説明

携帯機器用カバーガラス及びその製造方法、並びに携帯機器用タッチセンサモジュール

【課題】携帯機器の薄型化を図るとともに、電気的な接続信頼性を向上させることができる携帯機器用カバーガラス及びその製造方法、並びに携帯機器用タッチセンサモジュールを提供する。
【解決手段】携帯機器の表示画面を保護するための携帯機器用カバーガラス10であって、前記携帯機器用カバーガラスは、板厚方向に対向する一対の主表面を有するガラス基板11と、前記表示画面に面する表面が前記一対の主表面のうち前記表示画面に面する一方の主表面と同一平面をなすように前記ガラス基板に設けられ、光を遮蔽するための遮蔽部13と、前記一方の主表面に設けられ、かつ前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面及び前記一方の主表面に対して平行な平面をなすように形成された透明導電膜14とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルスティルカメラ、ビデオカメラ、またはスレートPC(Personal Computer)等の携帯機器の表示画面や回路基板等を保護するための携帯機器用カバーガラス及びその製造方法、並びに携帯機器用タッチセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器の表示画面や回路基板等を保護することを主目的として、携帯機器用カバーガラスが用いられている。近年、携帯機器の薄型化や高機能化に加え、様々な形状の携帯機器の筐体および表示画面に対応すべく、様々な形状および機能を有する携帯機器用カバーガラスが作製されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、携帯機器用カバーガラス及びタッチパネルに用いられるガラス基板のそれぞれの機能を有する携帯機器用カバーガラスが開示されている。この携帯機器用カバーガラスは、意匠性の確保または更なる向上を図りつつ、製造にかかるコストを低減するために、1枚の透明基板の片側の面の中心を含む領域に、例えばITO(酸化インジウムスズ)等の透明導電膜からなる列電極が一定範囲に亘って形成されており、当該片側の面における列電極の外側の領域には、遮蔽性を有する材料により構成された遮蔽部(ブラックマスク部、塗装部)が設けられている。
【0004】
また、特許文献2には、遮蔽部とオーバーコート層と透明導電膜とを透明基板の片面に有するタッチパネルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−90443号公報
【特許文献2】特開2009−301767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の携帯機器用カバーガラスでは、遮蔽部が所定の厚さを有しているため、透明基板における表示装置側の面と遮蔽部の表面(表示装置側の面)との間には、透明基板の板厚方向に段差が形成されている。ここで、例えばタッチパネルにおける操作位置検出処理や電磁波シールド等に用いられる透明導電膜は、真空蒸着やスパッタリング等により形成される。このため、透明基板と遮蔽部との間の段差を跨ぐように透明導電膜を成膜すると、その段差を跨ぐ箇所で透明導電膜の断線等が生じて、電気的な接続信頼性が低下してしまう。
【0007】
また、透明導電膜を操作位置検出処理に用いる場合、携帯機器用カバーガラスの外部と列電極とを電気的に接続するための配線パターン(引き廻し配線)が設けられる。この配線パターンと列電極とを電気的に接続するためには、列電極と配線パターンとを電気的に接続するためのブリッジ配線をパターン形成する必要がある。この場合、ブリッジ配線は、透明基板及び遮蔽部のそれぞれの表面に沿って、透明基板と遮蔽部の表面との間の段差を跨ぐように形成される。このため、当該段差が高く形成された場合には、例えばブリッジ配線の配線抵抗が増加する等して、列電極と配線パターンとの間の電気的な接続信頼性を十分に確保できない可能性がある。
【0008】
さらに、タッチパネルの操作時に透明基板が押圧され、あるいは携帯機器の落下等によって携帯機器に衝撃が加えられた場合には、ブリッジ配線が断線等することにより、列電極と配線パターンとの電気的な接続が遮断される可能性がある。
以上のように、透明基板と遮蔽部との間の段差によって、電気的な接続信頼性が低下するという問題が生じていた。
【0009】
なお、特許文献2には、オーバーコート層を設けることにより段差を解消した上で、オーバーコート層の表示装置側の表面に透明導電膜を形成する構成が開示されている。しかしながら、この場合には、オーバーコート層の厚さを塗装膜と同等の厚さに形成する必要があるため、タッチパネルの厚さが大きくなり、結果として携帯機器の薄型化を十分に図れないという問題が生じていた。
【0010】
そこで、本発明は、携帯機器の薄型化を図るとともに、電気的な接続信頼性を向上させることができる携帯機器用カバーガラス及びその製造方法、並びに携帯機器用タッチセンサモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の態様は、携帯機器の表示画面を保護するための携帯機器用カバーガラスである。
前記携帯機器用カバーガラスは、
板厚方向に対向する一対の主表面を有するガラス基板と、
前記表示画面に面する表面が前記一対の主表面のうち前記表示画面に面する一方の主表面と同一平面をなすように前記ガラス基板に設けられ、光を遮蔽するための遮蔽部と、
前記一方の主表面に設けられ、かつ前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面及び前記一方の主表面に対して平行な平面をなすように形成された透明導電膜と、を有している。
【0012】
この態様によれば、遮蔽部の表示画面に面する表面がガラス基板の一方の主表面と同一平面をなすように、遮蔽部がガラス基板に設けられることにより、透明基板と遮蔽部との間の段差の拡大が抑えられる。このため、例えば、特許文献2に示すようなオーバーコート層による段差調整が不要となることから、携帯機器用カバーガラスの厚さを小さくすることができ、ひいては携帯機器の薄型化を図ることができる。これとともに、透明基板と遮蔽部との間の段差の拡大が抑えられることから、この段差によって電気的な接続信頼性が低下する可能性を低減することができ、電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0013】
上記携帯機器用カバーガラスにおいて、前記透明導電膜は、前記一方の主表面から前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面に亘って、前記一方の主表面と前記遮蔽部との境界を跨いで設けられる、ことが好ましい。
これにより、遮蔽部の表示画面に面する表面が、一方の主表面と同一平面をなすように形成されるとともに、透明導電膜が境界を跨いで形成されるので、透明導電膜の成膜可能範囲を広げることができる。
【0014】
上記携帯機器用カバーガラスにおいて、前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面に設けられ、前記透明導電膜と外部とを電気的に接続するための接続部を有する、ことが好ましい。
これにより、携帯機器用カバーガラスを携帯機器に実装した構成において、遮蔽部によって、接続部の構成(例えば金属配線パターン等)を、外観上、利用者から隠すことができる。
【0015】
上記携帯機器用カバーガラスにおいて、前記一方の主表面と前記透明導電膜との間、及び前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面と前記接続部との間には、前記一方の主表面の全面を覆う絶縁層が設けられている、ことが好ましい。
【0016】
上記携帯機器用カバーガラスにおいて、前記ガラス基板の前記一方の主表面には、溝が形成されており、前記遮蔽部は、前記溝に設けられている、ことが好ましい。
【0017】
上記携帯機器用カバーガラスにおいて、前記溝は、前記一方の主表面から前記ガラス基板の外周端面に亘って切り欠き状に形成されている、ことが好ましい。
あるいは、前記溝は、前記ガラス基板の外周端面から前記一方の主表面の面方向内側に間隔をおいて配置され、かつ前記一方の主表面から前記一対の主表面のうち他方の主表面へ向けて凹状に形成されている、ことが好ましい。
【0018】
本発明の他の態様は、携帯機器に設けられ、利用者の操作に応じた電気信号を生成するための携帯機器用タッチセンサモジュールである。
前記携帯機器用タッチセンサモジュールは、上述した携帯機器用カバーガラスを有し、
前記透明導電膜は、前記ガラス基板の前記一対の主表面のうち他方の主表面に対する利用者の操作に応じた電気信号を生成するための透明電極として用いられる。
【0019】
本発明の他の態様は、携帯機器の表示部を保護するための携帯機器用カバーガラスの製造方法である。
前記製造方法は、
板厚方向に対向する一対の主表面を有するガラス基板に、光を遮蔽するための遮蔽部を設ける工程であって、前記一対の主表面のうち前記表示画面に面する一方の主表面と前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面とが同一平面をなすように、前記遮蔽部を設ける工程と、
前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面及び前記一方の主表面に対して平行な平面をなすように透明導電膜を形成する工程と、を有している。
この態様によれば、遮蔽部の表示画面に面する表面がガラス基板の一方の主表面と同一平面をなすように、遮蔽部がガラス基板に設けられることにより、透明基板と遮蔽部との間の段差の拡大が抑えられる。このため、例えば、特許文献2に示すようなオーバーコート層による段差調整が不要となることから、携帯機器用カバーガラスの厚さを小さくすることができ、ひいては携帯機器の薄型化を図ることができる。これとともに、透明基板と遮蔽部との間の段差の拡大が抑えられることから、この段差によって電気的な接続信頼性が低下する可能性を低減することができ、電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0020】
上記携帯機器用カバーガラスの製造方法において、前記一方の主表面に溝を形成する工程をさらに有し、前記遮蔽部を設ける工程では、前記遮蔽部を前記溝に設ける、ことが好ましい。
【0021】
上記携帯機器用カバーガラスの製造方法において、前記溝を形成する工程では、前記溝をエッチングによって形成する、ことが好ましい。
あるいは、前記溝を形成する工程では、前記溝を機械加工によって形成する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、携帯機器の薄型化を図るとともに、電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(a)は本実施形態の携帯機器用カバーガラスの斜視図、(b)は携帯機器用カバーガラスの平面図、(c)は(b)に示した携帯機器用カバーガラスの変形例を示す平面図。
【図2】(a)は携帯機器用カバーガラスの断面図、(b)は(a)に示した携帯機器用カバーガラスの変形例を示す断面図。
【図3】図2(a)に示した携帯機器用カバーガラスの変形例を示す断面図。
【図4】(a)〜(d)はガラス基板にエッチングを利用して溝を形成する工程を順に示す断面図。
【図5】本実施形態の携帯機器用タッチセンサモジュールの断面図。
【図6】本実施形態の携帯機器用カバーガラスの変形例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(1)第1実施形態の携帯機器用カバーガラス
第1実施形態の携帯機器用カバーガラス(以下、カバーガラスという)の構成について図1〜図3を参照して説明する。図1(a)は第1実施形態のカバーガラスの斜視図、図1(b)はカバーガラスの平面図、図1(c)は図1(b)に示したカバーガラスの変形例を示す平面図である。図2(a)はカバーガラスの断面図、図2(b)及び図3は図2(a)に示したカバーガラスの変形例を示す断面図である。
【0025】
本実施形態のカバーガラスは、例えば、表示画面に対する操作入力(タッチパネル機能としての操作入力)が可能な携帯型電子機器、特に携帯電話機、PDA、デジタルスティルカメラ、ビデオカメラ、またはスレートPC等の携帯機器の表示画面や回路基板等を保護するために用いられる。このため、本実施形態のカバーガラスは、落下あるいは表示画面への操作入力に対する仕様を満足させるべく、薄くかつ高い強度を有するガラスである必要があることから、イオン交換処理による化学強化がなされている。
【0026】
また、本実施形態のカバーガラスは、タッチパネルに用いられるガラス基板としての機能も有している。これにより、カバーガラスとタッチパネルのガラス基板とを共通化して用いることができるので、携帯機器におけるガラス板の積層枚数を低減することができる。従って、本実施形態のカバーガラスによれば、携帯機器の薄型化を図ることができる。
【0027】
図1(a),(b)に示すように、本実施形態のカバーガラス10は板状に形成されており、カバーガラス10を構成するガラス基板11の主表面は、例えば、長手方向の寸法が8〜16cm、短手方向の寸法が4〜8cmの略矩形状に形成されている。なお、ガラス基板11の主表面の形状は、略矩形状あるいは矩形状に限られず、各種携帯機器の形状や構造等に応じて適宜変更してもよい。また、図1(a),(b)に示すように、カバーガラス10には、カバーガラス10の板厚方向に貫通するように開口を設けてもよい。
【0028】
ガラス基板11の板厚Tは特に限定されないが、カバーガラス10を利用する各種携帯機器の重量増大の抑制や、携帯機器の薄型化の観点から、通常は、1mm以下であることが好ましく、0.7mm以下であることがより好ましい。なお、板厚Tの下限値は、カバーガラス10の機械的強度を確保する観点から、0.2mm以上とすることが好ましい。
【0029】
ガラス基板11は、携帯機器の表示画面に取り付け可能に形成されている。また、ガラス基板11は、図2(a)に示すように、携帯機器の表示画面に取り付けられたときに携帯機器の外側に面する第1の主表面11aと、携帯機器の表示画面に取り付けられたときに携帯機器の表示画面に面する第2の主表面11bとを有している。各主表面11a,11bはガラス基板11の板厚方向(図2(a)において上下方向)に対向している。また、ガラス基板11には、溝12と、遮蔽部(塗装部)13と、透明導電膜14と、接続部15とが設けられている。
【0030】
溝12は、図1(b)及び図2(a)に示すように、第2の主表面11bの周縁全周において、第2の主表面11bからガラス基板11の外周端面に亘って切り欠き状に形成されている。また、図1(c)及び図2(b)に示すように、溝12は、ガラス基板11の外周端面から第2の主表面11bの面方向内側(第2の主表面11bの中央側)に間隔をおいて、第2の主表面11bから第1の主表面11aへ向けて凹状に形成されてもよい。
【0031】
溝12を切り欠き状に形成する場合、溝12の幅が、ガラス基板11の外周端面から第2の主表面11bの中央に向かって、例えば0.5〜8mmで、かつ溝12の深さが例えば0.005〜0.2mmとなるように形成されると好ましい。また、溝12を凹状に形成する場合、溝12は、ガラス基板11の外周端面から第2の主表面11bの面方向内側に向かって、0.5mm以上の幅を有する外周縁11cが形成されるように間隔をおいて、例えば幅が0.5〜8mm、深さが0.005〜0.2mmとなるように形成されると好ましい。
【0032】
遮蔽部13は、溝12に設けられており、第1の主表面11aからガラス基板11の板厚方向に入射された光を第2の主表面11bの周縁部において遮蔽する。即ち、遮蔽部13は、光を遮蔽するためのものである。遮蔽部13は、溝12の全領域を埋めるように形成されると好ましい。これは、例えば溝12の内壁面と遮蔽部13との間に隙間が生じることにより溝12の領域内に空隙が形成された場合、外部からの入射光が空隙内の空気によって反射されることにより、携帯機器の表示画面が見難くなるおそれがあるからである。
【0033】
また、遮蔽部13の表面であって携帯機器の表示画面に面する表面である遮蔽部表面13aは、第2の主表面11bと同一平面をなすように形成されている。これにより、遮蔽部表面13aと第2の主表面11bとの間に形成される段差を極めて小さくすることができる。ここで、「同一平面をなすように形成されている」とは、遮蔽部表面13aの第2の主表面に接する端部と、第2の主表面11bの遮蔽部表面13aに接する端部との間の段差が10μm以下に形成されていることをいう。なお、この段差は、1μm以下に形成されていることがより好ましい。
【0034】
さらに、遮蔽部13は、後述する印刷工程において塗料を多層に積層することにより形成されると好ましい。塗料を多層に積層してなる印刷層の印刷内容は問わないが、多層構造を有する印刷層を形成する場合の代表的な例(第1層がネガ印刷の例)を挙げると、第1層は外周の額縁部分を印刷する層で、当該第1層には機器のモデル、社名のロゴ、各種センサーホールなどが抜き形状となっている。
【0035】
第2層は社名のロゴやモデル名を指定の色で印刷する層、第3層はロゴやモデル名の印刷部の遮光性ならびに額縁印刷部分のピンホールを消すための裏打ち層、第4層にも裏打ち層、第5層は明度センサーホール部分に印刷する透過率調整用のフィルターインク、第6層は筐体に接着するあるいはタッチパネル用配線基板を取り付ける際の位置合わせ用ガイドラインといった構成がある。
【0036】
透明導電膜14は、第2の主表面11b及び遮蔽部表面13aに対して平行な平面をなすように第2の主表面11bに形成されている。ここで、「第2の主表面11b及び遮蔽部表面13aに対して平行な平面をなすように」とは、透明導電膜14が、その内部で断線が生じない程度の屈曲部分を含む構成を有していることをいう。
【0037】
また、透明導電膜14は、ガラス基板11の第2の主表面11bに沿って所定の厚みをもって配置されている。この透明導電膜14の「所定の厚さ」とは、スパッタ法により成膜される場合には、100nm以下であり、印刷法により成膜される場合には、透明樹脂を含めて1000nm以下である。
【0038】
さらに、透明導電膜14は、ガラス基板11が携帯機器の表示画面に取り付けられたときに、第1の主表面11aに対する携帯機器の利用者の操作(例えば、携帯機器の利用者が指等で第1の主表面11aを押圧する等)に応じた電気信号を生成するとともに、生成した電気信号を遮蔽部表面13a上の接続部15に向けて出力するために用いられ、接続部15と電気的に接続されている。
【0039】
透明導電膜14には、例えば、複数の透明電極をなすように、格子状等の間隙が形成された任意のパターンが形成されていてもよい。また、透明導電膜14は、ガラス基板11の板厚方向に多層に配置されてもよい。さらに、透明導電膜14は、図2(a),(b)に示すように、第2の主表面11bから遮蔽部表面13aに亘って、第2の主表面11bと遮蔽部13との境界を跨いで設けられている。
【0040】
ここで、第2の主表面11bと遮蔽部表面13aとは同一平面をなすように形成されているので、透明導電膜14が第2の主表面11bと遮蔽部表面13aとの間の段差によって断線等するのを抑制することができる。これに加えて、透明導電膜14が境界を跨いで形成されるので、透明導電膜14の成膜可能範囲を広げることができる。
【0041】
接続部15は、例えば、Ag、Al、Mo若しくはCr又はこれらの合金や多層膜からなる信号配線用の金属パターンや、後述するFPC(フレキシブルプリント基板)21に接続するためのランド等である。また、接続部15は、透明導電膜14とカバーガラス10の外部(例えば、後述する位置検出回路22等)とを電気的に接続するために用いられる。さらに、接続部15は、カバーガラス10の外部から目視されることにより携帯機器の美観を損なうことがないように、カバーガラス10の外部からカバーガラス10をみたときに遮蔽部13によって覆われる位置、すなわち遮蔽部表面13aに設けられることが好ましい。
【0042】
なお、図3に示すように、透明導電膜14が多層に積層して配置される場合、接続部15は、透明導電膜14と同様に積層して配置されることが好ましい。このとき、それぞれの層の透明導電膜14は接続部15に接続され、それぞれの層の透明導電膜14及び接続部15は、例えば透明な樹脂等から形成された絶縁層16によって覆われている。つまり、それぞれの層の間は、絶縁層16によって電気的に非接触の状態にある。
【0043】
また、それぞれの層の透明導電膜14と接続部15は、透明導電膜14と接続部15との間にガラス基板11の板厚方向の段差が生じないように、第2の主表面11bの面方向に沿って配置されることが好ましい。これにより、透明導電膜14と接続部15との間の段差を跨ぐようにブリッジ配線を設ける必要がないので、当該段差によってブリッジ配線が断線等することにより、透明導電膜14と各接続部15との間に電気的な接続不良が発生するのを抑制することができる。従って、透明導電膜14と接続部15との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0044】
さらに、ガラス基板11の各主表面11a,11bのそれぞれには、後述する化学強化によって所定厚さの圧縮応力層が形成されている。この圧縮応力層は、ガラス基板11を構成するガラス材料に元々含まれるアルカリ金属の一部を、よりイオン半径の大きなアルカリ金属に置換した変質層である。例えば、本実施形態のガラス基板11を構成するガラス材料に含まれるナトリウムイオンがカリウムイオンに置換される。
【0045】
本実施形態のガラス基板11は、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス等で構成されていることが好ましい。中でも、ガラス基板11は、SiOとAlと、LiOおよびNaOから選択される少なくとも1種のアルカリ金属酸化物と、を含むアルミノシリケートガラスで構成されていることが好ましい。
【0046】
(2)実施形態のカバーガラスの製造方法
次に、本実施形態のカバーガラスの製造方法を説明する。
(2−1)板状ガラス作製工程
板状ガラス作製工程は、溶融ガラスから板状ガラスを作製する工程であり、例えばフロート法を採ることができる。フロート法は、溶融炉で溶融された溶融ガラスを、溶融錫が貯溜されたフロートバスに供給し、その溶融ガラスをフロートバスの溶融錫上で水平方向に引き出して成形する方法である。フロート法によれば、溶融ガラスをフロートバスの溶融錫上に浮かせることにより、溶融ガラスが自然に広がって安定した厚みになるとともに、この溶融ガラスを水平方向に引き出すことにより、帯状のガラスリボンが成形される。そして、ガラスリボンは、フロートバスの下流側に設けられた徐冷炉に搬送されて徐冷された後に、所望の大きさの板状ガラスが得られるように切断される。
【0047】
なお、板状ガラスを作製する方法として、フロート法の他にダウンドロー法やプレス法等を用いてもよいが、表面精度の良好な板状ガラスが得られる点及び板状ガラスの大量生産に適している点から、フロート法を用いることが好ましい。
【0048】
(2−2)形状加工工程
次に形状加工工程を行う。形状加工工程は、板状ガラス作製工程で得られた板状ガラスを、カバーガラスの外形に応じた所望の形状のガラス基板に加工する工程である。以下、形状加工工程として、エッチングを利用した方法について説明する。エッチングを利用した形状加工工程は、以下の(a−1)耐エッチング膜形成工程、(a−2)パターニング工程、(a−3)切断工程、を含む。形状加工工程においてエッチングを利用することにより、形状加工工程において機械加工による切断法を用いた場合と比較して、カバーガラスの切断面における微小な傷やクラック等の発生を抑制できることから、この傷やクラック等に起因してカバーガラスの強度が低下することを防ぐことができる。
【0049】
(a−1)耐エッチング膜形成工程
耐エッチング膜形成工程では、板状ガラスの少なくとも一方の面上に、耐エッチング膜を形成する。この耐エッチング膜は、通常、板状ガラスの両面に形成されるが、後の切断工程において、片面のみをエッチング溶液に接触させる場合には、当該片面にのみ耐エッチング膜が形成されていればよい。なお、以下の説明においては、耐エッチング膜が、板状ガラスの両面に形成されることを前提として説明する。
【0050】
耐エッチング膜としては、後のパターニング工程において、パターニング処理により部分的に除去可能であり、かつ、切断工程において用いるエッチング溶液に対しては溶解・除去されない性質を有するものであれば、適宜選択できる。このような耐エッチング膜としては、少なくとも弗酸水溶液に対して難溶性または不溶性を示すレジスト膜を用いることが好ましい。この場合、パターニング工程においては、レジスト膜を、フォトマスクを用いた露光処理と現像液による現像処理とによってパターニング処理し、切断工程においてエッチング溶液を利用して切断を行うことができる。
【0051】
(a−2)パターニング工程
パターニング工程では、少なくとも耐エッチング膜を、パターニングする。これにより、板状ガラスの表面全面を覆う耐エッチング膜のうち、最終的に作製されるガラス基板11の平面方向の形状に対応する領域以外の耐エッチング膜を除去する。耐エッチング膜のパターニング方法としては、代表的には、上述した露光・現像を組み合わせて実施するフォトリソグラフィが利用できる。なお、パターニング工程は、両面に耐エッチング膜が形成された板状ガラスの少なくとも片面に対して実施すればよく、両面に対して実施してもよい。
【0052】
(a−3)切断工程
切断工程では、板状ガラスの、パターニングされた耐エッチング膜が設けられた面を、エッチング溶液に接触させてエッチングすることで、板状ガラスを小片に切断する。エッチング処理は、通常、板状ガラスをエッチング溶液に浸漬させて行う。エッチング溶液としては、少なくとも弗酸を含むものであれば特に限定されないが、必要に応じて、塩酸等のその他の酸や、界面活性剤等の各種の添加剤が添加されていてもよい。
このようにして、所望の形状のガラス基板11が得られる。
【0053】
次に、ガラス基板11に対し、エッチングを利用して溝12を形成する方法について説明する。図4は、ガラス基板11に対し、エッチングを利用して溝12を形成する工程を順に示す断面図である。
まず、ガラス基板11の第2の主表面11bにレジスト(感光性有機材料)層17を塗布形成し(図4(a)参照)、所定の露光、現像を行って、第2の主表面11bに溝12のパターン17aを有するレジストパターン(つまり溝12を形成する領域のレジスト層が除去されている)を形成する(図4(b)参照)。
【0054】
そして、このレジストパターンをマスクとして、ガラス素材を溶解可能なエッチング液(例えばフッ酸を含有する酸性溶液など)を用いてウェットエッチングすることにより、第2の主表面11bに溝12が形成される(図4(c)参照)。上記フッ酸を含有する酸性溶液としては、例えば、フッ酸水溶液、フッ酸と塩酸の混合溶液、フッ酸と硫酸の混合溶液、フッ化アンモニウム含有水溶液などが挙げられる。
そして、残ったレジストパターンを剥離し、洗浄する(図4(d)参照)。
【0055】
このようにして、ガラス基板11の第2の主表面11bに溝12が形成される。なお、ここでは、第2の主表面11bのみに溝12を形成する場合を説明したが、ガラス基板11の両主表面11a,11bにそれぞれ溝を形成する場合は、ガラス基板11の両主表面11a,11bにレジスト層を塗布形成し、このレジスト層に溝のパターンを形成すればよい。
エッチングを利用して溝12を形成した場合、微小な傷やマイクロクラック等が溝12の内壁面や奥面に発生するのを抑制できるため、カバーガラスの強度を損なうことなく、例えば化学強化処理によって得られるカバーガラスの高い強度を維持することができるので、好ましい。
【0056】
なお、形状加工工程では、例えばスクライブ加工等の機械加工によって、板状ガラスの切断あるいは溝12の形成を行ってもよい。ここで、スクライブとは、板状ガラスあるいはガラス基板11の表面に、超鋼合金製あるいはダイヤモンドからなるスクライバにより所望の形状の切断線(線状のキズ)を設けることをいう。ガラス基板11あるいは溝12を機械加工によって形成することにより、カバーガラス10の製造効率を向上させることができる。
【0057】
(2−3)化学強化工程
次に、形状加工工程によって得られたガラス基板11に対して化学強化工程を行う。
化学強化工程では、ガラス基板11を複数枚、カセット(ホルダー)に装填し、溶融塩を含む化学強化処理液にカセットを浸漬させる。これにより、ガラス基板11に含まれる1種以上のアルカリ金属を、溶融塩のアルカリ金属との間でイオン交換処理を行い、ガラス基板11の表層部分に圧縮応力層を形成する。
【0058】
溶融塩の組成および温度、ならびに、浸漬時間は、ガラス基板11のガラス組成や、ガラス基板11の表層部分に形成する圧縮応力層の厚み等に応じて適宜選択できるが、ガラス基板11のガラス組成が上述したアルミノシリケートガラスであれば、化学強化処理液の処理温度を通常300℃以上500℃以下とする低温型イオン交換法を利用することが好ましい。これは、イオン交換をガラスの徐冷点以上の温度域で行う高温型イオン交換法では、低温型イオン交換法ほど大きな強度が得られず、また、強化処理中に溶融塩によってガラス表面が浸食され透明性が損なわれやすいため、カバーガラス10に適したガラス基板11が得られにくいことによる。例えば、本実施形態の化学強化工程では、溶融塩の組成および温度、ならびに、浸漬時間は、下記に例示する範囲から選択することが好ましい。
・溶融塩の組成 :硝酸カリウム(KNO)の単塩、硝酸ナトリウム(NaNO)の単塩、または、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムを任意の重量比で混合した混合塩
・溶融塩の温度 :350℃〜450℃
・浸漬時間 :1時間〜8時間
【0059】
この化学強化工程によって各主表面11a,11bのそれぞれに形成される圧縮応力層の厚さは、40〜80μmである。本実施形態では、ガラス基板11のガラス組成がアルミノシリケートガラスであるため、例えばガラス基板11と同じ板厚のソーダライム系フロートガラスと比較した場合に、形成される圧縮応力層の厚さを大きくすることができる。
なお、化学強化工程によって得られたガラス基板11の機械的強度は、3点抗折強度(3点曲げ強さ)で5000kgf/cm以上が好ましく、さらに好ましくは、7000kgf/cm以上、最も好ましくは、10000kgf/cm以上である。
【0060】
(2−4)印刷工程
次に、化学強化されたガラス基板11の第2の主表面11の溝12に遮蔽部13を形成するための印刷工程を行う。印刷方法は、印刷層を構成する塗料、印刷層の各層の厚さに応じて、例えばスクリーン印刷等の公知の様々な手法を利用することができる。ここで、塗料としては、例えば、カーボンを顔料に用いた各種インク等を用いることができる。
また、印刷工程では、遮蔽部表面13aが、第2の主表面11bと同一平面をなすように形成される。
【0061】
(2−5)パターン形成工程
次に、印刷工程後のガラス基板11に透明電極及び接続部15を形成するためのパターン形成工程を行う。透明電極は、例えば、第2の主表面11bにスパッタリング法等を用いて透明導電膜14、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜を成膜し、フォトリソグラフィ技術、又はYAG(Yttrium Aluminum Garnet)の基本波やCOレーザ等によるレーザパターニング技術を用いて透明導電膜14を所望のパターン形状に加工することにより、形成される。また、接続部15は、遮蔽部表面13bに対してスパッタリング法等を用いて金属製の導電物質を成膜することにより金属膜を形成し、フォトリソグラフィ技術等を用いて金属膜を所望のパターン形状に加工することにより、形成される。
このようにして、本実施形態のカバーガラス10が得られる。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のカバーガラス10によれば、化学強化処理によって形成された圧縮応力層を有することから、機械的強度が向上する。また、本実施形態のカバーガラス10によれば、タッチパネルに用いられるガラス基板としての機能を有していることから、携帯機器におけるガラス板の積層枚数を低減することができるので、携帯機器の薄型化を図ることができる。
【0063】
また、本実施形態のカバーガラス10によれば、遮蔽部表面13aが第2の主表面11bと同一平面をなすように形成されているので、遮蔽部表面13aと第2の主表面11bとの間に形成される段差を極めて小さくすることができる。このため、ブリッジ配線が当該段差によって断線等することにより、透明導電膜14と各接続部15との間に電気的な接続不良が発生するのを抑制することができるので、透明導電膜14と各接続部15との間の電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0064】
(3)実施形態の携帯機器用タッチセンサモジュール
本実施形態の携帯機器用タッチセンサモジュール(以下、モジュールという)の構成について図5を参照して説明する。図5は本実施形態のモジュールの断面図である。
本実施形態のモジュール20は、静電容量結合方式のタッチセンサとして機能し、例えば、ガラス基板11の第1の主表面11aが押圧されることにより変化した抵抗値を検出するようになっている。また、本実施形態のモジュール20は、カバーガラス10と、FPC21と、位置検出回路22とを有している。
なお、透明電導膜14は、ガラス基板11の第1の主表面11aに対する利用者の操作に応じた電気信号を生成するための透明電極として用いられる。
【0065】
FPC21は、カバーガラス10の接続部15と位置検出回路22とを電気的に接続するために用いられる。位置検出回路21は、ガラス基板11の第1の主表面11aが押圧されることにより変化した抵抗値に基づき、押圧位置を検出する。
本実施形態のモジュール20によれば、上述したカバーガラス10を用いているので、携帯機器の薄型化を図るとともに、電気的な接続信頼性を向上させることができる。
【0066】
(4)変形例
以下、本実施形態のカバーガラス10の変形例について図6を参照して説明する。図6は本実施形態の携帯機器用カバーガラスの変形例を示す断面図である。図6に示すように、第2の主表面11bと各透明導電膜14との間、及び遮蔽部表面13aと接続部15との間には、第2の主表面11bの全面を覆うように絶縁層16が設けられている。これにより、絶縁層16を下地として接続部15の金属パターンやランド等を形成することができるので、遮蔽部表面13aに接続部15を形成する場合と比較して、接続部15の形成を容易に行うことができる。
【0067】
絶縁層16は、透明性を有する絶縁性物質、例えば、SiO等の無機材料を用いて構成されていることが好ましい。また、絶縁層16は、例えばスパッタリング法等を用いて、厚さ50〜1000Åに形成されていることが好ましい。
【0068】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の携帯機器用カバーガラス及びその製造方法、並びに携帯機器用タッチセンサモジュールは上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのは勿論である。
【0069】
特に、本発明の実施形態では、透明導電膜については、その膜厚や抵抗値等を適宜変更することにより、例えば電磁波シールド膜等のように、携帯機器用カバーガラスの電気的特性を変化させる機能膜として用いることができる。なお、この機能膜として用いる場合には、実施形態の接続部15を省略可能である。
【符号の説明】
【0070】
10…携帯機器用カバーガラス
11…ガラス基板
11a…第1の主表面
11b…第2の主表面
11c…第2の主表面の外周縁
12…溝
13…遮蔽部
13a…遮蔽部表面
14…透明導電膜
15…接続部
16…絶縁層
20…携帯機器用タッチセンサモジュール
21…FPC
22…位置検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯機器の表示画面を保護するための携帯機器用カバーガラスであって、
板厚方向に対向する一対の主表面を有するガラス基板と、
前記表示画面に面する表面が前記一対の主表面のうち前記表示画面に面する一方の主表面と同一平面をなすように前記ガラス基板に設けられ、光を遮蔽するための遮蔽部と、
前記一方の主表面に設けられ、かつ前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面及び前記一方の主表面に対して平行な平面をなすように形成された透明導電膜と、を有する、
ことを特徴とする携帯機器用カバーガラス。
【請求項2】
前記透明導電膜は、前記一方の主表面から前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面に亘って、前記一方の主表面と前記遮蔽部との境界を跨いで設けられる、請求項1に記載の携帯機器用カバーガラス。
【請求項3】
前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面に設けられ、前記透明導電膜と外部とを電気的に接続するための接続部を有する、請求項1または2に記載の携帯機器用カバーガラス。
【請求項4】
前記一方の主表面と前記透明導電膜との間、及び前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面と前記接続部との間には、前記一方の主表面の全面を覆う絶縁層が設けられている、請求項3に記載の携帯機器用カバーガラス。
【請求項5】
前記ガラス基板の前記一方の主表面には、溝が形成されており、
前記遮蔽部は、前記溝に設けられている、請求項1〜4の何れか1項に記載の携帯機器用カバーガラス。
【請求項6】
前記溝は、前記一方の主表面から前記ガラス基板の外周端面に亘って切り欠き状に形成されている、請求項5に記載の携帯機器用カバーガラス。
【請求項7】
前記溝は、前記ガラス基板の外周端面から前記一方の主表面の面方向内側に間隔をおいて配置され、かつ前記一方の主表面から前記一対の主表面のうち他方の主表面へ向けて凹状に形成されている、請求項5に記載の携帯機器用カバーガラス。
【請求項8】
携帯機器に設けられ、利用者の操作に応じた電気信号を生成するための携帯機器用タッチセンサモジュールであって、
請求項1〜7の何れか1項に記載の携帯機器用カバーガラスを有し、
前記透明導電膜は、前記ガラス基板の前記一対の主表面のうち他方の主表面に対する利用者の操作に応じた電気信号を生成するための透明電極として用いられる、
ことを特徴とする携帯機器用タッチセンサモジュール。
【請求項9】
携帯機器の表示画面を保護するための携帯機器用カバーガラスの製造方法であって、
板厚方向に対向する一対の主表面を有するガラス基板に、光を遮蔽するための遮蔽部を設ける工程であって、前記一対の主表面のうち前記表示画面に面する一方の主表面と前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面とが同一平面をなすように、前記遮蔽部を設ける工程と、
前記遮蔽部の前記表示画面に面する表面及び前記一方の主表面に対して平行な平面をなすように透明導電膜を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする携帯機器用カバーガラスの製造方法。
【請求項10】
前記一方の主表面に溝を形成する工程をさらに有し、
前記遮蔽部を設ける工程では、前記遮蔽部を前記溝に設ける、請求項9に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
【請求項11】
前記溝を形成する工程では、前記溝をエッチングによって形成する、請求項10に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。
【請求項12】
前記溝を形成する工程では、前記溝を機械加工によって形成する、請求項10に記載の携帯機器用カバーガラスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−77083(P2013−77083A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215674(P2011−215674)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【出願人】(506051762)ホーヤ ガラスディスク フィリピン インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】