説明

搭載式車両運搬車

【目的】 脱輪していても作業者に負担をかけることなく、事故車や故障車を荷台に搭載して運搬するのに適した搭載式車両運搬車を提供する。
【構成】 荷台(11)上には架台(20)を前後方向にスライド自在に設け、架台にはリフトアーム(26)を後方に延びかつその後端側が上下に揺動しうるように支持するとともに、逆L字状のアームとアーム先端からフック(53)を吊り下げた吊下げ機(50)を搭載する。前後スライド手段(14)によって架台をスライドさせてリフトアームを荷台テールゲート(12)よりも後方に突出させ、被運搬車両の前輪間又は後輪間に差し込み、揺動手段(33)によってリフトアームを揺動させてターンテーブルで被運搬車両の車体底部を持ち上げ、被運搬車両の前輪側部分又は後輪側部分を旋回させて被運搬車両を荷台の前後方向に向けて荷台上に引き上げる一方、脱輪時には吊下げ機によって脱輪した車輪を吊り上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は搭載式車両運搬車に関し、特に側溝などに脱輪していても作業者に負担をかけることなく、事故車や故障車を荷台に搭載して運搬するのに適した車両に関する。
【背景技術】
【0002】
事故車や故障車(以下、「事故車等」という)を道路から取り除く場合、あるいは事故車等を修理工場まで運搬する場合、事故車等を台車に搭載して牽引し、フォークで持ち上げて牽引し、あるいは車両の荷台に搭載して運搬することがよく行われている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0003】
他方、本件出願人は、架台を後方にスライドさせ、リフトアームを荷台テールゲートよりも後方に突出させて事故車等の前輪間又は後輪間に差し込み、リフトアームを上方に揺動させて車体底部を持ち上げた後、架台を荷台上の前側に向けてスライドさせてリフトアームを前方にスライドさせて事故車等を荷台上に搭載して運搬し、もって少ない人数で事故車等を簡単かつ確実に積み降ろしできるようにした搭載式車両運搬車を開発するに至った(特許文献4、特許文献5)。
【0004】
【特許文献1】特公昭62ー22836号公報
【特許文献2】特公平4ー20814号公報
【特許文献3】実公昭63ー21468号公報
【特許文献4】特許第3250089号公報
【特許文献5】特開2008−87657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両の事故現場では事故車等は事故の状況などによって様々な姿勢で放置されていることが多い。例えば、事故車等が事故直後の姿勢のまま道路の路肩に寄せられていることがある。
【0006】
上述の特許文献4記載の搭載式車両運搬車では車両運搬車の荷台を事故車等に正対させて使用することを前提としているので、事故車等が斜めを向いていると、事故車等が荷台に対して斜めに引き上げられ、荷台の側壁と競ってそれ以上引き上げることができなくなることがあり、搭載作業の開始前にあるいは事故車等の引き上げ途中で作業者が事故車等を持ち上げて正面に向かせる必要があり、作業者の大きな負担となっていた。
【0007】
他方、特許文献5記載の搭載式車両運搬車はリフトアームの先端にターンテーブルを設け、事故車等の置かれた姿勢に関係なく、事故車等を荷台に円滑に積み降ろしできるものであったが、事故車等の、例えば後輪が側溝に脱輪しているような場合にはリフトアームを事故車等の前輪間又は後輪間に差し込んでも引き上げることが難しく、作業者が脱輪した車輪を持ち上げる必要があり、作業者の大きな負担となっていた。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑み、側溝などに脱輪していても作業者に負担をかけることなく、事故車等を荷台に容易に搭載できるようにした搭載式車両運搬車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明に係る搭載式車両運搬車は、荷台上に被運搬車両を搭載して運搬するとともに、開かれた荷台テールゲートを利用して被運搬車両を積み降ろしするようにした搭載式車両運搬車において、荷台上に前後方向にスライド自在に設けられた架台と、該架台上に搭載され、逆L字状アームの先端からワイヤーロープによってフックを吊り下げ、ワイヤーロープをドラム機構に巻取り巻出すようにした吊下げ機と、上記架台を前後方向にスライドさせる前後スライド手段と、上記架台から後方に延びかつその後端側が上下に揺動しうるように上記架台に支持され、上記荷台上における架台の後端位置において上記開かれた荷台テールゲートよりも後方に突出して被運搬車両の前輪間又は後輪間に差し込まれ得るリフトアームと、該リフトアームの後端側を上記架台に対して上下に揺動させる揺動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の特徴の1つはリフトアームを支持する架台上に、逆L字状アームの先端からフックを吊り下げた吊下げ機を搭載するようにした点にある。
【0011】
これにより、リフトアームを事故車等の前輪間又は後輪間に差し込むとともに、脱輪した事故車等の車輪にフックを引っ掛けて持ち上げると、事故車等を車両運搬車の荷台に引き上げることができ、作業者が脱輪した事故車等の車輪を持ち上げる必要がないので、作業者の負担を大幅に軽減できる。
【0012】
また、搭載式車両運搬車では比較的長い荷台が採用されているが、吊下げ機は荷台ではなく、架台に搭載して架台とともに移動するようにしたので、大きなアームを用いることなく、事故車等の車輪を側溝から吊り上げることができる。
【0013】
さらに、リフトアームにはターンテーブルを設けるようにすると、作業者が事故車等を正面に向かせる必要がないので、作業者の負担を更に軽減できる。即ち、リフトアームの後端部に設けられ、リフトアームの上方揺動にて被運搬車両の車体底部を持ち上げるとともに、被運搬車両の前輪側部分又は後輪側部分を旋回させ得るターンテーブルを更に備えるのが好ましい。
【0014】
事故車等はターンテーブルによって旋回可能に支えられているので、作業者が手作業でターンテーブルを旋回させることもできるが、作業者の負担を軽減する上で、旋回手段、例えばウィンチ、駆動モータとギア、エアーシリンダや油圧シリンダ等を用いてターンテーブルを旋回させるようにしてもよい。エアーや油圧は車両のエアーや油圧を利用することができる。
【0015】
架台は荷台上面をローラで自由に走行させるようにしてもよく、荷台上面又は荷台両側にガイドレールを設けて架台のスライドをガイドさせるようにしてもよい。架台を自由走行させる場合には荷台横幅方向ほぼ全幅よりも短い横幅寸法としてもよいが、荷台両側にガイドレールを設ける場合には架台は荷台幅横方向ほぼ全幅に延びる横幅寸法とする。
【0016】
リフトアームは1本としてもよく、又複数本のリフトアームを相互に所定の間隔をあけて設けるようにしてもよい。また、リフトアームと固定長さとしてもよく、伸縮自在に構成してもよい。
【0017】
また、リフトアームは架台の横幅方向に対して移動させないようにしてもよいが、リフトアームを架台の横幅方向にスライドさせるようにすると、事故車等が道路の路肩に寄せられ、道路の道幅が狭くて車両運搬車の方向を変えることができない場合に、リフトアームの横幅方向へのスライド動作又はリフトアームの首振り動作によって事故車等を荷台の中央に引き上げることができる。
【0018】
また、リフトアームはその先端部分を回転軸によって架台に対して旋回自在に支持する一方、リフトアームを旋回させる首振り手段、例えば下記の実施形態におけるシリンダを更に備えるようにするのがよい。
【0019】
運搬車両の荷台はその全体が傾動して後端縁が接地しうるように車体に支持し(後方にスライドさせて傾動させてもよい)、後端縁の接地時に開いた荷台テールゲートを介して被運搬車両を積み降ろしするのがよいが、運搬車両の前輪を道路縁石に乗り上げさせ、あるいは運搬車両の車体前部にアウトリガーを設け、車体全体を傾斜させて荷台テールゲート後端縁を接地させ、被運搬車両を積み降ろししてもよい。
【0020】
上述の前後スライド手段、横幅スライド手段及び首振り手段はレイアウトスペースの点からウインチがよいが、油圧シリンダやエアーシリンダ、ラック・ピニオン等を用いてもよい。揺動手段はリフトアームの枢支軸を回転させる減速機付モータ、油圧シリンダ、エアーシリンダ等でもよいが、レイアウトが難しく、コストアップを招来することがある。そこで、作業者が手操作でリフトアームを揺動させるのが最もよいが、重量物である車体を持ち上げるので、例えば荷締機(商品名:ハンド万力)を採用するのが好ましい。油圧シリンダの場合、運搬車両の油圧を利用できる。
【0021】
被運搬車両の運搬時及び荷台積み降ろし時における安全性を考慮すると、荷台には架台のスライド前端位置及びスライド後端位置で架台をロックするロック機構を設けるのがよい。ロック機構はどのような構造でもよいが、操作性を考慮すると、例えば架台にロックピンを、荷台側にC字状のピン受けを各々設け、ロックピンをピン受けに収容してロック片で抜け止めするのがよい。スライド前端位置では搭載した被運搬車両を確実に固定する必要があるので、ロック機構が望ましいが、スライド後端位置では架台が荷台テールゲートよりも後方にスライドするのを阻止すればよい。そこで、スライド後端位置には架台を係止するストッパーとしてもよい。
【0022】
さらに、吊下げ機を設けて事故車等を吊り上げるようにすると、荷台で大きな荷重を受ける必要があり、搭載式車両運搬車の姿勢が不安定になるおそれがある。そこで、架台及び車体にはアウトリガーを搭載し、吊下げ機の吊下げ荷重を地面に分担させるように構成するのがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係る搭載式車両運搬車の好ましい実施形態を示す。運搬車両10では荷台11の後端に被運搬車両の積み降ろしに利用するテールゲート12がヒンジ120にて開閉自在に設けられるとともにロック機構(図示せず)にて閉状態にロックできるように構成され、又荷台11と車体フレーム間には傾動機構(図示せず)が設けられ、荷台11は後方スライドされながら傾動して後端縁を接地できるようになっている。
【0024】
また、荷台11上には架台20が配設されている。この架台20では荷台11の幅方向ほぼ全幅の横幅を有する架台ベース21の左右両側に取付板部22が固定され、両取付板部22の外側には3個のローラ23が前後に並べて回転自在に取付けられている。
【0025】
他方、荷台11の左右両側には断面コ字状をなすガイドレール13が長手方向ほぼ全長に延びて取付けられ、ガイドレール13内には架台20のローラ23が走行自在に収納されることにより、架台20は荷台11上で前後にスライドされるようになっている。
【0026】
また、取付板部22の後部には支持プレート24が連結ピン(図示せず)によって回転自在に取付けられ、支持プレート24には支持プレート24の連結ピンよりも後方にロッド25が左右の支持プレート24間に延びて固定され、ロッド25には平坦なプレート26Aが固定され、左右一対のリフトアーム26が支持プレート24の連結ピン回りに上下に揺動されるようになっている。
【0027】
この左右一対のリフトアーム26は伸縮自在に構成され、リフトアーム26の先端部分は相互に連結され、架台ベース21に対して回転軸71の廻りに回転自在に取付けられ、又取付板部22とリフトアーム26との間にエアーシリンダ70が設けられ、リフトアーム26はエアーシリンダ70の伸縮によって回転軸71の廻りに所定の角度、例えば左右に45°ずつ首振り動作できるように構成されている。
【0028】
荷台11の前端中央にはウインチ(前後スライド手段)14が設けられ、ウインチ14のワイヤーロープ14Aの先端は架台20に連結されて架台20をガイドレール13の前端と後端との間でスライドさせるようになっている。
【0029】
また、架台20の支持プレート24の後端にはロックピン27が後方に延びるアーム27Aによって取付けられ、テールゲート12の両側にはロックピン27を受けるロック機構28が設けられている。
【0030】
さらに、架台20の架台ベース21には右側方にロックピン29が前方に延びるアーム29Aによって取付けられ、荷台11には右側方前端にロックピン29を受けてロックするロック機構30が設けられている。
【0031】
また、架台20の支持プレート24には上方部分に受け金具が取付けられ、後述のアウトリガー80の左側部分には受け金具が固定され、両受け金具の間には荷締機(揺動手段、商品名:ハンド万力)33の両端フック31、32が係止されており、荷締機33によって受け金具が相互に引き寄せられることによってリフトアーム26が上方に揺動され、受け金具が相互に離間されることによってリフトアーム26が下方に揺動されるようになっている。
【0032】
また、左右のリフトアーム26の後端部にはターンテーブル40が設けられている。このターンテーブル40ではリフトアーム26の後端部にベース41が取付けられ、ベース41にはテーブル42が回転軸43Aと軸受とによって回転自在に搭載されている。
【0033】
さらに、架台20には吊下げ機50が搭載されている。この吊下げ機50では架台ベース21に吊下げ機50のベース51が固定され、ベース51には逆L字状のアーム52が旋回可能に搭載されている。
【0034】
また、アーム52の水平部分は内蔵シリンダによって伸縮され得るように構成され、アーム52の先端にはフック53がワイヤーロープ55によって吊り下げられ、ワイヤーロープ55はアーム52内部を挿通され、アーム52の基部にはドラム機構が内蔵され、ワイヤーロープ55はドラム機構に巻取られドラム機構から巻出されるようになっており、アーム52の基部の操作ボックス54のレバー操作によってアーム52を旋回させ、伸縮させ、フック53を巻取り巻出すようになっている。
【0035】
さらに、架台ベース21にはアウトリガー80が固定され、又車体の前部にもアウトリガー81が取付けられて吊下げ荷重を地面に分担させるようになっている。
【0036】
事故車Wを運搬する場合、運搬車両10を後進させて事故車Wが荷台21の後方にくるように事故車Wの前側(又は後側)に近づけ、荷台11を後方にスライドさせて傾動させるとともに、荷台11後端のテールゲート12を開けてその後端を接地させる。次に、前側ロック機構30のロックを解除し、ウインチ14を操作してワイヤーロープ14Aを巻き出すと、架台20がガイドレール13でガイドされて後方にスライドする。
【0037】
架台20がガイドレール13の後端位置までスライドすると、後側ロックピン27がテールゲート12の左右のロック機構28に嵌まり込むので、その操作アームを操作してロックする。その時、架台20の後方2つのローラ23はガイドレール13から離れ、前方1つのローラ23のみがガイドレール13内に収容された状態となる。
【0038】
運搬車両10と事故車Wとの距離をうまくとっておくと、リフトアーム26はテールゲート12から後方に突出し、事故車Wの故障した前輪間に差し込むことができる。なお、リフトアーム26を突出させたまま運搬車両10を後進させて事故車Wの前輪間に差し込むようにしてもよい。
【0039】
次に、荷締機33を操作してリフトアーム26を上方に揺動させると、ターンテーブル40が事故車Wの前輪間の車体底部W1に接して車体底部W1を持ち上げ、前輪は地面から離れるので、ロック機構28の操作アームを逆方向に操作してロックを解除し、ウインチ14でワイヤーロープ14Aを巻き取ると、架台20は荷台前方にスライドされ、スライド台車20の後方2つのローラ23は再びガイドレール13内に嵌まり込み、事故車Wはターンテーブル30と後輪とで支持されて荷台11上に引き上げられる。
【0040】
このとき、事故車Wが荷台11に対して傾いていると、事故車Wが荷台11の側壁と競って引き上げができなくなるが、本例では事故車Wの車体にウインチ(図示せず)のワイヤーのフックを引っ掛け、ウインチを操作すると、事故車Wはハンドル操作をしているように旋回し、事故車Wを荷台11の前後方向を向かせることができるので、後はウインチ14を操作して事故車Wを荷台11上に引き上げる。
【0041】
架台20が荷台11の前端まで来ると、前方ロックピン29がロック機構30に嵌まり込むので、その操作アームを操作してロックし、さらに必要に応じて事故車Wの車体底部W1にロープ34を幅方向に掛けわたし、ロープ34と荷台11前端との間に荷締機35を掛けて事故車Wを引き締めると、荷台11上に事故車Wを確実に搭載できる。目的地に到着し、事故車Wを荷台11から降ろす場合には上記と逆の操作を行えばよい。
【0042】
ところで、事故車Wの後輪又は前輪が側溝に脱輪していると、上述の作業を行っても事故車Wを荷台11に引き上げることが難しい。そこで、吊下げ機50のアーム52を旋回させて後方に向かせ、フック53を降ろして事故車Wの脱輪した車輪近くの車体に引っ掛け、フック53を巻き上げると、脱輪した車輪を持ち上げることができるので、ウインチ14を操作して架台20を前方に移動させると、吊下げ機50も前進し、事故車Wを荷台11上に円滑に引き上げることができる。
【0043】
また、アウトリガー80を伸ばしてその下端を地面に接地させ、吊下げ機50で事故車Wを吊り上げてリフトアーム26及びターンテーブル40で引き上げることができる場所まで移動させ、アウトリガー80を収縮させた後、架台20を後方に移動させてターンテーブル40を事故車Wの前輪間の車体底部W1に差込み、リフトアーム26を上方に揺動させて事故車Wの車体底部W1を持ち上げることもでき、事故車Wの重さが地面に分担されるので、運搬車10を安定に保っておくことができる。
【0044】
さらに、車体のアウトリガー81を伸ばしてその下端を地面に接地させた後、荷台11を傾動させると、重量のある事故車Wを荷台11に搭載するときに、運搬車10を安定に保っておくことができる。
【0045】
また、事故車Wが荷台11に対して側方にずれた位置にある場合、リフトアーム26をその先端部分を中心にして旋回させ、ターンテーブル40を事故車Wの中央に位置させた後、架台20を後退させてターンテーブル40を事故車Wの下側に差し込み、ターンテーブル40を持ち上げる。その後、ウインチ14を操作して事故車Wを荷台11上に引き上げ、その途中でシリンダ71を駆動させてリフトアーム26を前後方向を指向させると、事故車Wを荷台11上に真っ直ぐに引き上げることができる。
【0046】
また、リフトアーム26は伸縮自在に構成しているので、状況に応じてエアーシリンダ又は油圧シリンダ、その他の駆動手段あるいは作業者の手作業によってリフトアーム26を伸長させ、荷台11から離れた事故車Wを持ち上げるようにすることもできる。
【0047】
また、リフトアーム26は回転軸71の回りに旋回させるのではなく、左右にスライドさせるようにしてもよい。さらに、上記実施例ではターンテーブルを設けたが、ターンテーブルは必ずしも設けなくてもよい。
【0048】
また、上記の例では架台20の中央に吊下げ機50のベース51を搭載したが、架台20の側方に搭載するようにしてもよい。また、アーム52は車室のルーフを超える高さとしたが、車室ルーフよりも低い高さとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る搭載式車両運搬車の実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】上記実施形態を示す要部側面図である。
【図3】上記実施形態を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
10 運搬車両
11 荷台
12 テールゲート
14 ウインチ(前後スライド手段)
20 架台
26 リフトアーム
33 荷締機(揺動手段)
40 ターンテーブル
50 吊下げ機
52 アーム
53 フック
55 ワイヤーロープ
W 事故車(被運搬車両)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台上に被運搬車両を搭載して運搬するとともに、開かれた荷台テールゲートを利用して被運搬車両を積み降ろしするようにした搭載式車両運搬車において、
荷台(11)上に前後方向にスライド自在に設けられた架台(20)と、
該架台(20)に搭載され、逆L字状アーム(52)の先端からワイヤーロープ(55)によってフック(53)を吊り下げ、ワイヤーロープ(55)をドラム機構に巻取りドラム機構から巻出すようにした吊下げ機(50)と、
上記架台(20)を前後方向にスライドさせる前後スライド手段(14)と、
上記架台(20)から後方に延びかつその後端側が上下に揺動しうるように上記架台(20)に支持され、上記荷台(11)上における架台(20)の後端位置において上記開かれた荷台テールゲート(12)よりも後方に突出して被運搬車両(W)の前輪間又は後輪間に差し込まれ得るリフトアーム(26)と、
該リフトアーム(26)の後端側を上記架台(20)に対して上下に揺動させる揺動手段(33)と、
を備えたことを特徴とする搭載式車両運搬車。
【請求項2】
上記リフトアーム(26)の後端部に設けられ、上記リフトアーム(26)の上方揺動にて被運搬車両(W)の車体底部を持ち上げるとともに、被運搬車両(W)の前輪側部分又は後輪側部分を旋回させ得るターンテーブル(40)を更に備えた請求項1記載の搭載式車両運搬車。
【請求項3】
上記架台(20)及び車体にはアウトリガー(80)が搭載され、吊下げ機(50)の吊下げ荷重を地面に分担させるようになした請求項1記載の搭載式車両運搬車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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