説明

携帯型無線タグ情報読み取り装置

【課題】探索操作や探索結果の表示を、操作者にとってわかりやすく簡単なものとすることができる携帯型無線タグ情報読み取り装置を提供する。
【解決手段】複数の無線タグ回路素子Toに対し無線通信を行うためのRF通信制御部9及びリーダアンテナ3と、探索対象の少なくとも1つの無線タグ回路素子Toに対応する表示情報を、操作者が選択可能に表示する操作パネル11と、表示情報が操作パネル11に表示された探索対象のうち、操作者により選択された少なくとも1つの無線タグ回路素子Toの識別情報を指定して通信を行い、指定された無線タグ回路素子Toから情報を取得するCPU4と、無線タグ回路素子Toより情報を取得したとき、操作パネル11における無線タグ回路素子Toに対応する表示情報の表示態様を、情報取得前に比べて少なくとも一部が異なるようにする表示制御部21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子に対し、無線通信を介して情報の読み取りを行う携帯型無線タグ情報読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えた無線タグ回路素子を有する小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが提唱されており、様々な分野において実用化されつつある。
【0003】
上記RFIDシステムを適用した携帯型無線タグ情報読み取り装置の従来技術として、例えば特許文献1に記載のものがある。この従来技術では、記憶部に予め記憶された検索条件の中から操作者が所望の条件を選択した上で、無線通信により検索対象の無線タグ情報の読み取り(探索)を行う。その結果、検索条件に合致する検索対象があった場合には、操作者にその旨を報知するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2006−331320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、無線通信により読み取った検索対象の情報が検索条件に合致するか否かを判定し、合致した場合には検索対象が存在する旨を報知するのみである。したがって、例えば操作者が複数の検索条件を選択した場合であって、読み取った情報が複数の検索条件のうちの一部の条件に合致する場合であっても、検索対象が存在する旨を報知することになる。すなわち、操作者が例えば二人の著者名を検索条件とした場合に、上記従来技術ではいずれかの著者の書籍が見つかれば検索対象が存在する旨を報知することになる。この場合、操作者はどちらの著者の書籍が見つかったのかを即座に認識することができず、操作者にとってわかりやすい表示とは言えなかった。
【0006】
本発明の目的は、探索操作や探索結果の表示を、操作者にとってわかりやすく簡単なものとすることができる携帯型無線タグ情報読み取り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグ側アンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うための無線通信手段と、探索対象の少なくとも1つの前記無線タグ回路素子に対応する表示情報を、操作者が選択可能に表示する表示手段と、前記表示情報が前記表示手段に表示された前記探索対象の無線タグ回路素子のうち、前記操作者により選択された少なくとも1つの前記無線タグ回路素子の識別情報を指定し、前記無線通信手段を介して通信を行い、前記指定された前記無線タグ回路素子の前記IC回路部から情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段が前記無線タグ回路素子より情報を取得したとき、前記表示手段における当該無線タグ回路素子に対応する前記表示情報の表示態様を、情報取得前に比べて少なくとも一部が異なるようにする表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、探索対象の少なくとも1つの無線タグ回路素子に対応する表示情報(無線タグ回路素子を設けた物品の名称や識別番号等)が表示手段に選択可能に表示される。この表示に基づき操作者が少なくとも1つの表示情報を選択すると、その選択された表示情報に対応した無線タグ回路素子の識別情報を指定して無線通信手段により通信が行われる。この通信を介して、識別情報が指定された無線タグ回路素子のIC回路部から、情報取得手段が情報を取得する。そして、このように情報が取得された無線タグ回路素子に対応する表示手段の表示情報は、表示制御手段によって、その少なくとも一部の表示態様が情報取得前に比べて異なるようになる。
【0009】
以上のようにして、表示手段に表示情報が表示された無線タグ回路素子を選択指定して探索を行い、探索に成功したらその表示情報の少なくとも一部が変化して操作者に知らせる。この結果、無線タグ回路素子の探索操作や探索結果の表示を、操作者にとってわかりやすく簡単なものとすることができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1発明において、前記表示制御手段は、前記情報取得の前に表示手段において表示されている表示情報の少なくとも一部の領域の表示態様を、前記情報取得の後に変更する表示変更手段を含むことを特徴とする。
【0011】
情報取得前に表示された表示情報の少なくとも一部の領域の表示態様を、情報取得後に表示変更手段で変更することにより、探索に成功したことを操作者にわかりやすく知らせることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第2発明において、前記表示変更手段は、前記表示手段に表示される複数の前記無線タグ回路素子にそれぞれ対応する複数の前記表示情報の配列順序を、前記情報取得手段による情報取得の前後で変更することを特徴とする。
【0013】
これにより、情報取得前の配列順序にとらわれず、情報取得後の状況にマッチした最適な配列順序に組み直して複数の無線タグ回路素子の表示情報を表示することが可能となる。この結果、操作者の利便性を向上することができる。
【0014】
第4の発明は、上記第3発明において、前記表示変更手段は、前記表示手段に表示される複数の前記表示情報の配列順序を、最後に情報が取得されたものが優先して視認できるように変更することを特徴とする。
【0015】
これにより、それまでの配列順序にかかわらず、最後に情報を取得した無線タグ回路素子の表示情報を、最も操作者が視認しやすい状態として表示することができる。この結果、操作者に対し、直前にどの無線タグ回路素子の探索が完了したかをわかりやすく知らせることができ、操作者の利便性が向上する。
【0016】
第5の発明は、上記第2又は第3発明において、前記表示変更手段は、前記情報取得の前に表示手段で表示されている少なくとも1つの表示情報に含まれる識別子を、前記情報取得の後に別の識別子に変更することを特徴とする。
【0017】
表示情報のうち(探索成功時には変更されるものとして)予め用意された識別子を、情報取得後に表示変更手段で別の識別子に変更することにより、探索に成功したことを操作者に確実に知らせることができる。
【0018】
第6の発明は、上記第5発明において、前記識別子として、数字又はマークを用いることを特徴とする。
【0019】
表示情報に含まれる数字又はマークを用いることで、探索に成功したことを操作者にわかりやすく知らせることができる。
【0020】
第7の発明は、上記第5又は第6発明において、前記表示変更手段は、前記情報取得の前に表示手段で表示されている前記識別子を、前記情報取得された順に沿って順次前記別の識別子に変更することを特徴とする。
【0021】
これにより、操作者は、探索を実行した後すぐに探索結果を認識することができるので、利便性を向上することができる。
【0022】
第8の発明は、上記第7発明において、前記表示変更手段は、前記情報取得の前に表示手段で表示されている識別子の少なくとも一部を、前記情報取得の後に、情報取得された順番情報を表す前記別の識別子に変更することを特徴とする。
【0023】
これにより、操作者は、比較的早い順番で情報を取得できた無線タグ回路素子は、自分の比較的近くにあると推測することが可能となる。操作者が移動しながら探索を行った場合には、移動方向とも照らし合わせて無線タグ回路素子の存在位置や方向を推測することも可能である。
【0024】
第9の発明は、上記第7発明において、前記無線通信手段は、前記無線タグ回路素子からの受信信号強度を検出する強度検出手段を備えており、前記表示変更手段は、前記情報取得の前に表示手段で表示されている識別子の少なくとも一部を、前記情報取得の後に、情報取得時に前記強度検出手段で検出された受信信号強度情報を表す前記別の識別子に変更することを特徴とする。
【0025】
これにより、操作者は、受信信号強度情報に基づき、各無線タグ回路素子までの距離を推測することが可能となる。
【0026】
第10の発明は、上記第2乃至第9発明のいずれかにおいて、前記表示変更手段は、表示手段で表示されている複数の識別子の少なくとも1つに関わる色、フォント、飾りの少なくともいずれかを、前記情報取得前後で変更することを特徴とする。
【0027】
これにより、操作者に対し、どの無線タグ回路素子の探索が完了したかをさらにわかりやすく知らせることができ、操作者の利便性が向上する。
【0028】
第11の発明は、上記第1発明において、前記表示制御手段は、前記情報取得の前に前記表示手段において表示されている前記表示情報に含まれる情報量を、前記情報取得の後に増加させる情報量増加手段を含むことを特徴とする。
【0029】
これにより、探索が完了した無線タグ回路素子については、さらにその詳細情報を操作者に知らせることができる。
【0030】
第12の発明は、上記第1発明において、前記表示制御手段は、前記情報取得手段により情報取得が完了した前記無線タグ回路素子の数が順次増えるのに従って、それら情報取得が完了した複数の無線タグ回路素子に係わる複数の前記表示情報が一覧表示可能なように、前記表示手段のうち前記複数の表示情報以外の表示領域を削減する表示領域削減手段を含むことを特徴とする。
【0031】
これにより、探索が完了したすべての無線タグ回路素子を(他の部分を犠牲にしても)もらさず表示し、確実に操作者に知らせることが可能となる。
【0032】
第13の発明は、上記第1発明において、前記表示制御手段は、前記情報取得手段による前記情報取得の前に表示手段で表示されている前記表示情報を、前記情報取得の後に非表示に切り換えることを特徴とする。
【0033】
これにより、探索が完了した無線タグ回路素子は次々に表示されなくなるので、操作者はまだ探索が終わっていない無線タグ回路素子を容易に認識することができる。
【0034】
第14の発明は、上記第13発明において、前記表示制御手段は、前記非表示に切り換えられた前記表示情報を、前記表示手段の別画面において表示させることを特徴とする。
【0035】
これにより、いったん非表示とした、探索が完了した無線タグ回路素子を、操作者が必要に応じ別画面において表示させ、確認することができる。
【0036】
第15の発明は、上記第2乃至第14発明のいずれかにおいて、前記情報取得手段が前記無線タグ回路素子より情報を取得したとき、これに対応した音声報知を行う音声報知手段を有することを特徴とする。
【0037】
これにより、操作者に対し、無線タグ回路素子の探索が完了したことを聴覚的にも知らせることができ、操作者の利便性が向上する。また表示手段での視覚的確認を行なわず無線タグ回路素子の探索が完了したことを知ることも可能である。
【0038】
第16の発明は、上記第2乃至第15発明のいずれかにおいて、前記表示制御手段は、前記情報取得手段による情報取得開始から所定時間経過後に、前記情報取得手段による情報取得結果に応じた結果表示画面を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0039】
これにより、無線タグ回路素子への探索の成否あるいは探索に成功した無線タグ回路素子の数の大小に関係なく、一定の時間経過をもって探索結果を確実に操作者に知らせることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、探索操作や探索結果の表示を、操作者にとってわかりやすく簡単なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0042】
図1は、本実施形態の携帯型無線タグ情報読み取り装置の使用態様の一例を表す図であり、この例では書棚に保管されている書籍資料の探索を行う場合を表す図である。図示する例では、書棚における1段の棚板に複数の書籍資料B(探索対象)が縦置きで水平方向(図中の左右方向)に並べられて保管されており、それら書籍資料Bの背表紙にそれぞれ無線タグTが貼付されている。そして、本実施形態の携帯型無線タグ情報読み取り装置であるリーダ1は携帯型(いわゆるハンディタイプ)のものであり、その筐体には操作部7と表示部8が設けられている。
【0043】
リーダ1の操作者(必要とする書籍資料Bの探索を行う者)は、探索対象である書籍資料B(一つ又は複数)のリストをあらかじめ操作部を介してリーダ1に入力設定し、その後にこのリーダ1を手に取って上記複数の書籍資料Bの並置列の一方側端部から各書籍Bに貼付されている無線タグTと無線通信を介して情報を送受することで、上記リストに設定された各書籍資料Bがリーダ1の通信可能領域20(図中の破線で示す範囲)内に存在するか否かをそれぞれ探索する。
【0044】
図2は、本実施形態のリーダ1の概略構成を表す構成図である。
【0045】
図2において、上述したようにこのリーダ1は、各書籍資料Bに貼付した無線タグTから無線通信を介してその無線タグTに記憶されている情報を読み取るものである。
【0046】
リーダ1は、本体制御部2と、リーダアンテナ3(無線通信手段)とを有している。本体制御部2は、CPU4と、ハードディスク装置やフラッシュメモリからなり全ての書籍資料Bに関する情報などを記憶する不揮発性記憶装置5と、例えばRAMやROM等からなるメモリ6と、操作者からの指示や情報が入力される操作部7と、各種情報やメッセージを表示する表示部8と、この表示部8により行われる表示の制御を行う表示制御部21(表示制御手段)と、リーダアンテナ3を介し無線タグTとの無線通信の制御を行うRF通信制御部9(無線通信手段)と、各種情報やメッセージを報知する音声報知部22(音声報知手段)とを備えている。
【0047】
CPU4(情報取得手段)は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってリーダ1全体の各種制御を行うものである。
【0048】
無線タグTは、タグ側アンテナ151とIC回路部150とを備える無線タグ回路素子Toを有しており、この無線タグ回路素子Toを特に図示しない基材などに設けて上記書籍資料B等の物品に貼付可能にしたものである(無線タグ回路素子Toについては後に詳述する)。
【0049】
図3は、上記表示制御部21の機能を表す機能ブロック図である。
【0050】
この図3において、表示制御部21は、探索対象(例えば上記書籍資料B)の少なくとも1つの無線タグTの無線タグ回路素子Toに対応する表示情報(例えば書籍名)を、操作者が選択可能なように表示部8(詳細には後述する液晶パネル11)に表示させる(後述の図7参照)。また表示制御部21は、表示変更部23(表示変更手段)、情報量増加部24(情報量増加手段)、及び表示領域削減部25(表示領域削減手段)を有している。
【0051】
上記表示変更部23は、リーダ1による無線通信を介した情報取得の前に表示部8において表示されている表示情報の少なくとも一部の領域の表示態様を、情報取得の後に変更するように制御する(後述の図7参照)。また上記情報量増加部24(情報量増加手段)は、リーダ1による無線通信を介した情報取得の前後で、表示部8において表示されている表示情報に含まれる情報量を、情報取得後に増加させるように制御する(後述の図12参照)。また上記表示領域削減部25(表示領域削減手段)は、リーダ1による無線通信を介した情報取得が完了した無線タグT(無線タグ回路素子To)の数が順次増えるのに従って、それら情報取得が完了した複数の無線タグT(無線タグ回路素子To)に係わる複数の表示情報が一覧表示可能なように、表示部8のうち複数の表示情報以外の表示領域を削減するように制御する(後述の図13参照)。
【0052】
図4は、上記リーダ1の全体的な外観を表す平面図である。この図4において、リーダ1は、略直方体形状に形成された本体制御部2の筐体2aと、この本体制御部筐体2aの長手方向の一端部(図示する例では上方端部)に設けられたリーダアンテナ3とを一体に有している。なお、このリーダ1の通信可能領域20は、このリーダアンテナ3から本体制御部筐体2aの長手方向延長線上(図4中の上方向)に延びる指向性で形成されるものとなっており、このため図1に示す使用例では、操作者が本体制御部筐体2aを手で持ち、リーダアンテナ3を上記複数の書籍資料Bの並置方向に向けた状態で探索処理を行うことになる。
【0053】
本体制御部筐体2aの一方側の平面(図示する手前側の面)には、図中の上方側に配置されている液晶パネル11(表示手段)と、この液晶パネル11の図中下方側に配置されている検出ランプ12及び充電ランプ13と、図中の略中央位置で十字形状に配置されている4つの方向キー14U,14D,14L,14R及びそれらの中央に配置されている決定キー15と、図中の下方側に配置されている送信キー16と、上記方向キー14U,14D,14L,14Rの右側に配置されている送信出力インジケータ17と、上記送信キー16の右側に配置されている送信強度調整スライダ18と、上記送信キー16の左側に配置されている音声報知部22とを有している。そしてこれら各部のうち、4つの方向キー14U,14D,14L,14R、決定キー15、送信キー16、及び送信強度調整スライダ18が上記操作部7を構成し、液晶パネル11、検出ランプ12、充電ランプ13、及び送信出力インジケータ17が上記表示部8を構成する。
【0054】
液晶パネル11は、リーダ1が行う各種の操作モードの切換状況や各操作モードにおける詳細内容(各種情報やメッセージ)を文字や記号で表示するものである。上記操作モードには、シングルサーチモード、マルチサーチモード、インベントリモード、リストアップモード、オプションモードがある。図示する表示例では、マルチサーチモードの処理を実行中であることを表示している。
【0055】
ここで、シングルサーチモードとは、液晶パネル11に表示された少なくとも1つの探索対象の中から1つだけ指定し、当該探索対象(に対応する無線タグT。以下同様)がリーダ1の通信可能領域20の範囲内に存在しているか否かを常に問いかけるよう通信し続ける処理である。なおこの際、指定された一つの探索対象に対し、通信可能領域20を最小範囲から最大範囲まで段階的に変化させつつ各段階で当該無線タグTとの無線通信の可否を判定することにより、無線通信が可能な最小の通信可能領域を検出し、その最小通信可能領域に対応する送信出力に基づいてリーダ1から当該探索対象までのおおよその離間距離も検出することができる。
【0056】
また、マルチサーチモード処理とは、液晶パネル11に表示された少なくとも1つの探索対象の中から複数の探索対象を指定し、当該複数の探索対象がリーダ1の通信可能領域20の範囲内に存在しているか否かを常に問いかけるよう通信し続ける処理である。なおこの際にも、指定された複数の探索対象に対し、通信可能領域20を最小範囲から最大範囲まで段階的に変化させつつ各段階で当該無線タグTとの無線通信の可否を判定することにより、無線通信が可能な最小の通信可能領域を検出し、その最小通信可能領域に対応する送信出力に基づいてリーダ1から各探索対象までのおおよその離間距離を検出することができる。
【0057】
また、インベントリモードとは、あらかじめ指定しておいた複数の探索対象が検出できるか否かだけを試行する処理である。このモードは、存在の有無だけを問題としているため、指定した複数の探索対象を全て検出した時点で処理を終了する。
【0058】
また、リストアップモードとは、探索対象の指定は行わず、リーダ1の通信可能領域20の範囲内に存在する探索対象と無線通信を行い、検出した探索対象を全てリストアップする処理である。また、オプションモードとは、音声報知部22による音声のON/OFF、バイブレータ機能のON/OFF等、リーダ1における各種機能を設定する処理である。
【0059】
なお、以上5つの操作モードの切換えは、前述した4つの方向キー14U,14D,14L,14Rのうちの左右方向キー14L,14Rを操作することにより行われる。
【0060】
また、図4において、検出ランプ12と充電ランプ13はいずれもLEDなどの発光素子を用いた表示機能部であり、それぞれ点灯・非点灯の区別によって指定した探索対象の検出の有無とバッテリの充電状態の良否を表示するものである。
【0061】
また、送信出力インジケータ17は、図中の上下方向に並ぶ3つのLED17a,17b,17c(発光素子)で構成されており、それらの点灯個数によって送信出力の大きさを段階的に表示(図示する例では3段階で表示)するものである。
【0062】
また、十字形状に配置されている4つの方向キー14U,14D,14L,14Rは、それぞれ十字配置の中心に対する位置関係に対応して上下左右の方向を指示可能に割り当てられた押し込み型のキースイッチであり、液晶パネル11中に表示されるカーソルの移動指示や、複数の選択肢の選択指示などに用いられる。また、4つの方向キー14U,14D,14L,14Rの中心に配置されている決定キー15はそのような選択の決定指示などに用いられる。
【0063】
また、送信キー16は、探索対象の無線タグTに対して各種の指示コマンドや情報の送信の開始(無線通信の開始)を指示するために用いられるキースイッチである。
【0064】
また、送信強度調整スライダ18は、つまみ18aの位置を図中の上下方向に段階的に移動(図示する例では3段階で移動)させることのできるスライダ型のスイッチであり、操作者はこれを用いてリーダアンテナ3から出力する電波の強度(送信出力)を微調整することができる。
【0065】
図5は、上記リーダ1におけるCPU4、RF通信制御部9、及びリーダアンテナ3の詳細構成を表す機能ブロック図である。この図5において、リーダ1のRF通信制御部9は、上記リーダアンテナ3を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(タグIDを含む無線タグ情報)へアクセスするものであり、またリーダ1のCPU4は無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンドを生成するものである。
【0066】
RF通信制御部9は、リーダアンテナ3を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部212と、リーダアンテナ3により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部213と、送受分離器214とから構成される。
【0067】
送信部212は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスする(この例では読み取り)ための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部212は、基準周波数を発生する水晶振動子215Aと、この水晶振動子215Aにより発生した周波数を元に、所定周波数の搬送波をCPU4の制御により発生させるPLL(Phase Locked Loop)215B、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)215Cと、上記CPU4から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU4からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路216(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路216により変調された変調波を増幅(この例ではCPU4からの「TX_PWR」信号によって増幅率が決定される増幅)する可変送信アンプ217とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯、マイクロ波帯、あるいは短波帯の周波数を用いており、上記送信アンプ217の出力は、送受分離器214を介しリーダアンテナ3に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0068】
受信部213は、リーダアンテナ3で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調する受信第1乗算回路218と、その受信第1乗算回路218の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ219と、この第1バンドパスフィルタ219の出力を増幅する受信第1アンプ221と、この受信第1アンプ221の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第1リミッタ220と、上記リーダアンテナ3で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生された後に移相器227により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算する受信第2乗算回路222と、その受信第2乗算回路222の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ223と、この第2バンドパスフィルタ223の出力を増幅する受信第2アンプ225と、この受信第2アンプ225の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換する第2リミッタ224とを備えている。そして、上記第1リミッタ220から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ224から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU4に入力されて処理される。
【0069】
また、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU4に入力されるようになっている。このようにして、リーダ1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの応答波の復調が行われる。
【0070】
図6は、上記無線タグTに備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。
【0071】
この図6において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダ1のリーダアンテナ3と非接触で信号の送受信を行う上記タグ側アンテナ151と、このタグ側アンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0072】
IC回路部150は、タグ側アンテナ151により受信された質問波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグ側アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグ側アンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介し上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0073】
変復調部156は、タグ側アンテナ151により受信された上記リーダ1のリーダアンテナ3からの通信信号の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグ側アンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0074】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0075】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグ側アンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0076】
また、メモリ部155には、当該無線タグ回路素子Toの個体を特定するための識別情報として一意的に設定(つまり同じものが2つ以上重複することのない唯一無二の内容に設定)されたタグIDがあらかじめ記憶されている。
【0077】
ここで、本実施形態のリーダ1の最も大きな特徴は、探索対象を探索するにあたって、操作者が液晶パネル11に表示された少なくとも1つの探索対象の中から探索対象を指定することができ、且つ、探索対象から無線タグ情報を取得する前に液晶パネル11において表示されている表示情報の少なくとも一部の領域の表示態様を、無線タグ情報の取得後に変更することにある。以下、その表示の詳細を説明する。
【0078】
図7は探索時における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図であり、図7(a)はモード選択時の初期画面、図7(b)は探索対象の選択時の画面、図7(c)は探索対象の検出時の画面を表している。
【0079】
図7(a)は、操作者が左右方向キー14L,14Rを操作することによりマルチサーチモードを選択した場合に最初に表示される初期画面である。図において、画面左上には選択された操作モード名(この例では「Multisearch」)を表すモード表示部31が、画面右上には無線通信により検出された探索対象の数を表す検出数表示部32及び操作者により選択された探索対象の合計数を表す選択数表示部33が表示されている。また、上記モード表示部31の下方には、探索対象を選択するための探索対象選択表示部34が表示されている。
【0080】
上記探索対象選択表示部34は、操作者が上下方向キー14U,14Dを操作することにより移動可能なカーソル部35、テキスト部36、及びマーク部37を有している。なお、探索対象選択表示部34の最上部に表示された「AllSelect」は、その下に表示される探索対象リストの全てを選択するものである。すなわち、カーソル部35が当該「AllSelect」を指しているときに操作者が決定キー15を操作すると、探索対象選択表示部34に表示される探索対象リストの全てが選択される。また、テキスト部36は探索対象である物品の名称(又は識別番号等でもよい)を、マーク部37の識別子であるマーク「−」は当該探索対象が選択されていないことを示している。
【0081】
上記図7(a)に示す表示状態から、操作者が下方向キー14Dを操作してカーソル部35を下げつつ、「ObjectName1」〜「ObjectName3」の各探索対象についてそれぞれ決定キー15を操作することにより選択を行うと、図7(b)に示す表示状態となる。このとき、カーソル部35の下降動作に応じて探索対象選択表示部34は自動的に下方にスクロールする。図に示すように、「ObjectName1」〜「ObjectName3」の各探索対象に対応するマーク部37は、選択されたことによりマーク「−」から別のマーク「*」に表示が変更されている(但し「ObjectName1」については探索対象選択表示部34が下スクロールしたことにより表示されていない)。また、選択数表示部33の表示は探索対象が選択されるごとに加算され、この例では探索対象の選択合計数「3」が表示されている。なお、「ObjectName4」については選択されていないため、マーク部37の表示はマーク「−」のままとなっている。
【0082】
上記図7(b)に示す表示状態において、操作者により送信キー16が操作されると、リーダ1の本体制御部2(詳細にはCPU4)は上記選択された探索対象(に対応する無線タグTの無線タグ回路素子To)のタグIDを指定して無線通信を開始する。その結果、検出された探索対象(すなわち無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報を取得することができた探索対象)については、図7(c)に示すように対応するマーク部37の表示がマーク「*」からさらに別のマーク「○」に変更される。図に示す例では、「ObjectName1」及び「ObjectName2」について検出されているため、これらのマーク部37の表示がマーク「*」からマーク「○」に変更されている(但し「ObjectName1」については探索対象選択表示部34の下スクロールにより表示されていない)。「ObjectName3」については検出されていないため、マーク部37の表示はマーク「*」のままとなっている。また、検出数表示部32の表示は探索対象が検出されるごとに加算され、ここでは探索対象の検出数「2」が表示されている。
【0083】
以上において、マーク部37は、特許請求の範囲各項記載の情報取得の前に表示手段において表示されている表示情報の少なくとも一部の領域を構成する。
【0084】
以上説明した実施形態においては、探索対象の少なくとも1つの無線タグ回路素子Toに対応する表示情報がリーダ1の液晶パネル11に選択可能に表示される。この表示に基づき操作者が少なくとも1つの表示情報を選択すると、その選択された表示情報に対応した無線タグ回路素子ToのタグIDを指定して無線通信により通信が行われる。この通信を介して、タグIDが指定された無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報を取得する。そして、このように情報が取得された無線タグ回路素子Toに対応する液晶パネル11の表示情報は、表示制御部21によって、その少なくとも一部の表示態様が情報取得前に比べて異なるようになる。
【0085】
以上のようにして、液晶パネル11に表示情報が表示された探索対象を選択指定して探索を行い、探索に成功したらその表示情報の少なくとも一部が変化して操作者に知らせる。この結果、探索対象の探索操作や探索結果の表示を、操作者にとってわかりやすく簡単なものとすることができる。
【0086】
また、本実施形態では特に、表示制御部21の表示変更部23の制御により、探索対象の無線タグ回路素子Toから情報を取得する前に液晶パネル11で表示されている表示情報の少なくとも一部の領域の表示態様を、情報取得後に変更する。これにより、情報取得前に液晶パネル11で実際に表示されている画面と同一画面枠組内で情報取得後に表示態様を変更することができるので、探索に成功したことを操作者にわかりやすく知らせることができる。
【0087】
また、本実施形態では特に、表示制御部21の表示変更部23の制御により、探索対象の無線タグ回路素子Toから情報を取得する前に液晶パネル11で表示されている表示情報に含まれるマーク部37のマーク「*」を、情報取得の後に別のマーク「○」に変更する。このように、表示情報のうち予め用意されたマークを、情報取得後に表示変更部23で別のマークに変更することにより、探索に成功したことを操作者に確実に知らせることができる。
【0088】
また、本実施形態では特に、情報の取得前後で表示態様を変更するマーク部37の識別子としてマークを用いる。このように表示情報に含まれるマークを用いることで、探索に成功したことを操作者にわかりやすく知らせることができる。
【0089】
また、本実施形態では特に、表示制御部21の表示変更部23の制御により、無線タグ情報の取得の前に液晶パネル11で表示されているマークを、情報取得された順に沿って順次別のマークに変更する。これにより、操作者は、探索を実行した後すぐに探索結果を認識することができるので、利便性を向上することができる。
【0090】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0091】
(1)検出されたものを表示するように画面をスクロールする場合
すなわち、操作者が選択した探索対象が複数あり一画面に入りきれないような場合において、表示されていない探索対象が検出された際にはその探索対象を優先して視認できるように探索対象選択表示部34をスクロールするようにしてもよい。
【0092】
図8は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。
【0093】
図8(a)は、操作者がマルチサーチモードで10個の探索対象を選択して探索を開始した結果、「ObjectName1」及び「ObjectName2」の2つの探索対象について検出された状態を示している。したがって、検出数表示部32には「2」が表示され、選択数表示部33には「10」が表示されている。
【0094】
次に、「ObjectName7」の探索対象が検出された場合、図8(b)に示す表示状態となる。すなわち、上記表示制御部21の表示変更部23の制御により、検出された「ObjectName7」が優先して視認できるように探索対象選択表示部34がスクロールし、その結果「ObjectName7」が探索対象選択表示部34の最上部となるように表示される。また、検出数表示部32の表示は加算されて「3」に変更される。
【0095】
さらに、「ObjectName4」の探索対象が検出された場合、図8(c)に示す表示状態となる。すなわち、検出された「ObjectName4」が探索対象選択表示部34の最上部となるように探索対象選択表示部34がスクロールする。また、検出数表示部32の表示は加算されて「4」に変更される。
【0096】
なお、上記では検出された探索対象が探索対象選択表示部34の最上部に表示されるようにしたが、これに限られず、操作者が視認しやすい位置であれば他の位置(例えば最下部等)に表示するようにしてもよい。
【0097】
以上説明した変形例においては、表示制御部21の表示変更部23の制御により、液晶パネル11に表示される複数の探索対象の表示情報の配列順序を、無線タグ情報取得の前後で変更する。これにより、情報取得前の配列順序にとらわれず、情報取得後の状況にマッチした最適な配列順序に組み直して複数の探索対象の表示情報を表示することができる。この結果、操作者の利便性を向上することができる。
【0098】
また、本変形例においては、液晶パネル11に表示される複数の表示情報の配列順序を、最後に情報が取得されたものが優先して視認できるように変更する。これにより、それまでの配列順序にかかわらず、最後に情報を取得した探索対象の表示情報を、最も操作者が視認しやすい状態として表示することができる。この結果、操作者に対し、直前にどの探索対象の探索が完了したかをわかりやすく知らせることができ、操作者の利便性が向上する。
【0099】
(2)検出した順番を表示する場合
すなわち、複数の探索対象について探索を行う場合において、無線タグ情報が取得された後にその情報取得順に番号を表示するようにしてもよい。
【0100】
図9は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。
【0101】
図9(a)は、操作者がマルチサーチモードで10個の探索対象を選択した状態を示している。したがって、検出数表示部32には「0」が表示され、選択数表示部33には「10」が表示されている。
【0102】
次に、操作者が探索を開始した結果、1番目に「ObjectName4」、2番目に「ObjectName2」の探索対象について検出された場合、図9(b)に示す表示状態となる。このとき、上記表示制御部21の表示変更部23の制御により、各探索対象に対応するマーク部37には識別子である数字がそれぞれ表示されており、この数字は対応する探索対象が情報取得された順番を表している。すなわち、「ObjectName4」に対応するマーク部37には「1」が表示され、「ObjectName2」に対応するマーク部37には「2」が表示される。また、検出数表示部32の表示は加算されて「2」に変更される。
【0103】
さらに、3番目に「ObjectName5」、4番目に「ObjectName6」の探索対象について検出された場合、図9(c)に示す表示状態となる。すなわち、「ObjectName5」に対応するマーク部37には「3」が表示され、「ObjectName6」に対応するマーク部37には「4」が表示される。また、検出数表示部32の表示は加算されて「4」に変更される。
【0104】
上記変形例においては、表示制御部21の表示変更部23の制御により、情報取得の前に液晶パネル11で表示されているマークの少なくとも一部を、情報取得の後に、情報取得された順番情報を表す数字に変更する。これにより、操作者は、比較的早い順番で情報を取得できた探索対象は、自分の比較的近くにあると推測することができる。また、例えば操作者が移動しながら探索を行った場合には、移動方向とも照らし合わせて探索対象の存在位置や方向を推測することも可能である。
【0105】
(3)受信信号強度を表示する場合
すなわち、複数の探索対象について探索を行う場合において、各探索対象に対応する無線タグTの無線タグ回路素子Toからの受信信号強度を検出し、無線タグ情報が取得された後にその受信信号強度に対応する情報を表示するようにしてもよい。
【0106】
前述したように、受信第1アンプ221及び受信第2アンプ225の出力はRSSI回路226にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU4に入力される。表示制御部21の表示変更部23は、CPU4より上記強度信号RSSIを入力し、これに基づき情報取得の前に液晶パネル11で表示されているマーク部37の一部を、情報取得の後に受信信号強度情報を表す別のマークに変更する。
【0107】
図10は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。
【0108】
図10(a)は、操作者がマルチサーチモードで3個の探索対象を選択した状態(探索前)を示している。したがって、検出数表示部32には「0」が表示され、選択数表示部33には「3」が表示されている。
【0109】
次に、操作者が探索を開始した結果、選択された「ObjectName1」〜「ObjectName3」の3つの探索対象について全て検出された場合、図10(b)に示す表示状態となる。このとき、上記表示制御部21の表示変更部23の制御により、各探索対象に対応するマーク部37には受信信号強度を表す識別子であるマークがそれぞれ表示されている。この例では、「ObjectName1」に対応するマーク部37には受信信号強度が小さいことを表す「△」が表示され、「ObjectName2」に対応するマーク部37には受信信号強度が大きいことを表す「◎」が表示され、「ObjectName3」に対応するマーク部37には受信信号強度が中程度であることを表す「○」が表示されている。また、検出数表示部32の表示は「3」に変更される。
【0110】
以上説明した変形例によれば、操作者は、受信信号強度が大きいほどリーダ1から探索対象までの距離が小さいというように、受信信号強度情報に基づき各探索対象までの距離を推測することができる。
【0111】
なお、上記ではRSSI回路226が出力する信号強度を示す信号「RSSI」を利用して各探索対象までの距離を推測する場合を示したが、以下のようにして距離を検出するようにしてもよい。すなわち、前述したように操作者はつまみ18aを用いてリーダ1の送信出力を段階的に調整することができる。これを利用して、指定された複数の探索対象に対し、送信出力を段階的に変化させつつ各段階で各探索対象の無線タグTとの無線通信の可否を判定することにより、送信出力が大・中・小である場合に検出した探索対象との距離はそれぞれ大・中・小となるといったように、検出時の送信出力に基づいてリーダ1から各探索対象までのおおよその離間距離を検出することができる。したがって、図10(c)に示すように、この検出時の送信出力情報を各探索対象について表示してもよい(または送信出力に基づき検出される探索対象までの離間距離を表示してもよい)。
【0112】
(4)表示変更のバリエーション
以上では、探索対象の選択前後及び無線タグ情報の取得前後に、マーク部37のマークや数字を変更する場合を例にとって説明したが、これに代えて、またはこれに加えて、表示色、フォント(大きさ、太さ、斜字等)、文字飾り(網掛け、白黒反転、アンダーライン等)等の少なくともいずれかを変更するようにしてもよい。
【0113】
図11は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。この例では、操作者がマルチサーチモードで「ObjectName1」〜「ObjectName3」の3個の探索対象を選択して探索を行った結果、「ObjectName1」及び「ObjectName3」の2つの探索対象について検出された場合を示している。
【0114】
図11(a)は、検出された探索対象についてマーク部37のマーク変更(「*」→「○」)に加えて、マーク部37及びテキスト部36のフォント(この場合は太さ)を変更した場合を示している。また図11(b)は、検出された探索対象についてマーク部37のマーク変更(「*」→「○」)に加えて、マーク部37及びテキスト部36に網掛けを行った場合を示している(但し図11(b)では煩雑防止のため網掛けを省略し、網掛け領域の外枠のみ図示している)。さらに図11(c)は、検出された探索対象についてマーク部37のマーク変更(「*」→「○」)に加えて、マーク部37及びテキスト部36に対し白黒反転を行った場合を示している。
【0115】
本変形例によれば、操作者に対し、どの探索対象の探索が完了したかをさらにわかりやすく知らせることができ、操作者の利便性が向上する。
【0116】
(5)表示する情報量を増加する場合
すなわち、探索対象の無線タグ情報の取得前に液晶パネル11において表示されている表示情報に含まれる情報量を、情報取得後に増加させるようにしてもよい。
【0117】
図12は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。
【0118】
図12(a)は、操作者がマルチサーチモードで10個の探索対象を選択した状態(探索前)を示している。したがって、検出数表示部32には「0」が表示され、選択数表示部33には「10」が表示されている。
【0119】
次に、操作者が探索を開始した結果、「ObjectName2」及び「ObjectName3」の探索対象について検出された場合、図12(b)に示す表示状態となる。このとき、上記表示制御部21の情報量増加部24の制御により、探索対象選択表示部34の最上部の表示情報量が増加され、当該部分に「ObjectName2」及び「ObjectName3」の名称が表示される。なおこのとき、当該最上部のマーク部37についてはマーク変更(「*」→「○」)がなされ、また検出数表示部32の表示は「2」に変更される。
【0120】
さらに、「ObjectName5」及び「ObjectName6」の探索対象について検出された場合、図12(c)に示す表示状態となる。このとき、上記表示制御部21の情報量増加部24の制御により、探索対象選択表示部34の最上部の表示は横にスクロールしつつ、当該部分に「ObjectName2,3,5,6」の名称を全て表示する。なお、検出数表示部32の表示は加算されて「4」に変更される。
【0121】
なお、上記では探索対象選択表示部34の最上部の表示情報量を増加するようにしたが、これに限られず、他の位置の表示情報量を増加するようにしてもよい。
【0122】
以上説明した変形例によれば、上記表示制御部21の情報量増加部24の制御により、探索対象の無線タグ情報の取得前に液晶パネル11において探索対象選択表示部34の最上部に表示していた情報量を情報取得後に増加させ、横スクロールさせつつ最上部のみで探索が完了した探索対象についての表示をすべて行う。これにより、探索対象選択表示部34の最上部以外の部分でその他の表示(検出されていない探索対象名等)を行うことができるので、液晶パネル11全体の表示情報量を増加することができる。また、検出された探索対象の名称が長い場合であっても横スクロールにより全て表示させることができる。また、検出された探索対象について、名称の他にさらにその詳細情報(例えばタグIDや離間距離等)を表示させて操作者に知らせるといったことも可能である。
【0123】
(6)検出された探索対象情報以外の表示領域を削減する場合
すなわち、無線タグ情報の取得が完了した探索対象の数が順次増えるのに従って、それら情報取得が完了した複数の探索対象に係わる表示情報が一覧表示可能なように、液晶パネル11のうち上記検出された探索対象の表示情報以外の表示領域を削減するようにしてもよい。
【0124】
図13は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。
【0125】
図13(a)は、操作者がマルチサーチモードで10個の探索対象を選択した状態(探索前)を示している。したがって、検出数表示部32には「0」が表示され、選択数表示部33には「10」が表示されている。
【0126】
次に、操作者が探索を開始した結果、「ObjectName1,2,4,6,7」の探索対象について検出された場合、図13(b)に示す表示状態となる。すなわち、上記表示制御部21の表示領域削減部25の制御により、カーソル部35の表示領域が削減されて探索対象選択表示部34の表示領域が拡大され、当該領域に検出された探索対象「ObjectName1,2,4,6,7」の名称が全て表示される。なおこのとき、対応するマーク部37についてはマーク変更(「*」→「○」)がなされ、また検出数表示部32の表示は加算されて「5」に変更される。
【0127】
その後、「ObjectName5」及び「ObjectName8」の探索対象について検出された場合、図13(c)に示す表示状態となる。すなわち、上記表示制御部21の表示領域削減部25の制御により、モード表示部31、検出数表示部32、及び選択数表示部33の表示領域が削減されて探索対象選択表示部34の表示領域が液晶パネル11の表示画面全体に拡大され、当該領域内に検出された探索対象の名称が全て表示される。
【0128】
以上説明した変形例によれば、表示制御部21の表示領域削減部25の制御により、無線タグ情報の取得が完了した探索対象の数が順次増えるのに従って、それら情報取得が完了した複数の探索対象に係わる表示情報が一覧表示可能なように、液晶パネル11のうち上記検出された探索対象の表示情報以外の表示領域を削減する。これにより、探索が完了したすべての探索対象を他の表示領域を犠牲にしてももらさず表示し、確実に操作者に知らせることができる。また、液晶パネル11による表示画面を検出された探索対象の情報のみの表示に用いることができるので、限られた表示画面を有効に使用することができる。
【0129】
(7)検出された探索対象の情報を非表示とする場合
すなわち、探索対象について無線タグ情報の取得が完了するにつれ、当該情報取得した探索対象については液晶パネル11に表示しないようにしてもよい。
【0130】
図14は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。
【0131】
図14(a)は、操作者がマルチサーチモードで10個の探索対象を選択した状態(探索前)を示している。したがって、検出数表示部32には「0」が表示され、選択数表示部33には「10」が表示されている。
【0132】
次に、操作者が探索を開始した結果、「ObjectName1,3,4,6」の4つ探索対象について検出された場合、図14(b)に示す表示状態となる。すなわち、上記表示制御部21の制御により、検出された「ObjectName1,3,4,6」に対応する探索対象の情報が非表示に切り換えられる。なおこのとき、検出数表示部32の表示は「4」に変更される。
【0133】
以上説明した変形例によれば、探索が完了した探索対象は次々に表示されなくなるので、操作者はまだ探索が終わっていない探索対象を容易に認識することができる。
【0134】
なお、上記変形例において、非表示に切り換えられた上記表示情報を、図14(c)に示すように、操作者の適宜の操作により液晶パネル11の別画面において表示させるようにしてもよい。これにより、いったん非表示とした、探索が完了した探索対象を、操作者が必要に応じ別画面において表示させ、確認することができる。
【0135】
(8)タイムアウト時の結果表示を行う場合
すなわち、リーダ1による探索開始時(送信キー16の操作時)から所定時間経過後に液晶パネル11で探索結果の表示を行うようにしてもよい。
【0136】
図15は本変形例における液晶パネル11の表示画面の一例を表す図である。
【0137】
図15(a)は、操作者がマルチサーチモードで10個の探索対象を選択して探索を行った結果、予め定められた所定時間が経過するまでにそのうちの8個の探索対象について検出した場合における探索結果の表示の一例である。この例では、表示制御部21の制御により、探索開始から所定時間が経過した旨「Search Timeout」と、探索結果として探索対象の検出数が検出数表示部32に、操作者により選択された探索対象の数が選択数表示部33に表示されている。また図15(b)は所定時間経過するまでに探索対象を1つも検出できなかった場合の表示の一例を示している。なお、本変形例においては、探索開始から予め定められた所定時間が経過すると、リーダ1による探索動作(探索対象への信号送信)は自動的に停止される。
【0138】
本変形例によれば、探索対象への探索の成否あるいは探索に成功した探索対象の数の大小に関係なく、一定の時間経過をもって探索結果を確実に操作者に知らせることができる。また、一定の時間経過をもって探索動作が停止するため、リーダ1のバッテリ消費を節約することができる。
【0139】
(9)音声報知を行う場合
すなわち、以上において表示態様を変更する際に、音声報知部22で音声報知を行うようにしてもよい。例えば、無線通信により探索対象が検出された際に、音声報知部22で対応した音声報知(例えば「ObjectName1が検出されました」等)を行う等である。
【0140】
本変形例によれば、操作者に対し、探索対象の探索が完了したことを聴覚的にも知らせることができ、操作者の利便性が向上する。またこれにより、液晶パネル11での視覚的確認を行なわず探索対象の探索が完了したことを知ることもできる。
【0141】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0142】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本実施形態の携帯型無線タグ情報読み取り装置であるリーダの使用態様の一例を表す図である。
【図2】本実施形態のリーダの概略構成を表す構成図である。
【図3】表示制御部の機能を表す機能ブロック図である。
【図4】リーダの全体的な外観を表す平面図である。
【図5】リーダにおけるCPU、RF通信制御部、及びリーダアンテナの詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図6】無線タグに備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図7】探索時における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図8】検出されたものを表示するように画面をスクロールする場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図9】検出した順番を表示する場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図10】受信信号強度や送信出力を表示する場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図11】フォントや文字飾り等を変更する場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図12】表示する情報量を増加する場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図13】検出された探索対象情報以外の表示領域を削減する場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図14】検出された探索対象の情報を非表示とする場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【図15】タイムアウト時の結果表示を行う場合の変形例における液晶パネルの表示画面の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0144】
1 リーダ(携帯型無線タグ情報読み取り装置)
3 リーダアンテナ(無線通信手段)
4 CPU(情報取得手段)
9 RF通信制御部(無線通信手段)
11 液晶パネル(表示手段)
21 表示制御部(表示制御手段)
22 音声報知部(音声報知手段)
23 表示変更部(表示変更手段)
24 情報量増加部(情報量増加手段)
25 表示領域削減部(表示領域削減手段)
150 IC回路部
151 タグ側アンテナ
226 RSSI回路(強度検出手段)
B 書籍資料(探索対象)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と情報を送受信可能なタグ側アンテナとを備えた複数の無線タグ回路素子に対し、無線通信を行うための無線通信手段と、
探索対象の少なくとも1つの前記無線タグ回路素子に対応する表示情報を、操作者が選択可能に表示する表示手段と、
前記表示情報が前記表示手段に表示された前記探索対象の無線タグ回路素子のうち、前記操作者により選択された少なくとも1つの前記無線タグ回路素子の識別情報を指定し、前記無線通信手段を介して通信を行い、前記指定された前記無線タグ回路素子の前記IC回路部から情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が前記無線タグ回路素子より情報を取得したとき、前記表示手段における当該無線タグ回路素子に対応する前記表示情報の表示態様を、情報取得前に比べて少なくとも一部が異なるようにする表示制御手段と
を有することを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項2】
請求項1記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示制御手段は、
前記情報取得の前に表示手段において表示されている表示情報の少なくとも一部の領域の表示態様を、前記情報取得の後に変更する表示変更手段を含む
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項3】
請求項2記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示変更手段は、
前記表示手段に表示される複数の前記無線タグ回路素子にそれぞれ対応する複数の前記表示情報の配列順序を、前記情報取得手段による情報取得の前後で変更する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項4】
請求項3記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示変更手段は、
前記表示手段に表示される複数の前記表示情報の配列順序を、最後に情報が取得されたものが優先して視認できるように変更する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示変更手段は、
前記情報取得の前に表示手段で表示されている少なくとも1つの表示情報に含まれる識別子を、前記情報取得の後に別の識別子に変更する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項6】
請求項5記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記識別子として、数字又はマークを用いる
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示変更手段は、
前記情報取得の前に表示手段で表示されている前記識別子を、前記情報取得された順に沿って順次前記別の識別子に変更する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項8】
請求項7記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示変更手段は、
前記情報取得の前に表示手段で表示されている識別子の少なくとも一部を、前記情報取得の後に、情報取得された順番情報を表す前記別の識別子に変更する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項9】
請求項7記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記無線通信手段は、
前記無線タグ回路素子からの受信信号強度を検出する強度検出手段を備えており、
前記表示変更手段は、
前記情報取得の前に表示手段で表示されている識別子の少なくとも一部を、前記情報取得の後に、情報取得時に前記強度検出手段で検出された受信信号強度情報を表す前記別の識別子に変更する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項10】
請求項2乃至請求項9のいずれか1項記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示変更手段は、
表示手段で表示されている複数の識別子の少なくとも1つに関わる色、フォント、飾りの少なくともいずれかを、前記情報取得前後で変更する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項11】
請求項1記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示制御手段は、
前記情報取得の前に前記表示手段において表示されている前記表示情報に含まれる情報量を、前記情報取得の後に増加させる情報量増加手段を含む
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項12】
請求項1記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示制御手段は、
前記情報取得手段により情報取得が完了した前記無線タグ回路素子の数が順次増えるのに従って、それら情報取得が完了した複数の無線タグ回路素子に係わる複数の前記表示情報が一覧表示可能なように、前記表示手段のうち前記複数の表示情報以外の表示領域を削減する表示領域削減手段を含む
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項13】
請求項1記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示制御手段は、
前記情報取得手段による前記情報取得の前に表示手段で表示されている前記表示情報を、前記情報取得の後に非表示に切り換える
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項14】
請求項13記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示制御手段は、
前記非表示に切り換えられた前記表示情報を、前記表示手段の別画面において表示させる
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項15】
請求項2乃至請求項14のいずれか1項記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記情報取得手段が前記無線タグ回路素子より情報を取得したとき、これに対応した音声報知を行う音声報知手段を有する
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。
【請求項16】
請求項2乃至請求項15記載の携帯型無線タグ情報読み取り装置において、
前記表示制御手段は、
前記情報取得手段による情報取得開始から所定時間経過後に、前記情報取得手段による情報取得結果に応じた結果表示画面を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする携帯型無線タグ情報読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−86713(P2009−86713A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−251756(P2007−251756)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】