説明

携帯端末機の電流消費減少装置及び方法

【課題】制御部の電流消費を最適化した携帯端末機の電流消費減少装置及び方法を提供する。
【解決手段】タクスの発生の時に、制御部は、上記タスクを処理するために、仮想最大クロック(VMC)レベルに遷移し、上記制御部のロード状態に従って仮想最大クロック(VMC)レベルからクロックレベルを変更する。さらに、上記制御部は、上記クロックレベルを上記VMCレベルからRMCレベルへの遷移、上記VMCレベルからの段階的な増加、上記VMCレベルからの段階的な減少、及び上記VMCレベルの維持の中の少なくともいずれか1つにより変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末機の電流消費減少装置及び方法に係り、より詳しくは、制御部の電流消費の最適化により携帯端末機の電流消費を減少する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯端末機は、オンデマンド(On−demand)方式でタスク(task)を処理する。従来のオンデマンド方式は、可変クロック方式であり、タスクが最低クロックレベル(クロック周波数)で発生する場合に、タスクは、最低クロックレベルから最大クロックレベルに1度で遷移することにより処理され、タスクが完了した後に最大クロックレベルから段階的にクロックレベルを減少させる方式である。
【0003】
しかしながら、上記のようなオンデマンド方式は、タスクが発生すると、ロード状態に関係なしに無条件で実際最大クロックレベルに遷移するので、クロックレベルの不必要な増加、及びこれに伴う入力電圧の不必要な増加につながり、これにより、携帯端末機の電流消費を増加させるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国公開特許公報2010/0037080A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、制御部の電流消費を最適化する携帯端末機の電流消費減少装置及び方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、制御部のクロックレベル及び入力電圧を不必要に増加させることなく最適化することにより携帯端末機の使用時間を増加できる携帯端末機の電流消費減少装置及び方法を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、制御部の電流消費を最適化できる改善したオンデマンド方式を提供できる携帯端末機の電流消費減少装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するためになされた、本発明の実施形態の一態様によれば、携帯端末機の電流消費減少装置を提供する。上記装置は、タスクの発生の時に、上記タスクを処理するために、クロックを仮想最大クロック(VMC)レベルに遷移し、制御部のロード状態に従って上記VMCレベルから上記クロックのクロックレベルを変更する制御部を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の実施形態の他の態様によれば、携帯端末機の電流消費減少方法は、タスクが発生すると、仮想最大クロック(VMC)レベルに遷移するステップと、制御部のロード状態に従って上記仮想最大クロックレベルから上記クロックのクロックレベルを変更することにより上記発生したタスクを処理するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、制御部の電流消費を最適化した携帯端末機の電流消費減少装置及び方法を提供するので、携帯端末機の使用時間を増加し、携帯端末機の発熱を減少できる。従って、携帯端末機の品質及び競争力を増加できるという長所がある。
本発明の実施形態の上述した及び他の様相、特徴、及び利点は、以下の添付図面が併用された後述の詳細な説明から、より一層明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態による携帯端末機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による携帯端末機での制御部の電流消費を減少させる動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態による携帯端末機での制御部の電流消費を減少させる動作を説明する図である。
【図4】図2の動作で第1のロード状態でのクロックレベルの変更を説明するための図である。
【図5】図2の動作で第2のロード状態でのクロックレベルの変更を説明するための図である。
【図6】図2の動作で第3のロード状態でのクロックレベルの変更を説明するための図である。
【図7】図2の動作で第3のロード状態でのクロックレベルの変更を説明するための図である。
【図8】図2の動作で第4のロード状態でのクロックレベルの変更を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。下記の説明において、明瞭性と簡潔性の観点から、本発明に関連した公知の機能や構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を却って不明瞭にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態による携帯端末機の構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、無線周波数(RF)部123は、携帯端末機の無線通信機能を実行する。RF部123は、送信信号の周波数をアップコンバーティングし、このアップコンバーティングされた送信信号を増幅する送受信器又はRF送信器と、受信された信号を低雑音増幅し、この低雑音増幅された信号の周波数をダウンコンバーティングするRF受信器とを含む。プロセッサ又はマイクロプロセッサを含むデータ処理部120は、送信信号の符号化及び変調を行う送信器と、この受信された信号の復調及び復号化を行う受信器とを含む。
【0012】
即ち、データ処理部120は、モデム(MODEM)及びコーデック(CODEC)を含み得る。CODECは、パケットデータを処理するデータCODECと音声などのようなオーディオ信号を処理するオーディオCODECとを含む。オーディオ処理部125は、データ処理部120のオーディオCODECから出力される受信オーディオ信号を再生するか、又はマイクロフォンから発生した送信オーディオ信号をデータ処理部120のオーディオCODECに送信する。キーパッド127は、数字及び文字を入力するためのキー及び各種機能を設定するための機能キーを含む。
【0013】
メモリ130は、プログラムメモリ及びデータメモリを含み得る。プログラムメモリは、携帯端末機の一般的な動作を制御するのに必要とされるプログラム及び制御部110のロード状態に従って予め設定された仮想最大クロック(Virtual Max Clock:VMC)レベルから他のクロックレベルへの変更を制御するのに必要とされるプログラムを記憶し得る。
【0014】
本発明の実施形態に従って、メモリ130は、不揮発性メモリであり、携帯端末機に設定された制御部110のロード状態に関する情報を記憶する。
【0015】
本発明の実施形態において、制御部110のロード状態は、第1のロード状態(very heavy load state)、第2のロード状態(heavy load state)、第3のロード状態(light load state)、及び第4のロード状態(very light load state)を含む。このような状態は、下記で特定されるような制御部の範囲に従って定義される。また、これらのロード状態は、互いに相対的な値として設定され得る。
【0016】
制御部110のロードは、第1のロード状態では90%以上であり、第2のロード状態では70%以上90%未満であり、第3のロード状態では50%以上70%未満であり、第4のロード状態では50%未満である。
【0017】
制御部110の特定のロード値は、制御部110及びオペレーティングシステム(OS)の特性に従って変わり得る。ロード状態の種類及び個数は、VMCレベルにより異なり得る。VMCレベルは、実際最大クロック(Real Maximum Clock:RMC)レベルより低いレベルとして予め設定され、制御部110の性能に従って可変する。
【0018】
制御部110は、携帯端末機の全般的な動作を制御する機能をし、一般にプロセッサ及びマイクロプロセッサを含む。
【0019】
本発明の実施形態に従って、タスクが発生する時に、制御部110は、最小クロックレベルから最小クロックレベルより高い予め定められたVMCレベルにオンデマンド方式で自身のクロックレベルを増加させた後に、制御部110のロード状態に従ってVMCレベルからクロックレベルを変更することによりタスクの処理を制御する。この時、制御部110は、オンデマンド方式で最適のクロックレベルからVMCレベルへの遷移を制御する。
ここで、タスクの発生時における「オンデマンド方式」は、レベルの遷移を1度で行なう方式である。
【0020】
また、制御部110は、VMCレベルとしてRMCレベルより低いクロックレベルを予め設定する。制御部110は、VMCレベルがRMCレベルより低い範囲でその性能に従ってVMCレベルを変更し得る。
【0021】
また、制御部110は、VMCレベルからRMCレベルへの遷移、VMCレベルからの段階的な増加又は減少、及びVMCレベルの維持の中の少なくともいずれか1つにより処理されるようにタスクを制御する。
【0022】
具体的には、制御部110は、VMCレベルからRMCレベルへの遷移、又はVMCレベルから自身のクロックレベルの増加又は減少をオンデマンド方式又はコンサバティブ(Conservative)方式のいずれかを用いて制御する。
ここで、「コンサバティブ方式」は、レベルの遷移を段階的に行なう方式である。
【0023】
制御部110は、制御部110のロード状態に従ってVMCレベルから変更されたクロックレベルでタスクが完了すると、オンデマンド方式で段階的にクロックレベルを減少させる。
ここで、タスクの完了時における「オンデマンド方式」は、レベルの遷移を段階的に行なう方式である。
【0024】
本発明の実施形態に従って、メモリ130に記憶されている制御部110のロード状態が、第1のロード状態(very heavy load state)、第2のロード状態(heavy load state)、第3のロード状態(light load state)、及び第4のロード状態(very light load state)として設定されている場合に、制御部110は、自身の現在のロードに対応するロード状態を判定する。このロード状態は、例えば、相互に相対的であり得る。
【0025】
現在のロード状態が第1のロード状態(制御部のロード≧90%)に対応する場合に、制御部110は、VMCレベルからRMCレベルに遷移することによりタスクを処理する。現在のロード状態が第2のロード状態(90%>制御部のロード≧70%)に対応する場合に、制御部110は、自身のクロックレベルをVMCレベルから1レベル増加させることによりタスクを処理する。現在のロード状態が第3のロード状態(70%>制御部のロード≧50%)に対応する場合に、制御部110は、VMCレベルでタスクを処理する。現在のロード状態が第4のロード状態(50%>制御部のロード)に対応する場合に、制御部110は、自身のクロックレベルをVMCレベルから1レベル減少させることによりタスクを処理する。これらののロード状態を表わすパーセント値は近似値であり、より大きいか又はより小さい範囲であり得、これらの数値により厳密に限定された範囲ではないことは、当業者に自明であろう。
【0026】
カメラ部140は、映像データを撮影し、該撮影された光信号を電気信号に変換するカメラセンサーと、このカメラセンサーを通して撮影されたアナログ映像信号をデジタルデータに変換する信号処理部とを含む。ここで、カメラセンサーは、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor:CMOS)センサーと仮定し、信号処理部は、デジタル信号処理部(Digital Signal Processor:DSP)として構成され得る。また、カメラセンサー及び信号処理部は、1つの装置に組み込まれるか又は個別に構成され得る。
【0027】
映像処理部150は、カメラ部140から受信される映像信号を表示部160上に表示するための映像信号処理(Image Signal Processing:ISP)を実行する。好ましくは、ISPは、ガンマ補正、補間、空間的変化、イメージ効果、イメージスケーリング、オートホワイトバランス(Auto White Balance:AWB)、自動露出(Auto Exposure:AE)、自動焦点(Auto Focus:AF)などのような機能を処理する。
【0028】
従って、映像処理部150は、カメラ部140から受信される映像信号をフレーム単位で処理し、表示部160の特性及びサイズに従ってフレーム映像データを出力する。好ましくは、映像処理部150は、映像コーデック(CODEC)を含み、表示部160上に表示されるフレーム映像データを所定の方式で圧縮するか又は該圧縮されたフレーム映像データを元来のフレーム映像データに復元する機能を実行する。ここで、映像コーデックは、JPEGコーデック、MPEG4コーデック、ウェーブレット(Wavelet)コーデックであり得る。映像処理部150は、オンスクリーンディスプレー(On Screen Display:OSD)機能を備えると仮定し、制御部110の制御の下に表示される画面のサイズに従ってオンスクリーン表示データを出力し得る。
【0029】
表示部160は、映像処理部150から受信された映像信号を画面上に表示し、制御部110から受信されるユーザデータを表示する。ここで、表示部160は、LCD(Liquid Crystal Display)で構成され得る。この場合に、表示部160は、LCD制御部、映像データを記憶するためのメモリ、及びLCD素子などを含み得る。LCDがタッチスクリーン(touch screen)方式で構成される場合に、入力部として機能し得る。従って、表示部160は、キーパッド127と同一のキーを表示し得る。
【0030】
図2乃至図8を参照して携帯端末機での制御部の電流消費を最適化するための動作を詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態による携帯端末機での制御部の電流消費を減少させるための動作を示すフローチャートである。
【0031】
本発明の実施形態では、制御部のロード状態が第1のロード状態(制御部のロード≧90%)、第2のロード状態(90%>制御部のロード≧70%)、第3のロード状態70%>制御部のロード≧50%)、及び第4のロード状態(50%>制御部のロード)に分類される場合を例に挙げて説明しているが、制御部110のロード値は制御部110及びOSの特性に従って変更され得る。また、制御部110のロード状態種別及び個数は、VMCレベルに依存して変更され得、RMCレベルより低いクロックレベルがVMCレベルとして予め設定される。VMCレベルは、制御部110の性能に従って可変的に設定され得る。
【0032】
本発明の実施形態を、図1及び図2を参照してより詳細に説明する。
図2を参照すると、ステップS201で、携帯端末機でタスクが発生すると、制御部110は、制御部のロード状態を判定する。該ロード状態が所定の値より大きいか又は同一である場合に、制御部110は、ステップS202で、最小クロックレベルから所定のVMCレベルに遷移する。
【0033】
具体的に、制御部110は、ステップS202で、オンデマンド方式を通して最小クロックレベルからVMCレベルに1度に遷移する。
制御部110は、ステップS203で、VMCレベルで制御部のロード状態を判定する。
【0034】
この特定の例において、ステップS203で、現在のロード値が略90%以上である場合に、ステップS204で、制御部110は、現在のロード状態が第1のロード状態(very heavy load state)に対応すると判定し、ステップS205で、VMCレベルからRMCレベルにそのクロックレベルを変更する。
【0035】
具体的に、ステップS205で、制御部110は、オンデマンド方式を用いてVMCレベルからRMCレベルに1度に遷移するように制御し得る。
【0036】
しかしながら、この例において、ステップS203で、現在のロード値が略(即ち、実質的に)90%未満であり、略70%以上である場合に、制御部110は、ステップS206で、現在のロード状態が第2のロード状態(heavy load state)に対応すると判定し、ステップS207で、VMCレベルからRMCレベルにクロックレベルを1レベル増加させる。
【0037】
具体的に、ステップS207で、制御部110は、コンサバティブ方式を用いてVMCレベルからクロックレベルを1レベル増加させるように制御し得る。
ステップS203で、現在のロード値が略70%未満であり、略50%以上であると判定される場合に、制御部110は、ステップS208で、現在のロード状態が第3のロード状態(light load state)に対応すると判定し、ステップS209で、VMCレベルを保持する。
【0038】
ステップS203で、現在のロード値が略50%未満であると判定される場合に、制御部110は、ステップS210で、現在のロード状態が第4のロード状態(very light load state)に対応すると判定し、ステップS211で、VMCレベルからクロックレベルを1レベル減少させる。
【0039】
具体的に、ステップS211で、制御部110は、コンサバティブ方式を用いてVMCレベルからクロックレベルを1レベル減少させるように制御し得る。
【0040】
ステップS205、ステップS207、ステップS209、及びステップS211の中の少なくともいずれか1つでVMCレベルからクロックレベルを変更した後に、ステップS212で、制御部110は、該変更されたクロックレベルで発生したタスクを処理する。
【0041】
タスクの処理が完了すると、ステップS213で、制御部110は、このタスクが処理されたクロックレベルを減少させる。具体的に、制御部110は、オンデマンド方式を用いて段階的にクロックレベルを減少させるように制御する。
【0042】
図3は、図2の動作で制御部のロード状態に従ったVMCレベルからのクロックレベルの変更を説明するための図である。
図3を参照すると、クロックレベルは、オンデマンド方式を用いて最小クロックレベルから予め定められたVMCレベルに1度に遷移する。参照文字‘a’は、制御部の第1のロード状態でのクロック変更方向を示し、参照文字‘b’は、制御部の第2のロード状態でのクロック変更方向を示し、参照文字‘c’は、制御部の第3のロード状態でのクロック変更方向を示し、参照文字‘d’は、制御部の第4のロード状態でのクロック変更方向を示す。
【0043】
図4は、図2の動作で第1のロード状態でのクロックレベルの変更を説明するための図である。
図4を参照すると、図3において、このクロックレベルがVMCレベルに変更された後には、制御部のロード状態が第1のロード状態と判定される。従って、このクロックレベルが矢印方向“a”にオンデマンド方式を用いてRMCレベルに1度に遷移し、このタスクは、RMCレベルで処理される。その後に、このクロックレベルは、オンデマンド方式を用いて段階的に減少する。
【0044】
図5は、図2の動作で第2のロード状態でのクロックレベルの変更を説明するための図である。
図5を参照すると、図3において、このクロックレベルがVMCレベルに変更された後には、制御部のロード状態が第2のロード状態と判定される。従って、このクロックレベルが矢印方向“b”にコンサバティブ方式を用いてVMCレベルから1レベル増加し、このタスクは、1レベル増加したクロックレベルで処理される。その後に、このクロックレベルは、オンデマンド方式を用いて段階的に減少する。
【0045】
図6及び図7は、図2の動作で第3のロード状態でのクロックレベルの変更を説明するための図である。
図6及び図7を参照すると、図3において、このクロックレベルがVMCレベルに変更された後には、制御部のロード状態が第3のロード状態と判定される。従って、このタスクは、参照文字‘c’で示したVMCレベルで処理された後に、このクロックレベルは、オンデマンド方式を用いて段階的に減少する。
【0046】
図6及び図7は、このタスクが参照文字cで示したVMCレベルで処理された後に、オンデマンド方式を用いてこのクロックレベルを段階的に減少させる様々な動作を説明する図である。
【0047】
図8は、図2の動作で第4のロード状態(very light load state)でのクロックレベルの変更を示す図である。
図8を参照すると、図3において、このクロックレベルがVMCレベルに変更された後には、制御部のロード状態が第4のロード状態、即ち、very light load stateと判定される。従って、このクロックレベルは、図3に示す矢印方向“d”にコンサバティブ方式を用いてVMCレベルから1レベル減少し、タスクは、1レベル減少したクロックレベルで処理される。その後に、このクロックレベルは、オンデマンド方式を用いて段階的に減少する。
【0048】
下記の表1乃至表7は、最大クロック周波数1.2GHz及び仮想最大クロック周波数1.0GHzが、1.2GHzクレスポ端末機(Crespo terminal)に適用されるという条件下で、従来技術によるオンデマンド方式(A)による場合よりも、本発明による向上したオンデマンド方式(B)による場合の方が、電流消費が携帯端末機で減少することを示す。
【0049】
【表1】

上述した表1は、携帯端末機がWI−FI(Wireless Fidelity)ブラウジングを実行する時における電流消費値を示す。
【0050】
【表2】

上述した表2は、携帯端末機がWI−FIブラウジングを介して映像を再生する時における電流消費値を示す。
【0051】
【表3】

上述した表3は、携帯端末機が第3世代(3G)ブラウジングを介して映像を再生する時における電流消費値を示す。
【0052】
【表4】

上述した表4は、携帯端末機が記憶された映像を再生する時における電流消費値を示す。
【0053】
【表5】

上述した表5は、携帯端末機が信頼性標準MP3ファイルを開く時における電流消費値を示す。
【0054】
【表6】

上述した表6は、携帯端末機が映像を黒白で撮影する時における電流消費値を示す。
【0055】
【表7】

上述した表7は、携帯端末機が黒白で撮影した映像を再生する時における電流消費値を示す。
【0056】
表1乃至表7からわかるように、本発明による向上したオンデマンド方式(B)は、従来技術のオンデマンド方式(A)より電流消費を減少させる。
【0057】
本発明による上述した方法は、ハードウェア、ファームウェア、若しくは、ソフトウェア又はコンピュータコードとして実現できる。
ここで、ソフトウェア又はコンピュータコードは、CD ROM、RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、又は光磁気ディスク、又はコンピュータコードのような記録媒体に格納できる。
若しくは、コンピュータコードは、元来、リモート記録媒体又は不揮発性の機械可読媒体上に記憶され、ネットワークを介してダウンロードされ、ローカル記録媒体上に記憶できる。
これにより、ここで説明される方法は、汎用コンピュータ、又は専用プロセッサ、又は、FPGA又はASICなどのプログラム可能な又は専用ハードウェアを用いて、上記の各種記録媒体上に格納されたソフトウェアにより実行できる。
【0058】
当該技術分野で理解されるように、コンピュータ、プロセッサ、マイクロプロセッサ制御部、又はプログラム可能なハードウェアは、コンピュータ、プロセッサ、又はハードウェアによりアクセスされ実行される際に、ここで説明された処理方法を実現するソフトウェア又はコンピュータコードを格納又は受信するメモリ構成要素、例えば、RAM、ROM、フラッシュなどを含む。また、汎用コンピュータがここで説明された処理を実現するためのコードにアクセスする時に、コードの実行は、汎用コンピュータをここで説明された処理を実現するための専用コンピュータに変えると考えられる。
【0059】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0060】
110 制御部
120 データ処理部
123 無線周波数(RF)部
125 オーディオ処理部
127 キーパッド
130 メモリ
140 カメラ部
150 映像処理部
160 表示部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末機の電流消費減少装置であって、
タスクの発生の時に、前記タスクを処理するために、クロックを仮想最大クロック(VMC)レベルに遷移し、制御部のロード状態に従って前記VMCレベルから前記クロックのクロックレベル(クロック周波数)を変更する制御部を有することを特徴とする携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項2】
前記制御部は、実際最大クロック(RMC)レベルより低いクロックレベルを前記仮想最大クロックレベルとして予め設定することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記タスクの発生時に、オンデマンド方式に従って最小クロックレベルから前記仮想最大クロックに遷移することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記制御部のロード状態に従って前記仮想最大クロックレベルから実際最大クロックレベルへの遷移、前記仮想最大クロックレベルからの段階的な増加、前記仮想最大クロックレベルからの段階的な減少、及び前記仮想最大クロックレベルの維持の中の少なくともいずれか1つにより前記クロックレベルを変更することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項5】
前記制御部が前記実際最大クロックレベルへの遷移、前記クロックレベルの段階的な増加、及び前記クロックレベルの段階的な減少の中の少なくともいずれか1つを実行することによりオンデマンド方式又はコンサバティブ方式に従って前記クロックレベルを変更することを特徴とする請求項4に記載の携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記タスクが完了する時に、オンデマンド方式に従って前記クロックレベルを減少することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項7】
前記制御部のロード比率に対する所定の範囲に従って前記制御部のロード状態が第1のロード状態(very heavy load state)、第2のロード状態(heavy load state)、第3のロード状態(light load state)、及び第4のロード(very light load state)状態として設定される場合に、前記制御部は、前記第1のロード状態で前記クロックレベルを前記仮想最大クロックレベルから実際最大クロックレベルに遷移することにより前記タスクを処理し、前記第2のロード状態で前記クロックレベルを前記仮想最大クロックレベルから1レベル増加させることにより前記タスクを処理し、前記第3のロード状態で前記仮想最大クロックレベルを維持することにより前記タスクを処理し、前記第4のロード状態で前記クロックレベルを前記仮想最大クロックレベルから1レベル減少させることにより前記タスクを処理することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項8】
前記第1のロード状態は、実質的に90%以上であるロードに対応し、前記第2のロード状態は、実質的に90%未満であり且つ70%以上であるロードに対応し、前記第3のロード状態は、実質的に70%未満であり且つ50%以上であるロードに対応し、前記第4のロード状態は、実質的に50%未満であるロードに対応することを特徴とする請求項7に記載の携帯端末機の電流消費減少装置。
【請求項9】
携帯端末機の電流消費減少方法であって、
タスクが発生すると、仮想最大クロック(VMC)レベルに遷移するステップと、
制御部のロード状態に従って前記仮想最大クロックレベルから前記クロックのクロックレベルを変更することにより前記発生したタスクを処理するステップと
を有することを特徴とする携帯端末機の電流消費減少方法。
【請求項10】
実際最大クロック(RMC)レベルより低いクロックレベルを前記仮想最大クロックレベルとして予め設定するステップをさらに有することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末機の電流消費減少方法。
【請求項11】
前記タスクが発生する時に、オンデマンド方式に従って最小クロックレベルから前記仮想最大クロックレベルに遷移するステップを有することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末機の電流消費減少方法。
【請求項12】
前記タスクを処理するステップは、
前記制御部のロード状態に従って、前記仮想最大クロックレベルから実際最大クロックレベルへの遷移、前記仮想最大クロックレベルからの段階的な増加、前記仮想最大クロックレベルからの段階的な減少、及び前記仮想最大クロックレベルの維持の中の少なくともいずれか1つにより前記クロックレベルを変更するステップを有することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末機の電流消費減少方法。
【請求項13】
前記実際最大クロックへの遷移、前記クロックレベルの段階的な増加、又は前記クロックレベルの段階的な減少の中の少なくとも1つは、オンデマンド方式又はコンサバティブ方式に従って実行されることを特徴とする請求項12に記載の携帯端末機の電流消費減少方法。
【請求項14】
前記タスクが完了する時に、オンデマンド方式に従って前記クロックレベルを減少するステップをさらに有することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末機の電流消費減少方法。
【請求項15】
前記制御部のロード比率に対する所定の範囲に従って前記制御部のロード状態が第1のロード状態(very heavy load state)、第2のロード状態(heavy load state)、第3のロード状態(light load state)、及び第4のロード(very light load state)状態として設定される場合に、前記タスクを処理するステップは、
前記第1のロード状態で前記仮想最大クロックレベルから実際最大クロックレベルに遷移することにより前記タクスを処理するステップと、
前記第2のロード状態で前記クロックレベルを前記仮想最大クロックレベルから1レベル増加させることにより前記タスクを処理するステップと、
前記第3のロード状態で前記仮想最大クロックレベルを維持することにより前記タスクを処理するステップと、
前記第4のロード状態で前記クロックレベルを前記仮想最大クロックレベルから1レベル減少させることにより前記タスクを処理するステップと
を有することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末機の電流消費減少方法。
【請求項16】
前記第1のロード状態は、実質的に90%以上であるロードに対応し、前記第2のロード状態は、実質的に90%未満であり且つ70%以上であるロードに対応し、前記第3のロード状態は、実質的に70%未満であり且つ50%以上であるロードに対応し、前記第4のロード状態は、実質的に50%未満であるロードに対応することを特徴とする請求項15に記載の携帯端末機の電流消費減少方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−195941(P2012−195941A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−60147(P2012−60147)
【出願日】平成24年3月16日(2012.3.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】