説明

携帯電子機器

【課題】開閉検出のためのこれらの部材を設ける必要なく、筐体の開閉検知を可能とすることにある。
【解決手段】第1の筐体(6)と、この第1の筐体とヒンジを介して開閉可能な第2の筐体(8)とを備える携帯電子機器(携帯電話機2)であって、第1の筐体に備えられた複数のスイッチボタン(141、142)と、状態検知手段(状態検知部18)とを備える。状態検知手段は、複数のスイッチボタンのうち、少なくとも二つの所定のスイッチボタンの同時操作により、第1の筐体と第2の筐体とが開状態または閉状態であることを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体に複数のスイッチボタンを備える開閉可能な携帯電話機などの携帯電子機器の開閉検知技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機などの携帯電子機器には折畳みやスライドさせて筐体を開閉するものが普及している。このような携帯電子機器では、筐体の開閉を契機に動作開始や動作停止をさせている。筐体の開閉を検知するため、検知センサが設置されている。
【0003】
下記の先行技術文献には、本体と開閉蓋とが開閉自在に設けられている携帯電話装置であって、本体に開閉検出スイッチ、開閉蓋に突起を設け、当該突起が当該開閉検出スイッチを押下することにより閉成動作が検出されるものが説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−266502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の先行技術文献に記載の技術では、開閉検出スイッチと突起とを実装しなければならず、筐体にこれらの実装スペースが必要である。
【0006】
そこで、本開示の携帯電子機器の目的は、開閉検出のためのこれらの部材を設ける必要なく、筐体の開閉検知を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の一側面では、第1の筐体と、この第1の筐体とヒンジを介して開閉可能な第2の筐体とを備える携帯電子機器であって、第1の筐体に備えられた複数のスイッチボタンと、状態検知手段とを備える。状態検知手段は、複数のスイッチボタンのうち、少なくとも二つの所定のスイッチボタンの同時操作により、第1の筐体と第2の筐体とが開状態または閉状態であることを検知する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の携帯電子機器によれば、次の何れかの効果が得られる。
【0009】
(1) 開閉検出のための部材として開閉検出スイッチと突起を設ける必要がなく、部品点数を削減でき、筐体の開閉検知をコンパクトに行うことができる。
【0010】
(2) 開閉検出のための部材として開閉検出スイッチと突起を省略したので、これらの実装スペースを筐体から除くことができ、筐体内の部品実装の自由度を高めることができる。
【0011】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施の形態に係る携帯電話機の一例を示す図である。
【図2】開閉の状態検知の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施の形態に係る携帯電話機の開状態を示す斜視図である。
【図4】携帯電話機の変形例を示す斜視図である。
【図5】図3に示す携帯電話機の開状態検知を示す断面図である。
【図6】図3に示す携帯電話機の閉状態検知を示す断面図である。
【図7】図4に示す携帯電話機の開状態検知の変形例を示す断面図である。
【図8】図4に示す携帯電話機の閉状態検知の変形例を示す断面図である。
【図9】ケースパッドが異なる携帯電話機の閉状態検知を示す断面図である。
【図10】携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図11】携帯電話機の開閉検知部の一例を示す図である。
【図12】開状態から閉状態の状態検知の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】開状態から閉状態の状態検知の一例を示すタイムチャートである。
【図14】閉状態から開状態の状態検知の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】閉状態から開状態の状態検知の一例を示すタイムチャートである。
【図16】開閉制御部の一例を示す図である。
【図17】システムドメインの開閉制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】ベースバンドドメインの開閉制御の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】第3の実施の形態に係る携帯電話機の一例を示す図である。
【図20】携帯電話機の開状態を示す斜視図である。
【図21】携帯電話機の開閉検知部の一例を示す図である。
【図22】閉状態から開状態の状態検知の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】閉状態から開状態の状態検知の一例を示すタイムチャートである。
【図24】第4の実施の形態に係る携帯電話機の開状態を示す斜視図である。
【図25】開状態の携帯電話機を一部を切り欠いて示す側面図である。
【図26】図25に示す携帯電話機の開閉検知を示す図である。
【図27】第5の実施の形態に係る携帯電話機の開状態を示す斜視図である。
【図28】携帯電話機の閉状態の状態検知を示す図である。
【図29】マグネットおよび磁気センサで構成する開閉センサを備える携帯電話機の比較例を示す図である。
【図30】携帯電話機の開閉検知を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔第1の実施の形態〕
【0014】
第1の実施の形態について、図1を参照する。図1は携帯電話機の一例を示している。図1に示す構成は一例であって、本発明が係る構成に限定されるものではない。
【0015】
図1に示す携帯電話機2は、本開示の携帯電子機器の一例である。この携帯電話機2には、開閉可能な筐体4を備える。この筐体4には、第1の筐体として固定側筐体6と、第2の筐体として可動側筐体8とが備えられている。この第1の実施の形態では、固定側筐体6および可動側筐体8がヒンジ部10で連結され、ヒンジ部10を中心に開閉すなわち、折畳み可能である。固定側筐体6はたとえば、操作側筐体であり、可動側筐体8はたとえば、表示側筐体である。
【0016】
固定側筐体6に備えられた操作入力部12には、複数のスイッチボタン14が設置され、各スイッチボタン14毎にスイッチ16が設置されている。すなわち、スイッチボタン14およびスイッチ16は、たとえば、テンキー、機能キー、拡張機能キー、カーソルキー、マルチタスクキーなどに対応する。複数のスイッチボタン14のうち、固定側筐体6のボトム側にあるたとえば、2つのスイッチボタンとして第1のスイッチボタン141、第2のスイッチボタン142に筐体4の開閉検知を割り当てる。スイッチボタン141はたとえば、TV操作などの拡張機能が割り当てられたスイッチ161の操作用ボタンである。スイッチボタン142はたとえば、マルチタスクキーの機能が割り当てられたスイッチ162の操作用ボタンである。これらは一例であり、他のキースイッチの操作ボタンに開閉検知を割り当ててもよい。この実施の形態では、筐体4を閉じた場合(閉状態)、スイッチ141、142を押下状態にし、スイッチ161、162を閉じる(または開く)。また、筐体4を開いた場合(開状態)、スイッチボタン141、142を開放状態に切り替え、スイッチ161、162を開く(または閉じる)。
【0017】
そして、この携帯電話機2は、開閉検知が割り当てられたスイッチボタン141、142の開閉操作を検知する状態検知手段の一例として状態検知部18を備える。この状態検知部18にはスイッチ161、162が接続されている。状態検知部18にはスイッチボタン141、142の押下状態により筐体4の閉状態が検知され、スイッチボタン141、142の開放状態で、筐体4の開状態が検知される。この状態検知部18は、ハードウェアで構成されてもよいし、携帯電話機2に搭載されるたとえば、プロセッサで実行されるソフトウェアによって構成されてもよい。
【0018】
この検知動作について、図2を参照する。図2は検知動作の処理手順を示している。
【0019】
この処理手順は本開示の状態検知プログラムまたは状態検知方法の一例である。この処理手順では、複数のスイッチボタン14のうち、開閉検知に割り当てられたスイッチボタン141、142の開閉操作を監視する(ステップS11)。スイッチボタン141、142の開閉操作を検知し(ステップS12)、スイッチ161、162が閉状態か否かを判定する(ステップS13)。
【0020】
スイッチボタン141、142が閉状態であれば(ステップS13のYES)、筐体4が閉状態であることを表す出力を発生する。この時、携帯電話機2に備えられた表示装置のバックライトを消灯するようにしてもよい。
【0021】
また、スイッチボタン141、142が閉状態であれば(ステップS13のNO)、筐体4が開状態であることを表す出力を発生する(ステップS14)。
【0022】
〔第1の実施の形態の効果〕
【0023】
第1の実施の形態では次の効果が得られる。
【0024】
(1) 携帯電話機2にあるテンキーなどの複数のスイッチボタン14に含まれるスイッチボタン141、142で筐体4の開閉検知を行うことができ、コンパクトな開閉検知を行うことができる。この実施の形態では、2つのスイッチボタン141、142に開閉検知を割り当てているので、誤動作を防止できる。
【0025】
(2) 筐体4の開閉検出のための部材として開閉検出スイッチと突起を設ける必要がなく、部品点数を削減でき、筐体内の開閉検知のために必要なスペースや部品点数の削減、筐体4内の内蔵部品配置の自由度が増し、筐体4の小型化、コストダウンを図ることができる。
【0026】
(3) 開閉検出スイッチにマグネットを用いた場合の磁気しゃへいや機能部品をマグネットから遠ざけるといった対策が不要であり、筐体4内の部品配置や実装の自由度が高められる。
【0027】
(4) 開閉検知に割り当てるスイッチボタン141、142およびスイッチ161、162には携帯電話機2の既存のキーボタンおよびスイッチを活用でき、簡単な構成で筐体4の開閉の検知精度を高めることができる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
【0029】
第2の実施の形態について、図3および図4を参照する。図3および図4は携帯電話機2を示している。図3および図4に示す構成は一例であり、本発明は係る構成に限定されるものではない。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0030】
図3に示す携帯電話機2は既述の通り、第1の筐体である固定側筐体6と、第2の筐体である可動側筐体8とをヒンジ部10で連結し、ヒンジ部10を開閉中心にして開閉可能である。固定側筐体6には操作入力部12の複数のスイッチボタン14が配置されている。既述のスイッチボタン141、142はスイッチボタン14のボタン高hが他のスイッチボタン140より固定側筐体6の厚み方向に突出させ、高く設定されている。このため、可動側筐体8が固定側筐体6側に閉じられた場合に、可動側筐体8の前面パネル20がスイッチボタン141、142の頂部に当たり、スイッチボタン141、142の各スイッチ161、162がオン状態となる。前面パネル20はたとえば、可動側筐体8に実装されたLCD(Liquid Crystal Display)を防護するLCDパネルである。また、スイッチボタン141、142から可動側筐体8の前面パネル20が離れると、スイッチ161、162が開状態となる。すなわち、スイッチ161、162がスイッチボタン141、142の操作を検知している。
【0031】
図3に示すように、固定側筐体6にあるスイッチボタン141、142は、ボタン高hを高く設定しているので、固定側筐体6に閉じられる可動側筐体8のストッパとして機能する。このため、ケースパッドが省略され、可動側筐体部8のトップ側の角部は前面パネル20が角部まで延長されてフラット面を構成している。
【0032】
ケースパッドについて、図4に示すように、可動側筐体8のトップ側の角部にはケースパッド22L、22R、固定側筐体6の当接面24にケースパッド26L、26Rを設置してもよい。各ケースパッド22L、22R、26L、26Rは弾性的に接触させるための部材としてたとえば、柔軟性合成樹脂などの弾性材料で形成すればよい。このようなケースパッド22L、22R、26L、26Rを備えれば、これらが可動側筐体8のストッパとして機能するので、スイッチボタン141、142の押下を一定量に制限することができる。
【0033】
ケースパッド22L、22R、26L、26Rについて、可動側筐体8にケースパッド22L、22Rのみを備え、ケースパッド26L、26Rを省略してもよい。またこの逆つまり、固定側筐体6にケースパッド26L、26Rのみを備え、ケースパッド22L、22Rを省略してもよい。ケースパッド22L、22Rのみを設置した場合、そのパッド高hを26L、26Rの高さ分だけ高く設定してもよい。
【0034】
次に、図3に示す携帯電話機2のスイッチボタン141、142の押下およびその解除について、図5および図6を参照する。図5および図6は筐体4の開閉機構および開閉を示している。図5および図6において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
【0035】
図5に示すように、固定側筐体6の固定側フロントケース28側にはスイッチパネル30が設置されている。このスイッチパネル30には複数のスイッチ16が配置されている。各スイッチ16はたとえば、ドームスイッチ、タクトスイッチ、プッシュスイッチ、その他のスイッチ素子の何れかまたは2以上で構成してもよい。各スイッチ16の上面にはフレキシブルシート32が設置されている。
【0036】
固定側フロントケース28の上面側に形成されたパネル載置凹部34には、操作パネル36が接着材としてたとえば、両面接着テープ38によって固定されている。この操作パネル36にはスイッチ16に対応する既述のスイッチボタン141、142を含む複数のスイッチボタン14が設置されている。各スイッチボタン14は、各スイッチ16を操作するキートップ(つまり、スイッチの操作部)である。操作パネル36の背面側には各スイッチボタン14およびスイッチ16に対応する位置に押下突起40を備えるキーシート42が設置されている。
【0037】
そして、固定側フロントケース28のボトム側に配置されたスイッチボタン141、142は、固定側筐体6の外面方向に突出させ、ボタン高hを他のスイッチボタン14より高く設定している。スイッチボタン141、142の頂部を高さの基準レベルとすれば、スイッチボタン141、142と、他のスイッチボタン14の頂部との間には高さh1 のレベル差がある。
【0038】
斯かる構成では、筐体4が開状態(図5)から、図6に示すように、閉状態になると、可動側筐体8の前面パネル20でスイッチボタン141、142が押下され、スイッチ161、162が操作される。この場合、スイッチボタン141、142は、ヒンジ部10の回転中心Oから固定側筐体6の同一面にあるので、同時またはほぼ同時に押下状態となる。
【0039】
次に、図4に示す携帯電話機2のスイッチボタン141、142の押下およびその解除について、図7および図8を参照する。図7および図8は筐体4の開閉機構および開閉を示している。図7および図8において、図5と同一部分には同一符号を付してある。
【0040】
ケースパッド22L、22R、26L、26Rを備える携帯電話機2(図4)では、スイッチボタン141、142の頂部を高さ基準に取れば、スイッチボタン141、142と、ケースパッド26L、26Rの頂部との間には高さh2 の差がある。高さh1 、h2 をh1 >h2 とすれば、h1 −h2 =Δhだけのクリアランスが設定されている。クリアランスΔhはキーストロークの幅であり、その大きさはたとえば、0.2〔mm〕である。
【0041】
可動側筐体8の可動側フロントケース44には両面接着テープ46により、ケースパッド22L、22Rが固定されている。この場合、ケースパッド22L、22Rの面部はフラット面であり、前面パネル20に一致する一様な面部を構成している。
【0042】
斯かる構成では、筐体4が開状態(図7)から、図8に示すように、閉状態になると、可動側筐体8の前面パネル20でスイッチボタン141、142が押下されるが、ケースパッド26L、26Rに可動側筐体8のケースパッド22L、22Rが当たる。この結果、スイッチボタン141、142の押下量をΔhとすると、Δh=h1 −h2 に制限される。このような押下量(既述のキー動作ストローク幅)が制限されるので、過剰な押下により加えられる応力からスイッチ161、162を防護できる。
【0043】
なお、図9に示すように、ケースパッド22L、22Rを前面パネル20から既述の高さh2 だけ突出させてもよく、h2 <h1 に設定すれば、同様にケースパッド22L、22Rがストッパとなり、可動側筐体6の前面パネル20でスイッチボタン14のうちスイッチボタン141、142のみを押下させることができる。同様に、スイッチボタン141、142の押下量(既述のキー動作ストローク幅)が制限されるので、過剰な押下により加えられる応力からスイッチ161、162を防護できる。
【0044】
次に、携帯電話機2のハードウェアについて、図10および図11を参照する。図10および図11は携帯電話機のハードウェアの一例を示している。図10および図11において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
【0045】
図10に示す携帯電話機2では、既述の操作入力部12がインターフェース部48およびセンサ部50に接続されている。操作入力部12は複数のスイッチボタン14およびスイッチ16で構成される(図11)。インターフェース部48は、記号入力、テレビ放送受信、マルチ機能、サーチ機能、カーソル機能などの開閉検知以外のボタン入力を受け付け、バス52を介してプロセッサ54に入力する。センサ部50は、プロセッサ54の制御を受け、既述の状態検知部18の一例であり、スイッチ161、162からの開閉出力により筐体4の開閉を検知する。状態検知部18の検知出力はバス52を介してプロセッサ54に伝達される。
【0046】
プロセッサ54は、メモリ部56に格納されているプログラムを実行し、携帯電話機2の送受信制御、ベースバンド制御、システム制御などを実行する。センサ部50による筐体4の開閉検知出力はベースバンド制御およびシステム制御の各制御に用いられる。システム制御には液晶表示制御、データ入力制御、メール制御、音声制御、ブラウザ制御などが含まれる。
【0047】
メモリ部56はたとえば、記録媒体で構成され、プログラム記憶部、データ記憶部、RAM(Random-Access Memory)などが含まれる。プログラム記憶部にはOS(Operating System)や、ファームウェアプログラム、アプリケーションプログラムなどが格納されている。筐体4の開閉検知に用いられる開閉検知プログラムは、このプログラム記憶部に格納されている。データ記憶部には筐体4の開閉情報の記録たとえば、現在筐体が開状態か閉状態かを表す状態情報など、各種のデータが格納される。
【0048】
無線部58はアンテナ60を備えるとともに、送信部および受信部を備える。無線部58では、プロセッサ54の制御により、無線信号の送受信、信号増幅、ベースバンド信号による無線周波信号の変復調を行う。ベースバンド(BB)部62は、プロセッサ54の制御によりデータ信号処理や音声信号処理を行う。
【0049】
音声処理部64はマイクロフォン66およびスピーカ68を備え、プロセッサ54の制御により音声信号をスピーカ68から音声として出力し、マイクロフォン66の入力音声を音声信号に変換する。
【0050】
表示部70はたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成し、プロセッサ54の制御により、記号や図形等を画像として表示する。
【0051】
タイマー72は、時間の経過を監視する時間監視手段の一例である。このタイマー72では時刻情報、プロセッサ54の制御により制御情報としての時間情報が得られる。時間情報には、スイッチ16の開閉間隔などの時間〔たとえば、後述の時間T1 、T2 (図12、図13)、時間T3 、T4 (図14、図15)など〕が含まれる。
【0052】
そして、スイッチボタン141、142には通常の機能に加え、筐体4の開閉検知が割り当てられているので、図11に示すように、センサ部50が接続されている。センサ部50は筐体4の開閉によって操作されるスイッチボタン141、142の操作つまり、スイッチ161、162により、筐体4が開状態か、閉状態かを検知し、これらを表す出力を生成する。
【0053】
次に、筐体4の開状態から閉状態の検知について、図12を参照する。図12は検知処理の処理手順の一例を示している。
【0054】
この処理手順は本開示の状態検知プログラムおよび状態検知方法の一例である。この処理手順では、スイッチボタン141、142の押下時点t1 、t2 を想定し、時点t1 、t2 間に時間T1 、スイッチボタン141、142の双方が押下状態となった時点t2 から時間T2 の経過後の時点t3 で開閉状態を判定している。
【0055】
この処理手順では、図12に示すように、筐体4が開状態である場合、スイッチボタン141、142の押下を監視する(ステップS21)。スイッチボタン141、142の何れか一方たとえば、スイッチボタン141が押下されれば(ステップS22のYES)、この時点t1 から所定時間T1 の経過を判定する(ステップS23)。時間T1 が経過し(ステップS23のYES)、その時点t2 でスイッチボタン142が押下されれば(ステップS24)、この時点t2 から所定時間T2 の経過を監視する(ステップS25)。この時間T2 が経過した時点t3 で双方のスイッチボタン141、142の押下を判定する(ステップS26)。この時点t3 でスイッチボタン141、142の双方が押下状態であれば(ステップS26のYES)、筐体4が閉状態であると判定する(ステップS27)。
【0056】
スイッチボタン141、142の双方が押下状態でなければ(ステップS26のNO)、ステップS21に戻る。すなわち、筐体4は開状態である。
【0057】
この検知処理について、図13を参照する。図13は開状態から閉状態の検知動作のタイミングチャートを示している。
【0058】
図13のAに示すように、筐体4の開状態からスイッチボタン141が押下されると、スイッチ(SW)161がオン状態となる。これが時点t1 である。図13のBに示すように、時点t1 から時間T1 の経過を監視し、スイッチボタン142が時点t2 で押下されると、スイッチ(SW)162がオン状態となる。この時点t2 から時間T2 の経過を監視し、時間T2 が経過した時点t3 で、スイッチボタン141、142の双方が押下、すなわち、スイッチ161、162の双方がオンであれば、筐体4を閉状態であると判定する。
【0059】
この実施の形態では、スイッチボタン141、142の押下、スイッチ161、162のオンに対し、時点t1 、t2 および時間T1 が設定されているが、t1 =t2 、T1 =0〔sec〕でもよい。また、時点t2 から時間T2 の経過を待って開閉の判断を行うので、誤検知を防止できる。
【0060】
なお、図13に示す検知処理は、スイッチボタン141が先行させた場合であるが、スイッチ142を先行させてもよい。
【0061】
次に、筐体4の閉状態から開状態の検知について、図14を参照する。図14は検知処理の処理手順の一例を示している。
【0062】
この処理手順は本開示の状態検知プログラムおよび状態検知方法の一例である。この処理手順では、スイッチボタン141、142の押下解除の時点t4 、t5 を想定し、時点t4 、t5 間に時間T3 、スイッチボタン141、142の双方が押下解除となった時点t5 から時間T4 の経過した時点t6 で開閉状態を判定している。
【0063】
この処理手順では、図14に示すように、筐体4が閉状態である場合、スイッチボタン141、142の押下解除を監視する(ステップS31)。スイッチボタン141、142の何れか一方たとえば、スイッチボタン141が押下解除であれば(ステップS32のYES)、この時点t4 から所定時間T3 の経過を判定する(ステップS33)。時間T3 が経過し(ステップS33のYES)、時点t5 でスイッチボタン142が押下解除であれば(ステップS34)、この時点t5 から所定時間T4 の経過を監視する(ステップS35)。この時間T4 が経過した時点t6 で双方のスイッチボタン141、142の押下解除を判定する(ステップS36)。時点t6 でスイッチボタン141、142の双方の押下解除状態であれば(ステップS36のYES)、筐体4が開状態であると判定する(ステップS37)。
【0064】
スイッチボタン141、142の何れか一方が押下状態であれば、つまり押下解除状態でなければ(ステップS36のNO)、ステップS31に戻る。すなわち、筐体4は閉状態である。
【0065】
この検知処理について、図15を参照する。図15は閉状態から開状態の検知動作のタイミングチャートを示している。
【0066】
図15のAに示すように、筐体4の閉状態からスイッチボタン141の押下が解除されると、スイッチ161がオフ状態となる。これが時点t4 である。図15のBに示すように、時点t4 から時間T3 の経過を監視し、時点t5 でスイッチボタン142の押下解除であれば、スイッチ162がオフ状態となる。この時点t5 から時間T4 の経過を監視し、時間T4 が経過した時点t6 で、スイッチボタン141、142の双方の押下解除、すなわち、スイッチ161、162の双方がオフであれば、筐体4を開状態であると判定する。
【0067】
この実施の形態では、スイッチボタン141、142の押下解除、スイッチ161、162のオフ時点について、時点t4 、t5 および時間T3 が設定されているが、t4 =t5 、T3 =0〔sec〕でもよい。また、時点t5 から時間T4 の経過を待って開閉の判断を行うので、誤検知を防止できる。
【0068】
なお、図15に示す検知処理は、スイッチボタン141が先行させた場合であるが、スイッチ142を先行させてもよい。
【0069】
次に、開閉制御について、図16を参照する。図16は開閉制御部を示している。
【0070】
この開閉制御部74には、システムドメイン76、ベースバンドドメイン78およびセンサ部50が含まれる。
【0071】
システムドメイン76は、筐体4の開閉を契機とするシステム制御領域である。システムドメイン76は既述のプロセッサ54で構成される。このシステムドメイン76には、活性状態、不活性状態への制御、待受画面表示状態などの制御が含まれる。
【0072】
ベースバンドドメイン78は、ベースバンド部62の筐体4の開閉を契機とする制御領域である。ベースバンドドメイン78は既述のプロセッサ54およびベースバンド部62で構成される。このベースバンドドメイン78には、筐体4が開状態であれば、回線信号の取得、通信開始待機状態への移行制御などが含まれる。
【0073】
センサ部50は、既述の通り、開閉検知が割り付けられたスイッチボタン141、142の押下または押下解除をスイッチ161、162の筐体4の開閉を検知し、判定している。図16に示すように、センサ部50は、スイッチ161、162の既述のオン・オフ検知に基づき、筐体4が閉状態であることを表す閉状態出力SHUT、筐体4が開状態であることを表す開状態出力OPENを生成させるスイッチ部80を備える。
【0074】
斯かる構成では、システムドメイン76およびベースバンドドメイン78ではセンサ部の機能を等価的に示すスイッチ80から閉状態出力SHUTまたは開状態出力OPENが得られ、これらの入力に基づき、既述の制御動作が実行される。
【0075】
次に、システムドメイン76の制御動作について、図17を参照する。図17はシステムドメイン制御の処理手順を示している。
【0076】
この処理手順は、本開示の状態検知プログラムおよび状態検知方法の一例であり、その状態検知プログラムまたは状態検知方法を用いるシステムドメイン76側の制御である。この処理手順は、筐体4の開閉操作(ステップS41)により、センサ部50でスイッチボタンの押下または押下解除の検知(ステップS42)により開始される。
【0077】
この処理手順は、スイッチボタンの押下または押下解除により割込みを発生させ(ステップS51)、他の割込みをマスクする(ステップS52)。この状態でセンサ部50の出力すなわち、ポート状態をリードし、センサ部50の出力が開状態出力OPENか、閉状態出力SHUTかを判断する(ステップS53)。
【0078】
開状態出力OPENであれば開状態(ステップS54)、閉状態出力SHUTであれば閉状態(ステップS55)に対応した既述の制御を実行し、割込みマスクを解除する(ステップS56)。
【0079】
次に、ベースバンドドメイン78の制御動作について、図18を参照する。図18はベースバンドドメイン制御の処理手順を示している。
【0080】
この処理手順は本開示の状態検知プログラムおよび状態検知方法の一例であり、その状態検知プログラムまたは状態検知方法を用いるベースバンドドメイン78側の制御である。この処理手順も、筐体4の開閉操作(ステップS41)により、センサ部50でスイッチボタンの押下または押下解除の検知(ステップS42)により開始される。
【0081】
この処理手順は、スイッチボタンの押下または押下解除により割込みを発生させ(ステップS61)、他の割込みをマスクする(ステップS62)。この状態で割込み要因をリードし(ステップS62)、割込みマスク設定を行う(ステップS63)。この状態でセンサ部50の端子状態をリードし(ステップS64)、割込みマスクを解除する(ステップS65)。
【0082】
〔第2の実施の形態の効果〕
【0083】
(1) 第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が得られる。操作入力部12の複数のスイッチボタン14から固定側筐体6のボトム側にあるスイッチボタン141、142を突出させて開閉検知を割り当てたので、筐体4の開閉を状態検知部18で高精度に検知できる。
【0084】
(2) 開閉検知では、スイッチボタン141、142の操作、開閉判断に時間T1 、T2 を設定したので、検知の誤動作や誤検知を防止できる。すなわち、開閉検知の信頼性を高めることができる。
【0085】
(3) 開閉検知に基づき、システム制御やベースバンド制御などに応用でき、スイッチボタンを増加させることなく、既存のスイッチボタンの多機能化を図ることができる。
【0086】
〔第3の実施の形態〕
【0087】
第3の実施の形態について、図19および図20を参照する。図19および図20は携帯電話機の一例を示している。図19および図20に示す構成は一例であって、本発明が係る構成に限定されるものではない。図19において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
【0088】
図19に示す携帯電話機2では、操作入力部12にある複数のスイッチボタン14のうち、固定側筐体6のボトム側にあるたとえば、3つのスイッチボタン141、142、143に筐体4の開閉検知を割り当てている。スイッチボタン141、142は第1の実施の形態と同様であり、スイッチボタン143はたとえば、サーチ機能が割り当てられたスイッチ163の操作用ボタンである。したがって、筐体4を閉じた場合(閉状態)、スイッチ141、142、143を押下状態にし、スイッチ161、162、163を閉じる(または開く)。また、筐体4を開いた場合(開状態)、スイッチボタン141、142、143を開放状態に切り替え、スイッチ161、162、163を開く(または閉じる)。
【0089】
状態検知部18は、これらスイッチボタン141、142、143によるスイッチ161、162、163の開閉により、筐体4の開閉状態を検知する。図19において、その他の構成は第1の実施の形態と同様であるので、同一符号を付しその説明を省略する。
【0090】
この実施の形態の携帯電話機2では、図20に示すように、開閉検知に割り当てられたスイッチボタン141、142、143が、他のスイッチボタン14に比較し、ボタン突出高hを高く設定している。つまり、可動側筐体8が固定側筐体6側に閉じられた場合に、可動側筐体8の前面パネル20がスイッチボタン141、142、143の頂部に当たり、各スイッチ161、162、163が閉状態となる。その他の構成は、図3と同一であるので、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
この実施の形態においても、携帯電話機2のハードウェアの構成は第2の実施の形態と同様である。第2の実施の形態と異なる点は、図21に示すように、スイッチボタン141、142、143には通常の機能に加え、筐体4の開閉検知が割り当てられていることである。したがって、スイッチ161、162、163にセンサ部50が接続されている。センサ部50は筐体4の開閉によって操作されるスイッチボタン141、142、143の操作つまり、スイッチ161、162、163により、筐体4が開状態か、閉状態かを検知し、これらを表す出力を生成する。
【0092】
この携帯電話機2(図19)の閉状態から開状態の検知について、図22を参照する。図22は閉状態から開状態の検知動作の処理手順を示している。
【0093】
この処理手順では、3つのスイッチボタン141、142、143の押下から2以下のスイッチボタンの押下状態となった時点t7 から所定時間T5 の経過後、開状態か閉状態かを判定している。つまり、この場合、3つのスイッチボタン141、142、143のうちの1つまたは2つが押下解除となった場合である。
【0094】
この処理手順では、図22に示すように、筐体4が閉状態である場合、スイッチボタン141、142、143の押下解除を監視する(ステップS71)。この押下されている3つのスイッチボタンから2以下のスイッチボタンの押下に移行したか否かを判定する(ステップS72)。この時点t7 から時間T5 の経過を判定し(ステップS73)、時間T5 が経過した時点t8 で、筐体4が開状態であると判定する(ステップS74)。
【0095】
この場合、時点t8 でスイッチボタン141、142、143の全てが押下解除、つまりスイッチ161、162、163の全てがオフとなっていれば、筐体4は閉状態であると判定してもよい。
【0096】
この検知処理について、図23を参照する。図23は閉状態から開状態の検知動作のタイミングチャートを示している。
【0097】
図23のAに示すように、筐体4の閉状態からスイッチボタン141、142、143の何れかの時点t7 で押下解除となると、図23のBに示すように、この時点t7 から所定時間T5 が経過した時点t8 で筐体4を開状態であると判定する。
【0098】
〔第3の実施の形態の効果〕
【0099】
(1) 第3の実施の形態によれば、3つのスイッチボタン141、142、143に開閉検知を割り当てているので、開閉検知の誤動作や誤検知を防止でき、検知精度を高めることができる。
【0100】
(2) 複数のスイッチボタンとして3つのスイッチボタン141、142、143に開閉検知を割り当て、開閉検知をスイッチ数で判断するので、判断や検知の処理時間を短縮でき、検知精度を高めることができる。
【0101】
〔第4の実施の形態〕
【0102】
第4の実施の形態について、図24および図25を参照する。図24および図25はスライド開閉式の携帯電話機を示している。
【0103】
図24および図25に示す携帯電話機2は本開示の携帯電子機器の一例である。この携帯電話機2には、スライドによって開閉可能な筐体4を備える。この筐体4では、既述のヒンジ部10に代え、固定側筐体6と可動側筐体8との間にスライド機構82が備えられている。したがって、矢印A、Bで示す方向に可動側筐体8をスライドすることにより、固定側筐体6の操作入力部12を開閉することができる。そして、固定側筐体6にある操作入力部12のスイッチボタン141、142または141、142、143のボタン高hを他のスイッチボタン14より高く設定する。その他の構成は第2の実施の形態と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0104】
このスライドによって開成される携帯電話機2(図25)では、図26のAに示すように、開状態であれば、スイッチボタン141、142またはスイッチボタン141、142、143は突出した状態で、スイッチ161、162またはスイッチ161、162、163はオフ状態となる。
【0105】
この開状態から閉状態に可動側筐体8を矢印Bで示す方向にスライドさせると、図26のBに示すように、可動側筐体8が乗り上げ、図26のCに示す状態では、スイッチボタン141、142またはスイッチボタン141、142、143を押下させる。これにより、スイッチ161、162またはスイッチ161、162、163がオフ状態からオン状態に切り替えられ、筐体4の閉状態が検知される。
【0106】
また、この閉状態から開状態に可動側筐体8を矢印Aで示す方向にスライドさせると、図26のBに示すように、可動側筐体8がスイッチボタン141、142またはスイッチボタン141、142、143の押下解除となる。図26のAに示すように、スイッチ161、162またはスイッチ161、162、163がオン状態からオフ状態に切り替えられ、筐体4の開状態が検知される。
【0107】
このスイッチ161、162またはスイッチ161、162、163の開閉検知は、第1ないし第3の実施の形態で述べたとおり、開閉検知部18によって検知され、筐体4の開状態または閉状態を表す状態検出出力が得られる。
【0108】
〔第4の実施の形態の効果〕
【0109】
上記実施の形態と同様の効果が得られるとともに、スライドによって開閉される携帯電話機2にあっても、そのスライド動作に応じた開閉を検知することができる。
【0110】
〔第5の実施の形態〕
【0111】
次に、第5の実施の形態について、図27および図28を参照する。図27および図28は第5の実施の形態に係る携帯電話機の一例を示している。
【0112】
図27に示す携帯電話機2では、ヒンジ部10の近傍にあるスイッチボタン141、142に筐体4の開閉検知を割り当て、可動側筐体8に操作突起841、842を備えている。この場合、ボタン高hは他のスイッチボタン14と同一である。
【0113】
斯かる構成では、図28に示すように、筐体4を閉じると、可動側筐体8にある操作突起841、842が当たってスイッチボタン141、142を押下させ、スイッチ161、162をオン状態にする。筐体4を開けば、可動側筐体8にある操作突起841、842がスイッチボタン141、142から離れ、押下解除となる。つまり、スイッチ161、162はオフ状態となる。
【0114】
このようなスイッチ161、162のオン、オフは状態検知部18(図1)またはセンサ部50(図10、図11)で検知すれば、同様に筐体4の開閉状態の状態検知を行うことができる。しかも、開閉検知を割り当てるスイッチボタン14は二つのスイッチボタン141、142に限られるものではなく、3以上のスイッチボタン14を用いてもよい。
【0115】
〔第5の実施の形態の効果〕
【0116】
斯かる構成では、スイッチボタン141、142を突出させることなく、可動側筐体8の操作突起841、842とスイッチボタン141、142およびスイッチ161、162で筐体4の開閉を検知できる。
【0117】
操作突起841、842は可動側筐体8側に設置するケースパッドで代用させることができる。
【0118】
〔他の実施の形態〕
【0119】
(1) 上記実施の形態では、開閉検知を割り当てるスイッチボタンを固定側筐体6のボトム側またはヒンジ部10側にあるスイッチを用いているが、これに限定されない。開閉検知を割り当てるスイッチボタンは、操作入力部12にあるテンキーやテンキー以外の機能キーの何れのキーを用いてもよい。
【0120】
(2) 筐体を閉じた場合に、操作入力部12にあるスイッチ16を不活性状態に制御する携帯電話機にあっては、開閉検知を割り当てたスイッチボタンで操作されるスイッチを活性状態に制御する構成とすればよい。
【0121】
(3) 上記実施の形態では、携帯電子機器として携帯電話機を例示したが、これに限定されない。本発明は、開閉機構を備えて開状態または閉状態に切り替えられるパーソナルコンピュータ、携帯情報端末機(PDA:Personal Digital Assistant)でもよく、開閉機構を備える電子ゲーム機やディジタルカメラにも適用し、同様の効果が得られる。
【0122】
〔比較例〕
【0123】
携帯電話機の比較例について、図29を参照する。図29は開状態の携帯電話機の比較例を示している。
【0124】
この携帯電話機200では、図29に示すように、固定側筐体206に磁気センサ290を設置し、ヒンジ部210を挟んで可動側筐体208にマグネット292が設置されている。固定側筐体206には磁気センサ290との間に距離を設けてスピーカ294、指紋センサ296、赤外線データ転送部〔IRDA(Infrared data association :赤外線デーテ転送規格装置〕298などの部品が設置されている。マグネット292からの磁気の影響を回避するための部品配置となっており、磁気センサ290側も磁気の影響を受ける部品は配置されていない。
【0125】
可動側筐体208は図30のAに示す開状態から図30のBに示すように、閉状態に操作される。開状態では、マグネット292はヒンジ部210を挟んで固定側筐体206から離れた位置に置かれるが、筐体4の閉状態ではマグネット292の磁気を磁気センサ290に作用させるため、図30のBに示すように、両者は近接位置に置かれる。磁気センサ290とマグネット292との間には筐体4のケース部材が介在するので、開閉検知の精度を維持するにはマグネット292には相応のものが使用される。このため、磁気センサ290やマグネット292が部品配置の自由度を妨げている。このような課題は既述の実施の形態の携帯電話機2などの携帯電子機器によって解決されている。
【0126】
以上説明したように、携帯電子機器、その状態検知プログラムおよび状態検知方法の最も好ましい実施の形態などについて説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0127】
2 携帯電話機
4 筐体
6 固定側筐体
8 可動側筐体
10 ヒンジ部
12 操作入力部
14 スイッチボタン
141 第1のスイッチボタン
142 第2のスイッチボタン
143 第3のスイッチボタン
16 スイッチ
161 第1のスイッチ
162 第2のスイッチ
163 第3のスイッチ
18 状態検知部
20 前面パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と、
前記第1の筐体とヒンジを介して開閉可能な第2の筐体とを備える携帯電子機器であって、
前記第1の筐体に備えられた複数のスイッチボタンと、
前記複数のスイッチボタンのうち、少なくとも二つの所定のスイッチボタンの同時操作により、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開状態または閉状態であることを検知する状態検知手段と、
を備えることを特徴とする携帯電子機器。
【請求項2】
前記所定のスイッチボタンは、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが閉状態の場合に、前記第2の筐体が当接することを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
第1の筐体と、
前記第1の筐体とヒンジを介して開閉可能な第2の筐体とを備える携帯電子機器であって、
前記第1の筐体に備えられた複数のスイッチボタンと、
前記複数のスイッチボタンのうち、少なくとも二つの所定のスイッチボタンの同時操作により、前記第1の筐体または前記第2の筐体のいずれかに備えられた表示装置を消灯させる状態検知手段と、
を備えることを特徴とする携帯電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−195891(P2012−195891A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59924(P2011−59924)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】