携帯無線機
【目的】 広帯域、高利得の線状アンテナを具備した携帯無線機を提供する。
【構成】 線状アンテナ1の給電点8と内部無線回路3のアンテナ端子との間を第1伝送線路4と第2伝送線路5と接続ケーブル7とによって接続し、アンテナ給電点インピーダンスをZa,第1伝送線路の特性インピーダンスをZ1,その電気長をL1,第2伝送線路の特性インピーダンスをZ2,その電気長をL2,内部無線回路のインピーダンスをZn,最低運用波長をλとした場合、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4に選定する。
【構成】 線状アンテナ1の給電点8と内部無線回路3のアンテナ端子との間を第1伝送線路4と第2伝送線路5と接続ケーブル7とによって接続し、アンテナ給電点インピーダンスをZa,第1伝送線路の特性インピーダンスをZ1,その電気長をL1,第2伝送線路の特性インピーダンスをZ2,その電気長をL2,内部無線回路のインピーダンスをZn,最低運用波長をλとした場合、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4に選定する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2つの周波数で共振し、帯域が広く、かつ整合回路の損失が少なく、高い利得を有する携帯無線機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14に従来の携帯無線機の例を示す。この例では、線状アンテナ101の給電点インピーダンスと内部無線回路103のアンテナ端子106の入力インピーダンスを整合回路102でマッチングさせるものである。つまり、101は線状アンテナ、102は整合回路、103は内部無線回路、104は筐体、105はアンテナの給電点、106は内部無線回路のアンテナ端子、107は線状アンテナと内部無線回路を接続するケーブルである。
【0003】従来は、内部無線回路103のアンテナ端子のインピーダンスは一般的に50Ωであり、アンテナが1/4波長である場合以外は、この例のように整合回路102が必要であった。特にアンテナの利得を高くするためには、線状アンテナ101の長さは1/2波長に近い方がよい(文献(1):常川他:“小型無線機アンテナの多重波中利得と筐体長の関係”電子情報通信学会論文雑誌B−II vol.J75-B-II No.10 pp705-707 1992年10月)。アンテナ101の長さが1/2波長に近い場合は、アンテナ101の給電点インピーダンスは高いので、高いインピーダンスと50Ωの変換回路、すなわち整合回路102が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構造であるので、整合回路102に損失が生じ、アンテナの利得を低下させていた。さらに、2つの周波数で共振させるには、2段のLC回路などが必要であり、さらに整合回路102の回路構成が複雑になってより損失が増加した。また、この場合帯域も狭く、広い帯域を必要とする場合には整合回路102のQを落とさなければならず、より損失が増えることになる。
【0005】従って、従来の携帯無線機では、線状アンテナ101と内部無線回路103のアンテナ端子106との間に整合回路102を必要とし、さらに2共振、広帯域を実現するには、より複雑かつQの低い整合回路102になるため、大きな損失が生じ、アンテナの利得が非常に低下するという欠点があった。この発明の目的は、このような問題点を解決するためになされたもので、集中定数による整合回路を用いずに線状アンテナと内部回路との整合をとることが可能であり、高い利得を有する携帯無線機を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明では、筐体内に内部無線回路を収納し、筐体外に線状アンテナを配置し、線状アンテナと内部無線回路との間を電気的に接続して構成される携帯無線機において、線状アンテナの給電点と内部無線回路のアンテナ端子との間を第1伝送線路と第2伝送線路及び接続ケーブルを介して接続すると共に、第2伝送線路と接続ケーブルとの接続点近傍に容量性素子を並列接続し、線状アンテナの給電点のインピーダンスをZa,第1伝送線路の特性インピーダンスをZ1,第1伝送線路の電気長をL1,第2伝送線路の特性インピーダンスをZ2,第2伝送線路の電気長をL2,内部無線回路のアンテナ端子及び上記接続ケーブルのインピーダンスをZn,最低運用周波数の波長をλとした場合、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4に選定することを特徴としたものである。
【0007】
【作 用】この発明による携帯無線機は、第1伝送線路と第2伝送線路によってアンテナの給電点と内部無線回路のアンテナ端子との間がインピーダンス整合されて接続されるため、従来におけるアンテナ利得が非常に低いという問題点を解決することができる。従って、整合回路の損失を大きく低減することにより携帯無線機の利得を向上させることができる。
【0008】
【実施例】
実施例1図1はこの発明の第1の実施例を示す。この発明では、内部無線回路と線状アンテナを伝送線路を用いて整合させ、かつ2共振させるものである。ここで、1は線状アンテナ、2は筐体、3は内部無線回路、4は第1伝送線路、5は第2伝送線路、6は容量性素子、7は接続ケーブル、8は線状アンテナ1の給電点、9は接続ケーブル7の端であり、実質的に内部無線回路3のアンテナ端子となる。10は第1及び第2伝送線路4と5の地板、11は第1及び第2伝送線路4と5を構成する誘電体基板、12は無線機を覆う誘電体ケースである。一般的には内部無線回路3は50Ω系であり、文献(1)で示されているように、アンテナ利得を確保するために線状アンテナは1/2波長に近い長さとする。
【0009】このような構造となっているので、第1及び第2伝送線路4と5が従来の整合回路102の役割をし、かつ2共振するので集中定数などを用いた整合回路を必要とせず、整合回路の損失が低減し、高い利得が得られる。実施例1の実験結果を図2に示す。図2Aはリターンロス図、図2Bはスミスチャート図である。この図2から明らかなように、2共振し、かつ880MHz(a) の低い共振点ではVSWR<2で180MHz,比帯域幅で約20%の非常に広い帯域を有している。ここで、実験をしたアンテナのパラメータとしては、線状アンテナ1の長さが12.5cm,筐体は13×5×2cm,第1伝送線路4の特性インピーダンスZ1は約100Ω,長さL1は4.5cm,第2伝送線路5の特性インピーダンスZ2は約50Ω,長さL2は4.0cm,誘電体基板11の厚さは約1.5mm,誘電率は約3.5,容量性素子6はコンデンサを用い、その容量は約3pFであった。
【0010】この構造において、2共振し、かつ広い帯域が得られる理由を説明する。アンテナの等価回路を図3に示す。図3に示すように、線状アンテナ1から第1伝送線路4,第2伝送線路5,容量性素子6を介して50Ω系の内部無線回路3に接続されている。まず、線状アンテナ1の給電点8から見たインピーダンスの実測値を図4に示す。この図のように、最終的に共振させたい周波数a(880MHz),b(1454MHz)の各インピーダンスはZa=203+j149Ω,Zb=147−j239Ωであった。そこで、これらのインピーダンスを丸めて図3におけるアンテナ給電点8の各インピーダンスa1(Za)=200+j150Ω,b1(Zb)=150−j200Ωとして、図5に示す。この2つの点が50Ω(スミスチャートの中心)にくるようにすればよい。
【0011】図5において、給電点8から見て第1伝送線路4を通過した後のインピーダンスをa2,b2に示す。ここで、第1伝送線路4の電気長L1は、誘電体基板11の誘電率を考慮すると、低い共振周波数880MHzの波長λLで規格化して約λ/4となる。さらに、この第1伝送線路4の特性インピーダンスが100Ωであるので、低い周波数ではλL/4整合回路として動作する。この整合原理は、文献(文献(2):電子通信学会編:“アンテナ工学ハンドブック”6章給電回路、6.3平衡線路系、同軸線路系、ストリップ線路系の線路及び機器、6.3.2整合回路、〔3〕インピーダンス整合回路、p.241)に説明されている。この整合回路は基本的に広帯域特性を有するものである。一方、高い周波数では、その波長をλHとしたとき、第1伝送線路4はλH/2に近い長さとなり、スミスチャート上で一周近く回転する。従って、この第1伝送線路4を通過した後(図3点■)のインピーダンスはa2=32−j24Ω,b2=61+j92Ωとなる。
【0012】ここで説明しやすくするため、スミスチャートをアドミタンス図に変更して図6に示す。図6でa2,b2は図5と同じ位置にある。ここで、第2伝送線路5を通過した後のアドミタンスはa3,b3となる。第2伝送線路5はその特性インピーダンスを50Ωとしてあるので、その長さによってスミスチャート上を回転するだけであるが、aとbでは周波数が違うので、その回転角に差ができる。ここでa2を160度回すと、b2は約270度回転する。これは電気長で約0.22λL,0.36λHに相当し、基板の誘電率を考慮すると、第2伝送線路5の電気長L2に相当する。このとき、a3=0.019−j0.015S,b3=0.022−j0.035sとなり、Y=0.02+j0(Z=50+j0)の整合条件に実部がほぼ一致する。そこで、この点に容量性素子6を並列に付加し、各虚数部を0に近づければよい。容量性素子6としては、低い周波数で約0.018S(約3.2pF)のものであれば、高い周波数では約0.03Sとなり、各アドミタンスはa=0.019+j0.003S,b4=0.002−j0.005Sとなる。これらはインピーダンスに直すとa4=51−j8Ω,b4=43+j10Ωとなり、VSWR1.5以下となる。以上説明したように、この発明によるアンテナの構造とすることにより、2共振かつ広帯域が実現できる。
【0013】この例では、共振周波数、アンテナ長、内部無線回路3のインピーダンス等を決め、具体例を示して説明したが、ここで示した値に制限されるものではなく、整合原理が同一であれば、全て同じ効果が得られる。そこで、そのための条件を整理すると、以下のようになる。第1伝送線路4の特性インピーダンスをZ1,かつこの電気長をL1,第2伝送線路5の特性インピーダンスをZ2,かつこの電気長をL2,アンテナ1の給電点8のインピーダンスをZa,内部無線回路3のアンテナ端子9のインピーダンスをZn,この無線機の最低運用周波数の波長をλとしたとき、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4であることとなる。
【0014】このアンテナの放射特性についても実験を行った結果を図7,図8に示す。図7は880MHz,図8は1454MHzの場合である。ここで、0dBは1/2波長ダイポールアンテナの最大レベルである。図7,8ともに最大レベルはダイポールレベルを越えており、十分な放射をしていることがわかる。これらの効率を測定したところ、880MHzでは約−0.5dB,1454MHzでは−0.7dBであり、このことからも非常に損失の少ないアンテナであることがわかる。ただし、パターン形状は、周波数で共振波長が違うので880MHzと1454MHzで差があることがわかる。図7では主偏波であるEθパターンが筐体(−Z)方向を向くのに対し、1454MHzでは反筐体(+Z)方向を向く。
【0015】以上説明したように、この発明によるアンテナを用いれば、線状アンテナ1と内部無線回路3のアンテナ端子9との間に集中定数で構成された複雑な整合回路が不要になり、この損失が大幅に低減できる。さらに2共振、広帯域特性を実現することが可能であるので、非常に高い利得を有し、広帯域特性をもつ携帯無線機を提供することができる。
【0016】なお、上述した構成では線状アンテナ1を筐体2の内部に収納する機構をもたないが、利便性向上のため、無線機にアンテナの収納機構をもたせることが考えられる。この場合も、この発明の効果が損なわれることなく実施することができる。
実施例2図9はこの発明の第2の実施例を示す。この実施例では第1及び第2伝送線路4と5として、一般的な同軸ケーブルで構成した例である。ここで、符号1〜9は実施例1と同様であるが、第1及び第2伝送線路4と5が同軸ケーブルで構成されている。
【0017】この場合も各条件は全く実施例1と同じである。すなわち、第1伝送線路(同軸ケーブル)4は約100Ωの特性インピーダンスで電気長が約0.25λL,第2伝送線路(同軸ケーブル)5は約50Ωの特性インピーダンスで電気長が約0.22λL,容量性素子6の容量は約3pFとなっている。従って、この場合の効果も全く同じであり、かつ第1,第2伝送線路4と5を同軸ケーブルとしてあるので、実施例1に比べて内部配線において自由度が高くなる。
【0018】この実施例によっても整合回路が不要なので、整合回路の損失が低減でき、高い利得を有し、かつ任意の2点ないしは広い帯域で共振し、かつ伝送線路の構成が簡単な携帯無線機を提供することができる。
実施例3図10はこの発明の第3の実施例を示す。この実施例では、第1伝送線路4及び第2伝送線路5が、線状アンテナ1を筐体2内に収納する際の絶縁体で形成された筒状ガイド、この例では円筒状ガイド13の周面に形成した場合を示す。ここで、符号1〜9は実施例1と同様である。ただし、この実施例では線状アンテナ1の給電点8を金属のリング状体で構成し、線状アンテナ1を出入り自在に支持している。円筒状ガイド13に構成された第1,第2伝送線路4と5をわかりやすくするために、図11に円筒状ガイド13の部分のみを図示した。図11Aは円筒状ガイド13の外観図、図11Bはその断面図である。この図のように、円筒状ガイド13の片側の長手方向に第1,第2伝送線路4と5の地板10を被着形成し、この地板10と対向して第1,第2伝送線路4と5を構成する金属導体を形成する。金属導体の幅で第1,第2伝送線路4と5の特性インピーダンスを設定することができる。また、薄いフイルム状のプリント回路で伝送線路を構成し、これを巻いて円筒状ガイドを作ってもよい。このようにすることにより、比較的簡単かつスペースをとらずに伝送線路を構成することができる。この実施例3でも第1,第2伝送線路4と5が円筒状ガイド13の周囲に構成されているのみで、その他の条件は実施例1と同様である。なお、この第3の実施例と第2の実施例を組み合わせることにより、第1伝送線路と第2伝送線路の何れか一方を円筒状ガイド13の周面に形成し、他方を同軸ケーブルで構成することもできる。
【0019】従って、この実施例によっても整合回路が不要なので、整合回路の損失が低減でき、高い利得を有し、かつ任意の2点ないしは広い帯域で共振し、かつ伝送線路部分のスペースを必要としない携帯無線機を提供することがができる。
実施例4図12及び図13は、この発明の第4の実施例を示す。この実施例では実施例3の構成に加えて線状アンテナ1の先端に収納時に動作するコイルアンテナ14を接続した構成としたものである。ここで、図12Aは筐体内部を透視した斜視図、図12Bは円筒状ガイド13のみを示した図である。符号1〜13は実施例3と同様である。15は線状アンテナ1を収納したときに線状アンテナ1の下部に設けた接点1Aと接触する下部接点である。この場合、コイルアンテナ14は線状アンテナ1に接続されていない。そのため線状アンテナ1を引き出し時はコイルが無い場合と全く同じ動作をし、その効果は実施例1〜3と同じでなる。
【0020】一方、図13は線状アンテナ1を円筒状ガイド13に収納した状態を示す。図13Aは筐体2の内部を透視した斜視図、図13Bは円筒状ガイド13のみを示した図である。アンテナ収納時は、線状アンテナ1の下部接点1Aが円筒状ガイド13の下部接点15で接続ケーブル7のプラスに接続される。このため、収納された線状アンテナ1と円筒状ガイド13の地板金属10が伝送線路を構成し、収納された線状アンテナ1の先端、すなわち、筐体からわずか突出した部分に高周波電力を伝送し、非接触のコイルアンテナ14に給電する。この場合、線状アンテナ1を引き出し時と収納時でアンテナ給電点8におけるインピーダンスが違うので、アンテナ引き出し時は実施例1に示すようなアンテナ設計を行い、アンテナ収納時はコイルアンテナ14の巻き数等を調整してインピーダンスをあわせることが必要になる。
【0021】従って、この実施例によっても整合回路が不要なので、整合回路の損失が低減でき、高い利得を有し、かつ任意の2点ないしは広い帯域で共振し、かつ伝送線路部分のスペースを必要とせず、さらに線状アンテナ収納時も十分アンテナ利得を確保できる携帯無線機を提供することができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による携帯無線機によれば、線状アンテナ1と内部無線回路3のアンテナ端子9との間に集中定数で構成された複雑な整合回路を不要とするので、この損失が大幅に低減出来るとともに、さらに2共振、広帯域特性を実現することが可能であるので、非常に高い利得を有し、かつ広帯域特性をもつ携帯無線機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の請求項1で提案する携帯無線機の実施例を示す斜視図。
【図2】図1に示した実施例の動作を説明するための特性曲線図。
【図3】図1に示した実施例の動作を説明するための等価回路図。
【図4】図1の動作を説明するための特性曲線図。
【図5】図1の動作を説明するための特性曲線図。
【図6】図5と同様の特性曲線図。
【図7】図1に示した実施例のアンテナ放射特性を示す特性曲線図。
【図8】図7と同様の特性曲線図。
【図9】この発明の第2の実施例を示す斜視図。
【図10】この発明の第3の実施例を示す斜視図。
【図11】図10に示した実施例の要部を拡大して示すAは拡大斜視図、Bは断面図。
【図12】この発明の実施例を示すAは斜視図、Bは断面図。
【図13】図12の動作を説明するためのAは斜視図、Bは断面図。
【図14】従来の技術を説明するための斜視図。
【符号の説明】
1 線状アンテナ
2 筐体
3 内部無線回路
4 第1伝送線路
5 第2伝送線路
6 容量性素子
7 接続ケーブル
8 アンテナの給電点
9 アンテナ端子
10 第1,第2伝送線路を構成する地板
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、2つの周波数で共振し、帯域が広く、かつ整合回路の損失が少なく、高い利得を有する携帯無線機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14に従来の携帯無線機の例を示す。この例では、線状アンテナ101の給電点インピーダンスと内部無線回路103のアンテナ端子106の入力インピーダンスを整合回路102でマッチングさせるものである。つまり、101は線状アンテナ、102は整合回路、103は内部無線回路、104は筐体、105はアンテナの給電点、106は内部無線回路のアンテナ端子、107は線状アンテナと内部無線回路を接続するケーブルである。
【0003】従来は、内部無線回路103のアンテナ端子のインピーダンスは一般的に50Ωであり、アンテナが1/4波長である場合以外は、この例のように整合回路102が必要であった。特にアンテナの利得を高くするためには、線状アンテナ101の長さは1/2波長に近い方がよい(文献(1):常川他:“小型無線機アンテナの多重波中利得と筐体長の関係”電子情報通信学会論文雑誌B−II vol.J75-B-II No.10 pp705-707 1992年10月)。アンテナ101の長さが1/2波長に近い場合は、アンテナ101の給電点インピーダンスは高いので、高いインピーダンスと50Ωの変換回路、すなわち整合回路102が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構造であるので、整合回路102に損失が生じ、アンテナの利得を低下させていた。さらに、2つの周波数で共振させるには、2段のLC回路などが必要であり、さらに整合回路102の回路構成が複雑になってより損失が増加した。また、この場合帯域も狭く、広い帯域を必要とする場合には整合回路102のQを落とさなければならず、より損失が増えることになる。
【0005】従って、従来の携帯無線機では、線状アンテナ101と内部無線回路103のアンテナ端子106との間に整合回路102を必要とし、さらに2共振、広帯域を実現するには、より複雑かつQの低い整合回路102になるため、大きな損失が生じ、アンテナの利得が非常に低下するという欠点があった。この発明の目的は、このような問題点を解決するためになされたもので、集中定数による整合回路を用いずに線状アンテナと内部回路との整合をとることが可能であり、高い利得を有する携帯無線機を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明では、筐体内に内部無線回路を収納し、筐体外に線状アンテナを配置し、線状アンテナと内部無線回路との間を電気的に接続して構成される携帯無線機において、線状アンテナの給電点と内部無線回路のアンテナ端子との間を第1伝送線路と第2伝送線路及び接続ケーブルを介して接続すると共に、第2伝送線路と接続ケーブルとの接続点近傍に容量性素子を並列接続し、線状アンテナの給電点のインピーダンスをZa,第1伝送線路の特性インピーダンスをZ1,第1伝送線路の電気長をL1,第2伝送線路の特性インピーダンスをZ2,第2伝送線路の電気長をL2,内部無線回路のアンテナ端子及び上記接続ケーブルのインピーダンスをZn,最低運用周波数の波長をλとした場合、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4に選定することを特徴としたものである。
【0007】
【作 用】この発明による携帯無線機は、第1伝送線路と第2伝送線路によってアンテナの給電点と内部無線回路のアンテナ端子との間がインピーダンス整合されて接続されるため、従来におけるアンテナ利得が非常に低いという問題点を解決することができる。従って、整合回路の損失を大きく低減することにより携帯無線機の利得を向上させることができる。
【0008】
【実施例】
実施例1図1はこの発明の第1の実施例を示す。この発明では、内部無線回路と線状アンテナを伝送線路を用いて整合させ、かつ2共振させるものである。ここで、1は線状アンテナ、2は筐体、3は内部無線回路、4は第1伝送線路、5は第2伝送線路、6は容量性素子、7は接続ケーブル、8は線状アンテナ1の給電点、9は接続ケーブル7の端であり、実質的に内部無線回路3のアンテナ端子となる。10は第1及び第2伝送線路4と5の地板、11は第1及び第2伝送線路4と5を構成する誘電体基板、12は無線機を覆う誘電体ケースである。一般的には内部無線回路3は50Ω系であり、文献(1)で示されているように、アンテナ利得を確保するために線状アンテナは1/2波長に近い長さとする。
【0009】このような構造となっているので、第1及び第2伝送線路4と5が従来の整合回路102の役割をし、かつ2共振するので集中定数などを用いた整合回路を必要とせず、整合回路の損失が低減し、高い利得が得られる。実施例1の実験結果を図2に示す。図2Aはリターンロス図、図2Bはスミスチャート図である。この図2から明らかなように、2共振し、かつ880MHz(a) の低い共振点ではVSWR<2で180MHz,比帯域幅で約20%の非常に広い帯域を有している。ここで、実験をしたアンテナのパラメータとしては、線状アンテナ1の長さが12.5cm,筐体は13×5×2cm,第1伝送線路4の特性インピーダンスZ1は約100Ω,長さL1は4.5cm,第2伝送線路5の特性インピーダンスZ2は約50Ω,長さL2は4.0cm,誘電体基板11の厚さは約1.5mm,誘電率は約3.5,容量性素子6はコンデンサを用い、その容量は約3pFであった。
【0010】この構造において、2共振し、かつ広い帯域が得られる理由を説明する。アンテナの等価回路を図3に示す。図3に示すように、線状アンテナ1から第1伝送線路4,第2伝送線路5,容量性素子6を介して50Ω系の内部無線回路3に接続されている。まず、線状アンテナ1の給電点8から見たインピーダンスの実測値を図4に示す。この図のように、最終的に共振させたい周波数a(880MHz),b(1454MHz)の各インピーダンスはZa=203+j149Ω,Zb=147−j239Ωであった。そこで、これらのインピーダンスを丸めて図3におけるアンテナ給電点8の各インピーダンスa1(Za)=200+j150Ω,b1(Zb)=150−j200Ωとして、図5に示す。この2つの点が50Ω(スミスチャートの中心)にくるようにすればよい。
【0011】図5において、給電点8から見て第1伝送線路4を通過した後のインピーダンスをa2,b2に示す。ここで、第1伝送線路4の電気長L1は、誘電体基板11の誘電率を考慮すると、低い共振周波数880MHzの波長λLで規格化して約λ/4となる。さらに、この第1伝送線路4の特性インピーダンスが100Ωであるので、低い周波数ではλL/4整合回路として動作する。この整合原理は、文献(文献(2):電子通信学会編:“アンテナ工学ハンドブック”6章給電回路、6.3平衡線路系、同軸線路系、ストリップ線路系の線路及び機器、6.3.2整合回路、〔3〕インピーダンス整合回路、p.241)に説明されている。この整合回路は基本的に広帯域特性を有するものである。一方、高い周波数では、その波長をλHとしたとき、第1伝送線路4はλH/2に近い長さとなり、スミスチャート上で一周近く回転する。従って、この第1伝送線路4を通過した後(図3点
【0012】ここで説明しやすくするため、スミスチャートをアドミタンス図に変更して図6に示す。図6でa2,b2は図5と同じ位置にある。ここで、第2伝送線路5を通過した後のアドミタンスはa3,b3となる。第2伝送線路5はその特性インピーダンスを50Ωとしてあるので、その長さによってスミスチャート上を回転するだけであるが、aとbでは周波数が違うので、その回転角に差ができる。ここでa2を160度回すと、b2は約270度回転する。これは電気長で約0.22λL,0.36λHに相当し、基板の誘電率を考慮すると、第2伝送線路5の電気長L2に相当する。このとき、a3=0.019−j0.015S,b3=0.022−j0.035sとなり、Y=0.02+j0(Z=50+j0)の整合条件に実部がほぼ一致する。そこで、この点に容量性素子6を並列に付加し、各虚数部を0に近づければよい。容量性素子6としては、低い周波数で約0.018S(約3.2pF)のものであれば、高い周波数では約0.03Sとなり、各アドミタンスはa=0.019+j0.003S,b4=0.002−j0.005Sとなる。これらはインピーダンスに直すとa4=51−j8Ω,b4=43+j10Ωとなり、VSWR1.5以下となる。以上説明したように、この発明によるアンテナの構造とすることにより、2共振かつ広帯域が実現できる。
【0013】この例では、共振周波数、アンテナ長、内部無線回路3のインピーダンス等を決め、具体例を示して説明したが、ここで示した値に制限されるものではなく、整合原理が同一であれば、全て同じ効果が得られる。そこで、そのための条件を整理すると、以下のようになる。第1伝送線路4の特性インピーダンスをZ1,かつこの電気長をL1,第2伝送線路5の特性インピーダンスをZ2,かつこの電気長をL2,アンテナ1の給電点8のインピーダンスをZa,内部無線回路3のアンテナ端子9のインピーダンスをZn,この無線機の最低運用周波数の波長をλとしたとき、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4であることとなる。
【0014】このアンテナの放射特性についても実験を行った結果を図7,図8に示す。図7は880MHz,図8は1454MHzの場合である。ここで、0dBは1/2波長ダイポールアンテナの最大レベルである。図7,8ともに最大レベルはダイポールレベルを越えており、十分な放射をしていることがわかる。これらの効率を測定したところ、880MHzでは約−0.5dB,1454MHzでは−0.7dBであり、このことからも非常に損失の少ないアンテナであることがわかる。ただし、パターン形状は、周波数で共振波長が違うので880MHzと1454MHzで差があることがわかる。図7では主偏波であるEθパターンが筐体(−Z)方向を向くのに対し、1454MHzでは反筐体(+Z)方向を向く。
【0015】以上説明したように、この発明によるアンテナを用いれば、線状アンテナ1と内部無線回路3のアンテナ端子9との間に集中定数で構成された複雑な整合回路が不要になり、この損失が大幅に低減できる。さらに2共振、広帯域特性を実現することが可能であるので、非常に高い利得を有し、広帯域特性をもつ携帯無線機を提供することができる。
【0016】なお、上述した構成では線状アンテナ1を筐体2の内部に収納する機構をもたないが、利便性向上のため、無線機にアンテナの収納機構をもたせることが考えられる。この場合も、この発明の効果が損なわれることなく実施することができる。
実施例2図9はこの発明の第2の実施例を示す。この実施例では第1及び第2伝送線路4と5として、一般的な同軸ケーブルで構成した例である。ここで、符号1〜9は実施例1と同様であるが、第1及び第2伝送線路4と5が同軸ケーブルで構成されている。
【0017】この場合も各条件は全く実施例1と同じである。すなわち、第1伝送線路(同軸ケーブル)4は約100Ωの特性インピーダンスで電気長が約0.25λL,第2伝送線路(同軸ケーブル)5は約50Ωの特性インピーダンスで電気長が約0.22λL,容量性素子6の容量は約3pFとなっている。従って、この場合の効果も全く同じであり、かつ第1,第2伝送線路4と5を同軸ケーブルとしてあるので、実施例1に比べて内部配線において自由度が高くなる。
【0018】この実施例によっても整合回路が不要なので、整合回路の損失が低減でき、高い利得を有し、かつ任意の2点ないしは広い帯域で共振し、かつ伝送線路の構成が簡単な携帯無線機を提供することができる。
実施例3図10はこの発明の第3の実施例を示す。この実施例では、第1伝送線路4及び第2伝送線路5が、線状アンテナ1を筐体2内に収納する際の絶縁体で形成された筒状ガイド、この例では円筒状ガイド13の周面に形成した場合を示す。ここで、符号1〜9は実施例1と同様である。ただし、この実施例では線状アンテナ1の給電点8を金属のリング状体で構成し、線状アンテナ1を出入り自在に支持している。円筒状ガイド13に構成された第1,第2伝送線路4と5をわかりやすくするために、図11に円筒状ガイド13の部分のみを図示した。図11Aは円筒状ガイド13の外観図、図11Bはその断面図である。この図のように、円筒状ガイド13の片側の長手方向に第1,第2伝送線路4と5の地板10を被着形成し、この地板10と対向して第1,第2伝送線路4と5を構成する金属導体を形成する。金属導体の幅で第1,第2伝送線路4と5の特性インピーダンスを設定することができる。また、薄いフイルム状のプリント回路で伝送線路を構成し、これを巻いて円筒状ガイドを作ってもよい。このようにすることにより、比較的簡単かつスペースをとらずに伝送線路を構成することができる。この実施例3でも第1,第2伝送線路4と5が円筒状ガイド13の周囲に構成されているのみで、その他の条件は実施例1と同様である。なお、この第3の実施例と第2の実施例を組み合わせることにより、第1伝送線路と第2伝送線路の何れか一方を円筒状ガイド13の周面に形成し、他方を同軸ケーブルで構成することもできる。
【0019】従って、この実施例によっても整合回路が不要なので、整合回路の損失が低減でき、高い利得を有し、かつ任意の2点ないしは広い帯域で共振し、かつ伝送線路部分のスペースを必要としない携帯無線機を提供することがができる。
実施例4図12及び図13は、この発明の第4の実施例を示す。この実施例では実施例3の構成に加えて線状アンテナ1の先端に収納時に動作するコイルアンテナ14を接続した構成としたものである。ここで、図12Aは筐体内部を透視した斜視図、図12Bは円筒状ガイド13のみを示した図である。符号1〜13は実施例3と同様である。15は線状アンテナ1を収納したときに線状アンテナ1の下部に設けた接点1Aと接触する下部接点である。この場合、コイルアンテナ14は線状アンテナ1に接続されていない。そのため線状アンテナ1を引き出し時はコイルが無い場合と全く同じ動作をし、その効果は実施例1〜3と同じでなる。
【0020】一方、図13は線状アンテナ1を円筒状ガイド13に収納した状態を示す。図13Aは筐体2の内部を透視した斜視図、図13Bは円筒状ガイド13のみを示した図である。アンテナ収納時は、線状アンテナ1の下部接点1Aが円筒状ガイド13の下部接点15で接続ケーブル7のプラスに接続される。このため、収納された線状アンテナ1と円筒状ガイド13の地板金属10が伝送線路を構成し、収納された線状アンテナ1の先端、すなわち、筐体からわずか突出した部分に高周波電力を伝送し、非接触のコイルアンテナ14に給電する。この場合、線状アンテナ1を引き出し時と収納時でアンテナ給電点8におけるインピーダンスが違うので、アンテナ引き出し時は実施例1に示すようなアンテナ設計を行い、アンテナ収納時はコイルアンテナ14の巻き数等を調整してインピーダンスをあわせることが必要になる。
【0021】従って、この実施例によっても整合回路が不要なので、整合回路の損失が低減でき、高い利得を有し、かつ任意の2点ないしは広い帯域で共振し、かつ伝送線路部分のスペースを必要とせず、さらに線状アンテナ収納時も十分アンテナ利得を確保できる携帯無線機を提供することができる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による携帯無線機によれば、線状アンテナ1と内部無線回路3のアンテナ端子9との間に集中定数で構成された複雑な整合回路を不要とするので、この損失が大幅に低減出来るとともに、さらに2共振、広帯域特性を実現することが可能であるので、非常に高い利得を有し、かつ広帯域特性をもつ携帯無線機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の請求項1で提案する携帯無線機の実施例を示す斜視図。
【図2】図1に示した実施例の動作を説明するための特性曲線図。
【図3】図1に示した実施例の動作を説明するための等価回路図。
【図4】図1の動作を説明するための特性曲線図。
【図5】図1の動作を説明するための特性曲線図。
【図6】図5と同様の特性曲線図。
【図7】図1に示した実施例のアンテナ放射特性を示す特性曲線図。
【図8】図7と同様の特性曲線図。
【図9】この発明の第2の実施例を示す斜視図。
【図10】この発明の第3の実施例を示す斜視図。
【図11】図10に示した実施例の要部を拡大して示すAは拡大斜視図、Bは断面図。
【図12】この発明の実施例を示すAは斜視図、Bは断面図。
【図13】図12の動作を説明するためのAは斜視図、Bは断面図。
【図14】従来の技術を説明するための斜視図。
【符号の説明】
1 線状アンテナ
2 筐体
3 内部無線回路
4 第1伝送線路
5 第2伝送線路
6 容量性素子
7 接続ケーブル
8 アンテナの給電点
9 アンテナ端子
10 第1,第2伝送線路を構成する地板
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筐体内に内部無線回路を収納し、筐体外に線状アンテナを配置し、線状アンテナと内部無線回路との間を電気的に接続して構成される携帯無線機において、上記線状アンテナの給電点と上記内部無線回路のアンテナ端子との間を第1伝送線路と第2伝送線路及び接続ケーブルを介して接続すると共に、上記第2伝送線路と接続ケーブルとの接続点近傍に容量性素子を並列接続し、上記線状アンテナの給電点のインピーダンスをZa,第1伝送線路の特性インピーダンスをZ1,第1伝送線路の電気長をL1,第2伝送線路の特性インピーダンスをZ2,第2伝送線路の電気長をL2,内部無線回路のアンテナ端子及び上記接続ケーブルのインピーダンスをZn,最低運用周波数の波長をλとした場合、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4に選定することを特徴とする携帯無線機。
【請求項2】 請求項1記載の携帯無線機において、線状アンテナが筐体内に収納自在に装着されていることを特徴とする携帯無線機。
【請求項3】 請求項2記載の携帯無線機において、第1伝送線路と第2伝送線路の何れか一方または双方を上記線状アンテナを筐体内に収納するための筒状ガイドの周面に形成したことを特徴とする携帯無線機。
【請求項4】 請求項2または3記載の携帯無線機において、線状アンテナの先端にコイル状アンテナを設置したことを特徴とする携帯無線機。
【請求項5】 請求項4記載の携帯無線機において、線状アンテナの収納時に線状アンテナの下部を上記接続ケーブルのプラス端子に接続することを特徴とする携帯無線機。
【請求項1】 筐体内に内部無線回路を収納し、筐体外に線状アンテナを配置し、線状アンテナと内部無線回路との間を電気的に接続して構成される携帯無線機において、上記線状アンテナの給電点と上記内部無線回路のアンテナ端子との間を第1伝送線路と第2伝送線路及び接続ケーブルを介して接続すると共に、上記第2伝送線路と接続ケーブルとの接続点近傍に容量性素子を並列接続し、上記線状アンテナの給電点のインピーダンスをZa,第1伝送線路の特性インピーダンスをZ1,第1伝送線路の電気長をL1,第2伝送線路の特性インピーダンスをZ2,第2伝送線路の電気長をL2,内部無線回路のアンテナ端子及び上記接続ケーブルのインピーダンスをZn,最低運用周波数の波長をλとした場合、Za>Z1>Z2≧Zn,L1≒λ/4,L2≦λ/4に選定することを特徴とする携帯無線機。
【請求項2】 請求項1記載の携帯無線機において、線状アンテナが筐体内に収納自在に装着されていることを特徴とする携帯無線機。
【請求項3】 請求項2記載の携帯無線機において、第1伝送線路と第2伝送線路の何れか一方または双方を上記線状アンテナを筐体内に収納するための筒状ガイドの周面に形成したことを特徴とする携帯無線機。
【請求項4】 請求項2または3記載の携帯無線機において、線状アンテナの先端にコイル状アンテナを設置したことを特徴とする携帯無線機。
【請求項5】 請求項4記載の携帯無線機において、線状アンテナの収納時に線状アンテナの下部を上記接続ケーブルのプラス端子に接続することを特徴とする携帯無線機。
【図3】
【図4】
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図9】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
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【図1】
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【図11】
【図12】
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【公開番号】特開平8−288724
【公開日】平成8年(1996)11月1日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−85441
【出願日】平成7年(1995)4月11日
【出願人】(392026693)エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社 (5,876)
【公開日】平成8年(1996)11月1日
【国際特許分類】
【出願日】平成7年(1995)4月11日
【出願人】(392026693)エヌ・ティ・ティ移動通信網株式会社 (5,876)
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