説明

携帯端末

【課題】ユーザに違和感を生じさせることなく操作性を確保できる携帯端末を提供する。
【解決手段】複数のアイコンを配列表示するタッチパネルディスプレイ11を備えた携帯端末1であって、アイコンに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域の形状を調整する反応領域調整部22を備えている。反応領域調整部22は、タッチパネルディスプレイ11の一の隅部を基準点とし、タッチパネルディスプレイ11における画面の高さ方向において基準点に近いアイコンほど画面の幅方向Wに長くなるように反応領域を調整し、画面の高さ方向Hにおいて基準点から遠いアイコンほど画面の高さ方向Hに長くなるように反応領域を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えた携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルディスプレイを介して表示部に表示されるアイコン等をタップすることにより所定の機能を起動させるタッチパネルディスプレイ式の携帯端末が知られている。このような携帯端末において、ユーザがタッチパネルディスプレイを介して入力をする際の操作性を向上させるための技術が開示されている。例えば、特許文献1では、タッチパネルディスプレイの周辺に基準位置を設け、当該基準位置からの距離が長いアイコンほど大きいサイズで表示する表示装置を備えた携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−265793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の携帯端末においては、アイコンの操作性を向上させるためにアイコンの位置やサイズなどを変更している。しかしながら、一般に、画面に表示されるアイコンは、同サイズのものがマトリクス状に配列されていることが多いため、アイコンの位置やサイズを自由に変更することは、不慣れなユーザにとっては違和感が生じ、操作性を損なってしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、ユーザに違和感を生じさせることなく、操作性を確保できる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の携帯端末は、複数のアイコンを配列表示するタッチパネルディスプレイを備えた携帯端末であって、アイコンに対応するタッチパネルディスプレイの反応領域の形状を調整する反応領域調整手段を備え、反応領域調整手段は、タッチパネルディスプレイの一の隅部を基準点とし、画面の高さ方向において基準点に近いアイコンほど画面の幅方向に長くなるように反応領域を調整し、画面の高さ方向において基準点から遠いアイコンほど画面の高さ方向に長くなるように反応領域を調整することを特徴としている。
【0007】
この発明では、片手かつ親指で携帯端末の操作が行われることを前提とした上で、画面の高さ方向において上記基準点から近いアイコンは指の内側で操作し、遠いアイコンは指の先で操作し、その間のアイコンは指の腹で操作する点に着目して反応領域の形状を調整している。アイコンに触れる親指の状態及び接触状態を予め考慮して、アイコンの表示形式はそのままでも、それぞれのアイコンに対応するタッチパネルディスプレイの反応領域が適切に設定される。この結果、ユーザに違和感を生じさせることなく操作性を確保できる。
【0008】
また、本発明の携帯端末では、ユーザに対して複数のアイコンへの接触を案内する接触案内手段と、アイコンに対するユーザの接触領域を検出する接触領域検出手段と、を更に備え、反応領域調整手段は、接触領域検出手段によって検出された接触領域に基づいて、反応領域の形状を相似形を保った状態で補正してもよい。
【0009】
この発明では、ユーザに対してタッチパネルディスプレイに表示された複数のアイコンを触れさせることによって取得した、ユーザごとのアイコンへの接触領域に基づいて調整反応領域の補正を行っている。これにより、アイコン操作時にユーザごとに異なる指の状態や接触領域の違いを考慮して、より適切に反応領域の形状を調整することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の携帯端末によれば、ユーザに違和感を生じさせることなく操作性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る携帯端末を示す外観図である。
【図2】図1に示す携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す携帯端末を右手で操作する場合を示した図である。
【図4】調整反応領域の一例を示した図である。
【図5】図1に示す携帯端末のハードウェア構成を示す図である。
【図6】アイコンの反応領域を調整する流れを示したフローチャートである。
【図7】調整反応領域を補正する流れを示したフローチャートである。
【図8】調整反応領域を補正する際の画面遷移を示した図である。
【図9】調整反応領域を補正する際の画面遷移を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分に同一の符号を付して、重複する説明を省略する。図1は、本実施形態に係る携帯端末を示す外観図である。図2は、図1の携帯端末の機能構成を示すブロック図である。図3は、携帯端末を右手で操作する場合を示した図である。また、説明中「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
【0013】
携帯端末1は、図1および図2に示すように、タッチパネルディスプレイ11、記憶部13及び制御部20を備えている。
【0014】
タッチパネルディスプレイ11は、筺体2の一方の表面に配置されており、入出力の機能を兼ね備えた電子部品である。タッチパネルディスプレイ11は、タッチパネルディスプレイ制御部12によってタッチパネルディスプレイ11への入力や出力が制御される。タッチパネルディスプレイ11が受け付ける入力としては、指やタッチパネルディスプレイ用のペン等を利用したユーザによるタッチパネルディスプレイ11上の接触が挙げられる。また、タッチパネルディスプレイ11が行う出力としては、アイコン41をタッチパネルディスプレイ11上に配列表示させたり、文字や画像等の視覚的なコンテンツをタッチパネルディスプレイ11上に表示させたりすることが挙げられる。タッチパネルディスプレイ制御部12は、受け付けた入力を制御部20に送信したり、制御部20からの出力を受信したりする。
【0015】
制御部20は、携帯端末1の各機能を制御する部分であり、例えばタッチパネルディスプレイ11および記憶部13を制御している。制御部20は、その機能の一つとして、アイコンに対応するタッチパネルディスプレイの反応領域を調整する機能がある。制御部20は、当該機能を実現するための主な機能的構成要素として、受付部21、反応領域調整部(反応領域調整手段)22、及び接触案内部(接触案内手段)23、接触領域検出部(接触領域検出手段)24を有している。
【0016】
受付部21は、筺体2を持つ手の左右の別に関する情報を受け付ける部分である。受付部21は、例えば、上記左右の別に関する情報を入力させる入力画面から当該情報を受け付けることができる。受付部21は、上記左右の別に関する情報を受け付けると、反応領域調整部22に当該情報を出力する。
【0017】
反応領域調整部22は、この反応領域51a〜51lの形状を調整する部分である。通常、アイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域51a,51b,・・・,51lの形状は、それぞれのアイコン41a〜41lの形状と略同一であるが、反応領域調整部22は、以下のように反応領域51a〜51lの形状を調整する。
【0018】
反応領域調整部22は、左右の別に関する情報を受付部21から受け付けると、上記左右の別に対応して設定されるタッチパネルディスプレイ11の一の隅部を基準点として設定する。受付部21が、図3に示すように、右手90で筐体2を持つことをユーザから受け付けた場合、反応領域調整部22は、筺体2の持ち手90の親指91の付け根92に近いタッチパネルディスプレイ11の一の隅部11aを基準点(以下、基準点11aと称す)として設定することができる。反応領域調整部22は、図4に示すように、タッチパネルディスプレイ11の画面の高さ方向Hにおいて基準点11aに近いアイコンほど画面の幅方向Wに長くなるように反応領域51a〜51lを調整し、また、画面の高さ方向Hにおいて基準点11aから遠いアイコンほど画面の高さ方向Hに長くなるように、反応領域51a〜51lを調整する。これにより、アイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域として、調整反応領域61a,61b,・・・,61lが設定される。
【0019】
ここで、反応領域調整部22は、右手90で筺体2を持ち、かつ右手90の親指91で携帯端末1の操作が行われることを前提とした上で、ユーザがタッチパネルディスプレイ11に表示されたアイコンを操作する際の親指91の予想接触範囲に基づいて反応領域51a〜51lの形状を調整している。具体的には、以下の点に着目したときの、例えば、接触時の指の範囲、指の向き、接触領域の面積といった情報から、上記反応領域51a〜51lの形状を調整している。
【0020】
(1)タッチパネルディスプレイ11における画面の高さ方向Hにおいて基準点11aから近いアイコンは、指91の内側(図3に示される親指91においてタッチパネルディスプレイに接触する側の側面部)93で操作される。このため、親指91がタッチパネルディスプレイに触れる領域は狭くなる。
(2)タッチパネルディスプレイ11における画面の高さ方向Hにおいて基準点11aから遠いアイコンは、指91の先(図3に示される爪の先の周辺部)94で操作される。このため、親指91がタッチパネルディスプレイに触れる領域は狭くなる。
(3)上記(1)及び(2)の間に表示されるアイコンは、指91の腹(図3に示される親指91の指紋のある周辺部)95で操作される。このため、親指91がタッチパネルディスプレイに触れる領域は広くなる。
【0021】
接触案内部23は、ユーザに対して設定用アイコンとしての複数のアイコン(以下、設定用アイコン71と称す)への接触を案内する部分である。接触案内部23は、例えば、図8の画面A2に示すように、ユーザに対して複数の設定用アイコン71への接触を促す画面をタッチパネルディスプレイ11に出力する。
【0022】
接触領域検出部24は、設定用アイコン71に対するユーザの接触領域を検出する部分である。接触領域検出部24は、例えば、図8の表示A2に示すような、設定用アイコン71が表示された画面において、ユーザによって触れられたそれぞれの設定用アイコン71に対する接触領域を検出する。
【0023】
反応領域調整部22は、接触領域検出部24によって検出された接触領域に基づいて、先に調整した調整反応領域61a〜61l(以下、「調整反応領域」と称す)の形状を相似形を保った状態で補正することもできる。例えば、反応領域調整部22は、設定用アイコン71に対する接触領域を検出することによって得られた、接触時の指の範囲、指の向き、接触領域の面積といった情報に基づいて、調整反応領域61a〜61lの形状を相似形を保った状態で補正する。これにより、アイコン41a〜41lのそれぞれに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域として補正反応領域81a,81b,・・・,81l(図9における画面A5参照)が設定される。この結果、ユーザごとに異なる指の状態や接触領域の違いを考慮して、より適切に反応領域の形状を調整することが可能となる。
【0024】
記憶部13は、後述する反応領域調整部22によって調整された調整反応領域61a〜61l及び補正反応領域81a〜81lに関するデータを記憶する部分である。反応領域調整部22は、記憶部13から調整反応領域61a〜61l及び補正反応領域81a〜81lに関するデータを読み出すことにより、その都度調整することを省略して処理時間を短縮することができる。
【0025】
図5は、携帯端末のハードウェア構成を示す図である。携帯端末1は、図5に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU31、ROMおよびRAMで構成される主記憶部32、ハードディスク、メモリ、記憶部13等で構成される補助記憶部33、タッチパネルディスプレイ11等の入力部34、タッチパネルディスプレイ11等の出力部35で構成される。上述した制御部20における各機能は、CPU31および主記憶部32に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU31の制御の下で、タッチパネルディスプレイ11に情報を表示させたり、タッチパネルディスプレイ11を介して入力される情報を読み込んだり、主記憶部32および補助記憶部33に対してデータの読み書きを実行させたりすることで実現される。
【0026】
以下、本実施形態の特徴部分であるアイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域51a〜51lを調整する際の処理について、図6を用いて説明する。図6は、携帯端末におけるアイコンの反応領域を調整する流れを示したフローチャートである。
【0027】
まず受付部21が、ユーザから筺体2を持つ手の左右の別に関する情報を受け付ける(S1)。受付部21は、例えば携帯端末1の起動時または初期設定の画面において、ユーザから上記左右の別に関する情報を受け付けることができる。ここでは、図3に示すように、ユーザが右手90で筐体2を持ってタッチパネルディスプレイ11を操作する場合について、受付部21が、右手90で筐体2を持ってタッチパネルディスプレイ11を操作する」という情報を受け付けたとして、以下説明を行う。
【0028】
次に、反応領域調整部22は、ステップS1において入力された「右手90で筐体2を持ってタッチパネルディスプレイ11を操作する」という情報を受け付けると、上記左右の別に対応して設定されるタッチパネルディスプレイ11の一の隅部を基準点として設定する(S2)。反応領域調整部22は、筺体2の持ち手90の親指91の付け根92に近いタッチパネルディスプレイ11の一の隅部11aを基準点(以下、基準点11aと称す)として設定する。
【0029】
次に、反応領域調整部22は、アイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域51a〜51lの形状を調整する(S3)。具体的には、反応領域調整部22は、図3に示すような、それぞれのアイコン41a〜41lの表示形状と略同一のタッチパネルディスプレイ11の反応領域51a〜51lの形状を、図4に示すような反応領域61a〜61l(以下、「調整反応領域」と称す)の形状に設定する。すなわち、反応領域調整部22は、図4に示すように、タッチパネルディスプレイ11の画面の高さ方向Hにおいて基準点11aに近いアイコンほど画面の幅方向Wに長くなるように反応領域51a〜51lを調整し、また、画面の高さ方向Hにおいて基準点11aから遠いアイコンほど画面の高さ方向Hに長くなるように、反応領域51a〜51lを調整する。本実施形態では、反応領域調整部22は、それぞれのアイコン41a〜41lの表示形態及び表示位置はそのままで、それぞれのアイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域51a〜51lの形状を調整して、調整反応領域61a〜61lを設定している点に特徴がある。
【0030】
次に、調整反応領域をユーザに合わせて補正する処理の流れについて、図7〜図9を用いて説明する。図7は、調整反応領域を補正する際の流れを示したフローチャートである。図8及び図9は、調整反応領域を補正する際の画面遷移を示した図である。
【0031】
タッチパネルディスプレイ11にアイコン41が表示されている画面A1(図8参照)において、ユーザによって反応領域補正メニューが選択されると、接触案内部23は、反応領域の補正をすることを受け付ける(S11)。接触案内部23は、持ち手に関する情報の入力画面を表示する。
【0032】
次に、接触案内部23は、ユーザによって持ち手に関する情報が入力されると、タッチパネルディスプレイ11に「アイコンを順番にタップしてください」とのメッセージ72と共に設定用アイコン71が表示された画面A2を表示する(S12)。設定用アイコン71a,71b,・・・,71lが表示される画面A3において、ユーザによって図8に示す矢印の順番で設定用アイコン71a〜71lがタップされると、接触領域検出部24は、ユーザによってタップされた設定用アイコン71a〜71lごとに接触領域を検出する(S13)。接触領域検出部24は、検出した接触領域に関する情報を反応領域調整部22に出力する。
【0033】
次に、接触案内部23は、全ての設定用アイコン71a〜71lに対して接触領域を検出したかどうかを判定する(S14)。接触案内部23は、全ての設定用アイコン71a〜71lに対する接触領域を検出していないと判定した場合(S14:NO)、ユーザに対してまだ検出ができていない設定用アイコンに接触を促すメッセージを表示する。
【0034】
一方、接触案内部23は、全ての設定用アイコン71a〜71lに対する接触領域を検出したと判定した場合(S14:YES)、その旨の情報を反応領域調整部22に出力する。当該情報を受け付けた反応領域調整部22は、接触領域検出部24によって検出された接触領域に基づいて、調整反応領域61a〜61lの形状を相似形を保った状態で補正する。反応領域調整部22は、設定用アイコン71に対する接触領域を検出することによって得られた、接触時の指の範囲、指の向き、接触領域の面積といった情報に基づいて、調整反応領域61a〜61lの形状を相似形を保った状態で補正する。
【0035】
次に、反応領域調整部22は、ユーザに合わせて補正した補正反応領域81a〜81l(図9における画面A5参照)を、アイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域として設定する(S15)。このとき、接触案内部23は、図9に示すように「タッチパネルの反応領域を変更しました」というメッセージ75が表示された画面A4を表示する。
【0036】
次に、反応領域調整部22は、ステップS15によって補正された補正反応領域81a〜81lに関するデータを記憶部13に保存する(S16)。次回の起動時には、反応領域調整部22は、記憶部13から補正反応領域81a〜81lに関するデータ読み出すことにより、その都度調整しなくても、アイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域の形状を、補正反応領域81a〜81lに設定することができる。
【0037】
以上に説明したように、タッチパネルディスプレイ11に表示されるアイコン41a〜41lの形態と、当該アイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域51a〜51lとは略同一であることが従来の一般的であるところ、本実施形態の携帯端末1では、筺体2を持つ手が右手90であるという点と、タッチパネルディスプレイ11を操作する指が親指91であるという点とに基づいて、アイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域の形状を図4に示す調整反応領域61a〜61lに設定している。これにより、アイコン41a〜41lの表示形態及び表示位置が維持したまま、それぞれのアイコン41a〜41lに対応するタッチパネルディスプレイ11の反応領域が適切に設定される。この結果、ユーザに違和感を生じさせることなく、アイコン41a〜41lに対する操作性を確保することができる。
【0038】
また、本実施形態の携帯端末1では、タッチパネルディスプレイ11に複数の設定用アイコン71a〜71l(図8における画面A3参照)を表示し、この複数の設定用アイコン71a〜71lをユーザにタップさせ、このタップ時における接触領域の情報に基づいて調整反応領域61a〜61lの補正を行っている。これにより、アイコン操作時にユーザごとに異なる指の状態や接触領域の違いを考慮して、より適切に反応領域の形状を調整することが可能となる。
【0039】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
【0040】
上記実施形態の携帯端末1では、ユーザが右手90で筺体2を持ち、親指91でタッチパネルディスプレイ11を操作する場合について説明したがこれに限定されるものではなく、例えば左手で筺体を持ち、親指でタッチパネルディスプレイを操作する場合であっても、本発明を適用することができる。この場合、反応領域調整部22は、筺体2の持ち手の親指の付け根に近いタッチパネルディスプレイ11の一の隅部として、左下の隅部を基準点(図3で説明すると、アイコン41cに近い隅部)として設定することができる。
【0041】
また、上記実施形態の携帯端末1では、幅方向Wに3つのアイコン、高さ方向Hに4つのアイコンがタッチパネルディスプレイ11に配列表示された場合の反応領域の調整及び補正について説明したがこれに限定されるものではない。例えば、幅方向Wに4つ、高さ方向Hに5つのアイコンがタッチパネルディスプレイ11に配列表示される場合であってもよい。
【0042】
上記実施形態の携帯端末1では、入力画面からの入力によって筺体2を持つ手の左右の別に関する情報を受け付けた例を挙げて説明したがこれに限定されるものではない。例えば、音声や各条件を入力するボタン等から当該情報を受け付けてもよいし、また、筺体2を持つ手、操作する指を検知する検知センサ等を備えることにより、当該情報を受け付けてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1…携帯端末、2…筺体、11…タッチパネルディスプレイ、11a…基準点、12…タッチパネルディスプレイ制御部、13…記憶部、20…制御部、21…受付部、22…反応領域調整部(反応領域調整手段)、23…接触案内部(接触案内手段)、24…接触領域検出部(接触領域検出手段)、31…CPU、32…主記憶部、33…補助記憶部、34…入力部、35…出力部、41…アイコン、41a〜41l…アイコン、51、51a〜51l…反応領域、61、61a〜61l…調整反応領域、71,71a〜71l…設定用アイコン、81,81a〜81l…補正反応領域、90…右手、91…親指、92…付け根部分、93…内側部分、94…指先部分、95…腹部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアイコンを配列表示するタッチパネルディスプレイを備えた携帯端末であって、
前記アイコンに対応する前記タッチパネルディスプレイの反応領域の形状を調整する反応領域調整手段を備え、
前記反応領域調整手段は、前記タッチパネルディスプレイの一の隅部を基準点とし、画面の高さ方向において前記基準点に近いアイコンほど画面の幅方向に長くなるように前記反応領域を調整し、前記画面の高さ方向において前記基準点から遠いアイコンほど前記画面の高さ方向に長くなるように前記反応領域を調整することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
ユーザに対して前記複数のアイコンへの接触を案内する接触案内手段と、
前記アイコンに対する前記ユーザの接触領域を検出する接触領域検出手段と、を更に備え、
前記反応領域調整手段は、前記接触領域検出手段によって検出された前記接触領域に基づいて、前記反応領域の形状を相似形を保った状態で補正することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−208631(P2012−208631A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72651(P2011−72651)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】