説明

携帯電子機器及び携帯電子機器の制御方法

【課題】容易に文字入力が可能なアプリケーションを利用することが可能な携帯電子機器及び携帯電子機器の制御方法を提供する。
【解決手段】携帯電子機器は、少なくとも文字入力が可能なアプリケーションを起動する起動部18と、アプリケーションに基づく画面を表示する表示部11と、表示部11への接触を検出する検出部12と、表示部11に初期画面が表示された状態において、検出部12により検出される表示部11への接触に応じて表示部11への接触の軌跡を判定し、判定された接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、起動部18によりアプリケーションを起動させる制御部19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えた携帯電子機器及び携帯電子機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器には、表示部と、この表示部に指等が接触したことを検出する検出部と、この検出部の検出結果に応じて表示部の表示内容を制御する制御部とを有するタッチパネルを備えたものがある。かかる携帯電子機器では、表示部に初期画面が表示されている場合に、アプリケーションを起動させるための領域を複数備えるメニュー画面を表示させるための領域に指等が接触すると、メニュー画面を表示部に表示させる。これにより、ユーザは、メニュー画面の中から所望のアプリケーションを起動するための領域を選択することにより、所望のアプリケーションを起動させることが可能になる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−141519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タッチパネルを備えた携帯電子機器は、文字入力が可能なアプリケーション(例えば、メモ帳アプリケーション)を起動させる場合、まず、初期画面を表示部に表示しているときに、メニュー画面を表示させるための領域が操作(タッチ)されると、メニュー画面を表示部に表示させる。次に、携帯電子機器は、メニュー画面の中からメモ帳アプリケーションがユーザによって選択されると、メモ帳アプリケーションを起動させる。このようにして、従来の携帯電子機器では、文字入力が可能なアプリケーションを起動させるまでの操作回数が多くなってしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、容易に文字入力が可能なアプリケーションを利用することが可能な携帯電子機器及び携帯電子機器の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯電子機器は、少なくとも文字入力が可能なアプリケーションを起動する起動部と、前記アプリケーションに基づく画面を表示する表示部と、前記表示部への接触を検出する検出部と、前記表示部に初期画面が表示された状態において、前記検出部により検出される前記表示部への接触に応じて前記表示部への接触の軌跡を判定し、判定された前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、前記起動部により前記アプリケーションを起動させる制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記制御部は、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、入力された入力文字に基づいた前記アプリケーションを前記起動部により起動させることが好ましい。
【0008】
また、前記制御部は、前記入力文字に基づいた前記アプリケーションを前記起動部により起動させる場合として、アプリケーション名に前記入力文字が含まれるアプリケーションを前記起動部により起動させることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記入力文字に基づいた前記アプリケーションを前記起動部により起動させる場合として、前記入力文字に基づいて予測される複数のアプリケーション名を前記表示部に表示させ、当該複数のアプリケーション名の中から選択された一のアプリケーション名に対応するアプリケーションを前記起動部により起動させることが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、入力された入力文字を当該アプリケーションに入力させることが好ましい。
【0011】
また、前記制御部は、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、前記アプリケーションとして予め設定されたアプリケーションを前記起動部により起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させることが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した後に、文字入力が可能な複数のアプリケーション名を前記表示部に表示させ、前記複数のアプリケーション名の中から選択された一のアプリケーション名に対応するアプリケーションを前記起動部により起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させることが好ましい。
【0013】
また、前記制御部は、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した後に、前記入力文字に基づいて予測される複数の単語を前記表示部に表示させ、前記複数の単語の中から一の単語が選択されると、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、選択された前記単語を当該アプリケーションに入力させることが好ましい。
【0014】
また、前記起動部は、発呼アプリケーションを起動することが可能であり、前記制御部は、前記接触の軌跡により数字入力状態であると判断することが可能であり、前記検出部により検出された前記接触の軌跡により数字入力状態であると判断した場合に、前記起動部により前記発呼アプリケーションを起動させることが好ましい。
【0015】
また、前記制御部は、前記検出部により検出された前記接触の軌跡により文字入力状態又は数字入力状態ではないと判断した場合に、複数のアプリケーションの中から一のアプリケーションを選択させるためのメニュー画面を前記表示部に表示させることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、少なくとも文字入力が可能なアプリケーションに基づく画面を表示可能な表示部を備える携帯電子機器の制御方法であって、前記表示部への接触を検出する検出工程と、前記表示部に初期画面が表示された状態において、前記検出工程において検出される前記表示部への接触に応じて前記表示部への接触の軌跡を判定し、判定された前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、前記アプリケーションを起動させる起動工程と、を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容易に文字入力が可能なアプリケーションを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機の外観斜視図である。
【図2】携帯電話機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話機の制御方法について説明するためのフローチャートである。
【図4】アプリケーションの起動処理又はメニュー画面の表示処理を行う場合の、携帯電話機の動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明の携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の基本構造について、図1を参照しながら説明する。図1は、携帯電子機器の一実施形態に係る携帯電話機1の外観斜視図である。
【0020】
携帯電話機1は、筐体2を備える。筐体2には、正面部に、タッチパネル10と、マイク13と、スピーカ14とが配置される。
タッチパネル10は、表示部11と、検出部12とを備える(図2参照)。表示部11は、液晶表示パネル又は有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示パネル等である。検出部12は、ユーザの指やタッチペン等の接触物により触れられた位置等を検出するセンサである。検出部12には、例えば、静電容量方式や抵抗膜方式等のセンサが利用可能である。
マイク13は、携帯電話機1のユーザが通話時に発した音声を入力するために用いられる。
スピーカ14は、通話の相手が発した音声を出力するために用いられる。
【0021】
次に、図2を参照しながら、携帯電話機1の機能構成について説明する。図2は、携帯電話機1の機能構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、上述した、タッチパネル10(表示部11及び検出部12)と、マイク13と、スピーカ14とを備える。さらに、携帯電話機1は、通信部15と、メモリ16と、中央演算処理部(CPU17)とを備える。
【0022】
通信部15は、メインアンテナ(不図示)とRF回路部(不図示)とを備え、所定の通信先と通信を行う。通信部15が通信を行う通信先は、携帯電話機1と電話やメールの送受信を行う外部装置や、携帯電話機1がインターネットの接続を行う外部のwebサーバ等の外部装置等である。
通信部15は、所定の使用周波数帯で外部装置と通信を行う。具体的には、通信部15は、上記のメインアンテナによって受信した信号を復調処理し、処理後の信号を制御部19に供給する。また、通信部15は、CPU17(後述する制御部19)から供給された信号を変調処理し、上記のメインアンテナを介して外部装置(基地局)に送信する。
【0023】
メモリ16は、例えば、ワーキングメモリを含み、CPU17(制御部19)による演算処理に利用される。また、メモリ16には、携帯電話機1の内部で動作する様々なアプリケーションによって利用されるデータやテーブル等が格納されている。また、メモリ16は、着脱可能な外部メモリを兼ねていてもよい。
CPU17(制御部19)は、携帯電話機1の全体を制御しており、通信部15及び表示部11に対して所定の制御を行う。さらに、CPU17(制御部19)は、検出部12による検出結果を受け取り、その検出結果を各種操作入力として各種処理を実行する。
【0024】
このように構成される携帯電話機1は、容易に文字入力が可能なアプリケーションを利用することが可能な機能を有する。以下に、携帯電話機1に係る上記機能を発揮するための構成と動作について詳述する。
【0025】
CPU17は、起動部18と、制御部19とを備える。
起動部18は、少なくとも文字入力が可能なアプリケーションを起動する。文字入力が可能なアプリケーションの具体例には、メモ帳アプリケーション、メールアプリケーション、ブラウザアプリケーション及びアドレス帳アプリケーション等を挙げることができる。
【0026】
表示部11は、起動部18によって起動されたアプリケーションに基づく画面を表示する。すなわち、表示部11は、起動部18によりアプリケーションが起動される場合に、アプリケーションに入力された文字(入力文字)を制御部19の制御に基づいて表示する。メモ帳アプリケーションを例にして具体的に説明すると、表示部11は、起動部18によってメモ帳アプリケーションが起動された場合に、メモ帳アプリケーションに基づくメモ帳の文字を入力するための領域に入力文字を表示すると共に、所定の操作が行われ文字が入力されたときに文字を入力するための画面を表示する。
さらに、表示部11は、通信を待ち受けているとき、又はアプリケーションの起動を待ち受けているときに初期画面を表示する。
【0027】
検出部12は、ユーザの指やタッチペン等の接触物による表示部11への接触を検出する。これにより、検出部12は、接触物により表示部11がタッチされた状態(接触物が表示部11の表面を移動していない状態)、及び接触物が表示部11の表面を移動する状態を、接触物による表示部11への接触として検出する。さらに、検出部12は、接触物によりタッチされた表示部11(検出部12)における位置の情報(位置情報)、及び表示部11(検出部12)の表面を接触物が移動する場合における接触物が移動した位置の情報(位置情報)を制御部19に出力する。
【0028】
制御部19は、表示部11に初期画面が表示された状態において、検出部12により検出される表示部11への接触に応じて表示部11への接触の軌跡を判定し、判定された接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、起動部18によりアプリケーションを起動させる。
【0029】
すなわち、制御部19は、検出部12から供給された位置情報(接触物が移動した位置の情報)に基づいて、表示部11の表面に接触しつつ移動する接触物による接触の軌跡を判定する。
さらに、制御部19は、接触物による接触の軌跡に基づいて、文字入力状態であるか否かを判断する。この判断は、例えば、次のようにして行えばよい。すなわち、制御部19は、判定された軌跡と、メモリ16に予め記憶されている文字認識データ(文字と、その文字を書くときの軌跡のパターンとを対応付けたデータ)とを比較し、判定された軌跡と文字認識データの軌跡とが一致する場合に、この文字認識データの軌跡と対応付けられた文字の入力であると判断する。一方、制御部19は、判定された軌跡と文字認識データの軌跡とが一致しない場合に、文字入力状態ではないと判断する。
制御部19は、文字入力状態であると判断した場合に、文字入力が可能なアプリケーションを起動部18により起動させる。
【0030】
次に、携帯電話機1の制御方法について説明する。図3は、携帯電話機1の制御方法について説明するためのフローチャートである。
携帯電話機1は、検出工程(ステップS1)と、起動工程(ステップS2)とを行う。
ステップS1の検出工程において、検出部12は、表示部11への接触を検出する。
ステップS2の起動工程において、制御部19は、表示部11に初期画面が表示された状態において、検出工程において検出される表示部11への接触に応じて表示部11への接触の軌跡を判定し、判定された接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、文字入力が可能なアプリケーションを起動させる。
【0031】
以上説明したように、携帯電話機1は、初期画面が表示部11に表示されているときに接触物によって表示部11(検出部12)上に文字を書くことにより、接触物による接触の軌跡に基づいて文字入力状態であると判断して、文字入力が可能なアプリケーションを起動し、アプリケーションを利用することが可能になる。よって、携帯電話機1は、アプリケーションを起動させるまでの操作回数を従来よりも少なくすることができる。
【0032】
なお、制御部19は、文字入力可能なアプリケーションを起動部18により起動させた場合、その後の文字入力を行うために、表示部11に文字入力が可能なキーを表示(配置)させてもよい。表示部11に表示されたキーが操作(タッチ)された場合、検出部12は、タッチされた位置の情報(位置情報)を制御部19に供給する。制御部19は、供給された位置情報に基づいて、いずれの文字が割り当てられたキーがタッチされたのかを判断し、この判断結果に基づいてタッチされたキーに割り当てられる文字をアプリケーションに入力させる。ここで、制御部19は、入力文字が平仮名であれば平仮名を入力可能なキーを表示部11に表示させ、入力文字が片仮名であれば片仮名を入力可能なキーを表示部11に表示させ、入力文字が英字であれば英字を入力可能なQWERTYキーを表示部11に表示させてもよい。
【0033】
また、表示部11に、ショートカットアイコン(所定のアプリケーションを起動させるためのアイコン)等の、初期画面が表示部11に表示される状態で所定の機能が割り当てられている領域が表示される場合において、接触物によって表示部11(検出部12)上のショートカットアイコン(所定の機能が割り当てられる領域)がタッチされたときには、制御部19は、文字入力状態であるか否かの判断を行わない。この場合、制御部19は、ショートカットアイコンに対応する所定のアプリケーションを起動させればよい。
【0034】
また、制御部19は、接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、入力された入力文字に基づいたアプリケーションを起動部18により起動させることが好ましい。
すなわち、接触物によって表示部11(検出部12)を介して文字が入力された場合、制御部19は、接触の軌跡と文字認識データの軌跡とを比較して文字認識を行う。制御部19は、文字認識によって入力された文字(入力文字)を特定した場合、入力文字に基づいたアプリケーションを起動部18により起動させる。さらに、制御部19は、起動部18により起動されたアプリケーションに基づく画面を表示部11に表示させるよう制御する。
【0035】
ここで、入力文字に基づいてアプリケーションを起動させる場合としては、例えば、入力文字とアプリケーションとを対応付けたデータを予めメモリ16に記憶しておき、文字認識によって入力文字が特定されたときにメモリ16に記憶されたデータを制御部19が参照して、入力文字に対応付けられたアプリケーションを起動部18により起動させればよい。
具体的な一例としては、まず、文字「あ」とアドレス帳アプリケーションとを対応付けたデータをメモリ16に記憶しておく。制御部19は、文字認識によって入力文字が「あ」であると特定した場合に、メモリ16に記憶されたデータを参照して入力文字「あ」に対応付けられたアドレス帳アプリケーションを特定し、アドレス帳アプリケーションを起動させるよう制御する。
なお、入力文字に基づいてアプリケーションを起動させる場合としては、後述するようにアプリケーション名に入力文字が含まれるアプリケーションを起動部18により起動させてもよい。
【0036】
したがって、携帯電話機1は、入力された入力文字に基づいたアプリケーションを起動させるので、文字入力状態であると判断するだけで、容易に入力文字に関連するアプリケーションを起動させることができる。
【0037】
ここで、制御部19は、入力文字に基づいたアプリケーションを起動部18により起動させる場合として、アプリケーション名に入力文字が含まれるアプリケーションを起動部18により起動させてもよい。
【0038】
すなわち、制御部19は、文字認識によって入力された文字(入力文字)を特定した場合、メモリ16に予め記憶されている複数のアプリケーション名のいずれかに入力文字が含まれているか否かを判断する。制御部19は、いずれかのアプリケーション名に入力文字が含まれていると判断した場合には、この入力文字が含まれるアプリケーション名に対応するアプリケーションを起動部18により起動させる。
【0039】
アドレス帳アプリケーションを起動する場合を例にして具体的に説明する。メモリ16には、アドレス帳アプリケーションのアプリケーション名として「アドレス帳」が記憶されている。まず、ユーザが表示部11(検出部12)の表面に「あ」と書いている場合、制御部19は、「あ」と書いているときの軌跡に基づいて文字認識を行う。制御部19は、文字認識の結果、入力文字が「あ」であると判断して、メモリ16に記憶される複数のアプリケーション名の中に「あ」を含むものが存在するか否かを判断する。制御部19は、入力文字「あ」を含むアプリケーション名として「アドレス帳」を特定し、アドレス帳アプリケーションを起動部18により起動させる。
【0040】
なお、制御部19は、上記の具体例のように、入力文字としてアプリケーション名の先頭の文字が入力された場合に、該当するアプリケーションを起動させるよう制御するばかりでなく、入力文字としてアプリケーション名における先頭の文字以外の文字が入力された場合に、該当するアプリケーションを起動させるよう制御してもよい。例えば、制御部19は、入力文字として「れ」が入力された場合に、アプリケーション名として「アドレス帳」を特定し、アドレス帳アプリケーションを起動させるよう制御してもよい。
【0041】
したがって、携帯電話機1は、入力された入力文字に基づいたアプリケーションを起動させるので、文字入力状態であると判断するだけで、容易に入力文字に関連するアプリケーションを起動させることができる。
【0042】
また、制御部19は、入力文字に基づいたアプリケーションを起動部18により起動させる場合として、入力文字に基づいて予測される複数のアプリケーション名を表示部11に表示させ、当該複数のアプリケーション名の中から選択された一のアプリケーション名に対応するアプリケーションを起動部18により起動させてもよい。
【0043】
すなわち、文字認識によって入力された文字(入力文字)が特定された場合、制御部19は、メモリ16に予め記憶されている複数のアプリケーション名の中に、入力文字から予測されるアプリケーション名が存在するか否かを判断する。制御部19は、入力文字から予測されるアプリケーション名が存在すると判断した場合には、入力文字から予測されるアプリケーション名を表示部11に表示させるよう制御する。表示部11に表示されたアプリケーション名のうちいずれか1つがユーザによって選択された場合、制御部19は、選択されたアプリケーション名に対応するアプリケーションを起動部18により起動させる。
【0044】
ここで、メモ帳アプリケーションを起動する場合を例にして具体的に説明する。メモリ16には、メモ帳アプリケーションのアプリケーション名として「メモ帳」が記憶され、メールアプリケーションのアプリケーション名として「メール」が記憶されている。
まず、ユーザが表示部11(検出部12)の表面に「め」と書いている場合、制御部19は、「め」と書いているときの軌跡に基づいて文字認識を行う。制御部19は、文字認識の結果、入力文字が「め」であると判断して、入力文字「め」から予測されるアプリケーション名が存在するか否かを判断する。制御部19は、入力文字「め」から予測されるアプリケーション名「メモ帳」及び「メール」が存在すると判断して、アプリケーション名「メモ帳」及び「メール」を表示部11に表示させるよう制御する。ユーザによって「メモ帳」が選択された場合に、制御部19は、メモ帳アプリケーションを起動部18により起動させる。
【0045】
なお、入力文字「め」から予測されるアプリケーション名を存在するか否かの判断は、アプリケーション名に入力文字「め」を含むものが存在するか否かの判断、又は、入力文字「め」とアプリケーション名とを予め対応付けたデータが存在するか否かの判断に基づいて行えばよい。
【0046】
以上説明したように、携帯電話機1は、入力文字から予測されるアプリケーション名を表示部11に表示させて、いずれかのアプリケーション名が選択された場合に、選択されたアプリケーション名に対応するアプリケーションを起動させる。よって、携帯電話機1は、容易に入力文字に関連するアプリケーションを起動させることができる。
【0047】
また、制御部19は、接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、起動部18によりアプリケーションを起動させ、入力された入力文字を当該アプリケーションに入力させることが好ましい。
すなわち、接触物によって表示部11(検出部12)を介して文字が入力された場合、制御部19は、接触の軌跡と文字認識データの軌跡とを比較して文字認識を行う。制御部19は、この文字認識によって入力された文字(入力文字)を特定した場合、起動部18によりアプリケーションを起動させて、このアプリケーションの文字入力領域に入力文字を入力させる。さらに、制御部19は、文字入力領域に入力文字が入力された状態のアプリケーションに基づく画面を表示部11に表示させるよう制御する。
【0048】
ここで、具体的な一例として、メモ帳アプリケーションを起動させる場合について説明する。制御部19は、文字認識によって入力文字が「よ」であると特定した場合に、メモ帳アプリケーションを起動する。制御部19は、メモ帳アプリケーションのメモ入力領域(文字入力領域)に入力文字「よ」を入力する。さらに、制御部19は、メモ入力領域に入力文字「よ」が入力された状態の画面を表示部11に表示させるよう制御する。
【0049】
したがって、携帯電話機1は、文字が認識されたことに基づいてアプリケーションを起動して、このアプリケーションに入力文字を入力させるので、文字入力状態であると判断するだけで、入力文字がアプリケーションに入力されて、その入力文字が表示された状態でアプリケーションを起動させることができる。
【0050】
また、制御部19は、起動部18によりアプリケーションを起動させ、入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、アプリケーションとして予め設定されたアプリケーションを起動部18により起動させ、起動されたアプリケーションに入力文字を入力させてもよい。
アプリケーションを起動させるための設定は、例えば、複数のアプリケーションの中からいずれか1つがユーザによって設定され、又は、複数のアプリケーションのうち起動回数の最も多いアプリケーションが制御部19によって設定されてもよい。
したがって、携帯電話機1は、文字が認識されたことに基づいて予め設定されたアプリケーションを起動して、このアプリケーションに入力文字を入力させるので、文字入力状態であると判断するだけで、入力文字がアプリケーションに入力されて、その入力文字が表示された状態でアプリケーションを起動させることができる。
【0051】
また、制御部19は、起動部18によりアプリケーションを起動させ、入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、接触の軌跡により文字入力状態であると判断した後に、文字入力が可能な複数のアプリケーション名を表示部11に表示させ、複数のアプリケーション名の中から選択された一のアプリケーション名に対応するアプリケーションを起動部18により起動させ、起動されたアプリケーションに入力文字を入力させてもよい。
【0052】
具体的な一例としては、ユーザが表示部11(検出部12)の表面に「よ」と書いている場合、制御部19は、「よ」と書いているときの軌跡に基づいて文字認識を行う。制御部19は、文字認識の結果、「よ」が入力されていると判断して、文字入力状態であると判断する。制御部19は、ユーザによる文字「よ」の入力が終了した場合、すなわち、「よ」を入力するために接触物の接触を検出部12が検出した後、所定期間内に検出部12が接触物の接触をさらに検出しなかった場合に、文字入力が可能なアプリケーションのアプリケーション名「メモ帳」、「メール」、「ブラウザ」及び「アドレス帳」等を表示部11に表示させるよう制御する。ユーザによって「メモ帳」が選択された場合、制御部19は、メモ帳アプリケーションを起動部18により起動させて、メモ帳アプリケーションのメモ入力領域に入力文字「よ」を入力させる。
【0053】
以上説明したように、携帯電話機1は、文字が認識されたことに基づいて文字入力可能なアプリケーションのアプリケーション名を表示部11に表示させ、選択されたアプリケーション名に対応するアプリケーションを起動させ、起動されたアプリケーションに入力文字を入力させる。よって、携帯電話機1は、文字入力状態であると判断するだけで、入力文字がアプリケーションに入力されて、その入力文字が表示された状態でアプリケーションを起動させることができる。
【0054】
制御部19は、起動部18によりアプリケーションを起動させ、入力文字をそのアプリケーションに入力させる場合として、接触の軌跡により文字入力状態であると判断した後に、入力文字に基づいて予測される複数の単語を表示部11に表示させ、複数の単語の中から一の単語が選択されると、起動部18によりアプリケーションを起動させ、選択された単語をそのアプリケーションに入力させてもよい。
【0055】
すなわち、制御部19は、文字認識によって入力文字を特定した場合、入力文字を単語に変換するための複数の予測変換候補(単語)を表示部11に表示させる。ユーザによって複数の予測変換候補の中から1つが選択された場合、制御部19は、選択された予測変換候補を、起動部18に起動されたアプリケーションに入力させる。
具体的な一例としては、制御部19は、文字認識によって入力文字が「め」であると特定した場合、「め」を単語に変換するための予測変換候補「メロン」及び「めだか」等を表示部11に表示させる。ユーザにより「メロン」が選択された場合、制御部19は、起動部18により起動されたアプリケーションの文字入力領域に「メロン」を入力させる。
【0056】
なお、起動部18により起動されるアプリケーションは、上述したように、予め設定されたアプリケーションを起動部18により起動させてもよく、複数のアプリケーション名の中から選択された一のアプリケーション名に対応するアプリケーションを起動部18により起動させてもよい。
【0057】
したがって、携帯電話機1は、入力文字に基づいて予測される複数の単語(予測変換候補)の中から1つが選択された場合に、起動されたアプリケーションの文字入力領域に選択された単語を入力させるので、単語がアプリケーションに入力されて、その入力文字が表示された状態でアプリケーションを起動させることができる。
【0058】
また、起動部18は、発呼アプリケーションを起動することが可能であることが好ましい。この場合、制御部19は、接触の軌跡により数字入力状態であると判断することが可能であり、検出部12により検出された接触の軌跡により数字入力状態であると判断した場合に、起動部18により発呼アプリケーションを起動させることが好ましい。
【0059】
すなわち、制御部19は、検出部12から供給された位置情報(接触物が移動した位置の情報)に基づいて、表示部11の表面に接触しつつ移動する接触物による接触の軌跡を判定する。
さらに、制御部19は、接触物による接触の軌跡に基づいて、数字入力状態であるか否かを判断する。この判断は、例えば、次のようにして行えばよい。すなわち、制御部19は、判定された軌跡と、メモリ16に予め記憶されている数字認識データ(数字と、その数字を書くときの軌跡のパターンとを対応付けたデータ)とを比較し、判定された軌跡と数字認識データの軌跡とが一致する場合に、この数字認識データの軌跡と対応付けられた数字の入力であると判断する。一方、制御部19は、判定された軌跡と数字認識データの軌跡とが一致しない場合に、数字入力状態ではないと判断する。
制御部19は、数字入力状態であると判断した場合に、発呼アプリケーションを起動部18により起動させる。
【0060】
なお、発呼アプリケーションは、通信部15を利用して電話をかけることが可能なアプリケーションである。
したがって、携帯電話機1は、接触物による接触の軌跡に基づいて数字入力状態であると判断した場合に、発呼アプリケーションを起動するので、容易に発呼アプリケーションを起動することができる。
【0061】
なお、制御部19は、発呼アプリケーションを起動部18により起動させた場合、その後の数字入力を行うために表示部11に数字入力が可能なキーを表示(配置)させてもよい。このキーが操作(タッチ)された場合、制御部19は、操作されたキーに割り当てられる数字を発呼アプリケーションに入力させる。
また、制御部19は、数字入力状態であると判断する場合、検出部12により接触物の接触を検出しなくなってから所定時間経過後に数字入力状態であると判断してもよい。これにより、制御部19は、例えば、文字「は」を入力するために縦長の線が引かれたのか、又は数字の「1」が入力されたのかを区別することが可能になる。
【0062】
なお、上述の実施形態においては、判定された軌跡と文字認識データ又は数字認識データの軌跡とが一致している場合に、これらのデータに対応付けられた文字又は数字の入力であると判断しているが、判定された軌跡と文字認識データ又は数字認識データの一部とが一致している場合に、これらのデータに対応付けられた文字又は数字の入力であると判断してもよい。
【0063】
また、制御部19は、検出部12により検出された接触の軌跡により文字入力状態又は数字入力状態ではないと判断した場合に、複数のアプリケーションの中から一のアプリケーションを選択させるためのメニュー画面を表示部11に表示させることが好ましい。
【0064】
制御部19は、接触物による接触の軌跡に基づいて、文字入力状態又は数字入力状態であるか否かを判断する。この判断は、例えば、接触物の接触の軌跡と、上述した文字認識データ及び数字認識データとを比較し、接触物の接触の軌跡が、文字認識データの軌跡及び数字認識データの軌跡のいずれとも一致しない場合に、文字入力状態及び数字入力状態のいずれでもないと判断すればよい。制御部19は、文字入力状態及び数字入力状態のいずれでもないと判断した場合に、表示部11に表示される初期画面をメニュー画面に変更するよう制御する。
【0065】
したがって、携帯電話機1は、文字入力状態又は数字入力状態ではないと判断した場合、接触物による接触がタッチ接触であると判断し、メニュー画面を表示部11に表示させることにより、複数のアプリケーションの中からいずれか1つをユーザに選択させることができる。
【0066】
次に、アプリケーションを起動させる又はメニュー画面を表示部11に表示させるときの、携帯電話機1の動作について説明する。図4は、アプリケーションの起動処理又はメニュー画面の表示処理を行う場合の、携帯電話機1の動作について説明するためのフローチャートである。
【0067】
ステップS11において、制御部19は、表示部11に初期画面が表示されているときに、接触物によって文字入力又は数字入力が行われたか否かを判断する。すなわち、表示部11(検出部12)に接触物が接触したときの軌跡に基づいて、文字入力状態であるか、数字入力状態であるか、又は、文字入力状態及び数字入力状態のいずれでもないかを判断する。文字入力であると判断した場合には、ステップS12に進む。数字入力であると判断した場合には、ステップS13に進む。文字入力及び数字入力のいずれでもないと判断した場合には、ステップS14に進む。
【0068】
ステップS12において、制御部19は、入力文字に基づいて文字入力が可能なアプリケーションを起動部18により起動させる。
ステップS13において、制御部19は、発呼アプリケーションを起動部18により起動させる。
ステップS12又はステップS13の処理が行われることにより、アプリケーションの起動処理が終了する。この後、起動された各アプリケーションに対応する処理が行われる。
【0069】
ステップS14において、制御部19は、メニュー画面を表示部11に表示させる。ステップS14の処理が行われることにより、メニュー画面の表示処理が終了する。この後、例えば、メニュー画面の中から任意のアプリケーションが選択されることにより、起動部18は、選択されたアプリケーションを起動させる処理を行う。
以上説明したように、携帯電話機1は、アプリケーションを起動させるまでの操作回数を従来よりも少なくすることができる。
【0070】
以上説明したように、上述した実施形態では、本発明が携帯電話機1に適用される場合を例示して説明した。しかしながら、本発明は、この実施形態に限定されることはなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistant)やポータブルナビゲーションデバイス等の携帯電子機器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 携帯電話機(携帯電子機器)
10 タッチパネル
11 表示部
12 検出部
18 起動部
19 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも文字入力が可能なアプリケーションを起動する起動部と、
前記アプリケーションに基づく画面を表示する表示部と、
前記表示部への接触を検出する検出部と、
前記表示部に初期画面が表示された状態において、前記検出部により検出される前記表示部への接触に応じて前記表示部への接触の軌跡を判定し、判定された前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、前記起動部により前記アプリケーションを起動させる制御部と、を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、入力された入力文字に基づいた前記アプリケーションを前記起動部により起動させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記入力文字に基づいた前記アプリケーションを前記起動部により起動させる場合として、アプリケーション名に前記入力文字が含まれるアプリケーションを前記起動部により起動させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力文字に基づいた前記アプリケーションを前記起動部により起動させる場合として、前記入力文字に基づいて予測される複数のアプリケーション名を前記表示部に表示させ、当該複数のアプリケーション名の中から選択された一のアプリケーション名に対応するアプリケーションを前記起動部により起動させることを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、入力された入力文字を当該アプリケーションに入力させることを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、前記アプリケーションとして予め設定されたアプリケーションを前記起動部により起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させることを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記制御部は、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した後に、文字入力が可能な複数のアプリケーション名を前記表示部に表示させ、前記複数のアプリケーション名の中から選択された一のアプリケーション名に対応するアプリケーションを前記起動部により起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させることを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、前記入力文字を当該アプリケーションに入力させる場合として、前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した後に、前記入力文字に基づいて予測される複数の単語を前記表示部に表示させ、前記複数の単語の中から一の単語が選択されると、前記起動部により前記アプリケーションを起動させ、選択された前記単語を当該アプリケーションに入力させることを特徴とする請求項5に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記起動部は、発呼アプリケーションを起動することが可能であり、
前記制御部は、前記接触の軌跡により数字入力状態であると判断することが可能であり、前記検出部により検出された前記接触の軌跡により数字入力状態であると判断した場合に、前記起動部により前記発呼アプリケーションを起動させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記制御部は、前記検出部により検出された前記接触の軌跡により文字入力状態又は数字入力状態ではないと判断した場合に、複数のアプリケーションの中から一のアプリケーションを選択させるためのメニュー画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項9に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
少なくとも文字入力が可能なアプリケーションに基づく画面を表示可能な表示部を備える携帯電子機器の制御方法であって、
前記表示部への接触を検出する検出工程と、
前記表示部に初期画面が表示された状態において、前記検出工程において検出される前記表示部への接触に応じて前記表示部への接触の軌跡を判定し、判定された前記接触の軌跡により文字入力状態であると判断した場合に、前記アプリケーションを起動させる起動工程と、を行うことを特徴とする携帯電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−128704(P2011−128704A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284225(P2009−284225)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】