説明

携帯電子機器、制御方法および制御プログラム

【課題】利用形態に合わせて好適な省電力処理を行うこと。
【解決手段】携帯電話端末(携帯電子機器)1は、表示部2Bと、表示部2Bに表示される第1の画面に対する操作を検出するタッチセンサ2Aと、表示部3Bと、表示部3Bに表示される第2の画面に対する操作を検出するタッチセンサ3Aと、所定の条件に基づいて、表示部2Bまたは表示部3Bの少なくとも一方を省電力状態へ移行させる省電力処理を行う制御部10とを備える。制御部10は、第1の画面または第2の画面の少なくとも一方の画面に対する操作が検出されない時間が閾値よりも長く継続する場合に、当該画面を提供するプログラムの種別に応じて省電力処理を異ならせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電子機器、制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器の消費電力を低減する技術として、無操作が所定時間継続した場合に表示部を非点灯にする等して表示部の消費電力を抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、利用者に対してより広い表示部を提供できるように、複数の表示部を備える携帯電子機器も知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−320107号公報
【特許文献2】特開2009−164794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の表示部を備える携帯電子機器には、1つの表示部のみを利用する、それぞれの表示部を異なる用途に利用する、複数の表示部を連結された1つの表示部として利用するといった多様な利用形態がある。ところが、従来の消費電力の抑制技術は、携帯電子機器が1つの表示部を備えることを前提としていたため、このような多様な利用形態に合わせて好適な省電力処理を実現することができなかった。
【0005】
本発明は、利用形態に合わせて好適な省電力処理を行うことができる携帯電子機器、制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る携帯電子機器は、第1の表示部と、前記第1の表示部に表示される第1の画面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の表示部と、前記第2の表示部に表示される第2の画面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、所定の条件に基づいて、前記第1の表示部または前記第2の表示部の少なくとも一方を省電力状態へ移行させる省電力処理を行う制御部とを備え、前記制御部は、前記第1の画面または前記第2の画面の少なくとも一方の画面に対する操作が検出されない時間が閾値よりも長く継続する場合に、当該画面を提供するプログラムの種別に応じて前記省電力処理を異ならせる。
【0007】
ここで、前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供しているか、いずれか一方を適用しているかに応じて前記省電力処理を異ならせることが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供している場合に、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面を前記第1の表示部と前記第2の表示部とをまたがって表示される1つの画面として提供しているか否かに応じて前記省電力処理を異ならせることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記プログラムが、複数の画像を連続して再生する処理を行うプログラムである場合には、前記省電力処理を実行しないことが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記省電力処理において、表示中の画面に対する操作が検出されない時間が前記閾値よりも長く継続している側の表示部を微灯状態に遷移させ、前記省電力処理の実行後に、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部のうち、微灯状態に遷移させた表示部に対応する操作検出部において操作が検出されたときに、前記表示部の微灯状態を解除することが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供している場合には、前記省電力処理において、前記プログラムの実行を継続させたままで、表示中の画面に対する操作が検出されない時間が前記閾値よりも長く継続している側の表示部を省電力状態に遷移させ、前記省電力処理の実行後に、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部のうち、省電力状態に遷移させた表示部に対応する操作検出部において操作が検出されたときに、当該表示部の省電力状態を解除することが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供している場合には、前記省電力処理の実行後に、省電力状態に遷移させた前記表示部に対する表示処理を前記プログラムに基づいて実行するときに、当該表示部の省電力状態を解除することが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供していない場合には、前記省電力処理において、前記プログラムの実行を中断し、前記第1の表示部および前記第2の表示部のうち、表示中の画面に対する操作が検出されない時間が前記閾値よりも長く継続している側の表示部の表示を停止させることが好ましい。
【0014】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御方法は、第1の表示部と、前記第1の表示部に表示される第1の画面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の表示部と、前記第2の表示部に表示される第2の画面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、を備える携帯電子機器によって実行される制御方法であって、前記第1の表示部に前記第1の画面を表示するステップと、前記第2の表示部に前記第2の画面を表示するステップと、前記第1の画面または前記第2の画面の少なくとも一方の画面に対する操作が検出されない無操作時間が閾値よりも長く継続しているかを判定するステップと、前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している場合に、前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している画面を提供するプログラムの種別に応じて、前記第1の表示部または前記第2の表示部の少なくとも一方を省電力状態へ移行させるステップとを含む。
【0015】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る制御プログラムは、第1の表示部と、前記第1の表示部に表示される第1の画面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、第2の表示部と、前記第2の表示部に表示される第2の画面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、を備える携帯電子機器に、前記第1の表示部に前記第1の画面を表示するステップと、前記第2の表示部に前記第2の画面を表示するステップと、前記第1の画面または前記第2の画面の少なくとも一方の画面に対する操作が検出されない無操作時間が閾値よりも長く継続しているかを判定するステップと、前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している場合に、前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している画面を提供するプログラムの種別に応じて、前記第1の表示部または前記第2の表示部の少なくとも一方を省電力状態へ移行させるステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る携帯電子機器、制御方法および制御プログラムは、利用形態に合わせて好適な省電力処理を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、開状態にある携帯電話端末の正面図である。
【図2】図2は、開状態にある携帯電話端末の側面図である。
【図3】図3は、携帯電話端末の機能的な構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、プログラム情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、別個に起動された2つのプログラムを利用する場合の制御の一例を示す図である。
【図6】図6は、別個に起動された2つのプログラムを利用する場合の制御の他の例を示す図である。
【図7】図7は、2画面プログラムを利用する場合の制御の一例を示す図である。
【図8】図8は、2画面プログラムを利用する場合の制御の他の例を示す図である。
【図9】図9は、プログラムから他のプログラムが呼び出された場合の制御の一例を示す図である。
【図10】図10は、省電力移行処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、省電力復帰処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器の一例として携帯電話端末について説明するが、本発明の適用対象は携帯電話端末に限定されるものではなく、タッチパネルを備える各種装置、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0019】
(実施形態)
まず、図1および図2を参照しながら、本発明に係る携帯電子機器の一実施形態である携帯電話端末1の外観について説明する。図1は、開状態にある携帯電話端末1の正面図である。図2は、開状態にある携帯電話端末1の側面図である。図1および図2に示すように、携帯電話端末1は、第1の筐体1Aと、第2の筐体1Bと、連結部1Cとを有する。第1の筐体1Aは、タッチパネル2を有する。第2の筐体1Bは、タッチパネル3を有する。
【0020】
タッチパネル2は、第1の筐体1Aの面積が最も広い面の1つに設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2の表面に対して行われる各種操作を検出する。タッチパネル3は、第2の筐体1Bの面積が最も広い面の1つに設けられ、文字、図形、画像等を表示するとともに、指を用いてタッチパネル3の表面に対して行われる各種操作を検出する。なお、タッチパネル2およびタッチパネル3が各種操作を検出する方式は、静電容量式、抵抗膜式、感圧式等の任意の方式であってよい。
【0021】
連結部1Cは、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bを連結するとともに、第1の筐体1Aおよび第2の筐体1Bが相対的に回動するための回転軸として機能する。携帯電話端末1は、第2の筐体1Bが連結部1Cを回転軸として、図2に示すR1の方向へ約180度回動することによって、開状態から閉状態へ遷移する。
【0022】
携帯電話端末1が図1および図2に示すような開状態にある場合、タッチパネル2およびタッチパネル3は、略同一方向を向いた状態で携帯電話端末1の表面に露出する。このような開状態において、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3にそれぞれ異なる画面を表示したり、タッチパネル2およびタッチパネル3に跨がって1つの画面を表示したりする。そして、携帯電話端末1は、利用状況にあわせて、タッチパネル2およびタッチパネル3の制御の仕方を変更して省電力を実現する。開状態におけるタッチパネル2およびタッチパネル3の制御の詳細については後述する。
【0023】
また、携帯電話端末1が閉状態にある場合、タッチパネル2およびタッチパネル3は、対向した状態となり、外部からは見えなくなる。このような閉状態において、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3の機能を停止させる。すなわち、携帯電話端末1は、タッチパネル2およびタッチパネル3の表示手段としての機能と操作手段としての機能とを停止させて電力消費を低減させる。
【0024】
なお、上記の説明では、携帯電話端末1が、いわゆる折り畳み式の筐体を有することとしたが、携帯電話端末1は、スライド式の筐体を有していてもよい。すなわち、携帯電話端末1は、2つの筐体が重なり合う面積が最大となる閉状態では一方の筐体のタッチパネルのみが露出し、2つの筐体が重なり合う面積が最小となる開状態では両方の筐体のタッチパネルが露出するように構成されていてもよい。
【0025】
次に、図3を参照しながら、携帯電話端末1の機能的な構成について説明する。図3は、携帯電話端末1の機能的な構成を示すブロック図である。図3に示すように携帯電話端末1は、タッチパネル2と、タッチパネル3と、電源部5と、通信部6と、スピーカ7と、マイク8と、記憶部9と、制御部10と、RAM(Random Access Memory)11とを有する。なお、第1の筐体1Aに設けられるタッチパネル2と第2の筐体1Bに設けられるタッチパネル3とを除いて、各構成要素は、第1の筐体1Aと第2の筐体1Bのいずれに設けられていてもよい。
【0026】
タッチパネル2は、表示部2Bと、表示部2Bに重畳されたタッチセンサ(操作検出部)2Aとを有する。タッチセンサ2Aは、指を用いてタッチパネル2の表面に対して行われる各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル2上での位置とともに検出し、制御部10に通知する。タッチセンサ2Aによって検出される操作には、タップ操作やスイープ(スワイプ)操作が含まれる。表示部2Bは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0027】
タッチパネル3は、表示部3Bと、表示部3Bに重畳されたタッチセンサ(操作検出部)3Aとを有する。タッチセンサ3Aは、指を用いてタッチパネル3の表面に対して行われる各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル3上での位置とともに検出し、制御部10に通知する。タッチセンサ3Aによって検出される操作には、タップ操作やスイープ操作が含まれる。表示部3Bは、例えば、液晶ディスプレイや、有機ELパネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0028】
電源部5は、蓄電池または外部電源から得られる電力を、制御部10を含む携帯電話端末1の各機能部へ供給する。通信部6は、基地局によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信および情報通信を行う。スピーカ7は、制御部10から送信される音声信号を音声として出力する。マイク8は、利用者等の音声を音声信号へ変換して制御部10へ送信する。
【0029】
記憶部9は、不揮発性メモリや磁気記憶装置等の記憶装置である。記憶部9は、制御部10での処理に利用されるプログラムやデータを保存する。記憶部9に記憶されるプログラムには、ブラウザプログラム9A、メールプログラム9B、動画再生プログラム9C、ゲームプログラム9D、ナビゲーションプログラム9E、ファイラプログラム9F、制御プログラム9Gが含まれる。また、記憶部9に記憶されるデータには、プログラム情報9Hが含まれる。記憶部9は、携帯電話端末1の基本的な機能を実現するオペレーティングシステムプログラム等の各種プログラムやアドレス帳データ等の各種データも記憶する。なお、記憶部9は、メモリカード等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせとして構成されていてもよい。
【0030】
ブラウザプログラム9Aは、WEBブラウジング機能を提供する。メールプログラム9Bは、電子メール機能を提供する。動画再生プログラム9Cは、動画データの再生機能を提供する。ゲームプログラム9Dは、ゲーム機能を提供する。ナビゲーションプログラム9Eは、利用者を所定の場所へ誘導する機能を提供する。ファイラプログラム9Fは、記憶部に記憶されている各種ファイル(プログラムやデータを含む)にアクセスするための機能を提供する。
【0031】
制御プログラム9Gは、各種検出部の検出結果に応じて携帯電話端末1の各部の動作を制御する機能を提供する。例えば、制御プログラム9Gは、タッチパネル2およびタッチパネル3の利用状況に応じて、タッチパネル2およびタッチパネル3の消費電力を抑制するための制御を行う機能を提供する。
【0032】
プログラム情報9Hは、利用者の指示に応じて起動される各種プログラムに関する情報を保持する。プログラム情報9Hの一例を図4に示す。図4に示すように、プログラム情報9Hは、名称、パス、省電力といった項目を有する。名称は、プログラムの名称である。パスは、プログラムが記憶されている位置を示す。省電力は、プログラムの実行中に省電力状態への移行を行ってよいか否かを示す。実行中に省電力状態への移行を行ってよい場合、省電力には「許可」が設定され、実行中に省電力状態への移行を行ってはならない場合、省電力には「禁止」が設定される。
【0033】
本実施例においては、図4に示すプログラム情報9Hの例の様に、動画再生プログラム9Cおよびゲームプログラム9Dについては、実行中に省電力状態への移行を行ってはならないものとする。また、ブラウザプログラム9A、メールプログラム9B、ナビゲーションプログラム9Eおよびファイラプログラム9Fについては、実行中に省電力状態への移行を行ってよいものとする。
【0034】
なお、プログラムの実行中に省電力状態への移行を行ってよいかについては、プログラムごとに予め決まっていてもよいし、利用者が任意に設定できてもよい。また、プログラムの実行中に省電力状態への移行を行ってよいか否かを示す情報をプログラム情報9Hで管理するのではなく、各プログラム中に埋め込んでもよい。
【0035】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等の演算装置である。制御部10は、携帯電話端末1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。具体的には、制御部10は、記憶部9に記憶されているデータや各種検出部の検出結果を必要に応じて参照しつつ、記憶部9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行して、タッチパネル2や通信部6等を制御する。なお、制御部10が実行するプログラムや参照するデータは、通信部6による無線通信でサーバ装置からダウンロードすることとしてもよい。
【0036】
制御部10は、例えば、ブラウザプログラム9Aを実行することによって、通信部6にWEBサーバからWEBページを取得させ、取得されたWEBページをタッチパネル2、タッチパネル3またはその両方に表示させる。また制御部10は、制御プログラム9Gを実行することによって、利用状況に応じたタッチパネル2およびタッチパネル3の制御等の省電力処理を行う。
【0037】
RAM11は、制御部10によって実行されるプログラムの命令、制御部10が参照するデータ、制御部10の演算結果等が一時的に記憶される記憶領域として利用される。
【0038】
次に、図5から図9を参照しながら、利用状況に応じた省電力処理の例について説明する。図5は、別個に起動された2つのプログラムを利用する場合の制御の一例を示す図である。図5に示すステップS11において、携帯電話端末1は、開状態にある。また、ステップS11において、タッチパネル2およびタッチパネル3は、省電力状態にあり、表示部2Bおよび表示部3Bの表示が停止している。なお、省電力状態とは、通常に使用される状態よりも電力消費が少ない状態をいう。
【0039】
この状態において、タッチパネル3においてブラウザプログラム9Aを起動するための所定の操作が検出されたものとする。ここでいう所定の操作とは、例えば、指F1でタッチパネル3に触れて表示部3Bの表示を再開させ、ブラウザプログラム9Aに対応するアイコンを指F1でタップする操作である。この場合、制御部10は、ブラウザプログラム9Aを起動し、ステップS12に示すように、ブラウザプログラム9Aが提供するブラウザ画面SC1をタッチパネル3に表示させる。
【0040】
続いて、タッチパネル2においてメールプログラム9Bを起動するための所定の操作が検出されたものとする。ここでいう所定の操作とは、例えば、指F1でタッチパネル2に触れて表示部2Bの表示を再開させ、メールプログラム9Bに対応するアイコンを指F1でタップする操作である。この場合、制御部10は、メールプログラム9Bを起動し、ステップS13に示すように、メールプログラム9Bが提供するメール作成画面SC2をタッチパネル2に表示させる。
【0041】
そのまま利用者が指F1でメール作成画面SC2に対する操作を続け、ブラウザ画面SC1が表示されているタッチパネル3において操作が検出されない時間が閾値を超えたものとする。閾値は、予め決められた値であってもよいし、利用者によって設定された値であってもよい。この場合、ブラウザ画面SC1に対応するブラウザプログラム9Aは、プログラムの実行中での省電力状態への移行がプログラム情報9Hにおいて許可されているため、制御部10は、ステップS14に示すように、タッチパネル3を省電力状態へ移行させる。
【0042】
ステップS14では、制御部10は、表示部3Bの表示を停止させることによって、タッチパネル3を省電力状態へ移行させている。表示部3Bは、消費電力が多い部位の1つであるため、表示部3Bの表示を停止させることは、消費電力の抑制に大きく寄与する。また、図5の例のように、別個に起動されたプログラムが提供する画面がそれぞれの表示部に表示されている場合、それぞれの画面の関連がないため、一方の表示部の表示を停止させても利用者に不都合は少ない。
【0043】
さらに、制御部10は、ステップS14において、ブラウザ画面SC1を提供するブラウザプログラム9Aの実行を中断する。ブラウザプログラム9Aの実行を中断することにより、消費電力をさらに抑制することができる。また、ブラウザ画面SC1が表示される表示部3Bの表示が停止しているため、ブラウザプログラム9Aの実行を中断しても利用者に不都合はない。
【0044】
その後、タッチパネル3において接触が検出されると、制御部10は、ブラウザプログラム9Aの実行と表示部3Bの表示とを再開させる。このため、制御部10は、省電力状態においても、タッチセンサ3Aの機能を有効にしておく。なお、省電力状態において、タッチセンサ3Aも停止させ、タッチパネル3の近傍等に設けられたボタンが押下された場合に、ブラウザプログラム9Aの実行と表示部3Bの表示とを再開させることとしてもよい。
【0045】
図5では、タッチパネル3において操作が検出されない時間が閾値を超えた場合について説明したが、メール作成画面SC2が表示されているタッチパネル2において操作が検出されない時間が閾値を超えた場合も同様の省電力処理が行われる。すなわち、メール作成画面SC2が表示されているタッチパネル2において操作が検出されない時間が閾値を超えた場合、制御部10は、表示部2Bの表示を停止させ、メールプログラム9Bの実行を中断する。
【0046】
図6は、別個に起動された2つのプログラムを利用する場合の制御の他の例を示す図である。図6に示すステップS21において、携帯電話端末1は、開状態にある。また、ステップS21において、タッチパネル2およびタッチパネル3は、省電力状態にあり、表示部2Bおよび表示部3Bの表示が停止している。
【0047】
この状態において、タッチパネル3において動画再生プログラム9Cを起動するための所定の操作が検出されたものとする。この場合、制御部10は、動画再生プログラム9Cを起動し、ステップS22に示すように、動画再生プログラム9Cが提供する動画再生画面SC3をタッチパネル3に表示させる。
【0048】
続いて、タッチパネル2においてメールプログラム9Bを起動するための所定の操作が検出されたものとする。この場合、制御部10は、メールプログラム9Bを起動し、ステップS23に示すように、メールプログラム9Bが提供するメール作成画面SC2をタッチパネル2に表示させる。
【0049】
そのまま利用者が指F1でメール作成画面SC2に対する操作を続け、動画再生画面SC3が表示されているタッチパネル3において操作が検出されない時間が上記の閾値を超えたものとする。この場合、動画再生画面SC3に対応する動画再生プログラム9Cは、プログラムの実行中での省電力状態への移行がプログラム情報9Hにおいて許可されていないため、制御部10は、ステップS24に示すように、動画再生画面SC3の表示を継続する。
【0050】
動画再生画面SC3のように、動画、つまり動きのある画像、あるいは、複数の画像を連続して再生する画面は、操作が検出されない場合であっても、利用者によって視聴されている場合がある。このため、無操作が継続した場合も表示を継続させることにより、利用者による視聴が中断されることを抑止できる。
【0051】
図7は、2画面プログラムを利用する場合の制御の一例を示す図である。2画面プログラムとは、タッチパネル2およびタッチパネル3に同時に画面を提供するプログラムである。一方、タッチパネル2またはタッチパネル3のいずれか一方に提供するプログラムについては、1画面プログラムと呼ぶこととする。なお、同一のプログラムが、状況に応じて、1画面プログラムと2画面プログラムのいずれかとして機能することもある。
【0052】
図7に示すステップS31において、携帯電話端末1は、開状態にある。また、ステップS31において、タッチパネル2およびタッチパネル3は、省電力状態にあり、表示部2Bおよび表示部3Bの表示が停止している。
【0053】
この状態において、タッチパネル2またはタッチパネル3においてゲームプログラム9Dを起動するための所定の操作が検出されたものとする。この場合、制御部10は、ゲームプログラム9Dを起動する。そして、制御部10は、ステップS32に示すように、ゲームプログラム9Dが提供するゲーム画面SC4Aをタッチパネル2に表示させ、ゲームプログラム9Dが提供するゲーム画面SC4Bをタッチパネル3に表示させる。ゲーム画面SC4Aは、操作を受け付ける操作用画面であり、ゲーム画面SC4Bは、操作の結果を表示する結果表示用画面である。
【0054】
その後、利用者が指F1でゲーム画面SC4Aに対する操作を続け、ゲーム画面SC4Bが表示されているタッチパネル3において操作が検出されない時間が上記の閾値を超えたものとする。この場合、ゲーム画面SC4Bに対応するゲームプログラム9Dは、プログラムの実行中での省電力状態への移行がプログラム情報9Hにおいて許可されていないため、制御部10は、ステップS33に示すように、ゲーム画面SC4Bの表示を継続する。
【0055】
2画面プログラムによって提供される画面は、上記の操作用画面と結果表示用画面のように互いに関連している場合がある。このため、2画面プログラムによって提供される画面の一方の表示が停止されると、他方の画面の利用に支障が生じることがある。2画面プログラムによって提供される画面の一方で操作が検出されない場合でもその画面の表示を維持することにより、そのような支障が生じることを抑止できる。
【0056】
図8は、2画面プログラムを利用する場合の制御の他の例を示す図である。図8に示すステップS41において、携帯電話端末1は、開状態にある。また、ステップS41において、タッチパネル2およびタッチパネル3は、省電力状態にあり、表示部2Bおよび表示部3Bの表示が停止している。
【0057】
この状態において、タッチパネル2またはタッチパネル3においてナビゲーションプログラム9Eを起動するための所定の操作が検出されたものとする。この場合、制御部10は、ナビゲーションプログラム9Eを起動する。そして、制御部10は、ステップS42に示すように、ナビゲーションプログラム9Eが提供する地図表示画面SC5Aをタッチパネル2に表示させ、ナビゲーションプログラム9Eが提供する目的地検索画面SC5Bをタッチパネル3に表示させる。地図表示画面SC5Aは、地図を表示する画面であり、目的地検索画面SC5Bは、目的地を検索するために用いられる画面である。
【0058】
その後、利用者が指F1で目的地検索画面SC5Bに対する操作を続け、地図表示画面SC5A表示されているタッチパネル2において操作が検出されない時間が上記の閾値を超えたものとする。この場合、地図表示画面SC5Aに対応するナビゲーションプログラム9Eは、プログラムの実行中での省電力状態への移行がプログラム情報9Hにおいて許可されているため、制御部10は、ステップS43に示すように、タッチパネル2を省電力状態へ移行させる。
【0059】
ステップS43では、制御部10は、表示部2Bの表示を微灯状態にすることによって、タッチパネル2を省電力状態へ移行させている。微灯状態は、表示部2Bが液晶ディスプレイのようにバックライト等の光源を有する表示装置の場合、光源の発光を停止させる、または、光源の輝度を低下させることによって実現される。また、微灯状態は、表示部2Bが有機ELパネルのように自発光型の表示装置の場合、輝度を低下させることによって実現される。
【0060】
ステップS43に示すように、表示部2Bには、微灯状態に移行後も、地図表示画面SC5Aがうっすらと表示される。既に説明したように、2画面プログラムによって提供される画面は、それぞれ関連することが多く、一方の画面が見えなくなると他方の画面の利用に支障が生じることがある。省電力状態において、表示部2Bの表示を停止するのではなく、微灯状態とすることにより、消費電力を抑制しつつ、一方の画面が全く見えなくなることによる不都合を抑止できる。
【0061】
また、2画面プログラムによって提供される画面が表示されている場合、制御部10は、タッチパネル2を省電力状態へ移行させた後も、ナビゲーションプログラム9Eの実行を停止させない。このため、省電力状態へ移行していないタッチパネル3にたいする操作が行われると、ナビゲーションプログラム9Eが提供する機能に基づいて、操作に対応する処理が制御部10によって実行される。
【0062】
その後、タッチパネル2において接触が検出されると、制御部10は、ステップS44に示すように、表示部2Bの微灯状態を解除し、地図表示画面SC5Aを通常通りに表示させる。また、タッチパネル3において表示されている目的地検索画面SC5Bにおいて目的地を確定する操作が行われた場合、制御部10は、ナビゲーションプログラム9Eが提供する機能に基づいて、目的地を地図上に示すための表示処理をタッチパネル2に対して実行する。その際、制御部は、ステップS45に示すように、表示処理の結果を利用者が確認できるようにするために、表示部2Bの微灯状態を解除し、地図表示画面SC5Aを通常通りに表示させる。
【0063】
図8では、タッチパネル2において操作が検出されない時間が閾値を超えた場合について説明したが、タッチパネル3において操作が検出されない時間が閾値を超えた場合も同様の省電力処理が行われる。すなわち、タッチパネル3において操作が検出されない時間が閾値を超えた場合、制御部10は、表示部3Bを微灯状態にする。
【0064】
なお、ステップS43に示すように一方のタッチパネルの表示部が微灯状態になっているときに他方のタッチパネルにおいて操作が検出されない時間が上記の閾値を超えた場合、制御部10は、タッチパネル2およびタッチパネル3を省電力状態にする。この場合、いずれの画面も利用されていないと考えられるため、制御部10は、表示部2Bおよび表示部3Bの表示を停止させる。また、この場合、制御部10は、タッチパネル2およびタッチパネル3に画面を提供している2画面プログラムの実行を中断する。
【0065】
図9は、プログラムから他のプログラムが呼び出された場合の制御の一例を示す図である。図9に示すステップS51において、携帯電話端末1は、開状態にある。また、ステップS51において、タッチパネル2およびタッチパネル3は、省電力状態にあり、表示部2Bおよび表示部3Bの表示が停止している。
【0066】
この状態において、タッチパネル3においてメールプログラム9Bを起動するための所定の操作が検出されたものとする。この場合、制御部10は、メールプログラム9Bを起動し、ステップS52に示すように、メールプログラム9Bが提供するメール作成画面SC2をタッチパネル3に表示させる。
【0067】
続いて、タッチパネル3において、メールに添付するファイルを選択するための所定の操作が検出されたものとする。この場合、制御部10は、メールプログラム9Bが提供する機能に従って、ファイラプログラム9Fを起動し、ステップS53に示すように、ファイラプログラム9Fが提供するファイル選択画面SC6をタッチパネル2に表示させる。
【0068】
そのまま利用者が指F1でファイル選択画面SC6に対する操作を続け、メール作成画面SC2が表示されているタッチパネル3において操作が検出されない時間が上記の閾値を超えたものとする。この場合、メール作成画面SC2に対応するメールプログラム9Bは、プログラムの実行中での省電力状態への移行がプログラム情報9Hにおいて許可されているため、制御部10は、ステップS54に示すように、タッチパネル3を省電力状態へ移行させる。
【0069】
ステップS54では、制御部10は、表示部3Bの表示を微灯状態にすることによって、タッチパネル3を省電力状態へ移行させている。この場面では、メールプログラム9Bから呼び出されたファイラプログラム9Fがまだ実行中である。このように、呼び出し関係(依存関係)があるプログラムによって提供される画面は、それぞれ関連することが多く、一方の画面が見えなくなると他方の画面の利用に支障が生じることがある。省電力状態において、表示部3Bの表示を停止するのではなく、微灯状態とすることにより、消費電力を抑制しつつ、一方の画面が全く見えなくなることによる不都合を抑止できる。
【0070】
その後、利用者が指F1でファイル選択画面SC6に対する操作を続け、ファイルの選択が完了したものとする。この場合、ステップS55に示すように、ファイル選択画面SC6を提供するファイラプログラム9Fの実行が終了し、ファイル選択画面SC6が消去される。また、ファイルの選択の完了にともなって、制御部10は、呼び出し先からの復帰処理を行い、表示部3Bの微灯状態を解除してメール作成画面SC2に対して後続の操作が行われるようにする。この場合、制御部10は、復帰処理として、選択されたファイルのファイル名をメール作成画面SC2に反映させる。
【0071】
また、ステップS56に示すように、表示部3Bが微灯状態にあるときにタッチパネル3において接触が検出されると、制御部10は、表示部3Bの微灯状態を解除し、メール作成画面SC2を通常通りに表示させる。
【0072】
図9では、タッチパネル3に画面を提供しているプログラムから呼び出されたプログラムによって提供される画面がタッチパネル2に表示される例を示したが、タッチパネル2とタッチパネル3が逆であってもよい。
【0073】
なお、ステップS54に示すように一方のタッチパネルの表示部が微灯状態になっているときに他方のタッチパネルにおいて操作が検出されない時間が上記の閾値を超えた場合、制御部10は、タッチパネル2およびタッチパネル3を省電力状態にする。この場合、いずれの画面も利用されていないと考えられるため、制御部10は、表示部2Bおよび表示部3Bの表示を停止させてもよい。また、この場合、制御部10は、タッチパネル2に画面を提供しているプログラムおよびタッチパネル3に画面を提供しているプログラムの実行を中断してもよい。
【0074】
次に、図10および図11を参照しながら、省電力処理における携帯電話端末1の動作について説明する。図10は、省電力移行処理の処理手順を示すフローチャートである。図10に示す処理手順は、制御プログラム9Gが提供する機能によって実現され、表示部ごとに繰り返して実行される。なお、以下の図10の説明において単に表示部という場合、表示部2Bと表示部3Bのうち、処理対象となっている側の表示部を意味する。
【0075】
図10に示すように、携帯電話端末1の制御部10は、ステップS101として、表示部が通常状態であるかを判定する。表示部が通常状態でない場合、すなわち、既に省電力状態にある場合(ステップS101,No)、制御部10は、省電力移行処理を終了させる。
【0076】
表示部が通常状態である場合(ステップS101,Yes)、制御部10は、ステップS102として、表示部に対する操作が検出されない時間である無操作時間を取得する。無操作時間が閾値よりも短い場合(ステップS103,No)、制御部10は、省電力移行処理を終了させる。
【0077】
無操作時間が閾値以上の場合(ステップS103,Yes)、制御部10は、ステップS104として、プログラム情報9Hを参照して、表示部に画面を提供しているプログラムが、実行中での省電力状態への移行を許可されているかを判定する。実行中での省電力状態への移行を許可されていない場合(ステップS104,No)、制御部10は、省電力移行処理を終了させる。
【0078】
表示部に画面を提供しているプログラムが、実行中での省電力状態への移行を許可されている場合(ステップS104,Yes)、制御部10は、ステップS105として、そのプログラムが1画面プログラム、すなわち、一方の表示部のみに画面を提供しているプログラムかを判定する。
【0079】
表示部に画面を提供しているプログラムが1画面プログラムの場合(ステップS105,Yes)、制御部10は、ステップS106として、そのプログラムが他のプログラムを呼び出し中であるかを判定する。他のプログラムを呼び出し中の場合(ステップS106,Yes)、制御部10は、ステップS107として、表示部を微灯状態へ移行させる。一方、他のプログラムを呼び出し中でない場合(ステップS106,No)、制御部10は、ステップS108として、表示部の表示を停止させ、ステップS109として、表示部に画面を提供しているプログラムの実行を中断する。
【0080】
表示部に画面を提供しているプログラムが1画面プログラムでない場合(ステップS105,No)、制御部10は、ステップS110として、他方のタッチパネルの表示部の状態を取得する。他方のタッチパネルの表示部が微灯状態でない場合(ステップS111,No)、制御部10は、ステップS112として、表示部を微灯状態へ移行させる。一方、他方のタッチパネルの表示部が微灯状態の場合(ステップS111,Yes)、制御部10は、ステップS113として、表示部の表示を停止させ、ステップS114として、表示部に画面を提供しているプログラムの実行を中断する。
【0081】
図11は、省電力復帰処理の処理手順を示すフローチャートである。図11に示す処理手順は、制御プログラム9Gが提供する機能によって実現され、表示部ごとに繰り返して実行される。なお、以下の図11の説明において単に表示部という場合、表示部2Bと表示部3Bのうち、処理対象となっている側の表示部を意味する。
【0082】
図11に示すように、携帯電話端末1の制御部10は、ステップS201として、表示部が通常状態であるかを判定する。表示部が通常状態である場合、すなわち、省電力状態にない場合(ステップS201,No)、制御部10は、省電力復帰処理を終了させる。
【0083】
表示部が通常状態にない場合、すなわち、省電力状態にある場合(ステップS201,Yes)、制御部10は、ステップS202として、表示部に画面を提供しているプログラムが1画面プログラムかを判定する。
【0084】
表示部に画面を提供しているプログラムが1画面プログラムの場合(ステップS202,Yes)、制御部10は、ステップS203として、表示部に対する操作が検出されたかを判定する。接触が検出されていない場合(ステップS203,No)、制御部10は、ステップS204として、呼び出し先のプログラムからの復帰処理が行われたかを判定する。呼び出し先のプログラムからの復帰処理が行われていない場合(ステップS204,No)、制御部10は、省電力復帰処理を終了させる。
【0085】
接触が検出された場合(ステップS203,Yes)、または、呼び出し先のプログラムからの復帰処理が行われた場合(ステップS204,Yes)、制御部10は、ステップS205として、表示部が微灯状態であるかを判定する。表示部が微灯状態である場合(ステップS205,Yes)、制御部10は、ステップS206として、表示部の微灯状態を解除して通常状態へ遷移させる。表示部が微灯状態でない場合(ステップS205,No)、制御部10は、ステップS207として、表示部に画面を提供していたプログラムの実行を再開させ、ステップS208として、表示部の表示を再開して通常状態へ遷移させる。
【0086】
表示部に画面を提供しているプログラムが1画面プログラムでない場合(ステップS202,No)、制御部10は、ステップS209として、表示部に対する操作が検出されたかを判定する。接触が検出されていない場合(ステップS209,No)、制御部10は、ステップS210として、表示部に対する表示処理が行われたかを判定する。表示部に対する表示処理が行われていない場合(ステップS210,No)、制御部10は、省電力復帰処理を終了させる。
【0087】
接触が検出された場合(ステップS209,Yes)、または、表示部に対する表示処理が行われた場合(ステップS210,Yes)、制御部10は、ステップS211として、表示部が微灯状態であるかを判定する。表示部が微灯状態である場合(ステップS211,Yes)、制御部10は、ステップS212として、表示部の微灯状態を解除して通常状態へ遷移させる。表示部が微灯状態でない場合(ステップS211,No)、制御部10は、ステップS213として、表示部に画面を提供していたプログラムの実行を再開させ、ステップS214として、2つのタッチパネルの表示部の表示を再開して通常状態へ遷移させる。
【0088】
上述してきたように、本実施形態では、画面を提供するプログラムの種類や表示部の利用され方に応じて省電力処理を異ならせることとしたので、利用形態に合わせて好適な省電力処理を行うことができる。
【0089】
なお、上記の実施形態で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、制御プログラム9Gは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。
【0090】
また、上記の実施形態では、操作検出部としてタッチセンサを備える携帯電子機器について説明したが、本発明は、操作検出部としてキーボード等の複数の物理的なボタンを有する携帯電子機器にも適用することができる。
【0091】
また、上記の実施形態では、プログラムの実行中に省電力状態への移行を行ってよいか否かがプログラム情報9Hに予め設定されていることとしたが、プログラムの実行中に省電力状態への移行を行ってよいか否かをプログラムの動作に基づいて判定してもよい。例えば、携帯電子機器は、上記の実施形態で示した動画再生プログラム9Cやゲームプログラム9Dのように複数の画像を連続して再生する画面を提供するプログラムを、実行中に省電力状態への移行を行ってはならないプログラムと判定してもよい。このようなプログラムの実行中に表示部を省電力状態へ移行させると、利用者による画像の視聴を妨げるおそれがあるからである。複数の画像を連続して再生する画面を提供するプログラムには、テレビ視聴プログラムやプレゼンテーションプログラム等が含まれる。
【0092】
また、上記の実施形態では、表示部を省電力状態に移行させる際に、その表示部に画面を提供していたプログラムの実行を中断する例を示したが、そのプログラムに基づいて表示部以外の部位が制御されている場合には、プログラムの実行を継続させてもよい。例えば、省電力状態へ移行させた表示部に画面を提供していたプログラムが音楽データを再生する音楽再生プログラムの場合、再生中の音楽を出力するために、音楽再生プログラムに基づいてスピーカ等が制御される。この場合、表示部を省電力状態へ移行させた後も音楽再生プログラムの実行を継続することにより、利用者は、音楽を引き続き楽しむことができる。
【0093】
また、上記の図7および図8では、2画面プログラムが複数の表示部にそれぞれ異なる種類の画面を表示する例を示したが、2画面プログラムが複数の表示部に跨がって1つの画面を表示する場合には、複数の画面を1つの表示部として処理すればよい。すなわち、複数の表示部に跨がって1つの画面が表示される場合、複数の表示部のいずれに対する操作も検出されない時間が閾値以上継続した場合に、無操作時間が閾値以上になったと判定してよい。また、複数の表示部のいずれかに対する操作が閾値よりも短い間隔で検出された場合、無操作時間が閾値より短いと判定してよい。また、省電力状態への移行および復帰は、複数の表示部に対して同時に実施すればよい。
【符号の説明】
【0094】
1 携帯電話端末
1A 第1の筐体
1B 第2の筐体
1C 連結部
2、3 タッチパネル
2A、3A タッチセンサ
2B、3B 表示部
9 記憶部
9A ブラウザプログラム
9B メールプログラム
9C 動画再生プログラム
9D ゲームプログラム
9E ナビゲーションプログラム
9F ファイラプログラム
9G 制御プログラム
9H プログラム情報
10 制御部
11 RAM
20 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示部と、
前記第1の表示部に表示される第1の画面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示される第2の画面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、
所定の条件に基づいて、前記第1の表示部または前記第2の表示部の少なくとも一方を省電力状態へ移行させる省電力処理を行う制御部とを備え、
前記制御部は、前記第1の画面または前記第2の画面の少なくとも一方の画面に対する操作が検出されない時間が閾値よりも長く継続する場合に、当該画面を提供するプログラムの種別に応じて前記省電力処理を異ならせることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供しているか、いずれか一方を適用しているかに応じて前記省電力処理を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供している場合に、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面を前記第1の表示部と前記第2の表示部とをまたがって表示される1つの画面として提供しているか否かに応じて前記省電力処理を異ならせることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記プログラムが、複数の画像を連続して再生する処理を行うプログラムである場合には、前記省電力処理を実行しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、
前記省電力処理において、表示中の画面に対する操作が検出されない時間が前記閾値よりも長く継続している側の表示部を微灯状態に遷移させ、
前記省電力処理の実行後に、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部のうち、微灯状態に遷移させた表示部に対応する操作検出部において操作が検出されたときに、前記表示部の微灯状態を解除することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供している場合には、
前記省電力処理において、前記プログラムの実行を継続させたままで、表示中の画面に対する操作が検出されない時間が前記閾値よりも長く継続している側の表示部を省電力状態に遷移させ、
前記省電力処理の実行後に、前記第1の操作検出部および前記第2の操作検出部のうち、省電力状態に遷移させた表示部に対応する操作検出部において操作が検出されたときに、当該表示部の省電力状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供している場合には、
前記省電力処理の実行後に、省電力状態に遷移させた前記表示部に対する表示処理を前記プログラムに基づいて実行するときに、当該表示部の省電力状態を解除することを特徴とする請求項6に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記プログラムが、前記第1の画面および前記第2の画面の両方を提供していない場合には、前記省電力処理において、前記プログラムの実行を中断し、前記第1の表示部および前記第2の表示部のうち、表示中の画面に対する操作が検出されない時間が前記閾値よりも長く継続している側の表示部の表示を停止させることを特徴とする請求項6または7に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
第1の表示部と、
前記第1の表示部に表示される第1の画面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示される第2の画面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、を備える携帯電子機器によって実行される制御方法であって、
前記第1の表示部に前記第1の画面を表示するステップと、
前記第2の表示部に前記第2の画面を表示するステップと、
前記第1の画面または前記第2の画面の少なくとも一方の画面に対する操作が検出されない無操作時間が閾値よりも長く継続しているかを判定するステップと、
前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している場合に、前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している画面を提供するプログラムの種別に応じて、前記第1の表示部または前記第2の表示部の少なくとも一方を省電力状態へ移行させるステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
第1の表示部と、
前記第1の表示部に表示される第1の画面に対する操作を検出する第1の操作検出部と、
第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示される第2の画面に対する操作を検出する第2の操作検出部と、を備える携帯電子機器に、
前記第1の表示部に前記第1の画面を表示するステップと、
前記第2の表示部に前記第2の画面を表示するステップと、
前記第1の画面または前記第2の画面の少なくとも一方の画面に対する操作が検出されない無操作時間が閾値よりも長く継続しているかを判定するステップと、
前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している場合に、前記無操作時間が前記閾値よりも長く継続している画面を提供するプログラムの種別に応じて、前記第1の表示部または前記第2の表示部の少なくとも一方を省電力状態へ移行させるステップと
を実行させることを特徴とする制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−231325(P2012−231325A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98634(P2011−98634)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】