説明

携帯型超音波診断装置

【課題】バッテリ残量の低下に伴なうシステムの急激な停止を防止する。
【解決手段】携帯型超音波診断装置100の残量比較部9は、残量計測部8が計測した漸減するバッテリ電源7のバッテリ残量R0と所定の閾値R1乃至R3(R1>R2>R3)とを比較する。そして、アラーム信号発生部10は、バッテリ残量R0と閾値R1との比較結果に基づいて発生したアラーム信号を表示部13に表示し、データ記憶部12は、バッテリ残量R0と閾値R2との比較結果に基づいて当該被検体から収集した画像データ等を保存する。一方、システム制御部16は、バッテリ残量R0と閾値R3との比較結果に基づいて検査モードを通常検査モードから省電力検査モードへ更新し、ガイダンス発生部11は、バッテリ残量R0と閾値R3との比較結果に基づきシステムを安全に停止するためのシステム停止ガイダンスを発生して表示部13に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型超音波診断装置に係り、特に、バッテリによる動作を可能とした携帯型超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置は、超音波プローブに内蔵された振動素子から発生する超音波パルスを被検体内に放射し、生体組織の音響インピーダンスの差異によって生ずる超音波反射波を前記振動素子により受信して種々の生体情報を収集するものである。複数の振動素子に供給する駆動信号や前記振動素子から得られる受信信号の遅延時間を制御することにより超音波の送受信方向や集束点を電子的に制御することが可能な近年の超音波診断装置では、超音波プローブを体表に接触させるだけの簡単な操作でリアルタイムの画像データを容易に観察することができるため、生体臓器の形態診断や機能診断に広く用いられている。
【0003】
このような超音波診断装置は、従来、検査室等に常時据え置いた状態で使用されてきたが、近年では、装置の小型化や軽量化を可能とする技術開発の発展に伴なって患者のベッドサイドや往診等に適用可能な携帯型の超音波診断装置が実用化されるようになった。そして、この携帯型超音波診断装置を動作させる際の電源は、従来の商用電源に替わって可搬性に優れた充電式のバッテリ電源が多用されている。
【0004】
このようなバッテリ電源によって動作可能な携帯型超音波診断装置は、バッテリ容量によって装置の稼動時間が制限されるため、バッテリ電源の残量(以下では、バッテリ残量と呼ぶ。)が所定閾値以下に低下した場合には、通常モードの撮影条件を予め設定された省電力モードの撮影条件へ更新するか否かの問い合わせを表示部のダイアログボックスを用いて行なう方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
即ち、特許文献1に記載された方法によれば、バッテリ電源の出力端に接続されたバッテリ残量計測部によって計測されるバッテリ残量が所定の閾値以下に低下した場合、予め設定された省電力モードにおける各種の撮像条件が表示部のダイアログボックスに順次表示される。そして、操作者は、このダイアログボックスに示された各種撮像条件の中から当該超音波検査に好適な省電力モードの撮影条件を選択することにより、バッテリ電源の急激な電圧降下によって発生する超音波診断装置の予期せぬ動作を防止することができる。
【特許文献1】特開2005−323845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
超音波診断装置等の医用機器は他の民生用機器と異なり、検査対象である被検体に対し十分な安全性と信頼性が常時確保されていなくてはならない。従って、携帯型超音波診断装置のバッテリ残量の低下に伴なってシステムの動作が急激に停止することは大きな問題であり、特に、食道等の体腔内に超音波プローブを挿入した状態で診断対象臓器の超音波診断を行なう、所謂、体腔内超音波検査をバッテリ電源を有した携帯型超音波診断装置を用いて行なう場合、バッテリ残量の低下によるシステムの急激な動作停止は極力避けなくてはならない。
【0007】
即ち、バッテリ残量が所定の閾値以下に低下した場合、予め設定されたシーケンスに基づいてシステムの動作を安全かつ確実に停止させなくてはならないが、従来の携帯型超音波診断装置では、システムの動作を安全に停止するためのシーケンスが組み込まれていなかったため、被検体に対して十分な安全性を確保することが困難であった。
【0008】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリ残量が所定の閾値以下に低下した場合、システムの動作を被検体や装置本体に対して危害を与えることなく安全に停止することが可能な携帯型超音波診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係る本発明の携帯型超音波診断装置は、バッテリ電源によって動作する携帯型超音波診断装置において、前記バッテリ電源のバッテリ残量を計測する残量計測手段と、前記バッテリ残量と1つあるいは複数からなる閾値とを比較する残量比較手段と、この残量比較手段による前記バッテリ残量と前記閾値との比較結果に基づいて、前記携帯型超音波診断装置を用いた超音波検査にて収集される画像データ等の臨床データ、前記超音波検査の撮影条件及び前記臨床データの収集における被検体情報の少なくとも何れかを保存するデータ記憶手段と、前記残量比較手段による前記バッテリ残量と前記閾値との比較結果に基づいて前記携帯型超音波診断装置の動作を停止させるためのシステム停止ガイダンスを発生するガイダンス発生手段と、前記システム停止ガイダンスを表示する表示手段とを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バッテリ残量が所定閾値以下に低下した場合、システムの動作を被検体や装置本体に対して危害を与えることなく安全に停止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0012】
以下に述べる本実施例の携帯型超音波診断装置では、バッテリ電源のバッテリ残量R0と予め設定された第1の閾値R1、第2の閾値R2及び第3の閾値R3(R1>R2>R3)とを比較する。そして、通常検査モードの実行に伴なって漸減するバッテリ残量R0が第1の閾値R1に到達したならば、バッテリ残量R0が許容できないレベルまで低下していることを携帯型超音波診断装置の操作者に対して報知するアラーム信号を発生し、バッテリ残量R0が第2の閾値R2に到達したならば、被検体から収集した画像データやこの画像データを収集する際の撮影条件、更には、当該被検体の被検体情報等を保存する。更に、バッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達したならば、検査モードを通常検査モードから省電力検査モードへ更新し、携帯型超音波診断装置が有する全ての動作を安全に停止するためのシステム停止ガイダンスを表示部に表示する。
【0013】
尚、以下の実施例では、特に経食道や経直腸等の体腔内検査を目的とするセクタ走査方式の携帯型超音波診断装置について述べるが、リニア走査方式やコンベックス走査方式等が適用された携帯型超音波診断装置であってもよく、又、体表検査を目的として上述の走査方式が適用された携帯型超音波診断装置であっても構わない。
【0014】
又、通常検査モードにおいてBモード画像データとカラードプラ画像データを略同時に生成/表示し、省電力検査モードにおいてBモード画像データを生成/表示する場合について述べるがこれに限定されない。
【0015】
(装置の構成)
本実施例における体腔内検査を目的とした携帯型超音波診断装置の構成につき図1乃至図5を用いて説明する。但し、図1は、携帯型超音波診断装置の全体構成を示すブロック図であり、図2及び図3は、この携帯型超音波診断装置が備えた送受信部及び受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示す本実施例の携帯型超音波診断装置100は、被検体の診断対象部位に対して超音波パルス(送信超音波)を送信し前記診断対象部位から得られた超音波反射波(受信超音波)を電気信号(受信信号)に変換する複数の振動素子を有した超音波プローブ3と、前記診断対象部位に対して送信超音波を送信するための駆動信号を超音波プローブ3の前記振動素子に供給しこれらの振動素子から得られた複数チャンネルの受信信号を整相加算する送受信部2と、整相加算後の受信信号を処理してBモードデータ及びカラードプラデータを生成する受信信号処理部4と、当該診断対象部位に対する2次元超音波走査あるいは3次元超音波走査によって得られたBモードデータ及びカラードプラデータに基づいて2次元あるいは3次元の画像データを生成する画像データ生成部5を備えている。
【0017】
又、携帯型超音波診断装置100は、上述の各ユニット及び後述の各ユニットに対し所定の電圧/電流を供給するバッテリ電源7と、バッテリ電源7のバッテリ残量を計測する残量計測部8と、バッテリ残量と所定閾値との比較を行なう残量比較部9と、この比較結果に基づいてアラーム信号を発生するアラーム信号発生部10と、前記比較結果に基づいてシステムの動作を安全に停止するためのシステム停止ガイダンスを発生するガイダンス発生部11と、前記比較結果に基づいて画像データ生成部5が生成した画像データ等を保存するデータ記憶部12と、画像データ生成部5から供給される画像データやアラーム信号発生部10から供給されるアラーム信号、更には、ガイダンス発生部11から供給されるシステム停止ガイダンス等を表示する表示部13を備え、更に、被検体情報の入力、画像データの生成条件や表示条件を含む撮影条件の設定、各種コマンド信号の入力等を行なう入力部14と、送受信部2における送信遅延時間及び受信遅延時間を設定することにより当該被検体に対する超音波走査を制御する走査制御部15と、上述の各ユニットを統括的に制御するシステム制御部16を備えている。
【0018】
以下に、本実施例の超音波診断装置100が備えた各ユニットの具体例について説明する。
【0019】
図1の超音波プローブ3は、図示しないNo個の振動素子をその先端部に有し、これら振動素子の各々は、Noチャンネルの多芯ケーブルを介して送受信部2の入出力端子に接続されている。振動素子は電気音響変換素子であり、送信時には電気パルス(駆動信号)を超音波パルス(送信超音波)に変換し、受信時には超音波反射波(受信超音波)を電気的な受信信号に変換する機能を有している。
【0020】
例えば、体腔内検査法の1つである経食道エコー法(transesophageal echo)に適用される超音波プローブ3の先端部は当該被検体の食道内に挿入され、食道壁を介して診断対象部位である心臓に対し超音波の送受信が行なわれる。尚、超音波プローブ3には、セクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等があり、操作者は診断部位に応じて任意に選択することが可能であるが、本実施例では、No個の振動素子を有するセクタ走査用の超音波プローブ3を用いた場合について述べる。
【0021】
即ち、本実施例では、No個の振動素子の中からNt個の振動素子が送信用振動素子群として、又、Nr個の振動素子が受信用振動素子群として予め設定される。そして、送信用振動素子群を構成する振動素子の各々が、送受信部2から供給されるNtチャンネルの駆動信号により駆動されて被検体内に送信超音波が放射され、この送信超音波によって被検体内から得られる受信超音波は、受信用振動素子群によってNrチャンネルの受信信号に変換される。
【0022】
次に、図2に示す送受信部2は、当該被検体に対して送信超音波を放射するための駆動信号を超音波プローブ3に設けられた送信用振動素子群に供給する送信部21と、超音波プローブ3の受信用振動素子群から得られたNrチャンネルの受信信号を整相加算(即ち、所定方向からの受信超音波に基づいた受信信号の位相を合わせて加算合成)する受信部22を備えている。
【0023】
送信部21は、レートパルス発生器211と、送信遅延回路212と、駆動回路213を備え、レートパルス発生器211は、送信超音波の繰り返し周期を決定するレートパルスを、システム制御部16から供給される基準信号を分周することによって生成する。送信遅延回路212は、Ntチャンネルの独立な遅延回路から構成され、所定の距離(深さ)に送信超音波を集束するための遅延時間(集束用遅延時間)と所定の送信方向に対して送信超音波を放射するための遅延時間(偏向用遅延時間)を前記レートパルスに与える。そして、Ntチャンネルの駆動回路213は、Nt個の振動素子からなる送信用振動素子群を駆動するための駆動パルスを前記レートパルスに基づいて生成する。
【0024】
一方、受信部22は、Nrチャンネルから構成されるプリアンプ221及びA/D変換器222と、整相加算部223を備えている。プリアンプ221は、超音波プローブ3の受信用振動素子群から供給されるNrチャンネルの受信信号を増幅して十分なS/Nを確保するためのものであり、その初段部には送信部21の駆動回路213において発生する高電圧の駆動信号から保護するための図示しないリミッタ回路が設けられている。
【0025】
そして、受信用振動素子群によって得られたNrチャンネルの受信信号は、プリアンプ221において所定の大きさに増幅され、A/D変換器222にてデジタル信号に変換されたのち整相加算部223に供給される。
【0026】
整相加算部223は、図示しない受信遅延回路と加算回路を有し、A/D変換器222においてデジタル信号に変換されたMrチャンネルの受信信号に対し、所定方向に強い受信指向性を設定するための偏向用遅延時間と所定の深さからの受信超音波を集束するための集束用遅延時間を与えて加算合成(整相加算)する。
【0027】
次に、図1に示した受信信号処理部4の具体的な構成につき図3のブロック図を用いて説明する。この受信信号処理部4は、既に述べた受信部22の整相加算部223から出力された整相加算後の受信信号を信号処理してBモードデータを生成するBモードデータ生成部41と、前記受信信号を信号処理してカラードプラデータを生成するカラードプラデータ生成部42を備えている。
【0028】
Bモードデータ生成部41は、受信部22の整相加算部223から出力される受信信号の各々に対して包絡線検波を行なう包絡線検波器411と、包絡線検波後の受信信号に対する対数変換処理により小さな信号振幅を相対的に強調してBモードデータを生成する対数変換器412を備えている。
【0029】
一方、カラードプラデータ生成部42は、π/2移相器421、ミキサ422−1及び422−2、LPF(低域通過フィルタ)423−1及び423−2を備え、受信部22の整相加算部223から出力される受信信号を直交位相検波して複素信号(I信号及びQ信号)を生成する。
【0030】
更に、カラードプラデータ生成部42は、ドプラ信号記憶部424、MTIフィルタ425及び自己相関演算器426を備え、直交位相検波によって得られた複素信号は、ドプラ信号記憶部424に一旦保存される。一方、高域通過用デジタルフィルタであるMTIフィルタ425は、ドプラ信号記憶部424に保存された上述の複素信号を読み出し、この複素信号に含まれた臓器の固定反射体あるいは臓器の呼吸性移動や拍動性移動等に起因するドプラ成分(クラッタ成分)を除去する。又、自己相関演算器426は、MTIフィルタ425によって抽出された血流情報のドプラ成分に対して自己相関値を算出し、更に、この自己相関値に基づいて血流の平均流速値、分散値、パワー値等を算出してカラードプラデータを生成する。
【0031】
図1へ戻って、画像データ生成部5は、図示しないBモード画像データ生成部とカラードプラ画像データ生成部を備え、前記Bモード画像データ生成部は、受信信号処理部4のBモードデータ生成部41が生成した時系列的なBモードデータを超音波の送受信方向に対応させて順次保存することによりBモード画像データを生成する。
【0032】
同様にして、前記カラードプラ画像データ生成部は、受信信号処理部4のカラードプラデータ生成部42が生成した時系列的なカラードプラデータを超音波の送受信方向に対応させて順次保存することによりカラードプラ画像データを生成する。
【0033】
一方、バッテリ電源7は、携帯型超音波診断装置100が備える各ユニットに対して所定の電圧及び電流を供給し、このバッテリ電源7の出力端子に接続された残量計測部8は、バッテリ電源7の出力端子における電圧値、電流値、出力インピーダンス等の時間的変化に基づいてバッテリ残量R0を計測あるいは推定する。
【0034】
一方、残量比較部9は、図示しない閾値データ保管部、閾値設定部及び比較演算部を有している。前記閾値データ保管部には、各種プローブに対応したバッテリ残量の閾値データが予め保管され、前記閾値設定部は、入力部14からシステム制御部16を介して供給される超音波プローブ3の識別情報に基づいて超音波プローブ3に対応した閾値データを前記閾値データ保管部に保管された閾値データの中から抽出し、これらの閾値データに基づいてバッテリ電源7のバッテリ残量に対する閾値(例えば、R1>R2>R3の関係にある第1の閾値R1、第2の閾値R2及び第3の閾値R3)を設定する。
【0035】
次いで、前記比較演算部は、残量計測部8によって計測されたバッテリ残量R0と前記閾値設定部によって設定された第1の閾値R1乃至第3の閾値R3とを比較し、その比較結果を、アラーム信号発生部10、ガイダンス発生部11、データ記憶部12及びシステム制御部16の各々に供給する。
【0036】
アラーム信号発生部10は、残量比較部9から供給されるバッテリ残留R0と第1の閾値R1との比較結果に基づいてアラーム信号を発生する。例えば、通常検査モードの実行に伴なって漸減するバッテリ電源7のバッテリ残量R0が第1の閾値R1に到達した場合、バッテリ残量R0が許容できないレベルまで低下していることを示すアラーム信号を発生する。そして、アラーム信号発生部10が発生したアラーム信号は、表示部13のモニタあるいは入力部14の表示パネルにおいて所定フォーマットで表示され、携帯型超音波診断装置100の操作者に報知される。
【0037】
ガイダンス発生部11は、図示しないガイダンスデータ保管部とガイダンスデータ抽出部を有し、前記ガイダンスデータ保管部には、携帯型超音波診断装置100の動作を安全に停止するための各種ガイダンスデータが超音波プローブの識別情報を付帯情報として予め保管されている。そして、通常検査モードの実行に伴なって漸減するバッテリ電源7のバッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達した場合、前記ガイダンスデータ抽出部は、入力部14からシステム制御部16を介して供給される超音波プローブ3の識別情報に基づいて前記ガイダンスデータ保管部に保管されているガイダンスデータの中から超音波プローブ3に対応したガイダンスデータを抽出し、このガイダンスデータに基づいたシステム停止ガイダンスを発生して表示部13のモニタに表示する。
【0038】
図4は、体腔内検査を目的とする超音波プローブ3の識別情報に基づいて前記ガイダンスデータ抽出部が前記ガイダンスデータ保管部から抽出したガイダンスデータの具体例を示したものであり、バッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達したならば、前記ガイダンスデータに基づいて最初のシステム停止ガイダンス「超音波プローブを引き抜いて下さい」を発生し表示部13のモニタに表示する。そして、このシステム停止ガイダンスを観測した操作者は、超音波プローブ3を当該被検体の体腔内から抜出すると共に所定の応答信号を入力部14にて入力する。
【0039】
次に、前記応答信号を受信したガイダンス発生部11は、上述のガイダンスデータに基づいて第2のシステム停止ガイダンス「画像データをフリーズして下さい」を発生して表示部13に表示し、操作者は、この第2のシステム停止ガイダンスに対する応答信号を入力部14にて入力する。更に、ガイダンス発生部11は、同様の手順により第3のシステム停止ガイダンス「超音波の送受信を停止して下さい」及び第4のシステム停止ガイダンス「システムの電源をオフして下さい」を順次発生して表示部13に表示し、これらのシステム停止ガイダンスに対する応答信号が入力部14にて入力される。
【0040】
再び図1へ戻って、データ記憶部12は、当該被検体から収集された画像データ等の臨床データや入力部14において入力された被検体情報、更には、入力部14において設定された各種の撮影条件を残量比較部9から供給されるバッテリ残量R0と所定閾値との比較結果に基づいて保存する機能を有している。そして、例えば、通常検査モードの実行に伴なって漸減するバッテリ電源7のバッテリ残量R0が第2の閾値R2に到達した場合、上述の被検体情報、臨床データ、撮影条件等はデータ記憶部12に保存される。
【0041】
次に、表示部13は、図示しない表示データ生成部、変換回路及びモニタを備えている。前記表示データ生成部は、画像データ生成部5が生成するBモード画像データ及びカラードプラ画像データを合成あるいは重畳し、更に、被検体情報や撮影条件等の付帯情報を付加して通常検査モードの表示データを生成する。又、残量比較部9から供給されるバッテリ残量R0と所定閾値との比較結果に基づいて通常検査モードが省電力検査モードに更新された場合、画像データ生成部5が生成するBモード画像データを用いて省電力検査モードの表示データを生成する。
【0042】
一方、前記変換回路は、前記表示データ生成部にて生成された通常検査モードの表示データあるいは省電力検査モードの表示データに対しD/A変換とテレビフォーマット変換を行なって前記モニタに表示する。
【0043】
更に、表示部13は、バッテリ残量R0と所定閾値との比較結果に基づいてアラーム信号発生部10が発生するアラーム信号やガイダンス発生部11が発生するシステム停止ガイダンスを所定フォーマットに変換して前記モニタに表示する。
【0044】
次に、入力部14は、キーボード、各種スイッチ、選択ボタン、マウス等の入力デバイスや表示パネルを有し、超音波プローブ3の識別情報を入力する識別情報入力部141、表示部13に表示されたシステム停止ガイダンスに対する応答信号を入力する応答信号入力部142を備えている。更に、被検体情報の入力、画像データ生成条件や画像データ表示条件を含む撮影条件の設定、各種コマンド信号の入力等が上述の表示パネルや入力デバイスを用いて行なわれる。
【0045】
走査制御部15は、入力部14において設定された通常検査モードの撮影条件あるいは省電力検査モードの撮影条件に基づいて当該被検体に対する超音波走査を制御する。例えば、Bモード画像データ及びカラードプラ画像データを略同時に収集する通常検査モードの超音波走査に必要な送信用遅延時間(送信時の偏向用遅延時間及び集束用遅延時間)及び受信用遅延時間(受信時の偏向用遅延時間及び集束用遅延時間)を送信部21の送信遅延回路212及び受信部22の整相加算部223に対して設定する。
【0046】
又、漸減するバッテリ電源7のバッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達した場合にシステム制御部16から供給される検査モードの更新情報に基づき、更新された省電力検査モードの超音波走査(例えば、Bモード画像データを収集するための超音波走査)に必要な送信用遅延時間及び受信用遅延時間を送信遅延回路212及び整相加算部223に対して設定する。
【0047】
システム制御部16は、入力部14にて入力あるいは設定された上述の各種情報に基づき超音波診断装置100の各ユニットを統括的に制御して通常検査モード及び省電力検査モードにおける画像データの生成と表示を行なう。又、漸減するバッテリ電源7のバッテリ残量R0が所定閾値に到達した場合、アラーム信号やシステム停止ガイダンスの表示、臨床データ等の保存、通常検査モードから省電力検査モードへの更新等を行ない、更に、後述のシステム自動停止を行なう。
【0048】
特に、システム制御部16は、入力部14から供給される超音波プローブ3の識別情報に基づき、予め設定された各種省電力検査モードの中から超音波プローブ3に対応した省電力検査モードを選択する省電力検査モード選択機能と、検査モードを通常検査モードから前記省電力検査モードへ更新する検査モード更新機能を有している。そして、バッテリ電源7のバッテリ残量R0が第3の閾値R0に到達した場合、省電力検査モードへの更新情報を走査制御部15に対して供給する。尚、本実施例では、体腔内検査を目的とした超音波プローブ3に対応する省電力検査モードとしてBモード画像データの収集を可能とするBモード法が選択されるが、これに限定されない。
【0049】
又、システム制御部16は、表示部13に示されたシステム停止ガイダンスに対する応答信号が入力部14において所定時間内に入力されなかった場合、携帯型超音波診断装置100の全動作を所定シーケンスに基づいて自動停止するシステム自動停止機能を有している。
【0050】
次に、本実施例の具体例として漸減するバッテリ残量R0に対して設定された第1の閾値R1乃至第3の閾値R3(R1>R2>R3)と、バッテリ残量R0がこれらの閾値に到達した場合、携帯型超音波診断装置100を安全に停止させるために実行される各種の動作につき図5を用いて再度説明する。
【0051】
図5に示すように、先ず、通常検査モードの実行に伴なって漸減するバッテリ残量R0が正常範囲の下限値である第1の閾値R1に到達したならば、アラーム信号発生部10が発生したアラーム信号は表示部13のモニタあるいは入力部14の表示パネルに表示され、バッテリ残量R0が第2の閾値R2に到達したならば、当該被検体から収集された画像データ等の臨床データ、入力部14にて入力された被検体情報及び入力部14において設定された各種撮影条件はデータ記憶部12に保存される。
【0052】
更に、バッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達したならば検査モードは通常検査モードから省電力検査モードへ更新され、ガイダンス発生部11が発生したシステム停止ガイダンスは表示部13のモニタに表示される。
【0053】
この場合、当該被検体の通常検査モードにて収集した臨床データ等の保存は検査モードが省電力検査モードへ更新される前に行なう必要があり、又、大きなデータ容量を有する臨床データの保存は多大の時間を必要とする。このため省電力検査モードへの更新を目的として設定された第3の閾値R3より大きな第2の閾値R2に基づいて上述の保存を行なうことが望ましい。しかしながら、臨床データ等の保存に多くの時間を必要としない場合には、第3の閾値R3に基づいて上述の保存を行なっても構わない。
【0054】
一方、バッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達した場合、検査モードは、Bモード画像データとカラードプラ画像データの生成と表示を行なう通常検査モードからBモード画像データのみの生成と表示を行なう省電力検査モードへ更新され、ガイダンス発生部11が発生する最初のシステム停止ガイダンス「超音波プローブを引き抜いて下さい」が表示部13に表示される。そして、このシステム停止ガイダンスを観測した操作者は、Bモード画像データの観察下にて体腔内に挿入された超音波プローブ3を抜出した後、表示部13に順次表示されるシステム停止ガイダンス(図4のガイダンスデータ参照)に基づき、画像データのフリーズ、超音波送受信の停止、バッテリ電源7の遮断等に対する指示信号や応答信号の入力を入力部14において行なう。
【0055】
(システムの動作停止手順)
次に、本実施例のバッテリ残量漸減に伴なうシステムの動作停止手順につき図6のフローチャートを用いて説明する。
【0056】
通常検査モードにおけるBモード画像データ及びドプラ画像データの生成に先立ち携帯型超音波診断装置100の操作者は、入力部14において当該被検体の被検体情報と当該超音波検査に使用する超音波プローブ3の識別情報を入力し、更に、通常検査モードにて収集する臨床データ(即ち、Bモード画像データとカラードプラ画像データ)の撮影条件を設定する(図6のステップS1)。
【0057】
上述の初期設定が終了したならばバッテリ電源7を投入し、携帯型超音波診断装置100を動作状態にすることによって得られる上述の画像データの観察下にて超音波プローブ3を、例えば、当該被検体の食道内に挿入しその先端部を心臓の画像化に好適な位置に配置する。
【0058】
そして、通常検査モードにおけるBモード画像データ及びカラードプラ画像データの生成/表示(図6のステップS2)と並行して、残量計測部8は、バッテリ電源7の出力端子における電圧値、電流値、出力インピーダンス等の時間的変化に基づいてバッテリ残量R0を計測する。
【0059】
一方、残量比較部9の閾値設定部は、入力部14からシステム制御部16を介して供給される超音波プローブ3の識別情報に基づいて超音波プローブ3に対応した第1の閾値R1、第2の閾値R2及び第3の閾値R3(R1>R2>R3)を設定し、残量比較部9の比較演算部は、残量計測部8によって計測されたバッテリ残量R0と前記閾値設定部によって設定された第1の閾値R1乃至第3の閾値R3とを比較する(図6のステップS3)。
【0060】
そして、通常検査モードにおける画像データの生成と共に漸減するバッテリ電源7のバッテリ残量R0が第1の閾値R1に到達した場合、その比較結果をアラーム信号発生部10へ供給し、アラーム信号発生部10は、この比較結果に基づきアラーム信号を発生して表示部13のモニタあるいは入力部14の表示パネルに表示する(図6のステップS4)。
【0061】
又、バッテリ残量R0が第2の閾値R2に到達した場合、その比較結果を受信したデータ記憶部12は、当該被検体の通常検査モードにて収集された臨床データ(即ち、Bモード画像データ及びカラードプラ画像データ)や入力部14において入力された被検体情報、更には、入力部14において設定された各種撮影条件を保存する(図6のステップS5)。
【0062】
更に、バッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達した場合、その比較結果を受信したシステム制御部16は、検査モードを上述のBモード画像データ及びカラードプラ画像データを略同時に収集する通常検査モードから超音波プローブ3の識別情報に基づいて予め選択したBモード画像データのみを収集する省電力検査モードへ更新する(図6のステップS6)。そして、走査制御部15は、システム制御部16から供給される検査モードの更新情報に基づき、更新された省電力検査モードの超音波走査(即ち、Bモード画像データを収集するための超音波走査)に必要な送信用遅延時間及び受信用遅延時間を送信遅延回路212及び整相加算部223に対して設定する。そして、この省電力検査モードの超音波走査によって生成された時系列的なBモード画像データは表示部13に表示される(図6のステップS7)。
【0063】
同様にして、バッテリ残量R0が第3の閾値R3に到達した場合の比較結果を受信したガイダンス発生部11は、超音波プローブ3の識別情報に基づいて予め選択したガイダンスデータ(図4参照)に基づくシステム停止ガイダンスを順次発生して表示部13に表示する(図6のステップS8)。このとき、表示部13におけるシステム停止ガイダンスの表示と入力部14における前記システム停止ガイダンスに対する応答信号や指示信号の入力が交互に行われることにより携帯型超音波診断装置100の動作は安全に停止される(図6のステップS9)。
【0064】
一方、上述のステップS8において表示されたシステム停止ガイダンスに対する応答信号が入力部14にて所定時間内に入力されない場合、システム制御部16は、予め設定されたシーケンスに基づいて携帯型超音波診断装置100が実行している全ての動作を自動停止する。
【0065】
以上述べた本実施例によれば、バッテリ残量が所定の閾値以下に低下した場合、携帯型超音波診断装置が有する全ての動作を安全に停止させることが可能となる。このため、システム動作の急激な停止に伴なう被検体や装置本体への危害を防止することができる。
【0066】
又、通常検査モードにおいて収集された臨床データ等はシステム動作の停止に先立って確実に保存することができるため、再検査の頻度は大幅に低減され、従って、検査効率が向上するのみならず被検体や操作者の負担が軽減される。特に、臨床データ等を保存する際の閾値は、システム動作の停止に用いられる閾値より高く設定されるため、データ容量の大きな臨床データをシステム動作が停止する前に確実に保存することができる。
【0067】
更に、上述の実施例によれば、システム動作が停止する前に省電力検査モードへの更新が行なわれるため、この省電力検査モードで生成される画像データの観察下にて体腔内に挿入された超音波プローブを安全かつ容易に抜出することができる。
【0068】
又、システム動作を停止する際の手順は、超音波プローブに対応して予め設定されたシステム停止ガイダンスに基づいて行なわれるため、安全なシステム停止を効率よく実施することが可能となる。
【0069】
以上、本発明の実施例について述べてきたが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、変形して実施することが可能である。例えば、上述の実施例では、経食道等の体腔内検査を目的とするセクタ走査方式の携帯型超音波診断装置について述べたが、リニア走査方式やコンベックス走査方式等が適用された携帯型超音波診断装置であってもよく、又、体表検査を目的として上述の走査方式が適用された携帯型超音波診断装置であっても構わない。
【0070】
又、通常検査モードにおいてBモード画像データとカラードプラ画像データを略同時に生成/表示し、省電力検査モードにおいてBモード画像データを生成/表示する場合について述べたが、通常検査モードや省電力検査モードはこれらに限定されるものではなく、例えば、所望部位における血流速度の変化を示す時系列的な血流波形データや組織のストレイン(歪み)を示すパラメータ画像データ等を通常検査モードにおいて収集してもよい。
【0071】
更に、上述の実施例では、バッテリ残量R0と第1の閾値R1乃至第3の閾値R3とを比較し、この比較結果に基づいてアラーム信号の発生、臨床データ等の保存、省電力検査モードへの更新及びシステム停止ガイダンスの表示を行なう場合について述べたが、バッテリ残量R0と比較する閾値は3種類に限定されない。特に、データ記憶部12における臨床データの保存に多くの時間を必要としない場合には、省電力モードへの更新やシステム停止ガイダンスの表示に用いた閾値と同一の閾値を用いて上述の保存を行なってもよい。
【0072】
又、閾値データの設定や省電力検査モードの選択、更には、ガイダンスデータの抽出に用いる超音波プローブ3の識別情報は、入力部14において携帯型超音波診断装置100の操作者が入力する場合について述べたが、装置本体の送受信部2に接続された超音波プローブ3から自動的に供給される識別情報を用いてもよい。
【0073】
一方、上述の実施例では、アラーム信号発生部10が発生したアラーム信号を表示部13のモニタあるいは入力部14の表示パネルに表示する場合について述べたが、前記アラーム信号に基づいて生成した音声や警告音によって操作者に報知してもよい。
【0074】
又、バッテリ電源7のみを用いた携帯型超音波診断装置100について述べたが、バッテリ電源と商用電源の何れにも対応した携帯型超音波診断装置であってもよい。この場合、バッテリ電源が選択された時点でバッテリ残量と所定閾値との比較が行なわれる。
【0075】
更に、ガイダンス発生部11が発生する「画像データをフリーズして下さい」や「超音波の送受信を停止してください」等のシステム停止ガイダンスに対応する応答信号は、入力部14にて入力される画像データをフリーズするための指示信号や超音波の送受信を停止するための指示信号であってもよく、又、これらの指示信号に基づいて新たに生成してもよい。
【0076】
尚、上述の実施例では、残量比較部9に設けられた閾値設定部と、システム制御部16に設けられた検査モード更新機能、省電力モード選択機能及びシステム自動停止機能について述べたが、閾値設定部、検査モード更新機能、省電力モード選択機能及びシステム自動停止機能は他のユニットに設けられていてもよく、又、独立したユニットとして存在しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施例における携帯型超音波診断装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】同実施例の携帯型超音波診断装置が備える送受信部の具体的な構成を示すブロック図。
【図3】同実施例の携帯型超音波診断装置が備える受信信号処理部の具体的な構成を示すブロック図。
【図4】同実施例におけるガイダンスデータの具体例を示す図。
【図5】同実施例のバッテリ残量に対し設定される複数の閾値と、バッテリ残量がこれらの閾値に到達した場合に実行される各種の動作を説明するための図。
【図6】同実施例におけるシステムの動作停止手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0078】
2…送受信部
21…送信部
22…受信部
3…超音波プローブ
4…受信信号処理部
5…画像データ生成部
7…バッテリ電源
8…残量計測部
9…残量比較部
10…アラーム信号発生部
11…ガイダンス発生部
12…データ記憶部
13…表示部
14…入力部
141…識別情報入力部
142…応答信号入力部
15…走査制御部
16…システム制御部
100…携帯型超音波診断装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ電源によって動作する携帯型超音波診断装置において、
前記バッテリ電源のバッテリ残量を計測する残量計測手段と、
前記バッテリ残量と1つあるいは複数からなる閾値とを比較する残量比較手段と、
この残量比較手段による前記バッテリ残量と前記閾値との比較結果に基づいて、前記携帯型超音波診断装置を用いた超音波検査にて収集される画像データ等の臨床データ、前記超音波検査の撮影条件及び前記臨床データの収集における被検体情報の少なくとも何れかを保存するデータ記憶手段と、
前記残量比較手段による前記バッテリ残量と前記閾値との比較結果に基づいて前記携帯型超音波診断装置の動作を停止させるためのシステム停止ガイダンスを発生するガイダンス発生手段と、
前記システム停止ガイダンスを表示する表示手段とを
備えたことを特徴とする携帯型超音波診断装置。
【請求項2】
閾値設定手段を備え、前記閾値設定手段は、前記バッテリ残量との比較に用いる前記閾値を前記携帯型超音波診断装置が有する超音波プローブに対応させて設定することを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項3】
前記閾値設定手段は、予め設定された複数の閾値データの中から1つあるいは複数の閾値データを前記超音波プローブの識別情報に基づいて抽出し、前記超音波プローブに対応した前記閾値に設定することを特徴とする請求項2記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項4】
前記ガイダンス発生手段は、前記データ記憶手段によるデータ保存に用いた閾値あるいはこの閾値より小さな閾値と前記バッテリ残量との比較結果に基づいて前記システム停止ガイダンスを発生することを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項5】
前記ガイダンス発生手段は、前記携帯型超音波診断装置が有する超音波プローブに対応した前記システム停止ガイダンスを発生することを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項6】
前記ガイダンス発生手段は、予め設定された各種ガイダンスデータの中から前記超音波プローブに対応するガイダンスデータを前記超音波プローブの識別情報に基づいて抽出し、得られたガイダンスデータに基づいて前記システム停止ガイダンスを発生することを特徴とする請求項5記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項7】
検査モード更新手段を備え、前記検査モード更新手段は、前記残量比較手段による前記バッテリ残量と前記閾値との比較結果に基づき、前記超音波検査の検査モードを通常検査モードから省電力検査モードへ更新することを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項8】
省電力検査モード選択手段を備え、前記省電力検査モード選択手段は、前記検査モード更新手段が更新する前記省電力検査モードを前記携帯型超音波診断装置が有する超音波プローブに対応させて選択することを特徴とする請求項7記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項9】
前記省電力検査モード選択手段は、予め設定された各種省電力検査モードの中から好適な前記省電力検査モードを前記超音波プローブの識別情報に基づいて選択することを特徴とする請求項8記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項10】
省電力検査モード選択手段を備え、前記省電力検査モード選択手段は、前記携帯型超音波診断装置によるBモード検査を前記省電力検査モードとして選択することを特徴とする請求項7記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項11】
アラーム信号発生手段を備え、前記アラーム信号発生手段は、前記残量比較手段による前記バッテリ残量と前記閾値との比較結果に基づいて前記バッテリ残量が正常範囲外にあることを示すアラーム信号を発生し、前記表示手段は、前記アラーム信号発生手段が発生した前記アラーム信号を表示することを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項12】
アラーム信号発生手段と音声出力手段を備え、前記アラーム信号発生手段は、前記残量比較手段による前記バッテリ残量と前記閾値との比較結果に基づいて前記バッテリ残量が正常範囲外にあることを示すアラーム信号を発生し、前記音声出力手段は、前記アラーム信号発生手段が発生した前記アラーム信号に基づく音声を出力することを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置。
【請求項13】
前記アラーム信号発生手段は、前記データ記憶手段によるデータ保存に用いた閾値あるいはこの閾値より大きな閾値と前記バッテリ残量との比較結果に基づいて前記アラーム信号を発生することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載した携帯型超音波診断装置。
【請求項14】
システム自動停止手段と応答信号入力手段を備え、前記表示手段によって表示された前記システム停止ガイダンスに対する前記応答信号入力手段の応答信号が所定期間内に入力されない場合、前記システム自動停止手段は、予め設定されたシーケンスに従って前記携帯型超音波診断装置の動作を自動停止することを特徴とする請求項1記載の携帯型超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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