説明

携帯端末装置

【課題】ケースが不正に開封される場合に、揮発性メモリ及び不揮発性メモリのデータを消去することができ、更に、補助電池の監視に必要な電力を極めて低く抑えることができる携帯端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置1では、補助電池71からの電力供給が低レベル状態となったか監視し、その低レベル状態が検出された場合には、RAM11bに記憶されるデータを不揮発性メモリ11cに退避し、補助電池71からRAM11bへの供給電力を遮断する。そして、不揮発性メモリ11cへの退避後には、補助電池71から退避手段へ供給される電力を遮断している。更に、開封検知スイッチが通電状態(開封状態)に切り替えられたときには、RAM11bへの通電を遮断し、RAM11bへの供給電力を無力化させ、更に、不揮発性メモリ11cに開封形跡を残すか、もしくは不揮発性メモリ11cの記憶データを消去している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型光学的情報読取装置などの携帯端末装置は、一般的に、端末内に様々な情報を記憶するメモリが設けられており、メモリ内に記憶される情報の中には、ユーザが厳密な管理を望む重要な情報が含まれる場合もありうる。このような重要な情報が不正に読み出されると、ユーザが不利益を被ることが懸念されるため、現在では、端末内に耐タンパ機能を付加し、不正アクセスによる情報漏洩を適切に防止することが求められている。なお、このような技術としては、例えば特許文献1のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−337753公報
【特許文献2】特開2000−181804公報
【特許文献3】特開平6−175938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、タンパ発生時にバックアップ電源を遮断し、即座にRAM内の情報を消去する構成が開示されており、この構成によれば、タンパ発生時に即座にメモリ内容を消去できるため、情報漏洩を効果的に防止することができる。しかしながら、特許文献1の構成の場合、主電源からの無通電状態が長時間継続したときに、バックアップ電源が放電しきってしまい、タンパ発生時でなくてもメモリ内容が消去される虞がある。この場合、不正行為等が行われていないのにもかかわらず、メモリ復旧などの余計な作業負担が生じかねない。また、通常時にメモリ内に保持しておくべきデータが消去されてしまう虞があるため、データ消失に起因する不測の不利益を被る懸念もある。
【0005】
また、特許文献2の耐タンパ装置では、装置内に物理的攻撃を監視する監視手段が設けられると共に、メモリ情報を消去するための破壊回路やこの破壊回路を動作させるための電力供給源などが設けられており、外部からの攻撃があった場合には破壊回路によってメモリ情報を消去している。この構成でも、タンパ発生時にメモリ内容を消去することができるため、不正アクセスによる情報漏洩を効果的に防止することができる。しかしながら、特許文献2の構成は、物理的攻撃の監視の際に監視用の微小電流を流し続ける必要があるため、監視時において電力供給源での電力消費を抑えにくく、耐タンパ動作が可能となる期間(耐タンパ動作に必要な電力を確保し続けることができる期間)が短くなりやすい。
【0006】
一方、電力供給が断たれた場合であってもメモリ内容を保持し得る構成として、特許文献3のようなものが提供されている。この技術では、電池の放電量が予め一定量を超えた場合に揮発メモリの内容を補助記憶装置に退避するようにしている。しかしながら、この特許文献3の構成は、耐タンパ機能を備えていないため、データ退避先の補助記憶装置に対して不正アクセス等がなされたときに情報の漏洩を防ぐことができない。また、特許文献3の技術は、電力供給が完全に断たれる場合を問題としているため、放電量が大きい充放電が繰り返されるときの放電深度に対して何ら対策がなされておらず、使われ方によって電池寿命を早めてしまう場合がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、補助電池の電池容量が低下する場合に、放電深度をそれほど進行させずに揮発性メモリのデータを不揮発性メモリに退避させることができ、ケースが不正に開封される場合には、揮発性メモリ及び不揮発性メモリのデータを消去することができ、更に、補助電池の監視に必要な電力を極めて低く抑えることができる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、電子部品を収容するケースと、前記ケース内に収容され、前記電子部品に対して電力を供給する主電池と、電力供給を条件として情報を保持する揮発性メモリと、前記揮発性メモリからの情報を退避可能に接続される不揮発性メモリと、前記ケース内において前記主電池とは異なる位置に配置され、少なくとも前記主電池から前記揮発性メモリへ電力が供給されないときに当該揮発性メモリに対して電力を供給する補助電池と、前記補助電池からの電力供給が所定の低レベル状態となったか否かを監視する電池状態監視手段と、前記補助電池からの電力供給が可能とされ、前記電池状態監視手段によって前記所定の低レベル状態が検出された場合に、前記揮発性メモリに記憶されるデータを前記不揮発性メモリに退避する退避手段と、前記電池状態監視手段によって前記所定の低レベル状態が検出された場合に、前記補助電池から前記揮発性メモリへ供給される電力を遮断する補助電力遮断手段と、前記補助電池からの通電ラインに接続され、前記ケースが非開封状態のときに前記通電ラインを非通電状態とし、前記ケースが開封状態となったときに前記通電ラインを通電状態に切り替える開封検知スイッチと、前記開封検知スイッチによって前記通電ラインが通電状態に切り替えられたときに、前記揮発性メモリへの通電を遮断する通電遮断手段と、前記通電遮断手段による通電遮断後、前記揮発性メモリへ供給されていた電力を無力化させる放電手段と、前記開封検知スイッチによって前記通電ラインが通電状態に切り替えられたときに、前記不揮発性メモリに開封された形跡を残す記録手段、もしくは記憶されたデータを消去する消去手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末装置において、前記補助電池からの電力供給を受けて充電可能に構成され、前記補助電力遮断手段によって前記補助電池から前記揮発性メモリへの電力供給が遮断されたときに前記揮発性メモリに対して放電可能な記憶維持用蓄電手段を備え、前記退避手段は、前記補助電力遮断手段によって前記補助電池から前記揮発性メモリへの電力供給が遮断されたとき、前記記憶維持用蓄電手段による放電中に前記揮発性メモリに記憶されるデータの退避動作を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末装置において、前記退避手段によって前記揮発性メモリのデータを前記不揮発性メモリに退避する退避動作が完了したときに通知信号を出力する通知手段を備え、前記補助電力遮断手段が、前記通知手段によって前記通知信号が出力されたことを条件として前記補助電池から前記退避手段への電力供給を遮断することを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、前記補助電池が、充電可能な二次電池によって構成され、前記ケース内に前記主電池が装着されているときに、前記主電池からの通電によって前記補助電池が充電されることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末装置において、前記開封検知スイッチは、B接点方式の機械式スイッチからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では、補助電池からの電力供給が所定の低レベル状態となったか否かを監視する電池状態監視手段と、補助電池からの電力供給が可能とされ、電池状態監視手段によって所定の低レベル状態が検出された場合に、揮発性メモリに記憶されるデータを不揮発性メモリに退避する退避手段と、電池状態監視手段によって所定の低レベル状態が検出された場合に、補助電池から揮発性メモリへ供給される電力を遮断する補助電力遮断手段とが設けられている。
このようにすると、補助電池からの電力供給が所定の低レベル状態まで低下したときに、補助電池の電力を利用して、揮発性メモリのデータを不揮発性メモリに退避することができる。また、補助電池からの電力供給が所定の低レベル状態まで低下したときに補助電池から揮発性メモリへの電力供給を遮断しているため、放電深度の進行を抑えることができる。
更に、補助電池からの通電ラインに接続され、ケースが非開封状態のときに通電ラインを非通電状態とし、ケースが開封状態となったときに通電ラインを通電状態に切り替える開封検知スイッチと、開封検知スイッチによって通電ラインが通電状態に切り替えられたときに、揮発性メモリへの通電を遮断する通電遮断手段と、前記通電遮断手段による通電遮断後、揮発性メモリへ供給されていた電力を無力化させる放電手段とが設けられている。この構成によれば、ケースが開封状態となったときにその状態を適切に検出し、揮発性メモリを早期に揮発させてデータを消去できる。
また、開封検知スイッチによって通電ラインが通電状態に切り替えられたときに、不揮発性メモリに開封された形跡を残す記録手段、もしくは記憶されたデータを消去する消去手段が設けられているため、揮発性メモリの内容消去だけでなく、不揮発性メモリに対しても開封に対する適切な対処(開封の形跡を残存させる対処、或いは記憶内容を消去する対処)が可能となる。
更に、補助電池からの通電ラインに接続される開封検知スイッチは、ケースが非開封状態のときに通電ラインを非通電状態とし、ケースが開封状態となったときに通電ラインを通電状態に切り替えるように構成されているため、通常時(非開封状態の時)には開封の監視に必要な電力が極めて低く抑えられ、補助電池による電力供給をより長期間にわたって維持しやすくなる。
【0014】
請求項2の発明は、補助電池からの電力供給を受けて充電可能に構成され、補助電力遮断手段によって補助電池から揮発性メモリへの電力供給が遮断されたときに揮発性メモリに対して放電可能な記憶維持用蓄電手段を備え、退避手段は、補助電力遮断手段によって補助電池から揮発性メモリへの電力供給が遮断されたとき、記憶維持用蓄電手段による放電中に揮発性メモリに記憶されるデータの退避動作を行っている。
このようにすると、補助電池からの揮発性メモリへの電力供給が遮断されたときに、記憶維持用蓄電手段からの放電によって揮発性メモリの内容を維持する時間を稼ぐことができ、その放電期間中に揮発性メモリのデータを不揮発性メモリに退避することができる。
【0015】
請求項3の発明は、退避手段によって揮発性メモリのデータを不揮発性メモリに退避する退避動作が完了したときに通知信号を出力する通知手段を備え、補助電力遮断手段が、通知手段によって通知信号が出力されたことを条件として補助電池から退避手段への電力供給を遮断している。
このようにすると、揮発性メモリのデータを不揮発性メモリに退避する退避動作が完了したことが確実に確認されてから、退避手段への電力供給が遮断されることとなる。
【0016】
請求項4の発明は、補助電池が、充電可能な二次電池によって構成され、ケース内に主電池が装着されているときに、主電池からの通電によって補助電池が充電されるようになっている。このようにすると、補助電池の交換作業をあまり行わずとも、補助電池の充電状態を良好に保ちやすくなる。
【0017】
請求項5の発明は、開封検知スイッチが、B接点方式の機械式スイッチによって構成されている。このようにすると、ケースが非開封状態のときに補助電池からの通電ラインを非通電状態とし、ケースが開封状態となったときに通電状態に切り替え可能な構成を簡易かつ安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末を概略的に示す平面図であり、図1(B)はその側面図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【図3】図3(A)は、第1実施形態に係る携帯端末で用いられる無線リーダ部を概略的に例示するブロック図であり、図3(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る携帯端末の一部の回路構成を例示する回路図である。
【図5】図5は、図4の回路構成で用いられるDタイプフリップフロップの入力と出力の関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(携帯端末の全体構成)
まず、図1〜図3を参照し、携帯端末の全体構成について概説する。
図1(A)は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末を概略的に示す平面図であり、図1(B)はその側面図である。図2は、第1実施形態に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図3(A)は、第1実施形態に係る携帯端末で用いられる無線リーダ部を概略的に例示するブロック図であり、図3(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示するブロック図である。
【0020】
図1(A)(B)に示す携帯端末装置1は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能と、無線タグを読み取る無線タグリーダとしての機能とを備え、読み取りを二方式で行うことが可能となっている。この携帯端末装置1は、ケース2によって外殻が構成され、このケース2の内部に図2等に示す各種電気部品が収容されている。ケース2は、図1(B)に示すように上ケース2aと下ケース2bとが例えば図示しない連結部材(ねじ等)によって連結されており、この連結部材を取り外すことで開封することができるようになっている。
【0021】
図2に示すように、携帯端末装置1は、全体的制御を司る制御部10を備えており、この制御部10に、メモリ11、キー操作部12、液晶表示器13、ブザー14、バイブレータ15、LED16、無線リーダ部20、情報コード読取部30、IrDA通信部40、Bluetooth通信部50、シリアル通信部60などが接続されている。
【0022】
制御部10は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU(図4のCPU参照)、システムバス(図4のバス接続参照)、入出力インタフェース等を有し、メモリ11とともに情報処理装置として機能している。メモリ11は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの半導体メモリによって構成されており、様々なプログラムや様々なデータを記憶可能に構成されている。なお、図4では、メモリ11がFROM11a、RAM11b、EEPROM等の不揮発性メモリ11cなどによって構成される例を示している。
【0023】
キー操作部12は、複数のキーによって構成され、使用者のキー操作に応じて制御部10に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部10は、キー操作部12から操作信号を受けたとき、その操作信号に応じた動作を行うように構成されている。なお、図1ではキー操作部12を構成する複数のキーの図示を省略しているが、このキー操作部12は、外部操作可能な構成で様々なキー配列とすることができる。液晶表示器13は、公知の液晶表示パネルによって構成されており、制御部10によって表示内容が制御されるようになっている。ブザー14は、公知のブザーによって構成されており、制御部10からの動作信号に応じて所定の音を発生させるように構成されている。バイブレータ15は、携帯機器に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御部10からの駆動信号に応じて振動を発生させるように構成されている。また、LED16は、制御部10からの信号に応じて点灯するように構成されている。
【0024】
無線リーダ部20は、アンテナ25及び制御部10と協働して図示しない無線タグとの間で電磁波による通信を行い、無線タグ(図示略)に記憶されるデータの読み取り、或いは無線タグへのデータの書き込みを行うように機能している。この無線リーダ部20は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図3(A)に示すように、送信回路21、受信回路22、整合回路23などを有している。
【0025】
送信回路21は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から例えば周波数953MHzのキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部10に接続されており、当該制御部10より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路23を介してアンテナ25に出力している。このようにしてアンテナ25に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該アンテナ25より外部に放射される。
【0026】
一方、アンテナ25によって受信された電波信号は、整合回路23を介して受信回路22に入力される。この受信回路22は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ25を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部10に出力している。
【0027】
情報コード読取部30は、CCDエリアセンサなどの固体撮像素子からなる受光センサ33、結像レンズ37、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部31などを備えた構成をなしており、制御部10と協働して読取対象物Rに付された情報コードC(バーコードやQRコード(登録商標)等)を読み取るように機能する。この情報コード読取部30では、情報コードの読み取りを行う場合、まず、制御部10から指令を受けた照明部31にて照明光Lfが出射され、この照明光Lfが図示しないケースに形成された読取口(図示略)を通って読取対象物Rに照射されるようになっている。そして、照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrは読取口を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ37を通って受光センサ33に受光される。読取口と受光センサ33との間に配される結像レンズ37は、情報コードCの像を受光センサ33上に結像させる構成をなしており、受光センサ33はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ33から出力される受光信号は、画像データとしてメモリ11(図2)に記憶され、デコード処理などに用いられるようになっている。なお、情報コード読取部30には、受光センサ33からの信号を増幅する公知の増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換する公知のAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0028】
更に、制御部10には、IrDA通信部40、Bluetooth通信部50、シリアル通信部60が接続されている。IrDA通信部40は、規格化された公知のIrDA通信方式で光無線データ通信を行うインタフェースとして構成されている。また、Bluetooth通信部50は、公知のBluetooth通信規格に基づいて無線通信を行うBluetooth通信インタフェースとして構成されている。シリアル通信部56は、規格化された公知のシリアル通信方式で外部装置と通信を行う通信インタフェースである。
【0029】
また、携帯端末装置1には、主電池17や電源回路として構成される電源部18が設けられており、これらによって制御部10や各種電気部品に電力が供給されている。主電池17は、充電可能な二次電池(例えばリチウムイオン電池等)によって構成されており、充電時には図示しない充電装置からの電力供給を受けることが可能となっている。なお、携帯端末装置1には、主電池17以外に補助電池71も設けられているが、図1では補助電池71の図示を省略している。
【0030】
(特徴的構成)
次に、携帯端末装置1の特徴的構成について説明する。なお、図4は、第1実施形態に係る携帯端末の一部の回路構成を例示する回路図である。また、図5は、図4の回路構成で用いられるDタイプフリップフロップの入力と出力の関係を説明する説明図である。
【0031】
本実施形態に係る携帯端末装置1では、ケース内のメモリ11に重要な情報(例えば、秘匿性の高い情報コードを読み取った情報、決済データなどの情報等)が記憶される場合が多く、第三者によって不正開封された場合に適切な対処が求められる。一方で、正規使用の場合には必要なデータを継続的に保存しておくべき場合も多い。そこで、本実施形態では以下に説明する回路構成を用いることで適切なバックアップ動作を行い、このような問題を解消している。
【0032】
<1.バックアップ動作のための回路構成>
本実施形態では、具体的には図4のような回路構成をなしている。この回路構成では、主電池の一端側に電源部18(電源回路)が接続されており、電源キーがオン状態となっているときに、電源部(電源回路)18から電源供給ラインを通ってCPU、FROM11a,RAM11bに電力が供給されるようになっている。また、CPUは、RAM11bと退避用不揮発性メモリ11c(以下、単に不揮発性メモリ11cとも称する)の間のスイッチSW1を切り替え可能に構成されており、CPUに電力が供給されて動作可能状態となっているときには、CPUがスイッチSW1をオン状態又はオフ状態に切り替えることができるようになっている。従って、CPUに動作用電力が供給されないとき(例えば主電池17が取り外されている時)には、スイッチSW1がオフ状態に維持され、このときには、電源部(電源回路)18側から不揮発性メモリ11cに対し電力が供給されないようになっている。なお、CPU,FROM11a、RAM11b、不揮発性メモリ11c、退避制御用ゲートアレイ77は、バスラインによってバス接続されており、各部品に電力が供給されているときにはバスラインを介してデータの入力動作或いはデータの出力動作を行うことができるようになっている。なお、バスラインには、データを保持するバッファが介在している。
【0033】
図4の回路構成では、メモリ11として、各種プログラム等を記憶するFROM11a、電力供給を条件として情報を保持するRAM11b、RAM11bからの情報を退避可能に接続される不揮発性メモリ11c(EEPROMやフラッシュメモリ等)などが設けられている。なお、これら以外のメモリについては図示を省略している。RAM11bは、電力供給を受けているときに記憶が維持され、電力供給が途絶えたときに揮発する揮発性メモリであり、携帯端末装置1で扱われるプログラムや様々なデータ(データをやり取りするための暗号鍵、頻繁に使用するデータ(処理速度を向上させるために揮発メモリに記憶しておくべきもの)、情報コードを読み取ったデータ、決済処理で扱われる各種決済データ等)を記憶可能とされている。不揮発性メモリ11cは、バスラインを介してRAM11bに接続されており、RAM11bに記憶されたデータを退避して記憶可能に構成されている。
【0034】
また、ケース2内において主電池17とは異なる位置に補助電池71(サブ電池)が配置されている。この補助電池71は、少なくとも主電池17からRAM11bへ電力が供給されないときに当該RAM11bに対して電力を供給するように構成されている。
【0035】
更に、携帯端末装置1の内部には、電圧監視回路79、退避制御用ゲートアレイ77、昇圧回路75、Dタイプフリップフロップ(以下Dフリップフロップともいう)81などが設けられている。電圧監視回路79は、「電池状態監視手段」の一例に相当し、補助電池71からの電力供給が所定の低レベル状態となったか否か(具体的には、電源ラインBuVが閾値V1を下回る状態となったか否か)を監視するように機能している。また、退避制御用ゲートアレイ77は、「退避手段」の一例に相当し、補助電池71からの電力(より詳しくは昇圧回路75で昇圧された電力)が供給可能とされ、電圧監視回路79(電池状態監視手段)によって前記「所定の低レベル状態」が検出された場合に、RAM11bに記憶されるデータを不揮発性メモリ11cに退避するように機能している。
【0036】
また、主電池17から電源部(電源回路)18までの電力ラインには、降圧回路19(降圧IC)が接続され、主電池17の電圧を降圧させて出力している。降圧回路19(降圧IC)の出力側には、ダイオードD1のアノード側が接続され、ダイオードD1のカソード側には抵抗R1の一端側が接続されている。また、ダイオードD1のアノード側にはNチャネル型FET5(以下、単にFET5とも称する)のゲート端子が接続され、このNチャネル型FET5のソース端子は接地されている。また、Nチャネル型FET5のドレイン端子は、Pチャネル型FET6(以下、単にFET6とも称する)のゲート端子が接続され、、Nチャネル型FET5のドレイン端子とPチャネル型FET6のゲート端子の間には抵抗R6の一端側が接続され、抵抗R6の他端側はNチャネル型FET5のゲート端子に接続されている。
【0037】
更に、Pチャネル型FET6のドレイン端子には抵抗R1の他端側(ダイオードD1側とは反対側)が接続され、Pチャネル型FET6のソース端子には、補助電池71の一端側からの電力ラインが接続されている。この構成では、主電池17が装着されているときに、Nチャネル型FET5がオン状態となり、更にPチャネル型FET6もオン状態となる。従って、降圧回路19(降圧IC)からダイオードD1及び抵抗R1を介して電流が供給され、補助電池71が充電される。また、このとき、ダイオードD1と抵抗R1の間のBuVの電圧に基づいて、後述するメモリバックアップ用の各回路(OR回路(OR1)、Dフリップフロップ回路81、AND回路(AND1),AND回路(AND2),OR回路(OR2),AND回路(AND3)等)に電力が供給されるようになっている。一方、主電池17が装着されていないときには、、Nチャネル型FET5及びPチャネル型FET6がいずれもオフ状態となる。
【0038】
また、補助電池71の一端側(接地側とは反対側)には、開封検知スイッチ73が接続されている。この開封検知スイッチ73は、補助電池71からの通電ライン85aに接続され、ケース2が非開封状態のときに通電ライン85aを非通電状態とし、ケース2が開封状態となったときに通電ライン85aを通電状態に切り替えるように機能している。この開封検知スイッチ73は、B接点方式の機械式スイッチによって構成されており、図1(B)のように上ケース2aと下ケース2bとが結合している場合には、開封検知スイッチ73の押圧部(スイッチ操作部)が上ケース2a又は下ケース2bに押圧された押圧状態が維持され、このときには通電ライン85aが非通電状態で維持される。一方、ケース2が開封されて上ケース2aと下ケース2bが離間したときには、開封検知スイッチ73の押圧部(スイッチ操作部)が非押圧状態となり、このときには通電ライン85aが通電状態で維持されるようになっている。
【0039】
上記開封検知スイッチ73は、一端側が補助電池71の一端側に接続され、他端側は、信号S5の信号ライン85bとして、CPUの1つのポート,AND回路(AND3)の一方の入力端子、退避制御用ゲートアレイ77の入力端子、トランジスタTr2のエミッタ端子にそれぞれ接続されている。開封検知スイッチ73の他端側に接続される信号ライン85bは、抵抗R5を介して接地されており、開封検知スイッチ73がオン状態(通電状態)となっているときに補助電池71から電力が供給され、信号S5がHレベル信号となるように構成されている。逆に、開封検知スイッチ73がオフ状態(非通電状態)となっているときには、補助電池71からの電力供給が遮断され、信号S5がLレベル信号となるように構成されている。
【0040】
AND回路(AND3)は、電源部(電源回路)18からの電源供給ラインの電圧レベルが反転されて一方の入力端子に入力され、開封検知スイッチ73からの信号ライン85bの電圧レベルが他方の入力端子に入力されるようになっている。そして、電源供給ラインがLレベルの場合(即ち電源部(電源回路)18からの電力供給が途絶えている電源オフ状態)であって、且つ信号ライン85bがHレベルの場合(即ち、開封検知スイッチ73がオン状態)の場合にHレベル信号を出力するようになっている。
【0041】
Nチャネル型FET4(以下、単にFET4とも称する)は、ゲート端子がAND回路(AND3)の出力端子に接続され、AND回路(AND3)からHレベル信号が出力されるときにオン状態となるように構成されている。このようにNチャネル型FET4がオン状態となったとき(即ち、電源オフ状態であってケース2が開封されたとき)には、コンデンサC1に蓄積された電荷が放電され、RAM11bが揮発して記憶内容が消去されるようになっている。
【0042】
また、補助電池71の一端側に接続されるもう一つの通電ライン86aには、Pチャネル型FET2(以下、単にFET2とも称する)のドレイン端子と、トランジスタTr1のエミッタ端子とが接続されている。Pチャネル型FET2は、ゲート端子がNチャネル型FET1(以下、単にFET1とも称する)のドレイン端子に接続され、ソース端子が上述のダイオードD1と抵抗R1の間(電圧BuVが生じる部分)に接続されている。また、Pチャネル型FET2のソース端子には通電ライン86を介してコンデンサC3の一端側が接続されると共に、電圧監視回路79が接続され、更に、Dフリップフロップ回路81のPRE端子が接続されている。Nチャネル型FET1は、ゲート端子がAND回路(AND1)の出力端子に接続されており、ソース端子が接地されている。また、Nチャネル型FET1のドレイン端子とPチャネル型FET2のゲート端子の間のラインには、抵抗R2の一端側が接続されており、抵抗R2の他端側はPチャネル型FET2のドレイン端子と補助電池71の間に接続されている。
【0043】
この構成では、AND回路(AND1)の出力がLレベルのときにNチャネル型FET1及びPチャネル型FET2がいずれもオフとなり、このときには、通電ライン86aを介した補助電池71からの電力供給(通電ライン86b側への電力供給)が遮断されるようになっている。一方、AND回路(AND1)の出力がHレベルのときには、Nチャネル型FET1及びPチャネル型FET2がいずれもオンとなり、このときには、補助電池71から通電ライン86aを介して通電ライン86b側に電力が供給され、コンデンサC1やRAM11bに電力が供給されるようになっている。
【0044】
コンデンサC3は、Pチャネル型FET2のソース端子に接続されると共に、ダイオードD1と抵抗R1の間の電圧BuVラインに接続され、主電池17が接続されているときにこの主電池17からの電力によって充電されるようになっている。また、主電池17が取り外されている場合でも、AND回路(AND1)の出力がHレベルのとき(即ち、Nチャネル型FET1及びPチャネル型FET2がいずれもオンのとき)には、補助電池71からの電力供給によって充電されるようになっている。一方、主電池17が取り外されて主電池17からの電力供給が途絶え、且つAND回路(AND1)の出力がLレベルとなって(即ち、Nチャネル型FET1及びPチャネル型FET2がいずれもオフとなり)補助電池71からの電力供給が途絶えたときには放電するようになっている。
【0045】
電圧監視回路79は、「電池状態監視手段」の一例に相当するものであり、例えば公知の比較器などによって構成され、補助電池71からの電力供給が所定の低レベル状態となったか否か(具体的には、Pチャネル型FET2のソース端子及び電源ラインBuVに接続される通電ライン86bが閾値V1を下回る状態となったか否か)を監視するように機能しており、通電ライン86bの電圧が閾値V1を下回ったときにAND回路(AND1)の入力端子及びAND回路(AND2)の入力端子にLレベル信号を出力している。逆に、通電ライン86bの電圧が閾値V1以上のときにはAND回路(AND1)の入力端子及びAND回路(AND2)の入力端子にHレベル信号を出力している。なお、電圧監視回路79からAND回路(AND2)に出力される信号は、反転されてAND回路(AND2)に入力されるようになっている。
【0046】
Dフリップフロップ回路81は、公知のDタイプフリップフロップ回路によって構成されており、入力と出力の関係が図5のようになっている。本実施形態では、電源キーによってオフ操作がなされたとき、CPUへの電力供給が完全に遮断される前に、CPUがDフリップフロップ回路81のD端子への信号S1をHレベルに設定し、その状態でCLK端子へのS2をLレベルからHレベルに切り替えており、その後、電源をオフにしている。従って、電源オフ後には、Dフリップフロップ回路81のQ端子からの出力がHレベルに維持され、この信号がAND回路(AND1)及びAND回路(AND2)に入力されるようになっている。
【0047】
AND回路(AND1)は、信号S5がLレベル(即ち、開封検知スイッチ73がオフ状態)、Dフリップフロップ回路81のQ端子がHレベル、電圧監視回路79からの出力がHレベルの場合にHレベル信号が出力されるようになっており、そうでない場合には、Lレベル信号が出力されるようになっている。
【0048】
OR回路(OR2)は、AND回路(AND3)からの出力がHレベルのとき(電源オフ状態で開封検知スイッチ73がオン状態となったとき)又はAND回路(AND2)からの出力がLレベルのとき(電源オフ時に電圧監視回路79からの出力がLレベルとなったとき、即ち、電源オフ時に通電ライン86bの電圧がV1未満に低下したとき)にHレベル信号を出力するように構成されている。
【0049】
Nチャネル型FET3は、ゲート端子がOR回路(OR2)の出力端子に接続され、ソース端子が接地されており、ドレイン端子が抵抗R3を介してトランジスタTr1のベース端子に接続されている。このNチャネル型FET3は、OR回路(OR2)の出力がHレベルとなったときにオン状態となり、このようにNチャネル型FET3がオン状態となったときにトランジスタTr1がオン状態となるように構成されている。
【0050】
また、補助電池71からの通電ライン86bには、ダイオードD3のアノード端子が接続されており、ダイオードD3のカソード端子は、RAM11bに接続されている。更に、ダイオードD3のカソード側には、コンデンサC1の一端側が接続されており、コンデンサC1の他端側は接地されている。この構成では、電源部(電源回路)18からの電力供給がオフとなっているとき、Nチャネル型FET1及びPチャネル型FET2がいずれもオン状態であれば補助電池71からコンデンサC1及びRAM11bに電力が供給されることになる。
【0051】
<2.主電池の装着時の基本動作>
このように構成される携帯端末装置1では、補助電池71が充電可能な二次電池によって構成され、主電池17が装着されているときには、上述したように、Nチャネル型FET5がオン状態となり、且つPチャネル型FET6がオン状態となる。これにより、降圧回路19(降圧IC)からダイオードD1、抵抗(充電電流制限抵抗)R1を介して充電電流が供給され、補助電池71(サブ電池)が充電される。あわせて、ダイオードD1−抵抗R1間の電圧BuVに基づいて、上述のメモリバックアップ用の各回路(OR回路(OR1)、Dフリップフロップ回路81、AND回路(AND1),AND回路(AND2),OR回路(OR2),AND回路(AND3)等)に電力が供給される。
【0052】
また、主電池17が装着されている場合、電源キーがオン状態のときには、電源部(電源回路)18から電力供給ライン(電源供給ライン)を通ってCPU、FROM11a,RAM11b、コンデンサC1に電力が供給され、スイッチSW1がオン状態のときには不揮発性メモリ11cにも電力が供給される。
【0053】
<3.電源オフ時の基本動作>
携帯端末装置1は、電源キーの操作で電源をオフするとき(電源部(電源回路)18からの電力供給を遮断しようとするとき)、上述したように電源オフに先立ってCPUが信号S1をHレベルに設定すると共に、その状態で信号S2をLレベルからHレベルに切り替え、その後に電源部(電源回路)18からの電力供給が遮断されるようになっている。これにより、Dフリップフロップ回路81のQ端子からの出力がHレベルとなる。このとき、通電ライン86bの電圧がV1以上であり、ケース2が開封されていない状態(即ち、開封検知スイッチ73がオフ状態)の場合には、FET1及びFET2がいずれもオン状態となるため、通電ライン86bに接続されるBuVと補助電池71(サブ電池)とが通電状態となる。この場合、この後に主電池17が取り外されたとしても、メモリバックアップ用の各回路(OR回路(OR1)、Dフリップフロップ回路81、AND回路(AND1),AND回路(AND2),OR回路(OR2),AND回路(AND3)等)などは、BuVに接続された補助電池71の電力で動作を継続できる。
【0054】
<4.補助電池の電圧低下時の動作>
次に、主電池17が取り外された状態で補助電池71の端子電圧が低下した場合について説明する。
主電池17が取り外された状態で補助電池71の端子電圧が低下した場合、その低下が大きくなると、BuVの電圧(即ち、通電ライン86bの電圧)が監視電圧(閾値電圧)V1を下回ることになる。このようにBuVの電圧(通電ライン86bの電圧)が監視電圧(閾値電圧)V1を下回ると、上述のようにAND回路(AND1)からLレベルの信号が出力され、これによりFET1、FET2がいずれもオフ状態となる。このとき、補助電池71と通電ライン86bとの接続が遮断され、通電ライン86bには補助電池71から電力が供給されなくなる。これにより、通電ライン86bを介したRAM11bへの電力供給が遮断される。
【0055】
また、補助電池71からRAM11bへの電力供給が遮断されたとき、同時に、AND回路(AND2)の出力がHレベルとなり、これによりOR回路(OR2)の出力もHレベルになる。そして、OR回路(OR2)からのHレベル信号の出力に応じて、Nチャネル型FET3及びトランジスタTr1がオン状態となり、補助電池71から昇圧回路75へ電力が供給される。これにより、昇圧回路75が動作し、昇圧された電圧を退避制御用ゲートアレイ77に供給する。なお、このとき、BuVライン(即ち、通電ライン86b)が補助電池71から切り離されるが、コンデンサC3が設けられているため、退避処理が終わるまでコンデンサC3からの電力供給によりメモリバックアップ用の各回路(OR回路(OR1)、Dフリップフロップ回路81、AND回路(AND1),AND回路(AND2),OR回路(OR2),AND回路(AND3)、昇圧回路75等)を動作させることができる。
【0056】
また、このように補助電池71の電圧低下時に昇圧回路75が駆動されたときには、退避制御用ゲートアレイ77が動作し、RAM11bに記憶されたデータを不揮発性メモリ11cに退避させるようになっている。
【0057】
退避制御用ゲートアレイ77は、例えば昇圧回路75から駆動電圧が供給されたことをトリガとして動作が開始するように構成されており、動作開始後には、まず、開封検知信号S5を確認している。そして、開封検知信号S5がLレベル(即ち、開封検知スイッチ73が非通電状態)であれば、退避動作を実行し、RAM11bに記憶されたデータを不揮発性メモリ11cに退避(記憶)している。そして、そのデータ退避動作の完了後に完了信号S3を出力している。
【0058】
また、本実施形態では、FET1、FET2がオフ状態となったときに補助電池71からRAM11bへの電力供給が遮断されるが、退避制御用ゲートアレイ77による退避動作中には、上述のコンデンサC1によってRAM11bへの放電がなされるようになっているため、このコンデンサC1の放電によってRAM11bへの電力供給が維持されている間にRAM11bに記憶されるデータを不揮発性メモリ11cに退避することができる。
【0059】
退避制御用ゲートアレイ77は、上述の退避動作が終了した後に、Hレベルの完了信号S3を所定期間出力し、その後、S3のラインをLレベルに戻す。一方、CPUからの信号S1,S2は、電源オフ時にはLレベルになっているため、Hレベルの完了信号S3がOR回路(OR1)に入力されると、Dフリップフロップ回路81のD端子がLレベルに維持された状態でCLK端子にはLレベルからHレベルの立ち上がり信号が入力される。これにより、Dフリップフロップ回路81のQ端子からはLレベルの信号が出力され、AND回路(AND2)の出力はLレベルに切り替わる。従って、AND回路(AND3)の出力がHレベルでない限り、OR回路(OR2)の出力がLレベルとなり、FET3、トランジスタTr1がいずれもオフ状態となる。これにより、補助電池71から昇圧回路75への電力供給が停止する。
【0060】
なお、本実施形態では、AND回路(AND1)、AND回路(AND2)、Nチャネル型FET1、Pチャネル型FET2、OR回路(OR1)、OR回路(OR2)、Dフリップフロップ回路81、Nチャネル型FET3、抵抗R3,トランジスタTr1が「補助電力遮断手段」の一例に相当し、電圧監視回路79(電池状態監視手段)によって所定の低レベル状態(BuVの電圧が監視電圧V1を下回る状態)が検出された場合に、補助電池71からRAM11bへ供給される電力を遮断するように機能する。具体的には、退避制御用ゲートアレイ77(通知手段)は、RAM11bのデータを不揮発性メモリ11cに退避する退避動作が完了したときにHレベルの完了信号S3(通知信号)を出力しており、上記「補助電力遮断手段」は、この通知手段によって完了信号S3(通知信号)が出力されたことを条件として補助電池71から退避制御用ゲートアレイ77(退避手段)への電力供給を遮断している。
【0061】
また、コンデンサC1は、「記憶維持用蓄電手段」の一例に相当しており、BuV電圧(通電ライン86bの電圧)が監視電圧V1を上回るときには、補助電池71からの電力供給を受けて充電可能に構成され、AND回路(AND1),Nチャネル型FET1,Pチャネル型FET2によって補助電池71からRAM11bへの電力供給が遮断されたときには、RAM11bに対して放電するように構成されている。
【0062】
<5.ケースの開封時の動作>
次に、電源オフ時にケース2が開封された場合について説明する。
図4の構成では、開封検知スイッチ73が、上述したようにB接点方式の機械式スイッチによって構成されており、携帯端末装置1が未開封のときにオープン状態(非通電状態)となり、携帯端末装置1が開封されたときにオン状態(通電状態)となるように構成されている。
【0063】
この構成では、携帯端末装置1の電源がオフの状態(電源部(電源回路)18からの電力供給ラインがLレベルの状態)でケース2が開封された場合、開封検知信号S5がLレベルからHレベルに変化し、AND回路(AND3)の出力がLレベルからHレベルに変化する。すると、Nチャネル型FET4がオン状態となるため、RAM11bの電源供給ラインに接続されたコンデンサC1の電荷が放電する。また、信号ライン85bがHレベルとなるためAND回路(AND1)の出力はLレベルになり、FET1、FET2がオフ状態となる。従って、補助電池71からコンデンサC1,RAM11bへの電力供給が遮断される。このような動作により、RAM11bへの電力供給が即座に遮断されてRAM11bのメモリ内容が消去(揮発)される。
【0064】
なお、AND回路(AND1)、FET1、FET2、AND回路(AND3)、Nチャネル型FET4は、「通電遮断手段」の一例に相当し、開封検知スイッチ73によって通電ライン85aが通電状態に切り替えられたときに、RAM11bへの通電を遮断するように機能する。また、AND回路(AND3)及びNチャネル型FET4は、「放電手段」の一例に相当し、通電遮断手段による通電遮断後、RAM11bへ供給されていた電力を無力化させるように機能する。
【0065】
また、上記のように開封検知信号S5がLレベルからHレベルに変化し、AND回路(AND3)からの出力がHレベルになったときには、OR回路(OR2)の出力がHレベルに変化する。そして、Nチャネル型FET3、トランジスタTr1がともにオン状態になり、補助電池71から昇圧回路75へ電力が供給される。これにより、昇圧回路75が駆動し、昇圧された電圧を退避制御用ゲートアレイ77や不揮発性メモリ11c(退避用不揮発性メモリ)に供給する。
【0066】
退避制御用ゲートアレイ77は、上述したように昇圧回路75から駆動電圧を供給されたときに動作が開始し、まず、開封検知信号S5を確認している。そして、S5がLレベルの場合は上述したように退避処理を行っている。一方、開封検知スイッチ73がオン状態となって開封検知信号S5がHレベルになっているときには退避処理を行わず、不揮発性メモリ11cの内容の全てもしくは一部を消去し、不揮発性メモリ11c内のある特定のアドレスに開封検知の動作を行ったことを記録する。
【0067】
なお、退避制御用ゲートアレイ77は、「記録手段」若しくは「消去手段」の一例に相当し、開封検知スイッチ73によって通電ライン85aが通電状態に切り替えられたときに、不揮発性メモリ11cに開封された形跡を残す、もしくは記憶されたデータを消去するように機能する。
【0068】
また、本実施形態では、BuV電圧(即ち通電ライン86bの電圧)が監視電圧V1を下回り、FET2がオフ状態(BuV電源なし)となっているときでも、開封時のタンパアクション(退避用不揮発性メモリ11cの消去等)ができるように、トランジスタTr2を介して補助電池71から昇圧回路75に電力を供給可能となっている。
【0069】
なお、本実施形態では、電源キーの操作によって電源オン状態となり、電源部(電源回路)18から電力供給ライン(電源供給ライン)への電力供給が開始された時には、CPUが不揮発性メモリ11c(退避用不揮発性メモリ)の内容を読み出すようになっている。そして、上述のように不揮発性メモリ11cのある特定のアドレスに開封検知の動作を行ったことが記録されている場合には、FROM11a内のファイルデータを消去したり、端末機能を停止させることができるようになっている。
【0070】
また、本実施形態では、電源がオン状態のとき(電源部(電源回路)18から電力が供給されているとき)に開封検知スイッチ73が開封検知した場合、信号ライン85bはHレベルになるが、AND回路(AND3)のもう一方の端子の入力(電源供給ラインの反転入力)がLレベルとなるため、AND回路(AND3)の出力はLレベルに維持されたままとなる。この場合、FET4や昇圧回路75は動作しないが、本実施形態では開封検知信号S5をCPUが監視しており、CPUが開封と判断した場合(S5がHレベルに変化したと判断した場合)には、CPUがRAM11bや不揮発性メモリ11cに記憶されたデータを消去したり、端末の特定機能を停止するように制御を行っている。
【0071】
本実施形態の回路構成では、補助電池71に接続される回路は、FET2、FET1(抵抗R2を介して接続)、FET6、トランジスタTr1、開封検知スイッチ73であるが、主電池17が取り外され、補助電池71の電圧が監視電圧V1を下回り、更に、ケース2が開封されていない場合、FET2、FET1(抵抗R2を介して接続)、FET6、トランジスタTr1が全てオフ状態となるため電流が流れない。また、開封検知スイッチ73も非通電状態(オープン状態)のため電流は流れない。このように、補助電池71からの通電経路が全て遮断された状態となるため、微小な電流さえも消費しなくて済み、長時間放置されたあとでも、確実にタンパアクションさせることができる。
【0072】
(本実施形態の主な効果)
本実施形態に係る携帯端末装置1では、補助電池71からの電力供給が所定の低レベル状態となったか否かを監視する電池状態監視手段と、補助電池71からの電力供給が可能とされ、電池状態監視手段によって所定の低レベル状態が検出された場合に、RAM11bに記憶されるデータを不揮発性メモリ11cに退避する退避手段と、電池状態監視手段によって所定の低レベル状態が検出された場合に、補助電池71からRAM11bへ供給される電力を遮断し、少なくとも退避手段によってRAM11bのデータが不揮発性メモリ11cに退避された後に、補助電池71から退避手段へ供給される電力を遮断する補助電力遮断手段とが設けられている。従って、補助電池71からの電力供給が所定の低レベル状態まで低下したときに、補助電池71の電力を利用して、RAM11bのデータを不揮発性メモリ11cに退避することができる。また、補助電池71からの電力供給が所定の低レベル状態まで低下したときに補助電池71からRAM11bへの電力供給を遮断することができるため、放電深度の進行を抑えることができる。
【0073】
ところで、揮発メモリのバックアップ用2次電池(リチウム2次電池など)は、放電量を大きく設定した充放電を繰り返した場合、電池容量が徐々に低下し、電池容量が半減してしまうような寿命を早く迎えてしまう。一方、バックアップ用の2次電池は通常、端末装置内部に配置され、交換することを想定しない。特に耐タンパ機能を持たせた端末装置では、交換できる構造自体が改造や解析の糸口になりかねないためである。このため、端末装置の実働期間に合わせ、放電深度を深くしない設定が必要になる。
【0074】
また、バックアップ対象のデータは、端末装置の実運用に必要不可欠なデータを持たせる場合があるので(例えば、データをやり取りするための暗号鍵や、頻繁に使うようなデータで処理速度を向上させるために揮発メモリに保持する場合など)、バックアップ電池残量がなくなって、データが揮発してしまうと、次回使用時にデータの再ダウンロードが必要になり、使い勝手が悪くなる。このため、バックアップ電池残量が少なくなってきた場合には、不揮発性メモリにデータを退避できると便利である。本実施形態では、このようないずれの要求をも満たすことができ、上述したバックアップ電池の放電深度を深くせずに、バックアップ電池残量が少なくなってきた場合に、不揮発性メモリにデータを退避することが可能となる。
【0075】
一方、近年の機器では、携帯端末内のセキュリティ性の要求が特に高くなってきており、ケースが開封されたときに、機器内のセキュリティ情報を漏洩させにくい何らかのタンパアクションを実行する必要がある。一方、常時、電源供給されている機器では、タンパアクションのための電力確保が可能だが、携帯端末のような電池駆動の機器では、電池を外された場合には電力確保ができない。このため、重要データを揮発メモリに持たせ、タンパ発生時にバックアップ電源を遮断して、即座にメモリ内容を揮発させる必要がある。
【0076】
このような問題に対し、本実施形態では開封検知スイッチ73(補助電池71からの通電ライン85aに接続され、ケース2が非開封状態のときに通電ライン85aを非通電状態とし、ケース2が開封状態となったときに通電ライン85aを通電状態に切り替えるスイッチ)が設けられ、更に、この開封検知スイッチ73によって通電ライン85aが通電状態に切り替えられたときに、RAM11bへの通電を遮断する通電遮断手段と、通電遮断後、RAM11bへ供給されていた電力を無力化させる放電手段とが設けられている。この構成によれば、ケース2が開封状態となったときにその状態を適切に検出し、RAM11bを早期に揮発させてデータを消去できる。
また、開封検知スイッチ73によって通電ライン85aが通電状態に切り替えられたときに、不揮発性メモリ11cに開封された形跡を残す記録手段、もしくは記憶されたデータを消去する消去手段が設けられているため、RAM11bの内容消去だけでなく、不揮発性メモリ11cに対しても開封に対する適切な対処(開封の形跡を残存させる対処、或いは記憶内容を消去する対処)が可能となる。
【0077】
更に、補助電池71からの通電ライン85aに接続される開封検知スイッチ73は、ケース2が非開封状態のときに通電ライン85aを非通電状態とし、ケース2が開封状態となったときに通電ライン85aを通電状態に切り替えるように構成されているため、通常時(非開封状態の時)には開封の監視に必要な電力が極めて低く抑えられ、補助電池71による電力供給をより長期間にわたって維持しやすくなる。
【0078】
また、本実施形態では、補助電池71からの電力供給を受けて充電可能に構成され、補助電力遮断手段によって補助電池71からRAM11bへの電力供給が遮断されたときにRAM11bに対して放電可能なコンデンサC1(記憶維持用蓄電手段)が設けられている。そして、退避手段は、補助電力遮断手段によって補助電池71からRAM11bへの電力供給が遮断されたとき、コンデンサC1(記憶維持用蓄電手段)による放電中にRAM11bに記憶されるデータの退避動作を行っている。
このようにすると、補助電池71からのRAM11bへの電力供給が遮断されたときに、コンデンサC1(記憶維持用蓄電手段)からの放電によってRAM11bの内容を維持する時間を稼ぐことができ、その放電期間中にRAM11bのデータを不揮発性メモリ11cに退避することができる。
【0079】
また、本実施形態では、退避手段によってRAM11bのデータを不揮発性メモリ11cに退避する退避動作が完了したときに通知信号を出力する通知手段が設けられており、補助電力遮断手段は、通知手段によって通知信号が出力されたことを条件として補助電池71から退避手段への電力供給を遮断している。
このようにすると、RAM11bのデータを不揮発性メモリ11cに退避する退避動作が完了したことが確実に確認されてから、退避手段への電力供給が遮断されることとなる。また、退避動作後には補助電池71からの不要な電力供給を適切に抑えることができる。
【0080】
また、本実施形態では、補助電池71が、充電可能な二次電池によって構成され、ケース2内に主電池17が装着されているときに、主電池17からの通電によって補助電池71が充電されるようになっている。このようにすると、補助電池71の交換作業をあまり行わずとも、補助電池71の充電状態を良好に保ちやすくなる。
【0081】
また、本実施形態では、開封検知スイッチ73が、B接点方式の機械式スイッチによって構成されている。このようにすると、ケース2が非開封状態のときに補助電池71からの通電ラインを非通電状態とし、ケース2が開封状態となったときに通電状態に切り替え可能な構成を簡易かつ安価に実現できる。
【符号の説明】
【0082】
1 携帯端末装置
2 ケース
17 主電池
11b RAM(揮発性メモリ)
11c 不揮発性メモリ
71 補助電池
73 開封検知スイッチ
77 退避制御用ゲートアレイ(退避手段、記録手段、消去手段、通知手段)
79 電圧監視回路(電池状態監視手段)
81 Dタイプフリップフロップ回路(補助電力遮断手段)
85a 通電ライン
AND1 AND回路(補助電力遮断手段、通電遮断手段)
AND2 AND回路(補助電力遮断手段)
AND3 AND回路(通電遮断手段、放電手段)
C1 コンデンサ(記憶維持用蓄電手段)
Tr1 トランジスタ(補助電力遮断手段)
OR1 OR回路(補助電力遮断手段)
OR2 OR回路(補助電力遮断手段)
FET1 Nチャネル型FET(補助電力遮断手段、通電遮断手段)
FET2 Pチャネル型FET(補助電力遮断手段、通電遮断手段)
FET3 Nチャネル型FET(補助電力遮断手段)
FET4 Nチャネル型FET(通電遮断手段、放電手段)
R3 抵抗(補助電力遮断手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を収容するケースと、
前記ケース内に収容され、前記電子部品に対して電力を供給する主電池と、
電力供給を条件として情報を保持する揮発性メモリと、
前記揮発性メモリからの情報を退避可能に接続される不揮発性メモリと、
前記ケース内において前記主電池とは異なる位置に配置され、少なくとも前記主電池から前記揮発性メモリへ電力が供給されないときに当該揮発性メモリに対して電力を供給する補助電池と、
前記補助電池からの電力供給が所定の低レベル状態となったか否かを監視する電池状態監視手段と、
前記補助電池からの電力供給が可能とされ、前記電池状態監視手段によって前記所定の低レベル状態が検出された場合に、前記揮発性メモリに記憶されるデータを前記不揮発性メモリに退避する退避手段と、
前記電池状態監視手段によって前記所定の低レベル状態が検出された場合に、前記補助電池から前記揮発性メモリへ供給される電力を遮断する補助電力遮断手段と、
前記補助電池からの通電ラインに接続され、前記ケースが非開封状態のときに前記通電ラインを非通電状態とし、前記ケースが開封状態となったときに前記通電ラインを通電状態に切り替える開封検知スイッチと、
前記開封検知スイッチによって前記通電ラインが通電状態に切り替えられたときに、前記揮発性メモリへの通電を遮断する通電遮断手段と、
前記通電遮断手段による通電遮断後、前記揮発性メモリへ供給されていた電力を無力化させる放電手段と、
前記開封検知スイッチによって前記通電ラインが通電状態に切り替えられたときに、前記不揮発性メモリに開封された形跡を残す記録手段、もしくは記憶されたデータを消去する消去手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記補助電池からの電力供給を受けて充電可能に構成され、前記補助電力遮断手段によって前記補助電池から前記揮発性メモリへの電力供給が遮断されたときに前記揮発性メモリに対して放電可能な記憶維持用蓄電手段を備え、
前記退避手段は、前記補助電力遮断手段によって前記補助電池から前記揮発性メモリへの電力供給が遮断されたとき、前記記憶維持用蓄電手段による放電中に前記揮発性メモリに記憶されるデータの退避動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記退避手段によって前記揮発性メモリのデータを前記不揮発性メモリに退避する退避動作が完了したときに通知信号を出力する通知手段を備え、
前記補助電力遮断手段が、前記通知手段によって前記通知信号が出力されたことを条件として前記補助電池から前記退避手段への電力供給を遮断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記補助電池が、充電可能な二次電池によって構成され、
前記ケース内に前記主電池が装着されているときに、前記主電池からの通電によって前記補助電池が充電されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記開封検知スイッチは、B接点方式の機械式スイッチからなることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−70206(P2012−70206A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213038(P2010−213038)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】