙トレイ20が複合機1から脱抜されているために記録用紙19が湾曲路23Aを搬送されない場合も含む。
【0080】
以上より、マイクロコンピュータ130は、ロータリーエンコーダ68によって検知される給送部17の給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間にシート検知部110が記録用紙19有りを検知せず(S30:No)、且つEEPROM134が第1情報を記憶していないことを条件として(S50:No)、記録用紙19の給送不良である旨を報知する(S100)。即ち、ステップS30、S50、S60の処理と同様に、ステップS100の処理も、本発明の報知部に相当する。当該メッセージは、当該メッセージに従ってスタートボタンがユーザによって押下されるまで表示される(S110:No)。スタートボタンが押下されると(S110:Yes)、用紙詰まり発生の判定の後(S120)、新たな記録用紙19が給紙トレイ20から給紙ローラ25によって給送される(S20)。
【0081】
ステップS30において、給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知された場合(S30:Yes)、マイクロコンピュータ130は、搬送ローラ対54による記録用紙19の搬送を開始させるとともに(S40)、EEPROM134から第1情報を消去する(S170)。つまり、ステップS170の処理は、本発明の第1制御部に相当する。その後、マイクロコンピュータ130は、記録部24を制御して記録用紙19に対する画像記録を実行する(S180)。
【0082】
記録用紙19に対する画像記録が開始されてから、記録用紙19が排出検知部120によって検知されるまでの間に、用紙詰まりが発生した場合(S190:Yes)、後述するステップS200以降の処理が実行される。なお、ステップS190における用紙詰まりの発生の判定については、後述される。
【0083】
ステップS190において、記録用紙19が排出検知部120によって検知されるまでに、用紙詰まりが発生しなかった場合(S190:No)、記録用紙19は、排出ローラ対55によって排紙トレイ21へ排出される(S210)。
【0084】
記録用紙19が排出検知部120によって検知された以降に、用紙詰まりが発生した場合(S220:Yes)、後述するステップS230以降の処理が実行される。なお、ステップS220における用紙詰まりの発生の判定については、後述される。
【0085】
記録用紙19が排出検知部120によって検知された以降に、用紙詰まりが発生しなかった場合(S220:No)、マイクロコンピュータ130は、全頁の画像記録が終了しているか否かを判定する(S240)。全頁の画像記録が終了していない場合(S240:No)、次頁の画像データが記録される新たな記録用紙19が給紙トレイ20から給紙ローラ25によって給送される(S20)。全頁の画像記録が終了している場合(S240:Yes)、一連の記録制御は終了する。
【0086】
以下、用紙詰まりの発生の判定、及び用紙詰まりが発生した場合の処理が、詳述される。
【0087】
ステップS120において用紙詰まりが発生した場合(S120:Yes)、ステップS125の処理が実行される。ここで、ステップS120、S125において、用紙詰まりの発生は、例えば、以下のようにして判定される。マイクロコンピュータ130は、ステップS120の時点において、シート検知部110または排出検知部120によって記録用紙19が検知されているか否かを判定する。記録用紙19がシート検知部110または排出検知部120によって検知されていた場合、マイクロコンピュータ130は、シート検知部110によって記録用紙19が検知されているか否かを判定する(S125)。
【0088】
記録用紙19がシート検知部110によって検知されている場合(S125:Yes)、給送部17が記録用紙19の給送を開始していないにもかかわらず、少なくとも湾曲路23Aに記録用紙19が存在していることになる。つまり、マイクロコンピュータ130は、湾曲路23A、つまり複合機1の背面付近に記録用紙19が詰まっていると判定する。この場合、ステップS130以降の処理が実行される。一方、記録用紙19がシート検知部110によって検知されていない場合(S125:No)、給送部17が記録用紙19の給送を開始していないにもかかわらず、直線路23Bに記録用紙19が存在していることになる。つまり、マイクロコンピュータ130は、複合機1の前面付近に記録用紙19が詰まっていると判定する。この場合、後述するステップS230以降の処理が実行される。
【0089】
ステップS130において、マイクロコンピュータ130は、背面カバー40を露出姿勢にすることによって、記録用紙19を搬送路23から取り除く旨を、複合機1のユーザに報知する。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(C)に示されるようなメッセージを表示させる。
【0090】
次に、マイクロコンピュータ130は、第1情報をEEPROM134に記憶する(S140)。その後、記録用紙19が詰まった状態が解除される処理が実行される(S150)。ステップS150の処理については後述する。
【0091】
一方、ステップS230において、マイクロコンピュータ130は、給紙トレイ20をプリンタ部2から引き出すことによって、記録用紙19を搬送路23から取り除く旨を、複合機1のユーザに報知する。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(F)に示されるようなメッセージを表示させる。その後、ステップS150以降の処理が実行される。
【0092】
ステップS150の処理を以下に詳述する。ステップS150において、マイクロコンピュータ130は、シート検知部110及び排出検知部120が記録用紙19を検知しているか否かを判定する。シート検知部110または排出検知部120の少なくとも一方が記録用紙19を検知していると、マイクロコンピュータ130は、記録用紙19が詰まった状態が解除されていないと判定する。一方、記録用紙19が搬送路23から取り除かれることによって、シート検知部110及び排出検知部120が記録用紙19を検知しなくなると、マイクロコンピュータ130は、記録用紙19が詰まった状態が解除されたと判定する。例えば、ユーザが、ステップS130のメッセージに従って、背面カバー40を開いて記録用紙19を取り除くと、記録用紙19がシート検知部110によって検知されなくなる。
【0093】
更に、本実施形態では、ステップS150において、ステップS160の処理の実行前に、更に以下の処理が実行される。マイクロコンピュータ130は、記録用紙19がシート検知部110及び排出検知部120によって検知されなくなった場合、操作パネル9を制御して、液晶表示部11にそれまで表示されていたメッセージ(図5(C)、(F)に示されるようなメッセージ)を消して、代わりに液晶表示部11に図5(D)に示されるようなメッセージを表示させる。ユーザは、当該メッセージに従って、本体カバー35を開けて複合機1の内部に異物がないことを確かめて、本体カバー35を再び閉める。ここで、本体カバー35またはプリンタ部2の少なくとも一方には、本体カバー35が開閉を検知する検知部(不図示)が設けられており、マイクロコンピュータ130は、当該検知部からの検知信号によって、本体カバー35が開かれたこと及び閉じられたことを検知する。なお、図5(D)に示されるようなメッセージは、本体カバー35が閉められてジャムが解除されていることが検知されると液晶表示部11から消される。本体カバー35が閉じられることにより、複合機1は通常の状態となり、マイクロコンピュータ130はステップS160の処理を実行する。
【0094】
なお、複合機1が通常の状態となったか否かは、シート検知部110及び排出検知部120が記録用紙19を検知しているか否かによって判定されればよい。よって、上述した本体カバー35の開閉処理は、必ずしも実行される必要はない。なお、開閉処理が実行されない場合は、スタートボタンが押下されることにより、複合機1は通常の状態となり、マイクロコンピュータ130はステップS160の処理を実行する。
【0095】
ステップS160において、マイクロコンピュータ130は、RAM133に未だ記録用紙19に記録されていない画像データが存在しているか否かを判定する。例えば、外部情報機器から複数の画像データが送られてきた場合、RAM133に未だ記録用紙19に記録されていない画像データが存在している可能性がある。このような未画像記録の画像データがRAM133に存在している場合(S160:Yes)、用紙詰まり発生の判定の後(S120)、当該画像データが記録される新たな記録用紙19が給紙トレイ20から給紙ローラ25によって給送される(S20)。一方、このような未画像記録の画像データがRAM133に存在していない場合(S160:No)、一連の記録制御は終了する。
【0096】
ステップS190において用紙詰まりが発生した場合(S190:Yes)、ステップS200の処理が実行される。ここで、ステップS190における用紙詰まりの発生は、例えば、以下のようにして判定される。記録部24による記録用紙19への画像記録の実行中に、移動していたキャリッジ67が目標位置に到達せずに停止した場合、マイクロコンピュータ130は、キャリッジ67が記録用紙19と衝突したと判定する。そして、マイクロコンピュータ130は、記録用紙19がプリンタ部2の前後方向12における中央部の直線路23Bで詰まったと判定する。なお、キャリッジ67の停止は、リニアエンコーダ43からのパルス信号に基づいて判定される。
【0097】
ステップS200において、マイクロコンピュータ130は、本体カバー35を開くことによって、記録用紙19を搬送路23から取り除く旨を、複合機1のユーザに報知する(S200)。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(E)に示されるようなメッセージを表示させる。
【0098】
その後、マイクロコンピュータ130は、第1情報をEEPROM134に記憶して(S140)、上述したステップS150以降の処理を実行する。
【0099】
ステップS220において用紙詰まりが発生した場合(S220:Yes)、ステップS230の処理が実行される。ここで、ステップS220における用紙詰まりの発生は、例えば、以下のようにして判定される。排出検知部120によって記録用紙19が検知されてからの排紙ローラ49の回転量が設定回転量より多くなっても、記録用紙19が検知された状態が維持されている場合、マイクロコンピュータ130は、記録用紙19がプリンタ部2の前側、つまり前面付近の搬送路23で詰まったと判定する。ここで、設定回転量は、記録用紙19の先端が排出検知部120を通過してから記録用紙19の後端が排出検知部120を通過するまでに要する排紙ローラ49の回転量として、予め設定された回転量である。なお、排紙ローラ49の回転量は、ロータリーエンコーダ68と同様の構成のロータリーエンコーダが排紙ローラ49に設けられ、当該ロータリーエンコーダからのパルス信号がマイクロコンピュータ130に入力されることによって算出可能である。
【0100】
ステップS230において、マイクロコンピュータ130は、給紙トレイ20をプリンタ部2から引き出すことによって、記録用紙19を搬送路23から取り除く旨を、複合機1のユーザに報知する。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(F)に示されるようなメッセージを表示させる。その後、上述したステップS150以降の処理が実行される。
【0101】
以上より、ステップS30の処理と同様に、ステップS120、S190、S220の処理も、本発明の判断部に相当する。
【0102】
また、以上より、ステップS120、S190、S220における判定結果によって、記録用紙19が詰まった位置が、複合機1の背面付近、中央付近、及び前面付近のいずれであるのかが判別できる。つまり、ステップS120、S190、S220の処理は、本発明の判定部に相当する。
【0103】
また、以上より、マイクロコンピュータ130は、ステップS125またはステップS190において、複合機1の背面付近に記録用紙19が詰まっていると判定したことを条件として(S120:Yes、S190:Yes)、EEOROM134に第1情報を記憶させる(S140)。つまり、ステップS170の処理と同様に、ステップS140の処理も、本発明の第1制御部に相当する。一方、マイクロコンピュータ130は、ステップS220において用紙詰まりが発生したと判定されたとしても(S220:Yes)、EEOROM134に第1情報を記憶させない。つまり、マイクロコンピュータ130は、ステップS120、S190、S220における判定結果に基づいて、EEPROM134に第1情報を記憶するか否かを決定している。
【0104】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、マイクロコンピュータ130によって用紙詰まりが発生したと判断された場合、ユーザは、記録用紙19を搬送路23から取り除くために、背面カバー40を閉塞姿勢から露出姿勢へ姿勢変化させる。ユーザは、記録用紙19を搬送路23から取り除いた後、背面カバー40を露出姿勢から閉塞姿勢へ姿勢変化させることを忘れるおそれがある。
【0105】
そこで、本実施形態によれば、マイクロコンピュータ130は、用紙詰まりが発生したと判断した場合、第1情報をEEPROM134に記憶する。当該記憶が行われている場合、マイクロコンピュータ130は、給送部17が所定量駆動されるまでにシート検知部110によって記録用紙19有りが検知されないことを条件として、背面カバー40が露出姿勢である旨を液晶表示部11に表示する。つまり、マイクロコンピュータ130は、ユーザが背面カバー40を閉じ忘れている可能性がある状況においては、背面カバー40が開いたままである旨をユーザに注意喚起することができる。
【0106】
一方、第1情報がEEPROM134に記憶されていない場合、背面カバー40が閉塞姿勢から露出姿勢へ姿勢変化された可能性は低い。このような場合、マイクロコンピュータ130は、給送部17が所定量駆動されるまでにシート検知部110によって記録用紙19有りが検知されないことを条件として、記録用紙19の給送不良である旨を液晶表示部11に表示する。つまり、マイクロコンピュータ130は、ユーザが背面カバー40を開く可能性が低い状況においては、記録用紙19が給紙トレイ20に収容されていないことなどをユーザに注意喚起することができる。
【0107】
よって、本実施形態においては、用紙をトレイから給送してから所定給送量以内にセンサによって用紙が検知されない場合に、ユーザに最適な対処を報知することができる。
【0108】
また、給送部17が駆動されたにもかかわらず、記録用紙19が適切に給送されないおそれがある。例えば、回転する給紙ローラ25が記録用紙19に対してスリップすると、記録用紙19が適切に給送されない。そこで、本実施形態によれば、第1情報を記憶しておらず、シート検知部110が記録用紙19有りを検知しない場合に、マイクロコンピュータ130が、給送動作を再実行する。これにより、記録用紙19が適切に給送されない状態を是正できる可能性が高くなる。
【0109】
しかし、背面カバー40が露出姿勢の状態で記録用紙19が給送された場合、当該記録用紙19は背面カバー40によってガイドされないため、複合機1の外部へ飛び出してしまう。そこで、本実施形態においては、EEPROM134が第1情報を記憶していない場合(背面カバー40が露出姿勢である可能性が低い場合)には、給送動作が再実行される。つまり、EEPROM134が第1情報を記憶している場合(背面カバー40が露出姿勢である可能性がある場合)に、給送部17による給送動作が再実行されない。これにより、複合機1の外部へ飛び出してしまう記録用紙19の枚数を少なくすることができる。
【0110】
また、本実施形態によれば、例えば、背面カバー40が複合機1の背面側に設けられている場合、用紙詰まりの位置が複合機1の背面側であれば、マイクロコンピュータ130はEEPROM134に第1情報を記憶することができる。一方、用紙詰まりの位置が複合機1の前面側であれば、マイクロコンピュータ130はEEPROM134に第1情報を記憶しないでおくことができる。以上より、マイクロコンピュータ130は、ユーザが背面カバー40を閉じ忘れる可能性がある状況においてEEPROM134に第1情報を記憶しておくことができ、ユーザが背面カバー40を開く可能性が低い状況においてEEPROM134に第1情報を記憶しないでおくことができる。
【0111】
[実施例の変形例1]
上述の実施形態において、マイクロコンピュータ130は、EEPROM134に第1情報が記憶されていないと判定した場合(S50:No)、再給紙処理を行い(S80)、EEPROM134に第1情報が記憶されていると判定した場合(S50:Yes)、再給紙を行わなかった。しかし、マイクロコンピュータ130は、EEPROM134に第1情報が記憶されていないと判定した場合(S50:No)、再給紙を予め設定された第1所定回数(本発明の第1所定回数に相当)だけ実行し、EEPROM134に第1情報が記憶されていると判定した場合(S50:Yes)とで、再給紙を第1所定回数よりも少ない第2所定回数(本発明の第2所定回数に相当)だけ実行してもよい。
【0112】
ここで、第1所定回数は、ROM132やEEPROM134に記憶されることによって予め設定されてもよいし、ユーザによる操作パネル9の操作でRAM134やEEPROM134に記憶されることによって予め設定されてもよい。また、第2所定回数も、第1所定回数と同様の方法によって予め設定された回数である。本実施形態において、第1所定回数は3回に設定されており、第2所定回数は2回に設定されている。
【0113】
変形例1の場合の処理は、例えば、図6に示される手順に従って実行される。ここで、図6は、破線で示されたステップS400〜S490が図4のフローチャートに追加されたフローチャートである。以下、ステップS400〜S490における処理が詳細に説明され、図4と同様の処理であるステップS20〜S240における処理は、その詳細な説明が省略される。
【0114】
外部情報機器からマイクロコンピュータ130に、或いは操作パネル9の操作によってマイクロコンピュータ130に、画像記録を実行する旨のコマンドが入力されると、カウント値i、jが0に設定される(S400)。
【0115】
第1情報がEEPROM134に記憶されている場合(S50:Yes)、マイクロコンピュータ130は、カウント値jが2未満か否か判定する(S410)。カウント値jが2以上の場合(S410:No)、ステップS60の処理が実行される。一方、カウント値jが2未満の場合(S410:Yes)、ステップS80と同様の処理、つまり再給紙処理が実行され(S420)、カウント値jがインクリメントされる(S430)。次に、マイクロコンピュータ130は、新たに給送された記録用紙19が給紙ローラ25の所定回転量の回転までにシート検知部110によって検知されたか否かの判定、つまりステップS90と同様の判定を行う(S440)。給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知された場合(S440:Yes)、マイクロコンピュータ130は、カウント値i、jを0にリセットしてから(S450)、ステップS40の処理を実行する。一方、給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されなかった場合(S440:No)、ステップS410の処理が再び実行される。
【0116】
つまり、第1情報がEEPROM134に記憶されている場合(S50:Yes)、再給紙処理は、カウント値jが2以上となるまで(S410:No)、または給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されなくなるまで(S440:No)、実行される。即ち、再給紙処理は、最大で2回(第2所定回数)だけ実行される。
【0117】
一方、第1情報がEEPROM134に記憶されていない場合(S50:No)、マイクロコンピュータ130は、カウント値jが3未満か否か判定する(S460)。カウント値iが3以上の場合(S460:No)、ステップS100の処理が実行される。一方、カウント値jが3未満の場合(S460:Yes)、ステップS80の処理、つまり再給紙処理が実行され(S80)、カウント値iがインクリメントされる(S470)。次に、マイクロコンピュータ130は、新たに給送された記録用紙19が給紙ローラ25の所定回転量の回転までにシート検知部110によって検知されたか否かの判定を行う(S90)。給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知された場合(S90:Yes)、マイクロコンピュータ130は、カウント値i、jを0にリセットしてから(S480)、ステップS40の処理を実行する。一方、給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されなかった場合(S90:No)、ステップS460の処理が再び実行される。
【0118】
つまり、第1情報がEEPROM134に記憶されていない場合(S50:No)、再給紙処理は、カウント値iが3以上となるまで(S460:No)、または給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されなくなるまで(S90:No)、実行される。即ち、再給紙処理は、最大で3回(第1所定回数)だけ実行される。
【0119】
背面カバー40が露出姿勢の状態で記録用紙19が給送された場合、当該記録用紙19は背面カバー40によってガイドされないため、複合機1の外部へ飛び出してしまう。そこで、変形例1においては、背面カバー40が露出姿勢である可能性がある場合、給送部17による記録用紙19の給送動作の回数が少なくされる。これにより、複合機1の外部へ飛び出してしまう記録用紙19の枚数を少なくすることができる。
【0120】
[実施例の変形例2]
上述の実施形態では、マイクロコンピュータ130は、図4のステップS60において、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(A)に示されるようなメッセージを表示させた。しかし、マイクロコンピュータ130は、背面カバー40が露出姿勢である旨だけでなく、記録用紙19の給送不良である旨も、複合機1のユーザに報知してよい。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に、図5(G)に示されるようなメッセージを表示させる。つまり、マイクロコンピュータ130は、給紙ローラ25の回転量が所定回転量となるまでの間に、記録用紙19がシート検知部110によって検知されず(S30:No)、EEPROM134に第1情報が記憶されていることを条件として(S50:Yes)、記録用紙19の給送不良を示す情報、及び背面カバー40が露出姿勢であることを示す情報を報知してもよい。なお、図5(G)においては、「給紙トレイに用紙があるかを確認して下さい」とのメッセージが表示されているが、給紙トレイ20が着脱可能である場合には、上記のメッセージに加えて、「給紙トレイの装着の有無を確認して下さい」とのメッセージが表示されてもよい。
【0121】
[実施例の変形例3]
マイクロコンピュータ130は、EEPROM134に第1情報が記憶された状態が維持されつつ、スタートボタンの押下が第3所定回数(本発明の第3所定回数に相当)行われたことを条件として、EEPROM134に記憶された第1情報を消去してもよい。本実施形態において、第3所定回数は3回に設定されている。なお、第3所定回数は、1回であっても複数回であってもよい。
【0122】
ここで、第3所定回数は、ROM132やEEPROM134に記憶されることによって予め設定されてもよいし、ユーザの操作パネル9の操作でRAM134やEEPROM134に記憶されることによって予め設定されてもよい。
【0123】
変形例3の場合の処理は、例えば、図7に示される手順に従って実行される。ここで、図7は、破線で示されたステップS600〜S660が図4のフローチャートに追加されたフローチャートである。以下、ステップS600〜S660における処理が詳細に説明され、図4と同様の処理であるステップS20〜S240における処理は、その詳細な説明が省略される。
【0124】
外部情報機器からマイクロコンピュータ130に、或いは操作パネル9の操作によってマイクロコンピュータ130に、画像記録を実行する旨のコマンドが入力されると、カウント値kが0に設定される(S600)。カウント値kは、背面カバー40が露出姿勢である旨の報知を、スタートボタンが押されることによって液晶表示部11より消去、つまり当該報知が停止された回数である。カウント値kは、RAM133の所定アドレスに記憶される。つまり、RAM133は、本発明の第2記憶部の一例である。また、上述したように、スタートボタンが押下されると、背面カバー40が露出姿勢である旨の報知が停止される。換言すると、スタートボタンは、背面カバー40が露出姿勢である旨の液晶表示部11への表示を消去するために操作される。つまり、スタートボタンは、本発明の操作部の一例である。
【0125】
ステップS50において、第1情報がEEPROM134に記憶されていると判定された場合(S50:Yes)、マイクロコンピュータ130は、カウント値kが2より大きいか否か判定する(S610)。カウント値kが2以下の場合(S610:No)、ステップS60、S70の処理が実行され、その後、マイクロコンピュータ130はカウント値kをインクリメントする(S620)。カウント値kが2より大きい場合、つまり第3所定回数である3である場合(S610:Yes)、マイクロコンピュータ130は、第1情報をEEPROM134から消去して(S630)、カウント値kを0にリセットする(S640)。
【0126】
なお、ステップS50において、第1情報がEEPROM134に記憶されていないと判定された場合も(S50:No)、カウント値kは0にリセットされる(S650)。以上より、ステップS70におけるスタートボタンの押下が3回実行された場合、第1情報がEEPROM134から消去される。
【0127】
以上より、ステップS630の処理は本発明の第4制御部に相当し、ステップS640の処理は本発明の第3制御部に相当する。
【0128】
上述の実施形態、変形例1、及び変形例2において、マイクロコンピュータ130は、シート検知部110によって記録用紙19有りが検知されるまで、第1情報をEEPROM134から消去しない。この場合、以下のような問題が発生するおそれがある。閉じ忘れられていた背面カバー40が閉じられた直後に、給紙トレイ20に収容されている記録用紙19が無くなった場合、記録用紙19が給紙トレイ20に収容されていないという給送不良であるにもかかわらず、マイクロコンピュータ130は背面カバー40が露出姿勢である旨の誤った情報を液晶表示部11に表示してしまう。
【0129】
そこで、変形例3によれば、マイクロコンピュータ130は、液晶表示部11へのメッセージの表示を停止させるスタートボタンの押下が第3所定回数行われたことを条件として、EEPROM134に記憶された第1情報を消去する。これにより、次に液晶表示部11にメッセージの表示が行われる状態となったときに、マイクロコンピュータ130は適切なメッセージを液晶表示部11に表示させることができる。つまり、変形例3によれば、マイクロコンピュータ130による誤ったメッセージの表示が多数回繰り返されることを防止することができる。
【0130】
[実施例の変形例4]
変形例3では、マイクロコンピュータ130は、図7のステップS630において、第1情報をEEPROM134から消去した。しかし、マイクロコンピュータ130は、第1情報をEEPROM134から消去する代わりに、ステップS60で報知した背面カバー40が露出姿勢である旨に加えて、記録用紙19の給送不良である旨も、複合機1のユーザに報知するように、報知の種類を変更してもよい。
【0131】
変形例4の場合の処理は、例えば、図8に示される手順に従って実行される。ここで、図8は、破線で示されたステップS800、S810が図7のフローチャートのステップS630、S640の代わりに追加されたフローチャートである。以下、ステップS800、S810における処理が詳細に説明され、図7と同様の処理は、その詳細な説明が省略される。
【0132】
カウント値kが2より大きい場合、つまり第3所定回数である3である場合(S610:Yes)、マイクロコンピュータ130は、背面カバー40が露出姿勢である旨、及び記録用紙19の給送不良である旨を、複合機1のユーザに報知する(S800)。具体的には、マイクロコンピュータ130は、操作パネル9を制御して、液晶表示部11に表示されるメッセージを、ステップS60において表示されていた図5(A)に示されるメッセージから、図5(G)に示されるメッセージに切り換える。図5(G)に示されるメッセージは、当該メッセージに従ってスタートボタンがユーザによって押下されるまで表示される(S810:No)。スタートボタンが押下されると(S810:Yes)、用紙詰まり発生の判定の後(S120)、新たな記録用紙19が給紙トレイ20から給紙ローラ25によって給送される(S20)。
【0133】
以上より、マイクロコンピュータ130は、RAM133に記憶されているカウント値kの値が第3所定回数である3以上であることを条件として、ステップS60で報知した背面カバー40が露出姿勢である旨に加えて、記録用紙19の給送不良である旨を報知する。
【0134】
変形例4によれば、ユーザが液晶表示部11に表示されたメッセージに従って背面カバー40を閉塞姿勢にしたにもかかわらず、背面カバー40が露出姿勢である旨の液晶表示部11への表示が第3所定回数繰り返された場合、マイクロコンピュータ130は、背面カバー40が露出姿勢である旨に加えて、記録用紙19の給送不良である旨のメッセージを液晶表示部11に表示させる。これにより、ユーザは、記録用紙19の給送不良への対処を行うことができる。つまり、ユーザは、より適切な対処を行うことができる。
【0135】
[実施例の変形例5]
上述の実施形態においては、所定回転量は一定量であった。しかし、所定回転量は、使用される状況によって異なる量であってもよい。例えば、所定回転量は、所定回転量の使用時(ステップS30、S90、S440)において、第1情報がEEPROM134に記憶されているか否かによって、異なる量であってもよい。
【符号の説明】
【0136】
1・・・複合機
17・・・給送部
19・・・記録用紙
20・・・給紙トレイ
23・・・搬送路
28・・・内側ガイド部材
29・・・外側ガイド部材
40・・・背面カバー
110・・・シート検知部
134・・・EEPROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが案内される搬送路と、
シートを収容可能なトレイと、
上記搬送路の外側部分を構成する外側ガイド部材と、
上記搬送路の内側部分を構成する内側ガイド部材と、
上記外側ガイド部材及び上記内側ガイド部材の上記搬送路における上流側の端部よりも下流側に設けられており、上記搬送路においてシートの有無を検知する第1検知部と、
上記トレイに収容されているシートを上記第1検知部よりも下流側の上記搬送路の所定位置へ給送する給送動作を実行する給送部と、
上記給送部の駆動量を検知する第2検知部と、
上記外側ガイド部材を支持しており、上記内側ガイド部材を外部へ露出させる第1姿勢、及び上記搬送路をシートが案内される第2姿勢に上記外側ガイド部材と共に姿勢変化可能である可動部材と、
上記搬送路におけるシート詰まりの発生の是非を判断する判断部と、
第1情報が記憶される第1記憶部と、
上記判断部によってシート詰まりが発生したと判断されたことを条件として、上記第1記憶部に第1情報を記憶させ、上記第1検知部によってシート有りが検知されたことを条件として、上記第1記憶部に記憶された第1情報を消去する第1制御部と、
上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していないことを条件として、シートの給送不良である旨を報知し、上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していることを条件として、上記可動部材が上記第1姿勢である旨を報知する報知部と、を備えた搬送装置。
【請求項2】
上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していないことを条件として、上記給送部による上記給送動作を再実行させる第2制御部を更に備え、
上記報知部による報知は、上記第2制御部の制御による上記給送動作の実行後に実行される請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記第2制御部は、
上記給送動作の開始からの上記給送部の駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していないことを条件として、上記給送部による上記給送動作を第1所定回数実行し、上記第2検知部によって検知される上記給送部の上記給送動作の開始からの駆動量が所定駆動量となるまでの間に上記第1検知部がシート有りを検知せず、且つ上記第1記憶部が第1情報を記憶していることを条件として、上記給送部による上記給送動作を上記第1所定回数よりも少ない第2所定回数実行する請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記搬送路におけるシート詰まりの位置を判定する判定部を更に備え、
上記第1制御部は、上記判定部による判定結果に基づいて、上記第1記憶部に第1情報を記憶する請求項1から3のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項5】
上記報知部による上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知を停止させるために操作される操作部と、
上記操作部によって上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知が停止された回数を記憶する第2記憶部と、
上記第1制御部によって上記第1記憶部に記憶された第1情報が消去されたことを条件として、上記第2記憶部に記憶された上記回数を消去する第3制御部と、
上記第2記憶部に記憶された上記回数が第3所定回数であることを条件として、上記第1記憶部に記憶された第1情報を消去する第4制御部と、を更に備えた請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
上記報知部による上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知を停止させるために操作される操作部と、
上記操作部によって上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知が停止された回数を記憶する第2記憶部と、
上記第1制御部によって上記第1記憶部に記憶された第1情報が消去されたことを条件として、上記第2記憶部に記憶された上記回数を消去する第3制御部と、を更に備え、
上記報知部は、上記第2記憶部に記憶された上記回数が第3所定回数以上であることを条件として、上記可動部材が上記第1姿勢である旨の報知に加えて、シートの給送不良である旨を報知する請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−236706(P2012−236706A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108160(P2011−108160)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】