携帯端末
【課題】ユーザが、撮影手段の起動中に携帯物の撮影画像とその登録される識別情報を一緒に確認することができるようにする。
【解決手段】非接触個体識別管理装置30’は携帯型になっており、操作部30−1’,読取手段30-2’,表示手段30−5’及び撮影手段30−11を表面に備えている。表示手段30−5’は、撮影手段30−11によって取り込んだ画像を第1領域30−5−1に表示し、読取手段30−2’により読み込んだ識別情報を第2領域30−5−2に表示する構成になっている。
【解決手段】非接触個体識別管理装置30’は携帯型になっており、操作部30−1’,読取手段30-2’,表示手段30−5’及び撮影手段30−11を表面に備えている。表示手段30−5’は、撮影手段30−11によって取り込んだ画像を第1領域30−5−1に表示し、読取手段30−2’により読み込んだ識別情報を第2領域30−5−2に表示する構成になっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な個体に装着された個体識別タグ(無線IDタグなど、以下「識別タグ」と略す)の識別情報を非接触で読み取り前記個体に関する忘れ物チェックや盗難遺失の発生防止などを図る非接触式個体識別管理方法、その方法を用いる装置、その方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品や物品等の移動可能な個体に識別タグを取り付け、この識別タグに予め設定されている固有の識別情報をホスト側から非接触で読み取ることにより、個体を識別管理する非接触式個体識別管理方法が広く知られるようになった。この方法を用いた非接触式個体識別管理システムは、商品や物品等の個体に取り付けられる識別タグと、ホスト側に接続される質問器とを備え、質問器から送信されるマイクロ波帯の電波を識別タグ(応答器)が受信し質問器に対して応答する構成になっている。
【0003】
このような非接触式個体識別管理システムの適用例として、レンタルビデオ店においてレンタルビデオを識別タグにより管理するシステムが挙げられる。この管理システムは、店内の本棚状の保管ケースに上述の質問器に対応する棚アンテナを配置し、その棚上にそれぞれ識別タグが貼付されたレンタルビデオを保管展示し、これらレンタルビデオをその識別タグにより管理するものである。また、この管理システムでは、同様な質問器が設けられているゲートを店の出入口等に設置し、レンタルビデオがこのゲートを通る際に、その通過を検出して盗難等の防止をはかることもできる。
【0004】
これに対し、携帯物の盗難遺失を防止するための装置として、特許文献1記載の携帯物の盗難遺失防止装置がある。この携帯物の盗難遺失防止装置は、携帯物と携帯者のどちらか一方に送信器、他方に受信器を持たせておき、送信器の発する電波に対する受信器での受信レベルが予め定められたレベル以下となったときにブザー音等の警報を発し、携帯物がその携帯者から所定距離以上離れたことの注意を携帯者に喚起し、携帯物の盗難遺失を防止する構成になっている。
【0005】
また、特許文献2では、個体情報識別手段が、監視カメラの近傍に設置された無線受信機を介して個体から無線送信される個体IDを受信することにより個体を識別し、居場所管理手段が、認識された個体IDと取り込まれた撮影画像を関連付けることによって個体の居場所を特定する構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−214933号公報
【特許文献2】特開2003−85274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、携帯物としての物品個々についての忘れ物や盗難を検出するため特許文献1に記載された前記の従来技術を適用する場合は、忘れ物や盗難を検出する物品個々について送信器と受信器とを準備しなければならなかった。
【0008】
そこで、物品個々について送信器と受信器を準備する代わりに、前述のレンタルビデオの管理システムに適用可能な非接触式個体識別管理システムの利用が考えられる。この場合、物品個々について設けられる送信器を前述のレンタルビデオの管理システムにおける棚アンテナ(質問器)のように共用化し、物品個々にはレンタルビデオのように識別タグをそれぞれ貼付することになる。
【0009】
ところが、この場合も、携帯物としての様々な物品に対応させて識別タグの識別情報をそれぞれ登録しなければならず、その登録作業に多くの時間や労力がかかっていた。また、外出の毎に携行する物品と携行しない物品の数や種類が異なるような場合、その都度、忘れ物や盗難を検出できるようにするために、携行する物品の数や種類を逐一登録し、逆に携行しなくなった物品は逐一登録を解除しなければならなかった。
【0010】
このため、携帯物としての様々な物品を全体としてリスト管理することができず、どの識別情報がどの物品に対応するか、また、いつどこで識別情報を登録したのかを管理できないという問題があった。すなわち、従来の識別タグとこの識別タグの識別情報を非接触で読み取る読取装置とを利用した非接触式個体識別管理システムを、携帯物としての様々な個々の物品に関する忘れ物や盗難を検出するための盗難遺失防止装置に適用しようとした場合、レンタルビデオの管理システムにおいてビデオテープをゲート通過時に盗難防止するように容易に管理することはできないという問題があった。
【0011】
また、携帯物の登録の際に、携帯物の名前を入力するのに非常に多くの時間と労力がかかっていた。このため、特許文献2のようにカメラで撮影した撮影画像と識別情報を関連づけて登録することにより、時間や労力を省くことも試みられていた。しかし、特許文献2のような方法では、カメラのシャッター操作と同時に識別タグの読取操作を行うことができないうえ、複数の識別タグ情報と撮影画像を関連付けて登録することができないという問題があった。
【0012】
本発明は、上述のような従来技術の問題などに鑑みてなされたものであり、移動可能な個体に関する忘れ物や盗難遺失の発生等を効果的に防止できると共に、登録及び検出のための作業が容易に行える非接触式個体識別管理方法、その方法を用いた装置、その方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、非接触式個体識別方法において、撮影手段により撮影を行うステップと、検出対象である識別タグの識別情報が登録される識別情報登録リストに読取手段により読み取った識別タグの識別情報と撮影手段により取り込んだ撮影画像を登録する検出対象登録ステップを有するものである。これにより、識別情報と撮影画像を一緒に登録でき登録作業が容易になる。
【0014】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、読取手段を作動させて識別タグの識別情報を読み取るステップと、該読み取った識別タグの識別情報と識別情報登録リストに登録されている識別タグの識別情報とを比較するステップと、該比較結果により検出対象である識別タグの全ての識別情報が揃っているか否かを判断する状態確認ステップとを有するものである。これにより検出作業が容易になり、識別タグが装着された移動可能な個体について外出や移動の際の忘れ物や盗難遺失の発生を迅速に知ることができる。
【0015】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、識別情報登録リストに登録されている識別タグの識別情報のうち検出されなかった識別タグの撮影画像を強調表示するものである。これにより、識別タグが装着された移動可能な個体についての忘れ物や盗難遺失の発生を迅速かつ正確に知ることができる。
【0016】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、上記強調表示を撮影画像の点滅表示で行なうようにしたものである。これにより、識別タグが装着された移動可能な個体についての忘れ物や盗難遺失の発生をより効果的に知ることができる。
【0017】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、識別情報登録リストに、読取手段により読み取った識別タグの識別情報と撮影手段により取り込んだ撮影画像を制御手段により関連付けて登録するものである。これにより、識別情報と撮影画像を関連付けられ確認作業が一層正確に行なえる。
【0018】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、前記識別情報登録リストに、読取手段により読み取った識別タグの識別情報及び該識別タグが付された個体について前記撮影手段により取り込んだ撮影画像から構成された複数個の識別タグに関する識別情報及び撮影画像の組み合わせを登録するものである。これにより、同一人が携帯物の組み合わせを選択して使用する場合や同一携帯物を複数人が共同使用する場合にも携帯物の盗難遺失を迅速に知ることができる。
【0019】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、撮影画像の表示中に読取手段を作動させて読み取った識別タグの識別情報を表示するものである。これにより、ユーザは撮影手段の起動中に撮影画像と登録される識別情報を一緒に確認することができる。
【0020】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、読み取られた識別タグの識別情報と撮影手段によって取り込まれた撮影画像を関連付けて登録された場合と、識別情報が得られず撮影画像のみ記録される場合とで撮影音の種類をかえるものである。これにより、取り込まれる撮影画像と読み取られた識別識別情報が一致しないことをユーザは容易に知ることができる。
【0021】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、撮影手段と、検出対象である識別タグの識別情報が登録される識別情報登録リストに、読取手段を作動させて読み取った識別タグの識別情報と撮影手段によって取り込んだ撮影画像を登録する検出対象登録手段とを設けたものである。この装置を用いると、識別情報と撮影画像の同時登録や個体名の入力に代わる画像登録などを行なうことが可能となるため、ユーザの登録作業が容易になる。
【0022】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、読取手段により読み取った識別タグの識別情報と識別情報登録リストに登録されている検出対象の識別タグの識別情報とを比較し該比較結果により検出対象である識別タグの全ての識別情報が揃っているか否かを判断する手段を設けたものである。この装置を用いると、識別タグが装着された移動可能な個体について外出や移動の際の忘れ物や盗難遺失の発生を迅速に知ることができる。
【0023】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、識別情報登録リストに登録されている識別タグの識別情報のうち検出されなかった識別タグの撮影画像を強調表示する手段を設けたものである。この装置を用いると、識別タグが装着された移動可能な個体について忘れ物や盗難遺失の発生を一層的確に防止できる。
【0024】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、撮影画像の表示中に読取手段を作動させて読み取った識別タグの識別情報を同時に表示する手段を設けたものである。この装置を用いると、ユーザは撮影手段の起動中に撮影画像と登録される識別情報を一緒に確認することができる。
【0025】
また、本発明は、コンピュータに前述した非接触式個体識別管理方法を実行させるためのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体である。これにより、コンピュータを駆使し非接触式個体識別管理方法を効率良く実施できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、財布や鍵や鞄などといった移動可能な個体に予め装着した識別タグと、その固有の識別情報を読み取る読取手段とを用いる非接触式個体識別管理方法、その方法を用いた装置にあって、外出や移動の際の忘れ物チェックや盗難遺失の発生防止が的確かつ迅速に行えるとともに、そのための登録作業や確認作業も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態の前提としての非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。
【図2】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置の構成図である。
【図3】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストの登録処理のフローチャートである。
【図4】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置で、読取手段の読取操作によって読み取られる識別タグの説明図である。
【図5】一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例の説明図である。
【図6】個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例の説明図である。
【図7】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストに登録されている識別タグの確認処理のフローチャートである。
【図8】本実施形態の非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。
【図9】本実施形態の非接触個体識別管理装置の構成を説明するためのブロック構成説明図である。
【図10】本実施形態の非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストの登録処理のフローチャートである。
【図11】一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図である。
【図12】個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図である。
【図13】本実施形態の撮影手段と遠距離用と近距離用の読取装置を備えた非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストの登録処理のフローチャートである。
【図14】本実施形態の非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストに登録されている識別タグの確認処理のフローチャートである。
【図15】本実施形態の非接触個体識別管理装置において表示手段に携帯物リストを表示させた場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図8は本実施形態の方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図、図9は本実施形態の装置構成を説明するためのブロック構成説明図、図10は本実施形態における識別情報登録リスト登録処理のフローチャート、図11は一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図、図12は個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図、図13は本実施形態における登録処理のフローチャート、図14は本実施形態における確認処理のフローチャート、図15は本実施形態の非接触個体識別管理装置において表示手段に携帯物リストを表示させた場合の説明図である。
【0029】
図8〜図15を用いて本実施形態を説明するにあたり、先ず、本実施形態の前提となっている非接触式個体識別管理システムや非接触式個体識別管理装置などについて、図1〜図7を用いて詳しく説明する。
【0030】
図1は、本実施形態の前提である非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。この図において、非接触式個体識別システム1は、例えば、財布,鍵,鞄といったユーザ2の携帯物10に装着される識別タグ20と、この識別タグ20の読取手段30-2等が備えられた携帯型の非接触個体識別管理装置30とを備えた構成になっている。識別タグ20は、それぞれ固有の識別情報(IDコード)が付された例えばRF−ID(Radio Frequency Identification)のような非接触型識別媒体によって構成されている。
【0031】
図2は、本実施形態の前提である非接触個体識別管理装置の構成図である。この図において、非接触個体識別管理装置30は、操作部30-1,読取手段30-2,文字入力手段30-3,警報手段30-4,表示手段30-5,電波強度検出手段30-6,時刻情報取得手段30-7,位置情報取得手段30-8,制御手段30-9及び記憶手段30-10を備えている。
【0032】
図1及び図2において、操作部30-1は、非接触個体識別管理装置30の各種作動を操作する手段である。この各種作動操作には、携帯物10の登録や携帯物10の盗難遺失確認等を行うために識別タグ20の登録命令や確認命令を入力操作すること、携帯物10の盗難遺失確認を定期的に行う場合の定期的な読取命令自動発信を指示すること及び一旦登録した識別タグ20の登録抹消を行なうこと等が含まれる。また、操作部30-1は、識別タグ20の識別情報を登録する際の登録方法(一斉登録又は個別登録)等の各種設定も行う。
【0033】
読取手段30-2は、操作部30-1から入力された登録命令や確認命令等に基づいて読取命令を発信し該読取命令に対応して識別タグ20から発信される応答を受信したり、識別タグ20からの応答が予め定められた閾値以上の受信電波強度を有して受信されたとき該応答に含まれる識別タグ20自身の識別情報を読み取るように構成されている。
【0034】
文字入力手段30-3は例えばキー入力装置等で構成され、後述の記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に識別タグ10の識別情報に対応させて登録される個体名(当該識別タグ20が装着される携帯物10の名前)を入力する。警報手段30-4はスピーカやバイブレーター等で構成され、後述の記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている携帯物10の盗難遺失の発生等を報知する。
【0035】
表示手段30-5は液晶ディスプレイ等で構成され、識別情報登録リスト31と読み取った識別情報を比較した結果など各種情報を表示する。電波強度検出手段30-6は読取命令に対応して識別タグ20から送信されてくる応答の受信電波強度を検出し、この読取命令に対応して識別タグ20から送信されてくる応答のうち最も受信電波強度の高い応答の識別タグ20を判別できる構成になっている。
【0036】
時刻情報取得手段30-7はタイマー等で構成され、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に対し読取手段30-2によって読み取られた識別情報等を登録又は登録解除したときの時刻情報を登録時刻や登録解除時刻として取得する。位置情報取得手段30-8はGPS(Global Positioning System)等で構成され、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に対し、読取手段30-2によって読み取られた識別情報等を登録又は登録解除したときの非接触個体識別管理装置30の位置情報を登録位置や登録解除位置として取得する。
【0037】
制御手段30-9は、読取手段30-2によって読み取られた識別タグ20の識別情報や、文字入力手段30-3,時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8によって入力あるいは取得される各種情報を、記録手段30-10の識別情報登録リスト31に登録制御するように構成されている。また、制御手段30-9は、読取手段30-2によって読み取られた識別タグ20又はこの識別タグ20が装着された携帯物10について、盗難遺失の確認制御を行ったり、識別情報登録リスト31への登録制御や携帯物10の盗難遺失の確認制御等に関連して、非接触個体識別管理装置30の各部の作動を制御するように構成されている。
【0038】
記憶手段30-10は識別情報登録リスト31を保持すると共に識別情報登録リスト31への登録処理や盗難遺失の確認処理等を実行するにあたって必要な情報やデータを一時保存するように構成されている。
【0039】
このような構成からなる非接触個体識別管理システム1において、識別情報登録リスト31への登録方法及びこの識別情報登録リスト31の構成について以下詳しく説明する。
【0040】
非接触個体識別管理装置30は、識別タグ20の識別情報登録リスト31への登録の仕方について、その装置周辺の識別タグ20を一斉に登録する一斉登録モードと個別の識別タグ20を順番に登録する個別登録モードとを備え、予めいずれかのモードを操作部30-1から読取手段30-2に選択設定できる構成になっている。
【0041】
また、非接触個体識別管理装置30は、その装置周辺の識別タグ20を識別情報登録リスト31に一斉登録あるいは個別登録する場合、又は識別情報登録リスト31に登録されている識別タグ20を登録解除する場合に、その時の位置情報や時刻情報を識別タグ20に対応させて登録する位置時刻情報登録モードを備え、その設定や解除を予め操作部30-1から制御部30−9に選択設定できる構成になっている。
【0042】
図3は、本実施形態の前提である非接触個体識別管理装置を用いて識別情報登録リストの登録処理を行なう場合のフローチャートである。
【0043】
図1及び図3において、非接触個体識別管理装置30は、識別タグ20の識別情報を識別情報登録リスト31に登録するためにユーザ2が操作部30-1から登録命令を入力したか否かを確認する(ステップS01)。この登録命令が入力され操作部30-1から読取命令の発信指示が供給されると、読取手段30−2は、登録モードとして一斉登録モード又は個別登録モードの中のいずれが設定されているかを確認する(ステップS02)。
【0044】
ここで一斉登録モードが予め設定されている場合、読取手段30−2は、非接触個体識別管理装置30の周辺の所定範囲内にある全ての識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS03)。この場合、読取手段30−2は、操作部30-1からの読取命令の発信指示に基いて読取命令を発信し、この読取命令の発信に対応して識別タグ20から発信される応答を受信し、その応答に含まれる識別情報を読み取る。その際、読取手段30−2は応答が受信できる全ての識別タグ20の識別情報を読み取り、識別タグ20からの応答の受信を電波強度検出手段30−6によって検出される受信電波の電波強度に基いて行う。また、読取手段30−2は、予め定められた閾値以上の受信電波強度を有する識別タグ20からの応答の場合、その応答に含まれる識別情報を読み取る一方、この閾値よりも受信電波強度が弱い応答の場合は、その応答に含まれる識別情報を読み取らないように構成されている。
【0045】
図4は、上記読取手段30−2の読取操作によって読み取られる識別タグの説明図である。この図において、読取手段30-2すなわち非接触個体識別管理装置30を中心に、予め定められた受信電波強度の閾値に基いて規定される所定範囲をAとする。この所定範囲Aの内方に位置する識別タグ20-1,20-2から発信された応答は、読取手段30-2によって受信した電波強度が閾値以上になるため、その識別情報を読み取ることができる。しかし、所定範囲Aの外方に位置する識別タグ20-3から発信される応答は、受信した電波強度が閾値よりも低いため、読取手段30-2によってその識別情報を読み取ることができない。
【0046】
従って、図3のステップS03に示すように、一斉登録モードの場合、読取手段30-2は、識別タグ20から発信される応答の受信電波強度に応じ、非接触個体識別管理装置30を中心とした所定範囲Aの内方に位置する全ての識別タグ20-1,20-2の識別情報を読み取り記憶手段30-10に供給する。なお、この所定範囲Aは、閾値としての電波強度の値を適宜設定することにより調整することができる。
【0047】
次に、図3のステップS02において登録モードとして個別登録モードが設定されているのが確認された場合、非接触個体識別管理装置30によって行われる処理について説明する。図4を例に説明すると、登録モードとして個別登録モードが予め設定されている場合、上述した一斉登録モードの場合と同様にして読取手段30−2が読取命令を発信し、上記所定範囲A内に位置する全ての識別タグ20-1,20-2から発信される応答を受信し、その中で最も受信電波強度が高い応答を電波強度検出手段30−6の検出結果に基づいて選択する。その上で、選択した最も受信電波強度が高い応答に対応する識別タグ20-m(この場合、m=1又は2)の識別情報だけを読取手段30−2が読み取る(図3のステップS04)。
【0048】
従って、個別登録モードの場合は、識別タグ20から発信される応答の受信電波強度に基づき、通常、非接触個体識別管理装置30に対して最も近傍に位置する識別タグ20-mの識別情報が、読取手段30-2によって読み取られて図2の記憶手段30-10に供給される。
【0049】
なお、この最も受信電波強度が高い応答の選択は、上記所定範囲A内にある全ての識別タグ20からの応答について受信電波強度の値を比較する代わりに、前述した電波強度の閾値を可変とし、最も受信電波強度が高い応答のみを受信するように閾値を自動的に変えられる構成にしてもよい。
【0050】
また、個別登録モードの場合、最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報が上記記憶手段30-10に供給されると、非接触個体識別管理装置30では、この唯一読み取られた識別タグ20-mの識別情報が図2の制御手段30-9によって表示手段30-5に表示される。加えて、表示手段30-5には、この識別情報(すなわち非接触個体識別管理装置30の最も近傍に位置する識別タグ20-m)に対応させて携帯物10の名前(個体名)が入力可能であることが案内(表示)される。この案内により、ユーザ2は、識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前(個体名)が文字入力手段30-3の操作によって入力できることを認識することができる。
【0051】
識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前を登録しておく必要がある場合、ユーザ2は、上記案内に基いて文字入力手段30-3を操作し識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前(個体名)を入力する。従って、図3において、ユーザ2が上記案内に基いて識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前(個体名)を文字入力手段30-3から入力する(ステップS05)と、その名前が文字入力手段30-3から記憶手段30-10へ、識別情報登録リスト31に登録するために供給される(ステップS06)。
【0052】
なお、個別登録モードにおいて、図3のステップS06に示した携帯物10の名前の登録(個体名入力)をユーザ2が必要としない場合、非接触個体識別管理装置30は、ユーザ2による個体名入力処理のスキップ操作や、所定時間経過しても図2の文字入力手段30-3で入力操作が行われないこと等に基いて、次の位置時刻情報登録モードの確認処理に移行する。
【0053】
非接触個体識別管理装置30は、上述のようにして一斉登録モード又は個別登録モードにより、所定範囲A内に位置する全部の識別タグ20の識別情報、又は所定範囲A内で最も受信電波強度が高い(最も近傍に位置する)識別タグ20の識別情報を読み取ると、位置時刻情報登録モードの確認処理を行う(ステップS07)。この位置時刻情報登録モードでは、予め操作部30-1を操作してユーザ2が位置時刻情報登録モードを設定しているか否かが確認される。
【0054】
また、位置時刻情報登録モードが設定されている場合、時刻情報取得手段30-7によって取得された現在の時刻情報及び位置情報取得手段30-8によって取得された現在の位置情報が、それぞれ登録時刻情報及び登録位置情報として記憶手段30-10に供給される(ステップS08)。
【0055】
非接触個体識別管理装置30では、上述のようにして読取手段30-2によって読み取った識別タグ20の識別情報に加え、その時のモードに応じて取得される文字入力手段30-3からの名前(個体名)、時刻情報取得手段30-7からの登録時刻情報及び位置情報取得手段30-8からの登録位置情報が、制御手段30-9によって記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録される(ステップS09)。
【0056】
次に、図2の記憶手段30-10における識別情報登録リストの構成について詳しく説明する。図5は一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例を示したものである。図1、図2及び図5において、一斉登録モードでは、携帯物10に装着される全ての識別タグ20の識別情報を、1回の登録命令の入力により記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録することができる。
【0057】
一斉登録モードの実行に際して、ユーザ2は、一斉登録モードを操作部30-1で選択設定し、非接触個体識別管理装置30を中心とした所定範囲(図4の範囲A)内に登録リスト31に登録しようとする全ての識別タグ20(20-1〜20-n)を位置させる。その上で、ユーザ2は操作部30-1から登録命令を入力する(図3のステップS01)。
【0058】
このとき、予め操作部30-1の操作によって位置時刻情報登録モードが設定されていない場合は、記憶手段30-10には読み取られた識別タグ20の識別情報に関する図5に示すような一覧形式の識別情報登録リスト31-1が作成され、この識別情報登録リスト31-1に、上記所定範囲A内に位置させた全ての識別タグ20の識別情報が登録される。
【0059】
なお、図には示さないが、この一斉登録モードで、予め操作部30-1の操作によって位置時刻情報登録モードが設定されている場合は、識別情報登録リスト31-1には、登録される上記所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報に対応させて、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8でそれぞれ取得された登録時刻情報及び登録位置情報も登録される。
【0060】
このように、一斉登録モードによる識別情報登録リスト31-1は読み取り可能な全ての識別タグ20の識別情報を1回の登録命令の入力で一覧として登録しただけであるため、どの識別タグ20がどの携帯物10に対応しているかの確認に用いる場合は十分ではないが、全ての携帯物10がそろっているか否かの判断材料としては十分な機能を果たすものである。
【0061】
この識別情報登録リスト31-1を使用する場合、例えば普段持ち歩く携帯物10の数や種類が決まっているときに、携帯物10と同じ数だけの識別タグ20を識別情報登録リスト31-1に一覧として登録し、それらの識別タグ20をそれぞれ携帯物10に装着するだけで済む。このため、識別情報登録リスト31-1への登録操作も1回の登録命令の入力だけで済み、登録作業が極めて容易となる。
【0062】
図6は、個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例を示したものである。個別登録モードでは、携帯物10に装着される識別タグ20全ての識別情報を、識別情報登録リスト31に、それぞれ携帯物10毎に対応させて、1つずつ識別タグ20の識別情報を識別情報登録リスト31に登録させることができる。
【0063】
個別登録モードの実行に際して、ユーザ2は個別登録モードを操作部30-1で選択設定し、その時の個別登録作業で登録する一つの識別タグ20を選択する。このようにして選択された識別タグ20は、残りの識別タグ20に対し非接触個体識別管理装置30の最近傍に位置するように配置される。その上で、ユーザ2は、識別タグ20の登録のための登録命令を操作部30-1から入力する。
【0064】
操作部30-1の操作によって位置時刻情報登録モードが予め設定されていない場合、記憶手段30-10には、識別タグ20の個別登録モードにおける登録順(登録番号)及びこの登録順位で登録された識別情報との対応付けが図られた図6に示すような形式の識別情報登録リスト31-2が作成される。この識別情報登録リスト31-2には、その登録順(登録番号)すなわち個別登録モードで図3に示した登録処理の実行回数に対応させて、各登録処理の実行毎に最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報が登録される。
【0065】
図6は、上述のような各回の登録処理において、読取手段30-2により最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報を読み取った後、これに対応して個体名の入力が行われた場合の識別情報登録リスト31-2を示している。この識別情報登録リスト31-2は、次のような入力方法などで登録される。すなわち、個別登録モードで、最初の登録作業として、識別情報“123456789”の識別タグ20を非接触個体識別管理装置30に対して最近傍の位置に配置した上で、操作部30-1から登録命令を入力し、個体名として“鞄”を文字入力手段30-3によって入力する。また、次の登録作業で、識別情報“123456789”の識別タグ20に代えて、識別情報“234567890”の識別タグ20を非接触個体識別管理装置30に対して最近傍位置に配置した上で、同様にして登録命令を入力し、個体名として“財布”を入力する。更に、その次の登録作業で、識別情報“234567890”の識別タグ20に代えて、識別情報“345678901”の識別タグ20を非接触個体識別管理装置30に対して最近傍位置に配置した上で、同様にして登録命令を入力し、個体名として“鍵”を入力する。
【0066】
このように個別登録モードによる識別情報登録リスト31-2において、ユーザ2は、識別タグ20の識別情報を識別タグ20毎に一つずつ順番に簡単な操作で識別情報登録リスト31-2に登録することができる。
【0067】
これにより、この個別登録モードによる識別情報登録リスト31-2によれば、どの識別タグ20の識別情報がどの携帯物10に対応しているかの判断も可能になる。また、一つの識別タグ20の識別情報の登録に対応して当該識別タグ20が装着される個体名との対応も同時に行えるので、上記判断も一層容易かつ確実になる。
【0068】
なお、この個別登録モードにおいて予め位置時刻情報登録モードが設定されている場合、識別情報登録リスト31-1には、一つの識別タグ20の識別情報の登録毎に対応させて、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8がそれぞれ取得した登録時刻情報及び登録位置情報が登録される。
【0069】
次に、前記識別情報登録リスト31に登録されている識別タグ20について、現在の状態の確認方法について説明する。図7は、本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置30の識別情報登録リストに登録されている識別タグの確認処理のフローチャートである。
【0070】
ユーザ2は、予め識別情報登録リスト31に登録されている識別タグ20が装着されている携帯物10の盗難遺失を確認する場合、操作部30-1から確認命令を入力する。非接触個体識別管理装置30では、識別情報登録リスト31に登録された識別情報の識別タグ20の状態を確認するために、ユーザ2が操作部30-1から確認命令を入力したか否かを確認する(ステップS11)。
【0071】
読取手段30−2は、この確認命令に基づく読取命令の発信指示が操作部30-1から供給されると、読取命令を発信する。この読取命令の発信に対応して識別タグ20から発信される応答を読取手段30−2が受信し、前述した一斉登録モードの場合と同様にして、非接触個体識別管理装置30の周辺の所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報について、読取手段30−2による読み取りが行なわれる(ステップS12)。
【0072】
これにより、非接触個体識別管理装置30では、上記所定範囲A内に現在位置している全ての識別タグ20の識別情報が取得されたことになる。また、非接触個体識別管理装置30では、制御手段30-9が、上記ステップS12の処理により読取手段30-2が読み取った全ての識別タグ20の識別情報と、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている全ての識別情報とを比較する(ステップS13)。
【0073】
この比較結果は表示手段30-5に表示される等して、ユーザ2に報知される。特に、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている識別情報の中に、読取手段30-2が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報があれば(ステップS14)、識別情報登録リスト31への登録解除情報の登録を警告する(ステップS15)。
【0074】
この登録解除情報は、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている識別情報の中に、読取手段30-2が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報がある場合の、時刻情報取得手段30-7によって取得される現在の時刻情報(登録解除時刻情報)と位置情報取得手段30-8によって取得される現在の位置情報(登録解除位置情報)とからなる。
【0075】
また、上記登録解除情報の登録の警告は、表示部30-5による表示や警報手段30-4の作動により行われる。そして、非接触個体識別管理装置30では、識別情報登録リスト31の一致しない識別情報に対応させて、この登録解除時刻情報及び登録解除位置情報を識別情報登録リスト31に履歴情報として登録する(ステップS16)。
【0076】
なお、上記ステップS11〜S15の確認処理において、ユーザ2による操作部30-1からの確認命令をマニュアル入力により実行されるものとして説明したが、予めユーザ2が操作部30-1により所定の周期又は所定の時刻に確認命令が自動入力されるように自動確認モードを設定しておくと、所定の周期又は所定の時刻になった時に操作部30-1から読取手段30-2に確認のための読取命令の発信指示が自動出力される。これにより、非接触個体識別管理装置30では、上記ステップS11〜S15の確認処理が繰り返され、登録解除すなわち盗難遺失の発生の随時検出が可能となる。この結果、盗難遺失にあった場合に、身に付けていた識別タグ20及びその識別タグ20が装着された携帯物10が無くなっていることを、ユーザは即座に知ることができる。
【0077】
以下、上述の非接触個体識別管理装置30の確認処理による作用について、前記識別情報登録リスト31に、図5に示した一斉登録モードに基づく識別情報登録リスト31-1が登録されている場合及び図6に示した個別登録モードに基づく識別情報登録リスト31-2が登録されている場合を例に挙げながら説明する。
【0078】
ユーザ2が普段持ち歩く携帯物10の数や種類を決めていて、これらの携帯物10に装着される識別タグ20の識別情報を一斉登録モードで識別情報登録リスト31-1の如く登録している場合、自動入力又はユーザ2によるマニュアル入力によって確認命令が入力されると、一斉登録されている携帯物10の中の1つでも盗難遺失にあっている場合、図7のステップS14に示す判定処理で“全て揃っている”と判定されず、ステップS15に示す警告処理で、表示部30-5による表示や警報手段30-4の作動が行なわれるため、容易に盗難遺失の発生を確認できる。
【0079】
また、図6に示す識別情報登録リストの場合、ユーザ2が普段持ち歩く携帯物10と対応付けて個別登録モードで識別タグ20の識別情報を登録し、識別情報毎にその識別タグ20が装着される携帯物10の名前も文字入力手段30-3から入力している。この場合、確認命令がユーザ2によるマニュアル又は自動で入力され、個別登録されている携帯物10のうちいずれかが盗難遺失にあっていると、図7のステップS14に示す判定処理で“全て揃っている”と判定されず、ステップS15に示す警告処理で表示部30-5による表示や警報手段30-4の作動が行なわれるため、容易に盗難遺失の発生を確認できる。
【0080】
更に、図7のステップS13に示す比較処理で比較した結果や上記ステップS15に示す警告処理も、例えば図1の表示手段30-5の中の表示内容で示したように、識別情報登録リスト31に登録されている携帯物10の名前に対応させて、図4の所定範囲A内にある携帯物10については“○”表示し所定範囲A外にある携帯物10についてはブランク表示することにより、携帯物10を個別に確認できる。
【0081】
以上の説明を前提として、本発明の好適な実施の形態について以下詳しく説明する。
図8は本発明の非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。この図において、例えば、ユーザの財布,鍵,鞄などといった複数個の携帯物10はそれぞれ識別タグ20が装着された状態で、後述の撮影手段30−11による撮影が可能な範囲内に配置されている。また、これらの識別タグ20は、前記図1の場合と同様に、それぞれ固有の識別情報(IDコード)が付された例えばRF−ID(Radio Frequency Identification)のような非接触型識別媒体によって構成されている。
【0082】
非接触個体識別管理装置30’は携帯型になっており、操作部30−1’,読取手段30-2’,表示手段30−5’及び撮影手段30−11を表面に備えている。撮影手段30−11は例えば固体撮像素子などからなり、操作部30−1’によってシャッター操作が行なわれ所定の撮影範囲内にある識別タグ20などを撮影できる構成になっている。表示手段30−5’は、撮影手段30−11によって取り込んだ画像を第1領域30−5−1に表示し、読取手段30−2’により読み込んだ識別情報を第2領域30−5−2に表示する構成になっている。これにより、ユーザは撮影手段30−11の起動中に撮影画像と登録される識別情報を一緒に確認することができる。
【0083】
図9は、本実施形態の非接触個体識別管理装置の構成を説明するためのブロック構成説明図である。この図において、非接触個体識別管理装置30’は、操作部30−1’,読取手段30-2’,文字入力手段30-3,警報手段30−4’,表示手段30−5’,電波強度検出手段30-6,時刻情報取得手段30-7,位置情報取得手段30-8,制御手段30−9’,記憶手段30-10’及び撮影手段30−11から構成されている。
【0084】
また、操作部30−1’は、特に、撮影手段30−11の作動操作や撮影画像取り込み操作(シャッター操作)を行うことができる構成になっている。すなわち、操作部30−1’は、非接触個体識別管理装置30’の各種作動を操作(登録命令や確認命令の入力操作、読取命令の定期的な自動発信指示操作、登録抹消操作など)したり識別情報を登録する方法(一斉登録又は個別登録)等の各種設定を行ったりすることに加えて、撮影手段30−11の作動操作や撮影画像取り込み操作(シャッター操作)を行うことができる構成になっている。
【0085】
読取手段30−2’は、特に、低周波で遠距離にある識別タグ20の識別情報を読み取り高周波で近距離にある識別タグ20の識別情報を読み取る構成になっている。すなわち、読取手段30−2’は、操作部30-1’から入力された登録命令や確認命令等に基いて読取命令を発信し該読取命令に対応して識別タグ20から発信される応答を受信したり、識別タグ20からの応答が予め定められた閾値以上の受信電波強度を有する場合に該応答に含まれる識別情報を読み取ることに加えて、低周波で遠距離にある識別タグ20の識別情報を読み取り高周波で近距離にある識別タグ20の識別情報を読み取ることができる構成になっている。
【0086】
警報手段30−4’は、特に、撮影画像取り込み操作時の撮影音を発する構成になっている。すなわち、警報手段30−4’はスピーカやバイブレーター等からなり、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている携帯物10の盗難遺失の発生等を報知することに加えて、撮影画像取り込み操作時の撮影音を発することができる構成になっている。
【0087】
表示手段30−5’は、特に、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も表示できる構成になっている。すなわち、表示手段30-5’は液晶ディスプレイ等からなり、識別情報登録リスト31’に登録されている識別情報と読み取った識別情報を比較した結果など各種の情報を表示することに加えて、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も表示できる構成になっている。
【0088】
制御手段30−9’は、必要な場合には特に、読取手段30−2’によって読み取られた識別タグ20の識別情報と撮影手段30−11によって取り込まれた撮影画像とを関連付けて記録手段30−10’の識別情報登録リスト31’に登録制御する構成になっている。すなわち、制御手段30-9’は、読取手段30-2’によって読み取られた識別タグ20又はこの識別タグ20が装着された携帯物10について盗難遺失の確認制御を行ったり、該確認制御や識別情報登録リスト31’への登録制御等に関連して非接触個体識別管理装置30’の各部の作動制御を行なったりすることに加えて、必要な場合には例えば後述の図10ステップS24で詳しく説明するように識別タグ20の識別情報と撮影画像を関連付けて記録手段30−10’の識別情報登録リスト31’に登録制御することができる構成になっている。
【0089】
記憶手段30-10’は、特に、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も記憶できる構成になっている。すなわち、記憶手段30-10’は識別情報登録リスト31’を保持するとともに、この識別情報登録リスト31’への登録処理や盗難遺失の確認処理等を実行するにあたって必要な情報やデータを一時保存することに加えて、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も記憶できる構成になっている。
【0090】
図10は、本実施形態の非接触個体識別管理装置において識別情報登録リストに登録処理する場合のフローチャートである。図8、図9及び図10において、非接触個体識別管理装置30’は、識別タグ20の撮影画像及び識別情報を識別情報登録リスト31’に登録するためにユーザが操作部30−1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力したか否かを確認する(ステップS17)。その入力が確認された場合、撮影手段30−11用起動命令に基づく起動指示が操作部30−1’から供給されると、撮影手段30−11は表示手段30−5’に対しモニター画像の供給を行う(ステップS18)。尚、このモニター画像供給は、撮影手段30−11から表示手段30−5’に撮影画像を直接転送しても良く或いは記録手段30−10’に一度取り込んだのち表示手段30−5’に送出しても良いものとする。
【0091】
次に、ユーザが操作部30−1’から撮影画像取り込みを指示するシャッター命令を入力したか否かを撮影手段30−11が確認し(ステップS19)、シャッター命令の入力が確認された場合、撮影画像取り込み指示が操作部30−1’から供給されると、撮影手段30−11は撮影画像を取り込み登録すべき撮影画像を記録手段30−10’に記録する(ステップS20)。
【0092】
その後、読取手段30−2’は登録モードとして一斉登録モード又は個別登録モードの中のいずれが設定されているかを確認し(ステップS21)、一斉登録モードが予め設定されている場合、読取手段30−2’は非接触個体識別管理装置30’の周辺の所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS22)。
【0093】
また、個別登録モードが予め設定されている場合、上記所定範囲A内で最も受信電波強度が高い(すなわち非接触個体識別管理装置30’の最も近傍に位置する)識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS23)。
【0094】
このようにして読取手段30−2’が読み取った識別タグ20の識別情報と、撮影手段30−11が取り込んだ撮影画像は、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される(ステップS24)。なお、個別登録モードの場合には各識別情報と各撮影画像が(各携帯物ごとに)1対1対応し、後述のセット登録モードの場合には識別情報及び撮影画像からなるセット(組み合わせ)の各々がそれぞれ(携帯物の各セットごとに)対応するように、制御手段30−9’によって関連付けられて識別情報登録リスト31’に登録される。
【0095】
次に、上述のようにして識別情報と撮影画像が登録された識別情報登録リスト31’の構成について詳しく説明する。図11は一斉登録モードに基づく識別情報登録リスト31’の構成例を示したものである。図8、図9、図10及び図11において、一斉登録モードでは、携帯物10に装着される全ての識別タグ20の識別情報及び撮影画像を、1回の撮影手段起動命令又は登録命令の入力により識別情報登録リスト31’に登録することができる。すなわち、一斉登録モードの実行に際して、ユーザは操作部30-1’で一斉登録モードを選択設定し、非接触個体識別管理装置30’を中心とした所定範囲A(図4の範囲Aと同一範囲)内に登録対象の全識別タグ20(20-1〜20-n)を位置させ、操作部30-1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力する(図10のステップS17)。
【0096】
このとき、予め操作部30-1’の操作によって位置時刻情報登録モードが設定されていない場合は、記憶手段30-10’には識別タグ20の識別情報及び撮影画像に関する図11に示すような一覧形式の登録リスト31-1’,31-3が作成され、上記所定範囲A内に位置させた全ての識別タグ20の識別情報及び撮影画像が記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される。
【0097】
なお、図には示さないが、この一斉登録モードで予め操作部30-1’の操作により位置時刻情報登録モードが設定されている場合、上記登録リスト31-1’,31-3(すなわち識別情報登録リスト31’)には上記所定範囲A内にある全識別タグ20の識別情報及び撮影画像に対応させ、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8でそれぞれ取得した登録時刻情報及び登録位置情報も登録される。
【0098】
上述のように、一斉登録モードによる上記登録リスト31-1’,31-3は取得が可能な全ての識別タグ20の識別情報や撮影画像を1回の命令入力で一覧として登録しただけであるため、どの識別タグ20がどの携帯物10に対応しているかの確認に用いる場合は十分ではないが、全ての携帯物10が揃っているか否かの判断材料としては十分な機能を果たす。
【0099】
また、上記識別情報登録リスト31’を使用する場合、例えば普段持ち歩く携帯物10の数や種類が決まっているときに、携帯物10と同じ数だけの識別タグ20に関する識別情報や撮影画像を上記登録リスト31-1’,31-3に一覧として登録し、それらの識別タグ20をそれぞれ携帯物10に装着するだけで済む。上述のように1回の撮影手段起動命令又は登録命令の入力だけで登録リスト31-1’,31-3への登録が済むため、登録作業が極めて容易になる。
【0100】
図12は、個別登録モードにおいて識別情報及び撮影画像が登録された識別情報登録リスト31’の構成例を示したものである。図8、図9、図10及び図12において、個別登録モードでは、携帯物10に装着される全ての識別タグ20の識別情報や撮影画像を、携帯物10毎にそれぞれ対応させて1つずつ識別情報登録リスト31’に登録させることができる。すなわち、個別登録モードの実行に際し、ユーザは個別登録モードを操作部30-1’で選択設定し、その時の個別登録作業で登録する一つの識別タグ20を選択する。このようにして選択された識別タグ20は、残りの識別タグ20に対し非接触個体識別管理装置30’の最近傍に位置するように配置される。その上で、ユーザは識別タグ20の登録のため操作部30-1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力する(図10のステップS17)。
【0101】
操作部30-1’の操作によって位置時刻情報登録モードが予め設定されていない場合、記憶手段30-10’には、識別タグ20の個別登録モードにおける登録順(登録番号)及びこの登録順位で登録された識別情報や撮影画像との対応付けが図られ図12に示すような形式の登録リスト31-2’が作成される。この登録リスト31-2’には、その登録順(登録番号)すなわち個別登録モードで図10に示した登録処理の実行回数に対応させて、各登録処理の実行毎に最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報及び撮影画像が登録される。
【0102】
図12は、このような各回の登録処理において撮影手段30-11により撮影画像を取り込み読取手段30-2’により最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報を読み取った場合の登録リスト31-2’を示しており、例えば次のような入力方法などで登録される。すなわち、個別登録モードで、最初の登録作業として、識別情報“123456789”を有する識別タグ20を非接触個体識別管理装置30’に対して最近傍の位置に配置した上で、操作部30-1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力し、図10を用いて詳述したようにして識別タグ20(及び/又は識別タグ20が装着された携帯物10)の撮影画像Jと当該識別情報を登録リスト31-2’に登録する。また、次の登録作業で、識別情報“123456789”を有する識別タグ20に代えて、識別情報“234567890”を有する識別タグ20を非接触個体識別管理装置30’に対して最近傍位置に配置し、同様にして撮影画像Kと当該識別情報を登録リスト31-2’に登録する。更に、その次の登録作業で、識別情報“234567890”を有する識別タグ20に代えて、識別情報“345678901”を有する識別タグ20を非接触個体識別管理装置30’に対して最近傍位置に配置し、同様にして撮影画像Lと当該識別情報を登録リスト31-2’に登録する。
【0103】
このように、個別登録モードの場合には、ユーザが識別タグ20の識別情報及び撮影画像を識別タグ20毎に一つずつ順番に簡単な操作で登録リスト31-2’に登録する。この登録リスト31-2’を記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’として使用すれば、どの識別タグ20の撮影画像や識別情報がどの携帯物10に対応しているかの判断が容易になる。すなわち、撮影画像から該当する携帯物10が即認識できたり、或いは撮影画像や識別画像から認識した識別タグ20を通して該当する携帯物10を認識したりすることができる。
【0104】
なお、個別登録モードにおいて予め位置時刻情報登録モードが設定されている場合、上記登録リスト31-2’には、一つの識別タグ20に関する識別情報及び撮影画像の登録毎に対応させて、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8がそれぞれ取得した登録時刻情報及び登録位置情報が登録される。
【0105】
また、個別登録モードにおける上述の登録作業において、撮影手段30-11で撮影画像を取り込み読取手段30-2’で識別タグ20の識別情報を読み込んだ後、当該識別タグ20が装着されている携帯物10の個体名(例えば“鞄”)を文字入力手段30-3により入力しても良いものとする。この場合、一つの識別タグ20に関する識別情報及び撮影画像の登録に対応して当該識別タグ20が装着される携帯物10の個体名との対応も同時に行えるため、どの識別タグ20の識別情報及び撮影画像がどの携帯物10に対応しているかの判断が一層確実になる。
【0106】
更に、上述の一斉登録モードと個別登録モードの他に、以下に詳述するようなセット登録モードで登録しても良いものとする。すなわち、セット登録モードでは、個別登録モードの登録方法と同様の手順で、例えば図12の登録リスト31-2’に示すような識別情報及び撮影画像から構成された組み合わせであるセットを複数個(例えばセットI〜IV)記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録する。これらの各セットは、例えば、携帯物J,K,Lに関するセットI、携帯物K,L,Mに関するセットII、携帯物J,K,Mに関するセットIII及び携帯物M,N,Pに関するセットIVを同一使用者が必要に応じて選択的に使用する場合もあれば、複数個の携帯物に関するセットの各々をそれぞれ異なる人が使用する(例えば携帯物J,K,Lに関するセットVは父、携帯物J,K,Lに関するセットVIは母、携帯物J,K,Mに関するセットVIIは兄、携帯物J,K,Mに関するセットVIIIは弟が使用する等)場合もある。換言するならば、同一使用者が携帯物の組み合わせを必要に応じて選択して使用する場合にはどの組み合わせで使用しているかを思い出すことが必要になったり、同一の携帯物を複数人で共同使用するような場合には誰が使用中の携帯物であるのか知ることが必要になったりする可能性などもあるため、上記の各セットがそれぞれ(携帯物の各セットごとに)対応するように制御手段30−9’により関連付けられて記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される。
【0107】
従って、セット登録モードの場合には、携帯物の忘れ物や盗難遺失を確認(検出)する時も、個別登録モードの場合のように登録されているものを全て個別に検出するのではなく、セットとして登録されているリストについてセットごとに忘れ物や盗難遺失などの検出を行なうことができる。
【0108】
また、図10のステップS17〜S23において、撮影手段30−11の起動→シャッター操作待ち→シャッター操作→読取手段30−2’の作動という場合について説明したが、撮影手段30−11の起動、シャッター操作、読取装置作動の順序は問わないものとする。従って、撮影手段30−11の起動→読取手段30−2’の作動→シャッター操作の順とし、読取手段30−2’に受信されている識別情報と撮影手段30−11で取り込んだ撮影画像を同時に登録することも可能である。この場合、識別情報を管理するとき個体名の入力に多くの時間や労力を費やすことなく画像で登録できるため、ユーザの登録作業が一層容易になる。
【0109】
更に、上述の方法で登録作業を行うとき、撮影手段30−11の撮影範囲に制限があるため所望範囲に位置する識別タグ20が全て表示手段30−5’の画面に表示されているとは限らず、取り込まれる画像と読み取られた識別タグ20の整合が取れない状態例えば識別情報が得られず撮影画像だけが得られる場合も生じる。このような場合、警報手段30−4’が発する撮影音の種類を変えるなどしてユーザにその旨を伝える。すなわち、読み取られた識別タグの識別情報と前記撮影手段によって取り込まれた撮影画像を関連付けて登録された場合と、識別情報が得られず撮影手段30−11で取り込んだ撮影画像のみ記録する場合とで、撮影音の種類を変えるなどしてユーザにその旨を伝える。これにより、取り込まれる撮影画像と読み取られた識別情報が一致しないことをユーザは容易に知ることができる。
【0110】
従って、ユーザは登録作業を中断し、読取手段30−2’で読み取り可能な範囲に識別タグ20を移動させて再度登録作業を行なうなどの対策を講じることができる。
【0111】
一方、図13を用いて詳述する以下の方法によって、取り込まれる画像と読み取られた識別情報の整合が取れない状態を解決することもできる。
【0112】
図13は、本実施形態の非接触個体識別管理装置を用いて識別情報登録リストの登録処理を行なう場合のフローチャートである。図8、図9及び図13において、非接触個体識別管理装置30’は、識別タグ20の識別情報及び撮影画像を識別情報登録リスト31’に登録するために、ユーザ2が操作部30−1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力したか否かを確認する(ステップS25)。この入力が確認された場合、撮影手段起動指示又は読取命令発信指示が操作部30−1’から供給されると、撮影手段30−11は表示手段30−5’に対しモニター画像の供給を行ない(ステップS26)、読取手段30−2’は非接触個体識別管理装置30’の周辺の所定範囲内にある全ての識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS27)。
【0113】
次に、撮影手段30−11は、ユーザが操作部30−1’からシャッター命令によって撮影画像取り込み指示を入力したか否かを確認し(ステップS28)、撮影画像取り込み指示が操作部30−1’から供給されると警報手段30−4’による撮影音を発して撮影画像を取り込み記録手段30−10’に記録する(ステップS29)。
【0114】
その後、読取手段30−2’は読み取られた識別タグが複数個あるか否か確認し(ステップS30)、読み取られた識別タグが全く存在しない場合は、上記ステップS29での撮影音を通常とは違う音色にすることにより、ユーザにその旨を伝える。
【0115】
読み取られた識別タグ20が複数個でない(すなわち1個である)場合は、撮影画像と識別情報を登録する(ステップS32)。また、読み取られた識別タグ20が複数個ある場合は、ユーザに対し、表示手段30−5’や警報手段30−4’によってその旨を伝え、上記ステップS27で読み取った周波数より高い近距離用の周波数で読取手段30−2’を作動させる。ユーザによるマニュアル操作又は自動操作によって非接触個体識別管理装置30’が識別タグ20の近くに移動させられ、読取手段30−2’に近距離から識別タグ20の識別情報を読み取らせる(ステップS31)。
【0116】
その後、読取手段30-2’が読み取った識別タグ20の識別情報と撮影手段30-11が取り込んだ撮影画像は、制御手段30−9’により関連付けられて記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される(ステップS32)。
【0117】
尚、上記ステップS32において遠距離用低周波と近距離用高周波の2段階に分けて読取手段30-2’を作動させることにより、図10のフローチャートで示した場合に比して制御手段30−9’が識別情報と撮影画像を一層的確に関連付けることができる。すなわち、制御手段30−9’によって識別情報と撮影画像を関連付ける必要がある場合あって且つ撮影手段30−11の撮影範囲制限に起因し取り込まれた撮影画像と読み取られた識別情報の整合が取れない場合であっても、読取手段30-2’は上述のように2段階に分けて作動し遠距離用又は近距離用の一方で撮影範囲外とされた識別タグの識別情報も他方で読み込むことができるため、制御手段30−9’は一層的確に撮影画像と識別情報を関連付けることができる。
【0118】
次に、前記識別情報登録リスト31に予め登録されている識別タグ20が装着された携帯物10に関する忘れ物や盗難遺失などを確認する方法について説明する。図14は、識別情報登録リスト31’に識別情報や撮影画像が登録されている識別タグ20に関する確認処理を説明するフローチャートである。
【0119】
図8、図9及び図14において、先ず、ユーザが操作部30-1’から確認命令を入力したか否かを非接触個体識別管理装置30’が確認する(ステップS33)。この確認命令が入力されている場合、該確認命令に基いて操作部30-1’から発信指示が供給され、読取手段30−2’は読取命令を発信する。この読取命令の発信に対応して識別タグ20から発信される応答を読取手段30−2’が受信し、前述した一斉登録モードの場合と同様に、非接触個体識別管理装置30’の周辺の所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報について、読取手段30−2’による読み取りが行なわれる(ステップS34)。
【0120】
このようにして、読取手段30-2’が読み取った全ての識別タグ20の識別情報と記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている全ての識別情報を制御手段30-9’が比較する(ステップS35)。この比較結果は表示手段30-5’に表示される等して、ユーザに報知される。特に、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている識別情報の中に、読取手段30-2’が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報がある場合には(ステップS36)、識別情報登録リスト31’への登録解除情報の登録を警告する(ステップS37)。
【0121】
その後、非接触個体識別管理装置30’は、識別情報登録リスト31に登録されている識別情報と一致しない識別情報に対応させて、上記登録解除時刻情報及び登録解除位置情報を識別情報登録リスト31’に履歴情報として登録する(ステップS38)。
【0122】
尚、上記ステップS37における登録解除情報は、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている識別情報及び画像情報の中に、読取手段30-2’が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報がある場合の、時刻情報取得手段30-7によって取得される現在の時刻情報(登録解除時刻情報)と位置情報取得手段30-8によって取得される現在の位置情報(登録解除位置情報)とからなる。
【0123】
また、上記ステップS37における警告は、警報手段30-4’による警報音の発生、表示手段30-5’による文字による警告表示、或いは識別情報登録リスト31’に登録されている撮影画像を表示手段30-5’で点滅表示させたり輝度を高めたりするなど表示内容を強調させる強調表示の方法で行なわれる。特に、撮影画像を点滅表示するなどの強調表示によれば、ユーザに対し何の識別タグが警告されているかを最も効果的に伝えることができる。これにより、ユーザは、携帯物10について忘れ物や盗難遺失が発生したことなどを迅速に知ることができる。
【0124】
更に、上記ステップS33〜S37の確認処理において、ユーザによる操作部30-1’からの確認命令はマニュアル入力により実行されるものとして説明したが、予めユーザが操作部30-1’により所定の周期又は所定の時刻に確認命令が自動入力されるように自動確認モードを設定しておくと、所定の周期又は所定の時刻になった時に操作部30-1’から読取手段30-2’に確認のための読取命令発信指示が自動的に出力される。これにより、非接触個体識別管理装置30’では、上記ステップS33〜S37の確認処理が繰り返され、登録解除警告すなわち盗難遺失の発生などを随時検出することができる。従って、携帯物10が盗難遺失にあった場合に、識別タグ20及びその識別タグ20が装着された携帯物10が無くなったことをユーザは即座に知ることができる。
【0125】
以下、上述の非接触個体識別管理装置30’の確認処理による作用について、前記識別情報登録リスト31’に、図11に示した一斉登録モードに基づく登録リスト31-1’ ,31-3が登録されている場合及び図12に示した個別登録モードに基づく登録リスト31-2’が登録されている場合を例に挙げながら説明する。
【0126】
ユーザが普段持ち歩く携帯物10の数や種類を決めていて、これらの携帯物10に装着される識別タグ20の識別情報及び撮影画像を一斉登録モードで登録リスト31-1’,31-3のように登録している場合、操作部30-1’からユーザのマニュアル入力又は自動入力によって確認命令が入力される(図14のステップS33)。この入力が確認された場合、一斉登録された識別情報及び撮影画像に関する携帯物10が1つでも盗難遺失にあっている場合、図14のステップS36で示した判定処理で“全て揃っている”と判定されず、図14のステップS37で示した警告処理で、警報手段30-4’による警報音の発生、表示手段30-5’における文字による警告表示、或いは撮影画像を点滅などで強調する強調(警告)表示が行なわれる。このため、ユーザは、識別タグ20が付された携帯物10の忘れ物や盗難遺失の発生などを容易に確認することができる。
【0127】
また、図12で示した識別情報登録リスト31-2’の場合、ユーザが普段持ち歩く携帯物10と1個ずつ対応付けて識別タグ20の識別情報及び撮影画像が登録されている。また、必要な場合には、上記の識別情報及び撮影画像ごとに識別タグ20が装着された携帯物10の名前も登録されている。従って、携帯物10のうちいずれかが盗難遺失などにあっている場合には、上述の一斉登録モードと同様、図14のステップS36で示した判定処理で“全て揃っている”と判定されず、ステップS37の警告処理で警報手段30-4や表示手段30-5’による警告が行なわれ、ユーザは識別タグ20が付された携帯物10の忘れ物や盗難遺失の発生などを容易に確認することができる。
【0128】
一方、図15は本実施形態の非接触個体識別管理装置30’において表示手段30-5’の領域30-5-3に携帯物リストを表示させた場合の説明図である。この図において、図1や図8と同一記号は同一意味をもたせて使用し、ここでの重複説明は省略する。また、図15の操作部30-1’を操作することにより、図1の表示手段30-5に表示されている携帯物リストと同様の携帯物リストを図15の領域30-5-3に表示させることができる。すなわち、図14のステップS35に示した比較処理で比較した結果や図14のステップS37に示した警告処理などを、図15の領域30-5-3に示すことができる。また、図15の領域30-5-3に示したように、識別情報登録リスト31’に登録されている撮影画像に対応させて、前記所定範囲A内にある携帯物10の撮影画像(例えば撮影画像J)については“○”表示し前記所定範囲A外にある携帯物10の撮影画像(例えば撮影画像K)については例えば“×”表示することにより、携帯物10の個別確認が可能となる。このような個別確認により、ユーザは識別タグ20が付された携帯物10の忘れ物や盗難遺失の発生などを一層容易に知ることができる。また、このような“×”表示に代えて、上記領域30-5-3で例えば“無”という文字を表示させたり或いは当該撮影画像(例えば撮影画像K)を点滅表示させたりすることによっても、携帯物10の個別確認が可能である。
【0129】
尚、本発明は上述の本実施形態に限定されることなく適宜変更可能であり、例えば、以下のように種々変更できるものとする。
【0130】
すなわち、上述の本実施形態では識別タグ20が装着される携帯物10を例示して説明したが、本発明はこれに限定されることなく適宜変更可能であり、例えば、上記携帯物10以外の商品や物品など移動可能な種々の個体(例えば本棚やイス等)に識別タグ20を装着しても良いものとする。
【0131】
また、本実施形態の非接触個体識別管理装置30’は、図10、図13又は図14に示したような処理からなるプログラムを、PDA(Personal Digital Assistant),携帯電話等といった携帯端末に内蔵されたコンピュータに実行させることにより、携帯端末を非接触個体識別管理装置30’として機能させることもできる。
【0132】
更に、携帯端末や携帯コンピュータなどによって読み取りできる例えばメモリカードのような可搬記録媒体に上記プログラムを保持し、これらの携帯端末や携帯コンピュータ等を非接触個体識別管理装置30’として機能させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明の活用例としては、携帯物を含む移動可能な種々の個体に識別タグを装着し、その識別タグとこの識別タグの識別情報を非接触個体識別管理装置を用いて非接触で読み取り、移動可能な種々の個体の忘れ物や盗難遺失を防止することなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0134】
1 ……………………………………… 非接触式個体識別管理システム
2 ……………………………………… ユーザ
10 …………………………………… 携帯物
20 …………………………………… 識別タグ
30、30’ ………………………… 非接触個体識別管理装置
30-1、30−1’………………… 操作部
30-2、30−2’………………… 読取手段
30-3 ……………………………… 文字入力手段
30-4、30−4’………………… 警報手段
30-5、30−5’………………… 表示手段
30-6 ……………………………… 電波強度検出手段
30-7 ……………………………… 時刻情報取得手段
30-8 ……………………………… 位置情報取得手段
30-9、30−9’………………… 制御手段
30-10、30−10’…………… 記憶手段
30-11 …………………………… 撮影手段
31、31’ ………………………… 識別情報登録リスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能な個体に装着された個体識別タグ(無線IDタグなど、以下「識別タグ」と略す)の識別情報を非接触で読み取り前記個体に関する忘れ物チェックや盗難遺失の発生防止などを図る非接触式個体識別管理方法、その方法を用いる装置、その方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品や物品等の移動可能な個体に識別タグを取り付け、この識別タグに予め設定されている固有の識別情報をホスト側から非接触で読み取ることにより、個体を識別管理する非接触式個体識別管理方法が広く知られるようになった。この方法を用いた非接触式個体識別管理システムは、商品や物品等の個体に取り付けられる識別タグと、ホスト側に接続される質問器とを備え、質問器から送信されるマイクロ波帯の電波を識別タグ(応答器)が受信し質問器に対して応答する構成になっている。
【0003】
このような非接触式個体識別管理システムの適用例として、レンタルビデオ店においてレンタルビデオを識別タグにより管理するシステムが挙げられる。この管理システムは、店内の本棚状の保管ケースに上述の質問器に対応する棚アンテナを配置し、その棚上にそれぞれ識別タグが貼付されたレンタルビデオを保管展示し、これらレンタルビデオをその識別タグにより管理するものである。また、この管理システムでは、同様な質問器が設けられているゲートを店の出入口等に設置し、レンタルビデオがこのゲートを通る際に、その通過を検出して盗難等の防止をはかることもできる。
【0004】
これに対し、携帯物の盗難遺失を防止するための装置として、特許文献1記載の携帯物の盗難遺失防止装置がある。この携帯物の盗難遺失防止装置は、携帯物と携帯者のどちらか一方に送信器、他方に受信器を持たせておき、送信器の発する電波に対する受信器での受信レベルが予め定められたレベル以下となったときにブザー音等の警報を発し、携帯物がその携帯者から所定距離以上離れたことの注意を携帯者に喚起し、携帯物の盗難遺失を防止する構成になっている。
【0005】
また、特許文献2では、個体情報識別手段が、監視カメラの近傍に設置された無線受信機を介して個体から無線送信される個体IDを受信することにより個体を識別し、居場所管理手段が、認識された個体IDと取り込まれた撮影画像を関連付けることによって個体の居場所を特定する構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−214933号公報
【特許文献2】特開2003−85274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、携帯物としての物品個々についての忘れ物や盗難を検出するため特許文献1に記載された前記の従来技術を適用する場合は、忘れ物や盗難を検出する物品個々について送信器と受信器とを準備しなければならなかった。
【0008】
そこで、物品個々について送信器と受信器を準備する代わりに、前述のレンタルビデオの管理システムに適用可能な非接触式個体識別管理システムの利用が考えられる。この場合、物品個々について設けられる送信器を前述のレンタルビデオの管理システムにおける棚アンテナ(質問器)のように共用化し、物品個々にはレンタルビデオのように識別タグをそれぞれ貼付することになる。
【0009】
ところが、この場合も、携帯物としての様々な物品に対応させて識別タグの識別情報をそれぞれ登録しなければならず、その登録作業に多くの時間や労力がかかっていた。また、外出の毎に携行する物品と携行しない物品の数や種類が異なるような場合、その都度、忘れ物や盗難を検出できるようにするために、携行する物品の数や種類を逐一登録し、逆に携行しなくなった物品は逐一登録を解除しなければならなかった。
【0010】
このため、携帯物としての様々な物品を全体としてリスト管理することができず、どの識別情報がどの物品に対応するか、また、いつどこで識別情報を登録したのかを管理できないという問題があった。すなわち、従来の識別タグとこの識別タグの識別情報を非接触で読み取る読取装置とを利用した非接触式個体識別管理システムを、携帯物としての様々な個々の物品に関する忘れ物や盗難を検出するための盗難遺失防止装置に適用しようとした場合、レンタルビデオの管理システムにおいてビデオテープをゲート通過時に盗難防止するように容易に管理することはできないという問題があった。
【0011】
また、携帯物の登録の際に、携帯物の名前を入力するのに非常に多くの時間と労力がかかっていた。このため、特許文献2のようにカメラで撮影した撮影画像と識別情報を関連づけて登録することにより、時間や労力を省くことも試みられていた。しかし、特許文献2のような方法では、カメラのシャッター操作と同時に識別タグの読取操作を行うことができないうえ、複数の識別タグ情報と撮影画像を関連付けて登録することができないという問題があった。
【0012】
本発明は、上述のような従来技術の問題などに鑑みてなされたものであり、移動可能な個体に関する忘れ物や盗難遺失の発生等を効果的に防止できると共に、登録及び検出のための作業が容易に行える非接触式個体識別管理方法、その方法を用いた装置、その方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、非接触式個体識別方法において、撮影手段により撮影を行うステップと、検出対象である識別タグの識別情報が登録される識別情報登録リストに読取手段により読み取った識別タグの識別情報と撮影手段により取り込んだ撮影画像を登録する検出対象登録ステップを有するものである。これにより、識別情報と撮影画像を一緒に登録でき登録作業が容易になる。
【0014】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、読取手段を作動させて識別タグの識別情報を読み取るステップと、該読み取った識別タグの識別情報と識別情報登録リストに登録されている識別タグの識別情報とを比較するステップと、該比較結果により検出対象である識別タグの全ての識別情報が揃っているか否かを判断する状態確認ステップとを有するものである。これにより検出作業が容易になり、識別タグが装着された移動可能な個体について外出や移動の際の忘れ物や盗難遺失の発生を迅速に知ることができる。
【0015】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、識別情報登録リストに登録されている識別タグの識別情報のうち検出されなかった識別タグの撮影画像を強調表示するものである。これにより、識別タグが装着された移動可能な個体についての忘れ物や盗難遺失の発生を迅速かつ正確に知ることができる。
【0016】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、上記強調表示を撮影画像の点滅表示で行なうようにしたものである。これにより、識別タグが装着された移動可能な個体についての忘れ物や盗難遺失の発生をより効果的に知ることができる。
【0017】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、識別情報登録リストに、読取手段により読み取った識別タグの識別情報と撮影手段により取り込んだ撮影画像を制御手段により関連付けて登録するものである。これにより、識別情報と撮影画像を関連付けられ確認作業が一層正確に行なえる。
【0018】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、前記識別情報登録リストに、読取手段により読み取った識別タグの識別情報及び該識別タグが付された個体について前記撮影手段により取り込んだ撮影画像から構成された複数個の識別タグに関する識別情報及び撮影画像の組み合わせを登録するものである。これにより、同一人が携帯物の組み合わせを選択して使用する場合や同一携帯物を複数人が共同使用する場合にも携帯物の盗難遺失を迅速に知ることができる。
【0019】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、撮影画像の表示中に読取手段を作動させて読み取った識別タグの識別情報を表示するものである。これにより、ユーザは撮影手段の起動中に撮影画像と登録される識別情報を一緒に確認することができる。
【0020】
また、本発明は、非接触式個体識別方法において、読み取られた識別タグの識別情報と撮影手段によって取り込まれた撮影画像を関連付けて登録された場合と、識別情報が得られず撮影画像のみ記録される場合とで撮影音の種類をかえるものである。これにより、取り込まれる撮影画像と読み取られた識別識別情報が一致しないことをユーザは容易に知ることができる。
【0021】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、撮影手段と、検出対象である識別タグの識別情報が登録される識別情報登録リストに、読取手段を作動させて読み取った識別タグの識別情報と撮影手段によって取り込んだ撮影画像を登録する検出対象登録手段とを設けたものである。この装置を用いると、識別情報と撮影画像の同時登録や個体名の入力に代わる画像登録などを行なうことが可能となるため、ユーザの登録作業が容易になる。
【0022】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、読取手段により読み取った識別タグの識別情報と識別情報登録リストに登録されている検出対象の識別タグの識別情報とを比較し該比較結果により検出対象である識別タグの全ての識別情報が揃っているか否かを判断する手段を設けたものである。この装置を用いると、識別タグが装着された移動可能な個体について外出や移動の際の忘れ物や盗難遺失の発生を迅速に知ることができる。
【0023】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、識別情報登録リストに登録されている識別タグの識別情報のうち検出されなかった識別タグの撮影画像を強調表示する手段を設けたものである。この装置を用いると、識別タグが装着された移動可能な個体について忘れ物や盗難遺失の発生を一層的確に防止できる。
【0024】
また、本発明は、非接触式個体識別装置において、撮影画像の表示中に読取手段を作動させて読み取った識別タグの識別情報を同時に表示する手段を設けたものである。この装置を用いると、ユーザは撮影手段の起動中に撮影画像と登録される識別情報を一緒に確認することができる。
【0025】
また、本発明は、コンピュータに前述した非接触式個体識別管理方法を実行させるためのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体である。これにより、コンピュータを駆使し非接触式個体識別管理方法を効率良く実施できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、財布や鍵や鞄などといった移動可能な個体に予め装着した識別タグと、その固有の識別情報を読み取る読取手段とを用いる非接触式個体識別管理方法、その方法を用いた装置にあって、外出や移動の際の忘れ物チェックや盗難遺失の発生防止が的確かつ迅速に行えるとともに、そのための登録作業や確認作業も容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施形態の前提としての非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。
【図2】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置の構成図である。
【図3】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストの登録処理のフローチャートである。
【図4】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置で、読取手段の読取操作によって読み取られる識別タグの説明図である。
【図5】一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例の説明図である。
【図6】個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例の説明図である。
【図7】本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストに登録されている識別タグの確認処理のフローチャートである。
【図8】本実施形態の非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。
【図9】本実施形態の非接触個体識別管理装置の構成を説明するためのブロック構成説明図である。
【図10】本実施形態の非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストの登録処理のフローチャートである。
【図11】一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図である。
【図12】個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図である。
【図13】本実施形態の撮影手段と遠距離用と近距離用の読取装置を備えた非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストの登録処理のフローチャートである。
【図14】本実施形態の非接触個体識別管理装置による識別情報登録リストに登録されている識別タグの確認処理のフローチャートである。
【図15】本実施形態の非接触個体識別管理装置において表示手段に携帯物リストを表示させた場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図8は本実施形態の方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図、図9は本実施形態の装置構成を説明するためのブロック構成説明図、図10は本実施形態における識別情報登録リスト登録処理のフローチャート、図11は一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図、図12は個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例説明図、図13は本実施形態における登録処理のフローチャート、図14は本実施形態における確認処理のフローチャート、図15は本実施形態の非接触個体識別管理装置において表示手段に携帯物リストを表示させた場合の説明図である。
【0029】
図8〜図15を用いて本実施形態を説明するにあたり、先ず、本実施形態の前提となっている非接触式個体識別管理システムや非接触式個体識別管理装置などについて、図1〜図7を用いて詳しく説明する。
【0030】
図1は、本実施形態の前提である非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。この図において、非接触式個体識別システム1は、例えば、財布,鍵,鞄といったユーザ2の携帯物10に装着される識別タグ20と、この識別タグ20の読取手段30-2等が備えられた携帯型の非接触個体識別管理装置30とを備えた構成になっている。識別タグ20は、それぞれ固有の識別情報(IDコード)が付された例えばRF−ID(Radio Frequency Identification)のような非接触型識別媒体によって構成されている。
【0031】
図2は、本実施形態の前提である非接触個体識別管理装置の構成図である。この図において、非接触個体識別管理装置30は、操作部30-1,読取手段30-2,文字入力手段30-3,警報手段30-4,表示手段30-5,電波強度検出手段30-6,時刻情報取得手段30-7,位置情報取得手段30-8,制御手段30-9及び記憶手段30-10を備えている。
【0032】
図1及び図2において、操作部30-1は、非接触個体識別管理装置30の各種作動を操作する手段である。この各種作動操作には、携帯物10の登録や携帯物10の盗難遺失確認等を行うために識別タグ20の登録命令や確認命令を入力操作すること、携帯物10の盗難遺失確認を定期的に行う場合の定期的な読取命令自動発信を指示すること及び一旦登録した識別タグ20の登録抹消を行なうこと等が含まれる。また、操作部30-1は、識別タグ20の識別情報を登録する際の登録方法(一斉登録又は個別登録)等の各種設定も行う。
【0033】
読取手段30-2は、操作部30-1から入力された登録命令や確認命令等に基づいて読取命令を発信し該読取命令に対応して識別タグ20から発信される応答を受信したり、識別タグ20からの応答が予め定められた閾値以上の受信電波強度を有して受信されたとき該応答に含まれる識別タグ20自身の識別情報を読み取るように構成されている。
【0034】
文字入力手段30-3は例えばキー入力装置等で構成され、後述の記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に識別タグ10の識別情報に対応させて登録される個体名(当該識別タグ20が装着される携帯物10の名前)を入力する。警報手段30-4はスピーカやバイブレーター等で構成され、後述の記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている携帯物10の盗難遺失の発生等を報知する。
【0035】
表示手段30-5は液晶ディスプレイ等で構成され、識別情報登録リスト31と読み取った識別情報を比較した結果など各種情報を表示する。電波強度検出手段30-6は読取命令に対応して識別タグ20から送信されてくる応答の受信電波強度を検出し、この読取命令に対応して識別タグ20から送信されてくる応答のうち最も受信電波強度の高い応答の識別タグ20を判別できる構成になっている。
【0036】
時刻情報取得手段30-7はタイマー等で構成され、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に対し読取手段30-2によって読み取られた識別情報等を登録又は登録解除したときの時刻情報を登録時刻や登録解除時刻として取得する。位置情報取得手段30-8はGPS(Global Positioning System)等で構成され、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に対し、読取手段30-2によって読み取られた識別情報等を登録又は登録解除したときの非接触個体識別管理装置30の位置情報を登録位置や登録解除位置として取得する。
【0037】
制御手段30-9は、読取手段30-2によって読み取られた識別タグ20の識別情報や、文字入力手段30-3,時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8によって入力あるいは取得される各種情報を、記録手段30-10の識別情報登録リスト31に登録制御するように構成されている。また、制御手段30-9は、読取手段30-2によって読み取られた識別タグ20又はこの識別タグ20が装着された携帯物10について、盗難遺失の確認制御を行ったり、識別情報登録リスト31への登録制御や携帯物10の盗難遺失の確認制御等に関連して、非接触個体識別管理装置30の各部の作動を制御するように構成されている。
【0038】
記憶手段30-10は識別情報登録リスト31を保持すると共に識別情報登録リスト31への登録処理や盗難遺失の確認処理等を実行するにあたって必要な情報やデータを一時保存するように構成されている。
【0039】
このような構成からなる非接触個体識別管理システム1において、識別情報登録リスト31への登録方法及びこの識別情報登録リスト31の構成について以下詳しく説明する。
【0040】
非接触個体識別管理装置30は、識別タグ20の識別情報登録リスト31への登録の仕方について、その装置周辺の識別タグ20を一斉に登録する一斉登録モードと個別の識別タグ20を順番に登録する個別登録モードとを備え、予めいずれかのモードを操作部30-1から読取手段30-2に選択設定できる構成になっている。
【0041】
また、非接触個体識別管理装置30は、その装置周辺の識別タグ20を識別情報登録リスト31に一斉登録あるいは個別登録する場合、又は識別情報登録リスト31に登録されている識別タグ20を登録解除する場合に、その時の位置情報や時刻情報を識別タグ20に対応させて登録する位置時刻情報登録モードを備え、その設定や解除を予め操作部30-1から制御部30−9に選択設定できる構成になっている。
【0042】
図3は、本実施形態の前提である非接触個体識別管理装置を用いて識別情報登録リストの登録処理を行なう場合のフローチャートである。
【0043】
図1及び図3において、非接触個体識別管理装置30は、識別タグ20の識別情報を識別情報登録リスト31に登録するためにユーザ2が操作部30-1から登録命令を入力したか否かを確認する(ステップS01)。この登録命令が入力され操作部30-1から読取命令の発信指示が供給されると、読取手段30−2は、登録モードとして一斉登録モード又は個別登録モードの中のいずれが設定されているかを確認する(ステップS02)。
【0044】
ここで一斉登録モードが予め設定されている場合、読取手段30−2は、非接触個体識別管理装置30の周辺の所定範囲内にある全ての識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS03)。この場合、読取手段30−2は、操作部30-1からの読取命令の発信指示に基いて読取命令を発信し、この読取命令の発信に対応して識別タグ20から発信される応答を受信し、その応答に含まれる識別情報を読み取る。その際、読取手段30−2は応答が受信できる全ての識別タグ20の識別情報を読み取り、識別タグ20からの応答の受信を電波強度検出手段30−6によって検出される受信電波の電波強度に基いて行う。また、読取手段30−2は、予め定められた閾値以上の受信電波強度を有する識別タグ20からの応答の場合、その応答に含まれる識別情報を読み取る一方、この閾値よりも受信電波強度が弱い応答の場合は、その応答に含まれる識別情報を読み取らないように構成されている。
【0045】
図4は、上記読取手段30−2の読取操作によって読み取られる識別タグの説明図である。この図において、読取手段30-2すなわち非接触個体識別管理装置30を中心に、予め定められた受信電波強度の閾値に基いて規定される所定範囲をAとする。この所定範囲Aの内方に位置する識別タグ20-1,20-2から発信された応答は、読取手段30-2によって受信した電波強度が閾値以上になるため、その識別情報を読み取ることができる。しかし、所定範囲Aの外方に位置する識別タグ20-3から発信される応答は、受信した電波強度が閾値よりも低いため、読取手段30-2によってその識別情報を読み取ることができない。
【0046】
従って、図3のステップS03に示すように、一斉登録モードの場合、読取手段30-2は、識別タグ20から発信される応答の受信電波強度に応じ、非接触個体識別管理装置30を中心とした所定範囲Aの内方に位置する全ての識別タグ20-1,20-2の識別情報を読み取り記憶手段30-10に供給する。なお、この所定範囲Aは、閾値としての電波強度の値を適宜設定することにより調整することができる。
【0047】
次に、図3のステップS02において登録モードとして個別登録モードが設定されているのが確認された場合、非接触個体識別管理装置30によって行われる処理について説明する。図4を例に説明すると、登録モードとして個別登録モードが予め設定されている場合、上述した一斉登録モードの場合と同様にして読取手段30−2が読取命令を発信し、上記所定範囲A内に位置する全ての識別タグ20-1,20-2から発信される応答を受信し、その中で最も受信電波強度が高い応答を電波強度検出手段30−6の検出結果に基づいて選択する。その上で、選択した最も受信電波強度が高い応答に対応する識別タグ20-m(この場合、m=1又は2)の識別情報だけを読取手段30−2が読み取る(図3のステップS04)。
【0048】
従って、個別登録モードの場合は、識別タグ20から発信される応答の受信電波強度に基づき、通常、非接触個体識別管理装置30に対して最も近傍に位置する識別タグ20-mの識別情報が、読取手段30-2によって読み取られて図2の記憶手段30-10に供給される。
【0049】
なお、この最も受信電波強度が高い応答の選択は、上記所定範囲A内にある全ての識別タグ20からの応答について受信電波強度の値を比較する代わりに、前述した電波強度の閾値を可変とし、最も受信電波強度が高い応答のみを受信するように閾値を自動的に変えられる構成にしてもよい。
【0050】
また、個別登録モードの場合、最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報が上記記憶手段30-10に供給されると、非接触個体識別管理装置30では、この唯一読み取られた識別タグ20-mの識別情報が図2の制御手段30-9によって表示手段30-5に表示される。加えて、表示手段30-5には、この識別情報(すなわち非接触個体識別管理装置30の最も近傍に位置する識別タグ20-m)に対応させて携帯物10の名前(個体名)が入力可能であることが案内(表示)される。この案内により、ユーザ2は、識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前(個体名)が文字入力手段30-3の操作によって入力できることを認識することができる。
【0051】
識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前を登録しておく必要がある場合、ユーザ2は、上記案内に基いて文字入力手段30-3を操作し識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前(個体名)を入力する。従って、図3において、ユーザ2が上記案内に基いて識別タグ20-mを装着する携帯物10の名前(個体名)を文字入力手段30-3から入力する(ステップS05)と、その名前が文字入力手段30-3から記憶手段30-10へ、識別情報登録リスト31に登録するために供給される(ステップS06)。
【0052】
なお、個別登録モードにおいて、図3のステップS06に示した携帯物10の名前の登録(個体名入力)をユーザ2が必要としない場合、非接触個体識別管理装置30は、ユーザ2による個体名入力処理のスキップ操作や、所定時間経過しても図2の文字入力手段30-3で入力操作が行われないこと等に基いて、次の位置時刻情報登録モードの確認処理に移行する。
【0053】
非接触個体識別管理装置30は、上述のようにして一斉登録モード又は個別登録モードにより、所定範囲A内に位置する全部の識別タグ20の識別情報、又は所定範囲A内で最も受信電波強度が高い(最も近傍に位置する)識別タグ20の識別情報を読み取ると、位置時刻情報登録モードの確認処理を行う(ステップS07)。この位置時刻情報登録モードでは、予め操作部30-1を操作してユーザ2が位置時刻情報登録モードを設定しているか否かが確認される。
【0054】
また、位置時刻情報登録モードが設定されている場合、時刻情報取得手段30-7によって取得された現在の時刻情報及び位置情報取得手段30-8によって取得された現在の位置情報が、それぞれ登録時刻情報及び登録位置情報として記憶手段30-10に供給される(ステップS08)。
【0055】
非接触個体識別管理装置30では、上述のようにして読取手段30-2によって読み取った識別タグ20の識別情報に加え、その時のモードに応じて取得される文字入力手段30-3からの名前(個体名)、時刻情報取得手段30-7からの登録時刻情報及び位置情報取得手段30-8からの登録位置情報が、制御手段30-9によって記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録される(ステップS09)。
【0056】
次に、図2の記憶手段30-10における識別情報登録リストの構成について詳しく説明する。図5は一斉登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例を示したものである。図1、図2及び図5において、一斉登録モードでは、携帯物10に装着される全ての識別タグ20の識別情報を、1回の登録命令の入力により記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録することができる。
【0057】
一斉登録モードの実行に際して、ユーザ2は、一斉登録モードを操作部30-1で選択設定し、非接触個体識別管理装置30を中心とした所定範囲(図4の範囲A)内に登録リスト31に登録しようとする全ての識別タグ20(20-1〜20-n)を位置させる。その上で、ユーザ2は操作部30-1から登録命令を入力する(図3のステップS01)。
【0058】
このとき、予め操作部30-1の操作によって位置時刻情報登録モードが設定されていない場合は、記憶手段30-10には読み取られた識別タグ20の識別情報に関する図5に示すような一覧形式の識別情報登録リスト31-1が作成され、この識別情報登録リスト31-1に、上記所定範囲A内に位置させた全ての識別タグ20の識別情報が登録される。
【0059】
なお、図には示さないが、この一斉登録モードで、予め操作部30-1の操作によって位置時刻情報登録モードが設定されている場合は、識別情報登録リスト31-1には、登録される上記所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報に対応させて、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8でそれぞれ取得された登録時刻情報及び登録位置情報も登録される。
【0060】
このように、一斉登録モードによる識別情報登録リスト31-1は読み取り可能な全ての識別タグ20の識別情報を1回の登録命令の入力で一覧として登録しただけであるため、どの識別タグ20がどの携帯物10に対応しているかの確認に用いる場合は十分ではないが、全ての携帯物10がそろっているか否かの判断材料としては十分な機能を果たすものである。
【0061】
この識別情報登録リスト31-1を使用する場合、例えば普段持ち歩く携帯物10の数や種類が決まっているときに、携帯物10と同じ数だけの識別タグ20を識別情報登録リスト31-1に一覧として登録し、それらの識別タグ20をそれぞれ携帯物10に装着するだけで済む。このため、識別情報登録リスト31-1への登録操作も1回の登録命令の入力だけで済み、登録作業が極めて容易となる。
【0062】
図6は、個別登録モードに基づく識別情報登録リストの構成例を示したものである。個別登録モードでは、携帯物10に装着される識別タグ20全ての識別情報を、識別情報登録リスト31に、それぞれ携帯物10毎に対応させて、1つずつ識別タグ20の識別情報を識別情報登録リスト31に登録させることができる。
【0063】
個別登録モードの実行に際して、ユーザ2は個別登録モードを操作部30-1で選択設定し、その時の個別登録作業で登録する一つの識別タグ20を選択する。このようにして選択された識別タグ20は、残りの識別タグ20に対し非接触個体識別管理装置30の最近傍に位置するように配置される。その上で、ユーザ2は、識別タグ20の登録のための登録命令を操作部30-1から入力する。
【0064】
操作部30-1の操作によって位置時刻情報登録モードが予め設定されていない場合、記憶手段30-10には、識別タグ20の個別登録モードにおける登録順(登録番号)及びこの登録順位で登録された識別情報との対応付けが図られた図6に示すような形式の識別情報登録リスト31-2が作成される。この識別情報登録リスト31-2には、その登録順(登録番号)すなわち個別登録モードで図3に示した登録処理の実行回数に対応させて、各登録処理の実行毎に最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報が登録される。
【0065】
図6は、上述のような各回の登録処理において、読取手段30-2により最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報を読み取った後、これに対応して個体名の入力が行われた場合の識別情報登録リスト31-2を示している。この識別情報登録リスト31-2は、次のような入力方法などで登録される。すなわち、個別登録モードで、最初の登録作業として、識別情報“123456789”の識別タグ20を非接触個体識別管理装置30に対して最近傍の位置に配置した上で、操作部30-1から登録命令を入力し、個体名として“鞄”を文字入力手段30-3によって入力する。また、次の登録作業で、識別情報“123456789”の識別タグ20に代えて、識別情報“234567890”の識別タグ20を非接触個体識別管理装置30に対して最近傍位置に配置した上で、同様にして登録命令を入力し、個体名として“財布”を入力する。更に、その次の登録作業で、識別情報“234567890”の識別タグ20に代えて、識別情報“345678901”の識別タグ20を非接触個体識別管理装置30に対して最近傍位置に配置した上で、同様にして登録命令を入力し、個体名として“鍵”を入力する。
【0066】
このように個別登録モードによる識別情報登録リスト31-2において、ユーザ2は、識別タグ20の識別情報を識別タグ20毎に一つずつ順番に簡単な操作で識別情報登録リスト31-2に登録することができる。
【0067】
これにより、この個別登録モードによる識別情報登録リスト31-2によれば、どの識別タグ20の識別情報がどの携帯物10に対応しているかの判断も可能になる。また、一つの識別タグ20の識別情報の登録に対応して当該識別タグ20が装着される個体名との対応も同時に行えるので、上記判断も一層容易かつ確実になる。
【0068】
なお、この個別登録モードにおいて予め位置時刻情報登録モードが設定されている場合、識別情報登録リスト31-1には、一つの識別タグ20の識別情報の登録毎に対応させて、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8がそれぞれ取得した登録時刻情報及び登録位置情報が登録される。
【0069】
次に、前記識別情報登録リスト31に登録されている識別タグ20について、現在の状態の確認方法について説明する。図7は、本実施形態の前提となる非接触個体識別管理装置30の識別情報登録リストに登録されている識別タグの確認処理のフローチャートである。
【0070】
ユーザ2は、予め識別情報登録リスト31に登録されている識別タグ20が装着されている携帯物10の盗難遺失を確認する場合、操作部30-1から確認命令を入力する。非接触個体識別管理装置30では、識別情報登録リスト31に登録された識別情報の識別タグ20の状態を確認するために、ユーザ2が操作部30-1から確認命令を入力したか否かを確認する(ステップS11)。
【0071】
読取手段30−2は、この確認命令に基づく読取命令の発信指示が操作部30-1から供給されると、読取命令を発信する。この読取命令の発信に対応して識別タグ20から発信される応答を読取手段30−2が受信し、前述した一斉登録モードの場合と同様にして、非接触個体識別管理装置30の周辺の所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報について、読取手段30−2による読み取りが行なわれる(ステップS12)。
【0072】
これにより、非接触個体識別管理装置30では、上記所定範囲A内に現在位置している全ての識別タグ20の識別情報が取得されたことになる。また、非接触個体識別管理装置30では、制御手段30-9が、上記ステップS12の処理により読取手段30-2が読み取った全ての識別タグ20の識別情報と、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている全ての識別情報とを比較する(ステップS13)。
【0073】
この比較結果は表示手段30-5に表示される等して、ユーザ2に報知される。特に、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている識別情報の中に、読取手段30-2が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報があれば(ステップS14)、識別情報登録リスト31への登録解除情報の登録を警告する(ステップS15)。
【0074】
この登録解除情報は、記憶手段30-10の識別情報登録リスト31に登録されている識別情報の中に、読取手段30-2が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報がある場合の、時刻情報取得手段30-7によって取得される現在の時刻情報(登録解除時刻情報)と位置情報取得手段30-8によって取得される現在の位置情報(登録解除位置情報)とからなる。
【0075】
また、上記登録解除情報の登録の警告は、表示部30-5による表示や警報手段30-4の作動により行われる。そして、非接触個体識別管理装置30では、識別情報登録リスト31の一致しない識別情報に対応させて、この登録解除時刻情報及び登録解除位置情報を識別情報登録リスト31に履歴情報として登録する(ステップS16)。
【0076】
なお、上記ステップS11〜S15の確認処理において、ユーザ2による操作部30-1からの確認命令をマニュアル入力により実行されるものとして説明したが、予めユーザ2が操作部30-1により所定の周期又は所定の時刻に確認命令が自動入力されるように自動確認モードを設定しておくと、所定の周期又は所定の時刻になった時に操作部30-1から読取手段30-2に確認のための読取命令の発信指示が自動出力される。これにより、非接触個体識別管理装置30では、上記ステップS11〜S15の確認処理が繰り返され、登録解除すなわち盗難遺失の発生の随時検出が可能となる。この結果、盗難遺失にあった場合に、身に付けていた識別タグ20及びその識別タグ20が装着された携帯物10が無くなっていることを、ユーザは即座に知ることができる。
【0077】
以下、上述の非接触個体識別管理装置30の確認処理による作用について、前記識別情報登録リスト31に、図5に示した一斉登録モードに基づく識別情報登録リスト31-1が登録されている場合及び図6に示した個別登録モードに基づく識別情報登録リスト31-2が登録されている場合を例に挙げながら説明する。
【0078】
ユーザ2が普段持ち歩く携帯物10の数や種類を決めていて、これらの携帯物10に装着される識別タグ20の識別情報を一斉登録モードで識別情報登録リスト31-1の如く登録している場合、自動入力又はユーザ2によるマニュアル入力によって確認命令が入力されると、一斉登録されている携帯物10の中の1つでも盗難遺失にあっている場合、図7のステップS14に示す判定処理で“全て揃っている”と判定されず、ステップS15に示す警告処理で、表示部30-5による表示や警報手段30-4の作動が行なわれるため、容易に盗難遺失の発生を確認できる。
【0079】
また、図6に示す識別情報登録リストの場合、ユーザ2が普段持ち歩く携帯物10と対応付けて個別登録モードで識別タグ20の識別情報を登録し、識別情報毎にその識別タグ20が装着される携帯物10の名前も文字入力手段30-3から入力している。この場合、確認命令がユーザ2によるマニュアル又は自動で入力され、個別登録されている携帯物10のうちいずれかが盗難遺失にあっていると、図7のステップS14に示す判定処理で“全て揃っている”と判定されず、ステップS15に示す警告処理で表示部30-5による表示や警報手段30-4の作動が行なわれるため、容易に盗難遺失の発生を確認できる。
【0080】
更に、図7のステップS13に示す比較処理で比較した結果や上記ステップS15に示す警告処理も、例えば図1の表示手段30-5の中の表示内容で示したように、識別情報登録リスト31に登録されている携帯物10の名前に対応させて、図4の所定範囲A内にある携帯物10については“○”表示し所定範囲A外にある携帯物10についてはブランク表示することにより、携帯物10を個別に確認できる。
【0081】
以上の説明を前提として、本発明の好適な実施の形態について以下詳しく説明する。
図8は本発明の非接触式個体識別管理方法を適用した非接触式個体識別管理システムの概要図である。この図において、例えば、ユーザの財布,鍵,鞄などといった複数個の携帯物10はそれぞれ識別タグ20が装着された状態で、後述の撮影手段30−11による撮影が可能な範囲内に配置されている。また、これらの識別タグ20は、前記図1の場合と同様に、それぞれ固有の識別情報(IDコード)が付された例えばRF−ID(Radio Frequency Identification)のような非接触型識別媒体によって構成されている。
【0082】
非接触個体識別管理装置30’は携帯型になっており、操作部30−1’,読取手段30-2’,表示手段30−5’及び撮影手段30−11を表面に備えている。撮影手段30−11は例えば固体撮像素子などからなり、操作部30−1’によってシャッター操作が行なわれ所定の撮影範囲内にある識別タグ20などを撮影できる構成になっている。表示手段30−5’は、撮影手段30−11によって取り込んだ画像を第1領域30−5−1に表示し、読取手段30−2’により読み込んだ識別情報を第2領域30−5−2に表示する構成になっている。これにより、ユーザは撮影手段30−11の起動中に撮影画像と登録される識別情報を一緒に確認することができる。
【0083】
図9は、本実施形態の非接触個体識別管理装置の構成を説明するためのブロック構成説明図である。この図において、非接触個体識別管理装置30’は、操作部30−1’,読取手段30-2’,文字入力手段30-3,警報手段30−4’,表示手段30−5’,電波強度検出手段30-6,時刻情報取得手段30-7,位置情報取得手段30-8,制御手段30−9’,記憶手段30-10’及び撮影手段30−11から構成されている。
【0084】
また、操作部30−1’は、特に、撮影手段30−11の作動操作や撮影画像取り込み操作(シャッター操作)を行うことができる構成になっている。すなわち、操作部30−1’は、非接触個体識別管理装置30’の各種作動を操作(登録命令や確認命令の入力操作、読取命令の定期的な自動発信指示操作、登録抹消操作など)したり識別情報を登録する方法(一斉登録又は個別登録)等の各種設定を行ったりすることに加えて、撮影手段30−11の作動操作や撮影画像取り込み操作(シャッター操作)を行うことができる構成になっている。
【0085】
読取手段30−2’は、特に、低周波で遠距離にある識別タグ20の識別情報を読み取り高周波で近距離にある識別タグ20の識別情報を読み取る構成になっている。すなわち、読取手段30−2’は、操作部30-1’から入力された登録命令や確認命令等に基いて読取命令を発信し該読取命令に対応して識別タグ20から発信される応答を受信したり、識別タグ20からの応答が予め定められた閾値以上の受信電波強度を有する場合に該応答に含まれる識別情報を読み取ることに加えて、低周波で遠距離にある識別タグ20の識別情報を読み取り高周波で近距離にある識別タグ20の識別情報を読み取ることができる構成になっている。
【0086】
警報手段30−4’は、特に、撮影画像取り込み操作時の撮影音を発する構成になっている。すなわち、警報手段30−4’はスピーカやバイブレーター等からなり、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている携帯物10の盗難遺失の発生等を報知することに加えて、撮影画像取り込み操作時の撮影音を発することができる構成になっている。
【0087】
表示手段30−5’は、特に、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も表示できる構成になっている。すなわち、表示手段30-5’は液晶ディスプレイ等からなり、識別情報登録リスト31’に登録されている識別情報と読み取った識別情報を比較した結果など各種の情報を表示することに加えて、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も表示できる構成になっている。
【0088】
制御手段30−9’は、必要な場合には特に、読取手段30−2’によって読み取られた識別タグ20の識別情報と撮影手段30−11によって取り込まれた撮影画像とを関連付けて記録手段30−10’の識別情報登録リスト31’に登録制御する構成になっている。すなわち、制御手段30-9’は、読取手段30-2’によって読み取られた識別タグ20又はこの識別タグ20が装着された携帯物10について盗難遺失の確認制御を行ったり、該確認制御や識別情報登録リスト31’への登録制御等に関連して非接触個体識別管理装置30’の各部の作動制御を行なったりすることに加えて、必要な場合には例えば後述の図10ステップS24で詳しく説明するように識別タグ20の識別情報と撮影画像を関連付けて記録手段30−10’の識別情報登録リスト31’に登録制御することができる構成になっている。
【0089】
記憶手段30-10’は、特に、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も記憶できる構成になっている。すなわち、記憶手段30-10’は識別情報登録リスト31’を保持するとともに、この識別情報登録リスト31’への登録処理や盗難遺失の確認処理等を実行するにあたって必要な情報やデータを一時保存することに加えて、撮影手段30-11で取り込んだ撮影画像も記憶できる構成になっている。
【0090】
図10は、本実施形態の非接触個体識別管理装置において識別情報登録リストに登録処理する場合のフローチャートである。図8、図9及び図10において、非接触個体識別管理装置30’は、識別タグ20の撮影画像及び識別情報を識別情報登録リスト31’に登録するためにユーザが操作部30−1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力したか否かを確認する(ステップS17)。その入力が確認された場合、撮影手段30−11用起動命令に基づく起動指示が操作部30−1’から供給されると、撮影手段30−11は表示手段30−5’に対しモニター画像の供給を行う(ステップS18)。尚、このモニター画像供給は、撮影手段30−11から表示手段30−5’に撮影画像を直接転送しても良く或いは記録手段30−10’に一度取り込んだのち表示手段30−5’に送出しても良いものとする。
【0091】
次に、ユーザが操作部30−1’から撮影画像取り込みを指示するシャッター命令を入力したか否かを撮影手段30−11が確認し(ステップS19)、シャッター命令の入力が確認された場合、撮影画像取り込み指示が操作部30−1’から供給されると、撮影手段30−11は撮影画像を取り込み登録すべき撮影画像を記録手段30−10’に記録する(ステップS20)。
【0092】
その後、読取手段30−2’は登録モードとして一斉登録モード又は個別登録モードの中のいずれが設定されているかを確認し(ステップS21)、一斉登録モードが予め設定されている場合、読取手段30−2’は非接触個体識別管理装置30’の周辺の所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS22)。
【0093】
また、個別登録モードが予め設定されている場合、上記所定範囲A内で最も受信電波強度が高い(すなわち非接触個体識別管理装置30’の最も近傍に位置する)識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS23)。
【0094】
このようにして読取手段30−2’が読み取った識別タグ20の識別情報と、撮影手段30−11が取り込んだ撮影画像は、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される(ステップS24)。なお、個別登録モードの場合には各識別情報と各撮影画像が(各携帯物ごとに)1対1対応し、後述のセット登録モードの場合には識別情報及び撮影画像からなるセット(組み合わせ)の各々がそれぞれ(携帯物の各セットごとに)対応するように、制御手段30−9’によって関連付けられて識別情報登録リスト31’に登録される。
【0095】
次に、上述のようにして識別情報と撮影画像が登録された識別情報登録リスト31’の構成について詳しく説明する。図11は一斉登録モードに基づく識別情報登録リスト31’の構成例を示したものである。図8、図9、図10及び図11において、一斉登録モードでは、携帯物10に装着される全ての識別タグ20の識別情報及び撮影画像を、1回の撮影手段起動命令又は登録命令の入力により識別情報登録リスト31’に登録することができる。すなわち、一斉登録モードの実行に際して、ユーザは操作部30-1’で一斉登録モードを選択設定し、非接触個体識別管理装置30’を中心とした所定範囲A(図4の範囲Aと同一範囲)内に登録対象の全識別タグ20(20-1〜20-n)を位置させ、操作部30-1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力する(図10のステップS17)。
【0096】
このとき、予め操作部30-1’の操作によって位置時刻情報登録モードが設定されていない場合は、記憶手段30-10’には識別タグ20の識別情報及び撮影画像に関する図11に示すような一覧形式の登録リスト31-1’,31-3が作成され、上記所定範囲A内に位置させた全ての識別タグ20の識別情報及び撮影画像が記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される。
【0097】
なお、図には示さないが、この一斉登録モードで予め操作部30-1’の操作により位置時刻情報登録モードが設定されている場合、上記登録リスト31-1’,31-3(すなわち識別情報登録リスト31’)には上記所定範囲A内にある全識別タグ20の識別情報及び撮影画像に対応させ、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8でそれぞれ取得した登録時刻情報及び登録位置情報も登録される。
【0098】
上述のように、一斉登録モードによる上記登録リスト31-1’,31-3は取得が可能な全ての識別タグ20の識別情報や撮影画像を1回の命令入力で一覧として登録しただけであるため、どの識別タグ20がどの携帯物10に対応しているかの確認に用いる場合は十分ではないが、全ての携帯物10が揃っているか否かの判断材料としては十分な機能を果たす。
【0099】
また、上記識別情報登録リスト31’を使用する場合、例えば普段持ち歩く携帯物10の数や種類が決まっているときに、携帯物10と同じ数だけの識別タグ20に関する識別情報や撮影画像を上記登録リスト31-1’,31-3に一覧として登録し、それらの識別タグ20をそれぞれ携帯物10に装着するだけで済む。上述のように1回の撮影手段起動命令又は登録命令の入力だけで登録リスト31-1’,31-3への登録が済むため、登録作業が極めて容易になる。
【0100】
図12は、個別登録モードにおいて識別情報及び撮影画像が登録された識別情報登録リスト31’の構成例を示したものである。図8、図9、図10及び図12において、個別登録モードでは、携帯物10に装着される全ての識別タグ20の識別情報や撮影画像を、携帯物10毎にそれぞれ対応させて1つずつ識別情報登録リスト31’に登録させることができる。すなわち、個別登録モードの実行に際し、ユーザは個別登録モードを操作部30-1’で選択設定し、その時の個別登録作業で登録する一つの識別タグ20を選択する。このようにして選択された識別タグ20は、残りの識別タグ20に対し非接触個体識別管理装置30’の最近傍に位置するように配置される。その上で、ユーザは識別タグ20の登録のため操作部30-1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力する(図10のステップS17)。
【0101】
操作部30-1’の操作によって位置時刻情報登録モードが予め設定されていない場合、記憶手段30-10’には、識別タグ20の個別登録モードにおける登録順(登録番号)及びこの登録順位で登録された識別情報や撮影画像との対応付けが図られ図12に示すような形式の登録リスト31-2’が作成される。この登録リスト31-2’には、その登録順(登録番号)すなわち個別登録モードで図10に示した登録処理の実行回数に対応させて、各登録処理の実行毎に最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報及び撮影画像が登録される。
【0102】
図12は、このような各回の登録処理において撮影手段30-11により撮影画像を取り込み読取手段30-2’により最も受信電波強度が高い応答に対応した識別タグ20-mの識別情報を読み取った場合の登録リスト31-2’を示しており、例えば次のような入力方法などで登録される。すなわち、個別登録モードで、最初の登録作業として、識別情報“123456789”を有する識別タグ20を非接触個体識別管理装置30’に対して最近傍の位置に配置した上で、操作部30-1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力し、図10を用いて詳述したようにして識別タグ20(及び/又は識別タグ20が装着された携帯物10)の撮影画像Jと当該識別情報を登録リスト31-2’に登録する。また、次の登録作業で、識別情報“123456789”を有する識別タグ20に代えて、識別情報“234567890”を有する識別タグ20を非接触個体識別管理装置30’に対して最近傍位置に配置し、同様にして撮影画像Kと当該識別情報を登録リスト31-2’に登録する。更に、その次の登録作業で、識別情報“234567890”を有する識別タグ20に代えて、識別情報“345678901”を有する識別タグ20を非接触個体識別管理装置30’に対して最近傍位置に配置し、同様にして撮影画像Lと当該識別情報を登録リスト31-2’に登録する。
【0103】
このように、個別登録モードの場合には、ユーザが識別タグ20の識別情報及び撮影画像を識別タグ20毎に一つずつ順番に簡単な操作で登録リスト31-2’に登録する。この登録リスト31-2’を記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’として使用すれば、どの識別タグ20の撮影画像や識別情報がどの携帯物10に対応しているかの判断が容易になる。すなわち、撮影画像から該当する携帯物10が即認識できたり、或いは撮影画像や識別画像から認識した識別タグ20を通して該当する携帯物10を認識したりすることができる。
【0104】
なお、個別登録モードにおいて予め位置時刻情報登録モードが設定されている場合、上記登録リスト31-2’には、一つの識別タグ20に関する識別情報及び撮影画像の登録毎に対応させて、時刻情報取得手段30-7及び位置情報取得手段30-8がそれぞれ取得した登録時刻情報及び登録位置情報が登録される。
【0105】
また、個別登録モードにおける上述の登録作業において、撮影手段30-11で撮影画像を取り込み読取手段30-2’で識別タグ20の識別情報を読み込んだ後、当該識別タグ20が装着されている携帯物10の個体名(例えば“鞄”)を文字入力手段30-3により入力しても良いものとする。この場合、一つの識別タグ20に関する識別情報及び撮影画像の登録に対応して当該識別タグ20が装着される携帯物10の個体名との対応も同時に行えるため、どの識別タグ20の識別情報及び撮影画像がどの携帯物10に対応しているかの判断が一層確実になる。
【0106】
更に、上述の一斉登録モードと個別登録モードの他に、以下に詳述するようなセット登録モードで登録しても良いものとする。すなわち、セット登録モードでは、個別登録モードの登録方法と同様の手順で、例えば図12の登録リスト31-2’に示すような識別情報及び撮影画像から構成された組み合わせであるセットを複数個(例えばセットI〜IV)記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録する。これらの各セットは、例えば、携帯物J,K,Lに関するセットI、携帯物K,L,Mに関するセットII、携帯物J,K,Mに関するセットIII及び携帯物M,N,Pに関するセットIVを同一使用者が必要に応じて選択的に使用する場合もあれば、複数個の携帯物に関するセットの各々をそれぞれ異なる人が使用する(例えば携帯物J,K,Lに関するセットVは父、携帯物J,K,Lに関するセットVIは母、携帯物J,K,Mに関するセットVIIは兄、携帯物J,K,Mに関するセットVIIIは弟が使用する等)場合もある。換言するならば、同一使用者が携帯物の組み合わせを必要に応じて選択して使用する場合にはどの組み合わせで使用しているかを思い出すことが必要になったり、同一の携帯物を複数人で共同使用するような場合には誰が使用中の携帯物であるのか知ることが必要になったりする可能性などもあるため、上記の各セットがそれぞれ(携帯物の各セットごとに)対応するように制御手段30−9’により関連付けられて記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される。
【0107】
従って、セット登録モードの場合には、携帯物の忘れ物や盗難遺失を確認(検出)する時も、個別登録モードの場合のように登録されているものを全て個別に検出するのではなく、セットとして登録されているリストについてセットごとに忘れ物や盗難遺失などの検出を行なうことができる。
【0108】
また、図10のステップS17〜S23において、撮影手段30−11の起動→シャッター操作待ち→シャッター操作→読取手段30−2’の作動という場合について説明したが、撮影手段30−11の起動、シャッター操作、読取装置作動の順序は問わないものとする。従って、撮影手段30−11の起動→読取手段30−2’の作動→シャッター操作の順とし、読取手段30−2’に受信されている識別情報と撮影手段30−11で取り込んだ撮影画像を同時に登録することも可能である。この場合、識別情報を管理するとき個体名の入力に多くの時間や労力を費やすことなく画像で登録できるため、ユーザの登録作業が一層容易になる。
【0109】
更に、上述の方法で登録作業を行うとき、撮影手段30−11の撮影範囲に制限があるため所望範囲に位置する識別タグ20が全て表示手段30−5’の画面に表示されているとは限らず、取り込まれる画像と読み取られた識別タグ20の整合が取れない状態例えば識別情報が得られず撮影画像だけが得られる場合も生じる。このような場合、警報手段30−4’が発する撮影音の種類を変えるなどしてユーザにその旨を伝える。すなわち、読み取られた識別タグの識別情報と前記撮影手段によって取り込まれた撮影画像を関連付けて登録された場合と、識別情報が得られず撮影手段30−11で取り込んだ撮影画像のみ記録する場合とで、撮影音の種類を変えるなどしてユーザにその旨を伝える。これにより、取り込まれる撮影画像と読み取られた識別情報が一致しないことをユーザは容易に知ることができる。
【0110】
従って、ユーザは登録作業を中断し、読取手段30−2’で読み取り可能な範囲に識別タグ20を移動させて再度登録作業を行なうなどの対策を講じることができる。
【0111】
一方、図13を用いて詳述する以下の方法によって、取り込まれる画像と読み取られた識別情報の整合が取れない状態を解決することもできる。
【0112】
図13は、本実施形態の非接触個体識別管理装置を用いて識別情報登録リストの登録処理を行なう場合のフローチャートである。図8、図9及び図13において、非接触個体識別管理装置30’は、識別タグ20の識別情報及び撮影画像を識別情報登録リスト31’に登録するために、ユーザ2が操作部30−1’から撮影手段起動命令又は登録命令を入力したか否かを確認する(ステップS25)。この入力が確認された場合、撮影手段起動指示又は読取命令発信指示が操作部30−1’から供給されると、撮影手段30−11は表示手段30−5’に対しモニター画像の供給を行ない(ステップS26)、読取手段30−2’は非接触個体識別管理装置30’の周辺の所定範囲内にある全ての識別タグ20の識別情報を読み取る(ステップS27)。
【0113】
次に、撮影手段30−11は、ユーザが操作部30−1’からシャッター命令によって撮影画像取り込み指示を入力したか否かを確認し(ステップS28)、撮影画像取り込み指示が操作部30−1’から供給されると警報手段30−4’による撮影音を発して撮影画像を取り込み記録手段30−10’に記録する(ステップS29)。
【0114】
その後、読取手段30−2’は読み取られた識別タグが複数個あるか否か確認し(ステップS30)、読み取られた識別タグが全く存在しない場合は、上記ステップS29での撮影音を通常とは違う音色にすることにより、ユーザにその旨を伝える。
【0115】
読み取られた識別タグ20が複数個でない(すなわち1個である)場合は、撮影画像と識別情報を登録する(ステップS32)。また、読み取られた識別タグ20が複数個ある場合は、ユーザに対し、表示手段30−5’や警報手段30−4’によってその旨を伝え、上記ステップS27で読み取った周波数より高い近距離用の周波数で読取手段30−2’を作動させる。ユーザによるマニュアル操作又は自動操作によって非接触個体識別管理装置30’が識別タグ20の近くに移動させられ、読取手段30−2’に近距離から識別タグ20の識別情報を読み取らせる(ステップS31)。
【0116】
その後、読取手段30-2’が読み取った識別タグ20の識別情報と撮影手段30-11が取り込んだ撮影画像は、制御手段30−9’により関連付けられて記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録される(ステップS32)。
【0117】
尚、上記ステップS32において遠距離用低周波と近距離用高周波の2段階に分けて読取手段30-2’を作動させることにより、図10のフローチャートで示した場合に比して制御手段30−9’が識別情報と撮影画像を一層的確に関連付けることができる。すなわち、制御手段30−9’によって識別情報と撮影画像を関連付ける必要がある場合あって且つ撮影手段30−11の撮影範囲制限に起因し取り込まれた撮影画像と読み取られた識別情報の整合が取れない場合であっても、読取手段30-2’は上述のように2段階に分けて作動し遠距離用又は近距離用の一方で撮影範囲外とされた識別タグの識別情報も他方で読み込むことができるため、制御手段30−9’は一層的確に撮影画像と識別情報を関連付けることができる。
【0118】
次に、前記識別情報登録リスト31に予め登録されている識別タグ20が装着された携帯物10に関する忘れ物や盗難遺失などを確認する方法について説明する。図14は、識別情報登録リスト31’に識別情報や撮影画像が登録されている識別タグ20に関する確認処理を説明するフローチャートである。
【0119】
図8、図9及び図14において、先ず、ユーザが操作部30-1’から確認命令を入力したか否かを非接触個体識別管理装置30’が確認する(ステップS33)。この確認命令が入力されている場合、該確認命令に基いて操作部30-1’から発信指示が供給され、読取手段30−2’は読取命令を発信する。この読取命令の発信に対応して識別タグ20から発信される応答を読取手段30−2’が受信し、前述した一斉登録モードの場合と同様に、非接触個体識別管理装置30’の周辺の所定範囲A内にある全ての識別タグ20の識別情報について、読取手段30−2’による読み取りが行なわれる(ステップS34)。
【0120】
このようにして、読取手段30-2’が読み取った全ての識別タグ20の識別情報と記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている全ての識別情報を制御手段30-9’が比較する(ステップS35)。この比較結果は表示手段30-5’に表示される等して、ユーザに報知される。特に、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている識別情報の中に、読取手段30-2’が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報がある場合には(ステップS36)、識別情報登録リスト31’への登録解除情報の登録を警告する(ステップS37)。
【0121】
その後、非接触個体識別管理装置30’は、識別情報登録リスト31に登録されている識別情報と一致しない識別情報に対応させて、上記登録解除時刻情報及び登録解除位置情報を識別情報登録リスト31’に履歴情報として登録する(ステップS38)。
【0122】
尚、上記ステップS37における登録解除情報は、記憶手段30-10’の識別情報登録リスト31’に登録されている識別情報及び画像情報の中に、読取手段30-2’が読み取った識別タグ20の識別情報に一致しない識別情報がある場合の、時刻情報取得手段30-7によって取得される現在の時刻情報(登録解除時刻情報)と位置情報取得手段30-8によって取得される現在の位置情報(登録解除位置情報)とからなる。
【0123】
また、上記ステップS37における警告は、警報手段30-4’による警報音の発生、表示手段30-5’による文字による警告表示、或いは識別情報登録リスト31’に登録されている撮影画像を表示手段30-5’で点滅表示させたり輝度を高めたりするなど表示内容を強調させる強調表示の方法で行なわれる。特に、撮影画像を点滅表示するなどの強調表示によれば、ユーザに対し何の識別タグが警告されているかを最も効果的に伝えることができる。これにより、ユーザは、携帯物10について忘れ物や盗難遺失が発生したことなどを迅速に知ることができる。
【0124】
更に、上記ステップS33〜S37の確認処理において、ユーザによる操作部30-1’からの確認命令はマニュアル入力により実行されるものとして説明したが、予めユーザが操作部30-1’により所定の周期又は所定の時刻に確認命令が自動入力されるように自動確認モードを設定しておくと、所定の周期又は所定の時刻になった時に操作部30-1’から読取手段30-2’に確認のための読取命令発信指示が自動的に出力される。これにより、非接触個体識別管理装置30’では、上記ステップS33〜S37の確認処理が繰り返され、登録解除警告すなわち盗難遺失の発生などを随時検出することができる。従って、携帯物10が盗難遺失にあった場合に、識別タグ20及びその識別タグ20が装着された携帯物10が無くなったことをユーザは即座に知ることができる。
【0125】
以下、上述の非接触個体識別管理装置30’の確認処理による作用について、前記識別情報登録リスト31’に、図11に示した一斉登録モードに基づく登録リスト31-1’ ,31-3が登録されている場合及び図12に示した個別登録モードに基づく登録リスト31-2’が登録されている場合を例に挙げながら説明する。
【0126】
ユーザが普段持ち歩く携帯物10の数や種類を決めていて、これらの携帯物10に装着される識別タグ20の識別情報及び撮影画像を一斉登録モードで登録リスト31-1’,31-3のように登録している場合、操作部30-1’からユーザのマニュアル入力又は自動入力によって確認命令が入力される(図14のステップS33)。この入力が確認された場合、一斉登録された識別情報及び撮影画像に関する携帯物10が1つでも盗難遺失にあっている場合、図14のステップS36で示した判定処理で“全て揃っている”と判定されず、図14のステップS37で示した警告処理で、警報手段30-4’による警報音の発生、表示手段30-5’における文字による警告表示、或いは撮影画像を点滅などで強調する強調(警告)表示が行なわれる。このため、ユーザは、識別タグ20が付された携帯物10の忘れ物や盗難遺失の発生などを容易に確認することができる。
【0127】
また、図12で示した識別情報登録リスト31-2’の場合、ユーザが普段持ち歩く携帯物10と1個ずつ対応付けて識別タグ20の識別情報及び撮影画像が登録されている。また、必要な場合には、上記の識別情報及び撮影画像ごとに識別タグ20が装着された携帯物10の名前も登録されている。従って、携帯物10のうちいずれかが盗難遺失などにあっている場合には、上述の一斉登録モードと同様、図14のステップS36で示した判定処理で“全て揃っている”と判定されず、ステップS37の警告処理で警報手段30-4や表示手段30-5’による警告が行なわれ、ユーザは識別タグ20が付された携帯物10の忘れ物や盗難遺失の発生などを容易に確認することができる。
【0128】
一方、図15は本実施形態の非接触個体識別管理装置30’において表示手段30-5’の領域30-5-3に携帯物リストを表示させた場合の説明図である。この図において、図1や図8と同一記号は同一意味をもたせて使用し、ここでの重複説明は省略する。また、図15の操作部30-1’を操作することにより、図1の表示手段30-5に表示されている携帯物リストと同様の携帯物リストを図15の領域30-5-3に表示させることができる。すなわち、図14のステップS35に示した比較処理で比較した結果や図14のステップS37に示した警告処理などを、図15の領域30-5-3に示すことができる。また、図15の領域30-5-3に示したように、識別情報登録リスト31’に登録されている撮影画像に対応させて、前記所定範囲A内にある携帯物10の撮影画像(例えば撮影画像J)については“○”表示し前記所定範囲A外にある携帯物10の撮影画像(例えば撮影画像K)については例えば“×”表示することにより、携帯物10の個別確認が可能となる。このような個別確認により、ユーザは識別タグ20が付された携帯物10の忘れ物や盗難遺失の発生などを一層容易に知ることができる。また、このような“×”表示に代えて、上記領域30-5-3で例えば“無”という文字を表示させたり或いは当該撮影画像(例えば撮影画像K)を点滅表示させたりすることによっても、携帯物10の個別確認が可能である。
【0129】
尚、本発明は上述の本実施形態に限定されることなく適宜変更可能であり、例えば、以下のように種々変更できるものとする。
【0130】
すなわち、上述の本実施形態では識別タグ20が装着される携帯物10を例示して説明したが、本発明はこれに限定されることなく適宜変更可能であり、例えば、上記携帯物10以外の商品や物品など移動可能な種々の個体(例えば本棚やイス等)に識別タグ20を装着しても良いものとする。
【0131】
また、本実施形態の非接触個体識別管理装置30’は、図10、図13又は図14に示したような処理からなるプログラムを、PDA(Personal Digital Assistant),携帯電話等といった携帯端末に内蔵されたコンピュータに実行させることにより、携帯端末を非接触個体識別管理装置30’として機能させることもできる。
【0132】
更に、携帯端末や携帯コンピュータなどによって読み取りできる例えばメモリカードのような可搬記録媒体に上記プログラムを保持し、これらの携帯端末や携帯コンピュータ等を非接触個体識別管理装置30’として機能させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明の活用例としては、携帯物を含む移動可能な種々の個体に識別タグを装着し、その識別タグとこの識別タグの識別情報を非接触個体識別管理装置を用いて非接触で読み取り、移動可能な種々の個体の忘れ物や盗難遺失を防止することなどが挙げられる。
【符号の説明】
【0134】
1 ……………………………………… 非接触式個体識別管理システム
2 ……………………………………… ユーザ
10 …………………………………… 携帯物
20 …………………………………… 識別タグ
30、30’ ………………………… 非接触個体識別管理装置
30-1、30−1’………………… 操作部
30-2、30−2’………………… 読取手段
30-3 ……………………………… 文字入力手段
30-4、30−4’………………… 警報手段
30-5、30−5’………………… 表示手段
30-6 ……………………………… 電波強度検出手段
30-7 ……………………………… 時刻情報取得手段
30-8 ……………………………… 位置情報取得手段
30-9、30−9’………………… 制御手段
30-10、30−10’…………… 記憶手段
30-11 …………………………… 撮影手段
31、31’ ………………………… 識別情報登録リスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別タグの識別情報を読み取る読取手段と、
画像を撮影するための撮影手段と、
撮影画像を表示する表示手段とを備えている携帯端末であって、
前記表示手段は、
前記撮影手段の起動中に、当該撮影に際して前記読取手段により読み取らせた識別タグの識別情報と当該起動中の前記撮影手段により撮影された撮影画像とを表示画面上に同時に表示することを特徴とする携帯端末。
【請求項1】
識別タグの識別情報を読み取る読取手段と、
画像を撮影するための撮影手段と、
撮影画像を表示する表示手段とを備えている携帯端末であって、
前記表示手段は、
前記撮影手段の起動中に、当該撮影に際して前記読取手段により読み取らせた識別タグの識別情報と当該起動中の前記撮影手段により撮影された撮影画像とを表示画面上に同時に表示することを特徴とする携帯端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−18366(P2011−18366A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214702(P2010−214702)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【分割の表示】特願2007−228156(P2007−228156)の分割
【原出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【分割の表示】特願2007−228156(P2007−228156)の分割
【原出願日】平成15年10月31日(2003.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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