携帯型電子機器
【課題】仲介部品を廃止してコストを抑制し、かつスイッチ素子の外部作用からの保護を可能とすることで、安価で頑強な製品の提供を可能とする。
【解決手段】外部筐体部に設けられた、スライドと回動による蓋2の開閉機構と、前記蓋開閉のロック機構と、前記蓋開閉検知手段とを有し、前記蓋開閉のロック機構は、蓋2に備えられたロックレバーを移動することで解除され、前記蓋開閉検知手段は前記ロックレバーに備えられた突起部と、本体内部に配置された検知スイッチ素子3との当接によるものであり、前記検知スイッチ素子3は前記蓋2のスライド方向を法線とする面に略平行に配置された基板に配置され、かつユーザー操作面近傍に配置された前記検知スイッチ素子3の、外部作用からの保護形状を備えたことを特徴としている。
【解決手段】外部筐体部に設けられた、スライドと回動による蓋2の開閉機構と、前記蓋開閉のロック機構と、前記蓋開閉検知手段とを有し、前記蓋開閉のロック機構は、蓋2に備えられたロックレバーを移動することで解除され、前記蓋開閉検知手段は前記ロックレバーに備えられた突起部と、本体内部に配置された検知スイッチ素子3との当接によるものであり、前記検知スイッチ素子3は前記蓋2のスライド方向を法線とする面に略平行に配置された基板に配置され、かつユーザー操作面近傍に配置された前記検知スイッチ素子3の、外部作用からの保護形状を備えたことを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型電子機器に関し、特に携帯型電子機器における、回動式蓋の開閉検出手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回動式蓋機構における従来の開閉検知方式においては、特許文献1のようなものがある。しかし、この文献のような蓋のスライド方向と蓋の回動軸で形成される面に検知スイッチを配置するようなスペースが無い場合には、蓋のスライド方向に略直交するような面(スライド方向を法線とする面に略平行な面)等に配置する方式が用いられてきた。しかしこのような場合、蓋のスライド方向と検知スイッチが直交するような配置になるため、従来はスイッチと蓋側の接触部材の間に、検知スイッチの保護を兼ねた部品を使用する構成としていた。
【特許文献1】特開2001−97422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記仲介部品を廃止してコストを抑制した場合、スイッチ素子を外部作用等から保護しなければならない。
【0004】
本出願に係る第一の目的は、上記仲介部品を廃止してコストを抑制し、かつスイッチ素子の外部作用等からの保護を可能とすることで、安価で頑強な製品の提供を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に対し、外部筐体部に設けられた、スライドと回動による蓋の開閉機構と、前記蓋開閉のロック機構と、前記蓋開閉検知手段とを有し、前記蓋開閉のロック機構は、蓋に備えられたロックレバーを移動することで解除され、前記蓋開閉検知手段は前記ロックレバーに備えられた突起部と、本体内部に配置された検知スイッチ素子との当接によるものであり、前記検知スイッチ素子は前記蓋のスライド方向を法線とする面に略平行に配置された基板に配置され、かつユーザー操作面近傍に配置された前記検知スイッチ素子の、外部作用からの保護形状を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上記仲介部品を廃止してコストを抑制し、かつスイッチ素子の外部作用からの保護を可能とすることで、安価で頑強な製品の提供を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明における電池蓋を開いた状態の全体斜視図であり、図2は蓋を閉じた状態の図である。電池蓋2は、図2におけるB方向へのスライドと、図1におけるシャフト5を中心とした回動による開閉動作となっている。このシャフト5は、電子機器本体の主要な構成部品である電池BOX1に固定されている。また開閉動作にはロック機構を用いており、図2におけるロックレバー4を第一のスライド方向であるA方向に移動することで、電池蓋2の第二のスライド方向であるB方向への移動に対するロックが解除される。
【0009】
次に前記状態で電池蓋2を第二のスライド方向であるB方向に移動させると電池蓋2の回動に対するロックが解除され、シャフト5を中心とした回動が可能となり、図1の電池蓋が開いた状態となる。以下、前記A方向を第一のスライド方向、B方向を第二のスライド方向と定義する。
【0010】
次に、電池蓋2の構成について説明する。図3は電池蓋2の構成部品の組込み前の状態を表している。撮像装置本体側の主要な構成部品である電池BOX1に固定されるシャフト5に対し、メインプレート2aが巻きつくように取り付けられ、前記シャフト5に対し回動可能となっている。更にそのメインプレート2aを挟み込むように電池蓋2、逆接合防止部材2b、接片部材2cをビスで共締めすることで、一体となった電池蓋2、逆接合防止部材2b、接片部材2cがメインプレート2aに対しスライド可能となる。またこのときロックレバー4も、電池蓋2とメインプレート2aに挟み込まれ、図3のX方向から見た状態である図4に示すように、電池蓋2に設けられたガイドリブ2dによりガイドされ、スライド可能となる。また、ロックレバー4は、ばね6により付勢されている。上記構成から、図2における電池蓋2の第2のスライド方向への移動と、ロックレバー4の第一のスライド方向への移動が可能となっている。
【0011】
次に、各ロック機構について詳しく説明する。図5、図6、図7は、電池蓋2の構成部品において、便宜的にロックレバー4のみを表し、その他の構成部品は省略している。
【0012】
図5は電池蓋が閉じている状態であり、この時ロックレバー4に設けたロック部4aは、電池蓋2の第二のスライド方向に対し電池BOX1に設けられたストッパ1aと当接しているため、電池蓋2は第二のスライド方向への移動が不可能となり、ロック状態となっている。
【0013】
更に、図8の断面図に示すように、電池BOX1に設けつめ部1cと、電池蓋2に設けたつめ部2eの嵌合により、シャフト5を中心とする回動方向に対しロックがかけられており、電池蓋2は完全にロックされている状態である。以下、この時の状態を、第一のロック状態と定義する。
【0014】
次にロックレバー4を第一のスライド方向へ、ロック部4aがストッパ1aと当接しない位置まで移動し、上述の電池蓋2の第二のスライド方向への移動に対するロックを解除した状態を図6に示す。この時のロック解除状態を、第一のロック解除状態と定義する。この状態で初めて電池蓋2は第二のスライド方向に対し移動可能となる。
【0015】
更に前記第一のロック解除状態から、電池蓋2を第二のスライド方向へ移動し、図9の断面図に示すように、電池BOX1に設けたつめ部1cと、電池蓋2に設けたつめ部2eの嵌合が外れ、シャフト5を中心とした電池蓋2の回動に対するロックが解除された状態を図7に示す。この状態を、第二のロック解除状態と定義する。この第一のロック解除状態と第二のロック解除状態の間においては、電池BOX1に設けたストッパ1aにロックレバー4のロック部4aがばね6により第一のスライド方向に対して付勢されるため、ストッパ1aとロック部4aは摺動しながら第二のスライド方向に対する移動が可能となる。このため、第二のロック解除位置までストッパ1aの第二のスライド方向に対する幅を設定することで、スライド式ロックレバー4が第一のスライド方向に対し、第一のロック状態の位置まで移動することはない。
【0016】
次に、電池蓋2を閉じる時の動作を説明する。図10は、電池蓋2を閉じる動作の時、電池BOX1と接触し始めた状態を表す。このとき、図10に示すように、ロックレバー4に設けたロック部4aと、電池BOX1に設けたストッパ1aが当接するように各々構成する。このとき、ロック部4aには角度を設けておき、ロック部4aとストッパ1aが当接開始すると、スライド式ロックレバーに伝達された回動方向の荷重がロックレバー4の第一のスライド方向へ分散し、ロックレバー4が第一のスライド方向へ移動することになる。電池蓋2が電池BOX1へ完全に接触すると図7の第二のロック解除状態となり、電池蓋2は第二のスライド方向への移動が可能となる。電池蓋2を第一のロック解除状態まで移動させると、ばね6により付勢されたロックレバー4は第一のロック状態の位置まで移動し、図5の第一のロック状態となり、完全にロックをかけた状態となる。
【0017】
次に、開閉検出機構について説明する。第二のスライド方向に略垂直な方向(第二のスライド方向を略法線方向とする面)に配置された基板7と、その基板7に実装された検知スイッチ素子3を図11に表す。この基板7は、電池BOX1にビス等で固定される。図5のように、この検知スイッチ素子3のレバー部3aと、ロックレバー4に設けたスイッチ接触部4bが直接当接し、電池蓋2の開閉検知を行う。このロックレバー4のスイッチ触部4bは、第一のロック状態と、第一のロック状態から第一のスライド方向への移動時に検知スイッチ3のレバー部3aと当接、摺動し、検知スイッチ3がON/OFFを切り替えられるように配置する。更に第一のロック解除位置においてレバー部3aとスイッチ接触部4bが離れるように構成することで、前述のように、ロックレバー4が第二のスライド方向に対する移動時には、ロックレバー4は第一のロック状態の位置まで戻ることは無いため、スイッチ接触部4bとレバー部3aは干渉することは無い。
【0018】
また図11において、この検知スイッチ素子3は、使用者が手を触れることが可能である準外観面1dより外側(使用者側)に配置し、電池蓋2を閉じた状態でロックレバー4のスイッチ接触部4bと当接できるように十分な掛かり量を備える。
【0019】
上記構成から、ロックレバー4の第一のロック状態での位置と、第一のロック解除状態での位置の間に検知スイッチ3のON/OFF切り替え点を設定することで、第一のロック状態では電池蓋2が閉じた状態、第一のロック解除状態(第一のロック状態と第一のロック解除状態の間)では電池蓋2が開いた状態の検知が可能となる。
【0020】
更に、使用者が手を触れることが可能である準外観面1dより外側(使用者側)に配置された検知スイッチ素子3の周囲に、使用者等の外部作用から保護する目的で、図1に示すようなスイッチ保護形状1bを形成する。このスイッチ保護形状1bは、第一のスライド方向の側面に略沿うような形で構成する。
【0021】
また、前述の検知スイッチ素子3の配置のように、第一のロック解除状態において、ロックレバー4のスイッチ接触部4bとスイッチ保護形状1bとの第一のスライド方向に対する距離を確保するように配置すれば、電池蓋2の第二のスライド方向に対する移動時にもスイッチ接触部4bとスイッチ保護形状1bとの干渉は無い。このことから、スイッチ保護形状1bは、第一のロック解除状態において第一のスライド方向に対するスイッチ接触部4bと当接しない限り、第一のスライド方向へ保護形状を形成することが可能となる。
【0022】
また、スイッチ保護形状1bは、検知スイッチ素子3のレバー部3aの形状に合わせて斜めにカットしてある。これは、外部作用からの保護効果を十分に備えながら、電池蓋2の第二のスライド方向に対する移動時の、公差等のガタによるスイッチ接触部4bとスイッチ保護形状1bとの接触を防ぐためのクリアランス確保に効果がある。
【0023】
また、本実施例では図1に示すように、電池BOX1に設けたつめ部1cと前記スイッチ保護形状1bを一体化して形成している。このことにより、つめ部1cとスイッチ保護形状1bの強度を大きく保つことが可能となり、またスペース的にも有効である。更には突起部形状が全体的に大きくなるため、ユーザーが触れた時の接触面の圧力は小さくなり、けが等の予防にも効果がある。
【実施例2】
【0024】
実施例1において、スイッチ保護形状1bは検知スイッチ素子3のレバー部3aの形状に合わせて斜めにカットしているが、これは検知スイッチの配置や形状に合わせた形状にすれば良く、また形状に合わせることなく外部作用からの保護が可能な形状で、前述のロックレバー4のスイッチ接触部4bと接触しなければ、どのような形状でも良い。
【実施例3】
【0025】
実施例1ではつめ部1cとスイッチ保護形状1bを一体化して形成しているが、別体で形成しても良い。外部からのスイッチの保護に対しては同等の効果がある。スペース的な制約や、回動に対するロック機構を別の手段で構成する場合などは、別体で形成すると良い。別体で形成した際、図1における第一のスライド方向に略直交する面(つめ部1cが形成している面)に対し、同様な面を構成しても、または構成しなくても、外部作用からの保護に対しては略同等な効果があるため、この面に関しては構成しても構成しなくてもどちらでも良い。
【実施例4】
【0026】
上記各実施例において、ロックレバー4は第一のスライド方向に対するスライドを移動手段として備えているが、これは回動手段を備えたロックレバーでも良い。図2におけるA、B方向で形成される面に略平行な面の法線方向を回転軸とした回動手段を有するロックレバーで、上記実施例における第一のスライド方向を前記回動方向とし、前記回動手段によりストッパ1aとのロック、レバー部3aとの当接による開閉検知手段を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明における蓋を開いた状態での全体斜視図
【図2】本発明における蓋を閉じた状態での全体斜視図
【図3】電池蓋構成部品を表す図
【図4】図3X方向から見た図
【図5】第一のロック状態を表す図
【図6】第一のロック解除状態を表す図
【図7】第二のロック解除状態を表す図
【図8】第一のロック状態における電池蓋と電池BOXの断面図を表す図
【図9】第二のロック解除状態における電池蓋と電池BOXの断面図を表す図
【図10】電池蓋を閉じ、電池BOXと接触し始めた状態を表す図
【図11】基板と検知スイッチの配置を表した図
【符号の説明】
【0028】
1 電池BOX
1a ストッパ
1b スイッチ保護形状
1c つめ部
1d 準外観面
2 電池蓋
2a メインプレート
2b 逆接合防止部材
2c 接片部材
2d ガイドリブ
2e つめ部
3 検知スイッチ素子
3a レバー部
4 ロックレバー
4a ロック部
4b スイッチ接触部
5 シャフト
6 ばね
7 基板
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型電子機器に関し、特に携帯型電子機器における、回動式蓋の開閉検出手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回動式蓋機構における従来の開閉検知方式においては、特許文献1のようなものがある。しかし、この文献のような蓋のスライド方向と蓋の回動軸で形成される面に検知スイッチを配置するようなスペースが無い場合には、蓋のスライド方向に略直交するような面(スライド方向を法線とする面に略平行な面)等に配置する方式が用いられてきた。しかしこのような場合、蓋のスライド方向と検知スイッチが直交するような配置になるため、従来はスイッチと蓋側の接触部材の間に、検知スイッチの保護を兼ねた部品を使用する構成としていた。
【特許文献1】特開2001−97422号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記仲介部品を廃止してコストを抑制した場合、スイッチ素子を外部作用等から保護しなければならない。
【0004】
本出願に係る第一の目的は、上記仲介部品を廃止してコストを抑制し、かつスイッチ素子の外部作用等からの保護を可能とすることで、安価で頑強な製品の提供を可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に対し、外部筐体部に設けられた、スライドと回動による蓋の開閉機構と、前記蓋開閉のロック機構と、前記蓋開閉検知手段とを有し、前記蓋開閉のロック機構は、蓋に備えられたロックレバーを移動することで解除され、前記蓋開閉検知手段は前記ロックレバーに備えられた突起部と、本体内部に配置された検知スイッチ素子との当接によるものであり、前記検知スイッチ素子は前記蓋のスライド方向を法線とする面に略平行に配置された基板に配置され、かつユーザー操作面近傍に配置された前記検知スイッチ素子の、外部作用からの保護形状を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、上記仲介部品を廃止してコストを抑制し、かつスイッチ素子の外部作用からの保護を可能とすることで、安価で頑強な製品の提供を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明における電池蓋を開いた状態の全体斜視図であり、図2は蓋を閉じた状態の図である。電池蓋2は、図2におけるB方向へのスライドと、図1におけるシャフト5を中心とした回動による開閉動作となっている。このシャフト5は、電子機器本体の主要な構成部品である電池BOX1に固定されている。また開閉動作にはロック機構を用いており、図2におけるロックレバー4を第一のスライド方向であるA方向に移動することで、電池蓋2の第二のスライド方向であるB方向への移動に対するロックが解除される。
【0009】
次に前記状態で電池蓋2を第二のスライド方向であるB方向に移動させると電池蓋2の回動に対するロックが解除され、シャフト5を中心とした回動が可能となり、図1の電池蓋が開いた状態となる。以下、前記A方向を第一のスライド方向、B方向を第二のスライド方向と定義する。
【0010】
次に、電池蓋2の構成について説明する。図3は電池蓋2の構成部品の組込み前の状態を表している。撮像装置本体側の主要な構成部品である電池BOX1に固定されるシャフト5に対し、メインプレート2aが巻きつくように取り付けられ、前記シャフト5に対し回動可能となっている。更にそのメインプレート2aを挟み込むように電池蓋2、逆接合防止部材2b、接片部材2cをビスで共締めすることで、一体となった電池蓋2、逆接合防止部材2b、接片部材2cがメインプレート2aに対しスライド可能となる。またこのときロックレバー4も、電池蓋2とメインプレート2aに挟み込まれ、図3のX方向から見た状態である図4に示すように、電池蓋2に設けられたガイドリブ2dによりガイドされ、スライド可能となる。また、ロックレバー4は、ばね6により付勢されている。上記構成から、図2における電池蓋2の第2のスライド方向への移動と、ロックレバー4の第一のスライド方向への移動が可能となっている。
【0011】
次に、各ロック機構について詳しく説明する。図5、図6、図7は、電池蓋2の構成部品において、便宜的にロックレバー4のみを表し、その他の構成部品は省略している。
【0012】
図5は電池蓋が閉じている状態であり、この時ロックレバー4に設けたロック部4aは、電池蓋2の第二のスライド方向に対し電池BOX1に設けられたストッパ1aと当接しているため、電池蓋2は第二のスライド方向への移動が不可能となり、ロック状態となっている。
【0013】
更に、図8の断面図に示すように、電池BOX1に設けつめ部1cと、電池蓋2に設けたつめ部2eの嵌合により、シャフト5を中心とする回動方向に対しロックがかけられており、電池蓋2は完全にロックされている状態である。以下、この時の状態を、第一のロック状態と定義する。
【0014】
次にロックレバー4を第一のスライド方向へ、ロック部4aがストッパ1aと当接しない位置まで移動し、上述の電池蓋2の第二のスライド方向への移動に対するロックを解除した状態を図6に示す。この時のロック解除状態を、第一のロック解除状態と定義する。この状態で初めて電池蓋2は第二のスライド方向に対し移動可能となる。
【0015】
更に前記第一のロック解除状態から、電池蓋2を第二のスライド方向へ移動し、図9の断面図に示すように、電池BOX1に設けたつめ部1cと、電池蓋2に設けたつめ部2eの嵌合が外れ、シャフト5を中心とした電池蓋2の回動に対するロックが解除された状態を図7に示す。この状態を、第二のロック解除状態と定義する。この第一のロック解除状態と第二のロック解除状態の間においては、電池BOX1に設けたストッパ1aにロックレバー4のロック部4aがばね6により第一のスライド方向に対して付勢されるため、ストッパ1aとロック部4aは摺動しながら第二のスライド方向に対する移動が可能となる。このため、第二のロック解除位置までストッパ1aの第二のスライド方向に対する幅を設定することで、スライド式ロックレバー4が第一のスライド方向に対し、第一のロック状態の位置まで移動することはない。
【0016】
次に、電池蓋2を閉じる時の動作を説明する。図10は、電池蓋2を閉じる動作の時、電池BOX1と接触し始めた状態を表す。このとき、図10に示すように、ロックレバー4に設けたロック部4aと、電池BOX1に設けたストッパ1aが当接するように各々構成する。このとき、ロック部4aには角度を設けておき、ロック部4aとストッパ1aが当接開始すると、スライド式ロックレバーに伝達された回動方向の荷重がロックレバー4の第一のスライド方向へ分散し、ロックレバー4が第一のスライド方向へ移動することになる。電池蓋2が電池BOX1へ完全に接触すると図7の第二のロック解除状態となり、電池蓋2は第二のスライド方向への移動が可能となる。電池蓋2を第一のロック解除状態まで移動させると、ばね6により付勢されたロックレバー4は第一のロック状態の位置まで移動し、図5の第一のロック状態となり、完全にロックをかけた状態となる。
【0017】
次に、開閉検出機構について説明する。第二のスライド方向に略垂直な方向(第二のスライド方向を略法線方向とする面)に配置された基板7と、その基板7に実装された検知スイッチ素子3を図11に表す。この基板7は、電池BOX1にビス等で固定される。図5のように、この検知スイッチ素子3のレバー部3aと、ロックレバー4に設けたスイッチ接触部4bが直接当接し、電池蓋2の開閉検知を行う。このロックレバー4のスイッチ触部4bは、第一のロック状態と、第一のロック状態から第一のスライド方向への移動時に検知スイッチ3のレバー部3aと当接、摺動し、検知スイッチ3がON/OFFを切り替えられるように配置する。更に第一のロック解除位置においてレバー部3aとスイッチ接触部4bが離れるように構成することで、前述のように、ロックレバー4が第二のスライド方向に対する移動時には、ロックレバー4は第一のロック状態の位置まで戻ることは無いため、スイッチ接触部4bとレバー部3aは干渉することは無い。
【0018】
また図11において、この検知スイッチ素子3は、使用者が手を触れることが可能である準外観面1dより外側(使用者側)に配置し、電池蓋2を閉じた状態でロックレバー4のスイッチ接触部4bと当接できるように十分な掛かり量を備える。
【0019】
上記構成から、ロックレバー4の第一のロック状態での位置と、第一のロック解除状態での位置の間に検知スイッチ3のON/OFF切り替え点を設定することで、第一のロック状態では電池蓋2が閉じた状態、第一のロック解除状態(第一のロック状態と第一のロック解除状態の間)では電池蓋2が開いた状態の検知が可能となる。
【0020】
更に、使用者が手を触れることが可能である準外観面1dより外側(使用者側)に配置された検知スイッチ素子3の周囲に、使用者等の外部作用から保護する目的で、図1に示すようなスイッチ保護形状1bを形成する。このスイッチ保護形状1bは、第一のスライド方向の側面に略沿うような形で構成する。
【0021】
また、前述の検知スイッチ素子3の配置のように、第一のロック解除状態において、ロックレバー4のスイッチ接触部4bとスイッチ保護形状1bとの第一のスライド方向に対する距離を確保するように配置すれば、電池蓋2の第二のスライド方向に対する移動時にもスイッチ接触部4bとスイッチ保護形状1bとの干渉は無い。このことから、スイッチ保護形状1bは、第一のロック解除状態において第一のスライド方向に対するスイッチ接触部4bと当接しない限り、第一のスライド方向へ保護形状を形成することが可能となる。
【0022】
また、スイッチ保護形状1bは、検知スイッチ素子3のレバー部3aの形状に合わせて斜めにカットしてある。これは、外部作用からの保護効果を十分に備えながら、電池蓋2の第二のスライド方向に対する移動時の、公差等のガタによるスイッチ接触部4bとスイッチ保護形状1bとの接触を防ぐためのクリアランス確保に効果がある。
【0023】
また、本実施例では図1に示すように、電池BOX1に設けたつめ部1cと前記スイッチ保護形状1bを一体化して形成している。このことにより、つめ部1cとスイッチ保護形状1bの強度を大きく保つことが可能となり、またスペース的にも有効である。更には突起部形状が全体的に大きくなるため、ユーザーが触れた時の接触面の圧力は小さくなり、けが等の予防にも効果がある。
【実施例2】
【0024】
実施例1において、スイッチ保護形状1bは検知スイッチ素子3のレバー部3aの形状に合わせて斜めにカットしているが、これは検知スイッチの配置や形状に合わせた形状にすれば良く、また形状に合わせることなく外部作用からの保護が可能な形状で、前述のロックレバー4のスイッチ接触部4bと接触しなければ、どのような形状でも良い。
【実施例3】
【0025】
実施例1ではつめ部1cとスイッチ保護形状1bを一体化して形成しているが、別体で形成しても良い。外部からのスイッチの保護に対しては同等の効果がある。スペース的な制約や、回動に対するロック機構を別の手段で構成する場合などは、別体で形成すると良い。別体で形成した際、図1における第一のスライド方向に略直交する面(つめ部1cが形成している面)に対し、同様な面を構成しても、または構成しなくても、外部作用からの保護に対しては略同等な効果があるため、この面に関しては構成しても構成しなくてもどちらでも良い。
【実施例4】
【0026】
上記各実施例において、ロックレバー4は第一のスライド方向に対するスライドを移動手段として備えているが、これは回動手段を備えたロックレバーでも良い。図2におけるA、B方向で形成される面に略平行な面の法線方向を回転軸とした回動手段を有するロックレバーで、上記実施例における第一のスライド方向を前記回動方向とし、前記回動手段によりストッパ1aとのロック、レバー部3aとの当接による開閉検知手段を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明における蓋を開いた状態での全体斜視図
【図2】本発明における蓋を閉じた状態での全体斜視図
【図3】電池蓋構成部品を表す図
【図4】図3X方向から見た図
【図5】第一のロック状態を表す図
【図6】第一のロック解除状態を表す図
【図7】第二のロック解除状態を表す図
【図8】第一のロック状態における電池蓋と電池BOXの断面図を表す図
【図9】第二のロック解除状態における電池蓋と電池BOXの断面図を表す図
【図10】電池蓋を閉じ、電池BOXと接触し始めた状態を表す図
【図11】基板と検知スイッチの配置を表した図
【符号の説明】
【0028】
1 電池BOX
1a ストッパ
1b スイッチ保護形状
1c つめ部
1d 準外観面
2 電池蓋
2a メインプレート
2b 逆接合防止部材
2c 接片部材
2d ガイドリブ
2e つめ部
3 検知スイッチ素子
3a レバー部
4 ロックレバー
4a ロック部
4b スイッチ接触部
5 シャフト
6 ばね
7 基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装筐体部に設けられた、スライドと回動による蓋の開閉機構と、前記蓋開閉のロック機構と、前記蓋開閉検知手段とを有し、前記蓋開閉のロック機構は、蓋に備えられたロックレバーを移動することで解除され、前記蓋開閉検知手段は前記ロックレバーに備えられた突起部と、本体内部に配置された検知スイッチ素子との当接によるものであり、前記検知スイッチ素子は前記蓋のスライド方向を法線とする面に略平行に配置された基板に配置され、かつユーザー操作面近傍に配置された前記検知スイッチ素子の、外部作用からの保護形状を備えたことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項1】
外装筐体部に設けられた、スライドと回動による蓋の開閉機構と、前記蓋開閉のロック機構と、前記蓋開閉検知手段とを有し、前記蓋開閉のロック機構は、蓋に備えられたロックレバーを移動することで解除され、前記蓋開閉検知手段は前記ロックレバーに備えられた突起部と、本体内部に配置された検知スイッチ素子との当接によるものであり、前記検知スイッチ素子は前記蓋のスライド方向を法線とする面に略平行に配置された基板に配置され、かつユーザー操作面近傍に配置された前記検知スイッチ素子の、外部作用からの保護形状を備えたことを特徴とする携帯型電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−12882(P2007−12882A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192010(P2005−192010)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]