説明

携帯端末装置

【課題】電子ブックを楽しんでいる場合に、ユーザの意図しないタイミングで頁がめくられることを回避する。
【解決手段】上記課題を解決するために本願発明は、第1表示部と、第2表示部とを備えた携帯端末装置であって、複数の頁データからなるデータを記憶する記憶部と、前記複数の頁データのうち少なくとも1以上の頁データを前記第1表示部又は前記第2表示部のいずれかに表示する表示制御部と、自機の状態を判定する状態判定部と、を備え、前記表示制御部は、前記複数の頁データのうち少なくとも1以上の頁データを前記第1表示部に表示している場合において前記状態判定部により検出された自機の状態が所定の条件を満たしたときは、前記第1表示部に表示されている頁データとは異なる頁データを前記第2表示部に表示することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ブック機能を備えた携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本のデータをメモリ等の記憶装置に記憶させ、記憶装置に記憶したデータを表示部に表示させることで本の代わりに使用できる携帯型の電子ブックが実用化されている。この電子ブックは、記憶装置の容量を増やすことで大量のデータを記憶させることができるので、紙の本では持ち運ぶことができないような多数の本を1台の装置に格納することができる。
【0003】
従来の電子ブックでは、表示する頁を切り換えるためには次頁キー、前頁キーを操作する必要があり、複数頁先の頁または前の頁を読むときには、次頁キーを何回も操作する必要があり、紙の本の頁を捲る操作とは異なる操作を行う必要があった。
【0004】
特許文献1には、見開きの2画面を有する電子表示装置において、頁めくりの操作を片手で行えるようにすることが記載されている。特許文献1の発明は、2つの画面を連結するヒンジ部のユーザの指が届く範囲に回転式のスイッチを設け、電子表示装置を片手で持った状態で、指でそのスイッチを操作して頁をめくることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003―196012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、例えば特許文献1に記載の電子表示装置においては、ユーザの指が届く範囲に回転式のスイッチが設けられているので、ユーザの指が誤って回転式のスイッチに触れてしまう場合がある。ユーザの指が誤って回転式のスイッチに触れてしまった場合には、ユーザの意図しないタイミングで頁がめくられる虞がある。
【0007】
また、近年、携帯電話機に本のデータを配信するサービスが開始されている。ユーザは、受信した本のデータを携帯電話機で読むことができる。しかしながら、携帯電話機は操作キーが密に配列されているため、頁をめくる操作を行う場合に、誤って隣接する操作キーに触れてしまうときがある。そのため、ユーザの意図しない操作が実行されてしまう虞がある。
【0008】
そのため、本発明の目的は、ユーザの意図しないタイミングで頁がめくられることを回避することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本願発明は、第1タッチパネルが設けられた第1表示部と、第2タッチパネルが設けられた第2表示部と、複数の頁データからなるデータを記憶する記憶部と、自機の状態を判定する状態判定部と、前記複数の頁データのうち少なくとも1以上の頁データが前記第1表示部に表示されている場合において前記状態判定部により検出された自機の状態が所定の条件を満たしたときは、前記第1表示部に表示されている頁データとは異なる頁データを前記第2表示部に表示させる表示制御部と、前記第1表示部に頁データが表示されていないときは前記第1タッチパネルによる操作を有効とし、前記
第1表示部に頁データが表示されているときは前記第1タッチパネルによる操作を無効とする操作制御部と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】携帯電話機1の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機1の構成を示す構成図である。
【図3】記憶部23が有するブックデータ情報テーブル100のデータ構造を示す。
【図4】加速度センサ14が検出する軸方向及び回転方向を示す図である。
【図5】状態判定部13が実行する動作の流れを示す図である。
【図6】次の頁を表示するために行う動作の流れを示す図である。
【図7】複数の電子ブックのデータから特定の電子ブックのデータを選択する際の使用形態を示す図である。
【図8】回転方向により制御部26が行う動作の流れを示す図である。
【図9】図8に続く、回転方向により制御部26が行う動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の携帯端末装置の一実施の形態として、携帯電話機1の実施の形態を図面に基づき説明する。
〔実施の形態1〕
図1(A)、(B)、(C)は、本実施の形態の携帯電話機1の外観斜視図である。携帯電話機1は、上部筐体2と下部筐体4とから構成されている。上部筐体2には、タッチパネル24を備えた表示部10、スピーカ17、及びマイク16が設けられている。下部筐体4には、タッチパネル25を備えた表示部11及びキー入力部22が設けられている。上部筐体2と下部筐体4とは、ヒンジ部3により結合している。
【0012】
図1(A)は、上部筐体2と下部筐体4とが閉じた位置にある場合の外観斜視図である。閉じた位置とは、上部筐体2に設けられている表示部10と下部筐体4に設けられている表示部11とが互いに接するような相対位置にある場合である。本実施の形態では、この相対位置を閉じた位置と称する。
【0013】
図1(B)は、上部筐体2と下部筐体4とが開いた位置にある場合の外観斜視図である。開いた位置とは、下部筐体4が上部筐体2に対して閉じた位置から約180度回転した相対位置にある場合であり、上部筐体2に設けられた表示部10と下部筐体4に設けられた表示部11とを同一方向からの視認が可能な関係である。本実施の形態では、この関係を開いた位置と称する。
【0014】
図1(C)は、上部筐体2と下部筐体4とが回転した位置にある場合の外観斜視図である。回転した位置とは、下部筐体4が上部筐体2に対して閉じた状態から約360度回転した相対位置にある場合であり、上部筐体2に設けられた表示部10と下部筐体4に設けられた表示部11とを同一方向からの視認が不可能な関係である。本実施の形態では、この関係を回転した位置と称する。図1(C)では、上部筐体2の表示部10が視認可能な視点から図示されているため、下部筐体4の表示部11の図示は省略されている。
【0015】
図2は、本実施の形態に係る携帯電話機1の構成図である。携帯電話機1は、アンテナ18、無線部19、アンテナ20、チューナ21、キー入力部22、信号処理部15、マイク16、スピーカ17、記憶部23、表示部10、表示部11、状態判定部13、位置検出部12、及び制御部26により構成されている。
【0016】
無線部19は、アンテナ18を介して送受信する信号の変復調を行う。
【0017】
チューナ21は、アンテナ20を備えており、制御部26より特定のテレビ番組の受信を行う旨を示す指示を受け取ると、アンテナ20を介して、複数のテレビ放送局よりデジタル放送によるそれぞれの放送波を受信し、受信した複数の放送波より特定のテレビ番組を取得し、取得したテレビ番組を制御部26へ出力する。
【0018】
キー入力部22は、通話、データの入力、データの送信、携帯電話機1が備える機能の動作指示等の操作を行う。キー入力部22は、ユーザからキー操作にて動作指示を受け付けると、受け付けた動作指示に対応する動作指示情報を制御部26へ出力する。キー入力部22は、例えば通話キー、終話キー、決定キー、メールアプリを指示するキー、テレビ放送の受信を指示するキー、数字入力又は文字入力が可能なキー等により構成されている。
【0019】
信号処理部15は、マイク16から入力される音声信号を無線部19を介して送信するための処理や、アンテナ18から無線部19を介して受信した音声信号をスピーカ17へ出力するための処理を行う。また、信号処理部15は、無線部19を介して電子メールや後述するブックデータを受信し、制御部26へ出力する。
【0020】
マイク16は、入力された音声を音声信号として信号処理部15へ出力する。
【0021】
スピーカ17は、信号処理部15にて処理された音声信号又は制御部26より受け取った音声データを音声として出力する。
【0022】
表示部10は、タッチパネル24を含んで構成され、制御部26から受け取ったデータに基づく画像を表示する機能を有する。また、タッチパネル24は、ユーザから、データの入力、データの送信、携帯電話機1が備える機能の動作指示等の操作を受け付ける。表示部10は、動作指示を受け付けると、受け付けた動作指示に対応する動作指示情報を制御部26へ出力する。
【0023】
表示部11は、タッチパネル25を含んで構成され、制御部26から受け取ったデータに基づく画像を表示する機能を有する。また、タッチパネル25は、ユーザから、データの入力、データの送信、携帯電話機1が備える機能の動作指示等の操作を受け付ける。表示部11は、動作指示を受け付けると、受け付けた動作指示に対応する動作指示情報を制御部26へ出力する。
【0024】
状態判定部13は、加速度センサ14を含んで構成され、加速度センサ14を用いて携帯電話機1の状態を検出することにより、携帯電話機1が回転した位置にあるときに、表示部10と表示部11とのうち、どちらの表示部が上方にあるかを判定する。表示部10が表示部11より上方にあるとは、表示部10がユーザの方向に露出していることを意味し、表示部11が表示部10より上方にあるとは、表示部11がユーザの方向に露出していることを意味する。
【0025】
具体的な状態判定部13の判定方法を図4及び図5を用いて説明する。図4は、携帯電話機1とX軸方向、Y軸方向、Z軸方向との関係を示す図である。加速度センサ14は、図4に示すように、鉛直方向の加速度(重力加速度)を検出する。状態判定部13は、検出された鉛直方向の加速度から3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の加速度を算出する機能を有する。ここでX軸方向は、上部筐体2の辺101と平行である。Y軸方向は、X軸に垂直な方向であって、上部筐体2の辺100と平行である。Z軸方向は、X軸方向とY軸方向とによって形成される面に対して垂直に設けられ、下部筐体4から上部筐体2に向かう方向を正の方向とし、上部筐体2から下部筐体4に向かう方向を負の方向とする。
【0026】
図5は、状態判定部13が行う処理を示した図である。状態判定部13は、Z軸方向の加速度を検出する(S01)。次に、状態判定部13は、Z軸方向の加速度が負の値であるときは(S02のNO)、表示部10は表示部11よりも上方にあると判定する(S11)。状態判定部13は、Z軸方向の加速度が正の値であるときは(S02のYES)、表示部11は表示部10よりも上方にあると判定する(S03)。状態判定部13は、判定した結果を制御部26に出力する(S04)。
【0027】
位置検出部12は、上部筐体2に対する下部筐体4の相対位置を検出することにより、携帯電話機1が閉じた位置にあるのか、開いた位置にあるのか、又は回転した位置にあるのかを検出する。位置検出部12は、閉じた位置にあるときには接続され、開いた位置にあるときには非接続される第1の開閉スイッチと、回転した位置にあるときには接続され、開いた位置にあるときには非接続される第2の開閉スイッチとを有しており、第1の開閉スイッチが接続されているか又は第2の開閉スイッチが接続されているかを検出することにより上部筐体2に対する下部筐体4の相対位置を検出する。例えば、位置検出部12は、第1の開閉スイッチが接続されている場合には閉じた位置にあることを検出し、第2の開閉スイッチが接続されている場合は回転した位置にあることを検出し、第1の開閉スイッチと第2の開閉スイッチとが共に非接続にあるときは開いた位置にあることを検出する。位置検出部13は、検出した位置を制御部26へ出力する。開閉スイッチの例としては、例えば上部筐体2と下部筐体4とに磁石センサを設けることが考えられる。磁石センサを設けることにより、閉じた位置にあるときは、互いの磁石センサが接続されるため電気信号が流れ、開いた位置にあるときは、磁石センサは接続されないため電気信号は流れない。
【0028】
記憶部23は、ROM、RAM、EEPROM、不揮発性RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、制御部26で処理されるプログラム等を記憶する。
【0029】
また、記憶部23は、画像データ、音楽データ、受信したメールデータ、ブックデータを更に記憶する。ブックデータとは、本のデータであり、順序付けられた複数の頁データにより構成されている。頁データは、文字データ、画像データ等を含んで構成されている。記憶部23は、図3に一例として示すように、ブックデータ情報テーブル100を有している。ブックデータ情報テーブル100は、ブックデータの名称と、頁データとを関連づけたテーブルであり、番号、データの名称、総頁数、頁番号とから構成されている。
【0030】
データの名称は、ブックデータの名称である。総頁数は、ブックデータを構成する頁データの総数である。頁番号は、ブックデータを表示部に表示する場合に、ブックデータを構成する頁データのうち、どの頁データに基づく頁画像を表示するかを特定するための番号である。例えば、ブックデータ情報テーブル100における番号1には、ブックデータの名称としてブックデータA、総頁数として100、頁番号として3が記憶されている。これは、ブックデータAは100頁の頁データにより構成され、ブックデータAを表示部に表示するときは、100頁の頁データのうち、3頁目の頁データに基づく頁画像を表示することを表している。頁番号は、ブックデータの表示が終了した場合に、後述する制御部26からの情報に基づいて更新される。
【0031】
制御部26は、携帯電話機1の全体動作の制御を行う処理部であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などの処理手段である。また、制御部26は、キー入力部22やタッチパネル24、25を介して入力された情報を検出し、動作の制御を行う。また、制御部26は、頁データに基づく頁画像を表示部に表示させる機能を有している。
【0032】
さらに制御部26は、携帯電話機1が閉じた位置又は開いた位置から回転した位置に遷移したときは、記憶部23に保存されているブックデータのうち、ユーザにより選択されたブックデータの頁画像を表示部10又は表示部11に表示する。制御部26は、頁画像を表示部10又は表示部11に表示する場合に、状態判定部13により表示部10が表示部11より上方にあると判定されたときは、頁画像を表示部10に表示する。制御部26は、状態判定部13により表示部11が表示部10より上方にあると判定されたときは、頁画像を表示部11に表示する。
【0033】
さらに制御部26は、表示部10に頁画像を表示している場合において、状態判定部13により表示部11が表示部10より上方にあると判定されたときは、表示部10に表示している頁画像の次の頁の頁画像を表示部11に表示する。制御部26は、表示部11に頁画像を表示している場合において、状態判定部13により表示部10が表示部11より上方にあると判定されたときは、表示部11に表示している頁画像の次の頁の頁画像を表示部11に表示する。
【0034】
例えば、制御部26は、3頁目の頁データに基づく頁画像が表示部10に表示されている場合において、状態判定部13により表示部11が表示部10より上方にあると判定されたときは、4頁目の頁データに基づく頁画像を表示部10に表示する。
【0035】
さらに制御部26は、携帯電話機1が回転した位置から開いた位置又は閉じた位置に遷移したときは、頁画像の表示を終了する。この場合に制御部26は、頁画像の表示を終了する際に表示していた頁画像に対応した頁の番号を記憶部23に保存する。
【0036】
さらに制御部26は、携帯電話機1が回転した位置にあるときは、表示部10及び表示部11に備えられているタッチパネルからの入力を受け付けないように制御する。
【0037】
さらに制御部26は、表示部10に頁画像を表示しているときは、表示部11のバックライトを消灯し、表示部11に頁画像を表示しているときは、表示部10のバックライトを消灯する。
【0038】
次に、本実施の形態に係る携帯電話機1の動作を図6を用いて説明する。
【0039】
位置検出部12は、上部筐体2に対する下部筐体4の相対位置を検出する(S21)。状態判定部13は、位置検出部12により回転した位置にあることが検出されたときは(S22のYES)、表示部10及び表示部11のうち、いずれが上方にあるかを判定する(S23)。制御部26は、状態判定部13の判定結果を受け取ると、例えば図7に示すように、記憶部23に記憶されているブックデータの名称一覧を表示する。本実施の形態では一例として、表示部10が表示部11より上方にあると検出されたものとして記載する。
【0040】
制御部26は、タッチパネル24又はキー入力部22を介して、表示しているブックデータの中から特定のブックデータがユーザにより選択されたか否かを検出する(S24)。ユーザにより特定のブックデータが選択されたときは(S24のYES)、選択されたブックデータの頁画像を表示部10に表示する(S25)。この場合に制御部26は、ブックデータ情報テーブル100を参照することにより頁番号を取得し、頁番号に対応した頁データに基づく頁画像を表示部10に表示する。例えば、ブックデータAを表示する場合は、3頁目の頁データに基づく頁画像を表示し、ブックデータBを表示する場合は、20頁目の頁データに基づく頁画像を表示する。ブックデータCは関連付けられた頁番号が無いので、1頁目の頁データに基づく頁画像を表示する。
【0041】
次に制御部26は、状態判定部13による判定結果が変更されたか否かを検出する(S26)。制御部26は、状態判定部13による判定結果が変更されたときは(S26のYES)、例えば表示部10が表示部11より上方にある状態から表示部11が表示部10より上方にある状態に変更されたときは、表示部10に表示している頁画像の次の頁の頁画像を表示部11に表示する(S27)。
【0042】
制御部26は、状態判定部13による判定結果が変更されていないときは(S26のNO)、上部筐体2に対する下部筐体4の相対位置が遷移したか否かを検出する(S31)。制御部26は、相対位置が回転した位置以外の位置に遷移したときは(S31のYES)、頁画像の表示を終了する(S32)。
【0043】
以上の動作により、ユーザは、例えばタッチパネル24,25やキー入力部22等を用いて次の頁の表示を指示しなくとも、携帯電話機1を半回転させるだけで次の頁を表示することができる。その為、本実施の形態における携帯電話機1は、ユーザの指が頁めくりを指示する操作キーに誤って触れることがないので、ユーザの意図しないタイミングで頁がめくられることを回避することができる。
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1では、携帯電話機1を半回転させた場合に、次の頁を表示する実施の形態を示した。しかしながら、場合によっては、次の頁ではなく前の頁に戻りたい場合も考えられる。そのため、本実施の形態では、次の頁だけではなく、前の頁に戻ることが可能な携帯電話機1を説明する。
【0044】
本実施の形態に係る携帯電話機1の外観斜視図及び構成図は実施の形態1と同じである。実施の形態1と異なる構成のみ説明する。
【0045】
状態判定部13は、実施の形態1で説明した機能の他に、加速度センサ14を用いて携帯電話機1の回転方向を判定する機能を更に有する。具体的には、状態判定部13は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の夫々における単位時間あたりの加速度の値の変化を検出することにより、回転方向を検出する。状態判定部13は、回転方向として、左回転、右回転、上回転、下回転の4つの回転を判定する。図4に示すように、左回転は、Y軸方向を中心とし、反時計周りに回転する回転であり、右回転は、Y軸方向を中心とし、時計周りに回転する回転である。図4に示すように、上回転は、X軸方向を中心とし、時計周りに回転する回転であり、下回転は、X軸方向を中心とし、反時計周りに回転する回転である。状態判定部13は、判定した結果を制御部26に出力する。
【0046】
制御部26は、実施の形態1で説明した機能の他に、状態判定部13による判定結果に基づき、次の制御を行う。制御部26は、左回転である場合には次の頁の頁画像を表示する。制御部26は、右回転である場合には前の頁の頁画像を表示する。制御部26は、上回転である場合は、現在選択されているブックデータの頁画像の表示を終了し、選択されていたブックデータの次に保存されているブックデータの頁画像を表示する。制御部26は、下回転である場合は、現在選択されているブックデータの頁画像の表示を終了し、選択されていたブックデータの前に保存されているブックデータの頁画像を表示する。
【0047】
例えば、制御部26は、ブックデータBの20頁目の頁データに基づく頁画像を表示している場合に、回転が上回転であると判定されたときは、ブックデータCの1頁目の頁データに基づく頁画像を表示し、回転が下回転であると判定されたときは、ブックデータAの3頁目の頁データに基づく頁画像を表示する。
【0048】
本実施の形態に係る携帯電話機1の動作を図8及び図9を用いて説明する。
【0049】
位置検出部12は、上部筐体2に対する下部筐体4の相対位置を検出する(S41)。状態判定部13は、位置検出部12により回転した位置にあることが検出されたときは(S42のYES)、表示部10及び表示部11のうち、いずれが上方にあるかを判定する(S43)。制御部26は、状態判定部13の判定結果を受け取ると、例えば図7に示すように、上方にある表示部にブックデータの名称一覧を表示する。本実施の形態では、表示部10が表示部11より上方にあると判定されたものとして記載する。
【0050】
制御部26は、タッチパネル24,25又はキー入力部22を介して、表示しているブックデータの中から特定のブックデータがユーザにより選択されたか否かを検出する(S44)。ユーザにより特定のブックデータが選択されたときは、選択されたブックデータの頁画像を表示部に表示する(S45)。本実施の形態では一例として、ブックデータBがユーザにより選択されたものとする。そのため、表示部10には、ブックデータBの20頁目の頁データに基づく頁画像が表示されている。
【0051】
次に、状態判定部13は、携帯電話機1が回転したか否かを判定する(S46)。制御部26は、携帯電話機1が左回転したと判定された場合には(S47のYES)、表示部11に次の頁の頁画像を表示する(S48)。つまり、21頁目の頁データに基づく頁画像が、表示部11に表示される。
【0052】
制御部26は、携帯電話機1が右回転したと判定された場合には(S61のYES)、表示部11に前の頁の頁画像を表示する(S62)。つまり、表示部11に19頁目の頁データに基づく頁画像が表示される。
【0053】
制御部26は、携帯電話機1が上回転したと判定されたときは(S71のYES)、ブックデータBの頁画像の表示を終了し(S72)、ブックデータCの1頁目の頁データに基づく頁画像を表示部11に表示する(S73)。
【0054】
制御部26は、携帯電話機1が下回転したと判定されたときは(S81のYES)、ブックデータBの頁画像の表示を終了し(S82)、ブックデータAの3頁目の頁データに基づく頁画像を表示部11に表示する(S83)。
【0055】
制御部26は、状態判定部13により回転していないと判定されたときは(S46のNO)、上部筐体2に対する下部筐体4の相対位置が遷移したか否かを検出する(S51)。制御部26は、相対位置が回転した位置以外の位置に遷移したときは(S51のYES)、表示しているブックデータの表示を終了する(S52)。
【0056】
以上の動作により、ユーザは、例えばタッチパネルやキー入力部等を用いて次の頁の表示を指示しなくとも、携帯電話機1を半回転させるだけで次の頁の表示、前の頁の表示、表示するブックデータの変更等を行うことができる。
〔その他の実施形態〕
(1)本実施の形態において、ユーザによりブックデータが選択された後は、タッチパネル24,25による入力及びキー入力部22による操作を無効とすることとしてもよい。これにより、頁画像を表示している場合に、ユーザの指が触れることによる誤操作を回避することができる。
【0057】
(2)本実施の形態では、加速度センサにより検出された加速度を用いて表示部10が表示部11より上方にあるか、又は表示部11が表示部10より上方にあるかを判断したが、必ずしもこの場合に限らない。例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度から、水平面に対する携帯電話機1の傾き(水平面に対する角度)を算出し、算出された傾きに基づいて表示部10が表示部11より上方にあるか、又は表示部11が表示部10より
上方にあるかを判断してもよい。また、左回転、右回転、上回転、下回転を判断する場合も、算出された傾きの単位時間あたりの変化を算出することにより左回転、右回転、上回転、下回転を判断してもよい。
【0058】
(3)本実施の形態では、ブックデータの頁めくりを行うことで記載したが、必ずしもブックデータの頁めくりに限定されない。例えば、カメラ等で撮影した画像データを表示している場合において、左回転を検出したときは、表示している画像データの次に撮影された画像データを表示することとしてもよい。また、画像データを表示している場合において、上回転を検出すると、最新に受信したメール本文を表示することとしてもよい。つまり、第1のデータ群に含まれる第1のデータを表示している場合に、第1方向の回転を検出したときは第1のデータ群に含まれかつ第1のデータとは異なるデータを表示し、第1方向とは異なる第2方向の回転を検出したときは第1のデータの表示を終了し、第2のデータ群に含まれる第2のデータを表示することとしてもよい。
【0059】
(4)本実施の形態では、回転した位置から開いた位置に遷移したときは、頁画像の表示を終了することで記載したが、必ずしも終了しなくてもよい。例えば、表示部10にブックデータBの頁画像を表示している場合に、回転した位置から開いた位置に遷移したときは、頁画像の表示は終了させずに、表示部11には携帯電話機1が備える機能を使用するための画面を表示させることとしてもよい。表示部11に機能を使用するための画面を表示させるので、ユーザは頁画像を見ながら、携帯電話機1が備える機能を選択し、使用することができる。機能を使用するための画面とは、例えば機能一覧を表示したメニュー画面や、通常の待ち受け画面等が考えられる。また、携帯電話機1が備える機能とは、例えば、メールに関する機能(例えば、メールの作成、作成したメールの送信、受信したメールの表示等)、テレビの視聴、カメラ等の撮像部が設けられている場合にはカメラ機能等が考えられる。
【0060】
(5)また、頁画像を表示しているときはタッチパネル等からの入力を無効としていたが、回転した位置から開いた位置に遷移したときはタッチパネル等からの入力を有効としてもよい。これにより、例えば(3)において、表示部11に表示された機能に対してタッチパネル25による操作を行うことができる。タッチパネルからの入力を有効とする場合に、表示部10又は表示部11のどちらか一方のみを有効としてもよし、両方を有効としてもよい。
【0061】
(6)本実施の形態では、携帯電話機にて記載したが、必ずしも携帯電話機に限定する必要は無い。例えば、PDA、携帯端末装置であってもよい。
【0062】
(7)本実施の形態では、ブックデータをアンテナ18を介して受信することで記載したが、必ずしもアンテナ19を介して受信することに限らない。ブックデータが保存されたメモリカード等の記憶媒体を携帯電話機に装着し、記憶媒体からブックデータを取得することとしてもよい。
【0063】
(8)本実施の形態では、表示部10と表示部11とを備え、半回転させることで頁めくりの制御等を行ったが、必ずしもこれに限定する必要は無い。例えば表示部10のみを備え、1回転させることにより頁めくりの制御等を行うこととしてもよい。
【0064】
(9)本実施の形態では、バックライトの消灯、及びタッチパネルやキー入力部からの操作の無効/有効を制御部が制御することで記載したが、必ずしも制御部が制御する必要は無い。例えば、制御部とは異なる照明制御部、操作制御部を設け、照明制御部がバックライトの消灯を、操作制御部がタッチパネルやキー入力部からの操作の無効/有効の制御を行うこととしてもよい。
【0065】
この他、実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 携帯電話機
2 上部筐体
3 ヒンジ部
4 下部筐体
10 表示部
11 表示部
12 位置検出部
13 状態判定部
14 加速度センサ
15 信号処理部
16 マイク
17 スピーカ
19 無線部
21 チューナ
22 キー入力部
23 記憶部
24 タッチパネル
25 タッチパネル
26 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルが設けられた表示部と、
第1のグループに属する複数のデータと前記第1のグループとは異なる第2のグループに属するデータとを記憶する記憶部と、
自機の状態を判定する状態判定部と、
前記第1のグループに属する複数のデータのうち第1のデータが前記表示部に表示されている場合おいて、前記状態判定部により自機の状態が第1の状態と判定したときは、前記第1のグループに属する複数のデータのうち、前記第1のデータとは異なる第2データを前記表示部に表示させ、
前記第1のグループに属する複数のデータのうち第1のデータが前記表示部に表示されている場合おいて、前記状態判定部により自機の状態が第2の状態と判定したときは、第2のグループに属している第3のデータを前記表示部に表示させる表示制御部と、
を有する携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−38340(P2012−38340A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243106(P2011−243106)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【分割の表示】特願2009−176312(P2009−176312)の分割
【原出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】