説明

携帯端末

【課題】内蔵電池の容量劣化状態を適切に把握し得る構成を部品点数の増加や装置構成の大型化を抑えつつ実現する。
【解決手段】携帯端末1では、予め分類された複数の動作状態の各消費電流量が記憶されている。そして、携帯端末1で行われる動作がいずれの動作状態に該当するかを判断し、その判断される各動作状態での動作実行時間を測定している。更に、その記憶された各動作状態の消費電流量と、測定された各動作状態での動作実行時間とに基づいて、携帯端末1の累積電力量を算出している。そして、測定される電池17の電圧が閾値に達する電圧低下状態を検出し、所定の算出開始時期から、電圧低下状態が検出されるまでに累積電力量算出手段によって算出された累積電力量に基づいて電池17が容量劣化状態であるか否かを判断している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より携帯型光学的情報読取装置などの携帯端末が広く用いられている。この種の携帯端末は、端末内に充電可能な電池を内蔵する構成が一般的であり、内蔵電池が充放電を繰り返すという特徴を有している。このような充放電が繰り返されると、電池内で容量劣化が生じ、満充電からの使用時間が短くなるため、頻繁な充電や意図しない使用中断を余儀なくされるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−322157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、内蔵電池に容量劣化が生じた場合、頻繁な充電や意図しない使用中断を余儀なくされるため、直ちに容量劣化の少ない新たな電池に交換することが望まれる。しかしながら、携帯端末を使用するユーザが容量劣化の度合いを正確に把握することは難しいため、従来では、電池の劣化状態が不明のまま電池が使用され、予想よりも早く電池が消耗し、使用途中で機器が使用不能となる等の問題が多かった。
【0005】
一方、特許文献1では、充電装置にて充電電流を監視し、その電流量によって劣化状態を検知する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1の技術は充電装置で劣化状態を検出するものであり、携帯端末側で容量劣化状態を検出できないという問題がある。特に、特許文献1の技術では、定電圧定電流制御回路といった回路部を実装する必要があるため、回路規模の増大に起因するコスト増や装置構成の大型化が避けられず、このような回路を携帯端末内に特別に配置すると、軽量化や小型化の要求が大きい携帯端末では極めて不利となる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、内蔵電池の容量劣化状態を適切に把握し得る構成を部品点数の増加や装置構成の大型化を抑えつつ実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、機器内部に内蔵される電池によって駆動する携帯端末であって、前記電池の電圧を測定する電圧測定手段と、前記携帯端末の動作状態が、予め分類された複数の動作状態のいずれに該当するかを判断する判断手段と、前記判断手段によって判断される各動作状態での動作実行時間を測定する時間測定手段と、前記複数の動作状態における各動作状態の消費電流量を記憶する消費電流量記憶手段と、前記消費電流量記憶手段に記憶された各動作状態の消費電流量と、前記時間測定手段によって測定された各動作状態での動作実行時間とに基づいて、前記携帯端末の累積電力量を算出する累積電力量算出手段と、前記電圧測定手段によって測定される前記電池の電圧が閾値に達する電圧低下状態を検出する電圧低下状態検出手段と、所定の算出開始時期から前記電圧低下状態検出手段によって前記電圧低下状態が検出されるまでに前記累積電力量算出手段によって算出された前記累積電力量に基づいて前記電池が容量劣化状態であるか否かを判断する容量劣化状態判断手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の携帯端末において、前記容量劣化状態判断手段は、前記所定の算出開始時期から前記電圧低下状態が検出されるまでの前記累積電力量と、予め設定された基準電力量との比率が所定比率に達したときに前記電池が容量劣化状態であると判断することを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の携帯端末において、前記容量劣化状態判断手段が前記容量劣化状態であると判断した場合に報知を行う報知手段を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記電圧測定手段によって測定される前記電池の電圧に基づいて、電池電圧の降下速度を検出する降下速度検出手段と、前記容量劣化状態判断手段によって前記容量劣化状態と判断される際に前記降下速度検出手段によって検出された前記降下速度を基準降下速度として記憶する基準降下速度記憶手段と、前記基準降下速度記憶手段に記憶された前記基準降下速度に対し、その記憶後に前記降下速度検出手段によって検出された前記降下速度が同値又は大きい値である場合に通知を行う通知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末において、情報コードを読み取る光学的情報読取手段、及び非接触通信媒体と通信を行う非接触通信手段の少なくともいずれかを備え、前記複数の動作状態として、前記光学的情報読取手段によって前記情報コードを読み取るときの読取動作状態、及び前記非接触通信手段によって前記非接触通信手段と通信を行うときの非接触通信動作状態の少なくともいずれかが定められていることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯端末において、前記電池からの電力に基づいて駆動される表示装置と、前記表示装置の輝度状態を複数段階に切り替える切替手段と、を備え、前記表示装置の各輝度状態が、それぞれ異なる動作状態として分類されており、前記消費電流量記憶手段には、前記表示装置の輝度状態毎の消費電流量がそれぞれ記憶されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明では、予め分類された複数の動作状態の各消費電流量が記憶されている。そして、携帯端末で行われる動作がいずれの動作状態に該当するかを判断し、その判断される各動作状態での動作実行時間を測定している。更に、その記憶された各動作状態の消費電流量と、測定された各動作状態での動作実行時間とに基づいて、携帯端末の累積電力量を算出している。そして、測定される電池の電圧が閾値に達する電圧低下状態を検出し、所定の算出開始時期から、電圧低下状態が検出されるまでに累積電力量算出手段によって算出された累積電力量に基づいて電池が容量劣化状態であるか否かを判断している。
この構成によれば、大掛かりな回路や複雑な回路を用いなくても、携帯端末で実行される動作毎に消費電流量と動作実行時間をより正確に算出することができ、これらに基づいて累積電力量を正確に把握することができる。そして、所定の電圧低下状態が生じたときには、それまでの累積電力量に基づいて電池が容量劣化状態であるか否かを適切に判断することができる。
【0014】
請求項2の発明では、所定の算出開始時期から電圧低下状態が検出されるまでの累積電力量と、予め設定された基準電力量との比率が所定比率に達したときに電池が容量劣化状態であると判断している。このようにすると、より正確に把握される累積電力量と明確な基準(基準電力量)との比率に基づいて、電池が容量劣化状態であるかを容易に且つ適切に判断できる。
【0015】
請求項3の発明では、容量劣化状態判断手段が容量劣化状態であると判断した場合に報知を行う報知手段が設けられている。このようにすると、電池が容量劣化状態にあるときに、ユーザ等にその旨を適切に知らしめることができる。
【0016】
請求項4の発明は、電圧測定手段によって測定される電池の電圧に基づいて、電池電圧の降下速度を検出する降下速度検出手段と、容量劣化状態判断手段によって容量劣化状態と判断される際に降下速度検出手段によって検出された降下速度を基準降下速度として記憶する基準降下速度記憶手段と、基準降下速度記憶手段に記憶された基準降下速度に対し、その記憶後に降下速度検出手段によって検出された降下速度が同値又は大きい値である場合に通知を行う通知手段とを備えている。
このようにすると、一旦容量劣化状態と判断された後に電池が継続して使用されることを電池電圧の降下速度に基づいて判断し、通知することができる。従って、ユーザは劣化した電池が継続して使用されていることを把握することができる。特に、電池の継続使用を電池電圧の降下速度に基づいて判断しているため、電圧が完全に低下する前に電池の継続使用を早期に把握しやすくなる。
【0017】
請求項5の発明は、情報コードを読み取る光学的情報読取手段、及び非接触通信媒体と通信を行う非接触通信手段の少なくともいずれかを備え、複数の動作状態として、光学的情報読取手段によって情報コードを読み取るときの読取動作状態、及び非接触通信手段によって非接触通信手段と通信を行うときの非接触通信動作状態の少なくともいずれかが定められている。
このように、電流消費の大きい光学的情報読取手段又は非接触通信手段を備えた携帯端末において、重要度の大きい読取動作状態又は非接触通信動作状態の消費電流量をより正確に把握できるようにすれば、全体の累積消費電力量をより適切に把握できるようになる。
【0018】
請求項6の発明は、電池からの電力に基づいて駆動される表示装置と、表示装置の輝度状態を複数段階に切り替える切替手段とを備え、表示装置の各輝度状態が、それぞれ異なる動作状態として分類されており、消費電流量記憶手段には、表示装置の輝度状態毎の消費電流量がそれぞれ記憶されている。
このようにすると、携帯端末で行われる各動作を表示装置の輝度レベル毎に更に細分化して動作状態を定めることができ、各動作状態の消費電流量としてより適切な値を保持しておくことができる。そして、このように適切に細分化された消費電力量を演算に用いることで、累積電力量をより正確に算出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【図2】図2(A)は、図1の携帯端末で用いられる無線リーダ部を概略的に例示するブロック図であり、図2(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示するブロック図である。
【図3】図3は、図1の携帯端末で行われる電池状態検出処理の流れを例示するフローチャートである。
【図4】図4は、図1の携帯端末に予め記憶される設定データ(各動作状態と消費電流とを対応付けた対応データ)を概念的に説明する説明図である。
【図5】図5は、経過時間と累積電力量との関係を概略的に例示するグラフである。
【図6】図6は、第2実施形態に係る携帯端末で行われる電池状態検出処理の流れを例示するフローチャートである。
【図7】図7は、他の実施形態に係る携帯端末において予め記憶される設定データ(各動作状態と消費電流とを対応付けた対応データ)を概念的に説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、本発明の携帯端末を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(携帯端末の全体構成)
まず、図1、図2を参照し、携帯端末の全体構成について概説する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯端末の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。図2(A)は、図1の携帯端末で用いられる無線リーダ部を概略的に例示するブロック図であり、図2(B)は、情報コード読取部の構成を概略的に例示するブロック図である。
【0021】
第1実施形態に係る携帯端末1は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯情報端末として構成されており、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能と、無線タグを読み取る無線タグリーダとしての機能とを備え、読み取りを二方式で行うことが可能となっている。
【0022】
図1に示すように、携帯端末1は、全体的制御を司る制御部10を備えており、この制御部10に、メモリ11、キー操作部12、液晶表示器13、ブザー14、バイブレータ15、LED16、無線リーダ部20、情報コード読取部30、IrDA通信部40、Bluetooth通信部50、シリアル通信部60などが接続されている。
【0023】
制御部10は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ11とともに情報処理装置として機能している。
メモリ11は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの半導体メモリによって構成されており、後述する処理を動作させる動作プログラムや様々なデータを記憶可能に構成されている。
【0024】
キー操作部12は、複数のキーによって構成され、使用者のキー操作に応じて制御部10に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部10は、キー操作部12から操作信号を受けたとき、その操作信号に応じた動作を行うように構成されている。液晶表示器13は、「表示装置」の一例に相当するものであり、公知の液晶表示パネルによって構成されており、制御部10によって表示内容が制御されるようになっている。ブザー14は、公知のブザーによって構成されており、制御部10からの動作信号に応じて所定の音を発生させるように構成されている。バイブレータ15は、携帯機器に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御部10からの駆動信号に応じて振動を発生させるように構成されている。また、LED16は、制御部10からの点灯信号応じて点灯するように構成されている。
【0025】
無線リーダ部20は、「非接触通信手段」の一例に相当するものであり、アンテナ25及び制御部10と協働して図示しない無線タグとの間で電磁波による通信を行い、無線タグに記憶されるデータの読み取り、或いは無線タグへのデータの書き込みを行うように機能している。この無線リーダ部20は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図2(A)に示すように、送信回路21、受信回路22、整合回路23などを有している。
【0026】
送信回路21は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から例えば周波数953MHzのキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部10に接続されており、当該制御部10より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路23を介してアンテナ25に出力している。このようにしてアンテナ25に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該アンテナ25より外部に放射される。
【0027】
一方、アンテナ25によって受信された電波信号は、整合回路23を介して受信回路22に入力される。この受信回路22は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ25を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部10に出力している。
【0028】
情報コード読取部30は、「光学的情報読取手段」の一例に相当するものであり、図2(B)に示すように、CCDエリアセンサなどの固体撮像素子からなる受光センサ33、結像レンズ37、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部31などを備えた構成をなしており、制御部10と協働して読取対象物Rに付された情報コードC(バーコードやQRコード(登録商標)等)を読み取るように機能する。
【0029】
この情報コード読取部30では、情報コードの読み取りを行う場合、まず、制御部10から指令を受けた照明部31にて照明光Lfが出射され、この照明光Lfが図示しないケースに形成された読取口(図示略)を通って読取対象物Rに照射されるようになっている。そして、照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrは読取口を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ37を通って受光センサ33に受光される。読取口と受光センサ33との間に配される結像レンズ37は、情報コードCの像を受光センサ33上に結像させる構成をなしており、受光センサ33はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ33から出力される受光信号は、画像データとしてメモリ11(図2)に記憶され、デコード処理などに用いられるようになっている。なお、情報コード読取部30には、受光センサ33からの信号を増幅する公知の増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換する公知のAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
【0030】
更に、制御部10には、IrDA通信部40が接続されている。このIrDA通信部40は、規格化された公知のIrDA通信方式で光無線データ通信を行うインタフェースとして構成されており、発光素子及び受光素子を有する光通信素子(IrDA通信モジュール:図示略)が図示しない基板上に実装された構成をなしている。この光通信素子は、外部装置(IrDA通信部を備えた他の携帯端末やIrDA通信機能を備えた充電装置等)との間で光信号(例えば赤外光信号)を送受信する構成をなし、このような光信号を媒介として外部装置と通信が行われるようになっている。
【0031】
Bluetooth通信部50は、公知のBluetooth通信規格に基づいて無線通信を行うBluetooth通信インタフェースとして構成されており、主として、通信制御部と無線通信部とを備えている。このうち、通信制御部は、公知のBluetooth通信規格に従って、信号の拡散や変調、フィルタリング等の処理を行うもので、主に極超短波(UHF)によるスペクトル拡散方式を使用し、低出力での半径数十mの範囲での通信を行う。また、無線通信部は、ユーザデータ又はユーザプロファイルを極超短波(UHF)に変調してアンテナ(図示略)から輻射する送信機、アンテナ28からの送受信極超短波(UHF)の信号を受信する受信機等からなる無線部と、多重化された信号を変調し、変調された信号を無線部に出力するとともに、無線部により無線受信された信号を復調する変復調部とから構成されている。
【0032】
シリアル通信部56は、規格化された公知のシリアル通信方式で外部装置と通信を行う通信インタフェースである。例えば、RS232C方式で外部装置とシリアル通信を行うRS232Cインタフェースとして構成され、制御部10と協働してシリアル通信処理を行う構成をなしている。
【0033】
また、携帯端末1には、電池17や電源回路として構成される電源部18が設けられており、これらによって制御部10や各種電気部品に電力が供給されている。電池17は、充電可能な二次電池(例えばリチウムイオン電池等)によって構成されており、充電時には図示しない充電装置からの電力供給を受けることが可能となっている。電池電圧検出部19は、「電圧測定手段」の一例に相当し、電池17の端子電圧を検出し得る公知の電圧検出回路によって構成されており、電池17の端子電圧を制御部10に入力している。
【0034】
(電池状態検出処理)
次に、携帯端末1で行われる電池状態検出処理について説明する。
図3は、図1の携帯端末で行われる電池状態検出処理の流れを例示するフローチャートである。図4は、図1の携帯端末に予め記憶される設定データ(各動作状態と消費電流とを対応付けた対応データ)を概念的に説明する説明図である。図5は、経過時間と累積電力量との関係を概略的に例示するグラフである。
【0035】
図3に示す電池状態検出処理は、例えば電池が満充電となる毎(例えば電池電圧が満充電の基準となる所定閾値を超える毎)に開始されるものである。この処理では、まず、電池電圧を検出する(S1)。このS1の処理では、電池電圧検出部19(図1)から出力される電池17の端子電圧を取得する。そして、S1で取得された電池電圧が予め定められた規定値(閾値)Vs1以上であるか否かを判断する(S2)。規定値(閾値)Vs1は、電池が「電圧低下状態」となっているか否かを判断するための基準であり、S2において電池電圧が規定値(閾値)Vs1以上であると判断される場合(即ち、電池が「電圧低下状態」に達していない場合)には、Yesに進み、動作状態の遷移があったか否かを判断する。
【0036】
ここで、携帯端末1で規定される複数の動作状態について説明する。
携帯端末1は、電源投入後に複数の動作状態に遷移可能となっており、図4のように遷移候補となる複数の動作状態が予め定められている。図4はあくまで切り替え可能な動作状態の一例であり、複数の動作状態として、例えば情報コード読取部30(光学的情報読取手段)によって情報コードCを読み取るときの「コード読取動作状態」(読取動作状態)、無線リーダ部20(非接触通信手段)によって無線タグ(非接触通信手段)とRFID通信を行うときの「RFID通信動作状態」(非接触通信動作状態)が定められている。
【0037】
また、これら以外でも、「スタンバイ状態」(他の動作(状態信号S2〜S9の動作)がいずれも行われずに待機する状態)、シリアル通信部60によって外部装置とシリアル通信を行う「RS232C通信動作状態」、IrDA通信部40によって赤外線通信を行う「IrDA通信動作状態」、bluetooth通信部50によってbluetooth通信を行う「bluetooth通信動作状態」、ブザー14を動作させる「ブザー動作状態」、バイブレータ15を動作させる「バイブレータ動作状態」、LEDを点灯させる「LED動作状態」などが定められている。
【0038】
図4に規定される各動作は、それぞれの動作を開始するための条件(例えば、使用者による所定操作、或いは各動作に遷移する端末条件の成立等)が成立することに応じて実行されるようになっており、制御部10は、携帯端末1の動作状態が上記複数の動作状態の内のいずれの動作状態となっているかを判断できるようになっている。S3の判断処理では、前回のS3の判断処理のときから動作状態の遷移があったか否かを判断しており、例えば、図3の処理の初回実行時には、比較する前回の動作状態が存在しないため、S3にてYesに進む。一方、2回目以降のS3の判断処理の場合、前の回のS3の判断処理から動作状態が遷移していない場合にはS3にてNoに進み、S1以降の処理を繰り返す。一方、前の回のS3の判断処理から動作状態が遷移している場合にはS3にてYesに進む。
【0039】
なお、本実施形態では、制御部10が「判断手段」の一例に相当し、携帯端末1の動作状態が、予め分類された複数の動作状態のいずれに該当するかを判断するように機能する。
【0040】
図3の処理が開始されてから初めてのS3の判断処理が行われる場合、或いは、二回目以降のS3の判断処理において前回のS3の判断処理から動作状態の遷移があったと判断される場合には、S3にてYesに進み、その遷移前の動作時間の計測を終了し(S4)、その遷移前の動作状態で消費された消費電力量を算出する(S5)。そして、遷移後の動作時間の計測を開始する(S6)。なお、図3の処理が開始されてから初めてのS4、S5の処理では、当該処理は省略される。
【0041】
S5の処理では、遷移前の動作の消費電力量を算出する。本実施形態では、図4のように、動作状態毎の消費電流量が予めメモリ11に記憶されており、S5では遷移前の動作状態の消費電流量をメモリ11から読み出し、この読み出された消費電流量Iaと、S4で計測が終了した遷移前の動作状態の計測時間Ta(当該動作状態が継続していた時間)とに基づき、これらを乗じて遷移前の消費電力量Paを求める。なお、遷移前の消費電力量の算出式は、Pa=Ia×Taとなる。
【0042】
S5の処理の後には、S3で遷移ありと判断されたその遷移後の動作時間の計測を開始する。このように、本実施形態では、動作状態が遷移する毎にS6で動作時間の計測が開始され、次の動作状態に遷移するときにS4でその計測が終了するようになっているため、動作状態が切り替わる毎に各動作状態の継続時間が計測できる。また、各動作状態毎に、計測される継続時間と、メモリ11に記憶された消費電流量とに基づいて消費電力量が算出されることとなる。
【0043】
また、制御部10(具体的には制御部10に設けられたタイマ等)が「時間測定手段」の一例に相当し、上記「判断手段」によって判断される各動作状態での動作実行時間を測定するように機能する。また、本実施形態では、図4のようなデータを記憶するメモリ11が「消費電流量記憶手段」の一例に相当し、図4のような複数の動作状態における各動作状態の消費電流量を記憶するように機能する。
【0044】
ここで、図5を参照して具体例について説明すると、例えば、図5の例では、電池状態検出処理の開始直後の期間T1において、状態信号S1に示すスタンバイ動作が行われている。上述したように、図3の電池状態検出処理では、処理開始後の初回のS3の判断処理でYesと判断された後、S6においてこのスタンバイ動作の動作時間の計測が開始され、その後、スタンバイ動作から他の動作に遷移するまでS1〜S3の処理が繰り返される。一方、図5のように、スタンバイ動作(状態信号S1)からコード読取動作(状態信号S2)に遷移した場合には、S3にてYesに進み、スタンバイ動作の動作時間の計測を終了する(S4)。これにより、期間T1におけるスタンバイ動作の動作時間Ta(継続時間)が確定する。そして、その後のS5の処理では、このように計測された期間T1の動作時間Taにメモリ11に記憶されたスタンバイ動作の消費電流(図4の例では、0.0008A)を乗じることで期間T1における消費電力量を算出することができる。そして、そのS5の処理の後には、スタンバイ動作(状態信号S1)から遷移した後の動作(即ち、期間T2のコード読取動作)の時間計測が開始され(S6)、動作状態の遷移があるまでS1〜S3の処理が繰り返される。そして、図5のように、コード読取動作(状態信号S2)からRFID通信動作(状態信号S9)に遷移した場合には、S3にてYesに進み、期間T2におけるコード読取動作(状態信号S2)の時間計測を終了し(S4)、そのコード読取動作(S2)の消費電力量を算出する(S5)。このようにして、期間T1、T2、T3、T4の各消費電力量が算出されることとなる。
【0045】
一方、S2にて電池電圧が規定値(閾値)Vs1未満であると判断された場合には、S2にてNoに進み、図3の処理が開始された満充電状態からの累積電力量Wtを算出する(S7)。本実施形態では、上述したように動作状態毎にS5にて消費電力量が算出されるようになっており、S7では、各動作状態毎にS5で算出された各消費電力量(即ち、図5に示す各期間T1、T2、T3・・・での消費電力量)の累積値を算出している。
【0046】
なお、S2等の処理を実行する制御部10は、「電圧低下状態検出手段」の一例に相当し、電池電圧検出部19(電圧測定手段)によって測定される電池17の電圧が閾値(規定値Vs1)に達する電圧低下状態を検出するように機能する。
【0047】
また、本実施形態では、S5、S7等の処理を実行する制御部10は、「累積電力量算出手段」の一例に相当し、メモリ11(消費電流量記憶手段)に記憶された各動作状態の消費電流量と、上記「時間測定手段」によって測定された各動作状態での動作実行時間とに基づいて、携帯端末1の累積電力量Wtを算出するように機能する。
【0048】
S7で累積電力量Wtを算出した後には、電池の劣化度Dを算出する(S8)。この劣化度Dは、予め定められた基準電力量WnとS7で算出された累積電力量Wtとの比率を示すものであり、例えば、以下の式で求める。
D=Wt/Wn
【0049】
そして、S8で算出された劣化度Dが予め定められた閾値Ds未満であるか否かを判断する(S9)。S8で算出された劣化度Dが閾値Ds未満である場合には、S9にてYesに進み、電池の劣化状態を報知する(S10)。例えば、液晶表示器13に「電池が劣化しているので交換して下さい」等の電池の劣化を示すメッセージを表示する。一方、劣化度Dが閾値Ds以上であれば、S9にてNoに進み、例えば、液晶表示器13に「電池を充電して下さい」といった通常の充電の報知を行う(S11)。
【0050】
なお、本実施形態では、S9等の処理を実行する制御部10は、「容量劣化状態判断手段」の一例に相当し、所定の算出開始時期(図3の例では、図3に示す電池状態検出処理の開始タイミング、即ち満充電時)から「電圧低下状態検出手段」によって上記「電圧低下状態」が検出されるまでに「累積電力量算出手段」によって算出された累積電力量Wtに基づいて電池17が容量劣化状態であるか否かを判断するように機能し、具体的には、S7〜S9に示すように、所定の算出開始時期(例えば満充電時)から上記「電圧低下状態」検出されるまで(即ち、電池電圧がVs1未満となるまで)の累積電力量Wtと、予め設定された基準電力量Wnとの比率(劣化度D)が所定比率Ds未満に達したときに電池17が容量劣化状態であると判断するように機能する。
【0051】
また、S10の処理を行う制御部10及び液晶表示器13等は、「報知手段」の一例に相当し、「容量劣化状態判断手段」が「容量劣化状態」であると判断した場合に報知を行うように機能する。なお、上記実施形態では、「容量劣化状態」である場合の報知方法として、液晶表示器13に所定のメッセージを表示する例を示したが、ブザー14によって所定の音を発するような報知方法であってもよく、LED16を所定の表示態様とするような報知方法であってもよい。
【0052】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る携帯端末1では、メモリ11において、予め分類された複数の動作状態の各消費電流量が記憶されている。そして、携帯端末1で行われる動作がいずれの動作状態に該当するかを判断し、その判断される各動作状態での動作実行時間を測定している。更に、その記憶された各動作状態の消費電流量と、測定された各動作状態での動作実行時間とに基づいて、携帯端末1の累積電力量を算出している。一方、測定される電池17の電圧が規定値(閾値)Vs1に達する電圧低下状態を検出しており、所定の算出開始時期から、電圧低下状態が検出されるまでに累積電力量算出手段によって算出された累積電力量Wtに基づいて電池17が容量劣化状態であるか否かを判断している。
この構成によれば、大掛かりな回路や複雑な回路を用いなくても、携帯端末1で実行される動作毎に消費電流量と動作実行時間をより正確に算出することができ、これらに基づいて累積電力量を正確に把握することができる。そして、所定の電圧低下状態が生じたときには、それまでの累積電力量Wtに基づいて電池17が容量劣化状態であるか否かを適切に判断することができる。
【0053】
また、本実施形態では、所定の算出開始時期から電圧低下状態が検出されるまでの累積電力量Wtと、予め設定された基準電力量Wnとの比率(劣化度D)が所定比率Dsに達したときに電池17が容量劣化状態であると判断している。このようにすると、より正確に把握される累積電力量と明確な基準(基準電力量)との比率に基づいて、電池17が容量劣化状態であるかを容易に且つ適切に判断できる。
【0054】
また、本実施形態では、容量劣化状態判断手段が容量劣化状態であると判断した場合に報知を行う報知手段が設けられている。このようにすると、電池17が容量劣化状態にあるときに、ユーザ等にその旨を適切に知らしめることができる。
【0055】
また、本実施形態では、情報コードを読み取る光学的情報読取手段、及び非接触通信媒体と通信を行う非接触通信手段の少なくともいずれかを備え、複数の動作状態として、光学的情報読取手段によって情報コードを読み取るときの読取動作状態、及び非接触通信手段によって非接触通信手段と通信を行うときの非接触通信動作状態の少なくともいずれかが定められている。
このように、電流消費の大きい光学的情報読取手段又は非接触通信手段を備えた携帯端末1において、重要度の大きい読取動作状態又は非接触通信動作状態の消費電流量をより正確に把握できるようにすれば、全体の累積消費電力量をより適切に把握できるようになる。
【0056】
[第2実施形態]
次に第2実施形態について説明する。
図6は、第2実施形態に係る携帯端末で行われる電池状態検出処理の流れを例示するフローチャートである。第2実施形態は、図6に示す電池状態検出処理の内容のみが第1実施形態の例(図3)と異なり、それ以外は第1実施形態と同様である。よって電池状態検出処理以外は第1実施形態と同一であるとして詳細な説明は省略し、必要に応じて、適宜、1、図2、図4、図5を参照することとする。
【0057】
本実施形態の電池状態検出処理では、図3の処理に加え、S21〜S24、S25の処理を追加している(図6参照)。なお、図6に示すS1〜S11の処理は、第1実施形態の図3と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0058】
図6に示すように、第2実施形態で行われる電池状態検出処理では、図3と同様のS1、S2の処理の間において、S1で検出された電池電圧が閾値Vs2(規定値Vs1よりも高い所定値)に達したか否かを判断しており(S21)、S1で検出された閾値Vs2に達した場合には、S21にてYesに進み、降下速度Saを算出している(S22)。S22で算出される降下速度Saは、満充電時の電圧(基準電圧)から所定電圧に低下するまでの時間によって表わすことができ、本実施形態では、当該処理の開始(満充電時)から電池電圧が閾値Vs2に到達するまでの時間Tn(即ち、Sa=Tn)によって表わされる。
【0059】
そして、S22で算出された降下速度Saが前回の劣化時(当該S23の処理が行われる直近の回のS9でYesと判断されたとき)にS25で更新された前回劣化速度Sb以下であるか否かを判断する(S23)。なお、S25で更新される前回劣化速度Sbは、「基準降下速度」の一例に相当する。
【0060】
そして、S22で算出された降下速度Saが前回劣化速度(基準降下速度)Sb以下であれば、S23にてYesに進み、液晶表示器13などで電池交換を通知する(S24)。S24の通知処理では、例えば、「電池を交換して下さい」といったメッセージを液晶表示器13に表示してもよく、ブザー14によって所定の音を発するような通知を行ってもよい。或いは、LED16を所定の表示態様とするような通知を行ってもよい。一方、SaがSbを超えていれば、S23にてNoに進み、第1実施形態(図3)と同様にS2以降の処理を行う。
【0061】
上記S21〜S24の処理以外は第1実施形態とほぼ同様であるが、図6の例では、S9でYesと判断されるときには、前回の降下速度として格納されるSbの値が、直近のS22で算出された値に更新されるようになっている。
【0062】
本実施形態では、S22等の処理を実行する制御部10が「降下速度検出手段」の一例に相当し、電池電圧検出部19(電圧測定手段)によって測定される電池17の電圧に基づいて、電池電圧の降下速度Saを検出するように機能する。
【0063】
また、S25等の処理を実行する制御部10及びメモリ11は、「基準降下速度記憶手段」の一例に相当し、S9のように「容量劣化状態判断手段」によって容量劣化状態と判断される際に、上記「降下速度検出手段」によって検出された降下速度Saを基準降下速度Sbとして記憶するように機能する。
【0064】
また、S24等の処理を行う制御部10及び液晶表示器13は、「通知手段」の一例に相当し、上記「基準降下速度記憶手段」に記憶された基準降下速度Sbに対し、その記憶後に「降下速度検出手段」によって検出された降下速度Saが同値又は大きい値である場合に通知を行うように機能する。
【0065】
(第2実施形態の主な効果)
本実施形態では、電池電圧検出部19(電圧測定手段)によって測定される電池17の電圧に基づいて、電池電圧の降下速度Saを検出する「降下速度検出手段」と、「容量劣化状態判断手段」によって容量劣化状態と判断される際に「降下速度検出手段」によって検出された降下速度Saを基準降下速度Sbとして記憶する「基準降下速度記憶手段」と、この「基準降下速度記憶手段」に記憶された基準降下速度Sbに対し、その記憶後に「降下速度検出手段」によって検出された降下速度Saが同値又は大きい値である場合に通知を行う「通知手段」とを備えている。
このようにすると、一旦容量劣化状態と判断された後に電池17が継続して使用されることを電池電圧の降下速度に基づいて判断し、通知することができる。従って、ユーザは劣化した電池17が継続して使用されていることを把握することができる。特に、電池17の継続使用を電池電圧の降下速度に基づいて判断しているため、電圧が完全に低下する前に電池17の継続使用を早期に把握しやすくなる。
【0066】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0067】
第1実施形態及び第2実施形態のいずれも、図4のような動作状態の設定に代えて、図7のような設定を用いてもよい。
この例では、液晶表示器13(表示装置)の輝度状態を複数段階に切り替える「切替手段」が設けられている。具体的には、制御部10が「切替手段」の一例に相当し、液晶表示器13を動作させるための駆動電流を複数段階に切り替えており、液晶表示器13(表示装置)の各輝度状態が、それぞれ異なる動作状態として分類されている。そして、図7のように、メモリ11(消費電流量記憶手段)には、液晶表示器13(表示装置)の輝度状態毎(即ち、制御部10によって切り替えられる駆動電流毎)の消費電流量がそれぞれ記憶されている。なお、この例では、動作状態が輝度状態をも加味して細分化している点のみが上記実施形態と異なり、それ以外は上記実施形態と同様である。例えば、電池状態検出処理などは図3と同様である。
このようにすれば、携帯端末1で行われる各動作を液晶表示器13(表示装置)の輝度レベル毎に更に細分化して動作状態を定めることができ、各動作状態の消費電流量としてより適切な値を保持しておくことができる。そして、このように適切に細分化された消費電力量を演算に用いることで、累積電力量をより正確に算出できるようになる。
【符号の説明】
【0068】
1 携帯端末
10 制御部(判断手段、時間測定手段、累積電力量算出手段、電圧低下状態検出手段、容量劣化状態検出手段、報知手段、降下速度検出手段、基準降下速度記憶手段、通知手段)
11 メモリ(消費電流量記憶手段、基準降下速度記憶手段)
13 液晶表示器(報知手段、通知手段、表示装置)
17 電池
19 電池電圧測定部(電圧測定手段)
20 無線リーダ部(非接触通信手段)
30 情報コード読取部(光学的情報読取手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器内部に内蔵される電池によって駆動する携帯端末であって、
前記電池の電圧を測定する電圧測定手段と、
前記携帯端末の動作状態が、予め分類された複数の動作状態のいずれに該当するかを判断する判断手段と、
前記判断手段によって判断される各動作状態での動作実行時間を測定する時間測定手段と、
前記複数の動作状態における各動作状態の消費電流量を記憶する消費電流量記憶手段と、
前記消費電流量記憶手段に記憶された各動作状態の消費電流量と、前記時間測定手段によって測定された各動作状態での動作実行時間とに基づいて、前記携帯端末の累積電力量を算出する累積電力量算出手段と、
前記電圧測定手段によって測定される前記電池の電圧が閾値に達する電圧低下状態を検出する電圧低下状態検出手段と、
所定の算出開始時期から前記電圧低下状態検出手段によって前記電圧低下状態が検出されるまでに前記累積電力量算出手段によって算出された前記累積電力量に基づいて前記電池が容量劣化状態であるか否かを判断する容量劣化状態判断手段と、
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記容量劣化状態判断手段は、前記所定の算出開始時期から前記電圧低下状態が検出されるまでの前記累積電力量と、予め設定された基準電力量との比率が所定比率に達したときに前記電池が容量劣化状態であると判断することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記容量劣化状態判断手段が前記容量劣化状態であると判断した場合に報知を行う報知手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記電圧測定手段によって測定される前記電池の電圧に基づいて、電池電圧の降下速度を検出する降下速度検出手段と、
前記容量劣化状態判断手段によって前記容量劣化状態と判断される際に前記降下速度検出手段によって検出された前記降下速度を基準降下速度として記憶する基準降下速度記憶手段と、
前記基準降下速度記憶手段に記憶された前記基準降下速度に対し、その記憶後に前記降下速度検出手段によって検出された前記降下速度が同値又は大きい値である場合に通知を行う通知手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
情報コードを読み取る光学的情報読取手段、及び非接触通信媒体と通信を行う非接触通信手段の少なくともいずれかを備え、
前記複数の動作状態として、前記光学的情報読取手段によって前記情報コードを読み取るときの読取動作状態、及び前記非接触通信手段によって前記非接触通信手段と通信を行うときの非接触通信動作状態の少なくともいずれかが定められていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記電池からの電力に基づいて駆動される表示装置と、
前記表示装置の輝度状態を複数段階に切り替える切替手段と、
を備え、
前記表示装置の各輝度状態が、それぞれ異なる動作状態として分類されており、
前記消費電流量記憶手段には、前記表示装置の輝度状態毎の消費電流量がそれぞれ記憶されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−70474(P2012−70474A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210787(P2010−210787)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】