説明

携帯電子機器及び携帯電子機器の画像表示方法

【課題】携帯電子機器の表示部に表示される画像の小容量化を実現し、かつ動きに変化のある画像を携帯電子機器の表示部に表示させること。
【解決手段】携帯電子機器1は、待ち受け画像を表示する表示部17と、待ち受け画像を構成するための複数の静止画像の情報を保存する記憶部と、待ち受け画像を表示部17に表示させる際に、複数の静止画像を重ねて表示可能な第1の表示制御を行う処理部12とを備える。複数の静止画像は、それぞれの画像における画像構成要素の配される位置と色との少なくとも一方が異なる。処理部12は、複数の静止画像のうち、先に一の静止画像を表示したまま、後から他の静止画像をフェードインして重畳表示させ、少なくとも二つの静止画像が重畳表示される状態で、後から表示させた静止画像を表示させたまま、先に表示させた静止画像をフェードアウトさせることを繰り返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する表示部を備える携帯電子機器及び携帯電子機器の画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の携帯電子機器は、多彩な情報を多彩なデザインで表示部に表示できるようになっている。例えば、特許文献1には、携帯電子機器の表示部に動画を表示できるものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−300241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電子機器の表示部に動画を表示させるためには、大容量のメモリが必要となる。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、携帯電子機器の表示部に表示される画像の小容量化を実現し、かつ動きに変化のある画像を携帯電子機器の表示部に表示させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る携帯電子機器は、所定の画像を表示する表示部と、前記所定の画像を構成するための画像の情報であって、それぞれの画像における画像構成要素の配される位置及び/又は画像構成要素の色が異なる複数の静止画像の情報を保存する記憶部と、前記表示部に前記所定の画像を表示させる際に、当該所定の画像として、前記複数の静止画像を重ねて表示可能な第1の表示制御を行う処理部と、を備え、前記処理部は、前記第1の表示制御で、前記所定の画像を表示している際に、前記複数の静止画像のうち、先に一の静止画像を表示したまま、後から他の静止画像をフェードインして重畳表示させ、少なくとも二つの静止画像が重畳表示される状態で、後から表示させた静止画像を表示させたまま、先に表示させた静止画像をフェードアウトさせ、当該フェードインとフェードアウトとを繰り返す構成としたものである。
【0006】
本発明に係る携帯電子機器は、所定の画像を表示する表示部と、少なくとも一つの静止画像である基準画像の情報を保存する記憶部と、前記表示部に前記所定の画像を表示させる際に、前記基準画像から、当該基準画像の構成要素の配される位置及び/又は構成要素の色を異ならせた加工画像を生成し、前記所定の画像として、前記基準画像と前記加工画像とを重ねて表示可能な第1の表示制御を行う処理部と、を備え、前記処理部は、前記第1の表示制御で、前記所定の画像を表示している際に、基準画像及び加工画像のうち、一の画像を表示させた状態で、後から他の画像をフェードインして重畳表示させ、二つの画像が重畳表示される状態で、後から表示させた画像を表示させたまま、先に表示させた画像をフェードアウトさせ、当該フェードインとフェードアウトとを繰り返す構成としたものである。
【0007】
また、本発明の携帯電子機器において、前記基準画像は、前記表示部の表示可能サイズよりも大きい静止画であり、前記加工画像は、前記基準画像の表示範囲を変更した画像としてもよい。
【0008】
また、本発明の携帯電子機器において、前記基準画像は、前記表示部の表示可能サイズよりも大きい静止画であり、前記処理部は、前記加工画像を、前記基準画像の構成要素の配される色をピクセル毎に異ならせることで生成してもよい。
【0009】
また、本発明の携帯電子機器において、前記加工画像と前記基準画像との互いに対応する座標のピクセルは、階調差により色の差が与えられ、前記処理部は、前記基準画像における所定の座標における所定のピクセルが、階調差の大きいエリアにあるピクセルであるか否かを判定し、階調差が大きいピクセルの場合には、当該ピクセルに対応する加工画像におけるピクセルの階調を、階調差の小さいエリアのピクセルの場合よりも大きく変更してもよい。
【0010】
また、本発明の携帯電子機器において、前記処理部は、先に表示されている画像について、その透過率を時間の経過とともに徐々に上げ、その透過率が最大値になると前記先に表示されている画像を消すことにより前記フェードアウトを行い、透過率を最大にした状態で新たな画像を表示させ、その透過率を時間の経過とともに徐々に下げることで前記フェードインを行うようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の携帯電子機器において、前記記憶部には、前記第1の表示制御において用いる静止画像が第1のデザイン情報として保存されており、当該第1のデザイン情報とは異なる画像情報を有する第2のデザイン情報と、前記携帯電子機器の製造IDとがさらに保存され、前記処理部は、前記製造IDに基づいて、前記所定の画像を、前記第2のデザイン情報を用いた第2の表示制御と前記第1の表示制御とのいずれかにより表示するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の携帯電子機器において、前記製造IDは文字列を含んで構成され、当該文字列の一部には、前記携帯電子機器の筐体のデザインを一義的に示す情報が含まれているようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の携帯電子機器において、前記製造IDは文字列を含んで構成され、当該文字列の一部には、前記携帯電子機器の筐体の色を一義的に示す情報が含まれているようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の携帯電子機器において、前記表示部が設けられ、開閉可能に構成される筐体を備え、前記処理部は、前記筐体の状態が開状態になる、あるいは閉状態が解除されると、前記所定の画像の表示を前記表示部に行わせてもよい。
【0015】
本発明に係る携帯電子機器の画像表示方法は、記憶部と表示部とを有する携帯電子機器における画像表示方法であって、前記記憶部に保存される静止画像を用いて所定の画像を前記表示部に表示させる第1工程を備え、前記第1工程には、一の静止画像を表示した状態で、当該静止画像の画像構成要素の配される位置及び/又は色を異ならせた他の静止画像をフェードインさせる第2工程と、前記第2工程においてフェードインさせた静止画像を表示させた状態で、先に表示していた静止画像をフェードアウトさせる第3工程とを含む構成としたものである。
【0016】
本発明に係る携帯電子機器の画像表示方法は、それぞれの画像における画像構成要素の配される位置及び/又は色が異なる複数の静止画像が保存される記憶部と、表示部とを有する携帯電子機器における画像表示方法であって、前記記憶部に保存される複数の静止画像を用いて所定の画像を前記表示部に表示させる第1工程を備え、前記第1工程においては、所定の静止画像を表示した状態で、当該所定の静止画像とは異なる静止画像をフェードインさせて重畳表示させる第2工程と、後から表示された静止画像を表示させた状態で、先に表示していた静止画像をフェードアウトさせる第3工程と、前記第2工程と前記第3工程とを繰り返す第4工程と、を含む構成としたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、携帯電子機器の表示部に表示される画像の小容量化を実現し、かつ動きに変化のある多彩なデザインを携帯電子機器の表示部に表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯電子機器として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、例えば、PHS(Personal Handyphone System)、PDA、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン、ゲーム機等に対しても本発明は適用できる。
【0019】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る携帯電子機器の正面図である。図2は、実施形態1に係る携帯電子機器の側面図である。図3は、実施形態1に係る携帯電子機器を閉じた状態を示す図である。まず、携帯電子機器の構成を説明する。携帯電子機器1は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。携帯電子機器1は、筐体1Cが第1筐体1CAと第2筐体1CBとで開閉可能に構成された、折り畳み式の携帯電話機である。図1、図2は、携帯電子機器1を開いた状態を示し、図3は、携帯電子機器1を閉じた状態を示す。
【0020】
まず、携帯電子機器1の構成を説明する。第1筐体1CAには、表示部として、図1に示すメインディスプレイ2Mが設けられる。また、第1筐体1CAには、同じく表示部として図3に示すサブディスプレイ2Sが設けられる。メインディスプレイ2Mとサブディスプレイ2Sとは、第1筐体1CAの対向する面にそれぞれ配置されており、携帯電子機器1を閉じたときには、サブディスプレイ2Sをユーザーが目視できるように構成される。
【0021】
メインディスプレイ2Mは、所定の画像として、携帯電子機器1が受信を待機している状態のときに待ち受け画像を表示したり、携帯電子機器1の操作を補助するために用いられるメニュー画像を表示したりする。ここで、待ち受け画像とは、携帯電子機器1が通信(バックグラウンド動作を除く)しておらず、かつユーザーからの操作も発生しておらず、かつユーザーからの指示を待ち受けている場合に、メインディスプレイ2Mに表示されるものであって、壁紙ともいう。待ち受け画像は、静止画、動画のいずれも含み、前述した条件で表示されるものであれば、スクリーンセーバーと称されるものも待ち受け画像に含まれる。サブディスプレイ2Sは、図3に示すように、携帯電子機器1を閉じている状態において、携帯電子機器1の電池の残量や電波の受信状態等を表示する。また、第1筐体1CAには、携帯電子機器1の通話時に音声を発するスピーカ6が設けられる。
【0022】
第2筐体1CBには、通話相手の電話番号や、メール作成時等に文字を入力するための操作キー3が複数設けられ、また、メインディスプレイ2Mに表示されるメニューの選択及び決定や画面のスクロール等を容易に実行するための方向及び決定キー4が設けられる。第2筐体1CBにはアンテナ7が設けられており、携帯電子機器1と基地局との間における送受信に用いられる。なお、操作キー3及び方向及び決定キー4は、携帯電子機器1の操作部を構成する。
【0023】
図2に示すように、本実施形態において、第2筐体1CBの一つの側部(操作キー3や方向及び決定キー4が設けられる面と略直交する面のうちの一つ)には、通信用端子8が設けられる。通信用端子8は、第2筐体1CB内に設けられる記憶部に第2筐体1CBの外部から情報を保存したり、前記記憶部に保存される情報を第2筐体1CBの外部へ取り出したりする際に用いられる。前記記憶部に保存される情報は、例えば、携帯電子機器1の制御に用いるソフトウェアや画像データ、あるいは音声データ等である。また、第2筐体1CBには、携帯電子機器1の通話時に音声を受け取るマイク5が設けられる。
【0024】
第1筐体1CAと第2筐体1CBとは、ヒンジ9で連結されている。これによって、第1筐体1CA及び第2筐体1CBは、ヒンジ9を中心としてともに回動して、互いに遠ざかる方向及び互いに接近する方向(図2の矢印Rで示す方向)に回動できるように構成される。第1筐体1CAと第2筐体1CBとが互いに遠ざかる方向に回動すると携帯電子機器1が開き、第1筐体1CAと第2筐体1CBとが互いに接近する方向に回動すると携帯電子機器1が閉じる。
【0025】
図4は、実施形態1に係る携帯電子機器の機能を説明するブロック図である。携帯電子機器1は、通信部11と、処理部12と、記憶部13と、音声処理部14と、マイク5(MIC)と、スピーカ6(SP)と、表示部17と、操作部18とを有する。通信部11は、アンテナ7を備えており、基地局のいずれかによって割り当てられるチャネルを介して、前記基地局との間で無線通信を行う。
【0026】
処理部12は、携帯電子機器1の全体的な動作を統括的に制御する。すなわち、携帯電子機器1の各種の処理が、操作部18の操作や携帯電子機器1の記憶部13に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部11や表示部17等の動作を制御する。携帯電子機器1の各種の処理としては、例えば、回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成及び送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧等がある。また、通信部11や表示部17等の動作としては、例えば、通信部11における信号の送受信、表示部17における画像の表示等があり、音声処理部14の動作としては、音声の入出力等がある。
【0027】
処理部12は、記憶部13に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。処理部12は、例えば、マイクロプロセッサユニット(MPU:Micro Processor Unit)で構成され、前記ソフトウェアで指示された手順にしたがって上述した携帯電子機器1の各種の処理を実行する。すなわち、処理部12は、記憶部13に保存されるオペレーティングシステムプログラムやアプリケーションプログラム等から命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
【0028】
処理部12は、複数のアプリケーションプログラムを実行する機能を有する。処理部12が実行するアプリケーションプログラムとしては、例えば、携帯電子機器1がリセットされてから最初に電源起動したときに携帯電子機器1の初期設定をするアプリケーションプログラム、画像ファイルをデコードするアプリケーションプログラム、及びデコードして得られる画像を表示部17に表示するアプリケーションプログラム等の複数のアプリケーションプログラムがある。このため、処理部12は、主処理部12aと、筐体開閉検知部12bと、画像表示処理部12cと、デコード処理部12dと、表示制御部12eと、ファイルシステム制御部12fとを含んで構成される。
【0029】
筐体開閉検知部12bは、主処理部12aによる制御の下、図1に示す携帯電子機器1の筐体1Cの閉状態を検知して、これを画像表示処理部12cへ通知する。筐体1Cが閉状態でない場合、すなわち、筐体1Cが開状態であることを通知された画像表示処理部12cは、待ち受け画像表示タスク13aを実行する。本実施形態において、待ち受け画像表示タスク13aは、例えば、待ち受け画像の表示が必要になった場合に、表示すべき待ち受け画像を記憶部13から読み出してデコードし、メインディスプレイ2Mに表示するものである。また、待ち受け画像表示タスク13aは、待ち受け画像の表示用に用意されたデータファイルを記憶部13から読み出し、読み出された待ち受け画像をデコードし、表示部17に表示するものである。
【0030】
ここで、待ち受け画像の表示が必要になった場合とは、例えば、携帯電子機器1の筐体1Cが開状態にあることを筐体開閉検知部12bが検知した場合や、通信や操作画面が終了した場合等である。このような場合、画像表示処理部12cは、待ち受け画像表示タスク13aを実行して、表示すべき待ち受け画像を表示部17に表示する。筐体開閉検知部12bが筐体1Cの閉状態を検知した場合、画像表示処理部12cは、サブディスプレイ2Sに、受信状態や電池の残量といった必要最小限の表示をする。
【0031】
なお、本実施形態において、処理部12の処理負荷が軽減される状態に移行したときに、記憶部13から次にデコードすべき待ち受け画像の情報を読み出してデコードするように、待ち受け画像表示タスク13aを構成してもよい。これによって、画像表示処理部12cは、処理部12の空き時間に待ち受け画像のデコードを実行するので、処理部12をより効果的に利用できるとともに、所定のイベントが発生してから待ち受け画像を表示するまでのタイムラグを低減できる。ここで、処理部12の処理負荷が軽減される状態とは、携帯電子機器1の筐体1Cが閉状態にある場合等である。筐体開閉検知部12bが筐体1Cの閉状態を検出したとき、すなわち、携帯電子機器1の筐体1Cの開状態を検出しなくなったときに、携帯電子機器1の筐体1Cが閉状態であることが検知される。
【0032】
主処理部12aは制御中枢となり、筐体開閉検知部12b、画像表示処理部12c、デコード処理部12d、表示制御部12e、ファイルシステム制御部12fのシーケンス制御を司る。また、筐体開閉検知部12b、画像表示処理部12c、デコード処理部12d、表示制御部12e、ファイルシステム制御部12fがそれぞれ有する機能は、処理部12及び記憶部13で構成されるハードウェア資源が、主処理部12aによって割り当てられるタスクを実行することにより実現される。ここで、タスクとは、アプリケーションソフトウェアが行っている処理全体、又は同じアプリケーションソフトウェアが行っている処理のうち、同時に実行できない処理単位である。
【0033】
本実施形態において、前記ハードウェア資源が割り当てられるタスクのうち代表的なものは、待ち受け画像表示タスク13a、デコードタスク13b、表示制御タスク13c、ファイルシステム制御タスク13dである。これらのタスクは、例えば、記憶部13に保存される。デコードタスク13bはデコード処理部12dによって実行され、表示制御タスク13cは表示制御部12eによって実行され、ファイルシステム制御タスク13dはファイルシステム制御部12fによって実行される。
【0034】
待ち受け画像表示タスク13aは、少なくとも携帯電子機器1が受信待機状態になっているときに、携帯電子機器1の表示部17のうち、主にメインディスプレイ2Mに表示される待ち受け画像を表示する機能を有する。デコードタスク13bは、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やGIF(Graphic Interchange Format)等の画像形式の画像データ、あるいはFlash(登録商標、以下同様)等の画像データをRGB(Red Green Blue)データにデコード変換する機能を有する。表示制御タスク13cは、メインディスプレイ2Mへ待ち受け画像やメニュー画像、あるいはスクリーンセーバー等を表示する制御や、サブディスプレイ2Sへ時計や受信状態を表示する制御を実行する機能を有する。ファイルシステム制御タスク13dは、待ち受け画像やメニュー画像、あるいはスクリーンセーバー等をメインディスプレイ2Mに表示する際に用いるJPEGやGIF等の画像データや、待ち受け画像等を生成する画像のパッケージファイルを管理する機能を有する。
【0035】
本実施形態において、処理部12を構成する主処理部12a、筐体開閉検知部12b、画像表示処理部12c、デコード処理部12d、表示制御部12e、ファイルシステム制御部12fがそれぞれ有する機能は、記憶部13に保存されるタスクを処理部12で実行することにより実現されるものである。したがって、処理部12内において、主処理部12a、筐体開閉検知部12b、画像表示処理部12c等は、それぞれ物理的に区別されて構成されるものではなく、本実施形態では、あくまで説明の便宜上、主処理部12a、筐体開閉検知部12b、画像表示処理部12c等を分けて説明するものである。なお、処理部12内において、主処理部12a、筐体開閉検知部12b、画像表示処理部12c等を、それぞれ物理的に区別して、すなわち、それぞれの機能を実現する専用のハードウェアとして構成してもよい。
【0036】
記憶部13には、表示部17に表示される画像データが保存される画像データ保存部13eが設けられる。なお、記憶部13には、上述したタスクの他、さらに、処理部12での処理に利用されるソフトウェアやデータが保存される。例えば、通信、ダウンロードされた画像データや音声データ等、あるいは記憶部13に対する制御に処理部12が用いるソフトウェア、通信相手の電話番号やメールアドレス等を保存し、管理するアドレス帳、発信音や着信音等の音声ファイル、ソフトウェアの処理過程で用いられる一時的なデータ等が記憶部13に保存される。なお、ソフトウェアの処理過程で用いられるコンピュータプログラムや一時的なデータは、処理部12の主処理部12aによって記憶部13に割り当てられた作業領域へ一時的に保存される。記憶部13は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(ROM:Read Only Memory等の不揮発性半導体メモリ、ハードディスク装置等)や、読み書き可能な記憶デバイス(例えば、SRAM:Static Random Access Memory、DRAM:Dynamic Random Access Memory)等で構成される。
【0037】
音声処理部14は、スピーカ6から出力される音声信号やマイク5に入力される音声信号の処理を実行する。すなわち、音声処理部14は、マイク5から入力される音声を増幅し、AD変換(Analog Digital変換)を実行した後さらに符号化等の信号処理を施して、ディジタルの音声データに変換して処理部12へ出力する。また、処理部12から送られる音声データに対して復号化、DA変換(Digital Analog変換)、増幅等の処理を施してアナログの音声信号に変換してから、スピーカ6へ出力する。
【0038】
表示部17は、携帯電子機器1の筐体1Cを閉じたときに隠れ、開いたときに露出するメインディスプレイ2Mと、筐体1Cを閉じたときでも筐体1Cの外側に露出するサブディスプレイ2Sとで構成される。メインディスプレイ2M及びサブディスプレイ2Sは、例えば、液晶表示パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルのような表示デバイスで構成されており、処理部12から送られる映像信号(待ち受け画像やメニュー画像等の映像信号であり、静止画、動画を含む)に応じた画像を表示する。メインディスプレイ2Mには、例えば、待ち受け画像、メニュー画像、発信時における発信相手の電話番号、着信時における着信相手の電話番号、受信メールや送信メールの内容、バッテリの残量、発信成否、待ち受け画像、メニュー画像等の各種の情報が表示される。また、サブディスプレイ2Sには、日付や時刻、受信状態、バッテリ残量等が表示される。
【0039】
操作部18は、図1に示す操作キー3や方向及び決定キー4を含んで構成されている。操作キー3は複数のキーで構成され、また、方向及び決定キー4は複数のスイッチで構成される。複数のキーや複数のスイッチには、電源、通話、数字、文字、方向、決定、発信等、携帯電子機器1の操作に必要な各種の機能が割り当てられている。そして、操作キー3や方向及び決定キー4がユーザーによって操作されることにより、操作キー3や方向及び決定キー4は、その操作内容に割り当てられた信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザーの指示として処理部12へ入力される。
【0040】
次に、本実施形態に係る携帯電子機器の画像表示方法(以下画像表示方法という)を説明するとともに、本実施形態に係る画像表示方法を用いて携帯電子機器1の表示部17に所定の画像を表示させる処理を説明する。以下の説明において、表示部17に表示させる所定の画像は、待ち受け画像とする。また、表示部17は、メインディスプレイ2M及びサブディスプレイ2Sを含むが、以下においては、待ち受け画像を表示部17のメインディスプレイ2Mに表示させるものとして説明する。
【0041】
図5は、本実施形態に係る画像表示方法により画像を表示させる処理の一例を示す流れ図である。図6は、画像パッケージファイルの概念図である。本実施形態では、画像パッケージファイル50のデータに基づいて、待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示させる。画像パッケージファイル50は、図6に示すように、待ち受け画像として表示される画像のデータ(画像情報)51及びその処理方法の情報(処理情報)52がパッケージ化され、かつ所定のデータサイズ(例えば100kB)を超えない単一のデータファイルとして取り扱われるファイルである。画像パッケージファイル50として、本実施形態ではFlashを用い、Flashによって本実施形態に係る画像表示方法を実現する。なお、画像パッケージファイルとしては、例えば、Java(登録商標、以下同様)等で記述されたデータファイルを用いてもよい。
【0042】
Flashは、図4に示す携帯電子機器1のメインディスプレイ2Mに表示される画像の背景の色について指定する背景情報と、背景上に表示する表示オブジェクトを指定するオブジェクト情報と、表示オブジェクトの処理や動作について指定するオブジェクト処理命令とを含んで構成される。図6に示す画像パッケージファイル50をFlashのデータに対応させると、例えば、背景情報及びオブジェクト情報が画像情報51に格納され、オブジェクト処理命令が処理情報52に格納されて、単一のデータファイル、すなわちFlashのデータファイルを構成する。Flashは、オブジェクトに対して多彩な動作や処理を指定することが可能なので、本実施形態に係る画像生成方法を簡易に実現できる。
【0043】
待ち受け画像は、所定のイベントが発生したときに携帯電子機器1のメインディスプレイ2Mに表示される。所定のイベントとは、例えば、携帯電子機器1が受信を待ち受けている状態、すなわち待ち受け状態が発生したときである。ここで、待ち受け状態とは、携帯電子機器1が網側からの着信あるいは呼び出しを待機している状態である。例えば、図4に示す処理部12の主処理部12aは、携帯電子機器1の筐体1Cの状態が開状態になること、あるいは閉状態が解除されたことのいずれかを筐体開閉検知部12bが検知した場合に、携帯電子機器1は待ち受け状態であると判断する。そして、待ち受け状態である場合、主処理部12aは、処理部12の画像表示処理部12cに、携帯電子機器1のメインディスプレイ2Mへ待ち受け画像の表示を行わせる。携帯電子機器1が待ち受け状態でない場合(ステップS101:No)、待ち受け画像は表示されない。
【0044】
携帯電子機器1が待ち受け状態となった場合(ステップS101:Yes)、待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示させることができる状態になる。この場合、主処理部12aは、画像表示処理部12cに制御を移す。すなわち、主処理部12aは、処理部12及び記憶部13のハードウェア資源を、待ち受け画像表示タスク13aに割り当てる。これにより、画像表示処理部12cは待ち受け画像表示タスク13aを実行して、待ち受け画像の表示に必要な情報を読み出す(ステップS102)。このため、画像表示処理部12cは、ファイルシステム制御部12fに、メインディスプレイ2Mに表示させる待ち受け画像が格納された画像パッケージファイル(Flashのデータファイル)を読み出す画像読み出し要求を発行する。
【0045】
すると、ファイルシステム制御部12fは、ファイルシステム制御タスク13dを実行して、待ち受け画像が格納された画像パッケージファイルを、記憶部13の画像データ保存部13eから読み出す。必要な画像パッケージファイルが選出されたら、ファイルシステム制御タスク13dは終了する。ファイルシステム制御タスク13dが終了したら、ファイルシステム制御部12fは、画像表示処理部12cに完了通知を発行する。画像表示処理部12cは、ファイルシステム制御部12fにより読み出された画像パッケージファイルに記述された処理方法を実行して画像パッケージファイルの画像情報を処理することにより、待ち受け画像を生成する。生成された待ち受け画像は、表示制御部12eによりメインディスプレイ2Mに表示される(ステップS103)。次に、処理部12が、本実施形態に係る画像表示方法によりメインディスプレイ2Mに待ち受け画像を表示させる制御をより詳細に説明する。
【0046】
図7は、携帯電子機器のメインディスプレイのサイズを示す説明図である。次に説明する表示処理例において、待ち受け画像を表示させる携帯電子機器1のメインディスプレイ2Mは、W−QVGA(Wide-Quarter Video Graphics Array)であるとする。W−QVGAは、縦が400ピクセル、横が240ピクセル(400×240ピクセル)の解像度である。なお、メインディスプレイ2Mは、W−QVGAに限定されるものではない。
【0047】
[表示処理例1]
表示処理例1は、複数の静止画像を用いて所定の画像を携帯電子機器1のメインディスプレイ2Mに表示させる第1工程を含んでいる。この第1工程においては、複数の静止画像の中から所定の静止画像を表示した状態で、表示中の所定の静止画像とは異なる静止画像をフェードインさせて重畳表示させる第2工程と、後から表示された静止画像、すなわちフェードインさせて表示された静止画像を表示させた状態で、先に表示していた静止画像をフェードアウトさせる第3工程と、第2工程と第3工程とを繰り返す第4工程と、を含む。処理部12の画像表示処理部12cが、画像パッケージファイルに記述されたFlashのオブジェクト処理命令を実行することにより、Flashによる画像表示処理が実行され、表示処理例1に係る画像表示処理が実現される。
【0048】
図8は、表示処理例1に用いる複数の静止画像の寸法を示す説明図である。表示処理例1では、複数の静止画像を重ねて表示可能な表示制御(第1の表示制御)が実行されるが、次の説明では、複数の静止画像として、静止画像Xと静止画像Yとの二つを予め用意して、これらを重ねて表示させる。なお、重畳表示させる静止画像は二つに限定されるものではない。図8に示すように、静止画像X及び静止画像Yのサイズは、400×240ピクセルである。表示処理例1において、静止画像X及び静止画像Yは、400×240ピクセル内に記載された細かい水色の水面画像とする。
【0049】
この水面画像は、様々な水色の点の集合体を画像構成要素として描かれており、明るくて白に近い水色の点や、暗くて紺色の点を多数含んで構成される。静止画像Xと静止画像Yとは、画像構成要素の配される位置及び/又は色が異なっているが、メインディスプレイ2Mに表示される画像としては似通っている。表示処理例1において、静止画像Xと静止画像Yとは、画像構成要素の色、より具体的には画像構成要素の色の明暗に違いを持たせてあるが、画像構成要素の配される位置に違いを持たせてもよいし、前記色及び位置の両方に違いを持たせてもよい。静止画像X及び静止画像Yは、図6に示す画像情報51に格納され、画像パッケージファイル50とともに記憶部13の画像データ保存部13eに保存される。
【0050】
表示処理例1で用いるFlashは、静止画像X及び静止画像Yそのものをオブジェクトとして扱い、それぞれの静止画像X、静止画像Yに対してタイミングを互い違いとしたアルファ処理を指定する。なお、黒い背景上に水面が描かれた画像をオブジェクト(すなわち静止画像X、Y)としてもよいし、Flashデータ上の背景色として黒を指定した上でオブジェクト(すなわち静止画像X、Y)を水面画像だけとしてもよい。
【0051】
アルファ処理は、オブジェクトの透過率を変更する透過処理である。アルファ処理において透過率を100%とすると、オブジェクトが透明になり、背景色や、透明となったオブジェクトの裏面側に重なるオブジェクトが透けて見えることになる。また、アルファ処理において、透過率を0%とすると、オブジェクトが非透明になり、背景色や、被透明となったオブジェクトの裏面側に重なるオブジェクトは透けては見えなくなる。
【0052】
複数の静止画像X、Yを用いて待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示させる場合(第1工程)、画像パッケージファイルに記述されたFlashのオブジェクト処理命令が処理部12の画像表示処理部12cにより実行される。すると、画像表示処理部12cは、静止画像Xを表示させた状態で、その透過率を0%から100%(非表示)まで徐々に変化させる。このとき、画像表示処理部12cは、同時に静止画像Yを100%(非表示)から0%まで徐々に変化させる。これによって、静止画像Xを表示した状態で、静止画像Xとは異なる静止画像Yをフェードインさせて重畳表示させる第2工程、及び少なくとも二つの静止画像X、Yが重畳表示される状態で、後から表示された静止画像Yを表示させたまま、先に表示していた静止画像Xをフェードアウトさせる第3工程が実行される。
【0053】
画像表示処理部12cが、静止画像Xを透過率0%で表示するときには静止画像Xのみの表示となり、画像表示処理部12cが、静止画像Yを透過率0%で表示するときには静止画像Yのみの表示となる。また、画像表示処理部12cが、静止画像Xの透過率及び静止画像Yの透過率をともに0%あるいは100%以外で表示させるとき(例えば両者をともに50%で表示させるとき)には、両者が重畳表示される。次に、表示処理例1における静止画像X、Yの透過率の時間変化を説明する。
【0054】
図9は、表示処理例1において待ち受け画像を表示させる際に用いる複数の静止画像の透過率の時間変化を示す図である。表示処理例1において、画像表示処理部12cは、先にメインディスプレイ2Mに表示されている静止画像Xの透過率を0%から100%まで時間の経過とともに徐々に上げる。そして、画像表示処理部12cは、透過率が最大値(表示処理例1では100%)に到達したら、静止画像Xを消すことによりフェードアウトを行う。また、画像表示処理部12cは、透過率を最大、すなわち100%とした状態で新たな画像、すなわち静止画像Yをメインディスプレイ2Mに表示させ、その透過率を時間の経過とともに、徐々に下げることでフェードアウトを行う。
【0055】
なお、透過率が100%になった静止画像Xは、その後時間の経過とともに透過率が最小値(表示処理例1では0%)まで下げられることによりフェードインし、再びメインディスプレイ2Mに表示される。また、透過率が0%になった静止画像Yは、その後時間の経過とともに透過率が最大値まで上げられることによりフェードアウトする。そして、待ち受け画像の表示が終了されるまで、静止画像X、Yはフェードイン、フェードアウトを繰り返す。このように、静止画像X、Yの透過率を時間とともに変化させることで、簡単にフェードイン、フェードアウトを実現できる。
【0056】
静止画像X、Yの透過率を上記のように変化させるにあたり、画像表示処理部12cは、静止画像X、Yの透過率を、所定の時間Δtの間に、所定の大きさずつ徐々に変化させる。(表示処理例1ではΔtを2.5秒とし、Δtの間に変化させる透過率を50%とするが、これに限定されるものではない。
【0057】
図9に示すように、表示処理例1において、画像表示処理部12cは、静止画像X、Yの透過率を、静止画像X、Yがメインディスプレイ2Mに表示されてから、待ち受け画像の表示が終了するまでの間、周期的に、かつ位相を異ならせて変化させる。表示制御例1において、画像表示処理部12cが静止画像X、Yの透過率を変化させる1周期は4×Δtであり、1周期を360度とすると、静止画像Xの透過率の波形と静止画像Yの透過率の波形とでは、位相が180度ずれている。これによって、静止画像Xがフェードアウトするときには静止画像Yがフェードインし、静止画像Xがフェードインするときには静止画像Yがフェードアウトする。次に、静止画像X、Yを説明する。
【0058】
図10−1、図10−2は、静止画像の拡大図である。図10−1、図10−2に示すように、静止画像X、Yをxy座標上に示す。図10−1に示す静止画像Xと図10−2に示す静止画像Yとでは、xy座標は共通である。図10−1に示すように、静止画像Xの所定の座標(a、b)のピクセルには白に近い点が、その隣のピクセル(a+1、b)には水色の点がそれぞれ描かれている。一方、図10−2に示すように、静止画像Yの所定の座標(a、b)には水色の点が、その隣のピクセル(a+1、b)には白に近い点がそれぞれ描かれている。このように、静止画像X、Yは、隣接するピクセル同士が同系色の濃淡・明暗の差異のみで描かれていることが好ましい。このように構成された静止画像Xと静止画像Yとが図9に示すようなタイミングでそれぞれの透過率が変化する。これによって、メインディスプレイ2Mに表示される待ち受け画像は、あたかも白い点がゆっくりと2×Δt(5秒)かけて座標(a、b)から座標(a+1、b)へ移動し、その後2×Δtかけて座標(a+1、b)から座標(a、b)へ移動したかのように映る。その結果、表示処理例1では、動きのある待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示できる。
【0059】
[表示処理例2]
上述した表示処理例1は、複数の静止画像を用いる。表示処理例2では、静止画像である基準画像から、基準画像の構成要素の配される位置及び/又は構成要素の色を異ならせた加工画像を生成し、基準画像と生成された加工画像とを重ねて待ち受け画像として表示する表示制御(第1の表示制御)が行われる。表示処理例2は、記憶部に保存される静止画像、すなわち基準画像を用いて所定の画像をメインディスプレイ2Mに表示させる第1工程を含む。この第1工程には、一の静止画像、すなわち、基準画像又は加工画像のいずれか一つを表示した状態で、表示させている静止画像の画像構成要素の配される位置及び/又は色を異ならせた他の静止画像をフェードインさせる第2工程と、第2工程においてフェードインさせる静止画像を表示させた状態で、先に表示していた静止画像をフェードアウトさせる第3工程と、を含む。なお、待ち受け画像は、フェードインとフェードアウトとを繰り返すことで、メインディスプレイ2Mに表示される。
【0060】
図11−1は、基準画像の模式図、図11−2は、加工画像の模式図である。表示処理例2では、まず、基準画像P1を予め用意しておく。基準画像P1は静止画像であり、その画像サイズは、メインディスプレイ2Mの表示可能サイズよりも若干大きい410×250ピクセルとする。基準画像Pの図柄は、表示処理例1と同じく水面画像である。表示処理例2において、画像表示処理部12cは、基準画像P1と、基準画像P1の構成要素の配される位置及び/又は構成要素の色を異ならせた加工画像P2とを用いてメインディスプレイ2Mに待ち受け画像を表示させる。表示処理例2においては、基準画像P1の構成要素の配される位置と加工画像P2の構成要素の配される位置とが異なる以外は、基準画像P1と加工画像P2とは同一である。
【0061】
表示処理例2では、Flashで基準画像P1をオブジェクトとして扱い、このオブジェクトに対してタイミングを異ならせたアルファ処理を指定して、このオブジェクトを2回(あるいは複数回)描画する。また、表示処理例1と同様に、黒い背景上に水面が描かれた画像自体をオブジェクト、すなわち基準画像P1としてもよいし、Flashのデータ上の背景色として黒を指定した上で、オブジェクト、すなわち基準画像P1を、背景のない水面画像のみとしてもよい。基準画像P1は、図6に示す画像情報51に格納され、画像パッケージファイル50とともに記憶部13の画像データ保存部13eに保存される。
【0062】
記憶部13に保存される静止画像である基準画像P1を用いて待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示させる場合(第1工程)、画像表示処理部12cは、まず、基準画像P1をメインディスプレイ2Mに表示させる。この場合、基準画像P1の方がメインディスプレイ2Mの表示可能サイズよりも若干大きい。このため、画像表示処理部12cは、基準画像P1の中央寄りの所定のピクセル分のみ、すなわち基準画像P1の外側の一部を除いて描画させ、メインディスプレイ2Mに表示させる。この例では400×240ピクセル分(図11−1のハッチングで示す部分)を、メインディスプレイ2Mに描画させる。すなわち、画像表示処理部12cは、基準画像P1の左縦エッジEGL、右縦エッジEGR、上横エッジEGA、下横エッジEGBからそれぞれ5ピクセルずつ内側にある画像を描画して、メインディスプレイ2Mに表示させる。
【0063】
次に、画像表示処理部12cは、基準画像P1の透過率を0%から増加させる処理を開始する。このとき、画像表示処理部12cは、Flashのオブジェクト処理命令を実行して、メインディスプレイ2Mの表示位置を基準画像P1に対して移動させた加工画像P2を、基準画像P1から生成する。具体的には、基準画像P1を、図11−2の点線で示す現在の位置から所定のピクセル分(この例では5ピクセル分)、メインディスプレイ2Mに向かって右側に移動させた部分(図11−2のハッチングで示す部分)の情報を、加工画像P2とする。ここで、右側とは、図11−2に示すx軸の正方向である。
【0064】
したがって、加工画像P2は、基準画像P1の右縦エッジEGRから10ピクセル内側、かつ基準画像P1の上横エッジEGA、下横エッジEGBからそれぞれ5ピクセル内側にある画像となる。なお、加工画像P2の透過率は100%、すなわち非表示としておく。このように、表示処理例2では、基準画像P1を移動処理させて、擬似的に2枚目の加工画像P2を生成する。すなわち、加工画像P2は、メインディスプレイ2Mに対する基準画像P1の表示範囲を変更することで生成される。したがって、加工画像P2は、基準画像P1と同様に静止画像である。表示処理例2では、基準画像P1の表示範囲を変更して加工画像P2とすることで、メインディスプレイ2Mに表示される基準画像P1の構成要素の配される位置と加工画像P2の構成要素の配される位置とを異ならせる。
【0065】
次に、画像表示処理部12cは、基準画像P1を表示させた状態で、その透過率を0%から100%(すなわち非表示)まで徐々に変化(フェードアウト)させる。このとき、画像表示処理部12cは、メインディスプレイ2Mに同時に表示されている加工画像P2の透過率を、100%(すなわち非表示)から0%まで徐々に変化させる(フェードイン)。すなわち、待ち受け画像を表示する際には、画像表示処理部12cは、基準画像P1及び加工画像P2のうち、一の静止画像である基準画像P1を表示した状態で、基準画像P1の画像構成要素の配される位置を異ならせた他の静止画像である加工画像P2をフェードインさせる(第2工程)。そして、画像表示処理部12cは、第2工程においてフェードインさせる加工画像P2をメインディスプレイ2Mに表示させた状態で、先に表示していた基準画像P1をフェードアウトさせる(第3工程)。なお、画像表示処理部12cは、このフェードインとフェードアウトとを繰り返して、待ち受け画像がメインディスプレイ2Mに表示する。
【0066】
ここで加工画像P2は、基準画像P1に対して、画像構成要素の配される位置を異ならせているが、後述するように、加工画像P2は、基準画像P1の画像構成要素の色を異ならせてもよい。すなわち、基準画像P1と加工画像P2との間で、画像構成要素の配される位置と色との少なくとも一方を異ならせればよい。
【0067】
基準画像P1が透過率0%で表示されるときには基準画像P1のみの表示となり、基準画像P1及び加工画像P2の透過率がともに50%のときには、両者が重畳表示される。このようにすると、メインディスプレイ2Mには、基準画像P1と加工画像P2とが近距離で行ったり来たりするように表示される。その結果、メインディスプレイ2Mには、あたかも基準画像P1が近距離で往復しているような待ち受け画像が表示される。
【0068】
ここで、基準画像P1、加工画像P2の透過率の時間変化は、表示処理例1における静止画像X、Yの透過率の時間変化と同様である。すなわち、表示処理例2においては、図9の静止画像Xを基準画像P1に、静止画像Yを加工画像P2に置き換えて、それぞれの透過率を時間経過とともに図9に示すように変化させればよい。なお、基準画像P1から、複数の加工画像を生成して、それぞれの画像の透過率を変化させながらメインディスプレイ2Mに表示させてもよい。
【0069】
図12−1、図12−2は、加工画像の模式図である。図13は、表示処理例2において待ち受け画像を表示させる際に用いる基準画像及び複数の加工画像の透過率の時間変化を示す図である。例えば、上述した手法で生成した加工画像P2を第1加工画像とする。そして、画像表示処理部12cは、第1加工画像P2を生成したときの基準画像P1の位置から、さらに5ピクセル分下側(図12−1に示すy軸の負の方向)に基準画像P1を移動させた部分(図12−1のハッチング部分)の情報を、第2加工画像P3として生成する。また、画像表示処理部12cは、第2加工画像P3を生成したときの基準画像P1の位置から、さらに5ピクセル分左側(図12−2に示すx軸の正方向)に基準画像P1を移動させた部分(図12−2のハッチング部分)の情報を、第3加工画像P4として生成する。なお、基準画像P1の移動量は、5ピクセルに限定されるものではない。
【0070】
そして、基準画像P1の透過率と、第1加工画像P2の透過率と、第2加工画像P3の透過率と、第3加工画像P4の透過率とを、それぞれ図13に示すように、表示をOFFにする期間を設けて周期的に変化させる。それぞれの画像の透過率は、100%から0%を経て再び100%になるように、徐々に、かつ周期的に変化する。このように構成要素が配される位置を異ならせた三つ以上の画像の透過率を周期的に変化させることで、基準画像P1や複数の加工画像をフェードイン、フェードアウトさせる。これによって、二つの画像を用いる場合と比較して、より動きの大きい待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示できる。
【0071】
表示処理例2においては、少なくとも一つの静止画像を基準画像として用意すれば、基準画像とは異なる加工画像を生成できるので、生成された加工画像と基準画像とを交互にフェードイン、フェードアウトさせて、動きのある待ち受け画像を表示させることができる。このため、少なくとも二つの静止画像を用意する必要のある表示処理例1と比較して、画像パッケージファイルのデータ量を小さくできる。
【0072】
特に、表示処理例2は、メインディスプレイ2Mに表示させる待ち受け画像が精細であって、待ち受け画像の情報(色の数や階調の程度等の情報)の量が多いほど、表示処理例1よりもFlashのデータ、すなわち画像パッケージファイルのデータ量を小さくできる。なお、表示処理例1は、粗くて小さいオブジェクトを待ち受け画像とする場合には、表示処理例2よりも画像パッケージファイルのデータ量を小さくできる。
【0073】
[表示処理例3]
表示処理例3は、表示処理例2と同様に、少なくとも一つの静止画像である基準画像及び基準画像から生成した加工画像を用いて、待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示させる。表示処理例3は、基準画像の構成要素の色を異ならせた加工画像を生成し、基準画像と、基準画像から生成した加工画像とが重畳表示される状態で、後から表示させた画像を表示させたまま、先に表示させた画像をフェードアウトさせる。
【0074】
図14−1は、基準画像の一部のピクセルを示す拡大図、図14−2、図14−3は、加工画像の一部のピクセルを示す拡大図である。基準画像P1は、静止画像であり、メインディスプレイ2Mの表示可能サイズよりも若干大きい410×250ピクセルとする。表示処理例3では、基準画像P1の色を変更するピクセルの、周囲のピクセルとの階調差の大小で、色の変更の大きさを決定するというルールに則って、基準画像P1の色を変更して、加工画像P2を生成する。例えば、図14−1に示すように、基準画像P1における、ある座標(d、e)のピクセルの色を変更する場合を考える。
【0075】
加工画像P2を生成するにあたり、画像表示処理部12cは、Flashのオブジェクト処理命令を実行して、基準画像P1の色を上記ルールに則って変更した加工画像P2を、基準画像P1から生成する。まず、画像表示処理部12cは、基準画像P1の座標(d、e)のピクセルに隣接する四つの座標(d−1、e)、(d、e−1)、(d+1、e)、(d、e+1)の各ピクセルのRGB値を、これらの四つのピクセルの平均値Av_rgbとそれぞれ比較する。そして、平均値Av_rgbと大きく異なるピクセルが存在する場合、画像表示処理部12cは、座標(d、e)のピクセルを、階調差が大きいエリアにあるピクセルとする。反対に、各ピクセルの座標のRGB値が、四つのピクセルの平均値Av_rgbと大きく異ならない場合、画像表示処理部12cは、座標(d、e)のピクセルを、階調差が少ないエリアにあるピクセルとする。すなわち、表示処理例3において、階調差が大きいエリアであるか、階調差が少ないエリアであるかは、基準画像P1の色を変更する対象のピクセルに隣接する複数のピクセルのRGB値の平均値に基づいて判定される。
【0076】
ここで、平均値Av_rgbと大きく異なる一例としては、例えば、R、G、Bそれぞれの階調差に所定の値(例えば200)以上が含まれる場合が挙げられる。また、平均値Av_rgbと大きく異ならない一例としては、例えば、R、G、Bそれぞれの階調差がすべて所定の値(例えば200)未満である場合が挙げられる。ここで、R、G、Bそれぞれの階調は、例えば、黒(0)から白(255)まで256段階で変化する256階調であるとする。
【0077】
基準画像P1における座標(d、e)のピクセルのRGB値が(0、200、255)であるとする。この場合、座標(d、e)のピクセルの色は薄紺となる。この座標(d、e)のピクセルについて、色を変更して加工画像P2を生成する例を説明する。基準画像P1における座標(d、e)のピクセルが、階調差が少ないエリアにあると画像表示処理部12cが判定した場合、画像表示処理部12cは、基準画像P1の座標(d、e)のピクセルを、薄紺RGB:(0、200、255)から濃紺RGB:(0、150、200)へ変更する。このように、座標(d、e)のピクセルの色を画像表示処理部12cが変更することにより生成される画像が、図14−2に示す加工画像P2となる。
【0078】
一方、基準画像P1における座標(d、e)のピクセルが、階調差が大きいエリアにあると画像表示処理部12cが判定した場合、画像表示処理部12cは、基準画像P1の座標(d、e)のピクセルを、薄紺RGB:(0、200、255)から黒RGB:(0、0、0)へ変更する。このように、座標(d、e)のピクセルの色を画像表示処理部12cが変更することにより生成される画像が、図14−3に示す加工画像P2となる。表示処理例3では、このような手法で基準画像P1の構成要素の配される色をピクセル毎に異ならせることで、加工画像P2を生成する。
【0079】
このように、基準画像P1と加工画像P2とでピクセル毎に色を異ならせるので、両者を重畳表示させ、かつフェードイン、フェードアウトさせた場合には、ざらつき感が少なく、滑らかな動きの待ち受け画像が表示できる。また、上述したように、表示処理例3では、階調差が大きいピクセルの場合には、当該ピクセルに対応する加工画像におけるピクセルの階調は、階調差の小さいエリアのピクセルの場合よりも大きく変更されることになる。これによって、階調差が大きい部分では階調が大きく変更され、階調差が少ない部分では階調が小さく変更されるので、ざらつき感が少なく、滑らかな動きの待ち受け画像が表示できる。なお、表示処理例3において、加工画像P2は、待ち受け画像が表示されるときに、上記ルールに則って画像表示処理部12cが生成する。
【0080】
しかし、加工画像P2を上記の手法で予め生成しておき、図6に示す画像情報51として加工画像P2を基準画像P1とともに画像パッケージファイル50に格納した上で、記憶部13の画像データ保存部13eに保存してもよい。そして、基準画像P1と加工画像P2とを重畳表示させ、かつ上述したようにフェードイン、フェードアウトを繰り返して、待ち受け画像を表示させてもよい。なお、上記の手法を用いて、上述した表示処理例1で用いる静止画像Xから静止画像Yを生成してもよい。
【0081】
表示処理例2では、このようにして、基準画像P1から所定のピクセルの色を異ならせた加工画像P2を生成し、表示処理例2と同様に、基準画像P1と加工画像P2との透過率を変化させる。これによって、メインディスプレイ2Mには、あたかも基準画像P1の構成要素が明滅しているような待ち受け画像が表示される。なお、基準画像P1から複数の加工画像を生成し、表示処理例2で説明したようにそれぞれの画像の透過率を変化させてもよい。
【0082】
なお、表示処理例2と表示処理例3とを組み合わせてもよい。すなわち、少なくとも一つの静止画像である基準画像から、基準画像の構成要素の配される位置及び構成要素の色を異ならせた加工画像を生成してもよい。そして、基準画像と、生成した加工画像とを重畳表示させるとともに、それぞれの画像の透過率を、タイミングを互い違いとして変化させることにより、待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示させてもよい。このようにすると、メインディスプレイ2Mには、あたかも基準画像P1が近距離で往復し、かつ基準画像P1の構成要素が明滅しているような待ち受け画像が表示される。その結果、表示処理例2や表示処理例3を単独で実行するよりも、さらに変化のある待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示できる。
【0083】
[表示処理例4]
表示処理例4は、複数の異なる基準画像、及びこれらの構成要素の配される位置を異ならせた複数の加工画像を用いる。そして、複数の基準画像及び加工画像のうち、先に一の画像を表示したまま、後から他の画像をフェードインして重畳表示させる。そして、少なくとも二つの画像が重畳表示される状態で、後から表示させた画像を表示させたまま、先に表示させた画像をフェードアウトさせ、フェードインとフェードアウトとを繰り返す。
【0084】
図15−1、図15−2は、基準画像及び加工画像の模式図である。表示処理例4において、まず基準画像Qと基準画像Rとを予め用意しておく。基準画像Q及び基準画像Rの画像サイズは、W−QVGAよりも若干大きい410×250ピクセルとする。基準画像Q及び基準画像Rは、ともに水面画像である。基準画像Qと基準画像Rとは、色の明暗の違いはあるものの、メインディスプレイ2Mに表示される画像としては似通っている。Flashにおいては、基準画像Q及び基準画像Rそのものがオブジェクトとして扱われる。なお、黒い背景上に水面が描かれた画像をオブジェクト、すなわち基準画像Q、Rとしてもよいし、Flashデータ上の背景色として黒を指定した上でオブジェクト、すなわち基準画像Q、Rを水面画像だけとしてもよい。
【0085】
表示処理例4において、待ち受け画像を表示させるにあたって、基準画像Qの一部をメインディスプレイ2Mに表示させた状態で、その透過率を0%から100%(非表示)まで徐々に変化させる。このとき、同時に基準画像Rの一部を100%(非表示)から0%まで徐々に変化させる。
【0086】
画像表示処理部12cは、Flashのオブジェクト処理命令を実行して、基準画像Qをメインディスプレイ2Mに表示させる。このとき、基準画像Qの方がメインディスプレイ2Mよりも若干大きいため、画像表示処理部12cは、基準画像Qの中央寄りの400×240ピクセル分のみを描画させ、メインディスプレイ2Mに表示させる。これは、上述した表示処理例2で説明したように、メインディスプレイ2Mよりも若干大きい基準画像P1の中央寄りの400×240ピクセル分のみを描画させ、メインディスプレイ2Mに表示させる例と同様である。
【0087】
次に、画像表示処理部12cは、加工画像Q1の透過率を0%から100%に増加させる処理を開始する。同時に、画像表示処理部12cは、基準画像Rの透過率を100%としてメインディスプレイ2Mに表示させる。基準画像Rもメインディスプレイ2Mより若干大きいため、基準画像Qと同様に、画像表示処理部12cは、中央寄りの400×240ピクセル分のみを描画させ、メインディスプレイ2Mに表示させる。
【0088】
そして、画像表示処理部12cは、基準画像Qの透過率を徐々に増加させながら、基準画像Rの透過率を徐々に減少させる。その後、基準画像Rが完全にメインディスプレイ2Mに表示されると同時に、基準画像Qがメインディスプレイ2Mから消えるとき、画像表示処理部12cは、加工画像Q1を透過率100%からメインディスプレイ2Mに表示させる。ここで、加工画像Q1は、図15−1の点線で示す、現在の基準画像Qの位置から5ピクセル分右側(図15−1に示すx軸の正方向)に基準画像Q移動させて得られる情報を、加工画像Q1とする。
【0089】
また、基準画像Rが消えるときには、画像表示処理部12cは、同時に加工画像R1を透過率100%からメインディスプレイ2Mに表示させる。ここで、加工画像R1は、図15−2の点線で示す、現在の基準画像Rの位置から5ピクセル分下側(図15−2に示すy軸の負の方向)に基準画像Rを移動させて得られる情報を、加工画像R1とする。なお、加工画像Q1、R1を生成する場合、基準画像Q、Rをずらす方向はいずれの方向でもよい。
【0090】
基準画像Q、R及び加工画像Q1、R1の透過率の時間変化は、表示処理例2における基準画像P1、第1加工画像P2、第2加工画像P3、第3加工画像P4の透過率の時間変化と同様である。すなわち、図12の基準画像P1を基準画像Qに、第1加工画像P2を基準画像Rに、第2加工画像P3を加工画像Q1に、第3加工画像P4を加工画像R1に置き換える。そして、画像表示処理部12cは、それぞれの透過率を時間経過とともに図12に示すように変化させればよい。
【0091】
表示処理例4では、上記処理によって、メインディスプレイ2Mには、あたかも基準画像P1が近距離で往復し、かつ基準画像P1の構成要素が明滅しているような待ち受け画像が表示される。その結果、表示処理例2や表示処理例3を単独で実行するよりも、さらに変化のある待ち受け画像をメインディスプレイ2Mに表示できる。また、本表示処理例では、表示処理例1や表示処理例2よりも、Flashのデータ、すなわち画像パッケージファイルのデータ量は若干大きくなる。しかし、アニメーションを用意する場合と比較して、非常に小さなデータ量であるにもかかわらず、同じ画像が表示される頻度はほぼ0であり、終わりのないアニメーションをメインディスプレイ2Mに表示できる。
【0092】
動画を表示させる場合、多数の画像あるいはオブジェクトを用意しておき、所定のフレームレート(例えば1秒あたり8回あるいは16回)で画面を書き換えるようにすることが一般的である。しかし、この手法では、滑らかな動きを実現しようとすると、高いフレームレートで画面を書き換える必要があり、結果として多数の画像が必要になる。その結果、データ量が非常に大きくなるので、待ち受け画像を保存するために多大な領域を記憶部に確保する必要があり、さらに、処理部の負荷も非常に大きくなる。
【0093】
本実施形態では、上述したように、一の静止画像を表示した状態で、当該静止画像の画像構成要素の配される位置と色との少なくとも一方を異ならせた他の静止画像をフェードインさせ、当該他の静止画像を表示させた状態で、先に表示していた静止画像をフェードアウトさせる。これによって、本実施形態では、最低二つの画像があれば、多数の画像を用意しなくとも、動きに変化のある画像を携帯電子機器の表示部に表示させることができる。その結果、画像データを小容量化するとともに処理負荷を軽減でき、さらに、動きに変化のある多彩な画像を表示させることができる。特に、携帯電子機器は、据え置き型の機器と比較して、MPUの処理能力は低く、また、記憶部の記憶容量も小さいので、本実施形態に係る画像表示方法は、携帯電子機器に対して極めて有効である。
【0094】
さらに、本実施形態のように、画像パッケージファイル50を用いることにより、次のような利点も得られる。画像パッケージファイル50は、上述したように単一のデータファイルとして取り扱われるので、待ち受け画像を生成するための画像データ等のデータサイズが明確になる。このため、携帯電子機器1の設計時に、画像パッケージファイル50のデータサイズに制限を加える等しておけば、処理部12を構成するMPUのリソースの範囲内で快適に動作できるようになる。その結果、多種類の異なる画像(待ち受け画像)が頻繁に表示されるにもかかわらず、MPUのリソースの範囲内で快適に動作できるので、携帯電子機器1のユーザーに対して表示が遅い等の不快感を与えることが少なくなる。
【0095】
また、複数の無関係な画像データをランダムに表示部17へ表示させる場合、必要な画像データのサイズがどの程度になるかは開発者側では想定できない。その結果、MPUのリソースや記憶部の割り当て等をどの程度用意しておけばよいかが把握できない。しかし、本実施形態に係る画像生成方法に必要なデータ(ソフトウェアも含む)を一つの画像パッケージファイル50にまとめ、かつ画像パッケージファイル50のデータサイズに制限を加える等しておけば、前記制限の範囲内でMPUのリソースや記憶部の割り当てをすればよい。これによって、開発も容易になる。
【0096】
また、画像パッケージファイル50のデータサイズに制限を加えておくとともに、内蔵される複数の画像パッケージファイルのサイズをそれぞれ同程度にしておけば、同じハードウェアの仕様の携帯電子機器間において異なる画像パッケージファイル50を選択し、実行するようにした場合でも、同程度の処理速度となる。これによって、ハードウェアの仕様が同じであれば、携帯電子機器間において処理速度の差はほとんど発生しなくなるので、同じハードウェアの仕様の携帯電子機器間における処理速度の違和感を低減できる。その結果、ハードウェアの仕様が同じであれば、携帯電子機器間において画面上の見た目を異ならせたにも関わらず、処理速度の差はほとんど発生しなくなるので、同じハードウェアの仕様の携帯電子機器間における処理速度の違和感を低減できる。なお、画像パッケージファイル50に格納された画像データを処理する画像生成ソフトウェアを画像パッケージファイル50に加える場合、画像生成ソフトウェアは同じハードウェアの仕様の携帯電子機器間で共通化しておくことが好ましい。
【0097】
(実施形態2)
実施形態2は、表示部に表示される画像の情報を第1のデザイン情報として用意するとともに、第1のデザイン情報とは異なる画像情報(表示部に表示される画像の情報)を有する複数のデザイン情報を用意する。そして、携帯電子機器の製造IDに基づき、第1のデザイン情報を用いた第1の表示制御と、第1のデザイン情報とは異なる画像情報を有する第2のデザイン情報を用いた第2の表示制御とのいずれかにより待ち受け画像を表示部に表示するものである。
【0098】
本実施形態では、複数のデザイン情報を用いて、携帯電子機器の筐体のデザイン、例えば、筐体の色、模様、形状のイメージに合ったデザインの待ち受け画像を生成させる。このため、複数のID情報と、それぞれ異なる画像情報を有する複数のデザイン情報とをそれぞれ対応付けておくとともに、製造IDの一部に、携帯電子機器の筐体のデザインを一義的に示す情報を含ませる。そして、自装置の製造IDの少なくとも一部に対応するID情報を複数のID情報から検索し、検索されたID情報に対応するデザイン情報が、表示部に表示される待ち受け画像として設定される。
【0099】
図16は、携帯電子機器に付される製造IDの一例を示す図である。図17は、ID情報と、ID情報に対応する画像パッケージファイルとの関係を示すデータテーブルである。図16に示すように、本実施形態において、携帯電子機器の製造IDは、3桁の文字列と7桁の数列とで表現される。このうち、7桁の数列が携帯電子機器の製造順に付される、それぞれの携帯電子機器に固有の番号、すなわち製造番号である。また、本実施形態においては、上位1桁目から順にKCKで構成される文字列の一部に、携帯電子機器の筐体のデザインを一義的に示す情報(以下、筐体デザイン情報という)が含まれる。
【0100】
より具体的には、前記文字列の上から3桁目に、筐体デザイン情報が記述される。筐体デザイン情報は、携帯電子機器の筐体のデザインと1対1で対応付けられているので、筐体デザイン情報により、携帯電子機器の筐体のデザインが一義的に決定される。本実施形態においては、筐体デザイン情報は筐体の色を一義的に示すものとするので、製造IDに含まれる文字列の一部は、携帯電子機器の筐体の色を一義的に示す情報となる。
【0101】
このように、本実施形態では、製造IDの少なくとも一部、より具体的には、製造IDを構成する文字列に、携帯電子機器の筐体デザイン情報を含ませる。すなわち、本実施形態においては、筐体デザイン情報が製造IDに含まれて、製造番号とともに製造IDを構成する。このように、本実施形態において、筐体デザイン情報は、自機器と他の携帯電子機器とを区別する製造番号とは別の桁に記述されるので、筐体デザイン情報と製造番号とは無関係になる。
【0102】
図17のデータテーブル70に示すように、本実施形態では、複数のID情報K、Q、Pと、複数の画像パッケージファイル50A、50B、50Cとがそれぞれ対応付けられて記述されている。なお、画像パッケージファイルの数は3に限定されるものではない。画像パッケージファイル50A、50B、50Cは、実施形態1で説明したように、画像情報及び処理情報を単一のデータファイルとしてパッケージ化したものである。画像パッケージファイル50A、50B、50Cは、携帯電子機器の表示部に表示させる待ち受け画像のデザインを決定するデザインである。画像情報は、実施形態1で説明した画像表示方法によって携帯電子機器の表示部に表示させる静止画像を含む。パッケージ化され、単一のデータファイルとして取り扱われる画像パッケージファイル50A、50B、50Cを用いることの利点は、実施形態1で説明した、画像パッケージファイル50を用いることの利点と同様である。
【0103】
ID情報は、携帯電子機器の筐体のデザイン(この例では色)を一義的に示す情報となる。したがって、ID情報がKである場合は携帯電子機器の筐体の色が黒であることを示し、ID情報がQである場合は携帯電子機器の筐体の色が黒白であることを示し、ID情報がPである場合は携帯電子機器の筐体の色がピンクであることを示す。
【0104】
それぞれの画像パッケージファイル50A、50B、50Cは、対応するID情報に応じて、オブジェクトの色調やフェードイン、フェードアウトの速さ等といった画像情報が変更してある。そして、ID情報に対応した画像パッケージファイルを用いて待ち受け画像を生成することで、携帯電子機器の筐体色のイメージに合った待ち受け画像を表示させることができる。
【0105】
携帯電子機器の製造IDには、筐体デザイン情報が含まれているので、自機器の製造IDに含まれる筐体デザイン情報に対応するID情報を、複数のID情報K、Q、Pから検索する。ID情報は携帯電子機器の筐体のデザインを一義的に示すので、このようにして検索されたID情報に対応する画像パッケージファイルには、自機器の筐体のデザインに対応した待ち受け画像を生成できるデータが保存されている。したがって、筐体デザイン情報を含む自機器の製造IDに基づいて選択された画像パッケージファイルを用いて待ち受け画像を生成することにより、自機器の筐体色のイメージに合った待ち受け画像を表示させることができる。
【0106】
本実施形態においては、複数の画像パッケージファイルの中から、ある画像パッケージファイルを第1のデザイン情報として用いて、待ち受け画像を表示させる制御を第1の表示制御とする。また、複数の画像パッケージファイルの中から、第1のデザイン情報とは異なる画像情報を有する画像パッケージファイルを第2のデザイン情報として用いて、待ち受け画像を表示させる制御を第2の表示制御とする。本実施形態では、上述したように、複数の画像パッケージファイルの中から製造IDに応じた画像パッケージファイルを選択するので、携帯電子機器の製造IDに基づいて、第2のデザイン情報を用いた第2の表示制御と第1の表示制御とのいずれかにより待ち受け画像を表示させることになる。
【0107】
なお、上記説明では、筐体の色のイメージに合う待ち受け画像を表示させる例を説明したが、筐体の形状や模様のイメージに合ったデザインの待ち受け画像を表示させるようにしてもよい。例えば、筐体の形状が角張っている場合、背景上に表示させるオブジェクトを角張ったデザインにしたり、筐体の形状が丸みを帯びている場合には背景状に表示させるオブジェクトを、曲線を有するデザインにしたりする。
【0108】
このように、本実施形態では、携帯電子機器の筐体のデザインを一義的に示す情報であるID情報に基づき、第1のデザイン情報を用いた第1の表示制御と、複数のデザイン情報のいずれか一つを用いた第2の表示制御とのいずれかにより待ち受け画像を表示部に表示させる。これによって、筐体のデザインのイメージに合った待ち受け画像を表示させることができる。次に、本実施形態に係る携帯電子機器の機能を説明する。
【0109】
図18は、実施形態2に係る携帯電子機器の機能を説明するブロック図である。本実施形態に係る携帯電子機器1aは、実施形態1に係る携帯電子機器1に対して、処理部12に起動部12gを、記憶部13に起動タスク13fと、製造ID保存部13gと、設定保存部13hと、データテーブル保存部13iとを追加で備える点が異なる。携帯電子機器1aの他の構成は、携帯電子機器1と同様である。
【0110】
起動部12gの機能は、処理部12及び記憶部13で構成されるハードウェア資源が、主処理部12aによって割り当てられるタスクを実行することにより実現される。本実施形態において、起動部12gの機能は、起動部12gが起動タスク13fを実行することにより実現される。このように、起動部12gが有する機能は、起動タスク13fを処理部12で実行することにより実現されるものである。したがって、処理部12内において、主処理部12aや起動部12g等は、それぞれ物理的に区別されて構成されるものではない。なお、処理部12内において、主処理部12aや起動部12g等をそれぞれ物理的に区別して、すなわち、それぞれの機能を実現する専用のハードウェアとして構成してもよい。
【0111】
起動タスク13fは、携帯電子機器1aの電源起動時に実行される。そして、起動タスク13fは、例えば、携帯電子機器1aが工場から出荷された後や、修理等を受けてリセット(処理部12及び記憶部13が初期化)された後に、初めて携帯電子機器1の電源が投入された場合には、携帯電子機器1aの製造IDに基づき、携帯電子機器1aの表示部17を構成するメインディスプレイ2Mに表示される待ち受け画像を設定する機能を有する。
【0112】
記憶部13の製造ID保存部13gには携帯電子機器1aの製造IDが保存され、設定保存部13hには、起動部12gが起動タスク13fを実行することで設定される携帯電子機器1aの初期設定情報が保存される。また、データテーブル保存部13iには、携帯電子機器1aの初期設定等に必要なデータとして、上述したデータテーブル70が保存される。次に、本実施形態において、携帯電子機器に表示される画像を設定して、設定された画像を表示させる手順を説明する。
【0113】
図19は、実施形態2において、携帯電子機器に表示される画像を設定して、設定された画像を表示させる手順を示す流れ図である。図20は、記憶部に保存される待ち受け画像管理テーブルを示す模式図である。まず、携帯電子機器1aの設計段階において、例えば、図17のデータテーブル70に示すように、ID情報と、画像パッケージファイルとを対応付けておく。データテーブル70は、図18に示す携帯電子機器1aの記憶部13のデータテーブル保存部13iに保存される。したがって、ID情報と、画像パッケージファイル(第1のデザイン情報及び第2のデザイン情報)とは、記憶部13に保存される。
【0114】
携帯電子機器1aのメインディスプレイ2Mに表示される待ち受け画像を設定する際には、処理部12がデータテーブル保存部13iに保存されているデータテーブル70を参照する。また、データテーブル70を、例えば、起動タスク13fあるいは起動タスク13fを含むアプリケーションソフトウェア内に記述してもよい。いずれの態様でも、ID情報とデザイン情報とを対応付けた情報は、記憶部13に保存される。また、携帯電子機器1aの製造段階において、自機器の製造IDを、図18に示す記憶部13の製造ID保存部13gに保存する。
【0115】
携帯電子機器1aの製造段階においては、携帯電子機器1aの機能を実現するために必要なソフトウェアを、図18に示す記憶部13へインストールする。なお、前記ソフトウェアは、待ち受け画像表示タスク13a、デコードタスク13b、表示制御タスク13c、ファイルシステム制御タスク13d、起動タスク13fを含むものである。このようにして、携帯電子機器1aが完成する。次に、図19を用いて、携帯電子機器1aの表示部17に表示される待ち受け画像を設定する手順を説明する。次においては、例えば、携帯電子機器1aが製造されて出荷された後のように、携帯電子機器1aのリセット後、最初の電源起動後に表示される待ち受け画面を設定する場合を例として説明する。
【0116】
携帯電子機器1aが完成したら、出荷前に携帯電子機器1aの電源が投入される。これによって、携帯電子機器1aが起動するか否か、及び着信及び発信が実行できるかが確認される。また、図18に示す表示部17を構成するメインディスプレイ2Mやサブディスプレイ2Sの表示状態が調整される。着信、発信の確認においては、携帯電子機器1aの記憶部13に着信、発信の履歴が残るので、出荷前にはこの履歴が消去される。携帯電子機器1aの着信、発信が確認されたら、携帯電子機器1aをリセットすることにより、着信、発信の履歴が携帯電子機器1aの記憶部13から消去される。そして、携帯電子機器1aは、箱詰めされて各販売店へ出荷される。
【0117】
携帯電子機器1aが購入されると、各種設定や動作確認のため、例えば販売店において、リセット後初めて携帯電子機器1aの電源が投入される(ステップS201)。これによって、携帯電子機器1aが起動を開始する。すると、主処理部12aは、起動部12gに制御を移す。すなわち、主処理部12aは、処理部12及び記憶部13のハードウェア資源を、起動タスク13fに割り当てる。これにより、起動部12gが起動タスク13fを実行する。
【0118】
起動タスク13fが実行されると、起動部12gは、図18に示す記憶部13の設定保存部13hに割り当てられるフラグ管理領域に、設定完了フラグF1=1が保存されているか否かを判定する(ステップS202)。これによって、起動部12gは、携帯電子機器1aが、リセット後、初の電源起動であるか否かを判定する。ここで、設定保存部13hは、EPROM(Erasable Programmable ROM)の一種であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)で構成される。
【0119】
設定完了フラグF1=1でない場合、すなわち、F1=0である場合、携帯電子機器1aは、リセット後、初の電源起動であり、表示部17に表示させる待ち受け画像の設定(以下表示画像設定という)は未了であると判定できる。起動部12gがF1=1でない場合と判定した場合(ステップS202:No)、表示画像設定は未了であると判定できる。この場合、起動部12gは、記憶部13の製造ID保存部13gから、自機器の製造IDを読み込む(ステップS203)。そして、起動部12gは、読み込んだ製造IDの少なくとも一部、すなわち、筐体デザイン情報に対応するID情報を、複数のID情報から検索する(ステップS204)。
【0120】
このため、ステップS204において、起動部12gは、読み込んだ製造IDに含まれる筐体デザイン情報を取得する。そして、起動部12gは、図17に示すデータテーブル70を読み出して、データテーブル70に記述される複数のID情報から、取得した筐体デザイン情報と一致するID情報を検索する。例えば、図16に示す製造IDはKCK0000001なので、KCKからなる文字列の下1桁に記述される筐体デザイン情報と一致するID情報はKとなる。このようにして検索されたID情報は、自機器の製造IDに対応する。
【0121】
自機器の製造IDに対応するID情報により、自機器の筐体のデザインが特定される(ステップS205)。図16に示す製造IDのKCK0000001が自機器の製造IDである場合、ID情報はKなので、データテーブル70に示すID情報と筐体の色との関係から、自機器の筐体のデザイン(色)は黒であると特定できる。
【0122】
次に、起動部12gは、自機器の筐体のデザインに合う待ち受け画像を、図20に示す待ち受け画像管理テーブル65に追加する(ステップS206)。ここで、図20に示す待ち受け画像管理テーブル65を説明する。待ち受け画像管理テーブル65は、図18に示す記憶部13の画像データ保存部13e内に保存されている。待ち受け画像管理テーブル65は、待ち受け画像として表示される画像の候補(画像1〜画像5)が記述されている。
【0123】
待ち受け画像管理テーブル65は、6個の画像データを保存する領域(画像保存領域)を有している。そして、待ち受け画像管理テーブル65には、既に5個の画像データが保存されており、1個の空き領域が用意される。より具体的には、待ち受け画像管理テーブル65のNO.1からNO.5までの画像保存領域には既に画像データが保存されており、NO.6の画像保存領域が空き領域BLとなっている。
【0124】
待ち受け画像管理テーブル65には、それぞれの画像保存領域に対して、待ち受け画像選択フラグF2を記述する領域が設けられる。待ち受け画像選択フラグF2が1に設定されると、それに対応する画像保存領域に保存されている画像が、自機器の表示部17に表示される待ち受け画像として設定される。ここで、待ち受け画像選択フラグF2は、2以上の画像保存領域に対して1に設定されることはない。すなわち、待ち受け画像管理テーブル65からは1個の待ち受け画像のみが選択される。
【0125】
ステップS206において、起動部12gが、自機器の筐体のデザインに合う待ち受け画像を待ち受け画像管理テーブル65に追加する場合、起動部12gは、まず、自機器の筐体のデザインに合う待ち受け画像を生成できる画像パッケージファイルを、図17に示すデータテーブル70から取得する。データテーブル70は、ID情報と複数のデザイン情報とがそれぞれ対応付けられているので、起動部12gは、データテーブル70を呼び出して、ステップS204で取得したID情報に対応するデザイン情報、より具体的には画像パッケージファイルを取得する。例えば、ステップS204で取得されたID情報がKである場合、データテーブル70からは画像パッケージファイル50Aが取得される。
【0126】
起動部12gは、ステップS204で取得されたID情報に対応する画像パッケージファイルをデータテーブル70から取得し、待ち受け画像管理テーブル65の空き領域(NO.6で示す領域)に書き込む。これによって、自機器の筐体のデザインに合う待ち受け画像を生成できる画像パッケージファイルが、待ち受け画像管理テーブル65に追加される。次に、起動部12gは、ステップS206で追加した画像パッケージファイル(本実施形態では50A)を選択し、待ち受け画像選択フラグF2を1に設定する(ステップS207)。これによって、携帯電子機器1aの待ち受け時には、待ち受け画像選択フラグF2=1に対応する画像パッケージファイルによって生成される画像が、待ち受け画像としてメインディスプレイ2Mに表示される。
【0127】
ここで、待ち受け画像管理テーブル65に追加された画像パッケージファイルは、携帯電子機器1aがリセットされない限り消去されることはない。このため、初期設定された待ち受け画像をユーザーが変更した後、再び初期設定された画像に戻したい場合には、携帯電子機器1aをリセットすることなく、簡単な待ち受け画像設定変更の操作で初期設定された待ち受け画像に戻すことができる。
【0128】
待ち受け画像の設定が終了したら、起動部12gは、設定保存部13hに割り当てられるフラグ管理領域(図18参照)に保存される設定完了フラグF1を1に書き換える(ステップS208)。設定完了フラグF1が1に書き換えられることにより、起動タスク13fは終了する。起動タスク13fが終了したら、起動部12gは、主処理部12aに完了通知を発行する。完了通知を受けた主処理部12aは、携帯電子機器1aの起動が完了した後に、携帯電子機器1aを待ち受け状態に遷移させる。
【0129】
待ち受け状態のときにメインディスプレイ2Mへ待ち受け画像が表示される。携帯電子機器1aが待ち受け状態に遷移したら、主処理部12aは、画像表示処理部12cに制御を移す。すなわち、主処理部12aは、処理部12及び記憶部13のハードウェア資源を、画像表示処理部12cに割り当てる。これにより、画像表示処理部12cは、待ち受け画像表示タスク13aを実行する。そして、画像表示処理部12cは、待ち受け画像選択フラグF2=1に対応する画像パッケージファイルを読み込む(ステップS209)。
【0130】
次に、画像表示処理部12cは、読み込んだ画像パッケージファイルに記述されたFlashのオブジェクト処理命令を実行することにより、Flashによる画像表示処理、すなわち、実施形態1で説明した画像表示方法を実行させる。これによって、待ち受け画像を生成して、メインディスプレイ2Mに表示させる(ステップS210)。
【0131】
次に、ステップS202へ戻って説明する。起動部12gがF1=1である場合と判定した場合(ステップS202:Yes)、表示画像設定は完了していると判定できる。この場合、起動タスク13fは終了する。起動タスク13fが終了したら、起動部12gは、主処理部12aに完了通知を発行する。完了通知を受けた主処理部12aは、携帯電子機器1aの起動が完了した後に、携帯電子機器1aを待ち受け状態に遷移させる。
【0132】
待ち受け状態に遷移したら、主処理部12aは、画像表示処理部12cに制御を移す。画像表示処理部12cは、待ち受け画像管理テーブル65を確認して(ステップS211)、待ち受け画像選択フラグF2=1の画像パッケージファイルを検索する。そして、画像表示処理部12cは、待ち受け画像表示タスク13aを実行して、待ち受け画像選択フラグF2=1に対応する画像パッケージファイルを読み出す(ステップS209)。その後、画像表示処理部12cは、読み込んだ画像パッケージファイルに記述されたFlashのオブジェクト処理命令を実行することにより待ち受け画像を生成して、メインディスプレイ2Mに表示させる(ステップS210)。
【0133】
上記手順により、携帯電子機器1aのリセット後、初の電源起動の後にメインディスプレイ2Mへ表示させる待ち受け画像が設定される。なお、ユーザーが待ち受け画像やメニュー画像を変更したい場合、ユーザーが選択した画像に対して待ち受け画像選択フラグF2が設定される。これによって、待ち受け画像選択フラグF2=1の画像が画像データ保存部13eから読み出され、待ち受け画像やメニュー画像としてメインディスプレイ2Mに表示される。本実施形態に係る画像設定の手法を用いることにより、上述したように、携帯電子機器1aを構成する筐体のデザインのイメージに合った待ち受け画像を表示できる。
【0134】
通常、携帯電子機器の筐体のデザインによって携帯電子機器を購入するユーザーに偏りが発生する。例えば、筐体の色がピンクであったり、形状が丸みを帯びていたりすると、女性が多く購入し、筐体の色が寒色系であったり、形状が直線的であったりすると、男性が多く購入する傾向がある。ここで、従来の設計・製造手法では、予め携帯電子機器に設定した待ち受け画像やメニュー画像、あるいはアニメーション画像等が単一であり、必ずしも筐体のデザインに対応したものが最初に表示される訳ではない。その結果、購入したユーザーの嗜好から外れ過ぎてしまうというケースが起こりやすい。
【0135】
このような場合、購入したユーザーは、携帯電子機器が備える機能設定メニューや取り扱い説明書により、表示される画像を切り替える作業が必要となる。仮に、携帯電子機器の扱いに不慣れなユーザーの場合、画像の切り替え作業は困難であることが多く、出荷時に設定された状態のまま携帯電子機器の使用を継続するという状況も発生し得る。一方、携帯電子機器のメーカーは、ユーザーからの質問やクレームに対して、携帯電子機器の機能設定で画像の切り替えができることを知らせることで前記質問やクレームを解決できるが、そのための手間や時間が発生する。
【0136】
これらを解決するには、携帯電子機器の筐体のデザイン毎に、携帯電子機器へインストールするソフトウェアを分け、それぞれのデザインにあった待ち受け画像やメニュー画像が表示されるようにするというような製造工程にすれば解決できる。しかし、携帯電子機器へインストールするソフトウェアを複数に分けること自体が生産効率を低下させ、また間違いを発生しやすいシステムであるため、正しいソフトウェアがインストールされない危険性が高い。
【0137】
例えば、携帯電子機器の製造工程において、黒の筐体を持つ携帯電子機器に、誤ってピンク用のソフトウェアをインストールしてしまうおそれがある。この場合、筐体の色のイメージに合わない待ち受け画像やメニュー画像が表示されてしまう。また、ソフトウェアのバグを修正したので、修正したソフトウェアを携帯電子機器へダウンロードする必要が生じた場合、ソフトウェアの開発部門においては、ある筐体のデザインに対応したソフトウェアについての修正が漏れてしまうおそれがある。これは、携帯電子機器へインストールするソフトウェアが複数に分かれているが故に発生するヒューマンエラーである。
【0138】
本実施形態では、携帯電子機器を構成する筐体のデザインを判別する手段として、携帯電子機器の固有の識別標識である製造IDを用いる。これによって、携帯電子機器が備える筐体のデザインを判別して、待ち受け画像の設定を、筐体のデザインに合わせることができる。これによって、携帯電子機器の表示部に表示される画像のデザイン開発において、初期状態として一つの画像を選択しなくてはならないという制限がある場合でも、それぞれの筐体のデザインイメージにあったデザインの画像を初期設定情報として、予め携帯電子機器に設定できる。その結果、携帯電子機器は、筐体のデザインのイメージと画像のイメージとのずれを低減できる。そして、携帯電子機器の開発者としては、筐体のデザインのイメージに合った待ち受け画像を表示させることができる利点がある。
【0139】
また、携帯電子機器を企画したり開発したりする者にとっては、携帯電子機器の筐体のデザイン毎にインストールするソフトウェアを分けて用意する必要はない。すなわち、デザイン情報(表示部17に表示される画像のデザインについての情報)を記憶部に保存するとともに、携帯電子機器の製造IDとデザイン情報との対応関係を特定しておくことにより、携帯電子機器へインストールするソフトウェアは1種類で済む。また、ソフトウェアのインストールも同一の工程で済む。その結果、携帯電子機器の筐体のデザインを複数設定し、筐体のバリエーションを多数展開する場合でも、簡単な構成で、携帯電子機器の製造コストの増加を大幅に抑制できる。
【0140】
また、上述したように、携帯電子機器へインストールするソフトウェアは1種類で済む。このため、本実施形態では、簡単な構成で、携帯電子機器へインストールされるソフトウェアを複数用意することによる危険を回避しつつ、筐体のデザイン毎に、それぞれ個別に企画者や開発者が意図した通りのラインナップを確立できるという利点もある。また、開発段階において初期設定情報を最適化することにより、ユーザーの嗜好から外れ過ぎてしまうというケースを低減させることができる。
【0141】
また、携帯電子機器の販売会社としては、筐体のデザインが異なる携帯電子機器毎に、異なる待ち受け画像を提示できる。このため、ユーザーの傾向に応じたサービスが展開し易くなり、その結果、販売会社としてユーザーに使ってもらいたいサービスをより訴求できるという利点がある。さらに、携帯電子機器を購入したユーザーは、筐体のデザインと表示部に表示される画像のデザインとが統一された携帯電子機器を手にすることができる。そして、筐体のデザインのイメージに合ったデザインの待ち受け画像やメニュー画像が初期設定されているので、これらを予め設定しなおす手間が省けるという利点がある。
【0142】
また、本実施形態では、製造IDとデザイン情報との対応関係が設定された後に、その設定を記憶部に保存する。具体的には、携帯電子機器の筐体のデザインに合った待ち受け画像に対して、待ち受け画像選択フラグF2を1にして、記憶部に保存する。これによって、携帯電子機器の電源起動が発生する度に製造IDを読み込んだり、ID情報を検索したりする必要がなくなる。その結果、電源起動に要する時間が長くなることを回避できる。そして、折り畳み式の筐体においては、筐体を開状態に遷移させる度に、製造IDを読み込んだり、ID情報を検索したりする必要がなくなる。その結果、待ち受け画像を表示させるときに要する時間が長くなることを回避できる。
【0143】
また、携帯電子機器の製造IDに、製造番号とは無関係になるように筐体デザイン情報を含ませる。そして、この筐体デザイン情報を用いて、自機器の筐体のデザインを判別し、対応する待ち受け画像やメニュー画像等を設定する。このため、携帯電子機器が追加製造され、製造番号が増加しても、その携帯電子機器の製造IDに含まれる筐体デザイン情報を参照すれば、その携帯電子機器の筐体のデザインを判別できる。これによって、携帯電子機器の製造IDに含まれる筐体デザイン情報と、ID情報と、デザイン情報とを対応付けておけば、データテーブルや起動タスクを新たに作り直す必要はない。その結果、本実施形態では、携帯電子機器の追加製造に対して柔軟に対応できるという効果も得られる。
【0144】
上記手順では、携帯電子機器が工場から出荷されて初めて電源が投入された場合を説明したが、携帯電子機器の修理等によって携帯電子機器をリセットした場合も、同様である。この場合も、本実施形態によれば、携帯電子機器の製造IDを用いて、携帯電子機器を構成する筐体のデザインを判別して、筐体のデザインのイメージに合った待ち受け画像を表示させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0145】
以上のように、本発明に係る携帯電子機器は、表示部に表示される画像の小容量化を実現し、かつ動きに変化のある画像を携帯電子機器の表示部に表示させることに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】実施形態1に係る携帯電子機器の正面図である。
【図2】実施形態1に係る携帯電子機器の側面図である。
【図3】実施形態1に係る携帯電子機器を閉じた状態を示す図である。
【図4】実施形態1に係る携帯電子機器の機能を説明するブロック図である。
【図5】本実施形態に係る画像表示方法により画像を表示させる処理の一例を示す流れ図である。
【図6】画像パッケージファイルの概念図である。
【図7】携帯電子機器のメインディスプレイのサイズを示す説明図である。
【図8】表示処理例1に用いる複数の静止画像の寸法を示す説明図である。
【図9】表示処理例1において待ち受け画像を表示させる際に用いる複数の静止画像の透過率の時間変化を示す図である。
【図10−1】静止画像の拡大図である。
【図10−2】静止画像の拡大図である。
【図11−1】基準画像の模式図である。
【図11−2】加工画像の模式図である。
【図12−1】加工画像の模式図である。
【図12−2】加工画像の模式図である。
【図13】表示処理例2において待ち受け画像を表示させる際に用いる基準画像及び複数の加工画像の透過率の時間変化を示す図である。
【図14−1】基準画像の一部のピクセルを示す拡大図である。
【図14−2】加工画像の一部のピクセルを示す拡大図である。
【図14−3】加工画像の一部のピクセルを示す拡大図である。
【図15−1】基準画像及び加工画像の模式図である。
【図15−2】基準画像及び加工画像の模式図である。
【図16】携帯電子機器に付される製造IDの一例を示す図である。
【図17】ID情報と、ID情報に対応する画像パッケージファイルとの関係を示すデータテーブルである。
【図18】実施形態2に係る携帯電子機器の機能を説明するブロック図である。
【図19】実施形態2において、携帯電子機器に表示される画像を設定して、設定された画像を表示させる手順を示す流れ図である。
【図20】記憶部に保存される待ち受け画像管理テーブルを示す模式図である。
【符号の説明】
【0147】
1、1a…携帯電子機器、1C…筐体、1CA…第1筐体、1CB…第2筐体、2S…サブディスプレイ、2M…メインディスプレイ、3…操作キー、4…方向及び決定キー、5…マイク、6…スピーカ、7…アンテナ、8…通信用端子、9…ヒンジ、11…通信部、12…処理部、12a…主処理部、12b…筐体開閉検知部、12c…画像表示処理部、12d…デコード処理部、12e…表示制御部、12f…ファイルシステム制御部、12g…起動部、13…記憶部、13a…待ち受け画像表示タスク、13b…デコードタスク、13c…表示制御タスク、13d…ファイルシステム制御タスク、13e…画像データ保存部、13f…起動タスク、13g…製造ID保存部、13h…設定保存部、13i…データテーブル保存部、14…音声処理部、17…表示部、18…操作部、50、50A、50B、50C…画像パッケージファイル、51…画像情報、52…処理情報、65…待ち受け画像管理テーブル、70…データテーブル、EGA…上横エッジ、EGB…下横エッジ、EGL…左縦エッジ、EGR…右縦エッジ、F1…設定完了フラグ、F2…待ち受け画像選択フラグ、P1…基準画像、P2…加工画像、P3…加工画像、P4…加工画像、Q…基準画像、Q1…加工画像、R…基準画像、R1…加工画像、X…静止画像、Y…静止画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の画像を表示する表示部と、
前記所定の画像を構成するための画像の情報であって、それぞれの画像における画像構成要素の配される位置及び/又は画像構成要素の色が異なる複数の静止画像の情報を保存する記憶部と、
前記表示部に前記所定の画像を表示させる際に、当該所定の画像として、前記複数の静止画像を重ねて表示可能な第1の表示制御を行う処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記第1の表示制御で、前記所定の画像を表示している際に、前記複数の静止画像のうち、先に一の静止画像を表示したまま、後から他の静止画像をフェードインして重畳表示させ、少なくとも二つの静止画像が重畳表示される状態で、後から表示させた静止画像を表示させたまま、先に表示させた静止画像をフェードアウトさせ、当該フェードインとフェードアウトとを繰り返す
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
所定の画像を表示する表示部と、
少なくとも一つの静止画像である基準画像の情報を保存する記憶部と、
前記表示部に前記所定の画像を表示させる際に、前記基準画像から、当該基準画像の構成要素の配される位置及び/又は構成要素の色を異ならせた加工画像を生成し、前記所定の画像として、前記基準画像と前記加工画像とを重ねて表示可能な第1の表示制御を行う処理部と、を備え、
前記処理部は、
前記第1の表示制御で、前記所定の画像を表示している際に、基準画像及び加工画像のうち、一の画像を表示させた状態で、後から他の画像をフェードインして重畳表示させ、二つの画像が重畳表示される状態で、後から表示させた画像を表示させたまま、先に表示させた画像をフェードアウトさせ、当該フェードインとフェードアウトとを繰り返す
ことを特徴とする携帯電子機器。
【請求項3】
前記基準画像は、前記表示部の表示可能サイズよりも大きい静止画であり、
前記加工画像は、前記基準画像の表示範囲を変更した画像である
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
前記基準画像は、前記表示部の表示可能サイズよりも大きい静止画であり、
前記処理部は、
前記加工画像を、前記基準画像の構成要素の配される色をピクセル毎に異ならせることで生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
【請求項5】
前記加工画像と前記基準画像との互いに対応する座標のピクセルは、階調差により色の差が与えられ、
前記処理部は、
前記基準画像における所定の座標における所定のピクセルが、階調差の大きいエリアにあるピクセルであるか否かを判定し、階調差が大きいピクセルの場合には、当該ピクセルに対応する加工画像におけるピクセルの階調を、階調差の小さいエリアのピクセルの場合よりも大きく変更する
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯電子機器。
【請求項6】
前記処理部は、
先に表示されている画像について、その透過率を時間の経過とともに徐々に上げ、その透過率が最大値になると前記先に表示されている画像を消すことにより前記フェードアウトを行い、透過率を最大にした状態で新たな画像を表示させ、その透過率を時間の経過とともに徐々に下げることで前記フェードインを行う
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項7】
前記記憶部には、前記第1の表示制御において用いる静止画像が第1のデザイン情報として保存されており、当該第1のデザイン情報とは異なる画像情報を有する第2のデザイン情報と、前記携帯電子機器の製造IDとがさらに保存され、
前記処理部は、
前記製造IDに基づいて、前記所定の画像を、前記第2のデザイン情報を用いた第2の表示制御と前記第1の表示制御とのいずれかにより表示する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項8】
前記製造IDは文字列を含んで構成され、当該文字列の一部には、前記携帯電子機器の筐体のデザインを一義的に示す情報が含まれている
ことを特徴とする請求項7に記載の携帯電子機器。
【請求項9】
前記製造IDは文字列を含んで構成され、当該文字列の一部には、前記携帯電子機器の筐体の色を一義的に示す情報が含まれている
ことを特徴とする請求項8に記載の携帯電子機器。
【請求項10】
前記表示部が設けられ、開閉可能に構成される筐体を備え、
前記処理部は、
前記筐体の状態が開状態になる、あるいは閉状態が解除されると、前記所定の画像の表示を前記表示部に行わせる
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の携帯電子機器。
【請求項11】
記憶部と表示部とを有する携帯電子機器における画像表示方法であって、
前記記憶部に保存される静止画像を用いて所定の画像を前記表示部に表示させる第1工程を備え、
前記第1工程には、
一の静止画像を表示した状態で、当該静止画像の画像構成要素の配される位置及び/又は色を異ならせた他の静止画像をフェードインさせる第2工程と、
前記第2工程においてフェードインさせ静止画像を表示させた状態で、先に表示していた静止画像をフェードアウトさせる第3工程と
を含むことを特徴とする携帯電子機器の画像表示方法。
【請求項12】
それぞれの画像における画像構成要素の配される位置及び/又は色が異なる複数の静止画像が保存される記憶部と、表示部とを有する携帯電子機器における画像表示方法であって、
前記記憶部に保存される複数の静止画像を用いて所定の画像を前記表示部に表示させる第1工程を備え、
前記第1工程においては、
所定の静止画像を表示した状態で、当該所定の静止画像とは異なる静止画像をフェードインさせて重畳表示させる第2工程と、
後から表示された静止画像を表示させた状態で、先に表示していた静止画像をフェードアウトさせる第3工程と、
前記第2工程と前記第3工程とを繰り返す第4工程と、
を含むことを特徴とする携帯電子機器の画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【図14−1】
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【図14−2】
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【図14−3】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−87606(P2010−87606A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251563(P2008−251563)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】