説明

携帯通信機器および情報管理装置

【課題】メインバッテリー除去、電源スイッチオフ、圏外になった期間における携帯通信機器の状況及び携帯する人の状況の収集を可能にする。
【解決手段】携帯通信機器1が待受状態において、バッテリー12が除去されるか又は電源スイッチ21がオフされた場合は電源供給元がサブバッテリー13となり、圏外の場合は電源供給元がメインバッテリー12のままであり、バッテリー12が除去されるか又は電源スイッチ21がオフされた場合又は圏外の場合に、測位受信部4で収集した位置情報とマイク5で収集した音声情報とデジタルカメラ9で収集した画像情報と各種センサー11で収集した各種情報とが収集情報として不揮発性メモリー10に書き込まれる。そして、監視端末機器37が不揮発性メモリー10から収集情報を読み出すことにより、メインバッテリー除去、電源スイッチオフ、圏外になった期間の状況が適切に把握できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインバッテリー除去、電源スイッチオフ、圏外になった期間における携帯通信機器の状況及び携帯する人の状況を収集することができる携帯通信機器および当該携帯通信機器から収集情報を読み出す情報管理装置に関する。以下の説明において、メインバッテリー除去とはメインバッテリーが携帯通信機器から除去された状態又はメインバッテリーの電極が携帯通信機器の電極から外れた状態の何れかである。電源スイッチオフとは携帯通信機器の電源スイッチがオフになった状態であってメインバッテリーの電力でカレンダーやタイマーの動作を維持する以外の電力消費の伴う動作ができない状態である。圏外とは携帯通信機器が通信契約の結ばれた通信事業者の所有する無線基地局からの電波をメインバッテリーからの電力により適切な受信感度で受信できない状態である。
【背景技術】
【0002】
図9は、特許文献1で開示された位置管理装置を示す。図9において、携帯通信機器61は、携帯電話機のような移動端末機器であって、無線基地局62を利用した無線通信を行う無線送受信部63と、測位衛星64からの測位信号を受信して携帯通信機器61の位置情報を作成する測位受信部65とを備える。通信網66には、無線基地局62と管理センター67と宅内管理機68とが接続される。この位置管理装置の位置管理処理について、図10を参照して説明する。ステップ201では、家人が宅内管理機68を操作して特定の携帯通信機器61に対する位置情報の配信を要求すると、宅内管理機68が管理センター67を電話番号で呼び出して特定の携帯通信機器61に対する位置情報の配信を管理センター67に要求する。ステップ202では、管理センター67が特定の携帯通信機器61を電話番号で呼び出す。ステップ203では、特定の携帯通信機器61の測位受信部65が測位衛星64からの衛星信号を受信して位置情報を作成して管理センター67に送信する。ステップ204では、管理センター67が位置情報を地図上に示した地図情報を宅内管理機68に送信する。ステップ205では、宅内管理機68が地図情報をテレビに表示する。従って、家人は、テレビを見て、特定の携帯通信機器61を携帯している老人や子供の居場所を知ることができる。しかしながら、図9において、携帯通信機器61に搭載されたバッテリーからの電力で無線基地局62を捕捉できない圏外の場合又は携帯通信機器61の電源スイッチがオフの場合又は携帯通信機器61からバッテリーが除去された場合には、無線送受信部63が無線基地局62との無線通信を行うことができないので、少なくとも携帯通信機器61が圏外の位置にいる期間、携帯通信機器61の電源スイッチがオフになっている期間、あるいは携帯通信機器61からバッテリーが除去されている期間のそれぞれにおいて、老人や子供の行動を知り得ない。よって、上記期間における老人や子供の行動を把握することができないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−354268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、メインバッテリー除去又は電源スイッチオフ又は圏外になった期間における情報を収集することができないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る携帯通信機器は、携帯容器に、メインバッテリーと、サブバッテリーと、不揮発性メモリーと、状況情報を検出するセンサーと、メインバッテリーへの充電時にサブバッテリーにも充電を行う充電回路と、メインバッテリーからの電力で無線基地局を利用した無線通信を行う無線送受信部と、メインバッテリーからの電力で無線基地局を捕捉できない圏外又は携帯通信機器の電源スイッチがオフ又はメインバッテリーが除去されたかを検出する検出手段と、上記圏外の検出では切替信号を出力しないものの電源スイッチがオフ又はメインバッテリーが除去されたことの検出に基づき電源切替信号を出力する切替手段と、電源切替信号で電力供給元をメインバッテリーからサブバッテリーに切り替えるスイッチ回路と、メインバッテリー又はサブバッテリーからの電力で期間を計る計測手段と、期間が設定値に達するごとにメインバッテリー又はサブバッテリーからの電力でセンサーを作動して収集した収集情報を不揮発性メモリーに記録する収集手段とを備えたことを特徴とする。また、本発明に係る携帯通信機器は、携帯容器に無線送受信部又は検出手段又は切替手段又はセンサー又は計測手段又は収集手段の何れかを構成する電気部品を実装した回路基板とメインバッテリーを交換可能に収容する開閉可能な電池収容部とが設けられ、サブバッテリーが電池収容部に収容されたメインバッテリーと回路基板と携帯容器とで囲まれる空間に設けられてもよい。また、本発明に係る携帯通信機器は、携帯容器に不揮発性メモリーから収集情報を読み出す外部端子が設けられてもよい。さらに、本発明に係る携帯通信機器は、不揮発性メモリーが携帯容器に着脱可能に設けられてもよい。本発明に係る情報管理装置は、上記携帯通信機器と通信可能な無線基地局の通信網に接続されてテレメトリングを構成する監視端末機器の操作により上記携帯通信機器の不揮発性メモリーから収集情報を読み出すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る携帯通信機器は、携帯通信機器からメインバッテリーが除去されている期間又は携帯通信機器の電源スイッチがオフになっている期間はサブバッテリーから供給される電力によりセンサーで状況情報を収集し、メインバッテリーからの電力で無線基地局を良好な感度で受信できない圏外にいる期間はメインバッテリーから供給される電力によりセンサーで状況情報を収集することができるという利点がある。本発明に係る携帯通信機器において、サブバッテリーが電池収容部に収容されたメインバッテリーと回路基板と携帯容器とで囲まれる空間に設けられれば、サブバッテリーが携帯容器から取り外れにくいという利点がある。本発明に係る携帯通信機器において、携帯容器に不揮発性メモリーから収集情報を読み出す外部端子が設けられるか、又は、不揮発性メモリーが携帯容器に着脱可能に設けられれば、収集情報を容易に読み出すことができるという利点がある。本発明に係る情報管理装置は、遠隔操作で収集情報を読み出すことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態に係る携帯通信機器を示す模式図。
【図2】実施の形態に係る異常発生時の処理を示すフローチャート。
【図3】実施の形態に係る異常発生時の処理を示すフローチャート。
【図4】実施の形態に係る異常発生時の処理を示すフローチャート。
【図5】実施の形態に係る異常発生時の処理を示すフローチャート。
【図6】実施の形態に係る不揮発性メモリーの収集態様を示す図表。
【図7】実施の形態に係る携帯通信機器の内部を示す断面図。
【図8】実施の形態に係る携帯通信機器を示す分解斜視図。
【図9】従来の位置管理装置を示す模式図。
【図10】従来の位置管理処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照し、実施の形態について説明する。携帯通信機器1は、PHS(Personal Handy-phone System)や携帯電話機のような移動端末機器であって、携帯容器2に、無線送受信部3、測位受信部4、マイク5、スピーカー6、キーボード7、ディスプレイ8、デジタルカメラ9、不揮発性メモリー10、各種センサー11、メインバッテリー12、サブバッテリー13、充電回路14、スイッチ回路15、電源端子16、外部端子17、制御部18を備える。無線送受信部3はアンテナ19を有する。測位受信部4はアンテナ20を有する。アンテナ19;20は携帯容器2の内部にあってもよいし外部に露出してもよい。測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とが状況情報を収集するセンサーを構成する。
【0009】
無線送受信部3は、メインバッテリー12からの電力で無線基地局34と無線通信を行うものであって、次の3つの構成が考えられる。その1つは通話機能だけを備えた構成、もう1つはデータ通信機能だけを備えた構成、さらなる1つは通話機能とデータ通信機能とを併有した構成である。通話機能は、音声により通話する機能であり、例えば、一方の通話者が「もしもし」という言葉を発するのに対し、他方の通話者が「はいはい」という言葉で応じて会話することができる機能である。データ通信機能は、文字や記号あるいは画像(静止画像、動画像、またはそれら両方の画像)を双方向に送受信する機能である。
【0010】
測位受信部4は、測位衛星33からの衛星信号を受信して携帯通信機器1の位置情報を作成するものであって、携帯通信機器1の位置情報としての「緯度」及び「経度」を検出するGPSセンサーを構成する。マイク5は音声や音を集音して電気信号に変換して出力する機器である。スピーカー6は電気信号を音声や音に変換して出力する機器である。キーボード7は制御部18の入力機器を構成する多数のキーを備える。多数のキーとしては、置数キー、電源スイッチ21、発信スイッチ、ファンクションキーなどである。ディスプレイ8は制御部18の出力情報を可視化するための出力機器を構成する。
【0011】
デジタルカメラ9は撮影した画像(静止画像、動画像またはそれら両方の画像)を制御部18へ入力するための機器を構成する。デジタルカメラ9は静止画像だけを撮るデジタルカメラでもよいし、動画像だけを撮るデジタルカメラでもよいし、静止画像と動画像との両方の組み合わされた画像を撮るデジタルカメラでもよい。デジタルカメラ9が静止画像だけを撮るデジタルカメラで構成されれば、それ以外のデジタルカメラに比べて電力消費とメモリー容量の使用量とを軽減することができる。メインバッテリー12は携帯通信機器1の各電気部品に直流の電力を供給するバッテリーである。サブバッテリー13はバッテリー除去又は電源スイッチオフの期間にわたりメインバッテリー12に代わって携帯通信機器1の各電気部品に直流の電力を供給するバッテリーである。
【0012】
充電回路14はメインバッテリー12への充電時にサブバッテリー13にも充電を行う回路である。例えば、図外の給電線が商用電源と携帯通信機器1の電源端子16とに接続され、交流の電力が商用電源から給電線および電源端子16を経由して充電回路14に供給されると、充電回路14が供給された交流の電力を携帯通信機器1に使用する電圧の直流の電力に変換し、その直流の電力を充電回路14がメインバッテリー12およびサブバッテリー13に供給して充電させる。
【0013】
スイッチ回路15は切替手段27からの電源切替信号で電力供給元をメインバッテリー12からサブバッテリー13に切り替える回路である。このスイッチ回路15の切り替え動作によりサブバッテリー13から制御部18に直流の電力が供給される。このスイッチ回路15の切り替え動作に際しては制御部18への直流の電力の供給が一瞬でも遮断されると制御部18の処理がその遮断された時点で中断してしまうので、そのような現象が起こらないように、例えば、メインバッテリー12からサブバッテリー13への切り替え期間中は携帯通信機器1に設けられた図外のコンデンサーから制御部18に直流の電力を供給するか、又はサブバッテリー13から制御部18へ直流の電力を供給した後にメインバッテリー12からの制御部18へ直流の電力の供給を遮断するようにスイッチ回路15が動作する。
【0014】
不揮発性メモリー10は状況情報を記録する記録媒体である。この実施の形態では、測位受信部4で収集した位置情報とマイク5で収集した音声情報とデジタルカメラ9で収集した画像情報と各種センサー11で収集した各種情報とが状況情報として不揮発性メモリー10に記録される。各種センサー11としては例えば温度センサー、高度センサー、気圧センサー、加速度センサーの1つ又は2つ以上のものから構成される。よって、各種センサー11で検出される各種情報としては、温度センサーで検出される「温度」という情報、高度センサーで検出される「標高」という情報、気圧センサーで検出される「気圧」という情報、加速度センサーで検出される「重力」や「振動回数」及び「傾き」という情報の1つまたは2つ以上のものからなる。
【0015】
制御部18は、CPU23、ROM24、RAM25、検出手段26、切替手段27、計測手段28、収集手段29を備える。制御部18は、CPU23による制御に基づき、マイク5から入力された音声を送信波に乗せる変調を行って無線送受信部3に出力する一方、無線送受信部3から入力された受信波から音声を取り出す復調を行ってスピーカー6に出力する。CPU23はROM24に格納されたプログラムにしたがいRAM25を使用しながら動作して携帯通信機器1の各電気部品の動作を制御するものである。検出手段26、切替手段27、計測手段28、収集手段29は、CPU23の動作で具現化される。
【0016】
検出手段26はメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外の何れかを検出するものであって、メインバッテリー12の除去を検出したときにメインバッテリー除去検出信号を切替手段27や計測手段28に出力し、電源スイッチ21のオフを検出したときに電源スイッチオフ検出信号を切替手段27や計測手段28に出力し、圏外に位置することを検出したときに圏外検出信号を計測手段28に出力する。なお、携帯通信機器1が圏内に位置する場合を圏内にいる或いは単に圏内と記載し、圏外に位置する場合を圏外にいる或いは単に圏外と記載する場合がある。
【0017】
切替手段27は検出手段26からのメインバッテリー除去検出信号又は電源スイッチオフ検出信号の入力に基づき電源切替信号をスイッチ回路15に出力する。計測手段28はメインバッテリー12又はサブバッテリー13からの電力で期間を計るものであって、第1カウンター30、第2カウンター31、第3カウンター32を備える。第1乃至第3カウンター30乃至32は、CPU23の動作に必要なクロック信号を分周した信号に同期したカウント動作を行うものであって、CPU23に付随された図外のタイマーで代替してもよい。
【0018】
計測手段28は、メインバッテリー除去検出信号又は電源スイッチオフ検出信号又は圏外検出信号が入力したときに第1カウンター30を制御し、第1カウンター30でカウントされた第1カウント値が第1設定値に達したときに第2カウンター31を制御し、第2カウンター31でカウントされた第2カウント値が第2設定値に達したときに第3カウンター32を制御する。第1設定値はメインバッテリー21の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外の期間が短期的か長期的なのかを判定する期間であり、第2設定値は情報を収集する期間であり、第3設定値は状況情報の収集を定期的に開始する期間であり、これらの第1乃至第3設定値はROM24に予め書き込まれている。
【0019】
収集手段29は検出手段26によるメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外の検出期間が予め決められた設定値に達するごとに測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9及び各種センサー11を作動して検出された状況情報を不揮発性メモリー10に格納する。例えば、収集手段29は第2カウンター31のカウント動作の開始に基づき測位受信部4、マイク5、デジタルカメラ9及び各種センサー11を作動して検出された状況情報をRAM25に記憶し、第2カウンター31のカウント動作の停止に基づき状況情報をRAM25から不揮発性メモリー10に書き込む。
【0020】
図1に図示した携帯通信機器1以外の機器について説明する。33は測位衛星であり、携帯通信機器1に対し衛星信号(衛星メッセージ(データ層)、コード(コード層))を送信するものである。測位衛星33からの衛星信号はアンテナ20を介して測位受信部4に送信される。34は無線基地局であり、無線基地局34に接続されたアンテナ35と無線送受信部3に接続されたアンテナ19とを介して無線送受信部3と音声信号やデータ信号の送受信を行うものである。36は通信網であり、無線基地局34と監視端末機器37との間で音声信号やデータ信号の送受信を行うものである。37は監視端末機器であり、テレメトリングにより携帯通信機器1内の情報を読み出すものである。
【0021】
図2乃至図5を参照し、メインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は、圏外が携帯通信機器1に発生した場合の処理について説明する。
【0022】
図2において、ステップ101は待受状態である。ステップ102ではメインバッテリー12が除去されているかどうかを判定する。そして、メインバッテリー12が装填されていれば、ステップ102でNOとなり、ステップ103に進む。ステップ103では電源スイッチ21がオンかどうかかを判定する。電源スイッチ21がオンであれば、ステップ103でNOとなり、ステップ104に進む。ステップ104では圏外にいるかどうかを判定する。圏内にいれば、ステップ104でNOとなり、ステップ101に戻る。つまり、メインバッテリー12が装填され、電源スイッチ21がオンであり、圏内にいるという3つの条件が成立すると、図2のステップ101の待受状態に戻る。
【0023】
一方、ステップ102において、メインバッテリー12が除去されていれば、ステップ102でYESとなり、ステップ105に進む。ステップ105ではサブバッテリー13を起動し、ステップ107に進む。また、メインバッテリー12が装填されていれば、ステップ103に進む。そして、ステップ103において、電源スイッチ21がオフであれば、ステップ103でYESとなり、ステップ106に進む。ステップ106では、メインバッテリー12は除去されていないが、電源スイッチ21がオフなので、サブバッテリー13を起動しメインバッテリー12を停止する。そして、ステップ107に進む。また、ステップ102でメインバッテリー12が装填されていると判定し(つまり、NOと判定)、ステップ103に進んで電源スイッチ21がオンであると判定すると(つまり、NOと判定)、ステップ104に進んで携帯通信機器1が圏外にいるかどうかを判定する。そして、ステップ104で圏外にいると判定すると(つまり、YESと判定)、ステップ107に進む。つまり、メインバッテリー12が除去されるとサブバッテリー13を起動し、メインバッテリー12が装填されていても電源スイッチ21がオフであると、サブバッテリー13を起動し、メインバッテリー12を停止し、メインバッテリー12が除去又は電源スイッチ21がオフ又は圏外が発生すると、ステップ107では第1カウンター30を作動する。これにより第1カウンター30がカウント動作を実行する。
【0024】
図2のステップ102乃至ステップ107の処理と図1の構成要素との関係について説明すると、図2のステップ102乃至104の処理は図1に示す検出手段26が行い、図2のステップ105およびステップ106の処理は図1の切替手段27が行い、図2のステップ107の処理は図1の計測手段28が行う。図2のステップ107の次は図3のステップ108に進む。
【0025】
図3は待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外が短期間に復旧した場合と長期間継続した場合との処理を示す。復旧とは、メインバッテリー12が除去から装填に戻った状態、電源スイッチ21がオフからオンに戻った状態、携帯通信機器1が圏外から圏内に戻った状態である。図3において、ステップ108では第1カウンター30の第1カウント値が第1設定値、例えば10分に達したかどうかを判定する。第1カウント値が第1設定値に達していなければ、ステップ108でNOとなり、ステップ109に進む。ステップ109ではメインバッテリー12が装填されているかどうかを判定する。メインバッテリー12が除去されていれば、ステップ109でNOとなり、ステップ108に戻る。一方、ステップ109の判定でメインバッテリー12が装填されていれば、ステップ109でYESとなり、ステップ110に進む。ステップ110では電源スイッチ21がオンかどうかを判定する。電源スイッチ21がオフであれば、ステップ110でNOとなり、ステップ108に戻る。他方、ステップ110の判定で電源スイッチ21がオンであれば、ステップ110でYESとなり、ステップ111に進む。
【0026】
ステップ111ではメインバッテリー12を起動し、サブバッテリー13を停止し、ステップ112に進む。ステップ112では圏内にいるかどうかを判定する。圏外にいれば、ステップ112でNOとなり、ステップ108に戻る。また、ステップ112の判定で圏内にいれば、ステップ112がYESとなり、ステップ113に進む。ステップ113では第1カウンター30のカウント動作を停止し、第1カウンター30のカウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、図2のステップ101の待受状態に戻る。つまり、待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外が第1設定値に達しない短期間に復旧すると(ステップ108がNO、ステップ109がYES、ステップ110がYES、ステップ112がYES)、第1カウンター30によるカウント動作を停止し、第1カウンター30のカウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、待受状態に戻る。
【0027】
ステップ108での判定で第1カウンター30のカウント値が第1設定値に達した場合、ステップ108でYESとなり、ステップ114に進む。つまり、待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外が第1設定値に達した長期間継続すると(ステップ108がYES)、ステップ114では、第1カウンター30によるカウント動作を停止して第1カウンター30のカウント値を初期化して「ゼロ」に戻す。そして、第2カウンター31のカウント動作を開始すると共に測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9および各種センサー11を作動させる。
【0028】
図3のステップ108乃至ステップ114の処理と図1の構成要素との関係について説明すると、図3のステップ108とステップ113との処理は図1の計測手段28が行い、図3のステップ109とステップ110とステップ112との処理は図1の検出手段26が行い、図3のステップ111の処理は図1の切替手段27が行い、図3のステップ114の処理は図1の計測手段28と収集手段29とが行う。図3のステップ114の次は図4のステップ115に進む。
【0029】
図4は待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21がオフ又は圏外が長期間継続して状況情報を収集している期間に復旧した場合と復旧しない場合との処理を示す。図4において、ステップ115では収集した状況情報をRAM25に記録し、ステップ116に進む。なお、ステップ115で収集した状況情報を収集情報という。ステップ116では第2カウンター31の第2カウント値が第2設定値、例えば5分に達したかどうかを判定する。第2カウンター31のカウント値が第2設定値に達していなければ、ステップ116でNOとなり、ステップ117に進む。ステップ117ではメインバッテリー12が装填されているかどうかを判定する。そして、メインバッテリー12が除去されていれば、ステップ117でNOとなり、ステップ115に戻る。ステップ117の判定でメインバッテリー12が装填されていれば、ステップ117でYESとなり、ステップ118に進む。
【0030】
ステップ118では電源スイッチ21がオンかどうかを判定する。電源スイッチ21がオフであれば、ステップ118でNOとなり、ステップ115に戻る。ステップ118の判定で電源スイッチ21がオンであれば、ステップ118でYESとなり、ステップ119に進む。ステップ119ではメインバッテリー12を起動し、サブバッテリー13を停止し、ステップ120に進む。ステップ120では圏内にいるかどうかを判定する。圏外にいれば、ステップ120でNOとなり、ステップ115に戻る。ステップ120の判定で圏内にいれば、ステップ120でYESとなり、ステップ121に進む。つまり、待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21がオフ又は圏外が長期間継続して状況情報を収集している期間に復旧すると(ステップ116がNO、ステップ117がYES、ステップ118がYES、ステップ120がYES)、ステップ121では第2カウンター31のカウント動作を停止し、第2カウンター31のカウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9および各種センサー11の動作を停止し、RAM25を初期化し、図2のステップ101の待受状態に戻る。
【0031】
一方、第2カウンター31のカウント値が第2設定値に達すれば、ステップ116でYESとなり、ステップ122に進む。つまり、待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21がオフ又は圏外が長期間継続して状況情報を収集している期間にメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外が復旧しないで継続すると(ステップ116がYES)、ステップ122では、測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9および各種センサー11を停止し、第2カウンター31のカウント動作を停止し、第2カウンター31のカウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、ステップ123に進む。ステップ123では収集情報をRAM25から不揮発性メモリー10に格納し、RAM25を初期化し、ステップ124に進む。ステップ124では第3カウンター32のカウント動作を実行する。
【0032】
図4のステップ115乃至ステップ124の処理と図1の構成要素との関係について説明すると、図4のステップ115とステップ123との処理は図1の収集手段29が行い、図4のステップ116とステップ124との処理は図1の計測手段28が行い、図4のステップ117とステップ118とステップ120との処理は図1の検出手段26が行い、図4のステップ119の処理は図1の切替手段27が行い、図4のステップ121とステップ122との処理は図1の計測手段28と収集手段29とが行う。図4のステップ124の次は図5のステップ125に進む。
【0033】
図5は待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21のオフ又は圏外が長期間継続して状況情報を収集している期間に復旧せずに継続してさらにその次の状況情報の収集を開始するまでの期間に復旧した場合と復旧しない場合との処理を示す。図5において、ステップ125では第3カウンター32のカウント値が第3設定値、例えば20分に達したかどうかを判定する。第3カウンター32のカウント値が第3設定値に達していなければ、ステップ125でNOとなり、ステップ126に進む。ステップ126ではメインバッテリー12が装填されているかを判定する。メインバッテリー12が除去されていれば、ステップ126でNOとなり、ステップ125に戻る。ステップ126の判定でメインバッテリー12が装填されていれば、ステップ126でYESとなり、ステップ127に進む。ステップ127では電源スイッチ21がオンかどうかを判定する。電源スイッチ21がオフであれば、ステップ127でNOとなり、ステップ125に戻る。
【0034】
ステップ127の判定で電源スイッチ21がオンであれば、ステップ127でYESとなり、ステップ128に進む。ステップ128ではメインバッテリー12を起動し、サブバッテリー13を停止し、ステップ129に進む。ステップ129では圏内にいるかどうかを判定する。圏外にいれば、ステップ129でNOとなり、ステップ125に戻る。圏内にいれば、ステップ129がYESとなり、ステップ130に進む。つまり、待受状態から発生したメインバッテリー12の除去又は電源スイッチ21がオフ又は圏外が長期間継続して状況情報を収集している期間に復旧せずに継続してさらにその次の状況情報の収集を開始するまでの期間に復旧すると(ステップ125がNO、ステップ126がYES、ステップ127がYES、ステップ129がYES)、ステップ130では第3カウンター32のカウント動作を停止し、第3カウンター32のカウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、図2のステップ101の待受状態に戻る。
【0035】
ステップ125の判定で第3カウンター32の第3カウント値が第3設定値に達すれば、ステップ125でYESとなり、ステップ131に進む。ステップ131では、第3カウンター32のカウント動作を停止し、第3カウンター32のカウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、第2カウンター31のカウント動作を実行し、測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9および各種センサー11を作動し、図4のステップ115の収集情報をRAM25に記録する処理に戻る。
【0036】
図5のステップ125乃至ステップ131の処理と図1の構成要素との関係について説明すると、図5のステップ125とステップ130との処理は図1の計測手段28が行い、図5のステップ126とステップ127とステップ129との処理は図1の検出手段26が行い、図5のステップ128の処理は図1の切替手段27が行い、図5のステップ131の処理は図1の計測手段28と収集手段29とが行う。
【0037】
図1を参照し、図2乃至図5による処理に基づく図1の構成要素の作用について説明する。携帯通信機器1の電源スイッチ21が人の操作によりオンされ、制御部18がメインバッテリー12から供給された直流の電力で動作し、携帯通信機器1が待受状態になっている場合において、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ21がオフになった場合が検出手段26で検出されると、検出手段26がバッテリー除去検出信号又は電源スイッチオフ検出信号を切替手段27および計測手段28に出力する。また、圏外になった場合が検出手段26で検出されると、検出手段26が圏外検出信号を計測手段28に出力する。つまり、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ12がオフになった場合は電力の供給元がメインバッテリー12からサブバッテリー13に切り替わり、圏外になった場合は電力の供給元がメインバッテリー12のままである。よって、以下の作用説明において、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ21がオフの場合は図1の各構成要素がサブバッテリー13から供給される直流の電力で動作し、圏外になった場合は図1の各構成要素がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作するものとする。
【0038】
よって、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ12がオフになった場合は切替手段27が電源切替信号をスイッチ回路15に出力し、スイッチ回路15がメインバッテリー12からサブバッテリー13に切り替えられて制御部18がサブバッテリー13から供給される直流の電力で動作を継続するが、圏外の場合は切替手段27によるスイッチ回路15の切り替えが行われることなく制御部18がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作を継続する。そして、計測手段28が第1カウンター30を動作させる。これにより、第1カウンター30がカウント動作を開始する(図2のステップ102がYESの場合、ステップ103がYESの場合、ステップ104がYESの場合を参照)。
【0039】
そして、第1カウンター30の第1カウント値が第1設定値に達しておらず、すなわち、第1カウンター30がカウント中であっても、メインバッテリー12が装填された場合は検出手段26がバッテリー除去検出信号の出力を解除し、電源スイッチ21がオフからオンに戻された場合は検出手段26が電源スイッチオフ検出信号の出力を解除し、携帯通信機器1が圏外から圏内に位置した場合は検出手段26が圏外検出信号の出力を解除する。
【0040】
つまり、第1カウンター30がカウント中に、メインバッテリー12が装填された場合又は電源スイッチ12がオンに戻った場合は切替手段27が電源切替信号をスイッチ回路15に出力し、スイッチ回路15がサブバッテリー13からメインバッテリー12に切り替えられて制御部18がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作を継続するが、圏内に戻った場合は切替手段27によるスイッチ回路15の切り替えが行われることなく制御部18がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作を継続する。そして、計測手段28が第1カウンター30のカウント動作を停止した後に第1カウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、携帯通信機器1が待受状態に戻る(図3のステップ108がNO、ステップ109がYES、ステップ110がYES、ステップ112がYESの場合を参照)。
【0041】
そして、図1において、第1カウンター30の第1カウント値が第1設定値に達したことを計測手段28が判定すると、計測手段28が第1カウンター30のカウント動作を停止した後に第1カウンター30の第1カウント値を初期化して「ゼロ」に戻して第2カウンター31のカウントを動作させる、さらに、計測手段28が第1設定値到達信号を収集手段29に出力し、収集手段29が収集開始信号を測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とに出力する。これにより、測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とが状況情報を収集してRAM25に記録する(図3のステップ108がYESの場合を参照)。
【0042】
図1において、例えば、収集情報としては、測位受信部4が取得した「緯度」や「経度」、各種センサー11としての温度センサーが取得した「温度」、各種センサー11としての高度センサーが取得した「標高」、各種センサー11としての気圧センサーが取得した「気圧」、各種センサー11としての加速度センサーが取得した「重力」や「振動回数」及び「傾き」、マイク5が取得した音声情報、デジタルカメラ9が撮影した画像情報である。
【0043】
そして、第2カウンター31の第2カウント値が第2設定値に達していなければ、すなわち、第2カウンター31がカウント中であっても、メインバッテリー12が装填された場合は検出手段26がバッテリー除去検出信号の出力を解除し、電源スイッチ21がオフからオンに戻された場合は検出手段26が電源スイッチオフ検出信号の出力を解除し、携帯通信機器1が圏外から圏内に位置した場合は検出手段26が圏外検出信号の出力を解除する。
【0044】
つまり、第2カウンター31がカウント中であっても、メインバッテリー12が装填された場合又は電源スイッチ21がオフからオンに戻された場合は切替手段27が電源切替信号をスイッチ回路15に出力し、スイッチ回路15がサブバッテリー13からメインバッテリー12に切り替えられて制御部18がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作を継続するが、圏内に戻った場合は切替手段27によるスイッチ回路15の切り替えが行われることなく制御部18がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作を継続する。そして、計測手段28が第2カウンター31のカウント動作を停止した後に第2カウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、収集手段29が測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とによるRAM25への状況情報の収集を停止すると共にRAM25を初期化し、携帯通信機器1が待受状態に戻る(図4のステップ116がNO、ステップ117がYES、ステップ118がYES、ステップ120がYESの場合を参照)。
【0045】
そして、図1において、第2カウンター31の第2カウント値が第2設定値に達したことを計測手段28が判定すると、計測手段28が第2設定値到達信号を収集手段29に出力し、収集手段29が収集終了信号を測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とに出力し、測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とがRAM25への状況情報の収集を停止し、収集手段29が収集情報をRAM25から不揮発性メモリー10に格納した後にRAM25を初期化する。また、第2カウント値が第2設定値に達したこと判定した計測手段28が第2カウンター31のカウント動作を停止した後に第2カウント値を初期化して「ゼロ」に戻して第3カウンター32を動かす。これにより、第3カウンター32がカウント動作を開始する(図4のステップ116がYESの場合を参照)。
【0046】
さらに、図1において、第3カウント値が第3設定値に達していなければ、すなわち、第3カウンター32がカウント中であっても、メインバッテリー12が装填された場合は検出手段26がバッテリー除去検出信号の出力を解除し、電源スイッチ21がオフからオンに戻された場合は検出手段26が電源スイッチオフ検出信号の出力を解除し、携帯通信機器1が圏外から圏内に位置した場合は検出手段26が圏外検出信号の出力を解除する。つまり、第3カウンター32がカウント中であっても、メインバッテリー12が装填されかつ電源スイッチ21がオフからオンに戻された場合は切替手段27が電源切替信号をスイッチ回路15に出力し、スイッチ回路15がサブバッテリー13からメインバッテリー12に切り替えられて制御部18がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作を継続するが、圏内に戻った場合は切替手段27によるスイッチ回路15の切り替えが行われることなく制御部18がメインバッテリー12から供給される直流の電力で動作を継続する。そして、計測手段28が第3カウンター32のカウント動作を停止した後に第3カウント値を初期化して「ゼロ」に戻し、携帯通信機器1が待受状態に戻る(図5のステップ125がNO、ステップ126がYES、ステップ127がYES、ステップ129がYESの場合を参照)。
【0047】
そして、図1において、第3カウント値が第3設定値に達したことを計測手段28が判定すると、計測手段28が第3カウンター32のカウント動作を停止した後に第3カウント値を初期化して「ゼロ」に戻して第2カウンター31を動かす。これにより、第2カウンター31がカウント動作を開始する。また、第3カウント値が第3設定値に達したことを判定すると計測手段28が第3設定値到達信号を収集手段29に出力し、収集手段29が収集開始信号を測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とに出力し、測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とが第2設定値による次回の期間における状況情報の収集を開始すると共に収集した収集情報をRAM25に記録する(図5のステップ125がYESの場合を参照)。
【0048】
図1において、例えば、第1設定値が10分、第2設定値が5分、第3設定値が20分と設定されており、携帯通信機器1が待受状態になっている状態において、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ21がオフになった場合又は圏外になった場合が第1設定値である10分間継続しない場合は、測位受信部4とマイク5とデジタルカメラ9と各種センサー11とが状況情報の収集を開始しない。また、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ21がオフになった場合又は圏外になった場合が第1設定値である10分間継続すると、状況情報として「緯度」「経度」「温度」「標高」「気圧」「重力」「振動回数」「傾き」「音声情報」「画像情報」を第2設定値である5分間収集してRAM25に記録した後にその記録した収集情報をRAM25から不揮発性メモリー10に格納した後にさらにRAM25を初期化する。さらに、上記収集情報が5分間収集された後、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ21がオフになった場合又は圏外になった場合が第3設定値である20分間継続している場合は、状況情報を第2設定値である5分間収集してRAM25に記録した後にその記録した収集情報をRAM25から不揮発性メモリー10に格納した後にさらにRAM25を初期化する。
【0049】
次に、図6を参照し、不揮発性メモリー10に格納された形態についてその一例を説明する。メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ21がオフになった場合が継続している場合には図1のサブバッテリー13からの電力供給が続く間、或いは圏外の場合には図1のメインバッテリー12からの電力供給が続く間において、例えば、2010年1月7日15時00分から15時5分までの期間に収集された収集情報が第1次として不揮発性メモリー10に格納され、その20分後の2010年1月7日15時25分から15時30分までの期間に収集された収集情報が第2次として不揮発性メモリー10に格納される。さらに、メインバッテリー12が除去された場合又は電源スイッチ21がオフになった場合が継続している場合には図1のサブバッテリー13からの電力供給が続く間、或いは圏外の場合には図1のメインバッテリー12からの電力供給が続く間、20分ごとに、第3次、第4次というように記憶される。このように収集情報が不揮発性メモリー10に格納された状態において、当該不揮発性メモリー10から収集情報を携帯通信機器1から出力することにより、例えば図6において、2010年1月17日15:00乃至15:30の携帯通信機器1の状況を把握することができる。
【0050】
図1を参照し、不揮発性メモリー10に格納された収集情報を携帯通信機器1の外部から読み出す場合について説明する。不揮発性メモリー10が携帯容器2に着脱可能に設けられている場合には、例えば、携帯容器2から取り外した不揮発性メモリー10を図外のアダプター機器に装着し、そのアダプター機器の出力端子、例えばUSB端子を図外のパソコンの入力端子、例えばUSB端子に接続するか、又は、携帯容器2から取り外した不揮発性メモリー10を図外のパソコンの外部記憶装置を装着する端子、例えばメモリーカードスロットに装着するか、又は、不揮発性メモリー10を携帯容器2から取り出すことなく外部端子17を図外のパソコンの入力端子、例えばUSB端子にデータ線で接続した後、当該パソコンを人為的に操作して不揮発性メモリー10から収集情報を当該パソコンのメモリーに書き込むと共に当該パソコンの出力機器で表示する。このパソコンの収集情報を表示する出力機器としては、パソコンに接続されたディスプレイ又はパソコンに接続されたプリンターのいずれでもよい。
【0051】
また、遠隔地にある計測器などのデータを通信網で収集するテレメトリングを使用して携帯通信機器1の不揮発性メモリー10から収集情報を読み出すことも可能である。その場合、携帯通信機器1と通信可能な無線基地局34の通信網36に接続されたテレメトリングを構成するホストコンピュータのような監視端末機器37を人為的に操作することにより不揮発性メモリー10から収集情報を読み出すことになる。よって、個人情報の漏洩を防止するセキュア通信方式で不揮発性メモリー10から収集情報を読み出すようにすれば、パスワードか鍵情報を知る特定の人以外の人による携帯通信機器1の不揮発性メモリー10に格納された収集情報の読み出しを禁止できる。つまり、SSL(Secure Sockets Layer)のようなセキュア通信でスキミングを防止することであって、例えば、携帯通信機器1が監視端末機器37から受信したパスワードか鍵情報の照合を行って一致しなければ収集情報を提供しないというような仕組みにより、不揮発性メモリー10に格納された収集情報の読み出しを禁止できる。
【0052】
図8を参照し、携帯通信機器1の機構的な構造ついて説明する。携帯容器2としてはフロントケース38とリアケース39と電池カバー40とから構成されている。なお、図8において携帯通信機器1は折り畳みの不可能なストレートタイプを例示したが、折り畳み可能な折り畳みタイプであってもよい。フロントケース38にはキーボード7、ディスプレイ8、表示開口41、放音孔42、集音孔43が設けられる。キーボード7にはマイク5、電源端子16、複数種のキー44が実装される。複数種のキー44はフロントケース38に設けられた図外のキー開口に収容されてフロントケース38の外部から操作可能になっている。複数種のキー44としては置数キー、電源スイッチ21、発信スイッチ、ファンクションキーなどである。リアケース39には、回路収容部45、電池開口46、電源開口47、被係合部48、撮影孔49、外部開口50が設けられる。回路基板51におけるフロントケース38の側の面にはスピーカー6、回路端子52、電気部品53が実装される。スピーカー6は放音孔42と対応する。電気部品53としては図1の無線送受信部3、測位受信部4、制御部18、スイッチ回路15、充電回路14、不揮発性メモリー10、各種センサー11である。
【0053】
図8に戻り、回路基板51におけるリアケース39の側の面にはデジタルカメラ9、サブバッテリー13、外部端子17が設けられる。回路基板51におけるリアケース39の側の面がリアケース39の回路収容部45の側に向けられ、回路基板51が回路収容部45に実装されることにより、デジタルカメラ9のレンズが撮影孔49に収容され、外部端子17が外部開口50と対応し、サブバッテリー13が回路基板51とリアケース39との間に配置される。このように回路基板51がリアケース39に実装された後、回路基板51におけるフロントケース38の側の面とフロントケース38のディスプレイ8とが互いに向き合わされ、フロントケース38の周壁54とリアケース39の周壁55とが互いに接合される。これにより、スピーカー6が放音孔42と対応し、電源端子16が電源開口47に収容され、キーボード7と対向する部分には電池開口46に通じる電池収容部56(図7参照)が形成される。
【0054】
そして、図8において、メインバッテリー12がリアケース39の外部から電池開口46を経由して電池収容部56(図7参照)に収容されると、メインバッテリー12に設けられた回路端子57が回路基板51の回路端子52と接続し、電源端子16がキーボード7に設けられた図外の回路を介して回路基板51の電気部品53のうちの充電回路14(図1参照)と接続する。その後、電池カバー40が電池開口46に装着され、電池カバー40に設けられた係合部59がリアケース39の被係合部48に嵌め込まれることにより、電池カバー40が電池開口46を塞ぐ。電池カバー40が着脱可能になっているので、電池収容部56(図7参照)はメインバッテリー12を交換可能に収容する開閉可能な構造になっている。図8において、電源端子16は回路基板51に設けてもよい。
【0055】
図7を参照し、メインバッテリー12およびサブバッテリー13がフロントケース38とリアケース39と電池カバー40とからなる携帯容器2に格納された構造について説明する。電池収容部56に収容されたメインバッテリー12は電池カバー40で覆われている。サブバッテリー13は、回路基板51とリアケース39の間に配置されている。つまり、サブバッテリー13が電池収容部56に収容されたメインバッテリー12と回路基板51と携帯容器2とで囲まれる空間に設けられている。したがって、電池カバー40及びメインバッテリー12を除去しても、サブバッテリー13を目視による確認をすることができない。そして、電池カバー40およびメインバッテリー12が除去されても、フロントケース38の周壁54とリアケース39の周壁55との接合を無理やりに解除しない限り、サブバッテリー13はメインバッテリー12およびサブバッテリーとからなる携帯容器2から除去できないようになっている。
【符号の説明】
【0056】
1は携帯通信機器、2は携帯容器、3は無線送受信部、4は測位受信部、5はマイク、6はスピーカー、7はキーボード、8はディスプレイ、9はデジタルカメラ、10は不揮発性メモリー、11はセンサー、12はメインバッテリー、13はサブバッテリー、14は充電回路、15はスイッチ回路、16は電源端子、17は外部端子、18は制御部、19;20はアンテナ、21は電源スイッチ、22は欠番、23はCPU、24はROM、25はRAM、26は検出手段、27は切替手段、28は計測手段、29は収集手段、30は第1カウンター、31は第2カウンター、32は第3カウンター、33は測位衛星、34は無線基地局、35はアンテナ、36は通信網、37は監視端末機器、38はフロントケース、39はリアケース、40は電池カバー、41は表示開口、42は放音孔、43は集音孔、44はキー、45は回路収容部、46は電池開口、47は電源開口、48は被係合部、49は撮影孔、50は外部開口、51は回路基板、52は回路端子、53は電気部品、54は周壁、55は周壁、56は電池収容部、57は回路端子、58は欠番、59は係合部、60は欠番、61は携帯通信機器、62は無線基地局、63は無線送受信部、64は測位衛星、65は測位受信部、66は通信網、67は管理センター、68は宅内管理機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯容器に、メインバッテリーと、サブバッテリーと、不揮発性メモリーと、状況情報を検出するセンサーと、メインバッテリーへの充電時にサブバッテリーにも充電を行う充電回路と、メインバッテリーからの電力で無線基地局を利用した無線通信を行う無線送受信部と、メインバッテリーからの電力で無線基地局を捕捉できない圏外又は携帯通信機器の電源スイッチがオフ又はメインバッテリーが除去されたかを検出する検出手段と、上記圏外の検出では切替信号を出力しないものの電源スイッチがオフ又はメインバッテリーが除去されたに検出に基づき電源切替信号を出力する切替手段と、電源切替信号で電力供給元をメインバッテリーからサブバッテリーに切り替えるスイッチ回路と、メインバッテリー又はサブバッテリーからの電力で期間を計る計測手段と、検出期間が設定値に達するごとにメインバッテリー又はサブバッテリーからの電力でセンサーを作動して収集した収集情報を不揮発性メモリーに記録する収集手段とを備えたことを特徴とする携帯通信機器。
【請求項2】
携帯容器には無線送受信部又は検出手段又は切替手段又はセンサー又は計測手段又は収集手段の何れかを構成する電気部品を実装した回路基板とメインバッテリーを交換可能に収容する開閉可能な電池収容部とが設けられ、サブバッテリーが電池収容部に収容されたメインバッテリーと回路基板と携帯容器とで囲まれる空間に設けられたことを特徴とする請求項1記載の携帯通信機器。
【請求項3】
携帯容器には不揮発性メモリーから収集情報を読み出す外部端子が設けられたことを特徴とする請求項1記載の携帯通信機器。
【請求項4】
不揮発性メモリーが携帯容器に着脱可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載の携帯通信機器。
【請求項5】
請求項1記載の携帯通信機器と通信可能な無線基地局の通信網に接続されてテレメトリングを構成する監視端末機器の操作により上記携帯通信機器から収集情報を読み出すことを特徴とする情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−259088(P2011−259088A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−130269(P2010−130269)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(304058826)株式会社ウィルコム (56)
【Fターム(参考)】