説明

携帯型電子機器

【課題】有機ELパネルを用いる携帯型電子機器において、パネルに掛る負荷を軽減するとともにパネルの耐衝撃性を確保する。
【解決手段】電子機器1は、有機ELパネル21の前面側に配置され、電子機器1の前面として機能する、樹脂によって形成されたフロントパネル2と、有機ELパネル21とフロントパネル2との間に形成された接着剤層31と、を備える。有機ELパネル21は、接着剤層31を通して、フロントパネル2に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機ELパネルを有する携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルを表示装置として備える携帯型電子機器が利用されている(例えば、下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2007/0202956号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、有機ELパネルを備える携帯型電子機器の開発が進められている。ところが、有機ELパネルは一般的に液晶パネルに比べると薄いので、表示パネルに有機ELパネルを用いた場合には、パネルに掛る負荷を軽減することや耐衝撃性を確保することがよりいっそう求められる。
【0005】
本発明の目的は、有機ELパネルを用いる携帯型電子機器において、パネルに掛る負荷を軽減するとともにパネルの耐衝撃性を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯型電子機器は、有機ELパネルと、有機ELパネルの前面側に配置され、前記電子機器の前面として機能する、樹脂によって形成されたフロントパネルと、前記有機ELパネルと前記フロントパネルとの間に形成された接着剤層と、を備える。前記有機ELパネルは、前記接着剤層を通して、前記フロントパネルに固定されている。このような構造によれば、樹脂によって形成された高い耐衝撃性を有するフロントパネルに接着剤層を通して有機ELパネルを固定するので、それらが全体として衝撃に強い一つの部品となる。また接着剤層の厚みを十分に確保することでフロントパネルの反りを接着剤層で吸収することが可能となり、有機ELパネルに掛る負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯型電子機器の正面図である。
【図2】上記電子機器が備える表示パネルユニットの分解斜視図である。
【図3】図1に示すIII−III線での電子機器の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る携帯型電子機器1の正面図である。図2は電子機器1が備える表示パネルユニット20とフロントパネル2の分解斜視図である。図3は図1に示すIII−III線での断面図である。なお、以下の説明では、図1に示すX1−X2が左右方向であり、Z1−Z2の示す方向が上下方向である。また、図3に示すY1−Y2が前後方向である。
【0009】
図1に示すように、電子機器1は表示パネルユニット20を有している。この例の電子機器1はゲーム装置や、動画や音声再生装置として機能する携帯型の装置である。電子機器1の前面には、ユーザによる操作が可能な複数の操作部材が設けられている。具体的には、表示パネルユニット20の右側に複数(この例では4つ)の操作ボタン5が配置されている。4つのボタン5は十字の端部にそれぞれ位置している。また、表示パネルユニット20の左側には十字キー6が配置されている。さらに、表示パネルユニット20の右側と左側とには、操作スティック7,8がそれぞれ配置されている。操作スティック7,8は電子機器1から前方に突出する軸部7b,8bと、その軸部7b,8bの頭部に形成された円盤状の操作部7a,8aとを含んでいる。操作スティック7,8は、上下方向や左右方向など、軸部7b,8bの半径方向に傾けたり、半径方向に傾けた状態で周方向に回転させることが可能となっている。なお、操作スティック7,8は軸部7b,8bの半径方向にスライド可能となっていてもよい。また、電子機器1は、その上面の最右部と最左部とに、上部ボタン14,15をそれぞれ有している。さらに、電子機器1は、操作スティック7,8の下方にボタン16a,16b,16cを有している。
【0010】
表示パネルユニット20は図2及び図3に示すように有機EL(Electro−Luminescence)パネル21を有している。この例の表示パネルユニット20はさらにタッチパネル22を含んでいる。タッチパネル22は例えば静電容量式のタッチパネルである。また、電子機器1はフロントパネル2を有している。フロントパネル2は有機ELパネル21の前面側、すなわち表示パネルユニット20の前面側に配置され、電子機器1の前面として機能している。なお、電子機器1は、図1に示すように、左右方向の幅が上下方向の幅よりも大きい電子機器である。フロントパネル2も左右方向の幅が上下方向の幅よりも大きいパネルであり、電子機器1の正面視において概ね電子機器1の外形に対応した形状を有している。
【0011】
フロントパネル2は光透過性を有する樹脂によって形成さており、ガラスに比べて高い耐衝撃性を有している。この例のフロントパネル2は、図3に示すように、第1樹脂層2aと、第1樹脂層2aの裏面に形成された第2樹脂層2bとを含んでいる。第2樹脂層2bと第1樹脂層2aは互いに異なる材料によって形成されている。具体的には、第2樹脂層2bは第1樹脂層2aよりも硬度の低い材料によって形成される。こうすることで、フロントパネル2の表面に傷が付くことを抑えながら、フロントパネル2の耐衝撃性を増すことができる。この例では、第1樹脂層2aはアクリルによって形成され、第2樹脂層2bはポリカーボネートによって形成されている。
【0012】
フロントパネル2は、第2樹脂層2bの裏面に形成された第3樹脂層2cをさらに含んでいる。第3樹脂層2cは第1樹脂層2aと同じ材料で形成されている。こうすることで、フロントパネル2の反りを抑えることができる。この例では、第1樹脂層2aと第3樹脂層2cはアクリルによって形成されている。これら3つの樹脂層2a,2b,2cは接着等によって互いに固定されている。
【0013】
表示パネルユニット20は、図2及び図3に示すように、有機ELパネル21とフロントパネル2との間に形成された接着剤層31をさらに含み、有機ELパネル21は接着剤層31を通してフロントパネル2に固定されている。このような構造によれば、樹脂によって形成された高い耐衝撃性を有するフロントパネル2に有機ELパネル21を貼り付けるので、それらが全体として衝撃に強い一つの部品となる。また接着剤層31の厚みを十分に確保することでフロントパネル2の反りを接着剤層31で吸収することが可能となり、有機ELパネル21に掛る負荷を軽減できる。
【0014】
接着剤層31は接着剤の塗布によって形成された層である。すなわち、接着剤層31は、有機ELパネル21又は当該有機ELパネル21に対向する板状部材のいずれか一方に直接的に接着剤を塗布することにより形成された層であり、基材であるフィルムの両面に接着剤を有する接着フィルムではない。この例の表示パネルユニット20は、有機ELパネル21とタッチパネル22との間に、外光の反射を抑えるための波長板24を有している。接着剤層31は有機ELパネル21の前面又は波長板24の裏面のいずれか一方に接着剤を直接的に塗布することによって形成される。この例では、接着剤層31は有機ELパネル21の前面に接着剤を塗布することによって形成されている。
【0015】
この構造によれば、接着フィルムがその両面に有する接着剤に比べて粘度の低い接着剤を用いて接着剤層31を形成できる。例えば、接着剤層31を構成するための接着剤としてゲル状や液状の接着剤を用いることができる。接着剤層31は、例えば、紫外線硬化接着剤などゲル状の接着剤によって構成される。そのため、表示パネルユニット20の製造工程において、有機ELパネル21と波長板24とに大きな圧力を作用させることなく、それらを接着できる。
【0016】
また、接着剤層31は、接着フィルムとは異なり、基材を備えないため、フロントパネル2の反りや撓みの吸収に要する層厚を低減できる。なお、この例の接着剤層31は、タッチパネル22や波長板24のフロントパネル2への接着に利用される、後述する接着フィルムよりも大きな厚さを有している。さらに、有機ELパネル21の前面に接着剤層31を形成するので、フロントパネル2の他にも、有機ELパネル21とフロントパネル2との間に反りを生じる部材がある場合であっても、その反りを接着剤層31で吸収し、有機ELパネル21に負荷がかかることを防ぐことができる。
【0017】
また、接着剤層31は有機ELパネル21の前面の全域に形成されており、有機ELパネル21と波長板24との間には隙間(空気層)が形成されていない。そのため、表示パネルユニット20は有機ELパネル21の光について高い透過率を有している。
【0018】
図2及び図3に示すように、タッチパネル22は接着フィルム32によってフロントパネル2の裏面に貼り付けられている。また、波長板24は接着フィルム(不図示)によってタッチパネル22の裏面に貼り付けられている。このように、タッチパネル22と波長板24の貼り付けに接着フィルムを使用することで、表示パネルユニット20の製造工程が容易になる。これら2つの接着フィルムは、波長板24とタッチパネル22の大きさに対応している。そのため、有機ELパネル21の前側では、いずれの部材の間にも隙間(空気層)が形成されていない。これにより、表示パネルユニット20は有機ELパネル21の光について、高い透過率を有することができる。
【0019】
電子機器1では、有機ELパネル21より前側の部材、すなわち、これまで説明したタッチパネル22の基材と波長板24とフロントパネル2はいずれも樹脂によって形成されている。そのため、電子機器1は有機ELパネル21について高い耐衝撃性を有している。
【0020】
図2及び図3に示すように、表示パネルユニット20は表示パネルユニット20の強度を確保する金属板であるフレーム23を有している。フレーム23は接着フィルム33によって有機ELパネル21の裏面に固定されている。また、フレーム23の裏面にはシート状のクッション25が配置されている。クッション25はエラストマーなどの弾性材料によって構成され、厚さ方向の弾性を有している。このクッション25も図示しない接着フィルムによってフレーム23の裏面に貼り付けられている。さらに、クッション25の裏面には金属泊(例えば銅箔)26が配置されている。金属泊26は、電子機器1が備える他の電子部品(例えばアンテナ)などに対するノイズを遮蔽している。
【0021】
図3に示すように、電子機器1は当該電子機器1が備える種々の電子部品を収容するハウジング50を備えている。この例のハウジング50は電子機器1が備える回路基板41の裏面を覆うバックハウジング52と、回路基板41の前面を覆いバックハウジング52と前後方向において組み合わされるフロントハウジング51とを有している。後において詳説するようにフロントパネル2はフロントハウジング51の前側に配置され、当該フロントハウジング51に取り付けられている。
【0022】
フロントハウジング51には表示パネルユニット20の厚さに対応した大きさの収容凹部51eが形成されている。表示パネルユニット20はこの収容凹部51eに収容されている。収容凹部51eの深さは表示パネルユニット20の厚さに対応しており、表示パネルユニット20は収容凹部51eの底面によって支持されている。すなわち、表示パネルユニット20は収容凹部51eとフロントパネル2とによって挟まれている。これにより、フロントパネル2の表面に受ける外力に対するフロントパネル2と表示パネルユニット20の耐性を向上できる。すなわち、フロントパネル2の表面に外力が作用した場合であっても、フロントパネル2が凹み難くなり、表示パネルユニット20を構成する部材間の接着構造が損なわれることを防ぐことができる。
【0023】
フロントパネル2は、図1及び図2に示すように、有機ELパネル21やタッチパネル22よりも大きなパネルであり、パネル21,22の外縁よりも外側に位置する外周部(図1及び図2において2d,2eで示す部分)を有している。フロントパネル2はフロントハウジング51の前側に配置され、当該フロントパネル2の外周部はフロントハウジング51に接着フィルムによって貼り付けられている。この例では、外周部の全域がフロントハウジング51に貼り付けられている。この構造によれば、フロントパネル2の反りを矯正することができるようになり、有機ELパネル21に負荷が掛ることを抑えることができる。
【0024】
この例の有機ELパネル21やタッチパネル22は矩形であり、それらの左右方向の幅は上下方向の幅よりも大きい。フロントパネル2も左右方向での幅が上下方向の幅よりも大きいパネルである。フロントパネル2の外周部は、図1及び図2に示すように、パネル21,22の外縁から上方及び下方にそれぞれ広がった2つの第1張り出し部2dと、パネル21,22の外縁から左方向及び右方向に広がった2つの第2張り出し部2eとを有している。第2張り出し部2eは第1張り出し部2dよりも大きく広がっている。すなわち、左右方向における第2張り出し部2eの幅W2は、上下方向における第1張り出し部2dの幅W1よりも大きい(図1参照)。このように、左右方向に大きな幅を有するフロントパネル2に、左右方向に大きく広がった張り出し部2eが設けられるので、フロントパネル2の反りを矯正し易くなり、また、フロントパネル2の表面に作用する外力に対する耐性を増すことができる。なお、フロントパネル2は上述したように光透過性を有する樹脂によって形成されている。第2張り出し部2eと第1張り出し部2dとには光を透過しない着色剤が塗布されている。
【0025】
上述したように、表示パネルユニット20の右側には操作ボタン5と操作スティック7とが配置され、表示パネルユニット20の左側には十字キー6と操作スティック8とが配置されている。これらの操作部材5,6,7,8の基部はフロントハウジング51によって保持され、操作部材5,6,7,8は電子機器1の前方に突出している。第2張り出し部2eは操作部材5,6,7,8の位置を越えて右方向又は左方向に広がっており、第2張り出し部2eには操作部材5,6,7,8が内側に配置される孔2fが形成されている。このような構造によれば、第2張り出し部2eの幅を十分に確保することができる。その結果、フロントパネル2の反りをさらに矯正し易くなり、また、フロントパネル2の表面に作用する外力に対する耐性をさらに増すことができる。
【0026】
この例では、孔2fは2つの円形の孔2g,2hが繋がった形状を有している。右側の第2張り出し部2eでは、2つの円形の孔2g,2hに複数の操作ボタン5と操作スティック7とがそれぞれ配置されている。2つの孔2g,2hのサイズは複数の操作ボタン5と操作スティック7の大きさにそれぞれ対応しており、操作スティック7が配置される孔2hは孔2gよりも小さい。そのため、第2張り出し部2eにおいて、フロントハウジング51に貼り付けられる部分を大きくできる。同様に、左側の第2張り出し部2eでは、2つの円形の孔2g,2hに十字キー6と操作スティック8とがそれぞれ配置されている。2つの孔2g,2hのサイズは十字キー6と操作スティック8の大きさにそれぞれ対応しており、操作スティック8が配置される孔2hは孔2gよりも小さい。なお、第2張り出し部2eにはボタン16a,16b,16cが内側に配置される孔2iがさらに形成されている(図2参照)。
【0027】
図3に示すように、フロントハウジング51には孔2fの内側に嵌る膨らみ部51aが形成されている。膨らみ部51aには操作部材5,6,7,8が内側に配置される孔51bが形成されている。膨らみ部51aの外形は孔2fの内形に対応している。また、フロントハウジング51の外周縁にはフロントパネル2の外周縁を取り囲むフランジ部51cが形成されている。フロントパネル2はフランジ部51cの内側に嵌められている。フロントパネル2のフロントハウジング51に対する相対位置は、これらフランジ部51cと膨らみ部51aとによって正確に規定される。その結果、フロントパネル2をフロントハウジング51に貼り付けるための接着フィルムとフロントパネル2との相対位置も正確に規定される。これにより、フロントパネル2のフロントハウジング51に対する貼り付け強度を確保できる。
【0028】
以上説明したように、電子機器1は、有機ELパネル21の前面側に配置され、電子機器1の前面として機能する、樹脂によって形成されたフロントパネル2を備えている。また、表示パネルユニット20は、有機ELパネル21とフロントパネル2との間に形成された接着剤層31を備えている。有機ELパネル21は、接着剤層31を通して、フロントパネル2に固定されている。この構造によれば、樹脂によって形成された高い耐衝撃性を有するフロントパネル2に接着剤層31を通して有機ELパネル21を固定するので、それらが全体として衝撃に強い一つの部品となる。また接着剤層31の厚みを十分に確保することでフロントパネル2の反りを接着剤層31で吸収することが可能となり、有機ELパネル21に掛る負荷を軽減できる。
【0029】
また、有機ELパネル21とフロントパネル2との間には板状部材(以上の説明では波長板24)が配置され、接着剤層31は有機ELパネル21又は波長板24のいずれか一方に接着剤を塗布することによって形成された層である。この構造によれば、接着フィルムの両面に設けられる接着剤に比べて粘度の低い接着剤を用いて接着剤層31を形成できる。例えば、接着剤層31を構成するための接着剤としてゲル状や液状の接着剤を用いることができる。そのため、表示パネルユニット20の製造工程において、有機ELパネル21と波長板24に大きな圧力を作用させることなく、それらを接着できる。
【0030】
また、表示パネルユニット20は有機ELパネル21とフロントパネル2との間に配置されるタッチパネル22をさらに備え、タッチパネル22はフィルムの両面に接着剤を有する接着フィルム32によってフロントパネル2に固定されている。この構造によれば、タッチパネル22をフロントパネル2に固定する作業が容易になる。
【0031】
また、フロントパネル2は、第1樹脂層2aと、第1樹脂層2aの裏面に形成される、第1樹脂層2aとは材料の異なる第2樹脂層2bとを含んでいる。この構造によれば、相反する2つの性能をフロントパネル2に持たせることができる。例えば、フロントパネル2の表面に傷が付くことを防止しながら、フロントパネル2の耐衝撃性、すなわち割れ難さを向上できる。
【0032】
また、フロントパネル2は、第2樹脂層2bの裏面に形成される、第1樹脂層2aと同じ材料の第3樹脂層2cをさらに含んでいる。この構造によれば、フロントパネル2の反りを抑えることができる。
【0033】
また、フロントパネル2は有機ELパネル21の外縁よりも外側に位置する外周部を有し、フロントパネル2の外周部はハウジング50に貼り付けられている。この構造によれば、フロントパネル2の反りを矯正し、有機ELパネル21にかかる負荷をさらに低減できる。
【0034】
また、フロントパネル2は左右方向での幅W2が上下方向での幅W1よりも大きなパネルであり、フロントパネル2の外周部は、有機ELパネル21の外縁よりも上下方向に広がった第1張り出し部2dと、有機ELパネル21の外縁よりも左右方向に広がった第2張り出し部2eとを含んでいる。第2張り出し部2eは第1張り出し部2dよりも大きく広がり、ハウジング50に貼り付けられている。この構造によれば、フロントパネル2の反りをさらに効果的に矯正し、有機ELパネル21にかかる負荷をさらに低減できる。
【0035】
また、電子機器1は、有機ELパネル21の左右に設けられる操作部材5,6,7,8をさらに備え、第2張り出し部2eには操作部材5,6,7,8が内側に配置される孔2fが形成されている。この構造によれば、第2張り出し部2eの幅を確保し易くなる。
【0036】
なお、本発明は以上説明した電子機器1に限られず、種々の変更が可能である。
【0037】
例えば、以上の説明では、表示パネルユニット20は波長板24を有していたが、波長板24は必ずしも設けられていなくてもよい。この場合、接着剤層31によって、有機ELパネル21とタッチパネル22とが互いに接着されてもよい。
【0038】
また、タッチパネル22も必ずしも設けられていなくてもよい。この場合、有機ELパネル21とフロントパネル2とが接着剤層31によって互いに接着されてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 電子機器、2 フロントパネル、2a 第1樹脂層、2b 第2樹脂層、2c 第3樹脂層、2d 第1張り出し部(外周部)、2e 第2張り出し部(外周部)、5 操作ボタン、6 十字キー、7,8 操作スティック、20 表示パネルユニット、21 有機ELパネル、22 タッチパネル、23 フレーム、24 波長板、25 クッション、26 金属泊、31 接着剤層、32 接着フィルム、33 接着フィルム、41 回路基板、50 ハウジング、51 フロントハウジング、52 バックハウジング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型電子機器であって、
有機ELパネルと、
有機ELパネルの前面側に配置され、前記電子機器の前面として機能する、樹脂によって形成されたフロントパネルと、
前記有機ELパネルと前記フロントパネルとの間に形成された接着剤層と、を備え、
前記有機ELパネルは、前記接着剤層を通して、前記フロントパネルに固定されている、
ことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型電子機器において、
前記有機ELパネルと前記フロントパネルとの間には板状部材がさらに配置され、
前記接着剤層は前記有機ELパネル又は前記板状部材のいずれか一方に接着剤を塗布することによって形成された層である、
ことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の携帯型電子機器において、
前記有機ELパネルと前記フロントパネルとの間に配置されるタッチパネルをさらに備え、
前記タッチパネルはフィルムの両面に接着剤を有する接着フィルムによって前記フロントパネルに固定されている、
ことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の携帯型電子機器において、
前記フロントパネルは、第1樹脂層と、前記第1樹脂層の裏面に形成される、前記第1樹脂層とは材料の異なる第2樹脂層とを含む、
ことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯型電子機器において、
前記フロントパネルは、前記第2樹脂層の裏面に形成される、前記第1樹脂層と同じ材料の第3樹脂層をさらに含む、
ことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の携帯型電子機器において、
ハウジングをさらに備え、
前記フロントパネルは前記有機ELパネルの外縁よりも外側に位置する外周部を有し、
前記フロントパネルの前記外周部は前記ハウジングに貼り付けられている、
ことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯型電子機器において、
前記フロントパネルは左右方向での幅が上下方向での幅よりも大きなパネルであり、
前記フロントパネルの外周部は、前記有機ELパネルの前記外縁よりも上下方向に広がった第1の張り出し部と、前記有機ELパネルの前記外縁よりも左右方向に広がった第2の張り出し部とを含み、
前記第2の張り出し部は前記第1の張り出し部よりも大きく広がり、前記ハウジングに貼り付けられている、
ことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯型電子機器において、
前記有機ELパネルの左右に設けられる操作部材をさらに備え、
前記第2の張り出し部には前記操作部材が内側に配置される孔が形成されている、
ことを特徴とする携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−252234(P2012−252234A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125870(P2011−125870)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】