説明

携帯機器

【課題】 実行可能な機能のメニューをユーザーが選択して対応する機能を実行するようにした携帯機器は、多機能化するとメニューの数が膨大になり、ユーザーが所望する機能に対応したメニューを抽出することが困難であった。このため、良く使う機能のメニューのみを表示するモードを持たせたものがあるが、絞り込みすぎるとユーザーが所望する機能のメニューが抽出できない問題点があった。
【解決手段】 メニューに関連する文字をユーザーがタッチパネル1aに描画することでその文字に関連するメニューを抽出し、順次所望する機能に対応するメニューを絞り込んで行く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能を実行する携帯電話機等の携帯機器に関し、特に、機能に対応したメニューを表示し、該メニューを選択することにより対応する機能を実行するようにした携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機は、通常の電話機能に加えてメール機能、カメラ機能、GPS機能等様々な機能が搭載されている。通常これらの機能は、表示部にメニュー表示がなされ、所望のメニューをユーザーが選択操作することで選択したメニューに対応した機能が実行されるようになっている。ところで、多機能化が進められるとメニューの数も膨大になり、所望の機能に対応したメニューを抽出して選択操作することが困難になってきた。
【0003】
そこで、特許文献1では、余り使用しないメニューを表示させないメニュー表示モードを備え、該モードで選択操作することで、メニュー選択を容易にしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−58292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術は、良く使う機能のメニューのみを表示するようにしているため、少しは選択操作が容易になるが、良く使う機能を相当絞り込まなければメニューの数を減らすことが出来なく、一方で絞りすぎるとユーザーが所望するメニューが表示されない恐れがある等の問題点があった。
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、所望する機能のメニューを順次絞り込むことで、容易にメニューの選択ができ、所望の機能を実行させることができる携帯機器を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における携帯機器は、複数の機能に対応するメニューを記憶する記憶部、タッチパネル上に描画した文字・図形を認識し、辞書データを参照することで上記描画に関連する検索文字を認識する認識エンジン、この認識エンジンの認識した検索文字に関連するメニューを上記記憶部から抽出する制御部、この制御部が抽出したメニューを画面表示する表示部から構成したものである。
【0008】
また、本発明における携帯機器は、複数の機能に対応するメニューを記憶する記憶部、タッチパネル上に描画した文字・図形を認識し、辞書データを参照することで上記描画に関連する検索文字を認識する認識エンジン、この認識エンジンの認識した検索文字に関連するメニューを上記記憶部から抽出する制御部、この制御部が抽出したメニューを画面表示する表示部、上記記憶部に設けられ、上記制御部が抽出した検索文字に関連するメニューを記憶する一時記憶領域を備え、上記制御部は該一時記憶領域にメニューが記憶されている場合、検索文字に関連するメニューを上記一時記憶領域から抽出して上記一時記憶領域に再記憶するように構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タッチパネル上に所望のメニューに関連する文字・図形を描画することにより、関連するメニューを抽出するようにしたので、メニューの絞り込みが容易であり、ユーザーの意図する絞り込みで簡便にメニュー選択ができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図について説明する。図1は、本発明を概念的に示した説明図である。本発明は、携帯電話機等に適用されるものであり、「受信メール」、「新規メール作成」等のメニューが表示されるメイン表示部と入力部としてタッチパネルとが設けられる。タッチパネルは望ましくは表示機能が設けられており、タッチパネル上に描画した文字や図形の軌跡を表示するようになっている。
【0011】
図1は読み出されたメニューの中から「新規メール作成」の機能を実行させる操作を示したものである。即ち、図1(a)は記憶部から実行可能な機能に対応したメニューを呼び出して表示部に表示させた状態を示している。ユーザーは「新規メール作成」の機能を実行させるべく、「新規メール作成」のメニューに付随させた「N」をタッチパネル上に描画していく。まず、図1(b)に示すようにタッチパネル上の左側に上から下へ向かう線を描画する。これにより、図1(a)のメニューの中からM、N、R等のタッチパネル上に描画された線に関連する文字を付随させたメニューに絞り込まれたメニュー表示が図1(b)のように表示部になされる。タッチパネルは表示機能を有しており、ユーザーが描画した軌跡が表示されている。ユーザーは、さらに図1(c)に示すようにタッチパネル上に左上から右下へ向かう線を描画する。これにより、図1(b)のメニューの中からタッチパネル上に描画された線に関連する文字M、Nを付随させたメニューに絞り込まれたメニュー表示が図1(c)のようになされる。次に、ユーザーはタッチパネル上の右側に上から下へ向かう線を描画して「N」の文字を書き上げると、図1(d)のようにNを付随させた「新規メール作成」のメニューのみに絞り込まれた表示がなされ、携帯機器によって「新規メール作成」の機能が実行される。
【0012】
図1の実施の形態ではメニューに付随させた文字をタッチパネル上に描画してメニューを絞り込む場合について説明したが、メニュー名称の一部の文字を描画してそれに関連するメニューに絞り込むことも可能である。図2はメニュー名称の一部の文字を描画して絞込みを行なう例を示したもので、ユーザーが受信メールを見る機能を実行させようとしている。即ち、図2(a)に示すように、記憶部からメニューを呼び出して表示部に表示させた状態で、受信メールの「受」をタッチパネル上に描画する。これにより、「受」に関連する「受信」、「受話」を一部の名称としているメニューが図2(b)のように絞り込まれて表示される。この場合、3つのメニューが残っているので、図2(c)、(d)のように、図1の手法でメニューに付随する文字を描画することにより、「受信メール」のメニューに絞り込んでいく。
【0013】
次に、図1及び図2のメニューの絞り込みを行なう携帯機器について、図3に示すブロック構成図を用いて説明する。図において、1は操作部で、文字等を描画入力するタッチパネル1aとキー1bからなる。2はメニュー表示を行なう表示部で、LCD等からなるメイン表示部とタッチパネルの下面で描画の軌跡等を表示するタッチパネル表示部とからなる。3は各種の機能及び機能に対応するメニューを記憶する記憶部で、メニューの中から絞り込みで抽出したメニューのリストを一時記憶する記憶領域3aと表示部2に表示するメニューのリストを一時記憶する記憶領域3bとを有する。4は各部の動作を司る制御部、5は操作部1のタッチパネルに描画された文字・図形に関連する文字を辞書データ6を参照することにより抽出し、制御部へ検索文字として出力する認識エンジンである。
【0014】
即ち、制御部4は、操作部1のタッチパネルに描画された文字・図形のデータを認識エンジン5へ伝達する。認識エンジン5は伝達された文字・図形のデータに関連する文字を辞書データ6を参照することにより抽出し、検索文字として制御部4へ伝達する。制御部4は認識エンジン5から伝達された検索文字で記憶部3に記憶しているメニューを検索し、検索文字に関連するメニューを抽出リストとして一時記憶領域3aに記憶する。また、制御部4は抽出したメニューを表示部2に表示させるべく、一時記憶領域3aに記憶しているメニューの一部又は全部を一時記憶領域3bへ記憶させて表示部2に表示させる。
【0015】
さらに、メニューを絞り込むためにタッチパネル1a上に描画をすると上記と同様に認識エンジン5が辞書データ6を参照して検索文字を抽出し、その検索文字によって制御部4がメニューを検索するが、この場合、一時記憶領域3aに前回抽出済みのメニューが記憶されているので、制御部4は一時記憶領域3aに記憶されているメニューから抽出を行い絞り込む。
【0016】
以下、図4のフローチャートによって、図3におけるメニューの絞り込み処理を詳述する。まず、(ST1)で携帯機器が実行可能な機能に対応したメニューを表示する。次に、ユーザーは、操作部1のタッチパネル1aに所望のメニューに関連する文字・図形を描画する。このとき、タッチパネル1a下面の表示部2は描画の軌跡を表示する(ST3)。タッチパネル1aに描画された文字・図形のデータは制御部4から認識エンジン5に伝達され、該人認識エンジン5はその文字・図形のデータを解析する(ST4)。次いで、認識エンジン5は辞書データ6を参照して解析した文字・図形のデータに関連する検索文字を抽出する(ST5)。(ST5)で検索文字が抽出できなかった場合は、エラー画面を表示部2に表示して(ST2)へ戻る(ST6)。一方、(ST5)で検索文字が抽出できると認識エンジン5は制御部4へ検索文字を伝達し、制御部4はその検索文字で記憶部3に記憶されているメニューを検索し、メニューを絞り込んで一時記憶領域3aに記憶する(ST7)。また、制御部4は表示部2に表示させるメニューを一時記憶領域3bに記憶させ、表示部に表示する(ST8)。次に、制御部4は絞り込んだメニューのリストが1件か判断する(ST9)。メニューが2件以上であれば(ST2)に戻り、再び(ST2)〜(ST9)を実行して絞り込みを行なう。(ST9)でリストのメニューが1件であると判断すると、ユーザーの所望する機能のメニューと判断し、携帯機器はそのメニューに対応した機能を実行する(ST10)。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、携帯電話機等の機能に対応させたメニューを表示し、ユーザが選択したメニューに対応した機能を実行するようにした携帯機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明における実施の形態に係るメニュー絞込み手法を概念的に示した説明図である。
【図2】本発明における別の実施の形態に係るメニュー絞込み手法を概念的に示した説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における携帯機器の構成を示したブロック構成図である。
【図4】本発明の実施の形態における携帯機器のメニューの絞り込み処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0019】
1 操作部 2 表示部 3 記憶部 4 制御部 5 認識エンジン 6 辞書データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能に対応するメニューを記憶する記憶部、タッチパネル上に描画した文字・図形を認識し、辞書データを参照することで上記描画に関連する検索文字を認識する認識エンジン、この認識エンジンの認識した検索文字に関連するメニューを上記記憶部から抽出する制御部、この制御部が抽出したメニューを画面表示する表示部を備えたことを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
複数の機能に対応するメニューを記憶する記憶部、タッチパネル上に描画した文字・図形を認識し、辞書データを参照することで上記描画に関連する検索文字を認識する認識エンジン、この認識エンジンの認識した検索文字に関連するメニューを上記記憶部から抽出する制御部、この制御部が抽出したメニューを画面表示する表示部、上記記憶部に設けられ、上記制御部が抽出した検索文字に関連するメニューを記憶する一時記憶領域を備え、上記制御部は該一時記憶領域にメニューが記憶されている場合、検索文字に関連するメニューを上記一時記憶領域から抽出して上記一時記憶領域に再記憶するようにしたことを特徴とする携帯機器。
【請求項3】
タッチパネルは表示機能を有しており、描画した文字・図形の軌跡を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯機器。
【請求項4】
抽出したメニューが1個の場合、制御部は該メニューに対応する機能を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−86976(P2007−86976A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273548(P2005−273548)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】