説明

携帯電話システム、サーバおよびシミュレーション方法

【課題】使用者に任意の携帯端末の機能動作を体験させる。
【解決手段】携帯電話システムに、使用者の有する携帯端末の操作及び/又は行動の履歴を収集する履歴収集手段と、使用者の有する携帯端末と任意の携帯端末との差分を検出すると共に、収集した履歴に基づき、任意の携帯端末における履歴に対する結果をシミュレートして、予め格納されているアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ、音響データの何れか又は全てを編集加工するデータ編集加工手段と、編集加工されたアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ、音響データの何れか又はその組み合わせを、シミュレート結果として使用者の有する携帯端末に送信する送信手段とを備えるサーバを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバにおけるシミュレーション技術に関し、詳しくは、他の携帯端末の操作をシミュレーションする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバにおける携帯端末の操作をシミュレーションする技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
特許文献1には、新機種(機種変更後)の携帯電話機の操作を従来機種(機種変更前)の操作で行なえる技術が記載されている。特許文献1に記載された技術は、携帯電話からキー操作をネットワーク上に設けられたサーバに通知し、サーバ上で、送られてきたキー操作を受けてその操作に対する結果を送り返すことにより、新機種と従来機種との操作性の差を無くし、機種変更後の操作性の向上を図っている。
【0003】
上記技術の他に、コンピュータ上で実機のアプリケーションプログラムの動作確認を行う技術が特許文献2に開示されている。特許文献2には、実機としの工学的読取装置(バーコードリーダ)に用いるアプリケーションプログラムを動作確認するため、実機とコンピュータを接続し、コンピュータ上で、コーディング等を実行して、アプリケーションプログラムに基づく実機の処理系統の動作を模擬処理(シミュレーション)する模擬処理実行手段が記載されている。
【0004】
また、画像解析技術として、シーン検出機能(シーン識別機能)や顔認識機能が、動画編集ソフトや、デジタルカメラ、ビデオカメラなどに搭載されている。また、低解像度の画像や動画を、高解像度の画像や動画に変換する超解像技術が動画編集ソフトやテレビに搭載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−279124号公報
【特許文献2】特開2008−283287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、機種変更後に新機種に慣れるための時間を必要としない携帯端末システムを提供している。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、既存機種と新機種のユーザインタフェースを統一する必要性がある。また、サーバから携帯端末に対して表示データを送信する為に、莫大なトラフィツクを発生させる。具体的に説明すれば、携帯端末は、画面の切り替り毎に、新機種の表示部の表示ドット毎にサーバから指示を受ける必要がある。また、表示でーたが動画像であった場合には、より多くのトラフィツクを要する。また、新機種独自のハードウェアは、上記技術を用いることができない。
【0007】
ところで、引用文献1に記載された技術は、機種変更後に、新機種の操作性を向上させる技術である。他方、利用者によっては、機種変更を行なった後の操作性向上よりも、機種変更前に新機種の操作性を確認したいと考えている。
現在の新機種の操作性の確認には、多くの人が販売店などで実機のモックアップを操作して確認している。また、一部の人は、ホットモックや、同一機種を使用している人の実機を操作して確認している。ただし、ホットモックや、同一機種であっても、所望する機能が有効使用できる状態に設定されていないことも多い。現状の新機種の操作性の確認方法では、多くの人が限られた短時間で操作性を確認できるものの、細部の確認を行なうことは、現実的に不可能である。人によっては、何時間かかろうと、各種機能を一つ一つ確認した後に、新機種を購入したいと考えている。
【0008】
また、上記確認方法では、所望の確認方法で新機種の動作確認を実現できない。ここで所望の確認方法とは、例えば、夜景やペットなどの撮影能力や、動画の大画面表示、音声品質、電話帳やメールの入力操作の流れなどが挙げられる。現在の社会では、上記確認は、機種変更を行なった上でのみ新機種の機能を体験することとなる。
【0009】
換言すれば、将来新機種の購入者が使用する環境に近い状態での動作確認を行なえていない。また、利用者が新機種の各ハードウェアや各アプリケーション、機能などを体験しきれていない。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、使用者が既に所持している携帯端末を使用し、任意の機種で使用できる機能を試すことが可能な携帯電話システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る携帯電話システムは、使用者の有する携帯端末の操作及び/又は行動の履歴を収集する履歴収集手段と、前記使用者の有する携帯端末と任意の携帯端末との差分を検出すると共に、前記収集した履歴に基づき、前記任意の携帯端末における前記履歴に対する結果をシミュレートして、予め格納されているアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ、音響データの何れか又は全てを編集加工するデータ編集加工手段と、前記編集加工されたアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ、音響データの何れか又はその組み合わせを、シミュレート結果として前記使用者の有する携帯端末に送信する送信手段とを備えるサーバを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、使用者が既に所持している携帯端末を使用し、任意の機種で使用できる機能を試すことが可能な携帯電話システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の一形態における携帯電話システムを示す構成図である。
【図2】携帯電話システム全体の動作を簡略的に示したフローチャートである。
【図3】実施例の構成及び動作を概略的に示す説明図である。
【図4】サーバ携帯端末間の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図5】サーバ携帯端末間の別の動作の一例を示すシーケンス図である。
【図6】別の実施形態における携帯電話システムを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。尚、以下で説明する携帯端末とサーバとの通信については、携帯端末と基地局との無線接続などの細部を省略して記載する。
【0015】
図1は、実施の一形態における携帯電話システムを示す構成図である。
携帯電話システムは、一般的な携帯端末10とサーバ20と、両装置間を接続する既存の通信網で構成される。
【0016】
図中の携帯端末10は、一般的な携帯端末である。携帯端末10は、ブラウザや、メーラー、JAVA(登録商標)等のアプリケーションが動作し、撮像機能、位置特定機能、シーン検出機能などを搭載する。尚、各プログラムや機能を有するか否かは、サーバ側で識別してもよいし、操作者側から通知するようにしてもよい。
【0017】
サーバ20は、携帯端末10と通信可能であり、履歴収集部21、データ編集加工部22、送受信部23、データベース24等を備える。サーバ20は、一般的なサーバであり、制御部、ROM、RAM、記憶装置、通信インタフェースなどを備える。また、サーバは、RAMに展開された本願発明に関するプログラムに基づいて制御部を各種手段として動作させる。
【0018】
履歴収集部21は、使用者の有する携帯端末の操作や行動の履歴を収集する。当該収集は、履歴として、携帯端末10に搭載されている場面認識機能によって、静止画や動画の撮像時に生成される場面認識結果を含めるようにすると良い。また、撮像したデータを含めるようにしても良い。
【0019】
データ編集加工部22は、携帯端末10と使用者等によって任意に選択された携帯端末との差分を検出(識別)する。また、データ編集加工部22は、履歴収集部21で収集した履歴に基づき、選択された任意の携帯端末における履歴に対する結果をシミュレートして、データベース24に予め格納されているアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ、音響データ、利用者から提供されたファイル等を編集加工する。換言すれば、選択された任意の携帯端末と携帯端末10との差分である機能やハードウェア条件、契約条件などを参照して、例えば新機種などに搭載される新規のアプリ(アプリケーションプログラム)や撮像性能などを、使用者が差を認知できるように、編集加工する。
【0020】
送受信部23は、編集加工されたアプリや画像データなどを、シミュレート結果として携帯端末10に送信する。
【0021】
データベース24には、履歴として送られてきた情報やファイル、編集加工のルール、機種の性能等の情報、編集加工するアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ、音響データなどが記憶格納されている。
【0022】
また、サーバ20に、使用者の有する携帯端末10に対して、履歴を収集するプログラム(アプリ)をダウンロード可能に格納保持するアプリ提供部(図示せず)を設けても良い。
【0023】
次に、システム全体としての動作を示す。
図2は、携帯電話システム全体の動作を簡略的に示したフローチャートである。
【0024】
携帯端末10は、履歴を収集するアプリをダウンロードする(ステップS201)。尚、アプリは、全機種共通としても良いし、予め携帯端末10にプリインストールしておいても良い。また、シュミレーションする携帯端末(機種)毎や、シュミレーションする任意の携帯端末(機種)毎、メーカ毎にアプリを準備してもよい。
【0025】
携帯端末10は、アプリに基づき、使用者による自端末への操作や、使用者の良く使用する機能やアプリなどの行動を収集し、サーバ20に送信する(ステップS202)。尚、操作や行動を示す情報は、都度送信するようにしても良いし、まとめて送信するようにしても良い。
【0026】
携帯端末10は、サーバ20に対して任意の機種を選択指定し、任意に選択された機種との差分をサーバ20に抽出させる(ステップS203)。
【0027】
携帯端末10は、サーバ20から送られている各種情報に基づき、使用者に対して、任意の端末の機能や新しいアプリを体験できるように動作する(ステップS204)。
【0028】
このように、動作することで、携帯端末10を用いて、任意の機種のデモンストレーションを行なえる環境を、使用者に提供する。
上記動作の為、サーバ20では、各部が協働して動作し、必要なデータ処理を行う。
データ処理を説明すれば、データ編集加工部22において、携帯端末10から送られてきた画像データ、動画データ、音響データを編集加工して、任意の携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成する。
【0029】
これは、データベース24に予め格納されているファイルや、携帯端末10から取得したファイルを解析して、仮に、履歴に記録されている操作や動作を行なったときに、任意の携帯端末で同様の操作や動作を行なった場合に得られるデータファイル等を仮想的に生成する。
【0030】
具体的な処理の一例では、データベース24に格納されている高解像度の画像ファイルを、任意の携帯端末の撮影できる解像度に編集加工する。このとき、編集加工するファイルは、履歴等に基づき選択される。
【0031】
また、データ編集加工部22は、予め記録保持している画像データ、動画データ、音響データを編集加工して、使用者の有する携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成するようにしても良い。即ち、同一の元データから、携帯端末10と選択された任意の携帯端末との両方で、同様の処理を行うことで、夫々の性能差によって現れるデータの両方を比較することが可能となる。
【0032】
このように、使用者の有する携帯端末10と任意の携帯端末との結果を対比可能に携帯端末10に送信できるようにすることによって、性能差が明確になる。
【0033】
また、携帯端末10から取得したデータファイルを超解像技術を用いて、擬似高解像度データファイルに変換し、任意の携帯端末の撮像解像度近傍まで、引き上げて、対比できるようにしても良い。当該処理は、動画、静止画に使用できる。
【0034】
また、データ編集加工部22は、履歴から、使用者の使用頻度の高い機能を選定し、使用者が使用頻度の高い機能に対する任意の携帯端末のデモンストレーション用データファイルを作成するようにしてもよい。即ち、予め準備されているデモンストレーションを、携帯端末10の処理性能や画面解像度に合わせて、編集加工する。
【0035】
使用者の有する携帯端末10に搭載されていない機能等を、編集加工したデータを用いて、試供アプリケーションとして生成し、携帯端末10に提供してもよい。
【0036】
上記サーバ20は、任意の携帯端末の開発メーカ、オペレータ、又は協働して、新機種や自社端末のデモンストレーションのために提供する。即ち、サーバ20を用いれば、使用者の有する携帯端末に搭載されていない機能等を仮想的に再現可能にして、当該端末のアピールを行なえる。
【0037】
次に、具体的な画像処理の実施例を示し、本発明を説明する。
図3は、実施例の構成及び動作を概略的に示す説明図である。
【0038】
図中の携帯端末100は、一般的な携帯端末であり、音声通信とデータ通信を行なえる。また、携帯端末は、ブラウザや、メーラー、JAVA等のアプリケーションが動作し、撮像機能、位置特定機能、シーン検出機能を有する。尚、各プログラムや機能を有するか否かは、サーバ側で識別してもよいし、操作者側から通知するようにしてもよい。
【0039】
図中のサーバ200は、携帯端末分析エンジンとして動作する。携帯端末分析エンジンとは、携帯端末100で利用された機能を、履歴活用部220で解析し、新機種との比較を行いたいときに、ユーザ毎に最もよく使う機能の例を、操作履歴DB240内に保持されている中から抽出して提示する事が可能なエンジンである。
【0040】
携帯端末分析エンジンは、携帯端末100と通信が可能であり、全体の動作を統括する行動制御部210、履歴活用部220、アプリシミュレート部230、操作履歴DB240、及びルールDB250を備える。
【0041】
行動制御部210は、携帯端末100のアプリケーションからデータが送られてきた時、ルールDB25からルールを読み込み、履歴活用部220でデータを分析したり、携帯端末100でシミュレート可能となるようサーバ200内の各部を動作させる。
【0042】
履歴活用部220は、携帯端末100から送られてきたデータの特徴を抽出し、操作履歴DB240に記録する。また、履歴活用部220は、行動制御部210から通知された所定のアクションに対して操作履歴DB240及び/またはアプリシミュレート部230からその場にふさわしい条件を読み出す。また、履歴活用部220は、対比する端末間(使用者の有する携帯端末、任意の携帯端末)の差による表示や機能の差分を認識し易いように、出力結果を生成する。また、履歴から、使用者の使用頻度の高い機能を選定する。
【0043】
アプリシミュレート部230は、携帯端末100へダウンロードするJAVAなどのアプリケーション、所持している携帯端末のスペックと例えば発売前の新機種などの比較を行なうためのベンチマーク情報(サンプル画像や動画等)、デモンストレーション用元データ、シユミレートされた結果のデモンストレーション用データなどを保持する。
【0044】
操作履歴DB240は、履歴活用部220で抽出されたデータやデータの特徴を保持する。
データの特徴を例示すれば、操作履歴として、使用者の有する携帯端末に搭載されている場面認識機能の抽出した静止画や動画の認識結果が挙げられる。
【0045】
ルールDB250は、携帯端末100の通信データに基づいたサーバ200側のアクションを記述したルール群と、各ルールを実行するための情報ファイル(画面サイズや処理能力などの機種情報など)およびアプリケーション(履歴を収集するプログラムなど)を保持する。当該プログラムは、使用者の要求等に応じて、使用者の有する携帯端末に対して、履歴を収集するプログラムをダウンロードされる。ルール群を例示すれば、以下のルールが挙げられる。
【0046】
・携帯端末100の操作履歴に基づき、操作履歴DB240に保持する情報の重みづけルール
・最新機種と既存機種の差分を抽出する分析ルール
・操作履歴DBから該当ユーザがよく使う機能の呼び出しルール
・シミュレート結果をデモンストレーションに反映させるルール
など
次に、動作を説明する。
基本的な構成として、所持している携帯端末100の操作履歴はサーバ200上の携帯端末分析エンジン内の操作履歴DB240に保持されている。また、新機種の操作性や機能等を体験する時に、サーバ200内のアプリシミュレート部230から、自端末上で実現可能とするアプリケーション及びファイルをダウンロードし、携帯端末100でのアプリケーションに対する入力結果をサーバ200へ送り、サーバ200内で処理して端末等に送信する。また、アプリケーションソフトについては事前に携帯端末にプリインストールされていても良い。さらに、モニタ期間としてアプリ起動時から例えば1ヶ月のみ有効と成るようにしても良い。
【0047】
例えばAさんはカメラ機能をよく利用しているとする。夏の夜に写真を撮影すると、携帯端末内部のシーン検出機能により「風景」撮影シーンが判定される。この撮影された画像データをサーバへ送信し、履歴活用部220で解析し、画像データの情報(季節、時間、シーン)をサーバ内の操作履歴DB240内に保持する。春の夜に風景画像やの夏の朝に人物画像を撮影した時も同様の手順で操作履歴DB240内に保持する。
【0048】
次にAさんは携帯端末100の機種変更を検討するものとする。具体的には、新しい機種として、夏モデルの新機種の機能をお試しで確認してみたいとする。
ここでユーザは所持している携帯端末100の予め保持している新機種アプリを起動する。所持していない場合は、サーバ200から所望の新機種アプリをダウンロードする。
【0049】
携帯端末100は、新機種アプリにて、サーバ200内の行動制御部210に向けてAさんの携帯端末100の型番を送信し、ルールDB250に記録されている選定ルールに従って新機種との差分を分析させる。当該分析は、サーバ200側で行なっても良いし、携帯端末100側で行ってもよい。
【0050】
また、サーバ200内の履歴活用部220にて操作履歴DB240内からよく使う機能として、カメラ機能であることを識別する。更に、ユーザの操作傾向としてよく夜に風景を撮るシーンが多い事を分析し、アプリシミュレート部230にて最新機種との差分の分析と、それぞれの端末(シュミレートする端末)毎に定まっている最高画素で撮影した画像データを編集加工する。行動制御部210は、編集加工した画像データを携帯端末100にてシミュレート可能となるようして送信する。
【0051】
このとき、画像データとして、現在が例えば初夏であれば、夏の夜の風景として、予め格納されている高解像度の花火の画像を比較画像と選定し、新機種の撮像能力での画像と、携帯端末100の撮像能力での画像を編集加工し、両方の画像を携帯端末に送信するようにしてもよい。
【0052】
また、このとき、新機種の撮像能力での画像の再生に、携帯端末100の表示能力不足を検出した場合は、画像の要部の切り出しを行うようにしてもよい。また、所定のパソコンに転送する設定としても良い。
【0053】
携帯端末100では、自端末と新機種の画質の一部分同士を比較可能とするアプリケーションを搭載してもよい。
【0054】
上記動作を携帯端末100とサーバ200とのやり取りで示せば、図4に例示するようになる。また、図5に示す様に動作させても良い。
【0055】
デモンストレーション用情報は、サーバ上に実装される顔認識機能、画像合成機能、画像切り出し機能などを用いて加工される。
【0056】
顔認識機能を使用した場合を以下に、例示する。ここで、既にサーバ内の操作履歴DB内にはAさんが過去に撮影した下記の画像が保持されているとする。また、機能を確認する新機種には、カメラと連動して機能する顔認識機能が搭載されるものとして、サーバから顔認識機能体験アプリを提供するものとする。
【0057】
・画像A(春、朝、人物Bさん)
・画像B(夏、昼、人物Bさん)
・画像C(冬、夜、人物Cさん)
ここでAさんが冬の夜に顔認識機能を試してみたいとする。
【0058】
顔認識機能体験アプリを起動する。所持していない場合は、サーバ内のアプリシミュレート部230からダウンロードする。
【0059】
携帯端末100は、顔認証機能体験アプリ起動後、画像ビューアが立ち上がり、画像ビューアが起動した事をサーバ内の行動制御部210に送信する。
【0060】
また、サーバ内の履歴活用部220にて操作履歴DB240内から画像ビューアを起動した時の季節や時間情報(ここでは冬の夜)を元に画像Cを読み出し、例えば画像ファイル名「C」を使ってアプリシミュレート部230で画像Cの人物を「Cさん」と顔認証して表示し、顔認証機能のデモ画面を表示する。このとき、画像Cに写っている人物の特定は、例えば電話帳に対応付けられている画像情報と文字情報などから引用すればよい。
【0061】
また、画像合成機能を例示すれば、携帯端末100で撮った画像を、別の画像と合成処理して携帯端末100に送り返すように動作する。このとき、合成処理能力を、新機種の処理能力や処理機能に合わせる。これは、サーバ上で行う画像合成は、携帯端末で行う画像合成よりも高度な処理が可能であるが、デモンストレーション用であるので、画像合成能力を最大限に行わずに、シミュレートする機種に合わせる。
【0062】
以上のよう本システムによれば、既に所持している携帯端末で、発売前の新機種などを体験でき、ユーザ毎に良く使う機能を例に操作性や機能性等をシミュレートする事が可能となる。
【0063】
即ち、既に所持している携帯端末で、発売前であっても新機種のよく使う機能を体験でき、操作性等を確認することが可能にできる。また、ユーザがショップや量販店へ出向く必要が無くなる。加えて、携帯端末メーカも販売店向けにホットモックを準備する必要が少なくなる。
【0064】
尚、上記携帯電話システムで行うデモンストレーションは、一般に使用者が有する携帯端末よりも、試す任意の携帯端末の方が性能が高いことが多い。そこで、携帯端末の処理能力や画面解像度の限界を超える場合には、パソコン向けにデモンストレーション用のアプリやファイルを送信するようにしても良い。 また、図6に示すように、使用者の有する携帯端末を、サーバと通信可能なパソコンと接続して上記サーバを使用し、サーバが、デモンストレーション用データが、使用者の有する携帯端末での再現に困難性を有する場合に、パソコンに生成したデモンストレーション用データを送信するようにしても良い。再現に困難性の判断には、ルールDBに保存されている どの機種がどの程度の解像度や処理能力を有するかを記録した情報を用いる。このとき、使用者の有する携帯端末とパソコン両方でデモンストレーションを体験できるようにしてもよい。このようにすれば、パソコンと携帯端末の画面で連携をとって、デモンストレーションを展開できる。また、不足分のハードウェアを補える。
【0065】
以上説明したように、本発明によれば、使用者が既に所持している携帯端末を使用し、任意の機種で使用できる機能を試すことが可能な携帯電話システムを提供できる。
【0066】
また、本発明の具体的な構成は前述の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があってもこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0067】
10 携帯端末
20 サーバ
21 履歴収集部
22 データ編集加工部
23 送受信部
24 データベース
100 携帯端末
200 サーバ
210 行動制御部
220 履歴活用部
230 アプリシミュレート部
240 操作履歴DB
250 ルールDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の有する携帯端末の操作及び/又は行動の履歴を収集する履歴収集手段と、
前記使用者の有する携帯端末と任意の携帯端末との差分を検出すると共に、前記収集した履歴に基づき、前記任意の携帯端末における前記履歴に対する結果をシミュレートして、予め格納されているアプリケーションプログラム、画像データ、動画データの何れか又は全てを編集加工するデータ編集加工手段と、
前記編集加工されたアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ音響データの何れか又はその組み合わせを、シミュレート結果として前記使用者の有する携帯端末に送信する送信手段と
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記履歴には、前記使用者の有する携帯端末に搭載されている静止画又は動画の撮像時の場面認識機能の場面認識結果および/又は当該撮像されたデータが含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記使用者の有する携帯端末に対して、前記履歴を収集するプログラムをダウンロード可能に格納する手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記使用者の有する携帯端末と、前記任意の携帯端末との結果を対比可能に前記使用者の有する携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記データ編集加工手段は、前記使用者の有する携帯端末から送られてきた画像データ、動画データ、音響データを編集加工して、前記任意の携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成する
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記データ編集加工手段は、予め記録保持している画像データ、動画データ、音響データを編集加工して、前記使用者の有する携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成すると共に、前記任意の携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成する
ことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記データ編集加工手段は、前記履歴から、前記使用者の使用頻度の高い機能を選定し、使用者が使用頻度の高い機能に対する前記任意の携帯端末のデモンストレーション用データを作成する
ことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記データ編集加工手段は、予め準備されている前記任意の携帯端末のデモンストレーション用データを編集加工し、前記履歴に基づいて、前記使用者の使用頻度の高い機能を選定して、前記使用者の有する携帯端末と前記任意の携帯端末との前記機能に注目して比較した内容のデモンストレーション用データを作成する
ことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載のサーバ。
【請求項9】
前記使用者の有する携帯端末は、前記サーバと接続されたパーソナルコンピュータと接続され、
前記サーバは、デモンストレーション用データが、前記使用者の有する携帯端末での再現に困難性を有する場合に、前記パーソナルコンピュータに生成したデモンストレーション用データを送信し、
前記使用者の有する携帯端末とパーソナルコンピュータの何れか又は両方で、デモンストレーションを実現可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項10】
前記データ編集加工手段は、
超解像度技術および解像度変換技術の設定を、前記使用者の有する携帯端末から撮像して送られてきた画像又は動画を、検出した差分に基づき、前記任意の携帯端末で撮像したとする画像又は動画となるように変更し、
前記超解像度技術および解像度変換技術を用いて、前記送られてきた画像又は動画を編集加工してシミュレート結果とする
ことを特徴とする請求項1記載のサーバ。
【請求項11】
前記サーバは、任意の携帯端末の開発メーカ又はオペレータの提供するサーバであり、
前記サーバは、使用者の有する携帯端末に搭載されていない機能を、試供アプリケーションとして、前記使用者の有する携帯端末で、前記機能を仮想的に再現可能にアプリケーションを編集加工して、前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項12】
請求項1ないし11の何れか一項に記載のサーバを有する携帯電話システム。
【請求項13】
使用者の有する携帯端末の操作及び/又は行動の履歴を収集し、
前記使用者の有する携帯端末と任意の携帯端末との差分を検出し、
前記収集した履歴と差分に基づき、前記任意の携帯端末における前記履歴に対する結果をシミュレートして、予め格納されているアプリケーションプログラム、画像データ、動画データの何れか又は全てを編集加工し、
前記編集加工されたアプリケーションプログラム、画像データ、動画データ音響データの何れか又はその組み合わせを、シミュレート結果として前記使用者の有する携帯端末に送信する
ことを特徴とする携帯端末のシミュレーション方法。
【請求項14】
前記履歴には、前記使用者の有する携帯端末に搭載されている静止画又は動画の撮像時の場面認識機能の場面認識結果および/又は当該撮像されたデータが含まれる
ことを特徴とする請求項13に記載のシミュレーション方法。
【請求項15】
前記使用者の有する携帯端末に対して、前記履歴を収集するプログラムをダウンロード可能に格納して、要求に応じて提供する
ことを特徴とする請求項13又は14に記載のシミュレーション方法。
【請求項16】
前記使用者の有する携帯端末と、前記任意の携帯端末との結果を対比可能に前記使用者の有する携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項13ないし15の何れか一項に記載のシミュレーション方法。
【請求項17】
データ編集加工は、前記使用者の有する携帯端末から送られてきた画像データ、動画データ、音響データを編集加工して、前記任意の携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成する
ことを特徴とする請求項13ないし16の何れか一項に記載のシミュレーション方法。
【請求項18】
データ編集加工は、予め記録保持している画像データ、動画データ、音響データを編集加工して、前記使用者の有する携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成すると共に、前記任意の携帯端末の有する能力で得られるだろうデータを生成する
ことを特徴とする請求項13ないし17の何れか一項に記載のシミュレーション方法。
【請求項19】
前記データ編集加工は、前記履歴から、前記使用者の使用頻度の高い機能を選定し、使用者が使用頻度の高い機能に対する前記任意の携帯端末のデモンストレーション用データを作成する
ことを特徴とする請求項13ないし18の何れか一項に記載のシミュレーション方法。
【請求項20】
前記データ編集加工は、予め準備されている前記任意の携帯端末のデモンストレーション用データを編集加工し、前記履歴に基づいて、前記使用者の使用頻度の高い機能を選定して、前記使用者の有する携帯端末と前記任意の携帯端末との前記機能に注目して比較した内容のデモンストレーション用データを作成する
ことを特徴とする請求項13ないし19の何れか一項に記載のシミュレーション方法。
【請求項21】
前記使用者の有する携帯端末は、パーソナルコンピュータと接続され、
シミュレーション処理を行う情報処理装置で、デモンストレーション用データが、前記使用者の有する携帯端末での再現に困難性を有する場合に、前記パーソナルコンピュータに生成したデモンストレーション用データを送信し、
前記使用者の有する携帯端末とパーソナルコンピュータの何れか又は両方で、デモンストレーションを実現可能とする
ことを特徴とする請求項13ないし20の何れか一項に記載のシミュレーション方法。
【請求項22】
データ編集加工として、
超解像度技術および解像度変換技術の設定を、前記使用者の有する携帯端末から撮像して送られてきた画像又は動画を、検出した差分に基づき、前記任意の携帯端末で撮像したとする画像又は動画となるように変更し、
前記超解像度技術および解像度変換技術を用いて、前記送られてきた画像又は動画を編集加工してシミュレート結果とする
ことを特徴とする請求項13に記載のシミュレーション方法。
【請求項23】
使用者の有する携帯端末に搭載されていない機能を、試供アプリケーションとして、前記使用者の有する携帯端末で、前記機能を仮想的に再現可能にアプリケーションを編集加工して、前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項13に記載のシミュレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−114379(P2011−114379A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266341(P2009−266341)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】