説明

携帯端末

【課題】 実現容易性の面でより優れた、端末の傾きから情報を入力する携帯端末を実現する。
【解決手段】 携帯端末10は、表面における所定部位18の圧力分布又は圧力分布の変化に応じて入力される情報が選択され、所定部位18は凸曲面状に形成され、所定部位18の圧力分布を検出する圧力分布検出部12を備える。圧力分布検出部12は、所定部位18に設けられた1つ以上の圧電素子11により圧力分布を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面における所定部位の圧力分布又は圧力分布の変化に応じて入力される情報が選択される携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯端末への情報の入力を行いやすくするため、携帯端末の傾きを検出し、その傾きから情報を入力するという端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−240883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の端末によれば、端末の傾きを検出するために、端末中に回転機構やジンバル機構を備える必要がある。小型化や薄型化が求められる携帯端末においては、これらの機械的な機構を内蔵させることは当該小型化等の妨げとなる。また、実現容易性という観点からも、上記の端末は改善の余地がある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、実現容易性の面でより優れた携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る携帯端末は、表面における所定部位の圧力分布又は圧力分布の変化に応じて入力される情報が選択される携帯端末において、上記所定部位は凸曲面状に形成され、上記所定部位の圧力分布を検出する圧力分布検出手段を備えることを特徴とする。ここで、「入力される情報」とは、コマンド、文字、数字の情報等、一般に携帯端末のキーに割り当てられている情報を含む。
【0006】
本発明に係る携帯端末の利用者は、情報を入力するために、当該情報に応じた携帯端末の所定部位に圧力を加えたり、圧力を変化させたりする。例えば、携帯端末を水平な面に接触をさせ、端末の自重により圧力を加えたり変化させたりすることができる。即ち、使用者は携帯端末を平面に対し、必要に応じて傾斜させて接触させる、又は接触させた後傾斜させることにより情報の入力を行うことができる。ここで、平面と接触する所定部位は凸曲面状に形成されているので、平面への接触や接触させた後の傾斜が行いやすくなっている。
【0007】
本発明に係る携帯端末では、圧力分布検出手段が、上記にように所定部位に加えられた圧力の分布を検出する。
【0008】
上記により、本発明によれば、圧力の検出というより簡易な方法で、実現容易性の面でより優れた、端末の傾きから情報を入力する携帯端末を実現することができる。
【0009】
また、より具体的には、本発明に係る携帯端末において、上記圧力分布検出手段は、上記所定部位に設けられた1つ以上の圧電素子により圧力分布を検出する構成とすることが望ましい。
【0010】
また、本発明に係る携帯端末は、上記所定部位の圧力分布又は圧力分布の変化に応じた、上記入力される情報の各々の割り当て情報を保持する割当情報保持手段と、上記圧力分布検出手段により検出された上記所定部位の圧力分布又は当該圧力分布の変化と、上記割当情報保持手段に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する情報選択手段とを更に備える構成とすることが望ましい。
【0011】
一般に、携帯端末への情報の入力は、入力される情報の選択と、選択された情報の確定との2つの処理からなる。当該構成によれば、圧力分布又は当該圧力分布の変化から、入力される情報の選択が可能となる。
【0012】
また、本発明に係る携帯端末は、上記情報選択手段により入力される情報が選択された後、当該情報を入力される情報として確定する情報確定手段を更に備える構成とすることが望ましい。
【0013】
当該構成によれば、選択された情報を入力された情報として確定することができる。
【0014】
また、より具体的には、本発明に係る携帯端末において、上記圧力分布検出手段は、圧力分布に加えて圧力の強さを検出し、上記情報確定手段は、上記圧力分布検出手段により検出された圧力の強さが所定の基準を満たしているか否かを判断し、当該判断に基づいて入力される情報の確定を行う構成とするのが望ましい。ここで、所定の基準とは、例えば所定の値以上である等が相当する。
【0015】
また、より具体的には、本発明に係る携帯端末において、上記圧力分布検出手段は、表面における上記所定部位とは別の所定部位の圧力分布又は当該圧力分布の変化を更に検出し、上記情報確定手段は、上記圧力分布検出手段により検出された上記別の所定部位の圧力分布又は当該圧力分布の変化に基づいて入力される情報の確定を行う構成とするのが望ましい。
【0016】
また、より具体的には、本発明に係る携帯端末において、上記圧力分布検出手段は、上記別の所定部位に設けられた1つ以上の圧電素子により当該部位の圧力分布を検出する構成とするのが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
上記により、本発明によれば、実現容易性の面でより優れた、端末の傾きから情報を入力する携帯端末を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る携帯端末の実施形態について説明する。
【0019】
図1に本実施形態における携帯端末10の外観構成を示す。図1(a)に示すように、携帯端末10は、凸曲面状の所定部位18(破線で囲まれた部位)を有する。また、図1(b)に示すように、凸曲面上の所定部位18には、複数の圧電素子11が付されており、当該部位に加えられた圧力を検知できるようになっている。携帯端末10として、具体的には例えば、PDA(Personal Digital Assistants)や図1に示すような携帯電話等が相当する。
【0020】
図2に示すように、携帯端末10は、圧力分布検出部12と、割当情報保持部13と、情報選択部14と、情報確定部15とを備える。
【0021】
圧力分布検出部12は、複数の圧電素子11により圧力分布を検出する。圧力分布検出部12の機能は、具体的には、例えば図3に示すように、増幅回路12aと、信号処理回路12bとを含んだ構成により実現される。具体的な検出方法は後述する。
【0022】
割当情報保持部13は、所定部位18の圧力分布に応じた、入力される情報の各々の割り当て情報を保持する。当該保持は、例えば、図4に示す各圧電素子11に加えられた圧力からなる圧力分布に「カメラ」機能が対応しているという情報をテーブルで保持しておくことにより行われる。
【0023】
情報選択部14は、圧力分布検出部12により検出された所定部位18の圧力分布と、割当情報保持部13に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する。情報確定部15は、情報選択部14により入力される情報が選択された後、選択された情報を入力される情報として確定する。なお、具体的な確定方法は後述する。
【0024】
以下、図5のフローチャートを用いて、本実施形態における携帯端末10により実行される処理を説明する。
【0025】
まず、携帯端末10の所定部位18が、使用者により、使用者が入力しようとする情報に対応した圧力分布が発生するように加圧される(S01)。具体的には例えば、図6に示すように、水平な面に対して所定部位18の部分が、使用者が入力しようとする情報に対応した圧力分布が発生するよう傾けて接するようにされる。このとき、所定部位18には携帯端末10の自重で圧力がかかるので、使用者は携帯端末10に圧力が加わるよう強く力を加える必要はない。ここで、水平面と接触する所定部位18は凸曲面状に形成されているので、水平面への接触や接触させた後の傾斜が行いやすくなっている。なお、接触させるものは水平な面に限らず、所定部位18に圧力が加えられるものであればよい。
【0026】
続いて、圧力分布検出部12が、所定部位18の部分に付された複数の圧電素子11により圧力分布を検出する(S02)。図3に示す構成から、具体的には次のように検出する。まず、加圧された圧電素子11からアナログの電気信号が発生する。続いて、増幅回路12aが、発生した電気信号を信号処理できる大きさに増幅する。続いて、信号処理回路12bが、増幅された信号を圧力分布としてデジタル信号に変換する。変換されたデジタル信号は、アプリケーション制御装置に送られ、以下の機能が実現される。
【0027】
圧力分布が検出されると、情報選択部14が、所定部位18の圧力分布と、割当情報保持部13により保持されている割当情報とに基づいて、入力される情報を選択する(S03)。例えば、図4に示すような圧力分布である場合は、「カメラ」機能が選択される。
【0028】
続いて、情報確定部15が、選択された情報を入力される情報として確定する(S04)。当該確定は、割当情報保持部13により情報が選択された後、無条件に行ってもよいが、次のように行うこともできる。なお、一般に携帯端末への情報の入力は、入力される情報の選択と、選択された情報の確定との2つの処理からなっている。
【0029】
まず、圧力分布検出部12で、圧力分布に加えて圧力の強さを検出できるようにしておく。情報選択後に、圧力分布検出部12が、所定部位18の圧力の強さを検出する。検出された圧力の強さが所定の基準を満たしているか否かを、圧力分布検出部12が判断し、当該判断に基づいて行う。ここで、所定の基準は、例えば、圧力の強さが所定の値以上であるという基準が相当する。当該確定方法よれば、使用者は携帯端末10を傾けて平面に接触させた後、携帯端末10を平面に強めに押し付けることにより、入力される情報の確定を行うことができる。
【0030】
また、次のように情報の確定を行ってもよい。まず、図7に示すように、携帯端末10の把持部に情報確定用圧電素子19を設けておく。情報選択後に、圧力分布検出部12が、当該圧電素子19が付された部分の圧力分布を検出し、圧力が加えられていたら情報を確定する。当該確定方法よれば、使用者は携帯端末10を傾けて平面に接触させた後、携帯端末10を強めに握ることにより、入力される情報の確定を行うことができる。
【0031】
上記により、本実施形態によれば、圧力の検出というより簡易な方法で、実現容易性の面でより優れた、端末の傾きから情報を入力する携帯端末10を実現することができる。
【0032】
なお、本実施形態では、圧力分布に応じて入力される情報が選択される場合を示したが、当該圧力分布の時間的変化を入力させる情報に対応させてもよい。圧力分布の時間的変化は、圧力分布検出部12により検出された圧力分布の時系列データから求めることができる。
【0033】
また、本実施形態においては、圧力の検出を圧電素子11で行うこととしているが、圧電フィルムを用いてもよいし、プッシュスイッチ等を用いてもよい。
【0034】
また、本実施形態においては、入力される情報は携帯端末10に備えられた機能の選択としたが、例えば文字等の入力、テレビ又はラジオのボリュームの調節、並びに表示画像又は音声の調節等、様々な情報の入力に応用が可能である。
【0035】
また、本実施形態のように、情報選択部14を付加することにより、入力される情報の選択が可能となる。また、情報確定部15を付加することにより、入力される情報の確定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯端末の外観構成を示した図であり、(a)は全体図であり、(b)は(a)における所定部位の拡大図である。
【図2】実施形態に係る携帯端末の機能構成図である。
【図3】圧力分布検出部の具体的構成を示した図である。
【図4】所定部位の圧力分布に応じた、入力される情報の割り当てを示した図である。
【図5】実施形態に係る携帯端末での処理を示すフローチャートである。
【図6】所定部位の加圧のされ方の一例を示した図である。
【図7】実施形態に係る携帯端末の外観構成の、他の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0037】
10…携帯端末、11…圧電素子、12…圧力分布検出部、12a…増幅回路、12b…信号処理回路、13…割当情報保持部、14…情報選択部、15…情報確定部、18…所定部位、19…情報確定用圧電素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面における所定部位の圧力分布又は圧力分布の変化に応じて入力される情報が選択される携帯端末において、
前記所定部位は凸曲面状に形成され、
前記所定部位の圧力分布を検出する圧力分布検出手段を備える
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記圧力分布検出手段は、前記所定部位に設けられた1つ以上の圧電素子により圧力分布を検出することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記所定部位の圧力分布又は圧力分布の変化に応じた、前記入力される情報の各々の割り当て情報を保持する割当情報保持手段と、
前記圧力分布検出手段により検出された前記所定部位の圧力分布又は当該圧力分布の変化と、前記割当情報保持手段に保持される情報とに基づいて、入力される情報を選択する情報選択手段と
を更に備える請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記情報選択手段により入力される情報が選択された後、当該情報を入力される情報として確定する情報確定手段を更に備える請求項3に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記圧力分布検出手段は、圧力分布に加えて圧力の強さを検出し、
前記情報確定手段は、前記圧力分布検出手段により検出された圧力の強さが所定の基準を満たしているか否かを判断し、当該判断に基づいて入力される情報の確定を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記圧力分布検出手段は、表面における前記所定部位とは別の所定部位の圧力分布又は当該圧力分布の変化を更に検出し、
前記情報確定手段は、前記圧力分布検出手段により検出された前記別の所定部位の圧力分布又は当該圧力分布の変化に基づいて入力される情報の確定を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記圧力分布検出手段は、前記別の所定部位に設けられた1つ以上の圧電素子により当該部位の圧力分布を検出することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−18503(P2006−18503A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194671(P2004−194671)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【出願人】(000187725)パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社 (38)
【Fターム(参考)】