説明

携帯端末、出産準備支援システム、出産準備支援方法

【課題】陣痛開始後、妊婦の出産準備を支援することが可能な携帯端末を提供することである。
【解決手段】本発明にかかる携帯端末は、ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付ける入力手段と、妊婦に関する情報を第1端末又は第2端末に送信する通信手段と、入力手段によって受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を、通信手段によって第1端末に送信し、判定手段によって妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、妊婦に関する情報を通信手段によって第2端末に送信する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、出産準備支援システム、出産準備支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
妊婦が安全に出産をするためには、陣痛が始まった後、所定の時間内に病院に到達することが重要である。陣痛は、出産が近づくにつれて痛みの間隔が短くなり、また痛みが続く長さも長くなってくることから、出産までの所要時間を推定するのに用いられている。陣痛開始後、妊婦は、例えば病院や家族への連絡や病院への移動手段の手配などをする必要がある。このため、従来では、陣痛が始まった妊婦自身が、時計やストップウオッチを使って陣痛の周期を計測していた。
【0003】
特許文献1には、ネットワークを利用してリアルタイムに遠隔診療を行い、妊婦及び胎児の身体変化に従って、分娩方法を選択することができる出産制御システムが開示されている。特許文献1のシステムは、個人端末機と、分娩サーバと、観察端末機を備えている。個人端末機は、心拍動数測定機、子宮頚部測定機、胎児下降測定機、超音波映像機といった多数の診断器を通じて、妊婦及び胎児の身体情報をリアルタイムで取得し分娩処理情報データベースを構築する。分娩サーバは、分娩処理情報データベースと分娩方法別の基本データベースとを比較し、分析されたデータを個人端末機に送出する。観察端末機は、個人端末機に有線又は無線で接続され、分娩処理情報データベースの情報及び分娩進行状況を確認することができる。
【0004】
また、特許文献2には、妊娠週数や出産予定日までの日数を表示する期間表示装置が開示されている。特許文献2に開示された装置は、起算日の入力を受け付ける入力手段と、起算日から現在までの経過期間を算出すると共に日付の変更に伴って経過期間を更新する演算手段と、演算手段によって算出された期間を表示する表示装置を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2009−538175号公報
【特許文献2】特開平10−288684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、妊婦の陣痛に異常がある場合には、妊婦が当初出産を予定していた病院の施設が不十分であると、妊婦を受け入れられない可能性がある。そのため、このような場合では、当初出産する予定の病院で妊婦の状況を確認した後に、急遽出産を受け入れることができる設備の整った病院を検索し、変更先の病院に妊婦を移送しなければならない。
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムや特許文献2に開示された装置では、陣痛間隔の測定から、受け入れ先の病院の選定、変更先の病院への連絡といった一連の出産準備をサポートすることに関しては、何ら考慮されていない。
【0008】
本発明は、このような問題点に対してなされたものであり、妊婦の陣痛間隔を計測する負担を軽減するとともに、その陣痛状況に応じて、妊婦情報に関する情報を適切な病院に通知することにより、病院から妊婦に迅速かつ適切な指示を与えることができる出産準備支援システム、出産準備支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る携帯端末は、ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付ける入力手段と、妊婦に関する情報を第1端末又は第2端末に送信する通信手段と、前記入力手段によって受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を、前記通信手段によって前記第1端末に送信し、前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、前記妊婦に関する情報を前記通信手段によって前記第2端末に送信する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る出産準備支援システムは、携帯端末とサーバとを備える。携帯端末は、ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって受け付けられた陣痛の開始及び終了に関する情報をサーバに送信する通信手段を備える。サーバは、前記携帯端末の前記入力手段によって受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を前記第1端末に送信し、前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、妊婦に関する情報を前記第2端末に送信する制御手段を備える。
【0011】
また、本発明に係る出産準備支援方法は、ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付け、受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定し、妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を第1端末に送信し、妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、前記妊婦に関する情報を第2端末に送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、妊婦の陣痛の周期を計測する負担を軽減するとともに、陣痛の状況に応じて妊婦に関する情報を、適切な病院に通知することが可能な携帯端末、出産準備支援システム、および出産準備支援方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態1に係る携帯端末を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態1に係る携帯端末を示すブロック図である。
【図4】実施の形態2に係る出産準備支援システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる携帯端末を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態にかかる携帯端末1は、制御手段8、陣痛間隔検出手段9、判定手段10、位置測定手段11、データ送付先情報用記憶手段12、通信手段14、表示手段15、妊婦情報記憶手段16、入力手段17を備える。入力手段17は、第1特定キー(陣痛周期計測用)18と、第2特定キー(アプリケーション起動用)19を備える。これらの構成要素は、バス20を介して接続されている。
【0015】
制御手段8は、携帯端末1が備える各構成要素から入力された信号を処理し、所定の動作を各構成要素に指示する。制御手段8は、例えば中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)のハードウェアが、図示しない記憶手段に格納されたプログラムを実行することにより構成される。
【0016】
陣痛間隔検出手段9は、陣痛周期を計測するアプリケーションが起動されている間、陣痛周期を計測するために用いられる。陣痛間隔検出手段9は、第1特定キー(陣痛周期計測用)18が押下されている時間、又は第1特定キー(陣痛周期計測用)18が押下されていない時間を計測し、この計測結果に基づいて、妊婦の陣痛間隔を検出する。
【0017】
陣痛間隔の検出方法としては、様々な検出方法を適用することができる。例えば、陣痛周期を計測するアプリケーションの起動時に、妊婦の陣痛がはじまった開始のタイミング毎に、第1特定キー(陣痛周期計測用)18を押下するよう、表示手段15を介して妊婦に操作を指示したとする。この場合には、陣痛間隔検出手段9は、この押下された開始時間の間隔を算出することにより、陣痛間隔を検出することができる。または、陣痛周期を計測するアプリケーション起動時に、陣痛が起こっている間中、第1特定キー(陣痛周期計測用)18を押下するように、表示手段15を介して妊婦に操作を指示するとする。この場合には、陣痛間隔検出手段9は、直前の押下が終了した時間から、次の押下が開始された時間を算出することにより、陣痛間隔を検出することができる。
【0018】
位置測定手段11は、例えばGPS(Global Positioning System)である。GPSを用いることで携帯端末1を携帯している妊婦の現在位置を測定することができる。例えば、位置測定手段11は、携帯端末1の陣痛周期を計測するアプリケーションが起動したタイミングで妊婦の現在位置を測定することができる。
【0019】
データ送付先情報用記憶手段12には、陣痛間隔に関するデータや妊婦に関する情報の送付先となる、2以上の送付先の情報が記憶されている。ここで、データ送付先は、妊婦が出産する予定の病院に設置されたPCやサーバであり、予め妊婦によって登録されている。以下の説明では、送付先の情報として、第1の病院に設置された第1端末と第2の病院に設置された第2端末の情報が妊婦によって登録されているとする。第1端末は、妊婦の陣痛が正常である場合に妊婦を受け入れる病院の端末であり、第2端末は、妊婦の陣痛に異常がある場合に妊婦を受け入れることができる設備の整った病院の端末である。
【0020】
判定手段10は、陣痛間隔検出手段9によって検出された陣痛間隔を、予め登録されている正常な陣痛間隔と比較することにより、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する。なお、正常な陣痛間隔に関するデータは、予め登録されていない場合には、アプリケーション起動後に、携帯電話通信網を介してダウンロードしてもよい。また、予め用意された数式に、陣痛間隔をパラメータとして入力することにより、正常な陣痛間隔であるか否かを判定するように構成してもよい。
【0021】
例えば、異常な陣痛として、陣痛の持続時間が短く、陣痛周期が長く、分娩が順調に進行しない微弱陣痛というものがある。判定手段10は、このように、陣痛の持続時間が短く、陣痛周期が長いことを検出した場合に、妊婦の陣痛が正常でないと判断することができる。この判定手段10の結果は、制御手段8に出力される。
【0022】
制御手段8は、判定手段10の判定結果に応じて、妊婦に関する情報を送信する送信先を変更する。具体的には、制御手段8は、判定手段10によって正常な陣痛間隔であると判断された場合には、陣痛間隔検出手段9で測定された陣痛間隔が、所定の閾値以下となった場合に、通信手段14を用いて、第1端末に対し、妊婦に関する情報を送信する。ここで、妊婦に関する情報としては、妊婦の氏名や住所といった識別情報に加え、陣痛間隔に関する情報や位置測定手段12によって取得された位置情報を、第1端末に送信する。妊婦に関する情報は、妊婦情報記憶手段16に格納されており、詳しくは後述することとする。また、妊婦に関する情報を第1端末に送信した場合には、第2端末に対し、第1端末に妊婦に関する情報を送信した旨の情報を送信するようにしてもよい。
【0023】
一方、制御手段8は、判定手段10によって妊婦の陣痛間隔が正常でないと判断された場合には、妊婦に関する情報を、通信手段14によって第2端末に送信する。なお、妊婦に関する情報を第2端末に送信した場合には、第1端末に対し、第2端末に妊婦に関する情報を送信した旨の情報を送信するようにしてもよい。
【0024】
通信手段14は、公衆ネットワークや電話回線等を介して他の通信端末等との無線通信を実現するための手段である。通信手段14は各種の通信規格で構成可能であり、例えばLTE(Long Term Evolution)、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格で構成することができる。
【0025】
表示手段15は情報を表示するための手段であり、例えば液晶素子、有機EL素子等で構成することができる。表示手段15には、陣痛間隔を計測するアプリケーションの起動中、妊婦に対し、第1特定キー18及び第2特定キー19の操作方法や、出産にあたり向かうべき病院の情報などが表示される。
【0026】
妊婦情報記憶手段16には、妊婦に関する各種情報が格納されている。ここで、妊婦に関する情報とは、陣痛間隔検出手段9によって計測された妊婦の陣痛間隔に関する情報や、予め登録された妊婦の出産の危険度を示す情報である。妊婦の出産における危険度を示す情報とは、例えば妊婦が初妊婦であるか否か、早産の傾向があるか否か、胎児が骨盤位であるか否かなどである。また、妊婦の識別情報として、氏名、自宅の電話番号、携帯端末1の電話番号、Eメールアドレス等の情報を含んでいてもよい。さらに、妊婦が通院している病院や服用している薬に関する情報を含んでいてもよい。
【0027】
入力手段17は、携帯端末1に各種情報を入力するための手段である。入力手段17は、ボタンやタッチパネルによって構成される、ダイヤルキーやファンクションキーである。第1特定キー(陣痛周期計測用)18は、通話やメール作成を行う通常動作時には、ダイヤルキーやファンクションキーとして機能する操作キーであるが、陣痛間隔を計測するアプリケーションの起動時には、陣痛周期を計測するための操作キーとして機能する。
【0028】
第2特定キー(アプリケーション起動用)19も同様に、通話やメール作成を行う通常の動作時には、ダイヤルキーやファンクションキーとして機能する操作キーであるが、長押しされたことをトリガとして、陣痛を測定するアプリケーションを起動する操作キーとして機能する。
【0029】
携帯端末1は、上記構成以外に例えばカメラ、マイク、スピーカー等を備え、これらは制御手段8によって制御される。
【0030】
次に、本実施の形態に係る携帯端末1の動作について説明する。図2は本実施の形態1に係る携帯端末1の動作を示すフローチャートである。妊婦は携帯端末1の陣痛の間隔を計測するアプリケーションを使用する前に、事前に妊婦に関する各種情報を妊婦情報記憶手段16に登録する。具体的には、出産するための施設(病院や助産院等)である第1の病院の第1端末及び第2の病院の第2端末に関する情報、親族等の連絡先、妊婦の識別情報及び妊婦の出産における危険度を示す情報等を登録する。
【0031】
妊婦や、妊婦の親族等のユーザは、妊婦の陣痛が始まった場合、携帯端末1の第2特定キー(アプリケーション起動用)19を所定の時間以上押下(長押し)することにより、アプリケーションを起動する(ステップS1)。ここで、携帯端末1の表示手段15には、アプリケーション起動中の第1特定キー(陣痛周期測定用)18の操作方法を表示するように構成してもよい。例えば、陣痛がはじまる開始タイミング毎に、第1特定キー(陣痛周期測定用)18を押下するように、ユーザに対し、操作方法を表示することができる。
【0032】
次に、位置測定手段11は、妊婦の現在位置に関する情報を取得する(ステップS2)。この位置情報は、妊婦情報記憶手段16に格納される。
【0033】
陣痛間隔検出手段9は、陣痛の間隔を測定する(ステップS3)。例えば、陣痛間隔検出手段9は、前述したように、第1特定キー(陣痛周期測定用)18が押下された陣痛の開始時間の間隔を計測することにより陣痛間隔を検出する。
【0034】
測定された陣痛間隔に関する情報は、制御手段8及び判定手段10に供給される。ここで、判定手段10は、陣痛の間隔が不規則である場合は、陣痛ではない可能性がある旨を、表示手段15を用いて妊婦に通知してもよい。なお、妊婦の現在位置の測定(ステップS2)と陣痛間隔の測定(ステップ3)は順番が逆でもよいし、同時に実施されてもよい。
【0035】
判定手段10は、陣痛間隔検出手段9によって検出された陣痛が正常であるか否かを判定する(ステップS4)。判定手段10は、例えば、前述のように、正常な陣痛間隔のデータと比較したり、予め用意された数式のパラメータとして陣痛間隔を入力することにより、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定することができる。
【0036】
判定手段10によって、妊婦の陣痛間隔が正常であると判断された場合(ステップS4においてYES)、制御手段8は、測定された陣痛間隔と予め定められた閾値とを比較し、当該測定された陣痛間隔が予め定められた閾値以下であるか否かを判断する(ステップS5)。そして、測定された陣痛間隔が予め定められた閾値よりも長い場合(ステップS5:No)、ステップS3に戻って陣痛間隔の測定を繰り返す。
【0037】
一方、測定された陣痛間隔が予め定められた閾値以下である場合(ステップS5:Yes)、制御手段8は、第1端末に、妊婦に関する情報を送信する(ステップS7)。ここで、第1端末に送信される妊婦に関する情報としては、少なくとも妊婦の識別情報が送信されていればよい。また、妊婦に関する情報として、第1端末に、妊婦の位置情報や測定された陣痛間隔等の情報を一緒に送信してもよい。また、表示手段15に、妊婦に関する情報を、第1端末(第1の病院)に送信する旨を表示するようにしてもよい。さらに、第2端末に対しても、第1端末に妊婦に関する情報を送信した旨を通知するように構成してもよい。これにより、第2の病院側でも、妊婦が第1の病院へ向かうことを知ることができる。
【0038】
また、ステップS4において、妊婦の陣痛間隔が異常であると判断された場合には(No)、制御手段8は、第2端末に、妊婦に関する情報を送信する(ステップS6)。また、表示手段15に、妊婦に関する情報を、第2端末(第2の病院)に送信する旨を表示するようにしてもよい。また、第2端末に妊婦に関する情報を送信した際には、第1端末に対して、第2端末に妊婦に関する情報を送信した旨を通知することが好ましい。このようにすることで、第1病院側は、妊婦が第2病院で出産を行なうことを知ることができる。
【0039】
また、第2端末に送信される妊婦に関する情報としては、出産を行なう予定の第1の病院から、第2の病院へ予定が変更されたことを示す情報を併せて送信することが好ましい。また、第2端末に妊婦に関する情報が送信される場合は、陣痛が正常でない場合であるので、妊婦に関する情報として、妊婦の識別情報の他、妊婦の位置情報や、陣痛間隔、親族の連絡先といった詳細な情報が送信されることが好ましい。
【0040】
このように、陣痛間隔検出手段9によって検出された陣痛間隔に基づいて、妊婦に関する情報を、予め登録された連絡先を選択して送信することで、妊婦に出産が近づいていることを、受け入れ先の第1の病院又は第2の病院に知らせることができる。なお、このとき、予め登録された妊婦の出産における危険度を示す情報を送信してもよい。妊婦の出産における危険度を示す情報を送信することで、病院、助産院が予め妊婦の危険度を把握することができる。更に、妊婦が病院等に到達するまでの間、一定間隔で妊婦の現在位置および陣痛間隔に関する最新の情報を予め登録された連絡先に送信してもよい。
【0041】
また、ステップS6、S7以降に、妊婦に関する情報が送信された第1端末(第1の病院)又は第2端末(第2の病院)から、妊婦の受け入れが可能である旨の通知を受け取るように構成することもできる。
【0042】
また、制御手段8は、ステップS6、S7以降、予め登録された連絡先(病院、助産院、親族等)に自動で電話をかけるように構成してもよい。このように携帯端末1が自動で電話かけることで、受け入れ先の病院が変更になった場合でも、妊婦と病院側が直接連絡をとることができる。
【0043】
また、例えば制御手段8は、予め登録された施設(病院や助産院等)への経路案内を実施することができる。このように携帯端末1が病院や助産院等への経路案内を実施することで、妊婦が陣痛で動揺している場合であっても、妊婦を病院へ確実に案内することができる。この場合、制御手段8はタクシー等の移動手段を自動で手配してもよい。
【0044】
制御手段8は、妊婦の現在位置および陣痛間隔に関する情報に加えて、破水の有無についても予め登録された連絡先(病院、助産院、親族等)に送信することができる。このように破水の有無についても送信することで、医師等の事前の準備に役立てることができる。破水の有無については、例えば妊婦が入力手段17を用いて入力することができる。
【0045】
次に、本発明の実施の形態1に係る携帯端末1の効果について説明する。陣痛間隔に異常がある場合では、当初出産を予定していた病院では、スタッフや設備の不足により妊婦を受け入れられない可能性がある。このような場合であっても、データ送付先情報用記憶手段12に、予め複数の病院の第1端末、第2端末に関する情報を登録しておき、測定された陣痛間隔に応じて、妊婦に関する情報を適切な病院の端末に送信しておくことにより、当初出産が予定されていた以外の病院でも、事前に妊婦の状況を把握することができ、受け入れをスムーズに行うことができる。
【0046】
また、いずれの病院でも受け入れができない場合であっても、第1端末又は第2端末には、事前に妊婦に関する情報が送信されるため、第1端末又は第2端末の操作者は、適切な第3の病院を検索し、妊婦に第3の病院に向かうよう、事前に指示することもできる。
【0047】
なお、上記の説明では、陣痛間隔検出手段9により陣痛間隔を検出し、検出された陣痛間隔が正常であるか否かを判定するように構成されているが、出産予定日を予め妊婦が携帯端末に入力しておけば、判定手段10が陣痛の開始を受け付けた日と出産予定日を比較することにより、正常な陣痛であるか、早産や予定日よりも早い出産であるかを判定することができる。早産である場合や、出産予定日より早く陣痛が起こった場合には、当初出産を予定していた病院側で受け入れられない場合があるが、複数の病院の端末を登録しておくことで、適切な病院を選択し、妊婦に関する情報を選択された病院に提供することができる。
【0048】
なお、上記の説明では、第1端末及び第2端末に関する情報は、事前に妊婦によってデータ送付先情報用記憶手段12に登録したが、携帯端末1が通信可能なサーバ(図示せず)に、妊婦が第1端末及び第2端末に関する情報を事前に登録しておいてもよい。この場合、制御手段8を、適宜、第1端末及び第2端末に関する情報をサーバからダウンロードさせるように構成すればよい。また、妊婦に関する情報についても、携帯端末1に保持されている必要はなく、サーバに登録されていてもよい。
【0049】
また、サーバに登録される第1端末及び第2端末に関する情報は、妊婦自身が入力しなくてもよい。例えば、第1端末及び第2端末に関する情報は、サーバの管理者が登録してもよい。そのため、例えば、第1端末に関する情報だけを妊婦自身がサーバ又は携帯端末1に登録し、判定手段10により陣痛に異常があると判断された場合にのみ、第2端末に関する情報を携帯端末1がサーバからダウンロードするように構成してもよい。
【0050】
なお、本実施の形態にかかる携帯端末は、図3に示す構成でも本発明の効果を奏することができる。つまり、携帯端末1は、制御手段8、判定手段10、通信手段14、妊婦情報記憶手段16及び入力手段17を少なくとも備えていればよい。各構成要素の詳細は、上記で説明したので重複した説明は省略する。
【0051】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる本発明により、陣痛開始後、妊婦の出産準備を支援することが可能な携帯端末を提供することができる。また、本発明は、第1の病院の第1端末及び第2の病院の第2端末とで、出産準備支援システムとして構成してもよい。
【0052】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る出産準備支援システムについて説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る出産準備支援システムの構成を示すブロック図である。この出産準備支援システムは、携帯端末とサーバを備えている。携帯端末は、通信手段14、及び入力手段17を備えている。一方、サーバは、制御手段8、判定手段10、データ送付先情報用記憶手段12及び妊婦情報記憶手段16を備えている。なお、各構成要素の説明については、実施の形態1と同様であるため省略する。
【0053】
次に、本発明の実施の形態2に係る出産準備支援システムの動作について説明する。実施の形態2に係る出産準備支援システムでは、事前に、妊婦が携帯端末を用いて妊婦に関する情報を登録し、これをサーバに送信する。この情報は、サーバの妊婦情報記憶手段16に登録される。そして、妊婦(ユーザ)が、入力手段17を用いて陣痛の開始を入力すると、陣痛に関する情報が逐次若しくは定期的にサーバに送信される。サーバの判定手段10では、携帯端末から受信された陣痛に関する情報に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する。サーバの制御手段8は、判定手段10の判定結果に応じて、データ送付先情報用記憶手段12を参照し、第1端末又は第2端末に対し、妊婦に関する情報を送信する。
【0054】
このように、サーバ側で陣痛が正常であるか否か判定し、第1端末又は第2端末に対し、妊婦に関する情報を送信するように構成することができる。また、この実施形態によれば、サーバの管理者側で、現状の病院の受け入れ状況に合わせて、第1の病院及び第2の病院を設定・変更することができる。
【0055】
なお、実施の形態1及び2では、データ送付先情報用記憶手段12に、第1端末(第1の病院)及び第2端末(第2の病院)に関する情報が登録されていることとして説明したが、3以上の病院の端末に関する情報が登録されるように構成されていてもよい。この場合、制御手段8が、陣痛の状況や妊婦の位置情報に応じて適切な病院を選択し、その端末に妊婦に関する情報を送信するように構成すればよい。
【0056】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる本発明により、陣痛開始後、妊婦の出産準備を支援することが可能な携帯端末及び出産準備支援方法を提供することができる。
【0057】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【0058】
また、本発明は、ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付け、受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定し、妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を第1端末に送信し、妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、前記妊婦に関する情報を第2端末に送信する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして構成することもできる。このプログラムは、種々の記録媒体に格納して提供することもできる。
【符号の説明】
【0059】
1 携帯端末
8 制御手段
9 陣痛間隔検出手段
10 判定手段
11 位置測定手段
12 データ送付先情報用記憶手段
14 通信手段
15 表示手段
16 記憶手段
17 入力手段
18 第1特定キー
19 第2特定キー
20 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付ける入力手段と、
妊婦に関する情報を第1端末又は第2端末に送信する通信手段と、
前記入力手段によって受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を、前記通信手段によって前記第1端末に送信し、前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、前記妊婦に関する情報を前記通信手段によって前記第2端末に送信する制御手段と、を備える携帯端末。
【請求項2】
前記入力手段により陣痛の開始及び終了の入力が受け付けられた時間に基づいて、妊婦の陣痛間隔を検出する陣痛間隔検出手段を更に備え、
前記判定手段は、前記陣痛間隔検出手段によって検出された陣痛間隔が正常であるか否かを判定することにより、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記記憶手段は、予め登録された妊婦の出産予定日が保持され、
前記判定手段は、前記入力手段によって陣痛の開始及び終了が受け付けられた陣痛の開始日と、予め登録された妊婦の出産予定日を比較することにより、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する、請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記制御手段は、前記判定手段によって妊婦の陣痛間隔が正常でないと判断された場合に、前記通信手段によって前記妊婦に関する情報を前記第2端末に送信した旨を、第1端末に送信する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
妊婦の位置情報を取得する位置測定手段を更に備え、
前記制御手段は、前記妊婦に関する情報と共に、前記位置計測手段によって計測された妊婦の位置情報を前記通信手段によって前記第1端末及び第2端末に送信する、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記妊婦に関する情報は、氏名、妊婦の自宅の電話番号、住所、妊婦の所持する携帯端末の電話番号、陣痛間隔、妊婦が初妊婦であるか否か、早産の傾向があるか否か、胎児が骨盤位であるか否かを示す情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記制御装置は、前記妊婦に関する情報を前記第1端末及び第2端末に送信する場合は、送信先である前記第1端末及び第2端末の情報を表示装置に表示する、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記第1端末及び前記第2端末に関する情報は、予めユーザにより前記携帯端末に登録されているか、若しくは、前記携帯端末と通信するサーバから前記携帯端末に送信される、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項9】
携帯端末とサーバとを備え、
前記携帯端末は、ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付ける入力手段と、前記入力手段によって受け付けられた陣痛の開始及び終了に関する情報をサーバに送信する通信手段を備え、
前記サーバは、前記携帯端末の前記入力手段によって受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を前記第1端末に送信し、前記判定手段によって妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、妊婦に関する情報を前記第2端末に送信する制御手段を備える、出産準備支援システム。
【請求項10】
ユーザの操作による、陣痛の開始及び終了の入力を受け付け、
受け付けられた陣痛の開始及び終了に基づいて、妊婦の陣痛が正常であるか否かを判定し、
妊婦の陣痛が正常であると判断された場合に、妊婦に関する情報を第1端末に送信し、妊婦の陣痛が正常でないと判断された場合に、前記妊婦に関する情報を第2端末に送信する、出産準備支援方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−199783(P2012−199783A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62683(P2011−62683)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】