説明

携帯端末及びマルチメディアシステム

【課題】複数機種を用いて実現していた機能を1つの携帯端末、又は、1つの携帯端末と外部端末で実現でき、複数の機能をより安価に手に入れることができる携帯端末及びマルチメディアシステムを提供すること。
【解決手段】マルチメディアシステム10は、他からのリソース情報をもとにプログラムを起動することによりマルチメディア機器として機能する携帯情報端末40と、携帯情報端末40にリソース情報を供給し、かつ携帯情報端末40からのデータを出力するマルチメディア入出力端末20と、を備える。携帯情報端末40のCPU53は、外部メモリ45に格納された複数のプログラムのうち、各プログラム間で同一の機能プログラムについては共有して使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他からのリソース情報をもとにプログラムを起動することにより様々なマルチメディア機器として機能する携帯端末及びそれを利用したマルチメディアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートホンに代表される携帯情報端末は、携帯電話だけの機能ではなく、オーディオ機器としても使え、さらに、テレビ、パソコン、カーナビとしても使用が見込まれている。
【0003】
一方、車載マルチメディアシステム(携帯情報端末、及び、車載マルチメディア入出力端末)を実現する技術について以下のようなものがある。
【0004】
特許文献1には、取り外し可能なナビゲーションシステムのための方法及び装置が記載されている。特許文献1記載の装置は、ナビゲーション機能を有するハンドヘルドユニットを車両のダッシュボードに、収容するための受け口を設け、装着する取り外し可能なナビゲーションシステムである。このナビゲーションシステムでは、ディスプレイとしてハンドヘルドユニットが本来持っているディスプレイを使用する。したがって、そのサイズは5インチ程度であり、細かな地図が見にくいという欠点がある。
【0005】
特許文献2には、ポータブルプレーヤを本来の目的に使用可能としつつ、車内でのナビゲーションに利用する車載マルチメディアシステムが記載されている。特許文献2記載の装置は、ポータブルプレーヤのハードディスクドライブに記憶された楽曲データや住所録データ、案内経路データ、旅行ログデータを車載マルチメディア装置のAVシステムプログラムなどがナビゲーションシステムから利用可能になる。低価格な車載マルチメディアシステムを実現するものではない。
【0006】
特許文献3には、GPS機能付き携帯情報通信装置をカーナビゲーション用に使用するGPS機能付き携帯情報通信装置が開示されている。特許文献3記載の装置は、ターゲットがカーナビに限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2005−524570号公報
【特許文献2】特開2006−170752号公報
【特許文献3】特開2008−309794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、スマートホンに代表される携帯情報端末は、1つでマルチメディアに対応するため、機能が中途半端で使い勝手が悪くなる虞がある。
【0009】
また、このような携帯情報端末は、過度なスペック要求に応えるため、ハードの価格が高くなっていた。さらには、ハードが高価であるがゆえに、新興国での様々な製品の広がりに足止めがかかり、また学校教育への導入も困難なものとなっている。
【0010】
本発明の目的は、複数機種を用いて実現していた機能を1つの携帯端末、又は、1つの携帯端末と外部端末で実現でき、複数の機能をより安価に手に入れることができる携帯端末及びマルチメディアシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の携帯端末は、複数のプログラムを格納する第1のメモリと、外部端末と接続するインターフェースと、前記インターフェースを介して読み取ったリソース情報に基づき、前記第1のメモリからプログラムを読み出す読出手段と、前記読み出したプログラムを格納する第2のメモリと、前記第2のメモリに格納されたプログラムを実行する実行手段と、を備え、前記実行手段は、前記第1のメモリに格納された複数のプログラムのうち、各プログラム間で同一の機能プログラムについては共有して使用する構成を採る。
【0012】
本発明のマルチメディアシステムは、複数のプログラムを格納する第1のメモリを有する携帯端末と、前記携帯端末にリソース情報を供給し、かつ前記携帯端末からのデータを出力する入出力端末とを備え、前記携帯端末は、読み取った前記リソース情報に基づき、前記第1のメモリからプログラムを読み出す読出手段と、前記読み出したプログラムを格納する第2のメモリと、前記第2のメモリに格納されたプログラムを実行する実行手段とを備え、前記実行手段は、前記第1のメモリに格納された複数のプログラムのうち、各プログラム間で同一の機能プログラムについては共有する構成を採る。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数機種を用いて実現していた機能を1つの携帯端末、又は、1つの携帯端末と外部端末で実現でき、複数の機能をより安価に手に入れることができ、利便性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図
【図2】上記実施の形態1に係るマルチメディアシステムの構成を模式的に示す図
【図3】上記実施の形態1に係るマルチメディアシステムの外部メモリに保存されるプログラムの内容を示す図
【図4】上記実施の形態1に係るマルチメディアシステムの外部メモリからメモリ部にロードするプログラムを具体的に示す図
【図5】上記実施の形態1に係るマルチメディアシステムの簡易「オーディオモード」の場合のUI画面の相違を示す図
【図6】上記実施の形態1に係るマルチメディアシステムの簡易「メールモード」と「メールモード」の場合のUI画面の相違を示す図
【図7】上記実施の形態1に係るマルチメディアシステムの「カーナビモード」で起動された場合に、車載マルチメディア入出力端末の表示モニタに表示されるメニューの一例を示す図
【図8】HDMIのコネクタを示す図
【図9】HDMIの構成を示す図
【図10】上記実施の形態1に係るマルチメディアシステムの「携帯モード」において簡易カーナビ機能を使用した場合に携帯情報端末の表示モニタに表示されるカーナビ画面の一例を示す図
【図11】本発明の実施の形態2に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態3に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態4に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図
【図14】上記実施の形態4に係るマルチメディアシステムの構成を模式的に示す図
【図15】上記実施の形態4に係るマルチメディアシステムの「ネットパソコンモード」で起動された場合のネットパソコン向けマルチメディア入出力端末の表示モニタのメニューの一例を示す図
【図16】本発明の実施の形態5に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図
【図17】上記実施の形態5に係るマルチメディアシステムの構成を模式的に示す図
【図18】上記実施の形態5に係るマルチメディアシステムの外部メモリに保存されるプログラムの内容を示す図
【図19】上記実施の形態5に係るマルチメディアシステムの外部メモリからメモリ部にロードするプログラムを具体的に示す図
【図20】上記実施の形態5に係るマルチメディアシステムの「タブレットモード」で起動された場合に、タブレット入出力端末の表示モニタに表示されるメニューの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図であり、車載マルチメディアシステムに適用した例である。
【0017】
なお、以下の説明において、車載マルチメディアシステムとは、マルチメディア入出力端末が車載マルチメディア入出力端末であるマルチメディアシステムをいう。
【0018】
図1に示すように、車載マルチメディアシステム10は、車載マルチメディア入出力端末20と、携帯情報端末40とから構成される。
【0019】
本携帯情報端末は、入出力端末と組み合わされて、各マルチメディアシステムを構成する。
【0020】
〔車載マルチメディア入出力端末20〕
車載マルチメディア入出力端末20は、表示モニタ21、スピーカ22、バッテリ23、電源回路24、及び車載マルチメディア入出力端末用信号処理部30を備える。
【0021】
車載マルチメディア入出力端末用信号処理部30は、I/F部31、内部バス32、CPU33、内部メモリ34、表示モニタ制御部35、タッチパネル36、オーディオ出力部37、及びバッテリ制御部38を備える。
【0022】
〔携帯情報端末40〕
携帯情報端末40は、GPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、表示モニタ43と、スピーカ44と、外部メモリ45、バッテリ46、携帯情報端末用信号処理部50とから構成されている。
【0023】
携帯情報端末用信号処理部50は、さらに、I/F部51と、内部バス52、CPU53、内部メモリ54、ナビゲーション機能部55、インターネット接続機能部56、AVデータ記録・再生機能部57、メモリ部58、表示モニタ制御部60、オーディオ出力部61、外部メモリコントローラ62、及びバッテリ制御部63を備える。
【0024】
車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ70により接続されている。なお、I/F部31とI/F部51の具体的な構成例については、図8及び図9により後述する。
【0025】
携帯情報端末40は、HDD又はNANDフラッシュメモリから構成された外部メモリ45と、eDRAM又はSDRAMから構成されたメモリ部58と、SRAM又はNORフラッシュメモリから構成された内部メモリ54を内蔵している。外部メモリ45は、アクセス速度の点からは、HDDで構成するよりNANDフラッシュメモリで構成するほうが好ましい。これらのメモリのうち、HDDやNANDフラッシュメモリはアクセススピードが最も低速であり、SRAMやNORフラッシュメモリが最も高速であり、メインメモリであるeDRAMやSDRAMがその間に位置する。
【0026】
外部メモリ45には、後述する図3に示す携帯情報端末用プログラム110と、車載マルチメディアシステム用プログラム120と、AVシステム用プログラム130と、ネットパソコン用ブログラム140の全体が格納されている。
【0027】
CPU53の内部メモリ54には、携帯情報端末40のリアルタイム性の高いOSプログラムやメモリ管理などの最重要なプログラムが書き込まれている。ランダムアクセスすることができる不揮発性メモリであるNORフラッシュメモリか常時電池でデータが保持されたSRAMが使用されている。
【0028】
内部メモリ54、メモリ部58、外部メモリ45と3階層あるメモリを機能の重複が無いように有効に使用して、少ないリソースで違和感のない操作性を実現する仕組みを確立することが、マルチメディアシステム10実現のポイントである。
【0029】
上述したように、本携帯情報端末は、入出力端末と組み合わされて、各マルチメディアシステムを構成する。すなわち、携帯情報端末単体では、「携帯モード」で動作する。携帯情報端末及び車載マルチメディア入出力端末の場合は、「カーナビモード」で動作する。携帯情報端末及びネットパソコン向けマルチメディア入出力端末の場合は、「ネットパソコンモード」で動作する。携帯情報端末及びAVシステム向けマルチメディア入出力端末の場合は、「AVモード」で動作する。
【0030】
各モードの動作に必要なプログラムは、外部メモリ45(図3)に格納されている。携帯情報端末40のCPU53は、I/F51にマルチメディア入出力端末(ここでは、車載マルチメディア入出力端末20)が接続されると、各マルチメディア入出力端末のリソース情報を基に、接続されたマルチメディア入出力端末に対応したプログラムをメモリ部58にロードする。
【0031】
ここで、マルチメディア入出力端末と携帯情報端末との間では、マルチメディア入出力端末の情報伝達方法、及びマルチメディア入出力端末の情報伝達フォーマットは予め決められており、個々のマルチメディア入出力端末には、情報伝達フォーマットに準拠して、予めマルチメディア入出力端末の機能や性能に関する装置情報(リソース情報)が記録されている。
【0032】
マルチメディア入出力端末の情報伝達方法及び情報伝達フォーマットについては、後述するHDMIのDCCやEDIDが考えられ、これらの情報伝達方法及び情報伝達フォーマットによって、マルチメディア入出力端末のリソース情報がマルチメディア入出力端末から携帯情報端末に伝達される。
【0033】
上記リソース情報を受け取った携帯情報端末では、予め携帯情報端末内に記録されている個々のマルチメディア入出力端末のリソース情報とプログラムの対応テーブルに基づいて選択されたプログラムが外部メモリからメモリ部へ記録される。
【0034】
また、コスト低減のため、外部メモリ45は、第1メモリ容量(例えば64GB〜128GB程度)、メモリ部58は、第1メモリ容量より小さい第2メモリ容量(例えば4GB〜8GB程度)にすることが好ましい。
【0035】
本実施の形態の携帯情報端末では、外部メモリ45には、携帯情報端末用プログラム以外に、車載マルチメディアシステム用プログラムとAVシステム用プログラムとネットパソコン用プログラムが格納されている例を記載するが、これらのプログラムに限定されるものではない。また、携帯情報端末用プログラム以外に2つ以上のプログラムを格納する場合を想定している。これら外部メモリに格納されるプログラムについては、携帯端末購入時に必要としたプログラムのほかに、その後、ユーザがほしいと思った機能については、携帯端末にインターネットからダウンロードすることで追加入手することが可能である。
【0036】
次に、主プログラム、及び簡易プログラム(図4)の構成について説明する。
【0037】
簡易プログラムとは、主プログラムのサブセットであり、主プログラムのソフトウェアの機能を必須のもののみに限定したものである。一例では、主プログラムであるオーディオ(音楽再生)用プログラムにおいては、イコライザー機能や音場制御などの高音質な音楽再生のための様々な機能が内蔵されている。簡易オーディオ用プログラムでは、音の強弱の調整機能や音楽の進行制御などの音楽再生のための最低限な機能に機能が限定されている。
【0038】
図4(a)に示すように、AVシステム用プログラムを外部メモリ45からメモリ部58(図1)にロードし、携帯情報端末を「AVモード」で起動する場合、主プログラムであるオーディオ(音楽再生)用プログラムを使用する。他の「携帯モード」「カーナビモード」「ネットパソコンモード」で起動するために携帯情報端末用プログラム、車載マルチメディアシステム用プログラム、ネットパソコン用プログラムをそれぞれロードする場合には「AVモード」で起動する場合ほどの高度な機能は必要ないため、音楽再生のために最低限必要な機能を備えた簡易オーディオ(音楽再生)用プログラムをロードする。
【0039】
本実施の形態の携帯情報端末には、マルチメディアシステムを「携帯モード」「カーナビモード」「AVモード」「ネットパソコンモード」で起動するため、主プログラムとして「メール用プログラム」「インターネット用プログラム」「オーディオ用プログラム」「ビデオ用プログラム」「文書・図表作成用プログラム」「カーナビ用プログラム」を備えており、それぞれの主プログラムは機能を限定した簡易プログラムを備えている。
【0040】
これらの主プログラム及び簡易プログラムは、各モード間で使いまわしされる。すなわち、「カーナビモード」で起動する場合には、主プログラムである「カーナビ用プログラム」に加え、「簡易インターネット用プログラム」「簡易オーディオ用プログラム」「簡易ビデオ用プログラム」を併せた車載マルチメディア用プログラムをロードする一方で、「AVモード」で起動する場合には、主プログラムである「オーディオ用プログラム」「ビデオ用プログラム」に加え、上記「カーナビモード」で使用した「簡易インターネット用プログラム」を併せたAVシステム用プログラムをロードする。
【0041】
このように、各モード間で同様の機能を使用する場合には、必要となるプログラムを使いまわすことで、プログラムの重複を無くし、外部メモリの容量を削減することが可能である。
【0042】
但し、それぞれのモードで使用されるディスプレイのサイズが異なるので、図4(b)に示すように、UIは異なる。これにより、オーディオ機能を選択したときのUIは、図5に示すようになり、メール機能を選択したときのUIは、図6に示すようになる。
【0043】
また、カーナビ機能において、携帯モードとカーナビモードでは、後述する図10のように外部メモリ45に格納されている地図のデータは同一でも、メモリ部58にロードする地図データやプログラムを変えることにより、地図の見え方を変えている。詳しく後述する。
【0044】
但し、精度のよい地図データは、データ容量が大きいので、GPSのデータを利用して現在必要な地図データのみ、メモリ部58にロードする。このことは、音楽データ、映像データにも当てはまる。
【0045】
上記マルチメディア入出力端末20は、基本的には、大容量メモリである外部メモリ(図示せず)を搭載しないことでコストを低減する。しかし、下記の理由で大容量なる外部メモリ(図示せず)を搭載することもある。
【0046】
携帯情報端末40の外部メモリ45は、大容量の映像データ格納時、容量が不十分な場合が発生する。また、携帯情報端末40は、小型化・薄型化のため外部メモリ45として大容積のHDDなどを搭載することはできない場合もある。
【0047】
この場合、マルチメディア入出力端末20側に大容量なHDDなどを搭載することが考えられる。マルチメディア入出力端末20は、大容量なHDDなどを搭載し、画像データなどを圧縮して蓄積する。画像データなどを伸張するときには、一旦、携帯情報端末40にデータを転送して、携帯情報端末40のAVデータ記録・再生機能部57が、伸張処理を行う。そして、マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21で表示する。
【0048】
この構成にすると、車載マルチメディア入出力端末20の価格は高くなるものの、携帯情報端末40の外部メモリ45の容量を小さくすることができるので、携帯情報端末40の価格を低く抑えることができる。
【0049】
〔車載マルチメディアシステム80の外観〕
図2は、車載マルチメディアシステム80の構成を模式的に示す図である。
【0050】
図1に示す車載マルチメディアシステム10は、図2に示す車載マルチメディアシステム80の外観を有する。また、図1に示す車載マルチメディア入出力端末20と携帯情報端末40の外観についても同様である。
【0051】
図2(a)に示すように、車載マルチメディアシステム80は、車載マルチメディア入出力端末81と、携帯情報端末84とから構成される。
【0052】
車載マルチメディア入出力端末81は、表示モニタ82と、車載マルチメディア入出力端末の筐体83とから構成される。
【0053】
車載マルチメディア入出力端末81と携帯情報端末84は、共に電源がオフの状態で分離されている(図2(a)参照)。車載マルチメディア入出力端末81は、通常、車両のダッシュボックスに装着されている。
【0054】
一方、携帯情報端末84は、通常、車両を運転する人が携帯電話(特に、スマートホン)として使用している。携帯情報端末84は、「携帯モード」「カーナビモード」「AVモード」「ネットパソコンモード」の4つのモードで動作するように構成されている。この場合、携帯情報端末84は、車載マルチメディア入出力端末81に接続されていないので、既定モードである「携帯モード」で動作している。
【0055】
車両を運転する人は、車両に乗車した後、車載マルチメディア入出力端末81つの表示モニタ82を開く(図2(b)参照)。車載マルチメディアシステム80を使用しようとする場合、携帯情報端末84を車載マルチメディア入出力端末の筐体83の中のコネクター(図示せず)に装着し、表示モニタ82を閉じる。
【0056】
その後、車載マルチメディア入出力端末81つの電源を「オン」し、図1に示す車載マルチメディアシステム10に電圧が供給され、表示モニタ21と、スピーカ22と、車載マルチメディア入出力端末用信号処理部30とが動作し始める。
【0057】
車載マルチメディア入出力端末81つの最小限ハードウェア構成は、車載マルチメディア入出力端末用信号処理部30以外には、表示モニタ21と、スピーカ22だけである。
【0058】
車載マルチメディア入出力端末81は、カーナビ機能とオーディオ機能とを必須機能として備える。さらに、車両のバックをモニタするリアビューカメラ機能、リアシートでのSDビデオ視聴機能などをオプション機能として搭載することも可能である。
【0059】
〔車載マルチメディア入出力端末20の機能設定〕
車載マルチメディア入出力端末20がどのような機能に対応しているかは、CPU33の内部メモリ34の不揮発性メモリ部にリソース情報として記録されている。その一例を、〔表1〕に示す。
【0060】
【表1】

〔表1〕に示すように、CPU33の内部メモリ34の不揮発性メモリ部には、以下の処理をして、車載マルチメディア入出力端末20のリソース情報を書き込む。
【0061】
車載マルチメディア入出力端末20の電源を単独で「オン」すると、CPU33はその内部メモリ34のブートプログラム(図示せず)が走り、表示モニタ21に必須機能である表示モニタ、オーディオとオプション機能のリアビューカメラ機能、リアシートでのSDビデオ視聴機能などの機能一覧表を表示する。車載マルチメディア入出力端末20の製造者は、タッチパネル36を使用して、車載マルチメディア入出力端末20が具備している機能にタッチして、CPU33の内部メモリ34の不揮発性メモリ部にリソース情報を入力する。このようにして、車載マルチメディア入出力端末20のCPU33の内部メモリ34の不揮発性メモリ部に車載マルチメディア入出力端末20のリソース情報が書き込まれる。
【0062】
車載マルチメディア入出力端末20の電源回路24には、車両本体から電源が供給されている。この電源はバッテリ23に供給され、これを充電するとともにバッテリ制御回路38を経由してI/F31に接続されている。電源回路24を「オン」すると、まず、CPU33がその内部メモリ34の不揮発性メモリ部に記録されている必須機能、オプション機能の内容であるリソース情報を読み出す。
【0063】
車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ70で接続されている。このI/F信号の中に電源電位のライン、グランド電位のラインが含まれているので、携帯情報端末40の携帯情報端末用信号処理部50の電源電位、グランド電位はこれから供給される。なお、携帯情報端末用信号処理部50以外のブロックであるGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、表示モニタ43と、スピーカ44と、外部メモリ45などの消費電力は多少大きいが、これらの電源電位、グランド電位も、I/F部31とI/F部51から内部バス52、バッテリ制御部63経由でバッテリ46に充電された電力をもとに供給される。
【0064】
〔携帯情報端末40における各モード起動〕
車載マルチメディア入出力端末20のCPU33は、内部メモリ34の不揮発性メモリ部に記録されている前記必須機能、及び前記オプション機能の内容であるリソース情報を読み出す。
【0065】
その後、車載マルチメディア入出力端末20のCPU33は、I/F部31及び携帯情報端末40のI/F部51を経由して、携帯情報端末用信号処理部50のCPU53の内部メモリ54に、車載マルチメディア入出力端末20のリソース情報を書き込む。
【0066】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53は、リソース情報に基づいて、必要なプログラムを外部メモリからメモリ部にロードし、携帯情報端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55と、インターネット接続部56と、AVデータ記録・再生機能部57と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42とを共に「カーナビモード」で起動する。
【0067】
「カーナビモード」においては、携帯情報端末40の表示モニタ43と、スピーカ44への電気的な接続は解除され、これらのリソースに代わって、車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21とスピーカ22とを使用する。
【0068】
この場合、低消費電力化のために携帯情報端末用信号処理部50の表示モニタ制御部60と、オーディオ出力部61のブロックに供給されている電源は遮断する。
【0069】
〔表2〕は、携帯情報端末、車載マルチメディアシステム、ネットAVシステム、ネットパソコンがそれぞれどのような機能を内蔵するかの仕様検討した結果を示す。この内容はあくまで一例であり、この例以外の機能割り当ても可能である。
【0070】
【表2】

〔表2〕において、◎印は、主要な機能として内蔵すべき機能である。また、データ容量が大きい機能である。例えば、カーナビゲーション用の地図は全国版で4GB程度になるので、カーナビゲーション用の地図の取り扱いには工夫が必要である。また、オーディオ(音楽再生)データも、1500曲程度で4GB程度になる。ビデオ(ビデオ再生)データは、ハイビジョンでなく、通常のDVD画質の映画1本でも5GB程度になるので、映画の保存には、制限が必要である。
【0071】
○印は、主要な機能として内蔵することが好ましい機能である。データ容量はそれほど大きくは無い機能である。また、△印は、簡易機能を内蔵する。×印の機能は、内蔵しない。
【0072】
〔外部メモリ45に保存されるプログラムの内容〕
図3は、外部メモリ45に保存されるプログラムの内容を示す図である。図3は、〔表2〕の検討結果を基に作成している。
【0073】
図3に示すように、外部メモリ45には、携帯情報端末用プログラム110と、車載マルチメディアシステム用プログラム120と、AVシステム用プログラム130と、ネットパソコン用プログラム140とが格納される。
【0074】
外部メモリ45は、携帯情報端末用プログラム110以外に少なくとも1つのプログラムを格納する。本実施の形態は、携帯情報端末用プログラム110以外に、3つのプログラム、すなわち車載マルチメディアシステム用プログラム120、AVシステム用プログラム130、及びネットパソコン用プログラム140を格納する場合の例である。外部メモリ45に格納される各プログラムは、一例でありこれに限定されるものではない。また、外部メモリ45に格納するプログラムの内容は、インターネットを用いて変更できるようにすることもできる。
【0075】
[携帯情報端末用プログラム110]
携帯情報端末用プログラム110は、電話機能用の携帯情報端末用プログラム(図示せず)のほかに、簡易メール用データ112を内蔵した簡易メール用プログラム111、簡易インターネット用データ114を内蔵した簡易インターネット接続用プログラム113、簡易オーディオ用データ116を内蔵した簡易オーディオ用プログラム115、及び簡易カーナビ用データ118を内蔵した簡易カーナビ用プログラム117などを含む。
【0076】
[車載マルチメディアシステム用プログラム120]
車載マルチメディアシステム用プログラム120は、全国地図などのカーナビゲーション用データ122を内蔵した主要なプログラムであるカーナビゲーション用プログラム121のほか、簡易インターネット用データ124を内蔵した簡易インターネット接続用プログラム123、簡易オーディオ用データ126を内蔵した簡易オーディオ用プログラム125、簡易ビデオ用データ128を内蔵した簡易ビデオ用プログラム127、簡易リアビューカメラ用データ129bを内蔵した簡易リアビューカメラ用プログラム129aなどを含む。
【0077】
[AVシステム用プログラム130]
AVシステム用プログラム130は、音楽データなどのオーディオ用データ132を内蔵した主要なプログラムであるオーディオ(音楽再生)用プログラム131とビデオ用データ134を内蔵した同じく主要なプログラムであるビデオ(ビデオ再生)用プログラム133のほか、簡易インターネット用データ136を内蔵した簡易インターネット接続用プログラム135などを含む。
【0078】
[ネットパソコンシステム用プログラム140]
ネットパソコンシステム用プログラム140は、インターネット用データ142を内蔵した主要なプログラムであるインターネット接続用プログラム141と、メール用データ144を内蔵した同じく主要なプログラムであるメール用プログラム143と、文書・図表用データ146を内蔵した同じく主要なプログラムである文書・図表作成用プログラム145のほか、簡易オーディオ用データ148を内蔵した簡易オーディオ用プログラム147と、簡易ビデオ用データ149bを内蔵した簡易ビデオ用プログラム149aとを含む。
【0079】
また、ネットパソコン用プログラム140には、文書・図表作成用データ146を内蔵した主要な文章・図表作成用プログラム145があり、「ネットパソコンモード」で作成した文章や図表などは、文書・図表作成用データ146として保存されている。また、「ネットパソコンモード」では、本格的なインターネット接続用のプログラムや、本格的なメール用のプログラムが動作する。
【0080】
[プログラム適用例]
オーディオ(音楽再生)用プログラム131は、イコライザー機能や音場制御などの高音質な音楽再生のための様々な機能が内蔵されている。しかし、簡易オーディオ用プログラム115や簡易オーディオ用プログラム125や簡易オーディオ用プログラム147は、音の強弱の調整機能や音楽の進行制御などの音楽再生のための最低限な機能に機能が限定されている。
【0081】
これら簡易オーディオ用プログラム115、簡易オーディオ用プログラム125、及び簡易オーディオ用プログラム147の機能は、オーディオ(音楽再生)用プログラム131の機能のサブセットである。また、簡易オーディオ用プログラム115、簡易オーディオ用プログラム125、簡易オーディオ用プログラム147の間の主な相違は、それぞれのプログラムを実行したときに表示される表示モニタのUI画面の相違である。携帯情報機器の表示モニタは、例えば3.5インチ程度であるのに対して、カーナビゲーションでの表示モニタは7インチ程度、AVシステムでの表示モニタは24インチ程度、ネットパソコンの表示モニタは12インチ程度と大幅にそれぞれの表示モニタの大きさが異なるので、それぞれの表示モニタ画面に表示されるUI画面とする。
【0082】
また、「携帯モード」においてカーナビ機能を活用する場合には、簡易カーナビゲーション用データ118内の簡易カーナビ地図データを利用した簡易カーナビプログラム117が動作する。
【0083】
一方、「カーナビモード」においてカーナビ機能を活用する場合には、例えば7インチ表示モニタ21用にデザインされた本格的なカーナビ地図データを内蔵したカーナビゲーション用データ122を利用したカーナビゲーション用プログラム121が動作する。
【0084】
「AVモード」を活用して過去にインターネット経由でダウンロードした楽曲データは、オーディオ用データ132として保存されている。また、インターネット経由でダウンロードした映画などの映像データは、ビデオ用データ134として保存されている。
【0085】
〔インターフェース〕
本実施の形態の車載マルチメディアシステム10は、車載マルチメディア入出力端末20と携帯情報端末40をいかなるインターフェースで接続するかが重要である。本実施の形態では、車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51とをコネクタ70で接続している。このコネクタ70について説明する。
【0086】
本実施の形態では、携帯情報端末40として比較的高価な機器を想定し、車載マルチメディア入出力端末20はなるべく入出力機器だけの安価な構成を想定する。そのためには、携帯情報端末40においてデコードされたビデオ信号やオーディオ信号を非圧縮信号のまま伝送する必要がある。車載マルチメディア入出力端末20側において、ビデオ信号やオーディオ信号に対するデコーダ回路を不要にしてコスト低減を図るためである。
【0087】
現在存在するインターフェースの中で、このような目的に合致するインターフェースとしてはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)が存在する。
【0088】
HDMIは、薄型デジタル・テレビやDVDプレーヤ、ゲーム機などに備えられた、ハイビジョン映像と音声を1本のケーブルで伝送できるインターフェースである。本実施の形態では、車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51として、それぞれHDMI送信ブロックとHDMI受信ブロックに近いような機能を想定する。なお、HDMIはあくまで実施例におけるインターフェースの一例であり、車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51は、それぞれHDMI送信ブロックとHDMI受信ブロックに限定されるものではない。
【0089】
本実施の形態の車載マルチメディアシステム10は、車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ70で接続している。
【0090】
図8(a)は、HDMIのコネクタの外形を示す図、図8(b)は、HDMIのコネクタのピン配列を示す図である。また、図9は、HDMIの構成を示す図である。
【0091】
図9に示すように、HDMI送信ブロック210への入力信号211は、ビデオ信号であるB/Cb信号、G/Y信号、R/Cr信号とオーディオ信号、パケットデータから構成されている。入力信号211は、HDMI送信ブロック210へ入力されると、ビデオ信号とオーディオ信号が多重化され、さらに、これらの信号はパケットデータと多重化される。次に、HDCP(High Bandwidth Digital Content Protection)暗号化回路213で暗号化され、その後、送信部214のTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)エンコード回路215でデータの変化点が最小になるように8ビットデータが9ビットデータに変換され、さらに、1と0が連続しないように処理される。この信号は、TMDS回路216でパラレル/シリアル変換された後、差動ドライバーでHDMI送信ブロック210から出力される。
【0092】
この信号は、すぐにHDMI受信ブロック220に入力する。まず、TMDS回路221に入力され差動レシーバで受けた後、TMDS回路222によりシリアル/パラレル変換される。その後、この信号は、TMDSデコード回路223によりデコード処理され、HDCP復号化回路224により復号されて分離回路225に入力される。分離回路225は、復号された信号から、ビデオ信号であるB/Cb信号、G/Y信号、R/Cr信号とオーディオ信号をまず分離し、さらに、パケットデータを分離し、最後に、B/Cb信号、G/Y信号、R/Cr信号、オーディオ信号、パケットデータを復元する。TMDSは、オーディオと各種補助データを伝送するためにパケット構造を使用している。
【0093】
HDMI受信ブロック220側の車載マルチメディア入出力端末20のリソース情報をHDMI送信ブロック210側の携帯情報端末40のCPU53内の内部メモリ54に書き込むためには、DDC(Display Data Channel)230とEDID(Extended Display Identification)231などの仕様を、本実施の形態の車載マルチメディアシステム10用に拡張して使用する。また、HDMI受信ブロック220側の車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21にタッチして入力されたタッチパネル36の制御信号は、双方向通信が行える制御専用信号CEC(Consumer Electronics Control)232を拡張して対応する。
【0094】
車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51に採用したHDMIインターフェースには、DDC(Display Data channel)インターフェースを通じてディスプレイ情報(EDID:Extended Display Identification Data)を送信する機能がある。例えば、表示可能な画素数などのリソース情報を車載マルチメディア入出力端末20が携帯情報端末40に伝えることで、携帯情報端末40は車載マルチメディア入出力端末20のリソース情報に対応した最適なAV信号を車載マルチメディア入出力端末20に出力することができる。
【0095】
携帯情報端末40のI/F部51は、HDMIの送信側のコネクタである。マルチメディア入出力端末20に接続することなく、HDMIの受信側のコネクタを有する一般の機器に接続することもできる。例えば、携帯情報端末40のビデオ映像をHDMIの受信側のコネクタを有する薄型TVに接続して、その映像をテレビ画面に表示することができる。このような使い方ができるためにも、車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51とを接続するコネクタとして、現状のHDMIと互換性がある仕様にする。
【0096】
以下、上述のように構成されたマルチメディアシステム10の動作について説明する。
【0097】
<「携帯モード」起動>
携帯情報端末をいずれのマルチメディア入出力端末にも接続せずに起動すると、「携帯モード」で起動される。
【0098】
携帯情報端末用プログラム110のうち、「携帯モード」で最低限必要な部分のみ外部メモリ45からメモリ部58にロードされる。
【0099】
具体的には、外部メモリ45からメモリ部58にロードされるプログラムは、簡易メール用プログラム111と簡易インターネット接続用プログラム113のみにし、簡易オーディオ用プログラム115や簡易カーナビ用プログラム117は選択された場合のみ外部メモリ45からメモリ部58にロードする。つまり「携帯モード」において表示モニタのメニューで選択された場合のみ、簡易オーディオ用プログラム115や簡易カーナビ用プログラム117も利用できるように外部メモリ45からメモリ部58にロードする。
【0100】
簡易オーディオ用プログラム115や簡易カーナビ用プログラム117を格納するのに必要なメモリ容量はそれほど大きくないので、簡易プログラム全体を外部メモリ45からメモリ部58にロードする。しかし、簡易オーディオ用データ116は、保存している曲数が例えば1500曲程度になるとメモリ容量が4GB程度になるので、お好みホルダーに入っている曲や最近アクセスされた曲のみ外部メモリ45からメモリ部58にロードする。また、簡易カーナビ用データ118も保存している簡易日本地図でも1GB程度になるので、GPSデータを有効に利用して、例えば、現在車両が存在する周囲50km程度の地図のみ外部メモリ45からメモリ部58にロードする。
【0101】
このようにして外部メモリ45からメモリ部58にロードする簡易オーディオ用データ116と簡易カーナビ用データ118は、最低限のメモリ容量のプログラムに限定する。
【0102】
<「カーナビモード」起動>
携帯情報端末を車載マルチメディア入出力端末に接続して起動すると、「カーナビモード」で起動される。
【0103】
車載マルチメディアシステム用プログラム120のうち、「カーナビモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードされる。メモリ部58は、車載マルチメディアシステム用プログラム120のうち、「カーナビモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードする。例えば、外部メモリ45からメモリ部58にロードされるプログラムは、主要なプログラムであるカーナビゲーション用プログラム121である。さらに「カーナビモード」において表示モニタのメニューで選択された場合には、簡易インターネット接続用プログラム123や簡易オーディオ用プログラム125や簡易ビデオ用プログラム127も外部メモリ45からメモリ部58にロードする。
【0104】
<「AVモード」起動>
携帯情報端末をAV用マルチメディア入出力端末に接続して起動すると、「AVモード」で起動される。
【0105】
AV用プログラム130の内、「AVモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードされる。メモリ部58は、AV用プログラム130のうち、「カーナビモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードする。例えば、外部メモリ45からメモリ部58にロードされるプログラムは、主要なプログラムであるオーディオ(音楽再生)用プログラム131とビデオ(ビデオ再生)用プログラム133である。さらに、「AVモード」において表示モニタのメニューで選択された場合には、簡易インターネット接続用プログラム135も外部メモリ45からメモリ部58にロードする。
【0106】
<「ネットパソコンモード」起動>
携帯情報端末をネットパソコン用マルチメディア入出力端末に接続して起動すると、「ネットパソコンモード」で起動される。
【0107】
ネットパソコン用プログラム140の内、「ネットパソコンモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードされる。メモリ部58は、ネットパソコン用プログラム140のうち、「ネットパソコンモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードする。例えば、外部メモリ45からメモリ部58にロードされるプログラムは、主要なプログラムであるインターネット接続用プログラム用プログラム141とメール用プログラム143と文書・図表作成用プログラム145とである。さらに、「ネットパソコンモード」において表示モニタのメニューで選択された場合には、簡易オーディオ接続用プログラム147や簡易ビデオ用プログラム149aも外部メモリ45からメモリ部58にロードする。
【0108】
「AVモード」で本格的に音楽を聴く以外に、「携帯モード」で携帯電話をオーディオプレーヤのように使用して音楽を聴いたり、「カーナビモード」でカーナビ操作を行いながら音楽を聴いたり、「ネットパソコンモード」で文書を作成しながら音楽を聴いたりする人も多い。これらのモードでも表示モニタのメニューで選択することにより、それぞれのモードにおいて簡易オーディプログラムを外部メモリ45からメインメモリであるメモリ部58にロードするようにする。
【0109】
但し、メモリ部58のメモリ容量は限られているので、本発明のマルチメディアシステムが「カーナビモード」で起動されたとしても、車載マルチメディアシステム用プログラム120の内、外部メモリ45からメモリ部58にロードされるのは、動作上最低限の内容にとどめ、それ以外の内容は外部メモリ45に残しておく。特に、「カーナビモード」における地図情報は容量が大きいので、日本全国の地図全部すべてをメモリ部58にロードすることはできない。現在の動作に必要な最低限のデータのみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードする。
【0110】
<各モード起動の適用例>
本実施の形態の車載マルチメディアシステム10が、「AVモード」で起動されたとしても、AV用プログラム130の内、外部メモリ45からメモリ部58にロードされるのは、動作上最低限の内容にとどめ、それ以外の内容は外部メモリ45に残しておく。特に、「AVモード」における音楽データやビデオデータは膨大なこともあるので、その場合すべてをメモリ部58にロードすることはできない。選別基準を明確にして、現在の動作に必要な最低限のデータのみ、外部メモリ45からメモリ部58にロードする。但し、使用するデータがメモリ部58に無かったとしても、外部メモリ45は、HDD又はNANDフラッシュメモリで構成されているので、メモリ部58にデータが格納されている場合と比較して極端にアクセス速度が遅くなることは無い。
【0111】
図3に示したように外部メモリ45には携帯情報端末用プログラム110、車載マルチメディアシステム用プログラム120、AVシステム用プログラム130、ネットパソコン用プログラム140が格納されている。例えば、簡易オーディオプログラムは、「携帯モード」「カーナビモード」「ネットパソコンモード」にも存在するが、簡易オーディオプログラム115と簡易オーディオプログラム125と簡易オーディオプログラム147を以下のような方針で設計し、それらの間の相違を少なくする。
【0112】
(1)簡易オーディオデータ116、簡易オーディオデータ126、簡易オーディオデータ148は同じデータを用いる。
【0113】
(2)簡易オーディオプログラム115、簡易オーディオプログラム125、簡易オーディオプログラム147間の相違はUIとその相違に伴うプログラムのみとする。
【0114】
このように簡易オーディオプログラム115、簡易オーディオプログラム125、簡易オーディオプログラム147を設計することにより、図3に示した外部メモリ45は、図4(a)のように再構成することができる。
【0115】
次に、図4(a)を用いて外部メモリ160からメモリ部58にロードすることが可能なプログラムを具体的に説明する。図4(a)中、太い矢印は主要なプログラムをロードすることを表し、細い矢印は簡易プログラムをロードすることを表している。
【0116】
本実施の形態のマルチメディアシステム10が、「携帯モード」で起動するときには、携帯情報端末用プログラム151として外部メモリ160からメモリ部58に簡易メールプログラム162と簡易インターネット接続用プログラム164と簡易オーディオ用プログラム166と簡易カーナビ用プログラム172をロードする。
【0117】
本実施の形態のマルチメディアシステム10が、「カーナビモード」で起動するときには、車載マルチメディアシステム用プログラム152として外部メモリ160からメモリ部58に簡易インターネット接続用プログラム164と簡易オーディオ用プログラム166と簡易ビデオ用プログラム168とカーナビ用プログラム173をロードする。
【0118】
本実施の形態のマルチメディアシステム10が、「AVモード」で動作するときには、AVシステム用プログラム153として外部メモリ160からメモリ部58に簡易インターネット接続用プログラム164とオーディオ用プログラム167とビデオ用プログラム169をロードする。
【0119】
本実施の形態のマルチメディアシステム10が、「ネットパソコンモード」で起動するときには、ネットパソコン用プログラム154として外部メモリ160からメモリ部58にメール用プログラム163とインターネット接続用プログラム165と文書・図表作成用プログラム171と簡易オーディオ用プログラム166と簡易ビデオ用プログラム168をロードする。
【0120】
簡易オーディオ用プログラム166は「携帯モード」と「カーナビモード」と「ネットパソコンモード」で動作する場合でも、外部メモリ160からメモリ部58にロードされるが、それぞれ表示モニタの大きさが異なるため、異なったUIを表示する。その違いのデータを図4(b)に示す。
【0121】
図4(b)は、「携帯モード」と「カーナビモード」と「ネットパソコンモード」の異なったUIのデータを示す図である。
【0122】
図4(b)において、番号175のUI(1)には、「携帯モード」用のUI画面用のデータとその相違に伴うプログラムが、番号176のUI(2)には「カーナビモード」用のUI画面用のデータとその相違に伴うプログラムが、番号177のUI(3)には「ネットパソコンモード」用のUI画面用のデータが格納されている。また、番号178のUI(3)(4)には「AVモード」用のUI画面用のデータとその相違に伴うプログラムが格納されている。
【0123】
簡易オーディオ用プログラム166はオーディオ用プログラム167の一部を構成している。番号175のUI(1)、番号176のUI(2)、番号177のUI(3)は簡易オーディオ用プログラム166の一部を構成し、178のUIさん(4)はオーディオ用プログラム167の一部を構成している。簡易オーディオ用プログラム166の番号175のUI(1)、番号176のUI(2)、番号177のUI(3)以外の部分は、簡易オーディオ用プログラム166にも内蔵されている、音の強弱の調整機能や音楽の進行制御などの音楽再生のための主要な機能のプログラムである。また、オーディオ用プログラム167の簡易オーディオ用プログラム166と番号177のUI(3)以外の部分には、イコライザー機能や音場制御などの高音質な音楽再生のための機能のプログラムが内蔵されている。オーディオ用プログラム167と簡易オーディオ用プログラム166とは、それぞれオーディオ用データと簡易オーディオ用データを持っているが、ここでは共通に1つのデータを持つものとする。但し、図4(a)(b)においては、オーディオ用データと簡易オーディオ用データの図示を省略している。ビデオ用データと簡易ビデオ用データなどに関しても同様に図示していない。
【0124】
簡易オーディオ用プログラム166は、「携帯モード」と「カーナビモード」と「ネットパソコンモード」で動作する場合でも、外部メモリ160からメモリ部58にロードされるが、それぞれ表示モニタの大きさが異なるため異なったUIを表示する。その違いのデータを図5に示す。
【0125】
図5は、簡易オーディオプログラム115、簡易オーディオプログラム125、簡易オーディオプログラム147の場合のUI画面の相違を示す図である。
【0126】
図5(a)は、「携帯モード」において簡易オーディオプログラム115を起動した場合のUI画面401を示し、図5(b)は、「カーナビモード」において簡易オーディオプログラム125を起動した場合のUI画面402を示し、図5(c)は、「ネットパソコンモード」においてメール用プログラム143を起動した場合のUI画面403を示している。
【0127】
参考までに図6に簡易メール用プログラム111とメール用プログラム143の場合のUI画面の相違を示す。
【0128】
簡易メール用プログラム111は「携帯モード」で動作し、メール用プログラム143は「ネットパソコンモード」で動作する場合の例を示している。
【0129】
図6(a)の番号411は「携帯モード」において簡易メール用プログラム111を起動した場合のUI画面を示し、図6(b)の番号412は「ネットパソコンモード」においてメール用プログラム143を起動した場合のUI画面を示している。
【0130】
メール用プログラム163のメールボックスの画面において、受信トレイと送信トレイが表示されている。受信トレイには「受信」「下書き」「送信済み」「ゴミ箱」のメニューがあり、「受信」のメニューを選択すると、受信しているメールの内容が画面の右半分の「受信メール」の欄に表示される。
【0131】
このように、各モード間でプログラムを使いまわすことで、データの重複をなくし、外部メモリ45に格納されるプログラムとデータのメモリ容量を低減する、例えば100GB以下にすることが可能である。
【0132】
次に、本実施の形態の車載マルチメディアシステム10の「カーナビモード」動作の詳細について説明する。
【0133】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53が、携帯情報端末40を「カーナビモード」で起動すると、CPU53は、外部メモリ45(図3参照)に保存されている車載マルチメディア端末用プログラム110を、外部メモリ45からメモリ部58にロードする。但し、カーナビゲーション用の地図のデータに関しては、日本国中の地図のデータは大容量であるため、例えば、GPSを利用して現在位置を測位し、現在位置から周囲50km程度のデータのみ外部メモリ45からメモリ部58に保存する。このようプログラムすることにより、メモリ部58のメモリ容量を節約しながら、違和感のない「カーナビモード」を実現することができる。
【0134】
CPU53が、携帯情報端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55とインターネット接続部56とAVデータ記録、再生機能部57とメモリ部58と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42を「カーナビモード」で起動すると、車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21に図7aのようなメニューが表示される。
【0135】
図7(a)は、車載マルチメディアシステム10が「カーナビモード」で起動された場合に、車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21に表示されるメニューの一例を示す図である。
【0136】
車載マルチメディアシステム10が「カーナビモード」で起動されたことを示すため、この画面のトップに「車載マルチメディアシステム」181のタイトルが表示される。
【0137】
ここでは「ナビゲーション」182、「インターネット接続」183、「オーディオ(音楽再生)」184、「ビデオ(ビデオ再生)」185以外に、オプション機能である、車両のバックをモニタする「リアビューカメラ」186の機能に車載マルチメディア入出力端末20が対応している場合を示している。カーナビを操作する人は、「ナビゲーション」182、「インターネット接続」183、「オーディオ(音楽再生)」184、「ビデオ(ビデオ再生)」185、「リアビューカメラ」186の機能メニューからタッチパネル36により、利用したい機能を選択する。図7(b)は、図7(a)において「ナビゲーション」182を選択した時に車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21に表示される画面である。
【0138】
この「ナビゲーション 目的地検索」191の画面を利用して目的地検索の方法を「名称」192、「住所」193、「主要施設」194、「登録ポイント」195の中から、タッチパネル36により選択する。
【0139】
「ナビゲーション」と「オーディオ(音楽再生)」の機能を同時に楽しみたい人は、「戻る」のポインタ196をクリックして、一旦図7aのトップ画面に戻り、「オーディオ(音楽再生)」184をクリックして、操作を続ける。
【0140】
本実施の形態の車載マルチメディアシステム10を「カーナビモード」で起動していても、車両に乗っている人が音楽を聞きたい場合もある。本実施の形態では、以下の対策を採る。すなわち、起動時に車載マルチメディアシステム用プログラム120のカーナビゲーション用プログラム121のみ外部メモリ部45からメモリ部58にロードしている場合であっても、表示モニタ21のメニューから選択することにより簡易オーディオプログラム125を、追加して外部メモリ45からメモリ部58にロード可能にする。この場合、一部の曲のみが外部メモリ45からメモリ部58にロードされる。一部の曲の選別の仕方としていくつかの方法が存在する。例えば、お好みホルダーに入った曲や最近アクセスしたアルバムの曲にする方法などがある。メモリ部58にロードされていない曲を選別した場合、その曲のデータを外部メモリ45からロードする。
【0141】
以上説明したように「カーナビモード」において、さらに簡易な「オーディオ(音楽再生)」の機能を立ち上げたいときには、一旦図7(a)のトップ画面に戻り、「オーディオ(音楽再生)」184をクリックして操作を続ける仕様にする。こうすることにより、携帯情報端末用信号処理部50のCPU53は、「カーナビモード」において外部メモリ部45からメモリ部58にロードしている現状のメモリ容量がいくらあり、簡易な「オーディオ(音楽再生)」の機能を立ち上げるのにどの位メモリ部58のメモリ容量を必要になるかを演算する。
【0142】
ここで、(1)「カーナビモード」において外部メモリ部45からメモリ部58にロードしている現状のメモリ容量+(2)簡易な「オーディオ(音楽再生)」の機能を立ち上げるのに必要なメモリ容量が(3)メモリ部58のメモリ容量より大きい場合は、外部メモリ45からメモリ部58にロードしているカーナビゲーション用の地図のデータのデータ量を削減する。
【0143】
例えば、「カーナビモード」単独で動作している場合は、GPSを利用して現在位置を測位し、現在位置から周囲50kmのデータの地図を外部メモリ45からメモリ部58にロードしている。このとき、現在位置から周囲30kmのデータの地図のみ保存し、それ以外の地図データを開放する。こうすることにより、簡易な「オーディオ(音楽再生)」の機能を立ち上げるのに必要なメモリ部58のメモリ容量を確保する。
【0144】
また、本発明のカーナビの地図は、表示する地図の倍率により精度の異なる地図のレイヤを持っている。カーナビゲーション用プログラムではすべての倍率のレイヤの地図と全ての機能のプログラムを用いるが、簡易カーナビ用プログラムでは低倍率のレイヤの地図と限られた機能のプログラムのみ用いる。つまり、「携帯モード」では限定された機能のみでカーナビ機能を実現している。具体的に説明する。
【0145】
「携帯モード」では、位置特定機能、経路探索機能、経路案内機能、地図表示機能などの、カーナビ本来の機能のみに限定している。
【0146】
一方、「カーナビモード」においては、「携帯モード」における機能のほかに、拡張機能である「上空位置に視点を置いて表示する鳥瞰図機能」「主要な交差点やインターチェンジ付近を擬似3次元や実映像を表示する機能」などの機能を装備している。
【0147】
外部メモリ45には、一つのカーナビの地図しかないが、「カーナビモード」と「携帯モード」ではメモリ部58にロードするカーナビの地図を変えることもできる。カーナビゲーション用プログラムでは、すべての倍率のレイヤの地図をメモリ部にロードする一方、簡易カーナビ用プログラムでは低倍率のレイヤの地図のみメモリ部にロードする。
【0148】
さらに、例えば、現在車両が存在する周囲50km程度の地図のみ外部メモリ45からメモリ部58にロードする。このようにして外部メモリ45からメモリ部58にロードする簡易オーディオ用データ116と簡易カーナビ用データ118を現時点の動作に必要なデータに限定する。
【0149】
また、「カーナビモード」と「携帯モード」において、それぞれの表示ディスプレイのサイズにあった倍率のレイヤの地図を用いるようにプログラムを作成することが見やすいカーナビの地図画面として重要である。
【0150】
図10(a)は、「携帯モード」において簡易カーナビ機能を使用した場合に携帯情報端末40の表示モニタ43に表示されるカーナビ画面の一例を示す図である。
【0151】
図10(a)に示すように、携帯情報端末用プログラム110の簡易カーナビ用プログラム117を外部メモリ45からメモリ部58にロードし、携帯情報端末を「携帯モード」で動作させながらカーナビ機能を活用することも可能である。このカーナビ画面は、携帯情報端末40の表示モニタ43が3.5インチ程度であり、使用するカーナビ用のプログラムも簡易カーナビ用プログラム117であるため、簡単な地図しか表示できない。
【0152】
それに対して、図10(b)は、車載マルチメディアシステムを「カーナビモード」において、カーナビ機能を使用した場合に、車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21に表示されるカーナビ画面である。図10(c)は、「カーナビモード」においてさらに簡易オーディオ用プログラムを稼働している場合である。番号234は曲の進行を制御する表示である。
【0153】
この場合は、車載マルチメディアシステム用プログラム120のカーナビゲーション用プログラム121を外部メモリ45からメモリ部58にロードし、車載マルチメディアシステム10を「カーナビモード」で動作させている。このカーナビ画面は、車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21が7インチ程度であり、使用するカーナビ用のプログラムもカーナビゲーション用プログラム121であるため、比較的詳細な地図や制御記号などを表示することができる。
【0154】
両者の相違は単に携帯情報端末40の表示モニタ43が3.5インチ程度であり、車載マルチメディア入出力端末20の表示モニタ21が7インチ程度であることだけではない。車載マルチメディア入出力端末20にどのような機器のどのようなスペックのものが装備されているかとのリソース情報を車載マルチメディア入出力端末20のCPU33が携帯情報端末40のCPU53に知らせ、携帯情報端末40のCPU53がこのリソース情報に基づき、携帯情報端末40の車載マルチメディアシステム用プログラム120のカーナビゲーション用プログラム121を外部メモリ45からメモリ部58にロードし、車載マルチメディアシステム10を「カーナビモード」で動作させているからである。つまり、「携帯モード」では限定された機能のみでカーナビ機能を実現している。
【0155】
以上、車載マルチメディアシステム10の機能について、必須機能としての表示モニタとオーディオについて説明した。
【0156】
以上詳細に説明したように、本実施の形態によれば、マルチメディアシステム10は、他からのリソース情報をもとにプログラムを起動することによりマルチメディア機器として機能する携帯情報端末40と、携帯情報端末40にリソース情報を供給し、かつ携帯情報端末40からのデータを出力するマルチメディア入出力端末20と、を備える。携帯情報端末40は、複数のプログラムを格納する外部メモリ45と、外部端末と接続するHDMI規格I/F部51と、HDMI規格I/F部51を介して読み取ったリソース情報に基づき、外部メモリ45からプログラムを読み出し、読み出したプログラムを格納するメモリ部58と、メモリ部58に格納されたプログラムを実行するCPU53と、を備える。CPU53は、外部メモリ45に格納された複数のプログラムのうち、各プログラム間で同一の機能プログラムについては共有して使用する。
【0157】
これにより、複数のプログラム間でプログラム実行に際し必要となる機能を共通にできるため、従来、複数機種を用いて実現していた機能を1つの携帯端末、又は、1つの携帯端末と外部端末で実現でき、複数の機能をより安価に手に入れることが可能である。
【0158】
また、ユーザが必要とする機能を実現するためのプログラムが入ったハードを別々に保有しなければならなかったものが、1つの携帯端末、又は、1つの携帯端末と外部端末で実現できるため利便性向上につながる。
【0159】
また、携帯端末購入時に必要としたプログラムのほかに、その後、ユーザがほしいと思った機能については、携帯端末にインターネットからダウンロードすることで追加で入手することが可能になる。
【0160】
このように、本実施の形態では、携帯情報端末40を購入すれば、安価なマルチメディア入出力端末20を購入するだけで、さまざまな機能を享受することができる。
【0161】
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1に、オプション機能のリアビューカメラ機能を追加する例である。
【0162】
図11は、本発明の実施の形態2に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図である。図1と同一構成部分には、同一番号を重複箇所の説明を省略する。
【0163】
図11に示すように、車載マルチメディアシステム100は、車載マルチメディア入出力端末20に対してリアビューカメラ101が追加され、車載マルチメディア入出力端末用信号処理部30にビデオ入力部102が追加される。
【0164】
「リアビューカメラ101」のリソース情報を追加して記録するためには、以下のような操作により車載マルチメディア入出力端末20のCPU33の内部メモリ34の不揮発性メモリ部に追加されるリアビューカメラのリソース情報を書き込む。追加することができる機器は、前記〔表1〕のようにメニューにリストアップされている、携帯情報端末40が対応可能な機器に限定される。
【0165】
車載マルチメディア入出力端末20の電源を単独で「オン」すると、CPU33はその内部メモリ34のブートプログラムが走り、表示モニタ21に内部メモリ34の必須機能である表示モニタ、オーディオとオプション機能のリアビューカメラ機能、リアシートでのSDでビデオ視聴機能などの機能一覧表が表示される。
【0166】
車載マルチメディア入出力端末20にリソースを追加する場合、ユーザは、タッチパネル36を使用して今回追加したリアビューカメラ機能をタッチしてCPU33の内部メモリ34の不揮発性メモリ部に追加したリソース情報を入力する。
【0167】
車載マルチメディア入出力端末20のI/F部31と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ70で接続されている。このI/F信号の中に電源電位のラインとグランド電位のラインが含まれているので、携帯情報端末40の携帯情報端末用信号処理部50の電源電位、グランド電位はこれから供給される。
【0168】
車載マルチメディア入出力端末20のCPU33がその内部メモリ34の不揮発性メモリ部に記録されている必須機能、オプション機能の内容であるリソース情報を読み出す。その後、車載マルチメディア入出力端末20のCPU33は、そのリソース情報を携帯情報端末用信号処理部50のCPU53の内部メモリ54に、携帯情報端末40が単独で動作する「携帯モード」ではなく、車載マルチメディア入出力端末20と連携して動作する「カーナビモード」に変更になっているとの情報と共にI/F部31とI/F部51経由で書き込む。
【0169】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53は、この過程で、今回リアビューカメラ機能が追加されていることを検出し、これらの情報をもとに携帯情報端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55とインターネット接続部56とAVデータ記録、再生機能部57とメモリ部58と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、外部メモリ45とを共にリアビューカメラ機能が追加された「カーナビモード」として起動する。
【0170】
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1の変形例である。
【0171】
実施の形態1は、車載マルチメディア入出力端末20にCPU33を内蔵して、CPU33が、内部メモリ34に車載マルチメディア入出力端末20が装備するリソース情報を書き込む。しかし、車載マルチメディア入出力端末20を低価格に設計するために、実施の形態3では、車載マルチメディア入出力端末20にCPUを内蔵しない。
【0172】
図12は、本発明の実施の形態3に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図である。図1と同一構成部分には、同一番号を重複箇所の説明を省略する。
【0173】
車載マルチメディアシステム510は、車載マルチメディア入出力端末520と、携帯情報端末40とから構成される。
【0174】
車載マルチメディア入出力端末520は、表示モニタ521とスピーカ522とバッテリ523と電源回路524と車載マルチメディア入出力端末用信号処理部530とで構成されており、車載マルチメディア入出力端末用信号処理部530は、さらに、I/F部531と内部バス532と書き換え可能な不揮発性メモリで構成された内部メモリ534と表示モニタ制御部535とタッチパネル536とオーディオ出力部537とバッテリ制御部538で構成されている。
【0175】
携帯情報端末40は、I/F部51の機能が少し異なる。
【0176】
車載マルチメディアシステム510は、EDID(Extened Display Identification Data)とDDCと呼ぶ2つの技術によりプラグ・アンド・プレイを実現している。例えば、車載マルチメディア入出力端末520と携帯情報端末40を繋いで、携帯情報端末40のCPU53が出力する映像信号を車載マルチメディア入出力端末520の表示モニタ521で表示する場合、携帯情報端末40のCPU53が出力する映像信号を車載マルチメディア入出力端末520の表示モニタ521が対応する「周波数」「解像度」にする必要がある。このために、車載マルチメディア入出力端末520の表示モニタ521が対応する「周波数」「解像度」などの情報を車載マルチメディア入出力端末520のリソース情報として車載マルチメディア入出力端末520の内部メモリ534にあらかじめ書き込む必要がある。
【0177】
車載マルチメディア入出力端末520と携帯情報端末40とが接続した状態で起動されると、携帯情報端末40のCPU53は、書き込まれた車載マルチメディア入出力端末520のリソース情報であるEDIDをHDMIインターフェースのDDC機能を用いて読み出す。以下にもう少し具体的に説明する。
【0178】
<EDIDデータの書き込みモード>
購入時に車載マルチメディア入出力端末520のリソース情報が内部メモリ534の不揮発性メモリ部に記録されているためには、車載マルチメディア入出力端末520を販売する前に、以下のような処理をして、車載マルチメディア入出力端末520の内部メモリ534の不揮発性メモリ部に車載マルチメディア入出力端末520リソース情報を書き込む必要がある。
【0179】
車載マルチメディア入出力端末520のリソース情報は、EDIDであり、書き込むアドレスやデータ形式は規格で決められている。この規格でカバーできない内容に関しては拡張規格を検討する。具体的には、以下のように行う。
【0180】
まず、携帯情報端末40を用いて車載マルチメディア入出力端末520の内部メモリ534の不揮発性メモリ部にリソース情報を書き込むため、車載マルチメディア入出力端末520と携帯情報端末40をコネクタで接続した状態にする。その後、携帯情報端末40のCPU53が、I/F部51とI/F部531経由で、リソース情報をHDMIインターフェースのDDC機能を用いて車載マルチメディア入出力端末520の内部メモリ534の不揮発性メモリ部に書き込む。
【0181】
次に、車載マルチメディア入出力端末520は、車載マルチメディア入出力端末520の電源回路524を携帯情報端末40と接続した状態で「オン」すると、携帯情報端末40のCPU53では、その内部メモリ54のブートプログラムが走る。I/F部51とI/F部531経由で、携帯情報端末40のCPU53の内部メモリ54に書き込まれた車載マルチメディア入出力端末520のリソース情報をHDMIインターフェースのDDC機能を活用してSDA、SCL端子を用いて車載マルチメディア入出力端末520の内部メモリ534の不揮発性メモリ部に書き込む。
【0182】
<EDIDデータの読み出しモード>
車載マルチメディア入出力端末520の内部メモリ534の不揮発性メモリ部に書き込まれたリソース情報を読み出す場合は以下のように行う。
【0183】
車載マルチメディア入出力端末520は、車載マルチメディア入出力端末520の電源回路524を携帯情報端末40と接続した状態で「オン」すると、携帯情報端末40のCPU53は、内部メモリ54のブートプログラムが走る。これにより、I/F部51とI/F部531経由で、車載マルチメディア入出力端末520の内部メモリ534の不揮発性メモリ部に書き込まれたリソース情報が、HDMIインターフェースのDDC機能を活用してSDA、SCL端子を用いて読み出され、携帯情報端末40のCPU53の内部メモリ54に書き込まれる。
【0184】
車載マルチメディア入出力端末520のリソース情報は、EDID(Extened Display Identification Data)であり、書き込むアドレスやデータ形式は規格で決められている。なお、この規格でカバーできない内容に関しては拡張規格を検討する必要がある。
【0185】
その後、携帯情報端末用信号処理部50のCPU53は、これらの情報をもとに携帯情報端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55とインターネット接続部56とAVデータ記録、再生機能部57とメモリ部58と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、外部メモリ45とを共に「カーナビモード」で起動する。この後の動作は、実施の形態1で説明した内容と同様なため省略する。
【0186】
以上、実施の形態1乃至3では、本発明のマルチメディアシステムを、車載マルチメディアシステムに適用した例について説明した。
【0187】
次に、本発明のマルチメディアシステムを、ネットパソコン向けマルチメディアシステムに適用する例を実施の形態4により説明する。
【0188】
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態4は、本発明のマルチメディアシステムを、ネットパソコン向けマルチメディアシステムに適用した例である。ネットパソコン向けマルチメディアシステムとは、マルチメディア入出力端末がネットパソコン向けマルチメディア入出力端末である場合をいう。図1と同一構成部分には、同一番号を重複箇所の説明を省略する。
【0189】
図13に示すように、ネットパソコン向けマルチメディアシステム310は、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320と、携帯情報端末40とから構成される。
【0190】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320は、表示モニタ321、スピーカ322、バッテリ323、電源回路324、キーボード/マウス325、及びネットパソコン向けマルチメディア入出力端末用信号処理部330を備える。
【0191】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末用信号処理部330は、I/F部331、内部バス332、CPU333、内部メモリ334、表示モニタ制御部335、タッチパネル336、オーディオ出力部337、バッテリ制御部338、及びキーボード/マウス制御部339を備える。
【0192】
携帯情報端末40は、GPSアンテナ41、携帯情報端末用アンテナ42、表示モニタ43、スピーカ44、外部メモリ45、バッテリ46、及び携帯情報端末用信号処理部50を備える。
【0193】
携帯情報端末用信号処理部50は、I/F部51、内部バス52、CPU53、内部メモリ54、ナビゲーション機能部55、インターネット接続部56、AVデータ記録・再生機能部57、メモリ部58、表示モニタ制御部60、オーディオ出力部61、外部メモリコントローラ62、及びバッテリ制御部63を備える。
【0194】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320のI/F部331と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ370により接続されている。
【0195】
図14は、ネットパソコン向けマルチメディアシステム350の構成を模式的に示す図である。
【0196】
図14に示すように、ネットパソコン向けマルチメディアシステム350は、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351と、携帯情報端末352とから構成される。
【0197】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351は、表示モニタ353と、キーボード部と一体になったネットパソコン向けマルチメディア入出力端末の筐体354とを備える。
【0198】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351と携帯情報端末352は、共に電源がオフの状態で分離されている(図14(a)参照)。
【0199】
通常、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351は、家の机の上などに置かれている。一方、携帯情報端末352は、所有者が携帯電話として持ち歩いている。
【0200】
携帯情報端末352は、「携帯モード」「カーナビモード」「AVモード」「ネットパソコンモード」の4つのモードで動作するように構成されている。この場合、携帯情報端末352は、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351に接続されていないので、既定モードである「携帯モード」で動作している。
【0201】
携帯情報端末352の所有者は、帰宅後、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351の筐体354をひっくり返す(図14(b)参照)。
【0202】
携帯情報端末352の所有者は、ネットパソコン向けマルチメディアシステム350を使用する場合、ネットパソコン向けマルチメディアシステム350の裏面360にある携帯情報端末の収納ボックス361のつまみ362を使用して、携帯情報端末の収納ボックス361のフタを開ける。
【0203】
携帯情報端末352の所有者は、ネットパソコン向けマルチメディアシステム350を使用すべく、ネットパソコン向けマルチメディアシステム350の裏面360にある携帯情報端末の収納ボックス361つのつまみ362を使用して、携帯情報端末の収納ボックス361つのフタを開ける。ネットパソコン向けマルチメディアシステムの裏面360にある収納ボックス361つの中のコネクター(図示せず)に携帯情報端末352を装着し、収納ボックス361つのフタを閉じる。
【0204】
その後、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351つの電源(図示せず)を「オン」し、図11のネットパソコン向けマルチメディアシステム310に電圧が供給され、表示モニタ321と、スピーカ322と、キーボード/マウス325とネットパソコン向けマルチメディア入出力端末用信号処理部330が動作し始める。
【0205】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320の最小限ハードウェア構成は、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末用信号処理部330以外には、表示モニタ321と、スピーカ322と、キーボード/マウス325だけである。
【0206】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320は、ネットパソコン機能以外にAV機能を備える。この場合、音楽はスピーカ322で聴くし、ビデオ映像は表示モニタ321とスピーカ322で視聴する。
【0207】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320は、CPU333の内部メモリ334の不揮発性メモリ部にリソース情報を記憶する。
【0208】
CPU33の内部メモリ334の不揮発性メモリ部には、以下の処理をして、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320のリソース情報を書き込む。
【0209】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320の電源を単独で「オン」すると、CPU333はその内部メモリ334のブートプログラム(図示せず)が走り、表示モニタ321に必須機能である表示モニタ、オーディオとオプション機能のリアビューカメラ機能、リアシートでのSDビデオ視聴機能などの機能一覧表を表示する。タッチパネル36を使用して、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320が具備している機能にタッチして、CPU33の内部メモリ34の不揮発性メモリ部にリソース情報を入力する。
【0210】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320の電源回路324には、コンセントから電源が供給されている。この電源はバッテリ323に供給され、これを充電するとともにバッテリ制御回路338を経由してI/F331に接続されている。電源回路324を「オン」すると、まず、CPU333がその内部メモリ334の不揮発性メモリ部に記録されている必須機能、オプション機能の内容であるリソース情報を読み出す。
【0211】
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320のI/F部331と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ370で接続されている。このI/F信号の中に電源電位のライン、グランド電位のラインが含まれているので、携帯情報端末40の携帯情報端末用信号処理部50の電源電位、グランド電位はこれから供給される。なお、携帯情報端末用信号処理部50以外のブロックであるGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、表示モニタ43と、スピーカ44と、外部メモリ45などの消費電力は多少大きいが、これらの電源電位、グランド電位も、I/F部331とI/F部51から内部バス52、バッテリ制御部63経由でバッテリ46に充電された電力をもとに供給される。
【0212】
〔携帯情報端末40における各モード起動〕
ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320のCPU33は、内部メモリ34の不揮発性メモリ部に記録されている前記必須機能、及び前記オプション機能の内容であるリソース情報を読み出す。
【0213】
その後、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320のCPU33は、I/F部31及び携帯情報端末40のI/F部51を経由して、携帯情報端末用信号処理部50のCPU53の内部メモリ54に、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320のリソース情報を書き込む。
【0214】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53は、リソース情報及び動作モード切替情報基づいて、携帯情報端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55と、インターネット接続部56と、AVデータ記録・再生機能部57と、メモリ部58と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、外部メモリ45とを共に「ネットパソコンモード」で起動する。
【0215】
「ネットパソコンモード」においては、携帯情報端末40の表示モニタ43と、スピーカ44への電気的な接続は解除され、これらのリソースに代わってネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320の表示モニタ321とスピーカ322とが使用される。
【0216】
この場合、低消費電力化のために携帯情報端末用信号処理部50の表示モニタ制御部60と、オーディオ出力部61つのブロックの電源を遮断するように設計する。
【0217】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53が携帯情報端末40を「ネットパソコンモード」で起動すると、CPU53は図3の外部メモリ45に保存されているネットパソコン用プログラム140を、外部メモリ45からメモリ部58にロードする。
【0218】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53は、携帯端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55と、インターネット接続部56と、AVデータ記録、再生機能部57と、メモリ部58と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42が「ネットパソコンモード」で起動される。例えば、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320の表示モニタ321に図15(a)に示すようなメニューを表示する。
【0219】
図15(a)は、ネットパソコン向けマルチメディアシステム310が「ネットパソコンモード」で起動された場合のネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320の表示モニタ321のメニューの一例を示す図である。
【0220】
ネットパソコン向けマルチメディアシステム310が「ネットパソコンモード」で起動されたことを示すため、この画面のトップに「ネットパソコン向けマルチメディアシステム」361つのタイトルが表示されている。
【0221】
「インターネット接続」362、「メール作成」363、「文書・図表作成」364、「オーディオ(音楽再生)」365、「ビデオ(ビデオ再生)」366のメニューからタッチパネル336により、利用したい機能を選択する。
【0222】
また、図15(b)は、図15(a)において「文書・図表作成」364を選択した時に表示される画面である。
【0223】
この「文書・図表作成」371画面を利用して、作業内容を「文書作成」372、「表作成」373、「図作成」374の中から、タッチパネル336により選択する。「文書作成」372を選択すると、マイクロソフトの文章用作成ソフトの「ワード」(商標)相当のソフトが起動し、「表作成」373を選択すると、マイクロソフトの表用作成ソフトの「エクセル」(商標)相当のソフトが起動し、「図作成」374を選択すると、マイクロソフトの図用作成ソフトの「ペイント」(商標)相当のソフトが起動する。
【0224】
このように、本実施の形態では、携帯情報端末40を購入すれば、安価なネットパソコン向けマルチメディア入出力端末320を購入するだけで、AV機器、パソコン、カーナビ、タブレット端末の機能を享受することができる。
【0225】
(実施の形態5)
図16は、本発明の実施の形態5に係るマルチメディアシステムの構成を示すブロック図である。実施の形態5は、本発明のマルチメディアシステムを、タブレットシステムに適用した例である。図1と同一構成部分には、同一番号を重複箇所の説明を省略する。
【0226】
図16に示すように、タブレットシステム1010は、タブレット入出力端末1020と、携帯情報端末40とから構成される。
【0227】
タブレット入出力端末1020は、表示モニタ1021、スピーカ1022、バッテリ1023、電源回路1024、及びタブレット入出力端末用信号処理部1030を備える。
【0228】
タブレット入出力端末用信号処理部1030は、I/F部1031、内部バス1032、CPU1033、内部メモリ1034、表示モニタ制御部1035、タッチパネル1036、オーディオ出力部1037、及びバッテリ制御部1038を備える。
【0229】
携帯情報端末40は、GPSアンテナ41、携帯情報端末用アンテナ42、表示モニタ43、スピーカ44、外部メモリ1045、バッテリ46、及び携帯情報端末用信号処理部50を備える。
【0230】
携帯情報端末用信号処理部50は、I/F部51、内部バス52、CPU53、内部メモリ54、ナビゲーション機能部55、インターネット接続部56、AVデータ記録・再生機能部57、メモリ部58、表示モニタ制御部60、オーディオ出力部61、外部メモリコントローラ62、及びバッテリ制御部63を備える。
【0231】
タブレット入出力端末1020のI/F部1031と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ1070で接続されている。
【0232】
CPU内部53の内部メモリ54には、携帯情報端末40のリアルタイム性の高いOSプログラムやメモリ管理などの最重要なプログラムが書き込まれている。
【0233】
図17は、タブレットシステム1010の構成を模式的に示す図である。
【0234】
図17に示すように、タブレッシステム1350は、タブレット入出力端末1351と、携帯情報端末1352とから構成される。
【0235】
タブレット入出力端末1351は、表示モニタ1353、タブレット入出力端末の筐体1354、及びタブレット端末用のペン1355を備える。
【0236】
タブレット入出力端末1351と携帯情報端末1352は、共に電源がオフの状態で分離されている(図17(a)参照)。
【0237】
通常、タブレット入出力端末1351は、家の机の上などに置かれている。一方、携帯情報端末1352は、所有者が携帯電話として持ち歩いている。
【0238】
携帯情報端末1352は、「携帯モード」「タブレットモード」「AVモード」「ネットパソコンモード」の4つのモードで動作するように構成されている。この場合、携帯情報端末1352は、タブレット入出力端末1351に接続されていないので、既定モードである「携帯モード」で動作している。
【0239】
携帯情報端末1352の所有者は、帰宅後、タブレット入出力端末1351つの筐体1354をひっくり返す(図17(b)参照)。携帯情報端末1352の所有者は、タブレッシステム1350を使用すべく、タブレット入出力端末1351つの裏面1360にある携帯情報端末の収納ボックス1361つのつまみ1362を使用して、携帯情報端末の収納ボックス1361つのフタを開ける。タブレット入出力端末の裏面1360にある収納ボックス1361の中のコネクター(図示せず)に携帯情報端末1352を装着し、収納ボックス1361つのフタを閉じる。
【0240】
タブレット入出力端末1020は、CPU1033の内部メモリ1034の不揮発性メモリ部にリソース情報を記憶する。
【0241】
CPU1033の内部メモリ1034の不揮発性メモリ部には、以下の処理をして、タブレット入出力端末1020のリソース情報を書き込む。
【0242】
タブレット入出力端末1020の電源を単独で「オン」すると、CPU1033はその内部メモリ1034のブートプログラム(図示せず)が走り、表示モニタ1021に必須機能である表示モニタ、オーディオとオプション機能などの機能一覧表を表示する。タッチパネル1036を使用して、タブレット入出力端末1020が具備している機能にタッチして、CPU1033の内部メモリ1034の不揮発性メモリ部にリソース情報を入力する。
【0243】
タブレット入出力端末1020の電源回路1024には、電源コンセントから電源が供給されている。この電流はバッテリ1023に供給され、これを充電するとともにバッテリ制御回路1038を経由してI/F1031に接続されている。電源回路1024を「オン」すると、まず、CPU1033がその内部メモリ1034の不揮発性メモリ部に記録されている必須機能、オプション機能の内容であるリソース情報を読み出す。
【0244】
タブレット入出力端末1020のI/F部1031と携帯情報端末40のI/F部51とは、コネクタ1070で接続されている。このI/F信号の中に電源電位のライン、グランド電位のラインが含まれているので、携帯情報端末40の携帯情報端末用信号処理部50の電源電位、グランド電位はこれから供給される。なお、携帯情報端末用信号処理部50以外のブロックであるGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、表示モニタ43と、スピーカ44と、外部メモリ1045などの消費電力は多少大きいが、これらの電源電位、グランド電位も、I/F部31とI/F部51から内部バス52、バッテリ制御部63経由でバッテリ46に充電された電力をもとに供給される。
【0245】
〔携帯情報端末40における各モード起動〕
タブレット入出力端末1020のCPU1033は、内部メモリ1034の不揮発性メモリ部に記録されている前記必須機能、及び前記オプション機能の内容であるリソース情報を読み出す。
【0246】
その後、タブレット入出力端末1020のCPU1033は、I/F部31及び携帯情報端末40のI/F部51を経由して、携帯情報端末用信号処理部50のCPU53の内部メモリ54に、タブレット入出力端末1020のリソース情報を書き込む。
【0247】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53は、リソース情報及び動作モード切替情報基づいて、携帯情報端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55と、インターネット接続部56と、AVデータ記録・再生機能部57と、メモリ部58と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42と、外部メモリ45とを共に「タブレットモード」で起動する。
【0248】
「タブレットモード」においては、携帯情報端末40の表示モニタ43と、スピーカ44への電気的な接続は解除され、これらのリソースに代わって、タブレット入出力端末1020の表示モニタ1021とスピーカ1022とを使用する。
【0249】
この場合、低消費電力化のために携帯情報端末用信号処理部50の表示モニタ制御部60と、オーディオ出力部61のブロックに供給されている電源は遮断する。
【0250】
〔表3〕は、携帯情報端末、タブレットシステム、ネットAVシステム、ネットパソコンがそれぞれどのような機能を内蔵するかの仕様検討した結果を示す。この内容はあくまで一例であり、この例以外の機能割り当ても可能である。
【0251】
【表3】

〔表3〕において、◎印は、主要な機能として内蔵すべき機能である。また、データ容量が大きい機能である。例えば、オーディオ(音楽再生)データも、1500曲程度で4GB程度になる。ビデオ(ビデオ再生)データは、ハイビジョンでなく、通常のDVD画質の映画1本でも5GB程度になるので、映画の保存には、制限が必要である。
【0252】
○印は、主要な機能として内蔵することが好ましい機能である。データ容量はそれほど大きくは無い機能である。また、△印は、簡易機能を内蔵する。×印の機能は、内蔵しない。
【0253】
〔外部メモリ1045に保存されるプログラムの内容〕
図18は、外部メモリ1045に保存されるプログラムの内容を示す図である。図18は、〔表5〕の検討結果を基に作成している。
【0254】
図18に示すように、外部メモリ1045には、携帯情報端末用プログラム1110と、タブレットシステム用プログラム1120と、AVシステム用プログラム1130と、ネットパソコン用プログラム1140とが格納される。
【0255】
[携帯情報端末用プログラム110]
携帯情報端末用プログラム1110は、携帯情報端末用プログラム(図示せず)のほかに、簡易メール用データ1112を内蔵した簡易メール用プログラム1111、簡易インターネット用データ1114を内蔵した簡易インターネット接続用プログラム1113、簡易オーディオ用データ1116を内蔵した簡易オーディオ用プログラム1115、及び簡易カーナビ用データ1118を内蔵した簡易カーナビ用プログラム1117などを含む。
【0256】
[タブレットシステム用プログラム1120]
タブレットシステム用プログラム1120は、デジタル教科書などのタブレット端末用データ1122を内蔵した主要なプログラムであるタブレット端末用プログラム1121のほか、簡易文書・図表作成用データ1124を内蔵した簡易文書・図表作成用プログラム1123、簡易インターネット用データ1126を内蔵した簡易インターネット接続用プログラム1125、簡易オーディオ用データ1128を内蔵した簡易オーディオ用プログラム1127、及び簡易ビデオ用データ1129bを内蔵した簡易ビデオ用プログラム1129aなどを含む。
【0257】
[AVシステム用プログラム1130]
AVシステム用プログラム1130は、オーディオ用データ1132を内蔵した主要なプログラムであるオーディオ(音楽再生)用プログラム1131とビデオ用データ1134を内蔵した同じく主要なプログラムであるビデオ(ビデオ再生)用プログラム1133のほか、簡易インターネット用データ1136を内蔵した簡易インターネット接続用プログラム1135などを含む。
【0258】
また、AVシステム用プログラム1130には、オーディオ用データ1132を内蔵したオーディオ(音楽再生)用プログラム1131と、ビデオ用データ1134を内蔵したビデオ(ビデオ再生)用プログラム1133とが内蔵されている。
【0259】
「AVモード」を活用して過去にインターネット経由でダウンロードした楽曲データは、オーディオ用データ1132として保存されている。また、インターネット経由でダウンロードした映画などの映像データは、ビデオ用データ1134として保存されている。
【0260】
[ネットパソコンシステム用プログラム1140]
ネットパソコンシステム用プログラム1140は、インターネット用データ1142を内蔵した主要なプログラムであるインターネット接続用プログラム1141と、メール用データ1144を内蔵した同じく主要なプログラムであるメール用プログラム1143と、文書・図表用データ1146を内蔵した同じく主要なプログラムである文書・図表作成用プログラム1145のほか、簡易オーディオ用データ1148を内蔵した簡易オーディオ用プログラム1147と、簡易ビデオ用データ1149bを内蔵した簡易ビデオ用プログラム1149aとを含む。
【0261】
上記オーディオ(音楽再生)用プログラム1131は、イコライザー機能や音場制御などの高音質な音楽再生のための様々な機能が内蔵されている。しかし、簡易オーディオ用プログラム1115、簡易オーディオ用プログラム1127及び簡易オーディオ用プログラム1147は、音の強弱の調整機能や音楽の進行制御などの音楽再生のための最低限な機能に機能が限定されている。
【0262】
これら簡易オーディオ用プログラム1115、簡易オーディオ用プログラム1127及び簡易オーディオ用プログラム1147の機能は、オーディオ(音楽再生)用プログラム1131つの機能のサブセットである。簡易オーディオ用プログラム1115、簡易オーディオ用プログラム1127、簡易オーディオ用プログラム1147の間の相違は、それぞれのプログラムを実行したときに表示される表示モニタのUI画面の相違である。携帯情報機器の表示モニタは、例えば3.5インチ程度であるのに対して、タブレット端末での表示モニタは15インチ程度、AVシステムでの表示モニタは24インチ程度、ネットパソコンの表示モニタは12インチ程度と大幅にそれぞれの表示モニタの大きさが異なるので、それぞれの表示モニタ画面に表示されるUI画面とする。
【0263】
「タブレットモード」においてデジタル教科書機能を活用する場合には、例えば15インチ程度の表示モニタ1021用に理科、社会などの各科目のデジタル教科書の内容をその主だった内容にするタブレット端末用データ1122を内蔵したタブレット端末用システム用プログラム1121が動作する。
【0264】
ネットパソコン用プログラム1140には、文書・図表作成用データ1146を内蔵した文章・図表作成用プログラム1145があり、「ネットパソコンモード」で作成した文章や図表などは、文書・図表作成用データ1146として保存されている。また、「ネットパソコンモード」では、本格的なインターネット接続用のプログラムや、本格的なメール用のプログラムが動作する。
【0265】
図19(a)は、外部メモリ1045からメモリ部58にロードするプログラムを具体的に示す図である。図19(a)中、太い矢印は主要なプログラムをロードすることを表し、細い矢印は簡易プログラムをロードすることを表している。
【0266】
本実施の形態のタブレットシステム1010が、「携帯モード」で起動するときには、携帯情報端末用プログラム1110として外部メモリ1045からメモリ部58に簡易メール用プログラム1111と簡易インターネット接続用プログラム1113をロードする。また、簡易オーディオ用プログラム1115や簡易カーナビ用プログラム1117は選択された場合のみ外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。つまり「携帯モード」において表示モニタのメニューで選択された場合のみ、簡易オーディオ用プログラム1115や簡易カーナビ用プログラム1117も利用できるように外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。この場合、ロードする簡易オーディオ用データ1116と簡易カーナビ用データ1118は最低限のメモリ容量に限定する。
【0267】
本実施の形態のタブレットシステム1010が、「タブレットモード」で起動するときには、タブレットシステム用プログラム1120のうち、「タブレットモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。具体的には、外部メモリ1045からメモリ部58にロードされるプログラムは、タブレット端末用プログラム1121である。さらに「タブレットモード」において表示モニタのメニューで選択された場合には、簡易文章・図表作成プログラム1123や簡易インターネット接続用プログラム1125や簡易オーディオ用プログラム1127や簡易ビデオ用プログラム1129aも外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。
【0268】
本実施の形態のタブレットシステム1010が、「AVモード」で起動するときには、AV用プログラム1130のうち、「AVモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。具体的には、メモリ部58にロードされるプログラムは、オーディオ(音楽再生)用プログラム1131とビデオ(ビデオ再生)用プログラム1133である。さらに「AVモード」において表示モニタのメニューで選択された場合には、簡易インターネット接続用プログラム1135も外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。
【0269】
本実施の形態のタブレットシステム1010が、「ネットパソコンモード」で起動されると、ネットパソコン用プログラム1140の内、「ネットパソコンモード」で最低限必要な部分のみ、外部メモリ1045からメモリ部58にロードされる。具体的には、メモリ部58にロードされるプログラムは、インターネット接続用プログラム用プログラム1141、メール用プログラム1143及び文書・図表作成用プログラム1145である。さらに「ネットパソコンモード」において表示モニタのメニューで選択された場合には、簡易オーディオ接続用プログラム1147や簡易ビデオ用プログラム1149外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。
【0270】
ところで、「AVモード」で本格的に音楽を聴く以外に、「携帯モード」で携帯電話をオーディオプレーヤのように使用して音楽を聴いたり、「タブレットモード」でデジタル教科書を利用して学習しながら音楽を聴いたり、「ネットパソコンモード」で文書を作成しながら音楽を聴いたりする人も多い。これらのモードでも表示モニタのメニューで選択することにより、それぞれのモードにおいて簡易オーディプログラムをメインメモリであるメモリ部58にロードようにする。
【0271】
但し、メモリ部58のメモリ容量は限られているので、本実施の形態のタブレットシステム1010が、「タブレットモード」で起動されたとしても、タブレットシステム用プログラム1120の内、外部メモリ1045からメモリ部58にロードされるのは、動作上最低限の内容にとどめ、それ以外の内容は外部メモリ1045に残しておく。デジタル教科書のデータ容量は、たとえ理科、社会などでカラーの図をふんだんに使用したとしても、長時間の動画を使用しない限り、すべての教科を合計しても2GB程度以内である。したがって、デジタル教科書のデータすべてを外部メモリ1045からメモリ部58にロードしても動作上は問題ないであろう。
【0272】
同様に、本実施の形態のタブレットシステム1010が、「AVモード」で起動されたとしても、AV用プログラム1130の内、外部メモリ1045からメモリ部58にロードされるのは、動作上最低限の内容にとどめ、それ以外の内容は外部メモリ1045に残しておく。特に、「AVモード」における音楽データやビデオデータは膨大なこともあるので、その場合すべてを外部メモリ1045からメモリ部58にロードすることはできない。選別基準を明確にして、現在の動作に必要な最低限のデータのみ、外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。例えば、お気に入りのホルダーに入れた曲や最近聴かれた曲を外部メモリ1045からメモリ部58にロードするようにする。但し、使用しようとするデータがメモリ部58に無かったとしても、外部メモリ1045はHDDやNANDフラッシュメモリで構成されているので、極端にアクセス速度が遅くなることは無い。
【0273】
図19(b)は、「携帯モード」と「カーナビモード」と「ネットパソコンモード」の異なったUIのデータを示す図である。
【0274】
図19(b)において、1175のUI(1)には「携帯モード」用のUI画面用のデータが、1176のUI(2)には「タブレットモード」用のUI画面用のデータが、1177のUI(3)には「ネットパソコンモード」用のUI画面用のデータが格納されている。また、1178のUI(4)には「AVモード」用のUI画面用のデータが格納されている。
【0275】
簡易オーディオ用プログラム1166は「携帯モード」と「タブレットモード」と「ネットパソコンモード」で動作する場合でも、外部メモリ1160からメモリ部58にロードされるが、それぞれ表示モニタの大きさが異なるため、異なったUIを表示する。
【0276】
次に、本実施の形態のタブレットシステム1010の「タブレットモード」動作の詳細について説明する。
【0277】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53が携帯情報端末40を「タブレットモード」で起動すると、CPU53は図16の外部メモリ1045に保存されているタブレットシステム用プログラム1120を、外部メモリ1045からメモリ部58へロードする。
【0278】
「タブレットモード」で起動していても、車両に乗っている人がさらに音楽を聞きたい場合もある。本実施の形態では、以下の対策を採る。すなわち、起動時にタブレットシステム用プログラム1210の簡易オーディオプログラム1127を、併せて、外部メモリ1045からメモリ部58へロードする。この場合は、デジタル教科書画面の一部に簡易なオーディオ操作画面が表示される。このモードでは、一部の曲のみが外部メモリ1045からメモリ部58へロードされる。一部の曲の選別の仕方としていくつかの方法が存在する。例えば、お好みホルダーに入った曲や最近アクセスしたアルバムの曲にする方法などがある。メモリ部58にロードされていない曲を選別した場合、その曲のデータを外部メモリ1045からメモリ部58にロードする。
【0279】
携帯情報端末用信号処理部50のCPU53が、携帯情報端末用信号処理部50の各機能ブロックであるナビゲーション機能部55とインターネット接続部56とAVデータ記録、再生機能部57とメモリ部58と、携帯情報端末40のGPSアンテナ41と、携帯情報端末用アンテナ42を「タブレットモード」で起動すると、タブレット入出力端末1020の表示モニタ1021に図20aのようなメニューが表示される。
【0280】
図20aは、タブレットシステム1010が「タブレットモード」で起動された場合に、タブレット入出力端末1020の表示モニタ1021に表示されるメニューの一例を示す図である。タブレットシステム1010が「タブレットモード」で起動されたことを示すため、この画面のトップに「タブレットシステム」1151つのタイトルが表示される。
【0281】
ここではメイン機能である「タブレット端末」1152以外に、簡易機能である「文書・図表作成」1153、「インターネット接続」1154、「オーディオ(音楽再生)」1155、「ビデオ(ビデオ再生)1156」の機能にタブレット入出力端末1020が対応している場合を示している。タブレット端末を使用する人は、「タブレット端末」1152、「文書・図表作成」1153、「インターネット接続」1154、「オーディオ(音楽再生)」1155、「ビデオ(ビデオ再生)」1156の機能メニューからタッチパネル1036により、利用したい機能を選択する。「タブレット端末」1152と「オーディオ(音楽再生)」1155の機能を同時に楽しみたい人は、連続して2つのボタンにタッチする仕様にすることもできる。
【0282】
図20(b)は、図20(a)において「タブレット端末」1152を選択した時にタブレット入出力端末1020の表示モニタ1021に表示される画面を示す図である。
【0283】
この「タブレット端末 デジタル教科書」1161つの画面を利用して、「時間割」1162を確認するとともに、各教科である「国語」1163、「算数」1164、「理科」1165、「社会」1166、「図工」1167、「家庭科」1168、「保健/体育」1169、「英語」1170の各デジタル教科書をタッチパネルで選択できる。
【0284】
デジタル教科書においては、今までの教科書とは異なり、カラー図面、写真、オーディオ、ビデオを駆使して、多面的な方面からそれぞれの教科の内容を理解できるように作られている。また、タブレットに付属しているペン1355を使って、文書を作成したり、絵を描いたりすることもできる。さらに、デジタル教科書の中でインターネットを使って、世界中のホームページにアクセスすることも可能である。
【0285】
また、本発明のタブレットシステム1010においては、学校の行き帰りは、スマートホンである携帯情報端末40のみを持ち運ぶので、小学1年生でも持ち運べるほど軽い。
【0286】
さらに、小学校の中高学年になって、作文、計算、お絵かき、動画作成、作曲、演奏などを行うようになったら、ネットパソコン向けマルチメディア入出力端末351を購入し「ネットパソコンモード」で動作させることにより、より「パソコン」のような様々なことが可能になる。勿論、「タブレットモード」でもある程度のことはできるが、「ネットパソコンモード」、「AVモード」で動作させることにより、本マルチメディアシステムの活用の幅が広がる。
【0287】
小中学校だけでなく、高校、大学まで、本発明のタブレットシステム1010を普及させれば、本発明のマルチメディアシステムの社会の大きなインフラに発展するであろう。本発明のタブレットシステム1010に対応したタブレット入出力端末1020と携帯情報端末40の仕様を各メーカー間で統一することによりその利便性は拡大する。
【0288】
このように、携帯情報端末を購入すれば、安価なマルチメディア入出力端末を購入するだけで、AV機器、パソコン、カーナビ、タブレット端末の機能を享受することができる。
【0289】
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
【0290】
上記実施の形態では、携帯端末及びマルチメディアシステムという名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、携帯端末装置、携帯情報端末、カーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0291】
さらに、上記携帯端末及び入出力端末を構成する各構成部、例えばメモリ部の種類、演算実行処理などは前述した実施の形態に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0292】
本発明の携帯端末及びマルチメディアシステムは、携帯情報端末を購入すれば、安価なマルチメディア入出力端末を購入するだけで、AV機器、パソコン、カーナビ、タブレット端末の機能を享受することができる。本発明のマルチメディアシステムは、インターネットへの接続料の節約、eメール管理が容易、専用入出力機器による使い勝手の向上、いつでも資料にアクセス可能の特徴を有しており、新興国向けや、わが国の次世代の学校教育向けのタブレット向けの用途に最適である。
【符号の説明】
【0293】
10 車載マルチメディアシステム
20 車載マルチメディア入出力端末
21 表示モニタ
22 スピーカ
23 バッテリ
24 電源回路
30 車載マルチメディア入出力端末用信号処理部
31 I/F部
32 内部バス
33 CPU
34 内部メモリ
35 表示モニタ制御部
36 タッチパネル
37 オーディオ出力部
38 バッテリ制御部
40 携帯情報端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプログラムを格納する第1のメモリと、
外部端末と接続するインターフェースと、
前記インターフェースを介して読み取ったリソース情報に基づき、前記第1のメモリからプログラムを読み出す読出手段と、
前記読み出したプログラムを格納する第2のメモリと、前記第2のメモリに格納されたプログラムを実行する実行手段と、を備え、
前記実行手段は、前記第1のメモリに格納された複数のプログラムのうち、各プログラム間で同一の機能プログラムについては共有して使用する携帯端末。
【請求項2】
前記第1のメモリには、少なくとも携帯端末用プログラムを有し、さらに車載マルチメディアシステム用プログラム、AVシステム用プログラム、ネットパソコン用プログラム、タブレット端末用プログラムのいずれか1つ以上のプログラムが格納されている、請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記機能プログラムは、インターネット接続用プログラム、メール用プログラム、オーディオ用プログラム、ビデオ用プログラム、文書・図面作成用プログラムのいずれか1つ以上のプログラムからなる、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記インターフェースを前記外部端末に接続せずに起動した場合には、前記第1のメモリから前記携帯端末用プログラムを読み出し、前記第2のメモリへ格納する、請求項2記載の携帯端末。
【請求項5】
前記第1のメモリに格納されている前記プログラムは、インターネットを利用して変更可能である、請求項1に記載の携帯端末。
【請求項6】
複数のプログラムを格納する第1のメモリを有する携帯端末と、
前記携帯端末にリソース情報を供給し、かつ前記携帯端末からのデータを出力する入出力端末とを備え、
前記携帯端末は、読み取った前記リソース情報に基づき、前記第1のメモリからプログラムを読み出す読出手段と、前記読み出したプログラムを格納する第2のメモリと、前記第2のメモリに格納されたプログラムを実行する実行手段とを備え、前記実行手段は、前記第1のメモリに格納された複数のプログラムのうち、各プログラム間で同一の機能プログラムについては共有するマルチメディアシステム。
【請求項7】
前記入出力端末は、少なくとも表示モニターとスピーカとを備える、請求項6記載のマルチメディアシステム。
【請求項8】
前記第1のメモリには、少なくとも携帯端末用プログラムを有し、さらに車載マルチメディアシステム用プログラム、AVシステム用プログラム、ネットパソコン用プログラム、タブレット端末用プログラムのいずれか1つ以上のプログラムが格納されている、請求項6又は請求項7に記載のマルチメディアシステム。
【請求項9】
前記第1のメモリから読み出した前記プログラムを実行するために必要となる機能プログラムは、前記第1のメモリに格納されている複数の前記プログラム間で共有する、請求項6記載のマルチメディアシステム。
【請求項10】
前記機能プログラムは、インターネット接続用プログラム、メール用プログラム、オーディオ用プログラム、ビデオ用プログラム、文書・図面作成用プログラムのいずれか1つ以上のプログラムからなる、請求項6記載のマルチメディアシステム。
【請求項11】
前記第1のメモリに格納されている前記プログラムは、インターネットを利用して変更可能である、請求項6記載のマルチメディアシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−226670(P2012−226670A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95455(P2011−95455)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】